JP2008280991A - トルク制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の路面モードを有する車両に搭載された動力源のトルクを制御し、スリップの発生を抑制するトルク制御装置を提供する。
【解決手段】車両は、エンジン10、ECU35、各種センサ、走行路設定装置を備えている。走行路設定装置は、複数の路面モードの設定が可能となっている。ECU35のROMには、複数の路面モードごとにトルク特性(アクセル操作量とエンジン10の要求トルクとを関連付ける特性)が記憶されている。ECU35は、走行路設定装置の設定信号に基づいて都度の路面モードを判定し、その路面モード用のトルク特性を用いてエンジン10のトルク制御を実行する。また、ECU35は、各種センサの検出信号に基づいてスリップ発生を検出する。そして、スリップの発生を検出した場合に、都度の路面モードのトルク制御に適用される補正量を算出し、その補正量を都度の路面モードに関連付けて記憶する。
【選択図】図1
【解決手段】車両は、エンジン10、ECU35、各種センサ、走行路設定装置を備えている。走行路設定装置は、複数の路面モードの設定が可能となっている。ECU35のROMには、複数の路面モードごとにトルク特性(アクセル操作量とエンジン10の要求トルクとを関連付ける特性)が記憶されている。ECU35は、走行路設定装置の設定信号に基づいて都度の路面モードを判定し、その路面モード用のトルク特性を用いてエンジン10のトルク制御を実行する。また、ECU35は、各種センサの検出信号に基づいてスリップ発生を検出する。そして、スリップの発生を検出した場合に、都度の路面モードのトルク制御に適用される補正量を算出し、その補正量を都度の路面モードに関連付けて記憶する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車載エンジンのトルク制御装置に関する。
従来から、アクセル操作量と車載エンジンの要求トルクとが関連付けられたトルク特性を用いて、都度のアクセル操作量に基づいてエンジンのトルク制御を実施するトルク制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このようなトルク制御装置として、複数の路面モード(例えば、舗装路モード、ダート路モード、雪路モード)を設定可能な路面モード設定装置を備え、都度設定される路面モードに対応するトルク特性を用いて、エンジンのトルク制御を実施するものが提案されている。このようなトルク制御装置によれば、都度の走行路面に応じたトルク制御が実施されるため、スリップの発生が抑制される。
特開2002−317681号公報
しかしながら、例えば、予め記憶されている上記トルク特性が実際の路面状況に適合していない場合には、都度設定される路面モードに対応するトルク特性を用いてエンジンのトルク制御を実施したとしても、スリップの発生を十分に抑制できないことがある。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであって、複数の路面モードを有する車両に搭載されたエンジンのトルクを制御し、スリップの発生を抑制するトルク制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明では、アクセル操作量と車載エンジンの要求トルクとが関連付けられたトルク特性を、路面状況が異なる複数の路面モード毎に記憶し、都度の路面モードに対応する前記トルク特性を用いて上記エンジンのトルク制御を実施する。そして、上述したトルク制御の際に、スリップ発生を検出すると、都度の路面モードのトルク制御に適用される補正量を算出する。
これにより、予め記憶されたトルク特性を用いたトルク制御ではスリップ発生を十分に抑制することができない場合であっても、上述の如く算出された補正量をトルク制御に適用することにより、スリップの発生を抑制することができる。
ここで、路面状況が異なる走行路ではスリップの発生状況が異なる。したがって、一の路面モードで算出された補正量を他の路面モードのトルク制御にそのまま適用すると、補正不足になったり過補正になったりすることがある。この点、上記補正量を都度の路面モードに関連付けて記憶することにより、各路面モードに適した補正量を得ることができる。その結果、複数の路面モードを有する車両において、スリップの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、アクセル操作に対するエンジンのトルク応答を遅らせる応答補正量を上記補正量として算出する。したがって、この応答補正量をエンジンのトルク制御に適用することにより、エンジンのトルク応答を遅らせることができる。すなわち、エンジンの出力トルクの変化速度(出力トルクの単位時間当たりの変化量)を遅くすることができるため、スリップの発生を抑制することができる。
ここで、エンジンの出力トルクの変化速度を遅くする構成としては、例えば要求トルクを減補正することが考えられる。しかしながら、このような構成では、アクセル操作量に対応する出力トルクが減少し、ドライバビリティが低下してしまう。この点、上述の如くエンジンのトルク応答を遅らせることにより、出力トルクの変化速度を遅くしている。したがって、アクセル操作に対する出力トルクの追従性は低下するものの、アクセル操作量に対応する出力トルクが減少するようなことはない。これにより、ドライバビリティの低下を抑制することができる。
請求項3に記載の発明では、都度の路面モードに基づいて上記補正量を算出する。ここで、上述したように、路面状況が異なる走行路ではスリップの発生状況が異なる。したがって、上述の如く補正量を算出することにより、都度の路面モードに応じてスリップ発生を効果的に抑制することができる。例えば、路面モードが舗装路モードである場合には、スリップしにくい走行路でスリップが発生したことになる。このような場合には、予め記憶されたトルク特性が走行路に適していないと考えられることから、補正量を相対的に大きくするとよい。
また、請求項4に記載の発明では、補正量が算出された時の車両運転条件(アクセル操作量の変化量、車速、それらの組み合わせなど)に関連付けて同補正量を記憶する。すなわち、補正量を車両運転条件ごとに記憶する。ここで、車両運転条件が異なる場合にはスリップの発生状況が異なる。したがって、上述の如く車両運転条件ごとに記憶された補正量をトルク制御に適用することにより、車両運転条件に応じてスリップ発生を効果的に抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明では、補正量が算出された時(スリップ発生時)の車両運転条件に加え、同車両運転条件を基準にして設定される所定範囲内の車両運転条件に関連付けて同補正量を記憶する。ここで、ある車両運転条件でスリップが発生した場合、その車両運転条件と同じような車両運転条件でも同様のスリップが発生する蓋然性が高い。したがって、ある車両運転条件で発生したスリップに伴って算出した補正量を同様のスリップが発生する蓋然性の高い車両運転条件の範囲に関連付けて記憶することにより、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
また、請求項6に記載の発明では、都度の路面モードに応じた上記所定範囲に関連付けて補正量を記憶する。ここで、路面状況が異なる走行路では、同様のスリップが発生する蓋然性が高い車両運転条件の範囲が異なる。したがって、上述の如く補正量を記憶することにより、スリップを効果的に抑制することができる。例えば、路面モードが雪路モードである場合には、スリップしやすい走行路を走行していることになるため、車両走行の安全性を優先して、相対的に広い車両運転条件の範囲に関連付けて補正量を記憶するとよい。
請求項7に記載の発明では、ドライバの入力操作により路面モードを設定可能な路面モード設定装置からの路面モード設定信号に基づいて、都度の路面モードを判定する。こうした構成によれば、ドライバの意思で路面モードを設定することができる。
請求項8に記載の発明では、道路又は気象に関するナビゲーション情報に基づいて、都度の路面モードを判定する。ナビゲーション情報は必要に応じて取得可能である。したがって、路面モードを必要に応じて更新することができる。
請求項9に記載の発明では、補正量を、学習値としてバックアップメモリに記憶する。これにより、スリップが発生していない場合であっても、学習値として記憶した補正量をエンジンのトルク制御に反映させることにより、スリップの発生を抑制することができる。
請求項10に記載の発明では、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ発生が検出された場合に、補正量をスリップ抑制側に更新する。また、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ非発生が検出された場合に、スリップ抑制側に更新された前記補正量をその範囲内でスリップ非抑制側に戻す。このように、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態において、スリップの発生状況に応じて補正量をスリップ抑制側及びスリップ非抑制側に増減させることにより、ドライバビリティの低下を抑制しつつ、スリップ発生を抑制することができる。
請求項11に記載の発明では、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードでスリップ非発生が所定時間以上継続して検出された場合に、補正量をスリップ非抑制側に戻す。このように、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態では、補正量をスリップ非抑制側に戻す処理ついては、安全を期してスリップ非発生が所定時間以上継続したことを条件に実行されることが望ましい。
請求項12に記載の発明では、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードの同一車両運転条件でスリップ非発生が所定時間以上継続して検出された場合に、補正量をスリップ非抑制側に戻し、スリップ非発生の継続時における路面モード及び車両運転条件に関連付けて補正量を記憶する。このように、補正量を用いてトルク制御が実施されており、その補正量が路面モード及び車両運転条件ごとに設定されている場合には、スリップ非抑制側に補正量を戻す処理については、安全を期してスリップ非発生が同一路面モードの同一車両運転条件で所定時間以上継続していることを条件に実行されることが望ましい。
ここで、スリップ発生が検出される度に応答補正量を増量したとすると、特異な路面状況でスリップ発生が検出された場合にも応答補正量が増量される。この場合、走行路面との関係でスリップが発生しにくい状況下でトルク応答がスリップ抑制側に更新され、結果としてドライバビリティが必要以上に低下するおそれがある。そこで、請求項13に記載の発明のように、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態では、同一路面モードでスリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、補正量をスリップ抑制側に更新するようにしてもよい。また、補正量を用いてトルク制御が実施されており、その補正量が路面モード及び車両運転条件ごとに設定されている場合には、請求項14に記載の発明のように、同一路面モードの同一車両運転条件でスリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、補正量をスリップ抑制側に更新し、スリップ発生の連続検出時における路面モード及び車両運転条件に関連付けて補正量を記憶するようにしてもよい。これにより、ドライバビリティの低下をより一層抑制することができる。
また、上述したように路面状況が異なる走行路ではスリップの発生状況が異なる。そこで、請求項15に記載の発明のように、各路面モードに応じた更新量及び戻し量を設定しておき、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ発生が検出された場合に、そのスリップ発生検出時における路面モードに対応する更新量だけ補正量をスリップ抑制側に更新し、補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ非発生が検出された場合に、そのスリップ非発生検出時の路面モードに対応する戻し量だけ補正をスリップ非抑制側に戻すようにしてもよい。これにより、ドライバビリティの低下を抑制しつつ、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
また、本発明は装置の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても、方法の発明としても特定することができる。
以下、本発明を具体化した複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施形態の構成要素と対応する。
(第1実施形態)
第1実施形態の車両制御システムでは、4輪駆動車(4WD車両)に搭載されたエンジンのトルク制御を実施する。
第1実施形態の車両制御システムでは、4輪駆動車(4WD車両)に搭載されたエンジンのトルク制御を実施する。
まず、車両制御システムの構成を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示す車両は、エンジン10を備えている。エンジン10は、ガソリンを燃料とする火花点火式4サイクル内燃機関であり、その駆動力(出力)はトルクコンバータ11及びトランスミッション(変速機)12を介して駆動軸13へ伝達される。この際、駆動軸13のトルク及び回転速度は、トランスミッション12の変速比により調整される。そして、駆動軸13の駆動力は、センターディファレンシャル14により前輪用プロペラシャフト15及び後輪用プロペラシャフト16へ伝達される。
前輪用プロペラシャフト15の駆動力は、前輪ディファレンシャル17により右前車輪軸18及び左前輪軸19へ伝達され、後輪用プロペラシャフト16の駆動力は、後輪ディファレンシャル20により右後車輪軸21及び左後車輪軸22へ伝達される。これにより、右前車輪23、左前車輪24、右後車輪25、左後車輪26が回転駆動される。車輪23〜26が「駆動輪」に相当する。
図2に示すエンジン10の本体40には、吸気管41と排気管42とが接続されている。吸気管41には電子制御式のスロットル弁43が設けられており、スロットル弁43はステッピングモータ等からなるスロットルアクチュエータ44の駆動により開度調整されるようになっている。エンジン本体40には、燃料噴射弁45と点火プラグ46とが設けられている。
スロットルアクチュエータ44には、スロットル開度センサ31が内蔵されている。スロットル開度センサ31は、スロットル弁43の開度(以下「スロットル開度」という)を示す検出信号を出力する。また、上述した車輪23〜26の近傍には、それぞれ車輪回転速度センサ27,28,29,30が設けられており、各車輪23〜26の回転速度を示す検出信号を出力する。
その他、本車両制御システムは、エンジン回転速度センサ32、アクセル開度センサ33、車速センサ34などを備えている。エンジン回転速度センサ32は、エンジン10の回転速度(以下「エンジン回転速度」という)を示す検出信号を出力する。アクセル開度センサ33は、アクセル操作量(図示しないアクセルペダルの操作量)を示す検出信号を出力する。車速センサ34は、車速を示す検出信号を出力する。これらのセンサ27〜30は、エンジン10の各部を制御するECU35に接続されている。
ECU35は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイクロプロセッサを主体とする電子制御ユニットであり、各種センサ(例えば、センサ27〜30)の検出信号を逐次取り込む。そして、ECU35は、ROMに予め記憶されている各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御(燃料噴射量制御、点火時期制御、スロットル開度制御)を実施する。
本実施形態では、適用車両として、舗装路走行以外にダート路(林道などの悪路)、雪路など路面状況が異なる複数の走行路を好適に走行可能な4WD車両を想定しており、ECU35には、ドライバの入力操作により各走行路に対応する路面モードを設定可能な走行路設定装置36から路面モード設定信号が入力されるようになっている。走行路設定装置36は、車両の運転席付近に設けられてドライバのダイヤル操作等により路面モードの設定が可能となっており、例えば、路面モードとして、通常の「舗装路モード」以外に、「ダート路」、「雪路」のいずれかが設定される。以下、路面モードとしては、「舗装路」、「ダート路」、「雪路」が設定可能なものとして説明する。
また、ECU35のROMには、舗装路用のトルク特性マップ、ダート路用のトルク特性マップ、雪路用のトルク特性マップが予め記憶されている(図3(a)〜(c)参照)。これらのトルク特性マップは、エンジン回転速度及びアクセル開度と要求トルクとの関係を示しており、エンジン回転速度及びアクセル操作量が大きくなるほど、要求トルクが大きくなるようになっている。このようなトルク特性マップは、例えば実験的に求めることができる。
そして、本実施形態では、都度の路面モードに対応するトルク特性マップを用いてエンジン10のトルク制御を実施する。詳しくは、ECU35は走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて都度の路面モードを判定し、その路面モードに対応するトルク特性マップを用いて都度のアクセル操作量から要求トルクを算出し、その要求トルクに基づいて目標スロットル開度を設定する。そして、実スロットル開度が目標スロットル開度に一致するようにスロットル開度のフィードバック制御を実施する。ECU35は、これらの処理を繰り返し実行することにより、エンジン10のトルク制御を実施する。このようにして、都度の路面モードに対応するトルク特性マップを用いてエンジン10のトルク制御を実施することで、いずれの走行路(舗装路/ダート路/雪路)でも車輪23〜26のスリップの発生が抑制される。
しかしながら、同一走行路であっても、様々な路面状況があり得る。例えば、雪路であっても、パウダー状の雪に覆われた路面もあれば、シャーベット状の雪に覆われた路面もあり得る。さらに、路面が凍結していることもあり得る。また、ドライバのアクセル操作にも個人差がある。例えば、アクセルペダルを急激に踏み込むドライバもいれば、徐々にアクセルペダルを踏み込むドライバもいる。したがって、予め記憶されたトルク特性マップを用いてエンジン10のトルク制御を実施したとしても、車輪23〜26のスリップの発生を十分に抑制できないことがある。
そこで、本実施形態では、第1に、アクセル操作に対するエンジン10のトルク応答を遅らせる。具体的には、スロットル開度の変化速度(スロットル開度の単位時間当たりの変化量)を制限することにより、エンジン10の出力トルクの変化速度(出力トルクの単位時間当たりの変化量)を制限する。詳しくは、上述したトルク制御において周期的に設定される目標スロットル開度の前回値及び今回値の開度差Δθを算出し、その開度差Δθの絶対値が所定の上限値以下になるように、同目標スロットル開度を補正する。
第2に、上記開度差Δθの上限値を各路面モードに関連付けて記憶する。具体的には、各路面モードに対応する上限値として、舗装路用上限値Rp、ダート路用上限値Rd、雪路用上限値Rsを記憶する。上限値Rp,Rd,Rsが「応答補正量」に相当する。
第3に、車輪23〜26のスリップの発生状況に応じて、都度の路面モードに対応する上限値Rp,Rd又はRsを減少側に更新する。以下、上限値Rp,Rd,Rsのうち都度の路面モードに対応する上限値を「上限値R」と記載する。
以下、図4に基づいて、開度差Δθの上限値Rを更新する処理を概説する。図4は、上限値更新処理の機能ブロック図である。図4に示す上限値テーブルには、各路面モードに対応する上限値Rp,Rd,Rsが記憶されている。
スリップ検出モジュールM1は、車速センサ34の検出信号及び車輪回転速度センサ27〜30の検出信号に基づいて、車輪23〜26のスリップの発生を検出する。スリップ検出モジュールが「スリップ検出手段」に相当する。路面モード判定モジュールM2は、走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて、都度の路面モードを判定する。路面モード判定モジュールM2が「路面モード判定手段」に相当する。
上限値算出モジュールM3は、スリップ検出モジュールM1によりスリップ発生が検出された場合に、路面モード判定モジュールM2により判定された路面モードに対応する上限値Rを算出する。この際、上限値算出モジュールM3は、スリップ発生に伴って開度差Δθの上限値Rを減少側に更新する。
上限値更新モジュールM4は、上限値算出モジュールM3により算出された上限値Rで、上限値テーブルに記憶されている上限値を更新する。この更新の際、上限値更新モジュールM4は、上限値テーブルに記憶されている上限値Rp,Rd,Rsのうち路面モード判定モジュールM2により判定された路面モードに対応する上限値Rのみを更新する。上限値更新モジュールM4が「補正量記憶手段」に相当する。
次に、図5に基づいて、目標スロットル開度を設定する処理を詳説する。この処理は、ECU35が所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で目標スロットル開度算出プログラムを実行することにより実施される。図5は、目標スロットル開度算出プログラムの流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、目標スロットル開度算出プログラムは、メインプログラムから呼び出されるサブルーチンであるものとする。
まず、ステップS10では、ECU35は、走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて路面モードを判定する。そして、路面モードが舗装路モードである旨を判定した場合には、舗装路用トルク特性マップを用いて要求トルクを算出し、路面モードがダート路モードである旨を判定した場合には、ダート路用トルク特性マップを用いて要求トルクを算出し、路面モードが雪路モードである旨を判定した場合には、雪路用トルク特性マップを用いて要求トルクを算出する(ステップS11〜S13参照)。
詳しくは、エンジン回転速度センサ32の検出信号に基づいてエンジン回転速度を取得し、アクセル開度センサ33の検出信号に基づいてアクセル操作量を取得する。そして、ステップS10で判定された路面モードに対応するトルク特性マップを用いてエンジン回転速度及びアクセル操作量から要求トルクを導出する。
ステップS14では、ECU35は、吸入空気量、エンジン回転速度、空燃比、点火時期、VVT位置などのパラメータに基づいて実トルクを算出する。続くステップS15で、ECU35は、ステップS11〜13のいずれかで算出した要求トルクとステップS14で算出した実トルクとの偏差に基づいて、要求吸気量を算出する。続くステップS16で、ECU35は、この要求吸気量に基づいて目標スロットル開度のベース値(以下「ベース目標開度」という)θbを算出する。
そして、ステップS17〜S20では、ECU35は、目標スロットル開度の開度差Δθの絶対値をその上限値R以下にすべく、ベース目標開度θbを補正する。これにより、ECU35は目標スロットル開度の最終値(以下「最終目標開度」という)θeを得る。
詳しくは、ステップS17では、今回のベース目標開度θb(n)と前回の最終目標開度θe(n-1)との開度差Δθを算出する。続くステップS18では、開度差Δθの絶対値が、ステップS10で判定した路面モードに対応する上限値Rよりも小さいか否かを判定する。そして、開度差Δθの絶対値が上限値Rよりも小さい旨を判定した場合には、ステップS20の処理を実行する。一方、開度差Δθの絶対値が上限値R以上である旨を判定した場合には、開度差Δθの絶対値を上限値Rとした上で(ステップS19参照)、ステップS20の処理を実行する。ステップS20では、ECU35は、前回の最終目標開度θe(n-1)にΔθを加算して、最終目標開度θe(n)を得る。
この目標スロットル開度設定処理によれば、目標スロットル開度の開度差Δθが都度の路面モードに対応する上限値Rに制限される。すなわち、上限値Rを小さくするほどスロットル開度の変化速度が遅くなる。
次に、図6に基づいて、上限値更新処理を詳説する。図6は、上限値更新処理プログラムの流れを示すフローチャートである。ECU35は、所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で上限値設定プログラムを実行することにより、上限値更新処理を実施する。なお、以下の説明では、上限値設定プログラムは、メインプログラムから呼び出されるサブルーチンであるものとする。
まず、ステップS30では、ECU35は、車速センサ34の検出信号及び車輪回転速度センサ27〜30の検出信号に基づいて、車輪23〜26のスリップの度合いを示す値(以下「スリップ度」という)を算出する。詳しくは、車速センサ34の検出信号に基づいて車速を算出し、車輪回転速度センサ27〜30の検出信号に基づいて車輪23〜26の車輪速度を算出する。そして、例えば車輪速度の平均値と車速との差をスリップ度として算出する。
次に、ステップS31では、ECU35は、ステップS30で算出したスリップ度に基づいてスリップ発生の有無を判定する。詳しくは、スリップ度が所定の閾値よりも小さい場合には、スリップが発生していない旨を判定し、スリップ度が上記閾値以上の場合には、スリップが発生した旨を判定する。そして、スリップが発生していない旨を判定した場合には、メインプログラムの処理に戻る。一方、スリップが発生した旨を判定した場合には、ステップS32〜S34の処理を実行する。
ステップS32〜S34では、ECU35は、スリップの発生を受けて開度差Δθの上限値を減少側に更新する。詳しくは、まず、走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて路面モードを判定する(ステップS32参照)。次に、ステップS30で算出されたスリップ度とステップS32で判定された路面モードとに基づいて、上限値Rの更新量ΔRを算出する(ステップS33参照)。例えば、図7に示すマップを用いて、スリップ度及び路面モードから上限値の更新量ΔRを算出する。図7に示すマップでは、スリップ度が大きいほどΔRが相対的に大きく、雪路モード、ダート路モード、舗装路モードの順にΔRが相対的に大きくなるようになっている。次に、ステップS32で判定した路面モードに対応する上限値Rについて、前回の上限値R(n-1)から更新量ΔRを差し引くことにより、今回の上限値R(n)を得る(ステップS34参照)。
次に、ステップS35では、ECU35は、ステップS34で算出された今回の上限値R(n)で、ステップS32で判定された路面モードに対応する上限値R(n-1)を更新する。
この上限値更新処理によれば、車輪23〜26のスリップ発生のたびに、開度差Δθの上限値がその減少側に更新される。したがって、本実施形態では、スリップの発生が抑制されるまで、スロットル開度の変化速度が遅くなり、ひいてはエンジン10の出力トルクの変化速度が遅くなる。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
路面モードごとにトルク特性マップを記憶し、都度の路面モードに対応するトルク特性マップを用いて要求トルクを算出した。このように都度の路面モードに対応するトルク特性マップを用いてエンジン10のトルク制御を実施することにより、車輪23〜26のスリップの発生を抑制することができる。
また、スリップ発生に伴って、スロットル開度の変化速度が遅くなるように目標スロットル開度を補正するようにした。その結果、スリップの発生が抑制されるまで、エンジン10の出力トルクの変化速度が遅くなる。これにより、予め記憶されたトルク特性マップが走行路に適していない場合であっても、車輪23〜26のスリップの発生を抑制することができる。
ここで、路面状況が異なる走行路ではスリップの発生状況が異なる。したがって、一の路面モードで算出された上限値Rを他の路面モードのトルク制御にそのまま適用すると、補正不足になったり過補正になったりすることがある。この点、開度差Δθの上限値Rをスリップ度及び路面モードに基づいて算出し、その上限値でスリップ発生時の路面モードに対応する上限値Rを更新するようにした。その結果、各路面モードに適した上限値Rp,Rd,Rsを得ることができる。したがって、都度の路面モードに適した上限値Rをエンジン10のトルク制御に適用することにより、スリップの発生を抑制することができる。
また、アクセル操作に対するエンジン10のトルク応答を遅らせることにより、エンジン10の出力トルクの変化速度を遅くした。具体的には、目標スロットル開度の開度差Δθを上限値で制限した。そのため、アクセル操作に対する出力トルクの追従性は低下するものの、アクセル操作量に対応する出力トルクが減少するようなことはない。これにより、ドライバビリティの低下を抑制することができる。
また、スリップ度が大きいほど、開度差Δθの上限値の更新量ΔRを相対的に大きくした。また、雪路モード、ダート路モード、舗装路モードの順に、すなわち、スリップしにくい路面モードほど、開度差Δθの上限値の更新量ΔRを相対的に大きくした。ここで、スリップ度が大きい場合や、スリップしにくい路面モードでスリップが発生した場合には、その時の路面モードのトルク特性マップが走行路の路面状況に適合していないことが予想される。このような状況では、上述の如く更新量ΔRを大きくするとよい。これにより、スロットル開度の変化速度をスリップの発生に伴って速やかに遅くすることができる。そして、出力トルクの変化速度をスリップの発生に伴って速やかに遅くすることができる。これにより、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
また、走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて都度の路面モードを判定するようにした。このような構成によれば、ドライバの意思(走行路設定装置36の操作)で路面モードを設定することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の車両制御システムの構成は、上限値テーブル及び上限値設定プログラムを除き、第1実施形態の構成と実質的に同一である。
第2実施形態の車両制御システムの構成は、上限値テーブル及び上限値設定プログラムを除き、第1実施形態の構成と実質的に同一である。
第2実施形態では、図8に示す路面モード毎の上限値テーブルにより、目標スロットル開度の開度差Δθの上限値がアクセル操作量の変化量ごとに記憶可能となっている。
以下、第2実施形態の上限値更新処理を図9に基づいて説明する。
ステップS40〜S44までの処理は、それぞれ第1実施形態の上限値設定プログラムのステップS30〜S34までの処理(図6参照)と実質的に同一である。ECU35は、ステップS40〜S44までの処理を実行した後、ステップS45の処理を実行する。ステップS45では、ECU35は、アクセル操作量の変化量を算出する。詳しくは、アクセル開度センサ33の検出信号に基づいてアクセル操作量を算出し、今回のアクセル操作量と前回のアクセル操作量との差をアクセル操作量の変化量として算出する。
次に、ステップS46では、ECU35は、ステップS42で判定した路面モードとステップS45で算出したアクセル操作量の変化量とに基づいて、上限値の更新範囲を設定する。詳しくは、図10に示す更新範囲マップを用いて、上記路面モード及びアクセル操作量の変化量から更新範囲の幅を算出する。図10に示す更新範囲マップでは、アクセル操作量の変化量が小さいほど、更新範囲を規定するアクセル操作量の幅が相対的に広く、雪路モード、ダート路モード、舗装路モードの順に同アクセル操作量の幅が相対的に広くなっている。すなわち、スリップしやすい状況ほど、更新範囲の幅が相対的に広くなっている。
次に、ステップS47では、ECU35は、ステップS44で算出した上限値によってステップS46で設定した更新範囲に含まれる上限値を更新する。
この上限値更新処理によれば、スリップの発生に伴って上限値が算出され、その時の路面モード及びアクセル操作量の変化量を基準にして上限値の更新範囲が設定される。そして、上記算出された上限値で上記更新範囲に含まれる上限値が更新される。
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の優れた効果が得られる。
スロットル開度の開度差Δθの上限値をアクセル操作量の変化量ごとに記憶するようにした。ここで、アクセル操作量の変化量が異なる場合にはスリップの発生状況が異なる。したがって、上述の如くアクセル操作量の変化量ごとに記憶された上限値をエンジン10のトルク制御に適用することにより、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
また、スロットル開度の開度差Δθの上限値が算出された時、すなわちスリップ発生時のアクセル操作量の変化量に対応する上限値に加え、更新範囲内のアクセル操作量の変化量に対応する上限値を、算出した上限値で更新するようにした。ここで、あるアクセル操作でスリップが発生した場合、そのアクセル操作と同じようなアクセル操作でも同様のスリップが発生する蓋然性が高い。したがって、上述の如く上限値を更新することにより、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
また、アクセル操作量の変化量が小さいほど、上限値の更新範囲の幅が広くなるようにした。ここで、アクセル操作量の変化量が小さいほどスリップしにくい。一方、スリップしにくい状況でスリップが発生した場合には、上限算出時のアクセル操作量(スリップ発生時のアクセル操作量)以外でもスリップが発生する蓋然性が高い。したがって、上述の如く更新範囲を設定することにより、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
また、雪路モード、ダート路モード、舗装路モードの順に上限値の更新範囲の幅が広くなるようにした。このようにスリップしやすい走行路ほど更新範囲の幅を広くすることにより、車両の走行安全性を高めることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の車両制御システムでは、スリップの発生に伴ってトルク応答をスリップ抑制側に更新する処理(以下「トルク応答抑制処理」に加え、スリップの非発生に伴ってトルク応答をスリップ非抑制側に戻す処理(以下「トルク応答戻し処理」という)を実施する。
第3実施形態の車両制御システムでは、スリップの発生に伴ってトルク応答をスリップ抑制側に更新する処理(以下「トルク応答抑制処理」に加え、スリップの非発生に伴ってトルク応答をスリップ非抑制側に戻す処理(以下「トルク応答戻し処理」という)を実施する。
詳しくはこれらの処理は、第2実施形態と同様に、目標スロットル開度の開度差Δθの上限値R(図8参照)を変化させることで実施する。但し、第2実施形態とは異なり、トルク応答抑制処理及びトルク応答戻し処理によって上限値Rを0よりも大きく規定値R0以下の範囲内で増減させるようになっている。
具体的には、規定値R0から抑制量rを差し引いた値を上限値Rとしている(次式(1),(2)参照)。
R=R0−r …(1)
0≦r<R0 …(2)
ここで規定値R0は、各路面モード及びアクセル操作量の変化量(以下「アクセル変化量」という)ごとに設定された固定値である。また抑制量rは、規定値R0と同様に各路面モード及びアクセル変化量ごとに設定された可変値であり、スリップ発生状況に応じて増減する。この場合、抑制量rを増量して上限値Rを小さくすることで、トルク応答をスリップ抑制側に更新することができる。また、抑制量rを減量して上限値Rを大きくすることで、トルク応答をスリップ非抑制側に戻すことができる。
R=R0−r …(1)
0≦r<R0 …(2)
ここで規定値R0は、各路面モード及びアクセル操作量の変化量(以下「アクセル変化量」という)ごとに設定された固定値である。また抑制量rは、規定値R0と同様に各路面モード及びアクセル変化量ごとに設定された可変値であり、スリップ発生状況に応じて増減する。この場合、抑制量rを増量して上限値Rを小さくすることで、トルク応答をスリップ抑制側に更新することができる。また、抑制量rを減量して上限値Rを大きくすることで、トルク応答をスリップ非抑制側に戻すことができる。
より詳しくは、抑制量rの増減量α,βが路面モードごとに予め設定されており、これらの増減量α,βに基づいて抑制量rが増減されるようになっている。すなわち、スリップ発生を検出した場合に抑制量rを増量αだけを増量し、スリップ非発生を検出した場合に抑制量rを減量βだけ減量する。
また、各路面モードの増減量α,βはその路面モードに応じた大きさに設定されている。例えば、各路面モードの増減量としては、安全性を重視して、スリップ発生の蓋然性が高い路面モードほど増量αが大きく減量βが小さくなるように設定されることが考えられる(次式(3),(4)参照)。
αp<αd<αs …(3)
βp>βd>βs …(4)
ここで、次式(3),(4)において、αp,βpは舗装路モード用の増減量、αd,βdはダート路モード用の増減量、αs,βsは雪路モード用の増減量を示している。
αp<αd<αs …(3)
βp>βd>βs …(4)
ここで、次式(3),(4)において、αp,βpは舗装路モード用の増減量、αd,βdはダート路モード用の増減量、αs,βsは雪路モード用の増減量を示している。
また特に、トルク応答抑制処理では、同一路面モードの同一アクセル操作量においてスリップの発生が所定回以上連続して検出された場合に、トルク応答をスリップ抑制側に更新するようになっている。一方、トルク応答戻し処理では、同一路面モードの同一アクセル操作量においてスリップの非発生が所定回以上連続して検出された場合に、トルク応答をスリップ非抑制側に戻すようになっている。
詳しくは、本実施形態では、路面モード及びアクセル操作量ごとにスリップ発生カウンタ及びスリップ非発生カウンタが設けられている。ここで、スリップ発生カウンタとはスリップ発生が検出される度にカウントアップされるカウンタであり、スリップ非発生カウンタとはスリップ非発生が検出される度にカウントアップされるカウンタである。そして本実施形態では、これらのカウンタを用いてスリップ発生及びスリップ非発生の連続検出回数を判定し、その判定結果に基づいてトルク応答を制御する。
なお、第3実施形態の車両制御システムの構成要素は、ECU35のROMに記憶されているプログラムや各種データを除き、第1実施形態の構成と実質的に同一である。
以下、図11〜14を参照しながら、トルク応答抑制処理及びトルク応答戻し処理について説明する。図11はトルク応答抑制プログラムの流れを示すフローチャートであり、図13はトルク応答戻しプログラムの流れを示すフローチャートである。これらのプログラムは、ECU35により所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で実行される。図12は図11に示すステップS56の処理の流れを示すフローチャートであり、図14は図13に示すステップS76の処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図11に示すトルク応答抑制プログラムのステップS50〜S53の処理と図13に示すトルク応答戻しプログラムのステップS70〜S73の処理とは実質的に同一である。したがって、これらの処理は実装時には共通化されると考えられるが、説明の都合上、図11及び図13のそれぞれに異なる符号を付して記載している。また、図12及び図14において、R(n-1)及びr(n-1)はそれぞれ前回のプログラム実行時に算出された上限値R及び抑制量rを示し、R(n)及びr(n)はそれぞれ今回のプログラム実行時に算出された上限値R及び抑制量rを示している。
(トルク応答抑制処理)
図11に示すステップS50では、ECU35は走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて路面モードを判定する。続くステップS51では、ECU35は、アクセル変化量を算出する。詳しくは、アクセル開度センサ33の検出信号に基づいてアクセル操作量を算出し、今回のアクセル操作量と前回のアクセル操作量との差をアクセル変化量とする。ステップS52では、ECU35は、車速センサ34の検出信号及び車輪回転速度センサ27〜30の検出信号に基づいて、車輪23〜26のスリップ度を算出する。続くステップS53では、ECU35は、ステップS52で算出したスリップ度に基づいてスリップ発生の有無を判定する。
図11に示すステップS50では、ECU35は走行路設定装置36の路面モード設定信号に基づいて路面モードを判定する。続くステップS51では、ECU35は、アクセル変化量を算出する。詳しくは、アクセル開度センサ33の検出信号に基づいてアクセル操作量を算出し、今回のアクセル操作量と前回のアクセル操作量との差をアクセル変化量とする。ステップS52では、ECU35は、車速センサ34の検出信号及び車輪回転速度センサ27〜30の検出信号に基づいて、車輪23〜26のスリップ度を算出する。続くステップS53では、ECU35は、ステップS52で算出したスリップ度に基づいてスリップ発生の有無を判定する。
ステップS53においてスリップが発生した旨を判定すると、ECU35はステップS54〜S57の処理に進む。ステップS54では、ECU35は、スリップ発生検出時の路面モード及びアクセル変化量に対応するスリップ発生カウンタCpをカウントアップする。ここで、スリップ発生検出時の路面モードとはステップS50において判定された路面モードであり、スリップ発生検出時のアクセル変化量とはステップS51において算出されたアクセル変化量である。そして、ECU35は、ステップS55において、スリップ発生カウンタCpの値が所定値以上であると判定するとステップS56の処理に進み、スリップ発生カウンタCpの値が所定値よりも小さいと判定するとメインプログラムの処理に戻る。
ステップS56では、ECU35はトルク応答をスリップ抑制側に更新する。詳しくは、ECU35は目標スロットル開度の開度差Δθの上限値Rをαだけ小さくすることにより、トルク応答を所定量だけスリップ抑制側に更新する。より詳しくは、図12に示すように、前回の抑制量r(n-1)にαを加えた値が規定値R0よりも小さくなるか否かを判定する(ステップS60参照)。そして、ECU35は、前回の抑制量r(n-1)にαを加えた値が規定値R0よりも小さくなると判定した場合には、前回の抑制量r(n-1)にαを加えた値を今回の抑制量r(n)とし(ステップS61参照)、前回の抑制量r(n-1)にαを加えた値が規定値R0以上になると判定した場合には、抑制量rを更新することなく前回の抑制量r(n-1)を今回の抑制量r(n)とする(ステップS62参照)。次に、ECU35は、規定値R0から今回の抑制量r(n)を差し引いた値を今回の上限値R(n)とする(ステップS63参照)。なお、図12に示す処理では、上限値Rが0よりも大きくなるようになっている。これにより、アクセル操作に対してスロットル弁43が全く反応しなくなる事態を防ぐことができる。
図11に示すステップS57では、ECU35はスリップ発生カウンタCpをクリアする。
一方、ステップS53においてスリップが発生していない旨を判定すると、ECU35はスリップ発生カウンタCpをクリアした上で(ステップS58参照)、メインプログラムの処理に戻る。
(トルク応答戻し処理)
図13に示すステップS70〜S73では、ECU35は、路面モードを判定し(ステップS70参照)、アクセル変化量を算出し(ステップS71参照)、スリップ度を算出し(ステップS72参照)、そのスリップ度に基づいてスリップ発生の有無を判定する(ステップS73参照)。
図13に示すステップS70〜S73では、ECU35は、路面モードを判定し(ステップS70参照)、アクセル変化量を算出し(ステップS71参照)、スリップ度を算出し(ステップS72参照)、そのスリップ度に基づいてスリップ発生の有無を判定する(ステップS73参照)。
ステップS73においてスリップが発生していない旨を判定すると、ECU35はステップS74〜S77の処理に進む。ステップS74では、ECU35は、スリップ非発生検出時の路面モード及びアクセル変化量に対応するスリップ非発生カウンタCnをカウントアップする。ここで、スリップ非発生検出時の路面モードとはステップS70において判定された路面モードであり、スリップ非発生検出時のアクセル変化量とはステップS71において算出されたアクセル変化量である。そして、ECU35は、ステップS75において、スリップ非発生カウンタCnの値が所定値以上であると判定するとステップS76の処理に進み、スリップ非発生カウンタCnの値が所定値よりも小さいと判定するとメインプログラムの処理に戻る。
ステップS76では、ECU35はトルク応答をスリップ非抑制側に戻す。詳しくは、ECU35は目標スロットル開度の開度差Δθの上限値Rをβだけ大きくすることにより、トルク応答を所定量だけスリップ非抑制側に戻す。
より詳しくは、図14に示すように、前回の抑制量r(n-1)からβを差し引いた値が0以上となるか否かを判定する(ステップS80参照)。そして、ECU35は、前回の抑制量r(n-1)からβを差し引いた値が0以上と判定した場合には、前回の抑制量r(n-1)からβを差し引いた値を今回の抑制量r(n)とし(ステップS81参照)、前回の抑制量r(n-1)からβを差し引いた値が0よりも小さいと場合には、今回の抑制量r(n)を0とする(ステップS82参照)。次に、ECU35は、規定値R0から今回の抑制量r(n)を差し引いた値を今回の上限値R(n)とする(ステップS83参照)。この場合、上限値Rが規定値R0以下となることから、トルク応答はトルク応答抑制処理によってスリップ抑制側に更新された範囲内でスリップ非抑制側に戻されることとなる。
図13に示すステップS77では、ECU35はスリップ非発生カウンタCnをクリアする。
一方、ステップS73においてスリップが発生していない旨を判定すると、ECU35はスリップ非発生カウンタCnをクリアした上で(ステップS78参照)、メインプログラムの処理に戻る。
以上詳述した第3実施形態によれば、第1,2実施形態の効果に加え、以下の優れた効果が得られる。
スリップ発生が検出された場合にトルク応答がスリップ抑制側に更新され、スリップ非発生が検出された場合にトルク応答がスリップ非抑制側に戻されるようにした。具体的には、スリップ発生が検出された場合に、上限値Rが減少し、トルク応答がスリップ抑制側に更新されるようにした。また、スリップ非発生が検出された場合に、上限値Rが増加し、トルク応答がスリップ非抑制側に更新されるようにした。このようにスリップの発生状況に応じてトルク応答を制御することにより、ドライバビリティの低下を抑制しつつ、スリップ発生を抑制することができる。
また、スリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、トルク応答がスリップ抑制側に更新されるようにした。そのため、特異な路面状況(例えば、舗装路面の道路標示部分)でスリップ発生が検出されたとしても、そのようなスリップ発生が所定回以上連続して検出されない限りトルク応答がスリップ抑制側に更新されることはない。これにより、ドライバビリティの低下を一層抑制することができる。また、スリップ非発生が所定回以上連続して検出された場合に、トルク応答がスリップ非抑制側に戻されるようにした。そのため、特異な路面状況(例えば、雪道のうちロードヒーティングなどの融雪設備が設けられた部分)でスリップ非発生が検出されたとしても、そのようなスリップ非発生が所定回以上連続して検出されない限りトルク応答がスリップ非抑制側に戻されることはない。これにより、スリップ発生を一層抑制することができる。
また、同一路面モードの同一アクセル変化量においてスリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、その検出時の路面モード及びアクセル変化量に対応するトルク応答がスリップ抑制側に更新されるようにした。そのため、一の路面モード及びアクセル変化量においてスリップの連続発生が検出されたとしても、他の路面モード及びアクセル変化量に対応するトルク応答がスリップ抑制側に戻されることはない。これにより、ドライバビリティの低下をより一層抑制することができる。また、同一の路面モードの同一アクセル変化量においてスリップ非発生が所定回以上連続して検出された場合に、その検出時の路面モード及びアクセル操作に対応するトルク応答がスリップ非抑制側に戻されるようにした。そのため、一の路面モード及びアクセル変化量においてスリップ非発生が検出されたとしても、他の路面モード及びアクセル変化量車に対応するトルク応答がスリップ非抑制側に戻されることはない。これにより、スリップの発生をより一層抑制することができる。
また、路面モードごとに増減量α,βを設定した。そして、スリップ発生の検出時の路面モードに対応する増量αに相当する分だけトルク応答がスリップ抑制側に更新され、スリップ非発生の検出時の路面モードに対応する減量βに相当する分だけトルク応答がスリップ非抑制側に更新されるようにした。このようにスリップの発生検出時又はスリップの非発生検出時の路面モードに応じた増減量に相当する分だけトルク応答をスリップ抑制側又はスリップ非抑制側に更新することにより、ドライバビリティの低下を抑制しつつ、スリップの発生を効果的に抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記第1、第2実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記第1、第2実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
上記第1、第2実施形態では、走行路設定装置36により3つの路面モードを設定可能とした。しかしながら、GPS(Global Positioning System)や道路情報提供システムなどの受信装置を備えて、これらの受信装置により受信されるナビゲーション情報に基づいて路面モードを設定するようにしてもよい。また、設定可能な路面モードは、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
また、イグニッションスイッチOFFなどの所定のタイミングで応答補正量としての上限値をバックアップメモリに保存してもよい。ここで、バックアップメモリとは、ROM又はバッテリなどの電源によってイグニッションスイッチOFF後においても電源供給されているRAMを意味する。
また、上記第1、第2実施形態では、応答補正量としての上限値により目標スロットル開度の開度差Δθを制限することにより、エンジン10の出力トルクの変化速度を遅くした。しかしながら、アクセル操作に対する要求トルクや目標スロットル開度を一律に減補正することにより、エンジン10の出力トルクの変化速度を遅くしてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、スリップ度及び路面モードに基づいて応答補正量としての上限値を算出した。しかしながら、応答補正量の算出方法はこれに限定されるものではない。
例えば、アクセル操作量の変化量に基づいて応答補正量を算出してもよい。ここで、アクセル操作量の変化量が大きいほど車両が大きな加速度で加減速されるため、スリップしやすくなる。したがって、上述の如く応答補正量を算出することにより、スリップのしやすさに応じた適正な応答補正量を算出することができる。具体的には、アクセル操作量の変化量が小さい場合には、スリップしにくい状況でスリップが発生したことになるため、応答補正量を相対的に大きくする(アクセル操作に対するトルク応答を大きく遅らせる)ことが望ましい。
また、例えば、トランスミッション12の変速比に基づいて応答補正量を算出してもよい。ここで、トランスミッション12の変速比が小さいほど駆動輪のトルクが相対的に大きくなるため、スリップしやすくなる。したがって、上述の如く応答補正量を算出することにより、スリップのしやすさに基づいて適正な応答補正量を算出することができる。具体的には、変速機の変速比が小さい場合には、スリップしにくい状況でスリップが発生したことになるため、応答補正量を相対的に大きくする(アクセル操作に対するトルク応答を大きく遅らせる)ことが望ましい。
また、第2実施形態では、アクセル操作量の変化量と路面モードとに基づいて応答補正量としての上限値の更新範囲を設定した。しかしながら、応答補正量の更新範囲の設定方法はこれに限定されるものではない。
また、例えば、トランスミッション12の変速比に基づいて応答補正量の更新範囲を設定してもよい。上述したようにトランスミッション12の変速比が小さいほど、スリップしやすくなる。したがって、上述の如く更新範囲を設定することにより、スリップのしやすさに応じた適正な更新範囲を設定することができる。具体的には、トランスミッション12の変速比が小さい場合には、スリップしにくい状況でスリップが発生したことになるため、相対的に広い更新範囲を設定することが望ましい。
また、都度のアクセル操作量を基準とするアクセル操作量の幅により更新範囲を規定した。しかしながら、更新範囲は実車速によって規定してもよいし、これらの組み合わせによって規定してもよい。また、更新範囲は、都度のアクセル操作量を基準とする一定の範囲でもよい。
また、上記第1,第2実施形態では、スリップの発生のたびに応答補正量としての上限値を更新した。しかしながら、応答補正量の更新(記憶)は、スリップの発生に伴って実施すればよく、例えばスリップが複数回発生するたびに実施してもよい。
また、第3実施形態では、スリップ発生を所定回以上連続して検出した場合に、アクセル変化に対するトルク応答をスリップ抑制側に更新するようにした。また、スリップ非発生を所定回以上連続して検出した場合に、アクセル変化に対するトルク応答をスリップ非抑制側に戻すようにした。しかしながら、これに限られず、スリップ発生を検出する度にトルク応答をスリップ抑制側に更新するようにしてもよいし、スリップ非発生を検出する度にトルク応答をスリップ非抑制側に戻すようにしてもよい。
また、第3実施形態では、路面モード及びアクセル変化量ごとに目標スロットル開度の開度差Δθの上限値Rを設定した。そして、同一の路面モードの同一アクセル変化量においてスリップ発生を所定回以上連続して検出した場合にトルク応答をスリップ抑制側に更新し、同一の路面モードの同一アクセル変化量においてスリップ非発生を所定回以上連続して検出した場合にトルク応答をスリップ非抑制側に戻すようにした。しかしながら、これに限られず、上限値Rを路面モードごとに設定しアクセル変化量ごとに設定しなくてもよい。この場合、同一アクセル変化量であるか否かを問わず同一路面モードにおいてスリップ発生を所定回以上連続して検出した場合にトルク応答をスリップ抑制側に更新するようにしてもよいし、同一アクセル変化量であるか否かを問わず同一路面モードにおいてスリップ非発生を所定回以上連続して検出した場合にトルク応答をスリップ非抑制側に戻すようにしてもよい。
また、第3実施形態では、路面モードごとに増減量α,βを設けた。しかしながら、これに限られず、路面モード及びアクセル変化量ごとに増減量を設けてもよい。また、一部の路面モードに共通の増減量を設けてもよいし、全ての路面モードに共通の増減量を設けてもよい。
10…エンジン(エンジン)、11…トルクコンバータ、12…トランスミッション、23〜26…車輪(駆動輪)、27〜30…車輪回転速度センサ(スリップ検出手段)、31…スロットル開度センサ、32…エンジン回転速度センサ、33…アクセル開度センサ、34…車速センサ(スリップ検出手段)、35…ECU(路面モード判定手段、スリップ検出手段、補正量算出手段、補正量記憶手段)、36…走行路設定装置(路面モード設定装置)、43…スロットル弁、44…スロットルアクチュエータ。
Claims (15)
- アクセル操作量と車載エンジンの要求トルクとが関連付けられたトルク特性を、路面状況が異なる複数の路面モードごとに記憶し、都度の路面モードに対応する前記トルク特性を用いて前記エンジンのトルク制御を実施するトルク制御装置において、
都度の走行路面がいずれの路面モードに相当するかを判定する路面モード判定手段と、
駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、
前記スリップ検出手段によりスリップ発生が検出された場合に、都度の路面モードの前記トルク制御に適用される補正量を算出する補正量算出手段と、
前記補正量算出手段により算出された前記補正量を都度の路面モードに関連付けて記憶する補正量記憶手段と、
を備えることを特徴とするトルク制御装置。 - 前記補正量算出手段は、アクセル操作に対する前記エンジンのトルク応答を遅らせる応答補正量を前記補正量として算出する請求項1に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量算出手段は、都度の路面モードに応じた前記補正量を算出する請求項1又は2に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量記憶手段は、前記補正量が算出された時の車両運転条件に関連付けて同補正量を記憶する請求項1から3のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量記憶手段は、前記補正量が算出された時の車両運転条件に加え、同車両運転条件を基準にして設定される所定範囲内の車両運転条件に関連付けて同補正量を記憶する請求項4に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量記憶手段は、都度の路面モードに応じた前記所定範囲に関連付けて前記補正量を記憶する請求項5に記載のトルク制御装置。
- 前記路面モード判定手段は、ドライバの入力操作により前記路面モードを設定可能な路面モード設定装置からの路面モード設定信号に基づいて、都度の前記路面モードを判定する請求項1から6のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
- 前記路面モード判定手段は、道路又は気象に関するナビゲーション情報に基づいて、都度の路面モードを判定する請求項1から7のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量を、学習値としてバックアップメモリに記憶する学習手段を更に備える請求項1から8のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量算出手段は、
前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて前記スリップ検出手段によりスリップ発生が検出された場合に、前記補正量をスリップ抑制側に更新し、
前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて前記スリップ検出手段によりスリップ非発生が検出された場合に、スリップ抑制側に更新された前記補正量をその範囲内でスリップ非抑制側に戻す請求項1から9のいずれか一項に記載のトルク制御装置。 - 前記補正量算出手段は、前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードでスリップ非発生が所定時間以上継続して検出された場合に、前記補正量をスリップ非抑制側に戻す請求項10に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量算出手段は、前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードの同一車両運転条件でスリップ非発生が所定時間以上継続して検出された場合に、前記補正量をスリップ非抑制側に戻し、
前記補正量記憶手段は、前記スリップ非発生の継続時における路面モード及び車両運転条件に関連付けて前記補正量を記憶する請求項10に記載のトルク制御装置。 - 前記補正量算出手段は、前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードでスリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、前記補正量をスリップ抑制側に更新する請求項10から12のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
- 前記補正量算出手段は、前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にて同一路面モードの同一車両運転条件でスリップ発生が所定回以上連続して検出された場合に、前記補正量をスリップ抑制側に更新し、
前記補正量記憶手段は、スリップ発生の連続検出時における路面モード及び車両運転条件に関連付けて前記補正量を記憶する請求項10から12のいずれか一項に記載のトルク制御装置。 - 各路面モードに応じた前記補正量の更新量及び戻し量を設定しておき、
前記補正量算出手段は、
前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ発生が検出された場合に、そのスリップ発生検出時における路面モードに対応する更新量だけ前記補正量をスリップ抑制側に更新し、
前記補正量を用いてトルク制御が実施されている状態にてスリップ非発生が検出された場合に、そのスリップ非発生検出時の路面モードに対応する戻し量だけ前記補正をスリップ非抑制側に戻す請求項10から14のいずれか一項に記載のトルク制御装置。
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