JP2005092949A - 光ピックアップアクチュエータおよびそのチルト調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズホルダーの両側のサスペンションワイヤーの剛性のばらつきに起因するチルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することを目的とする。
【解決手段】対物レンズ1を搭載するレンズホルダー2と、レンズホルダー2を弾性支持する1対のサスペンションワイヤー3の基端部を固定したサスペンションホルダー4とを備え、サスペンションワイヤー3の中途部とレンズホルダー2の側部とを弾力性部材11a,11bで止着し、レンズホルダー2の一方の側部における弾力性部材11aの位置と、他方の側部における弾力性部材11bの位置を、両サスペンションワイヤー3の剛性の違いによる対物レンズ1のチルトを解消する位置に調整する。
【選択図】図3
【解決手段】対物レンズ1を搭載するレンズホルダー2と、レンズホルダー2を弾性支持する1対のサスペンションワイヤー3の基端部を固定したサスペンションホルダー4とを備え、サスペンションワイヤー3の中途部とレンズホルダー2の側部とを弾力性部材11a,11bで止着し、レンズホルダー2の一方の側部における弾力性部材11aの位置と、他方の側部における弾力性部材11bの位置を、両サスペンションワイヤー3の剛性の違いによる対物レンズ1のチルトを解消する位置に調整する。
【選択図】図3
Description
本発明は、DVD(Digital Versatile Disc)等の高密度記録ディスクを記録再生するために使用される光ピックアップアクチュエータに関し、また、対物レンズのレンズシフトに伴うチルトを解消するための光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法に関する。
近年、DVD等の光学式記録媒体(以下、光ディスクという)は、記録データの増加に伴い、記録密度をより高くすることが要求されている。そして、その光ディスクに対して情報の記録または再生を行うために、光ピックアップが用いられる。
図5は従来の光ピックアップアクチュエータの斜視図、図6はその分解斜視図である。図5および図6において、1は対物レンズで、レーザダイオード等の光源から出射された光をこの対物レンズ1に入射させ、対物レンズ1で入射した光を絞り、光ディスク(図示せず)上に集光し、情報の記録や再生などを行う。また、この光ディスクに集光した光の反射光は、対物レンズ1を介して受光素子(図示せず)に入射させ、電気信号に変換し、その電気信号をデータ取得やサーボ制御に使用する。
対物レンズ1はレンズホルダー2に取り付けられており、レンズホルダー2の対物レンズ1を取り付ける部分には貫通孔2a(円形或いは楕円形)が設けられていて、この対物レンズ1によってこの貫通孔2aを塞ぐように接着剤などで取り付けられている。また、レンズホルダー2には、対物レンズ1が取り付けられる部分に設けられた貫通孔2a以外に角部に丸みを帯びた方形状の大きな貫通孔2bが設けられている。また、貫通孔2bのレンズホルダー2の対物レンズ1が設けられた側には、他の部分よりも貫通孔2bの径が小さくなるように、貫通孔2bの中心側に伸びた突出部2cが略コ字型に設けられている。また、この突出部2cの端部には突出部2cの一部を切り欠くように一対の切り欠き部2d,2eが設けられている。
レンズホルダー2の両側部にはそれぞれ3本づつ、サスペンションワイヤー3が設けられており、かつ、サスペンションワイヤー3の一方の端部はレンズホルダー2中に埋設して設けられている。しかもサスペンションワイヤー3の最端部3a〜3fは再びサスペンションホルダー4から突出する構成となっている。サスペンションワイヤー3は弾性のある導電材料で構成されており、鉄合金,銅合金(例えば銅−ベリリウム合金等)などの線状体や平板状体で構成されている。
サスペンションホルダー4は、絶縁性材料からなるサスペンションワイヤー3の他端部が埋設されている。すなわち、サスペンションホルダー4はサスペンションワイヤー3を介してレンズホルダー2を変位可能に弾性的に片持ち支持している。サスペンションホルダー4には図示していない回路基板が取付或いは近接して設けられており、この回路基板とサスペンションワイヤー3は電気的に接続されている。また、サスペンションホルダー4には貫通孔4aが設けられている。
サスペンションホルダー4は、Fe合金等の磁性体からなるヨーク5に搭載されている。ヨーク5には、同一側に折り曲げられた、側立設部5a,5b、立設ヨーク部5c,5d,5e、前端立設部5f、後端立設部5gが設けられている。立設ヨーク部5cと立設ヨーク部5d,5eは対向するように設けられており、しかも立設ヨーク部5cの立設ヨーク部5d,5e側の面には一対の磁石9a,9bが取り付けられており、立設ヨーク部
5d,5eの立設ヨーク部5c側の面には一対の磁石10a,10bがそれぞれ取り付けられている。このとき、各立設ヨーク部5c,5d,5eと各磁石10a、10bは、紫外線硬化接着剤や熱効果性樹脂などによって接合されている。
5d,5eの立設ヨーク部5c側の面には一対の磁石10a,10bがそれぞれ取り付けられている。このとき、各立設ヨーク部5c,5d,5eと各磁石10a、10bは、紫外線硬化接着剤や熱効果性樹脂などによって接合されている。
フォーカスコイル6a,6bは銅或いは銅合金などで構成された被覆導電線を角部に丸みを帯びた方形状に、かつ断面正方形状に巻回されて構成されている。
対物レンズ1のトラッキングを行うために、3つのトラッキングコイル7,8a,8bが設けられている。中央のトラッキングコイル7の両脇に、トラッキングコイル8a,8bが密着するか或いは隙間を設けて配置される。このときに、トラッキングコイル7,8a,8bの巻軸はそれぞれ略平行になるように配置される。トラッキングコイル7,8a,8bはフォーカスコイル6a,6bを接合した組み立て体の側面部に熱硬化性接着剤か紫外線硬化樹脂の少なくとも一方の接着剤で接着され、しかもトラッキングコイル7,8a,8bの巻軸とフォーカスコイル6a,6bの巻軸は非平行となるように、好ましくは略垂直となるような配置関係となっている。トラッキングコイル7,8a,8bは互いに電気的に直列接続されており、同一の導電線によって、トラッキングコイル7,8a,8bを一体に構成している。
また、トラッキングコイルは8a,8bは長辺がフォーカスコイル6a,6bの巻軸に略平行に、またトラッキングコイル7は長辺がフォーカスコイル6a,6bの巻軸に略直交するようにフォーカスコイル6a,6bにそれぞれ取り付けられている。
以上のように、フォーカスコイル6a,6b及びトラッキングコイル8a,8bを組み合わせたコイル構成体は、レンズホルダー2に装着される。このとき、コイル構成体は貫通孔2bの突出部2cが設けられた側とは反対側から挿入され、挿入されたコイル構成体のフォーカスコイル6a,6bの外周部はこの突出部2cに当接し、レンズホルダー2の貫通孔2b内に保持される。このときにトラッキングコイル8a,8bの外周部は切り欠き部2e,2dに入り込み、突出部2cよりもトラッキングコイル8a,8bの上面は飛び出す構成となる。そして、コイル構成体は、熱硬化性接着剤(熱硬化性エポキシ樹脂など)を用いてレンズホルダー2に固定される。
コイル構成体をレンズホルダー2に固定した後に、サスペンションホルダー4をヨーク5に熱硬化性接着剤などで固定する。このとき、サスペンションホルダー4の貫通孔4aに後端立設部5gが挿入され、レンズホルダー2の貫通孔2b内には、立設ヨーク部5c,5d,5e及び磁石9a,9b,10a,10bが挿入される。また、フォーカスコイル6a内には立設ヨーク部5dと磁石10aが挿入され、フォーカスコイル6bには立設ヨーク部5eと磁石10bが挿入される。また。立設ヨーク部5cと立設ヨーク部5d,5eの間にはトラッキングコイル7,8a,8b及びトラッキングコイル7,8a,8bが取り付けられたフォーカスコイル6a,6b部分が配置されている。
また、フォーカスコイル6aの両端部は図示していないが、サスペンションワイヤー3の最端部3f,3eにそれぞれ巻回されて半田などで接合され、フォーカスコイル6bの両端部はそれぞれサスペンションワイヤー3の最端部3c,3bにそれぞれ巻回されて半田などで接合され、更にトラッキングコイル7,8a,8bの両端部はそれぞれ最端部3a,3dに巻回されて半田などで接合されている。
従って、各サスペンションワイヤー3に選択的に電流を流すことで、各コイルに電流を流し、その各コイルで発生する磁界及び磁石9a,9b,10a,10bで構成される磁気回路にて、レンズホルダー2をフォーカス方向成分とトラッキング方向成分の少なくとも一つを有する方向に移動させ、例えば、光ディスクからの反射光で生成されるサーボ信
号などを元に、対物レンズ1をフォーカス方向或いはトラッキング方向に移動させて、光ディスクに設けられたデータトラックなどの上に光を集光させて、情報の記録或いは再生の少なくとも一方を確実に行うことができる。
号などを元に、対物レンズ1をフォーカス方向或いはトラッキング方向に移動させて、光ディスクに設けられたデータトラックなどの上に光を集光させて、情報の記録或いは再生の少なくとも一方を確実に行うことができる。
ところで、上述したように、レンズホルダー2は、その両側を、サスペンションワイヤー3で片持ち梁状にサスペンションホルダー4に可動状態に取り付けられている。
近年のプロセッサにおける信号処理の高速化、装置間の転送の高速化に伴い、光ピックアップアクチュエータによるアクセスの高速化が要求されている。光ピックアップアクチュエータの高速制御化のためには、サスペンションワイヤー3の剛性、すなわちバネ定数を高める必要がある。サスペンションワイヤー3のバネ定数が高くなると、レンズホルダー2の振幅は小さくなるから、サスペンションワイヤー3によるダンピング効果が低くなって、ダンピング不足になる。そうすると、追従性が悪くなる。
このような問題点に対し、(特許文献1)には、図7(平面図)に示すように、サスペンションワイヤー3の長手方向の途中に紫外線硬化型ゲル11a,11bを滴下し、そのゲル11a,11bでレンズホルダー2の側部とサスペンションワイヤー3の中途部を弾力的に固定することが開示されている。
このように、レンズホルダーの側部とサスペンションワイヤーと途中とをゲルで弾力的に固定することで、ダンピング効果を高めることができ、その結果、レンズホルダーの振幅が小さくても、十分なダンピング効果を得ることができるようになった。
特開2001−6191号公報(段落0018、図1)
ところで、前記の特許文献1に記載された光ピックアップアクチュエータでは、レンズホルダーの両側部とサスペンションワイヤーとの間を結合するゲル11a,11bの位置は、図7に示すように同一線c上に存在する。これは、両側のサスペンションワイヤー3の剛性が同一の場合に成り立つことである。
しかし、現実には、サスペンションワイヤーの剛性には、径等の製造誤差等により、ばらつきが生じる。そうすると、フォーカスコイル6a,6bに同一の電流を流しても、図8に示すように、剛性が小さい方が同じ駆動力を受けても余計に移動するため、好ましくないチルトが生じる。
最近では、光ディスクの面ブレに対応するために、対物レンズには、±0.1μm程度の制御精度が要求される。また、対物レンズを上下に例えば±0.7mmシフトするときに、チルトの角度は、±0.15度程度の許容誤差内に納める必要がある。しかし、サスペンションワイヤーの剛性の相違によりチルトが大きくなると、光ディスクに対して対物レンズが平行ではなく斜めになるので、焦点を正確に結ぶことができない。
本発明は、レンズホルダーの両側のサスペンションワイヤーの剛性のばらつきに起因する対物レンズのチルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することのできる光ピックアップアクチュエータおよびそのチルト調整方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、レンズホルダーを弾力的に支持する1対のサスペンションワイヤーの剛性の違いによるチルトの発生を、レンズホルダーとサスペンションワイヤーとを止着する弾力性部材の位置を調整することで、解消することを特徴とする。
以上のように本発明の光ピックアップアクチュエータは、レンズホルダーとサスペンションワイヤーとを止める位置を調整することにより、チルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することのできる光ピックアップアクチュエータを得ることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、光ディスクに光源から出射された光を集光させる対物レンズと、前記対物レンズを搭載するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーを弾性支持する1対のサスペンションワイヤーの基端部を固定したサスペンションホルダーと、前記レンズホルダーに搭載されたフォーカスコイルおよびトラッキングコイルを備え、前記サスペンションワイヤーの中途部と前記レンズホルダーの側部とを弾力性部材で止着した光ピックアップアクチュエータにおいて、
前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置と、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置のずれ量を前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用い、前記ずれ量が調整されていることを特徴とする光ピックアップアクチュエータとしたものであり、レンズホルダーの両側のサスペンションワイヤーの剛性のばらつきに起因する対物レンズのチルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することのできる光ピックアップアクチュエータが得られる。
前記レンズホルダーを弾性支持する1対のサスペンションワイヤーの基端部を固定したサスペンションホルダーと、前記レンズホルダーに搭載されたフォーカスコイルおよびトラッキングコイルを備え、前記サスペンションワイヤーの中途部と前記レンズホルダーの側部とを弾力性部材で止着した光ピックアップアクチュエータにおいて、
前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置と、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置のずれ量を前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用い、前記ずれ量が調整されていることを特徴とする光ピックアップアクチュエータとしたものであり、レンズホルダーの両側のサスペンションワイヤーの剛性のばらつきに起因する対物レンズのチルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することのできる光ピックアップアクチュエータが得られる。
上記課題を解決するためになされた請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記弾力性部材を、紫外線硬化型ゲルとしたものであり、製造過程で滴下したゲルに紫外線を照射することで、容易に弾力性部材が得られる。
上記課題を解決するためになされた請求項3の発明は、光ディスクに光源から出射された光を集光させる対物レンズと、前記対物レンズを搭載するレンズホルダーと、前記レンズホルダーを弾性支持する1対のサスペンションワイヤーの基端部を固定したサスペンションホルダーと、前記レンズホルダーに搭載されたフォーカスコイルおよびトラッキングコイルとを備え、前記サスペンションワイヤーの中途部と前記レンズホルダーの側部とを弾力性部材で止着した光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法であって、前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置と、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置のずれ量を前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用いることを特徴とする光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法としたものであり、レンズホルダーの両側のサスペンションワイヤーの剛性のばらつきに起因する対物レンズのチルトの発生を抑制し、高い制御精度を実現することのできる光ピックアップアクチュエータが得られる。
上記課題を解決するためになされた請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置を固定し、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置とのずれ量を、前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用いることを特徴とする請求項3記載の光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法としたものであり、一方の位置を固定し、他方の位置を調整することで、調整作業が容易になる。
上記課題を解決するためになされた請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明において、前記サスペンションワイヤーの同一ロットに対し、先行製造により得られた光ピックアップアクチュエータのチルト測定により得られた結果により前記位置を決定し、そのロットについてはその決定された位置を用いて本製造を行うことを特徴とする光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法としたものであり、同一ロットにおいてはサスペンションワイヤーの剛性は同一である可能性が高いことに注目し、同一ロットの中で、
まず先行ラインで製造して、チルト検査機等で測定を行い、チルトが0になるような適正な位置を見つけ、そのロットはその位置でサスペンションワイヤーとレンズホルダーをゲルで止めることにより、一つ一つのチルトの角度を測定しながら調整を行う手間をなくし、製造を効率化することができる。
まず先行ラインで製造して、チルト検査機等で測定を行い、チルトが0になるような適正な位置を見つけ、そのロットはその位置でサスペンションワイヤーとレンズホルダーをゲルで止めることにより、一つ一つのチルトの角度を測定しながら調整を行う手間をなくし、製造を効率化することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態である光ピックアップアクチュエータを示すもので、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は正面図である。また、図2は同実施の形態の斜視図である。
図1および図2において、本実施の形態に係る光ピックアップアクチュエータは、レーザダイオード等の光源から入射した光を絞り、光ディスク(図示せず)上に集光し、情報の記録や再生などを行う対物レンズ1を有している。また、この対物レンズ1は、光ディスクに集光した光の反射光を受光素子(図示せず)に入射させる役目を果たす。前記受光素子は、入射した反射光を電気信号に変換し、その電気信号はデータ取得やサーボ制御に使用される。なお、本実施の形態では、集光手段として、対物レンズ1を用いたが、光ディスクに光を集光できる機能を有するものであれば他の手段でも良い。
対物レンズ1はレンズホルダー2に取り付けられており、レンズホルダー2の対物レンズ1を取り付ける部分には貫通孔2a(円形或いは楕円形)が設けられていて、この対物レンズ1によって貫通孔2aを塞ぐように接着剤などで取り付けられている。また、レンズホルダー2には、対物レンズ1が取り付けられる部分に設けられた貫通孔2a以外に角部に丸みを帯びた方形状の大きな貫通孔2bが設けられている。また、貫通孔2bのレンズホルダー2の対物レンズ1が設けられた側には、他の部分よりも貫通孔2bの径が小さくなるように、貫通孔2bの中心側に伸びた突出部2cが略コ字型に設けられている。また、この突出部2cの端部には突出部2cの一部を切り欠くように一対の切り欠き部2d,2eが設けられている。
なお、レンズホルダー2は、絶縁性を有する樹脂材料で構成されることが好ましく、樹脂材料でレンズホルダー2を形成することで、製造も非常に簡単になり、しかも軽量化を実現できる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂,液晶ポリマー等が好適に用いられる。また、非常に薄型化が要求される光ピックアップ装置の場合、レンズホルダー2を樹脂材料で構成すると、レンズホルダー2の肉厚が薄くなり機械的強度が低下するものの、上述のように突出部2cを設けることで、ある程度の機械的強度を得ることができる。
レンズホルダー2の両側部にはそれぞれ3本ずつ、サスペンションワイヤー3が設けられており、しかもサスペンションワイヤー3の一方の端部はレンズホルダー2中に埋設して設けられている。サスペンションワイヤー3の最端部3a〜3fは再びサスペンションホルダー4から突出する構成となっている。
レンズホルダー2の両側のサスペンションワイヤー3の長手方向の途中は、弾力性部材、本実施の形態では紫外線硬化型ゲル(以下、本実施の形態においては「ダンパーゲル」という)11a,11bによりレンズホルダー2に止着されている。このダンパーゲル11a,11bは、レンズホルダー2の振幅が小さくても、十分なダンピング効果を与えるためのものである。
本実施の形態においては、両側のサスペンションワイヤー3の剛性の違いを考慮して、
レンズホルダー2の一方の側部におけるダンパーゲル11aの位置と、他方の側部におけるダンパーゲル11bの位置が、対物レンズ1のチルトを解消する位置になるように調整されていることが特徴である。このダンパーゲル11a,11bの位置調整については後述する。
レンズホルダー2の一方の側部におけるダンパーゲル11aの位置と、他方の側部におけるダンパーゲル11bの位置が、対物レンズ1のチルトを解消する位置になるように調整されていることが特徴である。このダンパーゲル11a,11bの位置調整については後述する。
なお、本実施の形態では、サスペンションワイヤー3を両側部に3本づつ設けたが、4本以上6本以下設けても良い。片側に6本以上設けると薄型化が困難である。サスペンションワイヤー3は弾性のある導電材料で構成されており、例えば鉄合金,銅合金(例えば銅−ベリリウム合金等)などの線状体や平板状体で構成されている。
レンズホルダー2の片方の側部に設けられたサスペンションワイヤー3はレンズホルダー2の厚み方向に比較的等間隔で設けられているが、仕様などによって、サスペンションワイヤー3の間隔は異ならせても良い。
サスペンションホルダー4は、絶縁性材料からなるサスペンションワイヤー3の他端部が埋設されている。すなわち、サスペンションホルダー4はサスペンションワイヤー3を介してレンズホルダー2を変位可能に弾性的に片持ち支持している。サスペンションホルダー4には図示していない回路基板が取付或いは近接して設けられており、この回路基板とサスペンションワイヤー3は電気的に接続されている。また、サスペンションホルダー4には貫通孔4aが設けられている。
サスペンションホルダー4は、絶縁性材料で構成されており、好ましくは樹脂やセラミック等の材料で好適に形成される。特に、サスペンションホルダー4を樹脂材料で構成する場合には、液晶ポリマーやエポキシ樹脂で構成することが強度,重さ,加工のしやすさの点で有利である。
サスペンションホルダー4は、Fe合金等の磁性体からなるヨーク5に搭載されている。本実施の形態では、Fe合金で構成された金属板に曲げ加工などを施してヨーク5を形成している。ヨーク5の表面には、防食性を与えるためにNi或いはNi合金皮膜が設けられている。ヨーク5には、同一側に折り曲げられた、側立設部5a,5b、立設ヨーク部5c,5d,5e、前端立設部5f、後端立設部5gが設けられている。立設ヨーク部5cと立設ヨーク部5d,5eは対向するように設けられており、しかも立設ヨーク部5cの立設ヨーク部5d,5e側の面には一対の磁石9a,9bが取り付けられており、立設ヨーク部5d,5eの立設ヨーク部5c側の面には一対の磁石10a,10bがそれぞれ取り付けられている。各立設ヨーク部5c,5d,5eと各磁石9a,9b,10a,10bは、紫外線硬化接着剤や熱硬化性樹脂などによって接合することができる。また、各立設ヨーク部と各磁石の取付方法の一例としては、各立設ヨーク部は磁性材料で構成されているので、各磁石は磁力によって各立設ヨーク部に張り付き、その状態で紫外線硬化接着剤を塗布し、紫外線を照射することで、各磁石と各立設ヨーク部を固着することができる。
なお、好ましくは各磁石はほぼ同一サイズ及びほぼ同一特性とする。すなわち同様のサイズ及び特性の磁石を用いることで、磁石の種類が一種類となるので、各立設ヨーク部に磁石を取り付ける際に磁石の選択を行わなくても良い。従って部品の共用化を行うことができ、生産性などを向上させることができる。ただし、仕様などによっては、各磁石において、サイズや特性を異ならせることもできる。特に、本実施の形態においては、立設ヨーク部5cにおいて2つの磁石9a,9bの二つの磁石を取り付けたが、幅広い一つの磁石を用いて、着磁の方向を両サイドで異ならせても良い。また、各磁石はNd,Feを含む永久磁石で構成される。更に各磁石の表面にはNiもしくはNi合金のメッキ被膜が10〜20μmの厚さで設けられている。更に、各磁石の角部には、欠けなどが生じないよ
うに面取り或いはテーパー部が設けられている。
うに面取り或いはテーパー部が設けられている。
フォーカスコイル6a,6bは銅或いは銅合金などで構成された導電線を角部に丸みを帯びた方形状に巻回されて構成されており、しかも導電線の表面には絶縁被膜が設けられており、巻回されても隣接する導電線同士は非導通となる。フォーカスコイル6a,6bは巻軸が略平行になるように、側部同士が熱硬化性接着剤か紫外線硬化樹脂の少なくとも一方の接着剤で接着されている。
対物レンズ1のトラッキングを行うために、3つのトラッキングコイル7,8a,8bが設けられている。中央のトラッキングコイル7の両脇に、トラッキングコイル8a,8bが密着するか或いは隙間を設けて配置される。このときに、トラッキングコイル7,8a,8bの巻軸はそれぞれ略平行になるように配置される。トラッキングコイル7,8a,8bはフォーカスコイル6a,6bを接合した組み立て体の側面部に熱硬化性接着剤か紫外線硬化樹脂の少なくとも一方の接着剤で接着され、しかもトラッキングコイル7,8a,8bの巻軸とフォーカスコイル6a,6bの巻軸は非平行となるように、好ましくは略垂直となるような配置関係となっている。
トラッキングコイル7,8a,8bは互いに電気的に接合されており、同一の導電線によって、トラッキングコイル7,8a,8bを一体に構成し、直列接続されている。トラッキングコイル7,8a,8bは銅或いは銅合金などで構成された導電線を角部に丸みを帯びた方形状に巻回されて構成されており、しかも導電線の表面には絶縁被膜が設けられており、巻回されても隣接する導電線同士は非導通となる。
また、フォーカスコイル6a,6bは、方形状でも断面正方形状に巻回して構成され、トラッキングコイル7,8a,8bは方形状でも断面長方形状に巻回して構成されている。また、トラッキングコイルは8a,8bは長辺がフォーカスコイル6a,6bの巻軸に略平行に、またトラッキング7は長辺がフォーカスコイル6a,6bの巻軸に略直交するようにフォーカスコイル6a,6bにそれぞれ取り付けられている。
以上のように、フォーカスコイル6a,6b及びトラッキングコイル8a,8bを組み合わせたコイル構成体は、レンズホルダー2に装着される。このとき、コイル構成体は貫通孔2bの突出部2cが設けられた側とは反対側から挿入され、挿入されたコイル構成体のフォーカスコイル6a,6bの外周部はこの突出部2cに当接し、レンズホルダー2の貫通孔2b内に保持される。このときにトラッキングコイル8a,8bの外周部は切り欠き部2e,2dに入り込み、突出部2cよりもトラッキングコイル8a,8bの上面は飛び出す構成となる。そして、コイル構成体は、熱硬化性エポキシ樹脂などの熱硬化性接着剤を用いてレンズホルダー2に固定される。
コイル構成体をレンズホルダー2に固定した後に、サスペンションホルダー4をヨーク5に熱硬化性接着剤などで固定する。このとき、サスペンションホルダー4の貫通孔4aに後端立設部5gが挿入され、レンズホルダー2の貫通孔2b内には、立設ヨーク部5c,5d,5e及び磁石9a,9b,10a,10bが挿入される。また、フォーカスコイル6a内には立設ヨーク部5dと磁石10aが挿入され、フォーカスコイル6bには立設ヨーク部5eと磁石10bが挿入される。また。立設ヨーク部5cと立設ヨーク部5d,5eの間にはトラッキングコイル7,8a,8b及びトラッキングコイル7,8a,8bが取り付けられたフォーカスコイル6a,6b部分が配置されている。
また、フォーカスコイル6aの両端部は、図示していないが、サスペンションワイヤー3の最端部3f,3eにそれぞれ巻回されて半田などで接合され、フォーカスコイル6bの両端部はそれぞれサスペンションワイヤー3の最端部3c,3bにそれぞれ巻回されて
半田などで接合されている。更にトラッキングコイル7,8a,8bの両端部は、それぞれ最端部3a,3dに巻回されて半田などで接合されている。
半田などで接合されている。更にトラッキングコイル7,8a,8bの両端部は、それぞれ最端部3a,3dに巻回されて半田などで接合されている。
なお、本実施の形態では、フォーカスコイル6a,6bを別々に構成したが、フォーカスコイル6a,6bをトラッキングコイル7,8a,8bと同様に直列に接続すると、フォーカスコイル6aの端部は最端部3fに接続され、フォーカスコイル6bの端部は最端部3cに接続される。このとき、最端部3b,3eは各コイルには電気的に非接続状態となる。
上述したように、本実施の形態においては、両側のサスペンションワイヤー3の剛性の違いを考慮して、レンズホルダー2の一方の側部におけるダンパーゲル11aの位置と、他方の側部におけるダンパーゲル11bの位置が、対物レンズ1のチルトを解消する位置になるように調整するようにしている。図3は本発明の実施の形態に係るチルト調整方法を示す光ピックアップアクチュエータの概略平面図、図4は本発明の実施の形態に係るダンパーゲルずらし量とチルト量との関係を示すグラフである。
サスペンションワイヤー3は、レンズホルダー2の両側に設けられてレンズホルダー2を弾力的に支持するが、製造上のばらつきにより、両側のサスペンションワイヤー3の剛性は等しくない。したがって、両方のダンパーゲル11a,11bの位置を、図3に示すダンパーゲル基準位置cに揃えると、ダンパーゲル11a,11bによるダンピング特性にもばらつきが生じる。そうすると、レンズホルダー2を光ディスクに対して垂直方向にシフトするようにフォーカスコイル6a,6bに等しい電流を流しても、図8に示したように、好ましくないチルトが生じ、光ディスクの所定の位置に焦点を結ばなくなる。
そこで、本実施の形態では、図3に示すようにダンパーゲル基準位置cに対して、一方のダンパーゲル11bの位置をxだけずらすのである。このxをダンパーゲルずらし量とする。そのダンパーゲルずらし量xをどのような値にするかは、次のようにして求める。すなわち、図4に示すように、予め、一方のダンパーゲル11aの位置を所定の位置(所定のダンピング特性が得られる位置)に固定し、他方のダンパーゲル11bのずらし量xを±1mm程度まで例えば0.1mm間隔で変えていき、その時の各位置におけるチルト量θをプロットする。
次いで、実機の光ピックアップアクチュエータについて、ダンパーゲル11a,11bを基準位置cに設けたものについてチルト量を測定する。そのチルト量θより、図4のグラフまたはテーブルに基づいてダンパーゲルずらし量xを求め、製品では、ずらし量xだけずらした位置で、ダンパーゲル11bによりサスペンションワイヤー3とレンズホルダー2とを止着する。
実際の製造に際しては、両側のサスペンションワイヤー3の剛性は、同一製造ロットにおいてはほぼ同じ値となるので、同一製造ロットの中では、まず先行ラインで製造して、チルト検査機等で測定を行い、チルトが0になるような適正な位置を見つけ、そのロットはその位置でサスペンションワイヤー3とレンズホルダー2をダンパーゲル11a,11bで止着することにより、一つ一つの製品に対し、チルトの角度を測定しながら調整を行う手間をなくし、製造を効率化することができる。
以上のようにチルト調整された各サスペンションワイヤー3に選択的に電流を流すことで、各コイルに電流を流し、その各コイルで発生する磁界及び磁石9a,9b,10a,10bで構成される磁気回路にてレンズホルダー2をフォーカス方向成分に移動させると、ダンパーゲル11a,11bによるダンピング特性を備えかつチルトが抑制されたシフト動作を実現することができる。
本発明は、サスペンションワイヤーの剛性のばらつきによるチルトを解消するように調整された高精度の動作を実現する光ピックアップアクチュエータを用いDVD等の高密度記録再生装置に適用することができる。
1 対物レンズ
2 レンズホルダー
2a,2b 貫通孔
2c 突出部
2d,2e 切り欠き部
3 サスペンションワイヤー
3a〜3f 最端部
4 サスペンションホルダー
4a 貫通孔
5 ヨーク
5a,5b 側立設部
5c〜5e 立設ヨーク部
5f 前端立設部
5g 後端立設部
6a,6b フォーカスコイル
7,8a,8b トラッキングコイル
9a,9b 磁石
10a,10b 磁石
11a,11b ダンパーゲル
2 レンズホルダー
2a,2b 貫通孔
2c 突出部
2d,2e 切り欠き部
3 サスペンションワイヤー
3a〜3f 最端部
4 サスペンションホルダー
4a 貫通孔
5 ヨーク
5a,5b 側立設部
5c〜5e 立設ヨーク部
5f 前端立設部
5g 後端立設部
6a,6b フォーカスコイル
7,8a,8b トラッキングコイル
9a,9b 磁石
10a,10b 磁石
11a,11b ダンパーゲル
Claims (5)
- 光ディスクに光源から出射された光を集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを搭載するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーを弾性支持する1対のサスペンションワイヤーの基端部を固定したサスペンションホルダーと、
前記レンズホルダーに搭載されたフォーカスコイルおよびトラッキングコイルを備え、
前記サスペンションワイヤーの中途部と前記レンズホルダーの側部とを弾力性部材で止着した光ピックアップアクチュエータにおいて、
前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置と、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置のずれ量を前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用い、前記ずれ量が調整されていることを特徴とする光ピックアップアクチュエータ。 - 前記弾力性部材は、紫外線硬化型ゲルであることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップアクチュエータ。
- 光ディスクに光源から出射された光を集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを搭載するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーを弾性支持する1対のサスペンションワイヤーの基端部を固定したサスペンションホルダーと、
前記レンズホルダーに搭載されたフォーカスコイルおよびトラッキングコイルと
を備え、前記サスペンションワイヤーの中途部と前記レンズホルダーの側部とを弾力性部材で止着した光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法であって、
前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置と、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置のずれ量を前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用いることを特徴とする光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法。 - 前記レンズホルダーの一方の側部における前記弾力性部材の位置を固定し、前記レンズホルダーの他方の側部における前記弾力性部材の位置とのずれ量を、前記対物レンズのチルトを減少させる手段として用いることを特徴とする請求項3記載の光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法。
- 前記サスペンションワイヤーの同一ロットに対し、先行製造により得られた光ピックアップアクチュエータのチルト測定により得られた結果により前記位置を決定し、そのロットについてはその決定された位置を用いて本製造を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の光ピックアップアクチュエータのチルト調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003322660A JP2005092949A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 光ピックアップアクチュエータおよびそのチルト調整方法 |
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JP2003322660A JP2005092949A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 光ピックアップアクチュエータおよびそのチルト調整方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005092949A true JP2005092949A (ja) | 2005-04-07 |
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JP2003322660A Pending JP2005092949A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 光ピックアップアクチュエータおよびそのチルト調整方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005092949A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112008003279T5 (de) | 2007-12-04 | 2011-01-13 | Mitsubishi Electric Corporation | Antriebseinrichtung für eine Objektivlinse und optische Aufnahmeeinrichtung |
-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003322660A patent/JP2005092949A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112008003279T5 (de) | 2007-12-04 | 2011-01-13 | Mitsubishi Electric Corporation | Antriebseinrichtung für eine Objektivlinse und optische Aufnahmeeinrichtung |
US8040763B2 (en) | 2007-12-04 | 2011-10-18 | Mitsubishi Electric Corporation | Objective lens driving device and optical pickup device |
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