JP2008285726A - フィルム温度測定装置及びそれを具備した巻取式真空成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つのガイドロールに支持されて走行しているフィルムに成膜しながら、放射温度計を用いてフィルムの温度を測定する際に、フィルムの複数箇所の温度を測定することができる温度測定装置と、それを具備した巻取式真空成膜装置を提供する。
【解決手段】 温度測定装置は、成膜装置の壁部に保持部9で移動可能に保持された金属管6と、金属管6内に設置された放射温度計7と、金属管6に設けた窓部12と、金属管6の窓部12の内側に配置した反射鏡13とを備えている。金属管6を移動させながら、フィルム4から金属管6の窓部12に入射する赤外線を、反射鏡13で反射して放射温度計7で検出することにより、成膜中のフィルム4の温度を複数箇所で測定する。金属管6に水冷ジャケット14を設けて、水冷することも可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、成膜装置によりフィルムの一面に成膜する際に、その走行しているフィルムの温度を測定する装置、及びそのフィルム温度測定装置を具備した巻取式真空成膜装置に関する。
従来から、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等のプラスチックフィルムは、種々のコーティング材料を被覆して各種特性を付与した機能性フィルムの基材として用いられている。特に電子材料や包装材料分野では、厚さ数10μm程度の比較的薄いフィルムが多く用いられているが、被覆する材料の適用種類の拡大に伴い、上記プラスチックフィルムを基材とする機能性フィルムは今後も増加することが予想される。
上記各種機能性薄膜の製法としては、金属または酸化物等のターゲットを用いる各種のスパッタリング法、例えば直流マグネトロンスパッタリング、高周波マグネトロンスパッタリング、及び直流に高周波のRFを重畳したマグネトロンスパッタリング、ターゲット同士を対向させる対向ターゲットスパッタリングがある。また、陽極として配置した酸化物ターゲットにプラズマビームを供給し、材料蒸発源を蒸発させることによる反応性蒸着法や、ガスプラズマを利用して蒸発粒子の一部をイオンもしくは励起粒子とし、活性化して蒸着するイオンプレーティング法などが用いられている。
上記薄膜製造方法においては、基材となるフィルムの温度によってフィルム上に成膜される機能性薄膜の特性が変化する場合が多く、従ってフィルム温度の制御方法は重要な検討項目であった。例えば、薄膜を真空下で形成する枚葉式の真空成膜装置においては、ニクロム線や赤外線ランプ、ハロゲンランプ等によるフィルムやフィルムホルダー等の直接加熱手段と、水、エチレングリコール、フロン系冷媒を流して面接触を利用して冷却するフィルムホルダーの冷却手段と、フィルム温度を測定する各種温度計からなる測定手段を組み合わせて、フィルムの温度を調節している。
一方、ウエブ状のフィルムを2つのロール間で連続的に搬送しながら成膜する巻取式真空成膜装置では、温度計を接触させるとフィルムを傷つけるため、フィルムの温度を直接測定することは困難である。そこで多くの場合、図1に示すように、真空チャンバー1内に冷温媒によって加熱冷却する大型の成膜ドラム2を設け、この成膜ドラム2上にフィルム3を成膜ドラム2の回転と共に走行させながら成膜し、成膜ドラム2に流す冷温媒の液温度を制御することによって、フィルム3の温度を制御している。
しかし、このように走行するフィルムの温度を測定する場合、通常の温度計を用いて測定することは、温度計の接触によってフィルムが傷つきやすいため困難である。また、温度計をフィルムに接触させて温度を測定しようとしても、特に薄いフィルムでは熱容量が非常に小さいため、高精度の温度測定は困難であるという問題があった。
そこで、放射温度計を用いて、走行するフィルムの温度を非接触で測定することが検討されている。即ち、冷温媒によって加熱冷却することができる成膜ドラムを用いず、ロールツーロール方式により巻出ロールと巻取ロールの間でフィルムを走行させながら、フィルム上に薄膜を形成する巻取式真空成膜装置を使用し、そのフィルムの裏面(薄膜が形成される面とは反対の面)側の空間に放射温度計を配置して、成膜中のフィルムの温度を非接触で測定するものである。
このような巻取式真空成膜装置では、走行中で且つ成膜中のフィルムの温度は成膜条件に依存し、フィルムの温度が高すぎると、フィルムが変形したり破断したりすることがある。また、通常、膜形成の初期と最後ではフィルムの温度は異なり、場合によってはフィルムの中央と端部でフィルムの温度が異なる場合もある。更に、フィルムの温度によって膜特性が変化することもあるため、フィルムの温度には十分注意する必要がある。
しかしながら、上記のごとく走行しているフィルムの成膜面と反対側の裏面側から成膜中のフィルム温度を測定する場合、フィルムの裏面側に空間があるといっても、真空チャンバー内の部材配置や測定装置の導入などによって空間的に制約される場合が多いため、多くの場合に測定点は1点のみであった。そのため、フィルム全体の温度を知ることができず、フィルムの中央と端部あるいは膜形成の初期と最後などで正確な温度制御ができないという問題があった。
尚、フィルムの温度測定技術のみを見ると、例えば、特開平11−333920号公報(特許文献1)には、少なくとも片面に塗剤を塗布した後に延伸工程を有する樹脂フィルムの製造方法において、放射温度計を用いてフィルムの温度を測定することにより、塗剤の乾燥工程後で延伸工程前に、フィルムの幅方向に連続的に測定して塗剤の乾燥状態を把握し、その情報を乾燥工程にフィードバックして乾燥工程における加熱を制御し、フィルムを一定温度以上に達しめた後に延伸することが記載されている。
また、特開2000−187203号公報(特許文献2)には、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造において、フィルムを長手方向に延伸する際に、長手方向の延伸点直前で、幅方向に測定可能な非接触の放射温度計を設置し、その測定温度に基づいてフィルム端部を加熱する熱源の出力を自動的に変化させてフィルムの端部を加熱することにより、長手方向延伸後の幅方向の中央と端部でフィルムの物性差を減少させ、一軸延伸フィルムを幅方向に延伸することによって、寸法安定性に優れ且つ幅方向の物性差の小さい二軸延伸ポリアミドフィルムを製造することが提案されている。
また、特開2005−218686号公報(特許文献3)には、乾燥滅菌機の機体の外部に、特定の波長域の赤外線を検出可能な放射温度計を配置するとともに、加熱された容器から発生する赤外線のうち、放射温度計が検出する波長域の赤外線を透過可能な材料で形成した窓を機体に取り付け、容器の温度を正確に測定し且つメンテナンスを容易にすることが可能な乾燥滅菌機が提案されている。しかし、上記の測定方法は、いずれも、大気中で放射温度計を用いて行うものであり、真空成膜装置内で走行するフィルムの成膜中における温度の測定については記載されていない。
特開平11−333920号公報 特開2000−187203号公報 特開2005−218686号公報
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、巻取式真空成膜装置において2つのガイドロールに支持されて走行しているフィルムに成膜しながら、放射温度計を用いて成膜中のフィルムの温度を測定する際に、フィルムの複数箇所の温度を正確に測定することができる装置、及びその温度測定装置を具備した巻取式真空成膜装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明が提供するフィルム温度測定装置は、ロールツーロール方式の真空成膜装置により走行するフィルムの一面に薄膜を形成する際に、該フィルムの成膜面と反対側の面から放射温度計により該フィルムの温度を測定する温度測定装置であって、前記成膜装置の壁部に保持部で移動可能に保持された金属管と、金属管内に設置した放射温度計と、金属管に設けた窓部と、金属管の窓部内側に配置した反射鏡とを備え、前記フィルムから金属管の窓部に入射する赤外線を、反射鏡で反射して放射温度計で検出することにより、成膜中のフィルムの温度を測定することを特徴とする。
上記本発明のフィルム温度測定装置においては、前記金属管の保持部がロータリーシリンダとリニアシリンダに接続され、前記金属管が該金属管の軸の回りに回転可能で且つ該金属管の軸方向に移動可能であることが好ましい。また、前記金属管の外周部は、水冷されていることが好ましい。更に、前記窓部に設置した窓部材は、弗化バリウム、弗化カルシウム、ZnSeから選ばれた1種からなることが好ましい。
また、本発明は、上記した本発明のフィルム温度測定装置を備えたことを特徴とする、ロールツーロール方式により走行するフィルムの一面に薄膜を形成する巻取式真空成膜装置を提供するものである。
上記本発明の巻取式真空成膜装置においては、前記フィルム温度測定装置で測定したフィルムの温度を、蒸発源あるいは電極の電源装置及びフィルムの搬送装置にフィードバックして、投入電力とフィルム搬送速度を調節することによりフィルムの温度を制御することができる。
本発明のフィルム温度測定装置によれば、フィルムからの赤外線を金属管の窓部を通して放射温度計で検出することにより、走行し且つ成膜中のフィルムの温度を非接触で正確に測定することが可能であると共に、放射温度計を収納した金属管を回転可能で且つ軸方向に移動可能に設置することによって、単一の放射温度計及び単一の真空導入ポートより、フィルムの任意の複数位置における温度を測定することができる。
従って、このフィルム温度測定装置を、直流マグネトロンスパッタリング装置や高周波マグネトロンスパッタリング装置、対向スパッタリング装置、更には、反応性蒸着装置、イオンプレーティング装置等に備えることによって、基材となるフィルムの温度を詳細に制御することができ、フィルム上に成膜される機能性薄膜の特性制御が容易になり、特性がより安定化された機能性薄膜を得ることができるため、各種機能性薄膜の製造において工業的に極めて有用である。
本発明のフィルム温度測定装置について、図2〜3を用いて具体的に説明する。例えば図2に示すように、ロールツーロール方式による巻取式真空成膜装置においては、2つのロール(図示せず)の間を走行するフィルム4の一面に、成膜法に応じて蒸発源/電極5を用いて薄膜を形成する。尚、蒸発源/電極5については、蒸発源は抵抗加熱法や電子ビーム蒸着法において使用され、電極はプラズマを利用したスパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法等で用いられる。
上記の蒸発源/電極5を設置したフィルム4の成膜面に対して、反対側の裏面側に金属管6を移動可能に設置し、その金属管6内に収納した放射温度計7でフィルム4の温度を測定する。金属管6は成膜装置の壁部8に保持部9により保持され、成膜装置の外からの操作により移動可能に、例えば、ロータリーシリンダ10により金属管6の回りに回転可能であり、リニアシリンダ11により金属管6の軸方向に移動可能になっている。従って、単一の放射温度計7と単一の真空導入ポートより、走行するフィルム4の任意の複数位置における温度を測定することが可能である。
また、例えば図3に示すように、放射温度計7を収納した金属管6の先端部に窓部12が設けてあり、その窓部12の内側には反射鏡13が配置してある。窓部12に設ける窓部材としては、弗化バリウム、弗化カルシウム、ZnSeから選ばれた1種であることが好ましい。そして、フィルム4から金属管6の窓部12に入射する赤外線を、反射鏡13で反射して放射温度計7で検出することによって、成膜中のフィルム4の温度を測定するようになっている。尚、図3における15は、フィルム4の成膜領域を規制するための防着板である。
更に、放射温度計7を収納した金属管6は、その外周部が水冷されていることが好ましい。フィルム4に成膜する過程では電極/蒸発源5によりフィルム4だけでなく金属管6も加熱される場合があるので、金属管6に水冷ジャケット14を設けて水冷することによって、金属管6内の放射温度計7の誤動作をなくし、より正確な測定を行うことが可能となる。
放射温度計は、放射温度計の検出波長と共に、その検出波長でフィルムの放射率ができるだけ高くなるように選択することが望ましい。これは、フィルムが完全黒体放射体のように外部からの赤外線をすべて吸収する完全吸収体ではなく、赤外線波長の一部を反射、吸収、透過しているためである。また、それぞれの割合を反射率、吸収率、透過率と呼び、このうち吸収率と放射率は等しいことが知られている。即ち、外部から樹脂フィルムに入射する赤外線の全エネルギーHと、反射率r、吸収率a、透過率tには、H=rH+aH+tH(ただし、r+a+t=1)の関係があり、透過あるいは反射した赤外線エネルギーも放射温度計に入射して正確な測定を阻害するため、阻害要因をできるだけ小さくすることが望ましいからである。
同様な考え方から、放射温度計の放射線透過用の窓材は、検出波長での透過率ができるだけ高いものが望ましい。具体的には、金属管の窓部に設置する窓部材の材質は、弗化バリウム、弗化カルシウム、ZnSeから選らばれた1種であることが好ましい。また、反射鏡についても、できるだけ反射率の高いものが望ましい。以上のような理由で、一般的に放射温度計の表示値は正確ではないため、校正を行う必要がある。
通常、以下のようにして校正する。即ち、巻取式真空成膜装置にフィルムを取り付け、停止したフィルムに熱電対を貼り付ける。この状態で、例えばスパッタリング法によりフィルム上に薄膜を成膜する。その際、金属管内に収納した放射温度計を用い、窓部から入射した放射線を反射鏡で導いて検出することで、熱電対と同等の場所の温度を測定する。電極への投入電力を調整し、熱電対の温度が安定した状態で、熱電対の測定値と放射温度計の表示値を求める。このようにして得られる熱電対の測定値と放射温度計の表示値との関係から、放射温度計の校正曲線を求めることができる。
本発明のフィルム温度測定装置は、直流マグネトロンスパッタリング装置や高周波マグネトロンスパッタリング装置、対向スパッタリング装置、更には反応性蒸着法やイオンプレーティング法等による成膜装置に設置することができる。得られるロールツーロール方式の巻取式真空成膜装置によれば、移動しながら成膜されるフィルムの温度を、複数の個所において非接触で正確に測定することができる。
特に、フィルム温度測定装置で測定したフィルムの温度を、蒸発源あるいは電極の電源装置及びフィルムの搬送装置にフィードバックし、投入電力とフィルム搬送速度を調節することによって、成膜中のフィルムの温度を詳細に制御することが可能である。その結果、成膜条件を最適化できるため、フィルム上に成膜される機能性薄膜の特性制御が容易になり、より特性が安定化された機能性薄膜を得ることができる。
[実施例1]
図2及び図3に示すフィルム温度測定装置を搭載しているロールツーロール方式の巻取式真空成膜装置を使用し、厚さ38μm、幅262mmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン製、カプトン(登録商標))を取り付けた。停止しているフィルムに、シース径0.5mmのK熱電対を貼り付けると共に、反射鏡を付帯した放射温度計(ジャパンセンサー製、TMZ53−350F7−100N67M5−D、検出波長7.9μm)を金属管内に挿入し、弗化バリウム製の窓部材を通して熱電対と同等の場所を測定できるように調整した。
この状態で、フィルム上にスパッタリング法により銅の薄膜を形成した。その際、スパッタリング用電極への投入電力を調整し、熱電対の温度が安定した状態で熱電対の測定値と放射温度計の表示値を求め、得られた関係を図4に示す。この図4のグラフを放射温度計の校正曲線として用いた。
続いて、ロールツーロール方式により上記フィルムを1.5m/minの速度で走行させながら、スパッタリング法により10W/cmの電力で銅薄膜をフィルム上に成膜した。温度が安定した状態で、ロータリーシリンダ及びリニアシリンダを調節し、図5に示す各測定位置におけるフィルムの温度を放射温度計により測定した。得られた測定結果を下記表1に示す。
下記表1から分るように、フィルムの幅方向(測定位置B、D、E)ではほとんど温度分布はなかったが、フィルムの長さ方向(測定位置A、B、C)ではフィルムの温度が処理と共に上昇し、処理の最終で最も高い温度となった。また、上記の条件において、成膜したフィルムは変形や破断することなく、安定して巻き取ることができた。
[実施例2]
フィルムを0.38m/minの速度で走行させた以外は、上記実施例1と同様にして、フィルム上に銅薄膜を成膜すると共に、その際のフィルム温度を測定した。得られた結果を下記表1に示す。
下記表1から分るように、フィルムの横方向(測定位置B、D、E)ではほとんど温度分布はなかったが、フィルムの長さ方向(測定位置A、B、C)ではフィルムの温度が処理と共に上昇し、処理の中間近くでピークを迎え、処理の最終では温度はほぼ一定であった。
また、フィルムの走行速度を、上記0.38m/min以外に、1.5m/min及び0.75m/minと変化させ、それぞれ上記と同様の条件で銅薄膜を成膜した。その際、フィルムの長さ方向(測定位置A、B、C)におけるフィルムの温度を測定し、得られた結果を図6に示した。また、いずれの条件でも成膜したフィルムは変形や破断することなく、安定して巻き取ることができた。
[比較例1]
投入電力を20W/cmにしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、フィルム上に銅薄膜を成膜すると共に、その際のフィルム温度を測定した。得られた結果を下記表1に示す。
下記表1から分るように、フィルムの幅方向(測定位置B、D、E)ではほとんど温度分布はなかったが、フィルムの長さ方向(測定位置A、B、C)ではフィルムの温度が処理と共に上昇し、処理の最終で最も高い温度になった。また、上記条件で銅薄膜を成膜したフィルムには、しわが発生していた。
[比較例2]
ロータリーシリンダ及びリニアシリンダを使用せず、フィルムの中央部(測定位置B)の温度のみを測定した以外は、上記実施例1と同様にして、フィルム上に銅薄膜を成膜した。得られた結果を下記表1に示す。フィルムの温度測定は測定位置Bのみであり、他の位置の温度データを取得することはできなかった。
Figure 2008285726
[実施例3]
上記実施例1と同様にして、図2及び図3に示すフィルム温度測定装置を搭載しているロールツーロール方式の巻取式真空成膜装置を使用し、厚さ38μm、幅262mmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン製、カプトン(登録商標))を1.5m/minの速度で走行させながら、スパッタリング法により10W/cmの電力でフィルム上に銅薄膜を形成した。
この時、上記実施例1と同様にして、走行しているフィルムの温度を測定すると共に、その測定結果をターゲット電極の電源装置と、フィルムの搬送装置にフィードバックして、フィルム温度が一定となるように制御しながら成膜を連続して行った。その結果、フィルムの表面温度は、図5のB位置において、事前に設定した145℃の前後5℃以内に制御され、この温度範囲で安定して成膜を継続することができた。
従来の成膜ドラムを備えた巻取式真空成膜装置の具体例を示す概略の断面図である。 本発明のフィルム温度測定装置を備えた巻取式真空成膜装置の要部を一部切り欠いて示す概略の斜視図である。 本発明のフィルム温度測定装置の具体例を一部切り欠いて示す概略の平面図である。 放射温度計の校正曲線の一例であり、熱電対の測定値と放射温度計の表示値との関係を示すグラフである。 フィルムの温度測定位置を示す説明図である。 実施例2におけるフィルム温度の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 真空チャンバー
2 成膜ドラム
3、4 フィルム
5 電極/蒸発源
6 金属管
7 放射温度計
8 壁部
9 保持部
10 ロータリーシリンダ
11 リニアシリンダ
12 窓部
13 反射鏡
14 水冷ジャケット
15 防着板

Claims (6)

  1. ロールツーロール方式の真空成膜装置により走行するフィルムの一面に薄膜を形成する際に、該フィルムの成膜面と反対側の面から放射温度計により該フィルムの温度を測定する温度測定装置であって、前記成膜装置の壁部に保持部で移動可能に保持された金属管と、金属管内に設置した放射温度計と、金属管に設けた窓部と、金属管の窓部内側に配置した反射鏡とを備え、前記フィルムから金属管の窓部に入射する赤外線を、反射鏡で反射して放射温度計で検出することにより、成膜中のフィルムの温度を測定することを特徴とするフィルム温度測定装置。
  2. 前記金属管の保持部がロータリーシリンダとリニアシリンダに接続され、前記金属管が該金属管の軸の回りに回転可能で且つ該金属管の軸方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム温度測定装置。
  3. 前記金属管の外周部が水冷されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルム温度測定装置。
  4. 前記窓部に設置した窓部材が、弗化バリウム、弗化カルシウム、ZnSeから選ばれた1種からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム温度測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム温度測定装置を備えたことを特徴とする、ロールツーロール方式により走行するフィルムの一面に薄膜を形成する巻取式真空成膜装置。
  6. 前記フィルム温度測定装置で測定したフィルムの温度を、蒸発源あるいは電極の電源装置及びフィルムの搬送装置にフィードバックして、投入電力とフィルム搬送速度を調節することによりフィルムの温度を制御することを特徴とする、請求項5に記載の巻取式真空成膜装置。
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