JP2008285005A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの電磁波を遮断しつつ、軽量化を図り、複雑な形状等も作成可能であり、部品点数の削減も図れ、シール構造も容易に形成すること。
【解決手段】ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、センサーハウジングに収容されてセンサーハウジングカバーに覆われた回路基板を介して前記検知した操舵トルクに対応した補助操舵トルクを電動モータから発生させ、減速機構により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置に於いて、前記センサーハウジングカバーは、その材質が導電性樹脂である。また、前記回路基板はトルクセンサーの信号処理、又はトルクセンサーの信号処理と電動モータの制御との双方を行っている。
【選択図】図1
【解決手段】ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、センサーハウジングに収容されてセンサーハウジングカバーに覆われた回路基板を介して前記検知した操舵トルクに対応した補助操舵トルクを電動モータから発生させ、減速機構により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置に於いて、前記センサーハウジングカバーは、その材質が導電性樹脂である。また、前記回路基板はトルクセンサーの信号処理、又はトルクセンサーの信号処理と電動モータの制御との双方を行っている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、この検知した操舵トルクに対応して電動モータから補助操舵トルクを発生して減速機構により減速し、操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置に関する。
自動車の操舵系では、電動モータを動力源とする電動パワーステアリング装置が近年注目されている。電動パワーステアリング装置には、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直接的なエンジンの駆動損失が無く、電動モータが操舵アシスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下も抑えられる他、電子制御が極めて容易に行える等の特長がある。
電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、電動モータから補助操舵トルクを発生して、動力伝達機構(減速機構)により減速して操舵機構の出力軸に伝達するようになっている。
この動力伝達機構(減速機構)として、ウォーム減速機構を用いた電動パワーステアリング装置では、電動モータの駆動軸側のウォームに、ウォームホイールが噛合してあり、このウォームホイールは、操舵機構の出力軸(例えば、ピニオン軸、コラム軸)に嵌合してある。
ところで、電動パワーステアリング装置は、ステアリングコラム、電動モータ、トルクセンサー、及び回路基板等から構成してある。回路基板は、ステアリングコラムに一体に設けられたアルミダイキャスト製のセンサーハウジングに収容されている。
回路基板については、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と電動モータの制御を行う回路基板とが別々の回路基板で構成されているタイプ(以下、別体回路型という。)と、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と電動モータの制御を行う回路基板とが一体に構成されているタイプ(以下、一体回路型という。)とがある。更に、別体回路型については、電動モータの制御を行う回路基板がステアリングコラムとは別体に配置されているタイプ(以下、ステアリングコラム別体型という。)がある。
上記ステアリングコラム別体型の場合は、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板がセンサーハウジング内に収容されている。別体回路型及び一体回路型の場合は、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板に加えて、電動モータの制御を行う回路基板もセンサーハウジング内に収容されている。そして、センサーハウジングは、鉄製のセンサーハウジングカバーにより被覆してある。
電動パワーステアリング装置においては、特許文献1及び2に示すように、電磁波ノイズにより、各種車載電子機器類に影響を及ぼすことが一般的に知られており、アーシングなどによる対策が行われてきた。
上述した回路基板も、外部からの電磁波の影響により誤作動をする恐れがあるため、センサーハウジングカバーの材質は、導電性のある鉄製を使用することで、外部からの電磁波を遮断している。
一方、従来は絶縁体として知られるプラスチックは、近年導電性をもったものが開発、製品化されている(特許文献3、非特許文献1参照)。
特開2006−44479号公報
特開平11−59472号公報
特開2001−19807号公報
三菱樹脂、三菱樹脂インフォメーションプレスリリース、2001年12月4日新聞発表、インターネットホームページ、http://www.mpi.co.jp/backnumber/2001/pr011201.htm
しかしながら、従来の鉄製のセンサーハウジングカバーは、燃費向上等のための車両軽量化の要求に対しては不利であるといったことがある。
特に、シール性が要求される場合、シール性をセンサーハウジングカバーとセンサーハウジングとの接触面全体で確保するため、厚肉の鉄板にボルト止め等の構造を採用しなければならないといったことがある。
また、鉄製では、加工性の問題から、複雑な形状を作ることはできなかった。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、外部からの電磁波を遮断しつつ、軽量化を図り、複雑な形状等も作成可能であり、部品点数の削減も図れ、シール構造も容易に形成することができる、電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、センサーハウジングに収容され、センサーハウジングカバーに覆われた回路基板を介して前記検知した操舵トルクに対応した補助操舵トルクを電動モータから発生させ、減速機構により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置に於いて、前記センサーハウジングカバーは、その材質が導電性樹脂であることを特徴とする。
好適には、前記センサーハウジングカバーと、前記センサーハウジングとの組付構造が嵌め込み構造であることを特徴とする。
また、好適には、前記センサーハウジングカバーの前記センサーハウジングとの組付構造部は、前記センサーハウジングカバーを構成する前記導電性樹脂を熱変形させることにより成型された嵌め込み構造部であることを特徴とする。
また、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置は、前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板であることを特徴とする。
また、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置は、前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、別体として構成される前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と前記電動モータの制御を行う回路基板とであることを特徴とする。
また、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置は、前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と前記電動モータの制御を行う回路基板とが一体に構成された回路基板であることを特徴とする。
本発明によれば、センサーハウジングカバーの材質が導電性樹脂であることから、外部からの電磁波を遮断しつつ、軽量化を図ることができる。
また、樹脂であるため、複雑な形状等も作成可能である。センサーハウジングとの組付け構造においても、締結部品が不要となる形状も作成可能なため、部品点数の削減にも寄与できる。さらに、シール構造も容易に形成することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を概略的に示す側面図であり、(b)は、トルクセンサーの回路基板室の断面図である。
図1(a)は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を概略的に示す側面図であり、(b)は、トルクセンサーの回路基板室の断面図である。
図1(a)に示すように、ステアリングコラム1の車両方向前方には、電動パワーステアリング装置2が装着してあり、当該電動パワーステアリング装置2は、電動モータ3、トルクセンサー(図示略)、トルクセンサーの回路基板室4及び減速機構5などから構成してある。
したがって、運転者がステアリングホイール(図示略)を操舵することにより発生した操舵力は、このステアリングホイールを一端に支持し、ステアリングコラム1に回転自在に支持されたステアリングシャフトの入力軸100、トーションバー(図示略)や出力軸(図示略)、及びラックアンドピニオン式ステアリング装置(図示略)を介して、図示しない転舵輪に伝達される。また、電動モータ3の回転力は、減速機構5のウォーム(図示略)及びウォームホイール(図示略)を介して出力軸(図示略)に伝達されるようになっており、電動モータ3の回転力及び回転方向を適宜制御することにより、出力軸(図示略)に適切な操舵補助トルクを付与できるようになっている。
図1(b)に示すように、トルクセンサーの回路基板室4は、アルミダイキャスト製のセンサーハウジング10と導電性樹脂製のセンサーハウジングカバー11とから構成され、センサーハウジング10に収容された回路基板12は、センサーハウジングカバー11によって覆われ、外部と遮断されている。センサーハウジング10とセンサーハウジングカバー11とは、ボルト13などの締結部材を用いて組み付けてある。
回路基板については、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と電動モータの制御を行う回路基板とが別々の回路基板で構成されているタイプ(以下、別体回路型という。)と、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と電動モータの制御を行う回路基板とが一体に構成されているタイプ(以下、一体回路型という。)とがある。更に、別体回路型については、電動モータの制御を行う回路基板がステアリングコラムとは別体に配置されているタイプ(以下、ステアリングコラム別体型という。)がある。
本実施の形態では上記一体回路型の例を示している。すなわち、センサーハウジング10には、トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と電動モータの制御を行う回路基板とが一体に構成されたタイプの回路基板12が収容されている。しかし、本発明においは、上述したステアリングコラム別体型及び別体回路型のタイプについても対応できることは言うまでもない。すなわち、上記ステアリングコラム別体型の場合にはトルクセンサーの信号処理を行う回路基板がセンサーハウジング10に収容され、上記別体回路型の場合にはトルクセンサーの信号処理を行う回路基板に加えて、電動モータの制御を行う回路基板もセンサーハウジング10に収容される。
さて、本実施の形態では、センサーハウジングカバー11は、その材質が導電性樹脂であることから、外部からの電磁波を遮断しつつ、軽量化を図ることができる。
なお、非特許文献1によると、三菱樹脂株式会社では、体積固有抵抗値が10−4Ω・cmという金属に近い高導電性を有したプラスチックシートの成形加工に成功している。金属成分を分散させた高導電性の熱可塑性樹脂を、高い導電性を維持したまま押出シートに成形加工したもので、通電可能なプラスチック材料として、今後さまざまな分野で利用されることが期待されている。
プラスチックは、一般に電気を通さない絶縁体として知られているが、近年では、導電性の樹脂の研究開発、実用化が進んでいる。
(第2実施の形態)
図2(a)は、本発明の第2実施の形態に係り、トルクセンサーの回路基板室4の断面図であり、(b)は、(a)の変形例である。
図2(a)は、本発明の第2実施の形態に係り、トルクセンサーの回路基板室4の断面図であり、(b)は、(a)の変形例である。
本実施の形態では、図2(a)に示すように、センサーハウジング10の外周部には、突出鍔10aが形成してあり、センサーハウジングカバー11の外周部にも、突出鍔11aが形成してある。これら両方の突出鍔10a,11aが相互に嵌め込まれることにより、センサーハウジングカバー11がセンサーハウジング10に固定されている。また、センサーハウジングカバー11の突出鍔11aは、熱により突出部を変形させ、突出鍔11aの形状に成型することもできる。
このように、センサーハウジングカバー11は、その材質が樹脂であることから、複雑な形状等も作成可能であり、センサーハウジング10との組付け構造においても、締結部品が不要となる形状も作成可能なため、部品点数の削減にも寄与できる。その他の構成、作用、及び効果は、上述した第1実施の形態と同様である。
図2(b)に示すように、第2実施形態の変形例では、センサーハウジングカバー11の内側に、シール部材14が装着してある。このように、シール構造も容易に形成することができる。その他の構成、作用、及び効果は、上述した第1実施の形態と同様である。
(第3実施の形態)
図3は、本発明の第3実施の形態に係り、トルクセンサーの回路基板室4の断面図である。
図3は、本発明の第3実施の形態に係り、トルクセンサーの回路基板室4の断面図である。
本実施の形態では、センサーハウジングカバー11の内側の中央部に、厚肉の嵌め込み部11bが形成してあり、この嵌め込み部11bにより、センサーハウジング10に装着してある。このように、複雑な形状等も作成可能であり、センサーハウジング10との組付け構造においても、締結部品が不要となる形状も作成可能なため、部品点数の削減にも寄与できる。その他の構成、作用、及び効果は、上述した第1又は第2実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
1 ステアリングコラム
2 電動パワーステアリング装置
3 電動モータ
4 トルクセンサーの回路基板室
5 減速機構
10 センサーハウジング
10a 突出鍔
11 センサーハウジングカバー
11a 突出鍔
11b 嵌め込み部
12 回路基板
13 ボルト
14 シール部材
2 電動パワーステアリング装置
3 電動モータ
4 トルクセンサーの回路基板室
5 減速機構
10 センサーハウジング
10a 突出鍔
11 センサーハウジングカバー
11a 突出鍔
11b 嵌め込み部
12 回路基板
13 ボルト
14 シール部材
Claims (6)
- ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、センサーハウジングに収容され、センサーハウジングカバーに覆われた回路基板を介して前記検知した操舵トルクに対応した補助操舵トルクを電動モータから発生させ、減速機構により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置に於いて、
前記センサーハウジングカバーは、その材質が導電性樹脂であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記センサーハウジングカバーと、前記センサーハウジングとの組付構造が嵌め込み構造であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記センサーハウジングカバーの前記センサーハウジングとの組付構造部は、前記センサーハウジングカバーを構成する前記導電性樹脂を熱変形させることにより成型された嵌め込み構造部であることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、別体として構成される前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と前記電動モータの制御を行う回路基板とであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記センサーハウジングに収容される前記回路基板は、前記トルクセンサーの信号処理を行う回路基板と前記電動モータの制御を行う回路基板とが一体に構成された回路基板であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007131874A JP2008285005A (ja) | 2007-05-17 | 2007-05-17 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007131874A Withdrawn JP2008285005A (ja) | 2007-05-17 | 2007-05-17 | 電動パワーステアリング装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021018476A1 (de) * | 2019-07-26 | 2021-02-04 | Denios Ag | Vorrichtung zur detektion von flüssigkeiten |
-
2007
- 2007-05-17 JP JP2007131874A patent/JP2008285005A/ja not_active Withdrawn
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WO2021018476A1 (de) * | 2019-07-26 | 2021-02-04 | Denios Ag | Vorrichtung zur detektion von flüssigkeiten |
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Legal Events
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