JP2008281021A - 変速装置の制御装置 - Google Patents

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一美 星屋
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Abstract

【課題】例えば、車両が非走行状態にある場合に排気浄化触媒の温度を高める。
【解決手段】制御部100aは、エンジン100の動作時にエンジン200を構成する各要素の動作を制御すると共に、ECTの動作を制御する。より具体的には、制御部100aは、後述する変速装置の制御方法が実行される際に、ECTのシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ三元触媒223の温度が三元触媒223の活性化温度以下である場合に、トルクコンバータに発生するスリップ量が増大するようにECTを制御する。スリップ量を増大させることによって、エンジン200に加わる負荷を高めることができ、排気の温度を高めることが可能になる。三元触媒223は、排気によって暖気され、三元触媒223の排気浄化能力が高められる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、車両に備わるAT(Automatic Transmission:自動変速装置)等の変速装置を制御するための変速装置の制御装置の技術分野に関する。
この種の制御装置を備えた車両には、当該車両に搭載された内燃機関から排出される排気を浄化する排気浄化触媒が設けられている場合が多い。排気浄化触媒が排気を浄化する浄化能力は、排気浄化触媒の温度に依存する割合が大きく、排気浄化触媒の温度は当該触媒の活性化温度以上であるほうが浄化能力を高めるうえで好ましい。触媒の浄化能力を高めることが可能な技術として、例えば特許文献1及び2に開示された技術がある。特許文献1は、変速装置のシフトレンジとしてパーキングレンジ(以下、Pレンジと称す。)、又はニュートラルレンジ(以下、Nレンジと称す。)が選択されている状態で触媒温度が所定値以下である場合において、クラッチを係合させることによって触媒の温度を維持、又は上昇させる技術を提案している。特許文献2は、車両が停止状態にあり、且つ触媒温度が所定値以下である場合に、エンジンのアイドリング回転数を保持する技術を提案している。
特開2004−17759号公報 特開平9−39613号公報
しかしながら、車両を走行させないようにNレンジ及びPレンジが選択された状態、即ち非走行レンジが選択された状態では、エンジン等の内燃機関に加わる負荷は、車両が走行している走行状態に加わる負荷より相対的に小さくなり、排気の温度も低くなる。したがって、排気を介して排気浄化触媒に伝達される熱エネルギーも低くなるため、排気浄化触媒の温度を積極的に高めることによって排気浄化触媒の浄化能力を高めることが難しくなる問題点がある。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、車両が非走行状態にある場合に排気浄化触媒の温度を高めることができる変速装置の制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る変速装置の制御装置は上記課題を解決するために、複数の係合手段の各々における係合状態に応じて得られる複数の変速比に従って車両の速度を変更可能な変速装置を制御するための変速装置の制御装置であって、前記車両に搭載された内燃機関の排気通路部の途中に配置され、且つ排気を浄化する排気浄化触媒の温度に関する情報を取得する取得手段と、前記変速装置のシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ前記排気浄化触媒の温度が前記排気浄化触媒の活性化温度以下である場合に、トルクコンバータに発生するスリップ量が増大するように前記変速装置を制御する制御手段とを備える。
本発明に係る変速装置の制御装置では、「変速装置」とは、例えばブレーキ要素、クラッチ要素及びワンウェイクラッチ要素等の複数の係合手段を備え、当該複数の係合手段各々の係合状態、例えば、係合しているか否かに応じて複数の変速比を得ることが可能であって、当該複数の変速比に従って変速を行うことが可能な手段を包括する概念をいい、例えば、車両の変速制御に供されるECT(Electronic Controlled Transmission:電子制御式変速装置)等のATを指す。
取得手段は、排気浄化触媒の温度に関する情報として、排気浄化触媒の温度を測定するセンサから直接排気浄化触媒の温度を取得する場合の他、内燃機関としてのエンジンのエンジン水温、或いは変速装置に供給されたオイルの温度等のように間接的に排気浄化触媒の温度を取得するために参照可能な情報を取得する。取得手段は、後述する制御手段と共にECU(Engine Control Unit)の制御回路の一部を構成しており、排気浄化触媒の温度に関する情報を制御手段に供給する。
排気浄化触媒は、例えば、内燃機関から排気を排出する排気通路部の途中に配置されており、内燃機関から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)等の排気を浄化する。本発明に係る変速装置の制御装置によれば、後述するように排気浄化触媒の温度が、当該排気浄化触媒の活性化温度に近づくように、或いは当該活性化温度より高くなるよう設定可能である。
制御手段は、変速装置のシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ排気浄化触媒の温度が排気浄化触媒の活性化温度以下である場合に、トルクコンバータに発生するスリップ量が増大するように変速装置を制御する。
「非走行レンジ」は、ATにおけるPレンジ及びNレンジであり、車両を運転する運転者がシフトレバーを操作することによって選択される。トルクコンバータは、内燃機関において燃料が燃焼することによって発生する動力を回転動力として変速装置に伝達する流体伝達装置であり、変速装置が有する複数の係合手段の夫々の係合状態に応じて、内燃機関で発生した動力を変速装置に伝達する各種要素間に生じるスリップ量を変更可能に構成されている。「スリップ量」とは、トルクコンバータを構成する各種要素間が係合する係合度合いに応じて特定される動力の伝達度合いをいう。より具体的には、例えば、「スリップ量が大きい」とは、内燃機関からトルクコンバータを介して変速装置に伝達されるトルクが大きく、内燃機関に加わる負荷が大きくなる場合をいう。
制御手段は、取得手段と共にECUの一部を構成しており、取得手段から供給された排気浄化触媒の温度データに基づいて、変速装置のシフトレンジがNレンジ或いはPレンジ等の非走行レンジに設定されているか否かを判定する。加えて、制御手段は、取得手段から供給された排気浄化触媒の温度データに基づいて、排気浄化触媒の温度が排気浄化触媒の活性化温度以下であるか否かを判定する。
制御手段は、変速装置のシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ排気浄化触媒の温度が排気浄化触媒の活性化温度以下であると判定された場合に、例えば、変速装置が備える係合手段の係合状態を制御することによってトルクコンバータのスリップ量を増大させ、内燃機関に加わる負荷を高める。内燃機関に加わる負荷が高められると、内燃機関から排出される排気温度を上昇させることができる。したがって、本発明に係る変速装置の制御装置によれば、排気を介して排気浄化触媒に伝達される熱エネルギーが増加し、排気浄化触媒の温度を高めることが可能である。
よって、本発明に係る変速装置の制御装置によれば、排気浄化触媒の温度を高めることができるため、排気浄化触媒が排気を浄化する浄化能力を高めることが可能である。加えて、本発明に係る変速装置の制御装置によれば、非走行レンジが設定されている際に排気浄化触媒の温度を高めることができるため、車両が停止している状態のままで、或いは停止状態から走行状態に車両が移行する際に、早期に排気浄化触媒の温度を高めることができ、排気の浄化が効率良く実行される。
本発明に係る変速装置の制御装置の一の態様では、前記制御手段は、前記車両の走行を阻止する制動力が前記車両に付与されている状態において、前記スリップ量が増大するように前記変速装置を制御してもよい。
この態様によれば、制動力が車両に付与されているため、スリップ量が増大するように変速装置が制御された場合であっても、車両を停止させたままにしておくことが可能である。より具体的には、例えば、シフトレンジがNレンジに設定されている場合には、複数の係合手段の夫々の係合状態の組み合わせは、車両が走行できない組み合わせに設定されていないため、例えば、変速装置の出力側に接続されたデファレンシャルの回転動力が伝達されてしまい、車両が動き出してしまう虞がある。しかしながら、この態様によれば、車両の走行を阻止する制動力が車両に付与されているため、車両を停止させたままの状態にしておくことが可能である。
この態様では、前記制御手段は、前記制動力が大きいほど前記複数の係合手段のうち前記車両を前進させる際に係合する前進用係合手段を介して伝達されるトルクが大きくなるように前記変速装置を制御してもよい。
この態様によれば、制動力が車両に付与されているため、制動力が大きいほどトルクが大きくなるように変速装置を制御したとしても、車両が動き出すことがない。加えて、複数の係合手段のうち車両を前進させる際に係合する前進用係合手段を介して伝達されるトルクが大きくなるように変速装置を制御することによって、車両に加わる負荷を増大させることができ、負荷の増大に応じて排気浄化触媒の温度上昇を早めることが可能である。
この態様では、前記制動力は、フットブレーキが作動することによって発生した第1制動力と、前記複数の係合手段のうち2つの係合手段の夫々が係合することによって発生した第2制動力とのうち少なくとも前記第1制動力を含んでおり、前記制御手段は、前記トルクが前記第1制動力より小さくなるように前記変速装置を制御してもよい。
この態様によれば、車両に第1制動力のみが付与されている場合であっても、車両が不用意に動き出すことを防止できる。第1制動力及び第2制動力の両方が車両に付与されている場合には、第1制動力のみによって車両が動き出すことを防止する場合に比べて、より確実に車両を停止させたままの状態にしておくことが可能である。
この態様では、前記制御手段は、前記前進用係合手段の係合中、又は前記前進用係合手段がスリップするように前記前進用係合手段が制御されている期間に前記第1制動力が前記車両に付与されていないと判定された場合に、前記前進用係合手段の係合を解除した後、前記2つの係合手段の係合を解除してもよい。
この態様によれば、第1制動力が車両に付与されていないと判定された場合に、前進用係合手段及び2つの係合手段の夫々の係合を順次解除することによって、車両が動き出すことを防止できる。
本発明に係る変速装置の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記シフトレンジが前記非走行レンジから前進用レンジに切り換えられる際に、前記前進用係合手段を係合させると共に前記2つの係合手段の係合を解除してもよい。
この態様によれば、制御手段は、Nレンジ等の非走行レンジからDレンジ等の前進用レンジにシフトレンジが切り換えられる際に、当該切り換えの前段階において前進用係合手段が係合されている場合にはそのまま係合状態を維持し、前進用係合手段がスリップ制御、即ち完全に係合された状態に設定されていない場合には前進用係合手段を完全に係合させるように変速装置を制御する。これと並行して、制御手段は、第2制動力を車両に付与する2つの係合手段の係合を解除する。したがって、この態様によれば、Nレンジ等の非走行レンジからDレンジ等の走行レンジにシフトチェンジされた場合でも、車両が停止している状態から応答性良く車両を走行させることが可能である。
本発明に係る変速装置の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記シフトレンジが前記非走行レンジから後進用レンジに切り換えられる際に、前記複数の係合手段のうち後進用係合手段を係合させると共に前記前進用係合手段の係合及び前記2つの係合手段の係合の夫々の係合を解除してもよい。
この態様によれば、Nレンジ等の非走行レンジから後進用レンジにシフトレンジが切り換えられる際に後進用係合手段を係合しても車両に殆ど衝撃は発生しない。後進用係合手段を係合した後に前進用係合手段の係合及び2つの係合手段の係合の夫々を解除することによって、車両が逆走することを防止できる。
したがって、この態様によれば、非走行レンジから後進用レンジにシフトレンジが切り換えられる際に車両に生じる虞のある衝撃の低減と、車両の逆走行を防止しつつ、運転者によるシフトレンジの操作に対する各係合手段の応答性を高めることができる。
本発明に係る変速装置の制御装置の他の態様では、前記制動力は、フットブレーキが作動することによって発生した第1制動力と、前記複数の係合手段のうち2つの係合手段の夫々が係合することによって発生した第2制動力とのうち少なくとも前記第1制動力を含んでおり、前記制御手段は、前記2つの係合手段の夫々が係合した後に前記スリップ量が増大するように前記変速装置を制御してもよい。
この態様によれば、2つの係合手段の夫々が係合することによって第2制動力が車両に付与されているため、仮に第1制動力を超えるトルクが前進用係合手段を介して伝達されたとしても、車両が不用意に動き出すことがない。同様の理由により、2つの係合手段の夫々を係合させた後にスリップ量を増大させた場合でも、スリップ量の増大に伴ってトルクが第1制動力を超えた場合でも、車両が不用意に動き出すことがない。
本発明に係る変速装置の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記排気浄化触媒の温度が高いほど前記スリップ量が減少するように前記変速装置を制御してもよい。
この態様によれば、排気浄化触媒の温度が高いほど当該触媒の活性化温度までに上昇させるべき温度の幅は小さくなる。したがって、活性化温度まで上昇させるべき温度の幅が小さいほど内燃機関の排気を介して排気浄化触媒に伝達すべき熱エネルギーは少なくて済むため、スリップ量を低減し、内燃機関に加わる負荷を小さくする。この態様によれば、排気浄化触媒の温度を上昇させつつ、内燃機関の負荷の低減による燃料消費量の低減が可能になる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<1:変速装置の制御装置の構成>
以下、図面を参照して、本発明に係る変速装置の制御装置の実施形態、及び本発明に係る変速装置の制御装置によって実行可能な変速装置の制御方法を説明する。
先ず、図1を参照しながら、本実施形態に係る変速装置の制御装置が適用された車両の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る車両10の要部構成を概念的且つ模式的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、本発明の「変速装置の制御装置」の一例であるECU100、本発明の「内燃機関」の一例であるエンジン200、トルクコンバータ300、本発明の「変速装置」の一例であるECT400、ECT駆動部500、及び油圧コントローラ600を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、且つ車両10の動作全体を制御する電子制御ユニットである。ECU100は、ROM等の記憶部に格納された制御プログラムに従って、後述する変速装置の制御処理を実行可能に構成されている。
エンジン200は、車両10の動力源として機能するように構成されたガソリンエンジンである。
ここで、図2を参照して、エンジン200の詳細な構成について説明する。図2はエンジン200の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図2において、エンジン200は、吸気通路部を構成する吸気管206、気筒201、本発明の「排気通路部」の一例を構成する排気管210、ターボ過給機を構成するコンプレッサ41及びタービン42、可変動弁機構110、ECU100、スロットル弁214、サージタンク111、吸気弁203及び圧力センサ225、エアフローメータ(以下、AFMと称す。)303、本発明の「排気浄化触媒」の一例である三元触媒223、及び温度センサ224を備えている。
尚、図1では、説明の便宜上、エンジン200の気筒を一つのみ図示しているが、エンジン200は、4つの気筒を含む直列4気筒のエンジンである。これら複数の気筒の夫々に対応して設けられた複数の吸気弁203及び複数の排気弁204は、共通の可変動弁機構110によってリフト量及び作用角(即ち、リフト期間)を変更可能に構成されている。
吸気管206及びサージタンク111は、外部からエンジン200に空気を取り込む吸気通路部を構成している。エンジン200の動作時に、空気は、外部からエアクリーナ304を介して取り込まれた空気は、スロットル弁214の開度に応じて流量だけサージタンク111及び吸気管206を介してエンジン200内に取り込まれる。
吸気管206は、エンジン200の動作時に、吸気弁203の開閉によって気筒201内部との連通状態が制御されている。即ち、吸気管206において、外部から吸入された空気(即ち、吸入空気)と、燃料噴射装置であるインジェクタ211から噴射された燃料とが混合され(即ち、混合気を形成し)、吸気弁203を介して気筒201に供給される。
アクセルポジションセンサ216は、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量、即ちアクセル開度を検出する。エンジン200を搭載した車両10に加速要求がされたか否かは、アクセル開度に基づいて判断される。スロットルバルブモータ217は、アクセル226の踏み込み量に基づいてスロットル弁214を開閉駆動する。
サージタンク111は、空気を供給する吸気通路部の一部として各気筒に共用されており、各気筒へ送り込む空気を分配する他、分配される空気の圧力変動、即ち脈動を抑制する。スロットルポジションセンサ215は、スロットル弁214のスロットル開度を検出する。
気筒201は、その内部において、吸気管206から送られてきた混合気を、点火プラグ202により燃焼させることが可能に構成されている。この燃焼により、ピストン205は、気筒201内で上下に往復運動する。この往復運動がクランクシャフト219の回転運動に変換され、エンジン200が搭載された車両10は、エンジン200から出力された回転運動に基づく駆動力によって駆動可能に構成されている。クランクポジションセンサ218は、クランクシャフト219の回転角(即ち、クランク角)を検出する。排気管210は、気筒201内部で発生する排気ガスを排気弁204を介して排気する排気通路部を構成している。
ECU100は、本発明の「制御手段」の一例である制御部100a、及び本発明の「温度取得手段」の一例である温度情報処理部100bを備えて構成されており、エンジン200の動作全体を制御する。温度情報処理部100bは、温度センサ224によって測定された三元触媒223の温度データを取得し、適時制御部110aに送る。尚、温度情報処理部100bは、温度センサ224から三元触媒223の温度データを直接取得する場合に限定されず、例えば、エンジン水温、或いはトランスミッション用のオイルの温度のように三元触媒223の温度を間接的に取得することができる情報に基づいて三元触媒223の温度を推定し、推定された三元触媒223の温度データを制御部100aに送ってもよい。
制御部100aは、エンジン100の動作時にエンジン200を構成する各要素の動作を制御すると共に、ECT400の動作を制御する。より具体的には、制御部100aは、後述する変速装置の制御方法が実行される際に、ECT400のシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ三元触媒223の温度が三元触媒223の活性化温度以下である場合に、トルクコンバータ300に発生するスリップ量が増大するようにECT400を制御する。
三元触媒223は、排気管210の途中に配置されており、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化する。温度センサ224は、エンジン200の動作時に、三元触媒223の温度を測定し、測定された温度のデータをECU100が備える温度情報処理部100bに送る。
尚、後に詳細に説明するように、ECU100によって実行可能なECT400の制御方法によれば、エンジン200の動作時において、Pレンジ或いはNレンジ等の非走行レンジに設定されている際に、三元触媒223の温度を活性化温度に近づけるように、或いは三元触媒223の温度を活性化温度以上に高めることができるので、エンジン200から排出される排気を浄化する三元触媒223の浄化能力を向上させることが可能である。
タービン42は、排気管210に配設されており、排気ガスの運動エネルギーを受けて回転させられ、タービン42の回転トルクをコンプレッサ41の回転に変換可能に構成されている。コンプレッサ41は、吸気管206に配設されており、その回転によって吸気を圧縮させる(過給する)ことが可能である。
可変動弁機構110は、例えば可変動バルブ機構(VVT)であり、制御装置100の制御下で、吸気弁203及び排気弁204の動弁特性を変更可能に構成されている。加えて、可変動弁機構110は、アクチュエータによって駆動されるカムバイワイヤ(CambyWire)、或いは電磁駆動弁等の各気筒に共通の駆動部11によって、エンジン200を構成する複数の気筒の夫々に対応して設けられた複数の吸気弁203及び複数の排気弁204のリフト量及び作用角を変更可能に構成されている。
再び、図1に戻り、トルクコンバータ300は、クランクシャフト205の後段に接続された流体伝達装置である。トルクコンバータ300は、クランクシャフト205を介して伝達されるエンジン200の回転動力をECT400に伝達することが可能に構成されている。
タービン回転センサ301は、トルクコンバータ300が有するタービンランナの回転速度(以下、適宜「タービン回転速度」と称する)を検出可能に構成されたセンサである。タービン回転センサ301は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたタービン回転速度NTは、ECU100によって絶えず或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ECT400は、クラッチ要素、ブレーキ要素及びワンウェイクラッチ要素等、不図示の油圧アクチュエータによって駆動される油圧式摩擦係合装置を複数備えた電子制御式自動変速機である。ECT400では、これら各油圧式摩擦係合装置各々の係合状態が変化することによって、相互に異なる複数の変速比を得ることが可能に構成される。尚、ECT400の詳細な構成については後に詳細に説明する。
車両10は、デファレンシャル111、左駆動軸SFL、右駆動軸SFR、左前輪FL、右前輪FR、車速センサ12、シフトレバー13及びシフト位置センサ14を備えている。
デファレンシャル111は、ECT400の出力回転軸に接続された差動ギアであり、駆動輪且つ操舵輪たる左前輪FLおよび右前輪FR相互間の回転差を吸収することが可能に構成されている。尚、デファレンシャル111は、ECT400の出力回転軸の回転速度を固有の変速比に従って減速することが可能に構成されている。
左駆動軸SFL及び左駆動軸SFRの夫々は、左前輪FL及び右前輪FRの夫々に連結された回転軸であり、デファレンシャル11に連結されている。従って、車両10において、エンジン200から発せられる動力は、クランクシャフト205、トルクコンバータ300、ECT400、デファレンシャル111及び当該左右の駆動軸を介して駆動輪たる左右の前輪に伝達される構成となっている。
車速センサ12は、車両10の車速を検出することが可能に構成されたセンサである。車速センサ12は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速は、ECU100によって絶えず或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
シフトレバー13は、車両10の運転者による操作が可能に構成された変速用の操作手段である。本実施形態において、シフトレバー13には、1STレンジ、2NDレンジ、3RD、4TH、5TH、6TH等のDレンジ、並びにRレンジ、Nレンジ及びPレンジ等の非走行レンジからなるシフトレンジが用意されており、シフトレンジの各々に応じてECT400の変速比が変化する。Nレンジ及びPレンジの夫々は、本発明の「非走行レンジ」の一例である。
シフト位置センサ14は、シフトレバー13のシフト位置を検出可能に構成されたセンサである。シフト位置センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたシフト位置は、ECU100によって絶えず或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。ECU100は、検出されたシフト位置に応じてシフトレンジを設定し、ECT400を制御する構成となっている。
ECT駆動部500は、ECT400を物理的、機械的、電気的及び磁気的に駆動することが可能に構成されている。より具体的には、ECT駆動部500は、複数の摩擦係合装置の係合状態を変化させることが可能に構成された駆動ユニットである。ECT駆動部500は、リニアソレノイドSL1、SL2、SL3及びSLT並びにソレノイドDSL、S4及びSRを備え、これらソレノイドの夫々がECT400の油圧式摩擦係合装置の各々を駆動する油圧アクチュエータを駆動する。
油圧コントローラ600は、ECT駆動部500におけるリニアソレノイドの励磁状態制御(例えばデューティ比制御)及びソレノイドの励磁状態制御(例えば、励磁及び非励磁の切り替え制御)等により、ECU400における各摩擦係合装置に対応する油圧アクチュエータの油圧を制御可能に構成された制御ユニットである。油圧コントローラ600は、ECU100と電気的に接続されており、その動作状態はECU100によって制御される。
次に、図3を参照しながら、ECT400の構成を説明する。図3は、ECT400の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図3において、ECT400は、各々が本発明の「係合手段」の一例であるクラッチC−1、C−2、C−3及びC−4、ブレーキB−1、B−2、B−3及びB−4、並びに、ワンウェイクラッチF−0、F−1、F−2及びF−3と、図中中央付近に示されたプラネタリギア400とを備えている。エンジン200からトルクコンバータ300に入力された動力は、トルクコンバータ300によって変換され、当該変換された動力が入力軸401に入力され、クラッチ等の係合手段の夫々の係合状態に応じた動力が出力軸402を介してデファレンシャル111に出力される。
ECT400に動力を入力する入力軸401に接続されたトルクコンバータ300は、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ、ワンウェイクラッチ及びロックアップクラッチを備えており、ECT400が備える各係合手段の係合状態に応じて、そのスリップ量が制御される。
尚、制御部100aは、ECT400が有する前進用クラッチのスリップ量を制御するに際して、下記式(1)乃至(4)に基づいて、クラッチ等の係合手段のスリップ量を算出し、ECT400を制御する際に当該算出結果を用いる。
Figure 2008281021
Figure 2008281021
Figure 2008281021
Figure 2008281021
(Fbk:ブレーキ制御トルク、Tc1:前進クラッチ伝達トルク、Te:エンジン負荷トルク、C:トルクコンバータ(T/C)容量係数、Fbk:ブレーキ制動力、r:タイヤ半径、Rdiff:デフ比、Rtm:トランスミッション(T/M)ギア比、ΔT0:所定値、Tp:T/Cポンプトルク、tr:T/Cトルク比、Ne:エンジン回転数)
尚、T/Cスリップ率は、T/C速度比と一致するため、T/C特性を用いてT/C容量係数より算出される。
次に、図4を参照しながら、ECT400が有するクラッチ等の係合手段の係合状態を具体的に説明する。図4は、ECT400におけるクラッチ等の係合手段の係合状態と変速段との対応関係を説明するクラッチ作動表である。
図4において、非走行レンジは、図中“P”及び“N”の夫々で示したPレンジ、及びNレンジである。図中“REV”は、車両10を後進させる際に選択される後進用レンジである。図中“1ST”、“2ND”、“3RD”、“4TH”、“5TH”、及び“6TH”が、車両10を前進させる際に選択される前進用レンジである。図中、点線で示した○は、係合或いはスリップ制御されている状態を示している。実線で示した○は、係合状態を示しており、(○)はエンジンブレーキ作動時に係合していることを示す。●は、係合するがトルクは伝達しない状態を示している。△は、ヒルホールド状態に係合されていることを示す。例えば、Pレンジが設定されている状態でヒルホールド用ブレーキとしてブレーキB−2及びB−4が選択され、これらブレーキが係合されることになる。
図4に示すように、ECT400では、選択されたシフトレンジに応じて、クラッチC−1乃至C−4、ブレーキB−1乃至B−4、及びワンウェイクラッチF−0乃至F−3の夫々の係合状態が制御部100aの制御下で制御される。
<2:変速装置の制御方法>
次に、図5乃至図8を参照しながら、ECU100によるECT400の制御方法を説明する。図5乃至図7の夫々は、本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行される変速装置の制御方法の主要な処理ルーチンの順に示したフローチャートである。図8は、本実施形態に係る変速装置の制御方法におけるエンジン回転数等の指標値のタイミングチャートである。
図5において、制御部100aは、エンジン200の始動時からの経過時間Tが、時間T1を経過したか否かを判定する(ステップS100)。ここで、時間T1は、エンジン200の動作状態が安定状態にあるか否かを判定する基準となる時間である。経過時間Tが、時間T1を経過していると判定されなかった場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を一旦終了する。尚、経過時間Tが時間T1を経過しているか否かは、エンジン200が始動してから一定の時間間隔、或いは不定の時間間隔で制御部100aによって判定される。
経過時間Tが時間T1を経過したと判定された場合には、制御部100aは、車両10が完全に停止しているか否かを判定する(ステップS110)。車両10が完全に停止していないと判定された場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を一旦終了する。尚、車両10が停止しているか否かについての判定は、上述した経過時間Tが時間T1を経過しているか否かについての判定と同様に、エンジン200が始動してから一定の時間間隔、或いは不定の時間間隔で制御部100aによって判定される。
次に、制御部100aは、シフトレンジがNレンジに設定されているか否かを判定する(ステップS120)。以下では、図6を参照しながら、Nレンジが設定されていると判定された場合に、ステップS120に続く処理手順を説明する。
図6において、ステップ120に続いて、制御部100aは、フットブレーキが作動しているか(即ち、ON状態であるか)否かを判定する(ステップS200)。ここで、運転者によって操作されるフットブレーキによって車両10に加えられる力は、車両10が不用意に動き出さないように車両10に加わる制動力の一部を構成し、本発明の「第1制動力」の一例となる。
次に、フィットブレーキが作動していないと判定された場合に順次実行される処理を説明する。フットブレーキが作動していない(即ち、OFF状態である)と判定された場合には、ECT400は、制御部100aの制御下で前進用クラッチを開放する(ステップS250)。次に、制御部100aは、クラッチC−1乃至C−4のうち前進用クラッチが完全に開放されているか否かを判定する(ステップS260)。
前進クラッチが完全に開放されていないと判定された場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を一旦終了する。前進クラッチが完全に開放されていると判定された場合には、制御部100aの制御下で、ECT400は、本発明の「2つの係合手段」の一例を構成するヒルホールド用ブレーキB−2及びB−4を開放し、本実施形態に係る変速装置の制御方法が一旦終了される。
したがって、ステップS250乃至ステップS270の処理手順が実行される前段階において、前進用クラッチが係合しているか、或いは前進用クラッチがスリップするように当該クラッチが制御されていた場合には、前進用クラッチの係合が解除された後に、ヒルホールド用ブレーキB−2及びB−4が解除されることによって、非走行レンジであるNレンジが設定され、且つフットブレーキが作動していない状態において、車両10が動き出すことを防止できる。
次に、ステップ200に戻り、フットブレーキが作動していると判定された場合において、ステップS200に続いて実行される処理手順を説明する。
温度情報取得部100bは、温度センサ224によって測定された三元触媒223の温度データを取得し、制御部100aに送る。制御部100aは、触媒温度tが三元触媒223の活性化温度t0以下であるか否かを判定する(ステップS210)。触媒温度tが、活性化温度t0より高いと判定された場合には、上述したステップS250乃至S270からなる一連の処理手順が実行される。触媒温度tが活性化温度t0以下であると判定された場合には、制御部100aの制御下において、ECT400はヒルホールド用ブレーキを係合する(ステップS220)。
ここで、車両10が不容易に動き出さないように車両10に加えられた力、即ち車両10に作用する制動力は、本発明の「第1制動力」の一例であってフットブレーキを作動させることによって生じたブレーキ力と、本発明の「第2制動力」の一例であるヒルホールド用ブレーキが係合することによって車両10に作用するブレーキ力との2つの力によって構成されている。
したがって、ヒルホールド用ブレーキによるブレーキ力が車両10に作用するため、仮にフットブレーキによるブレーキ力を超えるトルクが前進用クラッチを介してデファレンシャルに伝達されたとしても車両10が不用意に動き出すことがない。同様の理由により、ヒルホールド用ブレーキを作動させた後に前進用クラッチのスリップ量を増大させたとしても、トルクコンバータ300におけるスリップ量の増大に伴ってECT400を介してデファレンシャルに伝達されるトルクがフットブレーキによるブレーキ力を超えた場合でも、車両10が不用意に動き出すことがない。
次に、制御部100aは、ヒルホールド実施時間Thが、時間ΔT(図8参照)より長いか否かを判定する(ステップS230)。ヒルホールド実施時間Thが、時間T2以下であると判定された場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を終了する。ステップS230においてヒルホールド実施時間Thが、時間ΔTより長いと判定された場合には、制御部100aの制御下で前進用クラッチのスリップ制御が実行される(ステップS240)。より具体的には、制御部100aは、トルクコンバータ300に発生するスリップ量が増大するように前進用クラッチを係合、或いはスリップさせるようにECT400を制御することによってエンジン200に加わる負荷を高める。
このようにエンジン200に加わる負荷が増大することによって、エンジン200から排出される排気の温度、即ち排気温度を上昇させることができる。したがって、本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行可能な変速装置の制御方法によれば、排気を介して三元触媒223に伝達される熱エネルギーを増加させることができ、三元触媒223の温度を高めることが可能である。
よって、本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行可能な変速装置の制御方法によれば、三元触媒223の温度を高めることができるため、三元触媒223が排気を浄化する浄化能力を高めることが可能である。加えて、本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行可能な変速装置の制御方法によれば、Nレンジ等の非走行レンジが設定されている際に三元触媒223の温度を高めることができるため、車両10が停止している状態のままで、排気の浄化を効率良く実行できる。
尚、本実施形態においてNレンジの変わりにPレンジが設定されていた場合には、フットブレーキが作動させることなく、車両10が動き出さないように当該車両を停止させておくことができるため、フットブレーキが作動しているか否かの判定を行なう処理が不要になる。
また、ステップS240において、制御部100aは、フットブレーキ及びヒルホールド用ブレーキの夫々によるブレーキ力が車両10に作用している状態でトルクコンバータ300におけるスリップ量が増大するようにECT400を制御することも可能である。車両10にブレーキ力を作用させた状態にしておくことによって、トルクコンバータ300のスリップ量を増大させることによって車両10が不用意に動き出すことを防止できる。
より具体的には、シフトレンジがNレンジに設定されている場合には、ECT400が有する複数の係合手段の夫々の係合状態の組み合わせは、車両10が走行できない組み合わせに設定されていないため、例えば、変速装置の出力側に接続されたデファレンシャルの回転動力が伝達されてしまい、車両10が動き出してしまう虞がある。しかしながら、ブレーキ力を車両に10に作用させておくことによって、車両10を停止させたままの状態にしておくことが可能である。
尚、本実施形態では、制御部100aは、フットブレーキ及びヒルホールド用ブレーキによって車両10に作用する制動力が大きいほど前進用クラッチを介してトルクコンバータ300に伝達されるトルクが大きくなるようにECT400を制御することも可能である。このようにECT400が制御されたとしても、フットブレーキ等の制動力が車両10に付与されているため、トルクコンバータ300に伝達されるトルクを制動力が大きいほど大きくなるように設定したとしても、車両10が動き出すことがなく、安全性が維持される。加えて、車両10に加わる負荷を増大させることができ、負荷の増大に応じて三元触媒223の温度上昇を早めることが可能である。
また、本実施形態に係る変速装置の制御方法によれば、ECT400を介してトルクコンバータ300に伝達されるトルクが、フットブレーキによるブレーキ力より小さくなるように、制御部100aは、ECT400を制御することも可能である。
制御部100aの制御下でトルクコンバータ300に伝達されるトルクの大きさをフットブレーキによるブレーキ力より小さく設定することによって、仮にフットブレーキによるブレーキ力のみが車両10に加えられている場合であっても、車両10が不用意に動き出すことを防止できる。尚、本実施形態では、フットブレーキ及びヒルホールド用ブレーキの夫々によるブレーキ力が車両10に作用しているため、フットブレーキによるブレーキ力のみを車両10に作用させている場合に比べて、より確実に車両10を停止させたままの状態にしておくことができる。
また、本実施形態では、三元触媒223の温度が高いほど当該触媒の活性化温度までに上昇させるべき温度の幅は小さくなるため、活性化温度まで上昇させるべき温度の幅が小さいほど内燃機関の排気を介して排気浄化触媒に伝達すべき熱エネルギーは少なくて済む。したがって、制御部100aは、三元触媒223の温度が高いほどトルクコンバータ300におけるスリップ量が減少するようにECT400を制御し、エンジン200に加わる負荷を小さくしてもよい。エンジン200に加わる負荷を小さくすることによって、三元触媒223の温度を上昇させつつ、エンジン200の負荷の低減による燃料消費量の低減が可能になる。
ここで、図8を参照しながら、ステップS100乃至S240における一連の処理におけるエンジン200及びECT400の夫々における各指標の時間に対する変化を説明する。尚、図8では、横軸はエンジン200の始動時(時刻T0)から経過した経過時間Tをとり、(a)エンジン回転数Ne、(b)タービン回転数Nt、(c)ダブルロック(ヒルホールド)用ブレーキ圧の指令値Pb、(d)前進クラッチ圧指令値Pc、(e)アクセル開度AD、(f)触媒温度Th、(g)シフトレンジ、(h)フットブレーキの作動状態の夫々の指標値が経過時間Tに対して変化する状態を示している。
図8に示すように、エンジン200の動作状態は、エンジン200の始動時から経過時間T1までの期間においてエンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntの夫々が経過時間Tに対して変化する。エンジン200の始動時から時間T1が経過した時点において、エンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntの夫々は一定の値をとり、安定する。経過時間T1が経過した時点において、シフトレンジはNレンジ、即ち非走行レンジに設定されており、フットブレーキは作動状態(即ち、ON状態)に設定されている。ここで、経過時間T1が経過した時点において、ステップS220に示すようにヒルホールドブレーキが係合される。
エンジン200の始動開始T0から経過時間T1までの期間において、図5及び図5に示したステップS100乃至S220までの夫々の処理が実行される。次に、経過時間T2、即ち経過時間T1からΔTだけ時間が経過した段階において、ヒルホールドブレーキを係合した時点からの経過時間(即ち、ヒルホールド経過時間Th)が経過時間ΔT(即ち、エンジン200の始動時T0から経過時間T2)である時点において、ステップS230が実行される。
より具体的には、図8に示すように、経過時間T2までに制御部100aからダブルロック用ブレーキ(ヒルホールド用ブレーキ)に送られていたダブルロック用ブレーキ圧指令値より高い指令値が当該ダブルロック用ブレーキに送られる。これと並行して、経過時間T2において、制御部100aの制御下において、前進用クラッチに対する前進クラッチ圧指令値が、経過時間T2までに送られていた指令値より高い値に設定され、図6に示したステップS240が実行されることになる。その後、エンジン200からECT400を介してトルクコンバータ300に伝達されるトルクによって当該トルクコンバータ300におけるスリップ量が増大するように、制御部100aの制御下で前進用クラッチ圧Pcが制御される。
図8中実線で示される変化線L1は、制御部100aの制御下において、前進用クラッチがスリップするように前進用クラッチ圧を制御した場合における三元触媒223の温度の変化を示す。図中8中破線で示した変化線L2は、前進用クラッチ圧を制御しなかった従来の制御方法における三元触媒223の温度変化の一例を示す変化線である。図8に示すように、変化線L1に時間に対する傾き、即ち温度上昇率が、変化線L2に比べて大きくなる。したがって、本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行される変速装置の制御方法によれば、シフトレンジとして非走行レンジが設定されている場合であっても、エンジン200加わる負荷を高めることによって、より早期に三元触媒223の温度を高めることが可能である。
その後、経過時間T3において、シフトレンジがNレンジからDレンジに切り換えられると、フットブレーキがON状態からOFF状態に切り換えられる。これに並行して、経過時間T3において、ダブルロック用ブレーキ圧指令値は、低く設定されと同時に、全市用クラッチ圧指令値が高められる。即ち、車両10を前進させるために、経過時間T3においてダブルロック用ブレーキが開放され、且つ前進用クラッチが係合される。その後、経過時間T4において、運転者がアクセルを踏み込むことによってアクセル開度ADが増大し、車両10は停止状態から走行状態に動作状態が切り換えられることになる。
次に、図7を参照しながら、ステップS120においてシフトレンジがNレンジに設定されていないと判定された場合に実行される処理手順を説明する。
図7において、制御部100aは、シフトレンジがDレンジ、即ち前進用レンジに設定されたか否かを判定する(ステップS300)。即ち、車両10が、運転者によるシフトレバー13の操作により、車両10が停止状態から走行状態(前進状態)に移行するよう要求されたか否かが判定される。
ステップS300において、シフトレンジがDレンジに設定されたと判定された場合には、制御部100aの制御下において、ECT400はヒルホールド用ブレーキを開放した(ステップS310)後、前進用クラッチを係合し(ステップS320)、本実施形態に係る変速装置の制方法が一旦終了する。
即ち、制御部100aは、Nレンジ等の非走行レンジからDレンジ等の前進用レンジにシフトレンジが切り換えられる際に、当該切り換えの前段階において前進用クラッチが係合されている場合にはそのまま係合状態を維持し、前進用クラッチがスリップ制御、即ち完全に係合された状態に設定されていない場合には、ステップS320において前進用クラッチを完全に係合させるようにECT400を制御する。これと並行して、或いは相前後して、制御部100aは、ヒルホールド用クラッチによるブレーキ力が車両10に作用しなくなるように、ステップS320においてヒルホールド用ブレーキを解除する。
したがって、本実施形態に係る変速装置の制御方法によれば、Nレンジ等の非走行レンジからDレンジ等の走行レンジにシフトチェンジされた場合でも、シフトレンジを切り換えて車両を走行させる際に当該車両に作用する衝撃を軽減でき、車両10が停止している状態から応答性良く車両を走行させることが可能である。
尚、ステップS300乃至S320においても、ステップS200乃至S240と同様に、制御部100aは、三元触媒223の温度が高いほどトルクコンバータ300におけるスリップ量が減少するようにECT400を制御し、エンジン200に加わる負荷を低減することによって燃料消費量を低減することも可能である。
次に、ステップS300において、シフトレンジとしてDレンジが設定されていないと判定された場合における一連の処理を説明する。
図7に示すように、ステップS300において、シフトレンジとしてDレンジが設定されていないと判定された場合には、制御部100aは、シフトレンジがRレンジ(即ち、後進用レンジ)に設定されているか否かを判定する(ステップS330)。シフトレンジとしてRレンジが設定されていないと判定された場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を終了する。
ステップS330においてシフトレンジがRレンジに設定されていると判定された場合には、制御部100aの制御下でECT400は後進用クラッチを係合する。次に、制御部100aは、後進用クラッチが完全に係合しているか否かを判定する(ステップS350)。ステップS350において、後進用クラッチが完全に係合していないと判定された場合には、本実施形態に係る変速装置の制御方法を終了する。ステップS350において後進クラッチが完全に係合していると判定された場合には、制御部100aの制御下で前進クラッチが開放され(ステップS360)、ヒルホールド用ブレーキが開放され、(ステップS370)、本実施形態に係る変速装置の制御方法を終了する。
ステップS330乃至S370からなる一連の処理によれば、制御部100aは、シフトレンジがNレンジ等の非走行レンジからRレンジ(後進用レンジ)に切り換えられる際に、ECT400が有する複数の係合手段のうちRレンジを係合させると共に前進用クラッチの係合及びヒルホールド用ブレーキの係合の夫々を解除している。
したがって、ステップS330乃至S370からなる一連の処理によれば、Nレンジ等の非走行レンジからRレンジ(後進用レンジ)にシフトレンジが切り換えられる際に、Rレンジを係合しても車両10に殆ど衝撃が発生しない。加えて、Rレンジを係合した後に前進用クラッチの係合及びヒルホールド用ブレーキの係合の夫々を解除することによって、車両10が逆走することを防止できる。
よって、ステップS330乃至S370からなる一連の処理によれば、非走行レンジから後進用レンジにシフトレンジが切り換えられる際に車両10に生じる虞のある衝撃の低減と、車両10の逆走行を防止しつつ、運転者によるシフトレンジの操作に対する前進用クラッチ等の係合手段の応答性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る変速装置の制御装置が適用された車両の要部構成を概念的且つ模式的に表してなる概略構成図である。 図1の車両におけるエンジンの模式図である。 図1の車両におけるECTの構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のECTにおけるクラッチ等の係合手段の係合状態と変速段との対応関係を説明するクラッチ作動表である。 本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行される変速装置の制御方法の主要な処理ルーチンの順に示したフローチャート(その1)である。 本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行される変速装置の制御方法の主要な処理ルーチンの順に示したフローチャート(その2)である。 本実施形態に係る変速装置の制御装置によって実行される変速装置の制御方法の主要な処理ルーチンの順に示したフローチャート(その3)である。 本実施形態に係る変速装置の制御方法におけるエンジン回転数等の指標値のタイミングチャートである。
符号の説明
10・・・車両、100・・・ECU、100a・・・制御部、100b・・・温度情報処理部、200…エンジン、300…トルクコンバータ、400…ECT、600…油圧コントローラ

Claims (9)

  1. 複数の係合手段の各々における係合状態に応じて得られる複数の変速比に従って車両の速度を変更可能な変速装置を制御するための変速装置の制御装置であって、
    前記車両に搭載された内燃機関の排気通路部の途中に配置され、且つ排気を浄化する排気浄化触媒の温度に関する情報を取得する取得手段と、
    前記変速装置のシフトレンジが非走行レンジに設定され、且つ前記排気浄化触媒の温度が前記排気浄化触媒の活性化温度以下である場合に、トルクコンバータに発生するスリップ量が増大するように前記変速装置を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする変速装置の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両の走行を阻止する制動力が前記車両に付与されている状態において、前記スリップ量が増大するように前記変速装置を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の変速装置の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記制動力が大きいほど前記複数の係合手段のうち前記車両を前進させる際に係合する前進用係合手段を介して伝達されるトルクが大きくなるように前記変速装置を制御すること
    を特徴とする請求項2に記載の変速装置の制御装置。
  4. 前記制動力は、フットブレーキが作動することによって発生した第1制動力と、前記複数の係合手段のうち2つの係合手段の夫々が係合することによって発生した第2制動力とのうち少なくとも前記第1制動力を含んでおり、
    前記制御手段は、前記トルクが前記第1制動力より小さくなるように前記変速装置を制御すること
    を特徴とする請求項3に記載の変速装置の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記前進用係合手段の係合中、又は前記前進用係合手段がスリップするように前記前進用係合手段が制御されている期間に前記第1制動力が前記車両に付与されていないと判定された場合に、前記前進用係合手段の係合を解除した後、前記2つの係合手段の係合を解除すること
    を特徴とする請求項4に記載の変速装置の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記シフトレンジが前記非走行レンジから前進用レンジに切り換えられる際に、前記前進用係合手段を係合させると共に前記2つの係合手段の係合を解除すること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の変速装置の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記シフトレンジが前記非走行レンジから後進用レンジに切り換えられる際に、前記複数の係合手段のうち後進用係合手段を係合させると共に前記前進用係合手段の係合及び前記2つの係合手段の係合の夫々の係合を解除すること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の変速装置の制御装置。
  8. 前記制動力は、フットブレーキが作動することによって発生した第1制動力と、前記複数の係合手段のうち2つの係合手段の夫々が係合することによって発生した第2制動力とのうち少なくとも前記第1制動力を含んでおり、
    前記制御手段は、前記2つの係合手段の夫々が係合した後に前記スリップ量が増大するように前記変速装置を制御すること
    を特徴とする請求項3に記載の変速装置の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記排気浄化触媒の温度が高いほど前記スリップ量が減少するように前記変速装置を制御すること
    を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の変速装置の制御装置。
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