JP2008281071A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 内輪1のシール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、さらに、保持器4のうちポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、転がり軸受に関し、例えば、回転支持部等に用いられる玉軸受のグリース漏れの解決と低トルク化とを実現した転がり軸受に関する。
回転支持部に用いられる軸受のうち、転動体に玉を使用する軸受の耐グリース漏洩策として、通常、シール形状にて対策するのが一般的である。しかしながら、シール形式を非接触形とすると低トルクとなるが、耐グリース漏洩性、耐ダスト性が問題となる。シール形式を接触形とすれば、耐ダスト性は高くなるが、高トルクとなる。また、いわゆる呼吸現象により、グリース漏洩も起こる。これらの問題を解決するため、以下のような技術を採用することが考えられる。
(1)シールリップ形状の変更、およびラビリンスすきまを形成する(例えば特許文献1)。
(2)密封形の転がり軸受が嵌合される固定軸に、この転がり軸受を軸方向に挟み込むように一対のスリンガーを嵌合固定する(例えば特許文献2)。
特開2005−330986号公報 特開2003−262234号公報
しかし、特許文献1に開示のものでは、特に、玉に近接する近接リップと、この近接リップに対向する軌道輪との間で、半径方向ラビリンスおよび軸方向ラビリンスを形成しなければならず、それ故、内輪シール溝の変更が必要であり加工コストが高くなる。
特許文献2に開示のものでは、軸受の軸方向にスリンガーを設けるためのスペースが必要であり、部品点数が増えて製造コストが高くなる。
この発明の目的は、低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる転がり軸受を提供することである。
この発明における第1の発明の転がり軸受は、熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、前記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、前記ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことを特徴とする。
この構成によると、内輪または外輪に設けたシール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施したので、シール摺接面の表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シールのシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。また、保持器のポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたので、内輪肩部や内輪シール溝にグリースが付着し難くなる。このことは、特に外輪回転時に特徴的に現れる。これにより、シールが接触形、非接触形のいずれの場合にも、グリースの漏洩を防止できる。また、シールリップの緊迫力を強くする必要がないため、トルクが増大しない。
この発明における第2の発明の転がり軸受は、熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面を、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、前記ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことを特徴とする。
この構成によると、内輪または外輪に設けたシール摺接面を、熱処理後に焼入れ鋼切削により形成したので、シール摺接面の表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シールのシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。また、保持器のポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことにより、内輪肩部や内輪シール溝にグリースが付着し難くなる。このことは、特に外輪回転時に特徴的に現れる。これにより、シールが接触形、非接触形のいずれの場合にも、グリースの漏洩を防止できる。また、シールリップの緊迫力を強くする必要がないため、トルクが増大しない。
この発明における第3の発明の転がり軸受は、熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、前記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、各ポケットの内面を、玉配列ピッチ円よりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる凹曲面状としたリング状の保持器であって、前記各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けることを特徴とする。
この構成によると、シール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施したので、シール摺接面の表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シールのシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。また、保持器の各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けたことにより、軌道輪のシール溝にグリースが付着し難く、グリース漏れを防止できる。したがって、シール溝の形状を設計変更する必要がなく、また、軸受の軸方向にスリンガー等を設けるスペースを確保する必要もない。したがって、部品点数を上記特許文献に記載のものより少なくし製造コストの低減を図ることができる。
この発明における第4の発明の転がり軸受は、熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面を、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、各ポケットの内面を、玉配列ピッチ円よりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる凹曲面状としたリング状の保持器であって、前記各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けることを特徴とする。
この構成によると、シール摺接面を熱処理後に焼入れ鋼切削により形成したので、シール摺接面の表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シールのシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。また、保持器の各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けたことにより、軌道輪のシール溝にグリースが付着し難く、グリース漏れを防止できる。したがって、シール溝の形状を設計変更する必要がなく、また、軸受の軸方向にスリンガー等を設けるスペースを確保する必要もない。したがって、部品点数を上記特許文献に記載のものより少なくし製造コストの低減を図ることができる。
この発明において、前記スケール除去加工を施した後の前記シール摺動面の表面粗さをRmaxで0.5μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
この発明において、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成した前記シール摺動面の表面粗さをRmaxで0.5μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
このシール摺接面の表面粗さをRmaxで2.0μm以下、好ましくは1.2μm以下とすることにより、シールリップとの摩擦によるトルク損失の増大を防止できるとともに、シールリップの摩耗を抑制して、シールリップのシール摺接面への押し付け力を安定して保持することができる。さらに、前記シール摺接面の表面粗さをRmaxで0.5μm以上に規定することにより、例えば、シール溝を加工する場合の粗さ精度を容易に確保することが可能となる。これにより、製品の歩留まり向上を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
この第1の発明の転がり軸受は、内輪または外輪のシール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施したので、軌道輪のシール摺接面の表面粗さを十分に滑らかにして、接触シールのシール性能の低下やトルク損失の増大を防止することができる。さらに、保持器のうちポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたため、低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる。
この第2の発明の転がり軸受は、内輪または外輪に設けたシール摺接面を、熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、保持器のポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことにより、低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる。
この第3の発明の転がり軸受は、シール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、保持器の各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けたことにより、低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる。
この第4の発明の転がり軸受は、シール摺接面を熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、保持器の各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けたことにより、低トルク、耐グリース漏洩性、耐ダスト性および省スペース化を同時にかつ低コストで達成することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この転がり軸受は、図1に示すように、内輪1と外輪2の間で玉3が保持器4に保持された軸受空間を、芯金5aと弾性部材5bとを有する接触シール5で密封した玉軸受であり、接触シール5は外輪2の内周面に形成された係止溝2aに固定されている。
図2に示すように、前記接触シール5の内周側先端部には、内外2枚のシールリップ6a,6bが設けられ、内側のシールリップ6aは、内輪1の外周面に形成されたシール溝1asの内側壁に設けられたシール摺接面7aと接触し、外側のシールリップ6bは、シール溝1asの外側縁に設けられたシール摺接面7bと接触している。
前記シール摺接面7a,7bが設けられた内輪1は、図3に示す製造工程で製造されている。内輪1の素材を鍛造と旋削で成形した後、焼入れ等の熱処理を施し、この後、シール摺接面7a,7bに熱処理時に発生する熱処理スケールを除去するスケール除去加工を施している。この後、順次、幅研削、軌道面研削、内径研削、軌道面超仕上げを施し完成品とする。
なお、従来の転がり軸受の軌道輪は、図37に示すような製造工程で製造されており、転動体である玉が転接する軌道面は、焼入れ等の熱処理後に研削加工や超仕上げ加工を施すが、シール摺接面が設けられるものであっても、そのシール摺接面は熱処理前の旋削加工のままとされている。
[実施例1]
図4(a)は、前記スケール除去加工としてショットブラスト加工を行ったときのシール摺接面の表面粗さを示す(実施例1−1)。なお、図4(b)は、従来のように熱処理後のスケール除去加工を行わなかったときのシール摺接面の表面粗さを示す(比較例)。これらの図表を比較すると、比較例のシール摺接面の表面粗さがRmaxで2.6μmであるのに対して、前記ショットブラスト加工を行った実施例1−1のシール摺接面の表面粗さはRmaxで0.79μmと非常に滑らかになっている。
上記実施例1−1と比較例の内輪を用いた転がり軸受を、それぞれ水と泥の異物が飛散する環境下で回転試験機に取り付け、軸受空間への異物の侵入量を調査する異物侵入試験を行った。軸受の回転速度は2000rpm、試験時間は3時間とし、異物の侵入量は、試験前後の軸受の質量増加量Wを測定することにより求めた。
この異物侵入試験の結果、比較例のものは質量増加量Wが0.46gであったのに対して、実施例1のものは質量増加量Wが0.02gであった。したがって、実施例1−1のものは異物の侵入がほとんどなく、優れたシール性能を確保できることが確認された。
図5(a)は、前記スケール除去加工としてバレル研磨加工を行ったときのシール摺接面の表面粗さを示す(実施例1−2)。実施例1−2のシール摺接面の表面粗さはRmaxで1.30μmであり、実施例1のものと同様に0.5μm以上2.0μm以下の滑らかさになっている。
図5(b)は、前記スケール除去加工として焼入れ後切削加工を行ったときのシール摺接面の表面粗さを示す(実施例1−3)。実施例3のシール摺接面の表面粗さはRmaxで1.03μmであり、実施例1−1および1−2のものと同様に0.5μm以上2.0μm以下の滑らかさになっている。
また、この実施形態にかかる転がり軸受では、以下に示す保持器4を用いることで、内輪1のシール溝1asにグリースが付着し難く、グリース漏れを防止することができる。
上記保持器4について、図6ないし図15と共に説明する。
この保持器4は、図6に斜視図で示すように、各玉3(図1)を保持するポケット50を円周方向の複数箇所に有し、各ポケット50の内面を凹球面状としたリング状のものである。この保持器4は、図7に斜視図で示す環状体の保持器半体51の2個を、軸方向に対面して重ね合わせ、リベット孔52に挿通したリベット53で互いに接合して一体に構成される。これら保持器半体51は、内面がポケット50の半分を形成する部分的な球殻状の形状の球殻状板部50Aを複数有し、隣合うポケット50間の部分となる平板部51aと球殻状板部50Aとが円周方向に交互に並んだものとされる。前記球殻状板部50Aは、球殻の一部となる部分であり、換言すれば、内外両面が球面状となったカウンタシンク形状の膨らみ部分である。保持器半体51の軸方向の投影形状は、半径方向幅が全周に渡って一定のリング状である。
保持器半体51の一部を拡大して図9に斜視図で示す。図8は、図9と対応する部分につき、ポケット内面を単調な球面とした場合の図である。図8において、2点鎖線で示す部分Aは、この保持器半体51における平板部51aが周方向に並ぶ円周帯域を示す。その円周帯域Aの平板部51aでない部分にポケット50の半分である前記球殻状板部50Aが形成される。同図における球殻状板部50Aの一側部が保持器4の内径側部分50Aiとなり、球殻状板部50Aの他側部が保持器4の外径側部分50Aoとなる。
この実施形態の保持器4のポケット50(球殻状板部50A)の内面は、図9に示すように、保持器4の上記内径側部分50Aiにおいて、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部54を設け、この凹み部54の内面の保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面で断面した断面形状)を、ポケット50の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径Rbの円弧状としている。
この凹み部54は、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50から両側に広がって1箇所に設けられ、凹み部54の幅W54は、ポケット50の保持器円周方向の幅W50の略全体にわたる幅としている。凹み部54の幅W54は、ポケット50の幅W50の半分よりも大きいことが好ましく、2/3以上、あるいは3/4以上であることがより好ましい。
凹み部54の内面形状は、同図(B)に示すように、保持器4の半径方向の直線Lを中心とする仮想円筒Vの表面に略沿う円筒面状の形状である。上記仮想円筒Vは、凹み部54を加工する砥石の表面であっても良い。この凹み部54は、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDまで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに至るに従って、徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅が狭くなる形状とされている。凹み部54は、この実施形態では、丁度、玉配列ピッチ円PCDまで延びているが、玉配列ピッチ円PCDよりも保持器外径側まで若干延びていても、また玉配列ピッチ円PCDに若干達しないものであっても良い。なお、玉配列ピッチ円PCDはポケットPCDとも呼ぶ。
凹み部54の深さは、ポケット内面の凹球面の中心O50から凹み部54の最深位置までの距離Rcが、玉3の半径の1.05倍以上となる深さ(丁度1.05倍であって良い)であることが好ましい。ポケット50の内面となる凹球面の曲率半径Raは、玉3の半径よりも僅かに大きくし、玉3の半径の1.05未満としている。
図10は、保持器4のポケット50(球殻状板部50A)の内面の他の形状例を示す。この例では、ポケット50(球殻状板部50A)の内面の内径側部分50Aiに設けられる凹み部54Aを、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50の両側に位置する2箇所としている。各凹み部54Aの内面形状は、保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面で断面した断面形状)が、ポケット50の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径RAbの円弧状であり、詳しくは同図(B)に示すように、保持器4の半径方向の直線LAを中心とする各仮想円筒VAの表面に略沿う円筒面状の形状である。この凹み部54Aは、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。
2個の凹み部54Aの位置は、例えば、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所である。この例でも、凹み部54Aの深さは、ポケット内面の凹球面の中心O50から凹み部54Aの最深位置までの距離RAcが、玉3の半径の1.05倍以上となる深さであることが好ましい(丁度1.05倍であって良い)。
なお、この実施形態では凹み部54Aを2箇所としたが、3箇所以上としても良い。
図11は、保持器4(図1)のポケット50(球殻状板部50A)の内面のさらに他の形状例を示す。この例は、図10の実施形態において、凹み部54Aの断面形状(保持器円周方向に沿う断面形状)を円弧状とする代わりに、多角形状としたものである。詳しくは、同図(B)に示すように、保持器4の半径方向の直線LAを中心とする各多角形柱(図示の例では正10角形柱)VCの表面に略沿う多角形状の形状である。この凹み部54Cは、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。この実施形態におけるその他の構成は、図10の例と同様である。
図12は、保持器4のポケット50(球殻状板部50A)の内面のさらに他の形状例を示す。この例は、ポケット50(球殻状板部50A)の内面の内径側部分50Aiに設けられる凹み部54Bが、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50の両側に位置して2箇所に設けられていることでは図6の実施形態と同様であるが、各凹み部54Bが、保持器外径縁付近まで延びている。これら凹み部54Bの内面の保持器円周方向に沿う断面形状は、ポケット50の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径RBbの円弧状であり、詳しくは同図(B)に示すように、一つの仮想リングVBの表面に略沿った形状である。この仮想リングVBは、凹み部54Bを加工する砥石の外周面であっても良い。前記仮想リングVBは、ポケット50内に収まるリング外径であって、任意周方向位置の断面形状が円形となるドーナツ状であり、図13のように、リング中心OVBが保持器中心軸Oに対して傾きを持つ。
なお、この発明において、凹み部54A〜54Cの保持器円周方向に沿う断面形状は、図8〜図12の各例の形状に限らず、部分楕円状や、矩形溝状、台形溝状や、その他任意の断面形状としても良い。また、凹み部54A〜54Cの上記断面形状は、凹み部中心に対して非対称の形状であっても良い。
ポケット50における内面形状は、球面状に限らず、玉配列ピッチ円PCDよりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる形状であれば良く、例えば玉配列ピッチ円PCDよりも外径側の部分が円筒面状、内径側の部分が円すい面状であっても良い。
図14は、上記保持器4の製造方法を示す。この製造方法は鉄板打ち抜き保持器の製造方法であって、先ず鋼板をプレスしてリング状の金属帯材55を打ち抜く。次に、図14(A)のように、前記保持器半体51の球殻状板部50Aの内面を成形する凸側プレス金型56と、前記球殻状板部50Aの外面を成形する凹側プレス金型57とでなるプレス金型組58を用意し、これら凸側プレス金型56と凹側プレス金型57の間に前記リング状の金属帯材55を挟み込んで、図14(B)のように保持器半体51をプレス成形する。このプレス成形は、粗押しと仕上げ押しの2段階で行っても良く、また一度で行っても良い。
なお、凸側プレス金型56および凹側プレス金型57は、図ではそれぞれ1個のみ示しているが、これら凸側プレス金型56および凹側プレス金型57は、それぞれ保持器半体51の球殻状板部50Aの個数分だけ円周方向に並べて互いに一体の金型として設けられ、複数の球殻状板部50Aを同時に成形する。
このようにして得られた2つの保持器半体51を、図14(C)のように重ね合わせ、図14(D)のように保持器半体51の平板部51aが重なり合う部分をリベット53で接合して保持器4とする。
図15には、プレス成形における仕上げ押し工程に用いる上記凸側プレス金型56および凹側プレス金型57として、図10の保持器半体51の成形用のものを示している。凸側プレス金型56の半球状凸面には、ポケット50(球殻状板部50A)における凹み部54Aの内面を成形する凹み部成形用型部56aが部分的に形成されている。また、凹側プレス金型57には、ポケット50(球殻状板部50A)における凹み部54Aの外面を成形する凹み部裏面成形用型部57aが部分的に形成されている。保持器ポケットの外面側に凸部が形成されることになるが、シールと非接触であれば、機能上問題ない。この場合の凸側プレス金型56および凹側プレス金型57も、それぞれ保持器半体51の球殻状板部50Aの個数分だけ、互いに一体の金型として設けられ、複数の球殻状板部50Aを同時に成形する。
図10の保持器半体51を成形する場合、その球殻状板部50Aの内面は単純な半球状凹面の一部に、凹み部54Aを有する形状であるため、仕上げ押し工程で単純な半球状凹面を成形した後で、その半球状凹面の一部にさらに凹み部54Aをプレス成形するものとすると、従来の鉄板打ち抜き保持器の成形の場合に比べて製造工程が一工程増えることになる。
この実施形態では、上記したように、仕上げ押し工程に用いる凸側プレス金型56の半球状凸面に、ポケット50(球殻状板部50A)における凹み部54Aの内面を成形する凹み部成形用型部56aを部分的に形成しているので、仕上げ押し工程で凹み部54Aも同時に成形でき、製造工程を増やすことなく効率的に保持器4を製造できる。
また、仕上げ押し工程に用いる上記凸側プレス金型56の半球状凸面の形状および面粗さは、保持器ポケット50の内面に転写され、そのポケット内面は軸受に組み込まれた場合に玉3(図1)と接触するため、ポケット内面の面粗さは小さくする必要がある。従来の鉄板打ち抜き保持器ではポケット内面が単純な凹球面であるため、凸側プレス金型の半球状凸面を凹形状の砥石等で研磨することで面粗さを小さくしている。しかし、この実施形態の場合、上記したように凸側プレス金型56の半球状凸面は、単純な半球状凸面の一部にポケット内面の上記凹み部54Aに対応する凹み部成形用型部56aを有する形状であり、従来例の場合のように凹形状の砥石等で研磨して面粗さを小さくすることはできない。
そこで、この実施形態では、仕上げ押し工程に用いる凸側プレス金型56の成形凸球面を、ショットブラスト、または電子ビームによる研磨、または研磨剤の噴射によるラッピングで表面仕上げする。この場合のラッピングは、研磨砥粒に水分を含有させることで弾力性および粘着性を有する研磨材を得て、この研磨材を被加工材である金型の表面に高速で滑走させて発生する摩擦力によって表面仕上げする方法が好ましい。このようなラッピングとして、金型の超鏡面仕上げ装置として販売されているエアロラッピング(株式会社ヤマシタワークス)等が採用できる。このように、ショットブラストや電子ビーム、あるいは研磨剤の噴射によるラッピングで凸側プレス金型56の成形凸球面を表面仕上げすることにより、手作業による研磨などが要らず、ばらつきなく低コストで凸側プレス金型56の成形凸球面の面粗さを小さくできる。
図16〜図18は、グリース付着状態の確認を行った試験結果を示す。この試験では、この実施形態(図9の実施形態、および図10の実施形態)の保持器4を組み込んだ玉軸受と、一般的な鉄板打ち抜き保持器を組み込んだ玉軸受とを、次の表1の条件で運転して比較した。
図16および図17はこの実施形態(それぞれ図9の実施形態、および図10の実施形態)の保持器4を用いた玉軸受のグリース付着状態を示し、図18は一般的な鉄板打ち抜き保持器を用いた玉軸受のグリース付着状態を示す。
Figure 2008281071
図16〜図18の試験結果から、一般的な鉄板打ち抜き保持器を組み込んだ玉軸受(図18)では、内輪シール溝にグリースが付着するが、この実施形態の保持器4を組み込んだ玉軸受(図16,図17の例)ではグリースの付着がないことが分かる。
この実施形態にかかる転がり軸受の保持器4では、ポケット50の形状を上記したように従来例のものと異なるものとしたことにより、内輪肩部へのグリースの付着を無くすことができる。すなわち、玉に最もグリースが付着する位置である保持器内径側の開口縁に開口する凹み部を設けたため、グリースの掻き取りが生じる際の、玉の表面の掻き取りが減少し、保持器内径面に溜まるグリース量が減少する。
そのため、内輪シール溝へグリースが付着することがなく、接触形および非接触形のいずれのシールを用いても、グリース漏れは発生しない。この効果は、特に外輪回転時に特徴的に現れる。したがって、一般的な鉄板打ち抜き保持器のようにシールにグリースが付着することによる不具合は発生しない。さらに、シール機能にグリース漏れを防ぐ要素を付加させる必要がないので、耐泥水、耐ダスト、および低トルクに特化したシール設計が可能となる。また、この実施形態の玉軸受用保持器4はプレス加工が可能なため、低コストで高強度のものを製造でき、一般的な鉄板打ち抜き保持器と比べてシールとの距離も変わらない。
なお、上記各実施形態では、鉄板打ち抜き保持器の場合を示したが、図19および図20に示すような樹脂製保持器59の場合にも適用できる。この樹脂製保持器59は、樹脂成形品からなる2枚の環状体60,60を有する。各環状体60の互いに衝合される一側面には、玉の外周に沿う半球状のポケット61Aが周方向に等間隔に複数形成される。隣接するポケット61A,61A間には結合部となる係合孔62と係合爪63とが設けられ、一方の環状体60の係合爪63を、他方の環状体60の係合孔62に挿入させることにより、両環状体60が一体に接合されて保持器59とされる。
以上説明した転がり軸受の構成によると、内輪1のシール摺接面7a,7bに、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施したので、内輪1のシール摺接面7a,7bの表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シール5のシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。
また、前記スケール除去加工を施した後のシール摺接面7a,7bの表面粗さを、Rmaxで2.0μm以下、好ましくは1.2μm以下とすることにより、シールリップ6a,6bとの摩擦によるトルク損失の増大を防止できるとともに、シールリップ6a,6bの摩耗を抑制して、シールリップ6a,6bのシール摺接面7a,7bへの押し付け力を安定して保持することができる。さらに、前記シール摺接面7a,7bの表面粗さをRmaxで0.5μm以上に規定することにより、例えば、シール溝1asを加工する場合の粗さ精度を容易に確保することが可能となる。これにより、製品の歩留まり向上を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。

この保持器4,59は、複数の玉3をそれぞれ保持するポケット50を円周方向の複数箇所に有し、各ポケット50の内面を、玉配列ピッチ円PCDよりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる凹曲面状としたリング状であり、各ポケット50の内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部54(54A,54B,54C)を設けたため、内輪1のシール溝1asにグリースが付着し難く、グリース漏れを防止できる。
したがって、この転がり軸受の構成によると、内輪1のシール溝1asの形状を設計変更する必要がなく、また、軸受の軸方向にスリンガー等を設けるスペースを確保する必要もない。したがって、部品点数を上記特許文献に記載のものより少なくし製造コストの低減を図ることができる。
凹み部54は、例えば、図9に示すように、前記ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心から両側に広がって1箇所に設けられ、ポケット50の保持器円周方向の幅W50の半分よりも大きな幅W54を有し、前記凹み部54の内面形状が、保持器4の半径方向の直線Lを中心とする仮想円筒Vの表面に略沿う円筒面状の形状であり、この凹み部54は、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状とすることで、前述の作用、効果を奏する。
また、凹み部54Aは、例えば、図10に示すように、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50の両側に位置して複数箇所に設けられ、各凹み部54Aの内面形状が、保持器4の半径方向の直線LAを中心とする各仮想円筒VAの表面に略沿う円筒面状の形状であり、この凹み部54Aは、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状とすることで、前述の作用、効果を奏する。
また、凹み部54Bは、例えば、図12,図13に示すように、ポケット50の開口縁における保持器円周方向の中心OW50の両側に位置して2箇所に設けられて、保持器外径縁付近まで延び、これら2箇所の凹み部54Bの内面形状が、一つの仮想リングVBの表面に略沿った形状であり、前記仮想リングVBは、ポケット50内に収まるリング外径で、任意周方向位置の断面形状が円形であり、リング中心OVBが保持器中心軸Oに対して傾きを持つ形状とすることで、前述の作用、効果を奏する。
図21ないし図23は、第2の発明に対応する実施形態を示す。この実施形態にかかる転がり軸受の保持器4Aは、図4ないし図8と共に前述した保持器4と、特に説明する事項を除いて同様である。
この保持器4Aは、図1と共に前述した転がり軸受に用いられる保持器であって、玉3を保持するポケット50を円周方向の複数個所に有するリング状であり、2個の環状体の保持器半体51を軸方向に対面して重ね合わせてなる。これら保持器半体51は、それぞれ内面が前記各ポケットの半分を形成する球殻状板部50Aと、隣合うポケット50間の部分となる平板部51aとが円周方向に交互に並ぶ形状とされる。各保持器半体51は、金属板のプレス成形品(例えば鉄板打ち抜き品)であり、平板部51aに設けられたリベット孔52に挿通したリベット53により、2枚の保持器半体51が互いに接合して一体に構成される。以上の構成は、図4ないし図8に示す実施形態と同様である。
また、保持器4Aは、図21,図23に示すように、内輪1の軌道面1aの両側の肩部高さとなる外径面部1bに、軸方向に重なる範囲を持つ。
この実施形態の保持器4Aは、上記構成において、球殻状板部50Aにおける玉配列ピッチである玉配列ピッチ円PCDよりも内径側部分に薄肉部分50Aaを形成している。この薄肉部分50Aaは、内輪1の軌道面1aの両側の肩部高さとなる外径面部1bに位置する部分の板厚t1を、平板部51aの板厚t0よりも薄くしたものである。肩部高さとなる外径面部1bは、内輪1の軌道面1aの肩部の高さで続く外径面部分のことであり、シール溝1asが設けられている場合、軌道面1aとシール溝1asとの間の外径面部分のことである。球殻状板部50Aは、この外径面部分1bの軸方向範囲Wに位置する部分の板厚t1を薄くする。なお、図21において、球殻状板部50Aを薄肉化しない場合の断面形状を想像線で示している。
板材t1を薄くする形態は、保持器半径方向において、玉配列ピッチ円PCDに相当する箇所から内径側に至る範囲の全体を薄くしても良く、また玉配列ピッチ円PCDと保持器内径縁間の途中の箇所から内径縁至る範囲を薄くなるようにしても良い。これらの場合に、板厚t1は、保持器半径方向の内径側に至るに従って次第に薄くなって内径縁が最小板厚となるようにしても良く、また薄くする範囲の全体を略一定して薄くしても良い。さらに、球殻状板部50Aのポケット内面形状を維持したままで、外面側の形状が変わるように板厚を薄くしても、また球殻状板部50Aの外面形状を維持したままで、ポケット内面側の形状が変わるように板厚を薄くしても良い。
また、この実施形態では、図22のように、球殻状板部50Aの内径縁に沿う円弧状の範囲において、両端を残し、ほぼ全体を薄くしているが、内輪1の肩部高さとなる外径面部1bと保持器4Aの幅の関係によっては、図24のように、板厚を薄くした薄肉部分50Aaが、球殻状板部50Aにおける内径縁の円弧の中央を除く両側となる2箇所に分かれていても良い。
この保持器4Aは、このようにポケット50を構成する球殻状板部50Aの内径部に薄肉部分50Aaを成形しており、この薄肉部分50Aaは、内輪1の肩部高さの外径面部1bと軸方向に重なり合う部分であって、玉3の表面に付着したグリースが保持器4Aで掻き取られる部分、またはその掻き取られたグリースが移動してくる部分である。この部分50Aaの板厚t1が薄ければ、ここに堆積し得るグリース量が減少するため、内輪1の外径面部1bに到達し得る頻度や量が減少し、結果としてグリースの軸受外部への漏れが防止できる。すなわち、保持器4Aの外径側へグリースが移動しやすくなり、内径側に留まり得るグリース量が減少する。
しかしながら、保持器の全体の板厚を薄くすることは、保持器の単体の強度が低下するため、ミスアライメント下あるいは外部加振下において保持器に繰り返し応力が作用する場合に保持器の破損が生じやすくなるなど、難しい。
そこで、保持器4Aの内径部において、内輪1の肩部となる外径面部1bと軸方向に重なり合う範囲Wのみの板厚を薄くしており、これにより、実質上の保持器4Aの強度の低下が無く、かつグリース漏れを防止可能な玉軸受用保持器4Aが成立する。
したがって、この転がり軸受に、上記保持器を用いることで、内輪1の外径面部1bに到達し得る頻度や量が減少し、結果としてグリースの軸受外部への漏れが防止できる。すなわち、保持器4Aの外径側へグリースが移動しやすくなり、内径側に留まり得るグリース量を減少することができる。したがって、内輪1のシール溝1asにグリースが付着し難く、グリース漏れを防止することができる。また、この転がり軸受の構成によると、内輪1のシール溝1asの形状を設計変更する必要がなく、また、軸受の軸方向にスリンガー等を設けるスペースを確保する必要がなく、部品点数も上記特許文献に記載のものより少なくし製造コストの低減を図ることができる。
なお、上記の板厚t1の低減には、最初に円環に打ち抜いた平板の内径側のみを薄くしておき、プレス成形しても良い。また均一厚の円環平板からプレスで保持器を成形する場合のプレス金型において、図22や図24で示した領域の板厚のみが減少するように、一対の金型間のすきま分布を変更しても良い。また、この実施形態では深溝玉軸受の鉄板製打ち抜き保持器の場合を示したが、第2の発明は、図19,図20などと共に前述した2分割の樹脂保持器にも適用することができる。
図25ないし図27は、この発明の実施形態を示す。この実施形態にかかる転がり軸受
の保持器4Bは、図1と共に前述した転がり軸受に用いられる保持器である。この保持器4Bは、リング状の部材であって、ボール3(図1)を収容保持する窓状のポケット4Baが、周方向に等間隔でボール3と同数だけ形成されている。ポケット4Baのある円周方向部分の内周面4Bbは外径側に凹む形状となるよう傾斜させてあり、ポケット4Baのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Rpがポケット4Ba間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Riよりも大きくなっている(Rp>Ri)。この実施形態では、前記内周面4Bbが、軸方向から見て凹曲線となる曲面形状、具体的には円弧状面とされている。
この保持器4Bは、例えば鉄板をプレスにより打ち抜きおよび成形加工して製作された2枚の環状部材64から成る。各環状部材64は、円周方向に等間隔で並びそれぞれがポケット4Baの内壁面を構成する複数の半球状のポケット壁部64aと、隣合うポケット壁部64a同士を連結する平板状の結合板部64bとを交互に形成したものである。鉄板製である環状部材64の結合板部64bには、リベット孔64cが穿設されている。2枚の環状部材64は、それぞれの各結合板部64bを互いに重ね合わせ、前記リベット孔64cにリベット65を挿通し、そのリベット65の両端部を加締めることにより結合されている。このように、2枚の環状部材64を互い結合して1個の保持器4Bとする構成とすれば、上記のような内径の保持器中心からの半径が各部で異なる形状でありながら、保持器4Bの加工が容易である。
この実施形態の保持器4Bは、ポケット4Baのある円周方向部分の内周面4Bbが外径側に凹む形状となっているため、全体の強度低下が懸念される。しかし、図31に示すような従来の標準形状の保持器Hr(Rp=Ri)の損傷は、その大部分がポケットHra間の円周方向部分からポケットHraのある円周方向部分へのR部Hr7で生じることが経験的に知られている。この実施形態の保持器4Bは、この部分の形状変更を行なっていないため、全体の強度低下が生じないと言える。
この転がり軸受における運転中のグリースの状態を調べるために、表2に示す条件で試験を行った。運転停止後のグリースの軸受各部への付着状態は図27に示すようになった。比較のため、図31に示す従来の保持器Hrを組み込んだ軸受についても、同一条件で試験を行った。運転停止後のグリースの軸受各部への付着状態は図32に示すようになった。
Figure 2008281071
この試験により、従来の保持器Hrを組み込んだ軸受の場合、内輪シール溝Hr1aにグリースGが付着するが、本発明の保持器4を組み込んだ転がり軸受では、内輪シール溝Hr1aにグリースが付着しないことが判った。このため、シールを設けた転がり軸受において、呼吸による内輪シール溝Hr1aの部分からのグリースGの漏洩を防止できるということが推論される。
次に、接触形のシール(エヌティエヌ株式会社製LUシール)を組付けた軸受を用いて、グリース漏れ頻度の確認試験を行った。試験条件は、表2の条件に対して運転時間のみを15分に変更した。目視により30〜100mg程度の量のグリースが軸受外部に飛び出していると確認された場合に、グリース漏れがあるとした。試験結果は表3に示すようになった。
Figure 2008281071
従来の保持器Hrを組み込んだ軸受では10個中9個のグリース漏れが発生したが、本発明の保持器4を組み込んだ軸受では10個中グリース漏れが発生したものはなかった。これにより、前記推論が正しいことが立証された。
上記実施形態では保持器4Bを構成する2枚の環状部材64を鉄板製としたが、環状部材64を樹脂製としてもよい。その場合、図28および図29に示す保持器4Cのように、結合板部64bに係合爪66と係合孔67とを設け、両者66,67を互いに嵌合させることにより、2枚の環状部材64を結合する構成とすることができる。この場合も、ポケット4Caのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Rpをポケット4Ca間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Riよりも大きくする(Rp>Ri)。また、2枚の樹脂製の環状部材64を接着剤等により接合してもよい。
保持器に使用される合成樹脂材料としては、例えばPA66、PA46等のポリアミド樹脂やポリフェニルサルファイド樹脂が好適であり、さらに必要に応じてグラスファイバ等の強化繊維材を混入してもよい。
また、2枚の環状部材64を結合して1個の保持器とする構成に限らず、鋼材から所定の形状に削り出すもみ抜き保持器としてもよく、あるいは樹脂材料で一体に成形した成形保持器としてもよい。
図30は異なる実施形態を示す。この保持器4Dは、ポケット4Daのある円周方向部分の内周面4Dbの形状が、軸方向から見て多角形状とされている。具体的には、前記内周面4Dbは、ポケット4Da間の円周方向部分の内周面4Dcに対し外径側へ傾斜する一対の傾斜面部4Dbaと、両端がこれら一対の傾斜面部4Dbaの外径側端に連なり内径が一定な一定径面部4Dbbとで成る台形状をしている。この保持器4Dも、前記実施形態の保持器4B,4Cと同様、ポケット4Daのある円周方向部分の内周面4Dbが外径側に凹む形状となるよう傾斜したものであり、ポケット4Daのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Rpがポケット4Da間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径Riよりも大きくなっている(Rp>Ri)。
このようにポケット4Daのある円周方向部分の内周面4Dbの形状を軸方向から見て多角形状とした保持器4Dも、前記実施形態の保持器4B,4Cと同様、全体の強度低下が生じることがなく、かつ図1のように転がり軸受に組み込んだ場合に、軸受の内輪シール溝の部分からのグリースの漏洩を防止できる。
なお、ポケット4Daのある円周方向部分の内周面4Dbを複数の角部を有する多角形状とする場合、その角部の数は特に限定しない。また、径方向の直線に対して非対称な形状であってもよい。さらに、ポケット4Daのある円周方向部分の内周面4Dbは、平面と曲面を組み合わせたものであっても良い。
要するに、本発明は、材質や加工方法については問わず、ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径がポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きいという条件を満たす形状の保持器に適用できるものである。
以上説明したように、転がり軸受において、この軸受に組み込まれる前記保持器は、ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことにより、内輪肩部や内輪シール溝にグリースが付着し難くなる。このことは、特に外輪回転時に特徴的に現れる。これにより、シールが接触形、非接触形のいずれの場合にも、グリースの漏洩を防止できる。また、シールリップの緊迫力を強くする必要がないため、トルクが増大しない。ポケットのある円周方向部分の内径面が、軸方向から見て凹曲線となる曲面形状、および複数の角部を有する多角形状のいずれの場合でも、上記の各作用が得られる。
また、前述したように、接触形のシールを適用した場合であっても、内輪1のシール摺接面7a,7bに、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施したので、内輪1のシール摺接面7a,7bの表面粗さを必要十分な値にまで滑らかにして、接触シール5のシール性能の低下やトルク損失の低下を防止することができる。
次に、この発明の一実施形態を図33ないし図36と共に説明する。以下の説明においては、図1、図2に示す前述の実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
接触シール5の内周側先端部には、内外2枚のシールリップ6a,6bが設けられ、内側のシールリップ6aは、内輪1の外周面に形成されたシール溝1asの内側壁に設けられたシール摺接面7aと接触し、外側のシールリップ6bは、シール溝1asの外側縁に設けられたシール摺接面7bと接触している。
前記シール摺接面7a,7bが設けられた内輪1は、図35に示す製造工程で製造されている。内輪1の素材を鍛造と旋削で、シール摺接面7a,7bを除く部分を成形した後、焼入れを含む熱処理と幅研削を施し、この後、シール摺接面7a,7bが焼入れ鋼切削により形成されている。この後、順次、軌道面研削、内径研削、軌道面超仕上げを施し完成品とする。
[実施例2]
図36(a)は、前記焼入れ鋼切削で形成したシール摺接面の表面粗さを示す(実施例)。なお、図36(b)は、従来のように熱処理後のスケール除去加工を行わなかったときのシール摺接面の表面粗さを示す(比較例)。これらの図表を比較すると、比較例のシール摺接面の表面粗さがRmaxで2.60μmであるのに対して、焼入れ鋼切削で形成した実施例のシール摺接面の表面粗さはRmaxで1.03μmと滑らかになっている。このように、熱処理後に焼入れ鋼切削により形成した前記シール摺接面7a,7bの表面粗さをRmaxで0.5μm以上2.0μm以下としている。
上記実施例と比較例の内輪を用いた転がり軸受を、それぞれ水と泥の異物が飛散する環境下で回転試験機に取り付け、軸受空間への異物の侵入量を調査する異物侵入試験を行った。軸受の回転速度は2000rpm、試験時間は3時間とし、異物の侵入量は、試験前後の軸受の質量増加量Wを測定することにより求めた。
この異物侵入試験の結果、比較例のものは質量増加量Wが0.46gであったのに対して、上記実施例のものは質量増加量Wが0.02gであった。したがって、上記実施例のものは異物の侵入がほとんどなく、優れたシール性能を確保できることが確認された。
さらに、この実施形態にかかる転がり軸受においても、保持器4,4A,4B,4C,4D,59のいずれか一つを用いることで、内輪1のシール溝1asにグリースが付着し難く、グリース漏れを防止することができる。また、シール摺接面7a,7bの表面粗さをRmaxで2.0μm以下、好ましくは1.2μm以下とすることにより、シールリップ6a,6bとの摩擦によるトルク損失の増大を防止できるとともに、シールリップ6a,6bの摩耗を抑制して、シールリップ6a,6bのシール摺接面7a,7bへの押し付け力を安定して保持することができる。さらに、前記シール摺接面7a,7bの表面粗さをRmaxで0.5μm以上に規定することにより、例えば、シール溝1asを加工する場合の粗さ精度を容易に確保することが可能となる。これにより、製品の歩留まり向上を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。その他、図1,図2に示す転がり軸受と同様の作用、効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。 同転がり軸受の要部を拡大して示す断面図である。 同転がり軸受の内輪の製造工程を段階的に表す図である。 表面粗さを比較する図表であり、図4(a)は実施例1−1のシール摺接面の表面粗さを表す図表、図4(b)は比較例のシール摺接面の表面粗さを表す図表である。 表面粗さを表す図表であり、図5(a)は実施例1−2のシール摺接面の表面粗さを表す図表、図5(b)は実施例1−3のシール摺接面の表面粗さを表す図表である。 この実施形態の保持器の斜視図である。 同保持器の構成部材である保持器半体の斜視図である。 同保持器半体の一部につきポケット形状を単純化して示す部分拡大斜視図である。 (A)は同保持器半体における球殻状板部の内面の一例を強調して示す部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 (A)は同保持器半体における球殻状板部の内面の他の一例を強調して示す部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 (A)は同保持器半体における球殻状板部の内面のさらに他の一例を強調して示す部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想多角柱を加えた状態を示す斜視図である。 (A)は同保持器半体における球殻状板部の内面のさらに他の一例を強調して示す部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 同球殻状板部と仮想リングの関係を断面で示す説明図である。 この実施形態の保持器の製造工程を示す説明図である。 同製造工程に用いられるプレス金型組の斜視図である。 図9に示す構造の保持器を組み込んだ転がり軸受のグリース漏れ試験の結果の説明図である。 図10に示す構造の保持器を組み込んだ転がり軸受のグリース漏れ試験の結果の説明図である。 一般的な鉄板打ち抜き保持器を組み込んだ玉軸受のグリース漏れ試験の結果の説明図である。 この実施形態の保持器が適用可能な樹脂製保持器の分解斜視図である。 同樹脂製保持器の断面図である。 この発明の他の実施形態に係る保持器を組み込んだ転がり軸受の一部破断斜視図である。 同保持器の保持器半体における球殻状板部を示す部分拡大斜視図である。 同実施形態の保持器を内輪に組み込んだ組立体を示す平面図である。 同保持器の保持器半体における球殻状板部の変形例を示す部分拡大斜視図である。 この発明の一実施形態にかかる転がり軸受に組み込まれた保持器の正面図である。 図25のA―A断面図である。 同保持器を組み込んだ玉軸受に対して行った試験結果を示す図である。 異なる保持器の正面図である。 同保持器の環状部材の要部を示す分解斜視図である。 この発明の異なる実施形態にかかる保持器の正面図である。 従来の保持器の正面図である。 同保持器を組み込んだ玉軸受に対して行った試験結果を示す図である。 この発明の一実施形態に係る転がり軸受であり、軌道輪に設けたシール摺接面をこの軌道輪の熱処理後に焼入れ鋼切削により形成した断面図である。 同転がり軸受の要部を拡大して示す断面図である。 同転がり軸受の内輪の製造工程を段階的に表す図である。 表面粗さを比較する図表であり、図36(a)は実施例のシール摺接面の表面粗さを表す図表、図36(b)は比較例のシール摺接面の表面粗さを表す図表である。 従来の軌道輪の製造工程を段階的に表す図である。
符号の説明
1…内輪
2…外輪
3…玉
4…保持器
5…接触シール
5b…弾性部材
6a,6b…シールリップ
7a,7b…シール摺接面
50…ポケット
54,54A〜54C…凹み部
PCD…玉配列ピッチ円
Ra,Rb…曲率半径

Claims (6)

  1. 熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、
    前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、前記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、前記ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、
    前記内輪または外輪に設けたシール摺接面を、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、前記ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくしたことを特徴とする転がり軸受。
  3. 熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、
    前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、前記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、各ポケットの内面を、玉配列ピッチ円よりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる凹曲面状としたリング状の保持器であって、前記各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けることを特徴とする転がり軸受。
  4. 熱処理を施された内外輪の間に介在する複数の玉が保持器に保持され、これら内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封した転がり軸受において、
    前記内輪または外輪に設けたシール摺接面を、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成し、前記保持器は、複数の玉をそれぞれ保持するポケットを円周方向の複数箇所に有し、各ポケットの内面を、玉配列ピッチ円よりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる凹曲面状としたリング状の保持器であって、前記各ポケットの内面に、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びる凹み部を設けることを特徴とする転がり軸受。
  5. 請求項1または請求項3において、前記スケール除去加工を施した後の前記シール摺動面の表面粗さをRmaxで0.5μm以上2.0μm以下とした転がり軸受。
  6. 請求項2または請求項4において、前記熱処理後に焼入れ鋼切削により形成した前記シール摺動面の表面粗さをRmaxで0.5μm以上2.0μm以下とした転がり軸受。
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