JP2008282517A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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隆司 小森
Takanari Honda
隆也 本多
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Abstract

【課題】サスペンションワイヤ(Sワイヤ)の線材入手後でも、そのバネ定数を高精度に設定可能としてディスクへの追従性能を線材の製造ロットによらず安定して発揮できる光ピックアップ装置(50)を提供する。
【解決手段】レーザ光を光ディスク(Dk)の記録面に集光する対物レンズ(5)と、それを保持するボビン(3)と、ボビンの一側面(3in)に一端側が固定された第1及び
第2のSワイヤ(7b,7d)と、ボビンの他側面(3out)に一端側が固定された第3及び第4のSワイヤ(7a,7c)と、第1〜第4のSワイヤ(7a〜7d)の他端側が固定されてボビンを揺動自在に支持するベース(2)とを有し、第1及び第2のSワイヤと第3及び第4のSワイヤとでバネ定数が異なり、第1乃至第4のSワイヤの表面にメッキが施され、第1及び第2のSワイヤと、第3及び第4のSワイヤとで、前記施されたメッキのメッキ条件が異なっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ピックアップ装置に係り、特に、光ディスク装置に搭載された際に、ディスクの面振れに対して良好に追従するための技術に関する。
光ディスク装置に搭載された光ピックアップ装置は、その対物レンズの、ディスクに対する離接方向(フォーカス方向)の移動、及びディスクに対する半径方向(トラッキング方向)の移動、が行えるよう構成されている(特許文献1参照)。
これにより、ディスクにある程度の反りや偏芯があっても追従できるものとなっている。
また、ディスクやこれを支持するターンテーブルが傾いている場合には、いわゆるラジアル方向の傾きが生じるが、光ピックアップ装置の対物レンズを、その光軸がディスク盤面に直交するように追従させる技術も、種々提案されている。
例えば特許文献2の段落番号(0003)〜(0005)に記載されているように、ディスクの反りなどに伴う面振れ角度に合わせて対物レンズの角度を変えるために、対物レンズを支持する4本のサスペンションワイヤの内、ディスクの内周側に位置する2本と、外周側に位置する2本とのバネ定数を異ならせる技術が知られている。
このバネ定数を異ならせる方法として、特許文献2には、バネ部材の線径を変えることが記載されており、特許文献3には、バネ部材の形状又は材料を異ならせることが、段落番号(0003)に記載されている。
特開平10−269600号公報 特開2002−197700号公報 特開2007−66481号公報
ところで、近年のより高密度化されたディスク、例えばDVD(Digital Versatile Disc)やBlu−ray Discなどに対して良好に記録または再生を行うために、光ピックアップ装置は、ディスクに対して高い精度で追従できなければならず、上述したようなディスクのラジアル方向への傾きに対しても、高精度に追従し、傾いたディスク盤面に対して常に対物レンズの光軸が直交することが求められている。
そのような要求に対して、サスペンションワイヤ(以下、単にワイヤとも称する)のバネ定数を、その材料の線径で管理しようとする場合には、以下のような課題が生じる。
具体的に説明すると、ワイヤの基となる線材の径は、その規格の範囲内でばらつきがあり、このばらつきは同一ロット内より製造ロット間で顕著に生じる。
そのため、設計において、所定のバネ定数を得るために使用するワイヤの線径を設定しても、線材の製造ロット毎に線径がばらつくことでバネ定数が異なってしまい、光ピックアップ装置として所望の追従性能を、線材の製造ロットによらず安定して発揮させることが難しい、という課題である。
この場合、調達した線材の中から、所定のバネ定数が得られる製造ロット品を選別するという作業が必要になると共に、選別の結果不採用となった製造ロット品は使用できない、という無駄が生じる。
一方、サスペンションワイヤのバネ定数を、その材料の種類に応じて異なるように設定して管理しようとする場合にも、材料の物性のばらつきが製造ロット間で顕著に生じることから、線材の製造ロット毎にバネ定数が異なってしまい、光ピックアップ装置として所望の追従性能を、線材の製造ロットによらず安定して発揮させることが難しい、という課題が生じる。
この場合も、調達した線材の中から、所定のバネ定数が得られる物性を有する製造ロット品を選別するという作業が必要になり、選別の結果不採用となった製造ロット品は使用できない、という無駄が生じる。
すなわち、線径で管理する場合及び材質で管理する場合のいずれにおいても、ワイヤの線材を入手した後に、その線径や物性の製造ロット毎のばらつきを吸収して所定のバネ定数を精度良く得ることが困難であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、サスペンションワイヤの線材を調達して入手した後においても、そのバネ定数を高い精度で設定可能として、ディスクに対する追従性能を、線材の製造ロットによらず高精度に安定して発揮させることができる光ピックアップ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の1)〜4)の構成を有する。
1) レーザ光源からの光を光ディスク(Dk)の記録面に集光する対物レンズ(5)と、
該対物レンズ(5)を保持するボビン(3)と、
該ボビン(3)の一の側面(3in)に一端側が固定された第1及び第2のサスペンションワイヤ(7b,7d)と、
前記ボビン(3)の前記一の側面(3in)と対向する他の側面(3out)に一端側が固定された第3及び第4のサスペンションワイヤ(7a,7c)と、
前記第1乃至第4のサスペンションワイヤ(7a〜7d)の他端側が固定され、前記ボビン(3)を揺動自在に支持するベース(2)と、を有し、
前記第1及び第2のサスペンションワイヤ(7b,7d)と前記第3及び第4のサスペンションワイヤ(7a,7c)とでバネ定数が異なる光ピックアップ装置において、
前記第1乃至第4のサスペンションワイヤ(7a〜7d)の表面にはメッキが施されており、前記第1及び第2のサスペンションワイヤ(7b,7d)と、前記第3及び第4のサスペンションワイヤ(7a,7c)とで、前記施されたメッキのメッキ条件が異なっていることを特徴とする光ピックアップ装置(50)である。
2) 前記異なるメッキ条件は、メッキの厚さであることを特徴とする1)に記載の光ピックアップ装置(50)である。
3) 前記異なるメッキ条件は、メッキの材質であることを特徴とする1)または2)に記載の光ピックアップ装置(50)である。
4) 前記異なるメッキの材質は、互いにメッキ色が異なることを特徴とする3)に記載の光ピックアップ装置(50)である。
本発明によれば、サスペンションワイヤの線材を入手した後においても、そのバネ定数を高い精度で設定可能として、ディスクに対する追従性能を、線材の製造ロットによらず高精度に安定して発揮させることができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図4を用いて説明する。
図1に示す実施例の光ピックアップ装置50は、アクチュエータベース1に対して、対物レンズ5をフォーカス方向(矢印F方向)とトラッキング方向(矢印T方向)に駆動制御するように構成されている。
また、この光ピックアップ装置50は、トラッキング方向において、当図1の手前側が図示しない光ディスク(以下、単にディスクとも称する)の内周側(Tin)となり、奥側が外周側(Tout)となるように配置されている。
アクチュエータベース1は、レーザ光源や受光素子等が取り付けられた筐体(図示せず)に一体に取り付けられる。
また、アクチュエータベース1は、金属板のプレス加工により形成されており、一対の切り起こし部1a,1bの組を2組有している。
切り起こし1aは接着等によりマグネット4を保持し、切り起こし部1bは後述するボビン3に形成された貫通孔3aに遊嵌してマグネット4と対向することにより閉磁路を形成する。
また、切り起こし部1aの一方には図示しないタップ孔が形成されており、ネジ2aによりサスペンションベース2がこの切り起こし1aに取り付けられている。
ボビン3は、トラッキングコイル3bとフォーカスコイル3cが巻回されるとともに対物レンズ5を保持している。
このボビン3は、熱硬化性樹脂又は半田耐熱性の高い熱可塑性樹脂で射出成形により形成されるものであり、突起3h〜3kを一体に有して形成されている。
そして、突起3i,3kにはフォーカスコイル3cの始端と終端とがそれぞれ絡げ処理され、突起3h,3jにはトラッキングコイル3bの始端と終端とがそれぞれ絡げ処理されている。
また、突起3i,3kにフォーカスコイル3cを絡げた部分には、2本のサスペンションワイヤ7b,7dが、突起3h、3jにトラッキングコイル3bを絡げた部分には2本のサスペンションワイヤ7a,7cが、それぞれ半田付けによって接続されている。
そして、このボビン3は、サスペンションベース2から互いに平行に延びた2対4本のサスペンションワイヤ7a〜7dにより、フォーカス方向とトラッキング方向とに揺動自在に懸架される。
すなわち、サスペンションベース2から延びた2本のサスペンションワイヤ7b、7dは、ボビン3の一方の側面に対応して形成された2つの突片3d,3eの孔をそれぞれ貫通して、各先端部が突起3i、3kのフォーカスコイル3cを絡げた部分に半田付けされている。
他の2本のサスペンションワイヤ7a,7cは、ボビン3の他方の側面に対応して形成された2つの突片3f,3g(図示せず)の孔をそれぞれ貫通して、各先端部が突起3h,3jのトラッキングコイル3bを絡げた部分に半田付けされている。
さらに、4本のサスペンションワイヤ7a〜7dの他端側は、サスペンションベース2に対してそれぞれ接着剤8a〜8dにより固定されており、以上の構成でボビン3はサスペンションベース2に懸架されている。
また、ここで、サスペンションワイヤ7a〜7dの他端部側は、それぞれ長方形の各頂点に位置するようにサスペンションベース2に固着(接着)され、互いに平行に延びた先端部がそれぞれ突起3h〜3kに半田固定されている。
従って、サスペンションワイヤ7b,7dに通電すると、フォーカスコイル3cに電流が流れてボビン3は矢印F方向に変位し、対物レンズ5と図示しないディスクとの距離が変化してフォーカシング制御が行われることになる。
同様に、サスペンションワイヤ7a、7cに通電すると、トラッキングコイル3bに電流が流れてボビン3は矢印T方向に変位し、対物レンズ5は図示しないディスクのトラックを横切る方向に移動してトラッキング制御が行われることになる。
そして、この光ピックアップ装置50は、光ディスク装置に搭載された際に、レーザ光源からのレーザ光が対物レンズ5によりディスクの記録面に集光するように構成配置され、光ディスク装置のディスクに対する情報の記録または再生を可能とするものである。
次に、サスペンションワイヤ7a〜7dについて詳述する。
この実施例において、ディスクの内周側となるサスペンションワイヤ7b,7dのバネ定数よりも、外周側となるサスペンションワイヤ7a,7cのバネ定数の方を小さく設定してある。
この設定例として、両者のバネ定数比率を1:0.9としてある。
このバネ定数の差を得るための具体的構成の例を、以下の(例A)〜(例C)を代表として説明する。
(例A) 各サスペンションワイヤ7a〜7dの線材は、等しい直径の同じ材質の線材とし、表面に付着するメッキのメッキ厚を異ならせることで異なるバネ定数を得ている。
具体的には、線材の材料としてベリリウム銅を用い、メッキを錫メッキとし、外周側となるサスペンションワイヤ7a,7cのメッキ厚を、内周側となるサスペンションワイヤ7b,7dよりも薄くしてある。
これにより、メッキ厚が異なることでバネ定数に差が生じ、外周側のサスペンションワイヤ7a,7cの方を内周側のものよりも柔らかくすることができる。
(例B) 各サスペンションワイヤ7a〜7dの線材は、等しい直径の同じ材質の線材とし、表面に付着するメッキの材質を異ならせることで異なるバネ定数を得ている。
具体的には、線材の材料としてベリリウム銅を用い、メッキ厚は等しくし、外周側となるサスペンションワイヤ7a,7cのメッキ材質を、内周側となるサスペンションワイヤ7b,7dのメッキ材質に対して、ヤング率の小さい材質としてある。
そのメッキ材質の例として、外周側については錫を、内周側については金を用いることができる。〔錫のヤング率は約49900(N/mm2)であり、金のヤング率は約80000(N/mm2)である。〕
これにより、メッキ材のヤング率が異なることでバネ定数に差が生じ、外周側のサスペンションワイヤ7a,7cの方を内周側のものよりも柔らかくすることができる。
(例C) この例Cは、例Aと例Bとを組み合わせた例である。
各サスペンションワイヤ7a〜7dの線材を、等しい直径の同じ材質の線材とし、表面に付着するメッキの厚さ及び材質を異ならせることで異なるバネ定数を得ている。
具体的には、線材の材料としてベリリウム銅を用い、メッキ厚については、外周側となるサスペンションワイヤ7a,7cのメッキ厚を、内周側となるサスペンションワイヤ7b,7dよりも薄くし、材質については、例えば、内周側については錫を用い、外周側については金を用いる。
材質として、内周側に外周側よりもヤング率の小さいものを用いているものの、メッキ厚については、材質によるヤング率の違い以上の違いを得る厚さの差を設定することで、
トータルとして外周側のバネ定数を小さくして外周側のサスペンションワイヤ7a,7cの方を内周側のものよりも柔らかくすることができる。
例B,例Cにおいて、メッキ材質として錫と金とを選定する他の理由として、メッキ後の表面色が異なるのでメッキしたサスペンションワイヤをバネ定数毎に区別することが可能になる、ということがある。
従って、材質の違いによりバネ定数の違いを得る場合には、メッキ色の異なる材料を選択することが望ましい。
上述した例A〜例Cは、メッキによってバネ定数の設定を行うものである。
実際には、調達した線材の製造ロット毎に、所定のメッキを施したワイヤのサンプルを作成してヤング率を測定し、所望のヤング率となるようにメッキ条件を微調整する。
このように、線材の製造ロット毎にメッキ条件を調整することによって、調達した線材のロット間のばらつきによらず、所定のバネ定数のサスペンションワイヤを得ることができる。
そのため、調達した線材からさらに選別をする必要がないのでそのための工数増加がなく、また、不要となる線材もないので材料が無駄にならないというメリットがある。
上述した例A〜例Cは、サスペンションワイヤ7a〜7dの線材を、等しい直径の同じ材質のものとしているが、これに限るものではなく、内周側と外周側とで線材の直径又は材質が異なるものを用い、これらにメッキを施しトータルとして所定のバネ定数が得られるようにしてもよい。
以下、内周側と外周側とで異なる直径の線材を用いた例Dを用いて説明する。
(例D) 各サスペンションワイヤ7a〜7dの線材の材質をベリリウム銅とし、内周側のサスペンションワイヤ7b,7dの線材径と外周側のサスペンションワイヤ7a,7cの線材径との比率を、約1:0.96としている。
具体例としては、内周側の線径が94.8μm、外周側の線径が88.8μmである。この線材に対して、内周側のサスペンションワイヤ7b,7dには錫メッキを厚さ0.60μmで施し、また、外周側のサスペンションワイヤ7a,7dには金メッキを0.16μmで施している。
従って、メッキ付きでの外径は、内周側が96.0μm、外周側が92.0μmである。
この構成により、内周側のサスペンションワイヤ7b,7dのバネ定数は、外周側のサスペンションワイヤ7a,7cに対して約10%大きくなっている。
上述した実施例の光ピックアップ装置50は、ディスクの面振れに対して対物レンズ5の光軸がディスク盤面に直交するよう追従することができる。これを模式図である図2を用いて説明する。
図2(a)は、ディスクDkの面振れしていない状態を示し、図2(b)は、ディスクDkが面振れした状態を誇張して示している。
図2(a)において、光ピックアップ装置50において、ボビン3は、対物レンズ5の光軸CがディスクDkと直交するようにサスペンションワイヤ7b,7dにより支持されている。
ここで、上述したように、ディスクDkの外周側(Tout)に位置するサスペンションワイヤ7a,7cは、そのバネ定数が内周側(Tin)のサスペンションワイヤ7b,7dのバネ定数よりも小さく設定されているので、面振れしたディスクDkに対しては、図2(b)に示すように、サスペンションワイヤ7a,7cが、サスペンションワイヤ7b,7dの変形量Hinよりも大きい変形量Houtで変形することができる。
これにより、上述したフォーカシング制御及びトラッキング制御により、対物レンズ5は、ディスクDkに対する離接方向への移動に加えて容易に図2の時計回り方向に傾くことができるので、光軸Cは常にディスクDkの盤面に直交するようそのディスクDkの振れに対して追従する。
上述した線材の線径のロット間ばらつきのレンジ(幅)は、大きい場合で4.5%程度ある。
ここで、線材にめっきを施した場合の、線材の線径と、それに付着させたメッキ厚と、その結果得られたサスペンションワイヤの弾性率と、の例について、図3に示す。
ここでのメッキは、一例として錫銅メッキを示している。
図3は、サスペンションワイヤの呼びサイズ(名称)と、そのサイズのワイヤを得るために線材のロット間ばらつき内で選択された複数の線径のものと、各線径の線材に対して施したメッキ厚と、計算で得た断面二次モーメント及び弾性率と、を示した表である。
また、メッキが断面二次モーメントに与える影響分(寄与率E)を計算で求めている。
ここで示した例は、各線材の径差を、各径に応じた厚さのメッキを施すことでなくして均一の径にした例である。
ここでは、ワイヤーサイズとして4種類、各サイズにおける線径違いの線材を3種類、としている。
これによれば、線材とメッキとを含んだトータルの断面二次モーメントにしめるメッキの寄与率Eは、約9%弱の範囲で得られている。この比率は、メッキ厚を厚くすれば当然に更に大きくすることができる。
従って、線材の線径が、ロット間でレンジとして例えば4.8%ばらついたとしても、線径と得るべきヤング率とに応じた厚さのメッキを施すことにより、充分ばらつきを補間し、さらに任意のヤング率のワイヤを得ることができる。
以上詳述した実施例は、メッキの厚さや材質というメッキ条件を変えて内周側と外周側とのサスペンションワイヤのバネ定数を異ならせるものであったが、メッキ条件の違いに加えて、サスペンションベース2におけるサスペンションワイヤの接着剤による固定部近傍にダンパーを設け、このダンパーの硬度に内周側と外周側とで差を持たせてバネ定数を異ならせてもよい。
その具体例を、模式図である図4を用いて説明する。
図4において、対物レンズ5を保持するボビン3は、図示しないディスクの内周側Tinとなる側面3inにサスペンションワイヤ7b,7dの一端が固定されている。
また、サスペンションワイヤ7a,7cの一端は、ディスクの外周側Toutとなる側面3outに固定されている。
これらのサスペンションワイヤ7a〜7dは、上述したように、メッキによってディスクの外周側のバネ定数が内周側のバネ定数よりも小さく設定されている。
また、サスペンションワイヤ7a〜7dの他端側は、サスペンションベース2に図示しない接着剤により固定されている。また、その固定部よりもボビン3側には、シリコンゴムなどの弾性体であるダンパー9in,9outが設けられており、このダンパー9in,9outをサスペンションワイヤ7b,7dとサスペンションワイヤ7a,7cとがそれぞれ貫通して各サスペンションワイヤ7a〜7dの変形を抑制している。
ここでダンパー9in,9outは、それぞれ硬度が異なるように形成されている。
具体的には、内周側Tinのダンパー9inの硬度が外周側のダンパー9outの硬度よりも高く設定されている。
従って、ダンパー9in,9outによってもボビン3はディスクの面振れに追従して傾き易くなっており、これにより、対物レンズ5のディスク盤面への追従がより良好に行われる。
ボビン3の傾き動作は、図1におけるマグネット4とヨーク(図示せず)のトラッキング方向Tの位置を調整して磁気バランスを意図的にずらすことによっても可能となるので、これをメッキによるバネ定数の差別化に加えて行ってもよい。
また、上述したメッキによるバネ定数の差別化と、ダンパーの硬度差によるホルダの傾動容易化と、マグネットの位置による磁気バランスに応じた傾動容易化と、は、互いに自由に組み合わせて用いることができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形してもよいのは言うまでもない。
なお、実施例の記載におけるサスペンションワイヤのバネ定数は、そのワイヤの曲がり難さを示すものとして用いているものである。
本発明の光ピックアップ装置の実施例を説明するための斜視図である。 本発明の光ピックアップ装置の実施例における作用を説明するための模式図である。 本発明の光ピックアップ装置の実施例における線材の線径とメッキ厚と弾性率との関係を示す表である。 本発明の光ピックアップ装置の実施例を説明するための模式的斜視図である。
符号の説明
1 アクチュエータベース
1a,1b 切り起こし部
2 サスペンションベース
2a ネジ
3 ボビン
3b トラッキングコイル
3c フォーカスコイル
3h〜3k 突起
3in,3out 側面
4 マグネット
5 対物レンズ
7a〜7d サスペンションワイヤ
8a〜8d 接着剤
9a,9b ダンパー
50 光ピックアップ装置
C 光軸
Dk ディスク
Hin,Hout 変形量

Claims (4)

  1. レーザ光源からの光を光ディスクの記録面に集光する対物レンズと、
    該対物レンズを保持するボビンと、
    該ボビンの一の側面に一端側が固定された第1及び第2のサスペンションワイヤと、
    前記ボビンの前記一の側面と対向する他の側面に一端側が固定された第3及び第4のサスペンションワイヤと、
    前記第1乃至第4のサスペンションワイヤの他端側が固定され、前記ボビンを揺動自在に支持するベースと、を有し、
    前記第1及び第2のサスペンションワイヤと前記第3及び第4のサスペンションワイヤとでバネ定数が異なる光ピックアップ装置において、
    前記第1乃至第4のサスペンションワイヤの表面にはメッキが施されており、前記第1及び第2のサスペンションワイヤと、前記第3及び第4のサスペンションワイヤとで、前記施されたメッキのメッキ条件が異なっていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記異なるメッキ条件は、メッキの厚さであることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記異なるメッキ条件は、メッキの材質であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記異なるメッキの材質は、互いにメッキ色が異なることを特徴とする請求項3記載の光ピックアップ装置。
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