JP2008284146A - 金属ブレーキ機構及び家庭用電気製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有底の胴部の上端開口縁に肩体6を備えた機器本体3と、一端が機器本体3の肩体6にヒンジ軸14を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体4とを備える家庭用電気製品において、機器本体3の肩体6に形成された固定摺接部9と、蓋体4のヒンジ軸14付近に配置され、蓋体4の開放初期に機器本体3の固定摺接部9と摺接する第1ブレーキ部19と、第1ブレーキ部19と隔てて配設され蓋体4の開放後期に機器本体3の固定摺接部9と摺接する第2ブレーキ部21とからなるブレーキ手段と、を備えた。
【選択図】図1
Description
炊飯器2は炊飯鍋(図示せず)を着脱可能に収容する機器本体3と、該機器本体3の上端開口を開閉する蓋体4とを備える。
取り付け片17aは補強板11の上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18aが固定摺接部9のヒンジ軸14と直交する面と摺接するように取り付けられている。又、取り付け片17aの蓋体4の内側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22aと、蓋体4の外側にはブレーキ金具1aの位置決めをするための位置決め穴23と、の2つの穴が設けられている。
弾性片18aの第2摺接面24は、取り付け片17aから垂直に下方へ向かって延びている。又、第2摺接面24の後側には、固定摺接部9と第2摺接面24とが摺接を開始するまで弾性片18aを固定摺接部9に導くための第1摺接面25と、該第1摺接面25から機器本体3の外側へ向かって延びるように摺接ガイド部26が形成されている。第2摺接面24の下側には、緩和部20aと接続する第3摺接面27が形成されており、第1ブレーキ部19aは第1摺接面25と第2摺接面24と第3摺接面27とから構成されている。
弾性片18aの緩和部20aは、第3摺接面27から蓋体4の外側へくぼんでいる。
弾性片18aの第5摺接面28は、緩和部20aから第4摺接面29を介して機器本体3の内側へ向かって下方へ延びている。第4摺接面29は、緩和部20aと第5摺接面28とを区切り、前方から後方へかけて下方へ傾いている。第2ブレーキ部21aは第4摺接面29と第5摺接面28とからなる。第5摺接面28の下端には、補強板11との間でブレーキ金具1aを支持するため補強板11に向かって水平に延びる固定部30aが形成されている。固定部30aは、補強板11に当接している。これにより、弾性片18aは一端が取り付け片17aに固定され、他端が補強板11に支持された状態となっている。もちろん、固定部30aは、補強板11から離した構成をとることも構わない。
図3から図7を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1aは固定摺接部9の前方に位置している(図3)。蓋体4がヒンジスプリング16の付勢力によりヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1aもヒンジ軸14周りに回転し、第1摺接面25がまず固定摺接部9に摺接して第2摺接面24を固定摺接部9に導き、第2摺接面24に続いて第3摺接面27が固定摺接部9と摺接することにより、第1ブレーキが作用する(図4)。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19aに続いて緩和部20aが、固定摺接部9の側面と摺接する又は摺接を解除する(図5)。緩和部20aではブレーキ力を弱める又はブレーキ力を解除することで、ブレーキ力の作用により蓋体4が開放途中で止まるのを防止する。蓋体4が開放を続けると緩和部20aに続いて第2ブレーキ部21aの第4摺接面29が、固定摺接部9の側面と摺接を始め、続いて第5摺接面28が固定摺接部9と摺接することで第2ブレーキが作用する(図6)。蓋体4が開放すると、第2ブレーキ部21aが固定摺接部9の側面との間で係合した状態で保持される(図7)。
直線Aはヒンジスプリングトルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに比例してヒンジスプリングトルクが減少する。曲線Bは蓋トルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに従って減少し蓋体4が90°開いた状態で0になる。蓋トルクは、蓋体4の重量と、ヒンジ軸14から蓋体4の重心までの水平方向距離を乗じたものであリ、cos(コサイン)曲線である。蓋開き角度が40°から60°において直線AとBは近接している。直線Cは、従来のブレーキ機構に係る固定摺接部とブレーキ部との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体の開放後期に作用し蓋体の開放に比例して大きくなり、該トルクがヒンジスプリングトルクよりも大きくなることで蓋体の開放を停止することができる。
図8(b)は本発明におけるトルクと蓋開き角度の関係を示す。
直線Dは、固定摺接部9と弾性片18aの摺接により発生しヒンジスプリングトルクに抗する第1ブレーキのブレーキトルクを示す。a点からb点までの直線は固定摺接部9と第1摺接面25との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例して大きくなる。b点からc点までの直線は固定摺接部9と、第2摺接面24との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例し直線Aと平行にブレーキ力を解除するため、蓋体4に余分なブレーキ力が作用し蓋体4が停止することを防止する。c点からd点までの直線は固定摺接部9と第3摺接面27との摺接によるブレーキトルクを示し、ブレーキ力を蓋体4の開放に比例して徐々に解除する。直線Dで示すブレーキトルクは、蓋体4の開放初期で第1ブレーキが作用する初期ブレーキ時に、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、最大となった後、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って緩やかに解除されることによって、例えば第1ブレーキが作用している後期にブレーキトルクが最大となることによって、蓋体4が開放途中に停止することを防止する。又、開放初期に第1ブレーキ力が作用することにより蓋体4開放時の慣性トルクを抑制し、開放速度を抑えることができる。直線AとBが近接している開放中期においては、ブレーキ力を作用しない又はブレーキ力を弱める緩和部20を設けることで滑らかな蓋体の開放を可能にする。又、直線Eは、蓋体4の開放後期に固定摺接部9と第2ブレーキ部21との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体4の開放初期に第1ブレーキが作用しているため、従来の直線Cに係るブレーキトルクよりも小さい値で蓋体4の開放を停止することができる。
取り付け片17bは補強板11の後端であってその上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18bが固定摺接部9のヒンジ軸14と平行な面と摺接するように取り付けられている。取り付け片17bの前側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22bが設けられている。取り付け片17bの先端には、ブレーキ金具1bの位置決めをするための位置決め板31が垂直に下方へ向かって形成されている。
弾性片18bの第1ブレーキ部19bは、取り付け片17b後端から前方に向かって下方へ延びている。
弾性片18bの緩和部20bは、第1ブレーキ部19bから蓋体4の前側へくぼんでいる。
弾性片18bの第2ブレーキ部21bは、緩和部20bから後側へ向かって下方へ延びている。第2ブレーキ部21bの下端には、下板10との間でブレーキ金具1bを支持するため上方へ向かって延び、その後に下板10に向かって水平に延びる固定部30bが形成されている。固定部30bは、下板10に当接している。これにより、弾性片18bは一端が取り付け片17bに固定され、他端が下板10に支持された状態となっている。
図10から図14を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1bは固定摺接部9の前方に位置している(図10)。蓋体4がヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1bもヒンジ軸14周りに回転し、第1ブレーキ部19bが固定摺接部9の上部と摺接することで第1ブレーキが作用する(図11)。第1ブレーキ部19bにおいては、第1実施例のように、初期ブレーキ時にブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、その後、蓋体4の開放に従って緩やかに解除することにより、滑らかな開放を可能に出来ることは言うまでもない。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19bに続いて緩和部20bが、固定摺接部9の上部と摺接することでブレーキ力を弱める(図12)。蓋体4が開放を続けると緩和部20bに続いて第2ブレーキ部21bが、固定摺接部9の上部と摺接することにより第2ブレーキが作用する(図13)。蓋体4が開放するとブレーキ金具1bは固定摺接部9の上側で水平に倒れた状態で保持される(図14)。
3 機器本体
4 蓋体
9 固定摺接部
14 ヒンジ軸
17,17a,17b 取り付け片
18,18a,18b 弾性片
19,19a,19b 第1ブレーキ部
20,20a,20b 緩和部
21,21a,21b 第2ブレーキ部
Claims (6)
- 有底の胴部の上端開口縁に肩体を備えた機器本体と、一端が前記機器本体の前記肩体にヒンジ軸を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体とを備える家庭用電気製品において、
前記機器本体の肩体に形成された固定摺接部と、
前記蓋体のヒンジ軸付近に配置され、前記蓋体の開放初期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第1ブレーキ部と、該第1ブレーキ部と隔てて配設され前記蓋体の開放後期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第2ブレーキ部とからなるブレーキ手段と、
を備えたことを特徴とする家庭用電気製品。 - 前記ブレーキ手段は、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部の間に、前記蓋体の開放中期に前記第1ブレーキ部よりも弱いブレーキ力で前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する又は前記固定摺接部と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の家庭用電気製品。
- 前記ブレーキ手段は、前記蓋体の前記ヒンジ軸付近に取り付けられた取り付け片と、該取り付け片から延びて前記蓋体の開放時に前記固定摺接部と摺接する弾性片とからなり、該弾性片に、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部と前記緩和部とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の家庭用電気製品。
- 前記弾性片の前記第1ブレーキ部は、前記固定摺接部と摺接する初期ブレーキ時にブレーキ力が前記蓋体の開放に従って急激に強くなり、その後ブレーキ力が前記蓋体の開放に従って緩やかに解除されることを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用電気製品。
- 前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と直交して配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の家庭用電気製品。
- 前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と平行に配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の家庭用電気製品。
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