JP2008280945A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR通路への逆流を抑えつつ、EGR通路内で発生した凝縮水を安定的に排出することができる内燃機関の排気還流装置を提供する。
【解決手段】ターボチャージャー6のタービン6bよりも下流の排気通路5とターボチャージャー6のコンプレッサ6aよりも上流の吸気通路4とを接続するEGR通路20を有し、そのEGR通路20には、凝縮水を捕集するトラッパ24と、捕集された凝縮水を貯留するタンク25とが設けられ、タンク25は凝縮水を排出するための排出路27と接続された排気還流装置7において、コンプレッサ6aの下流の吸気通路4の圧力をタンク25に導入する圧力導入路28と、圧力導入路28を開閉する開閉弁36と、トラッパ24とタンク25との間に配置され、トラッパ24からタンク25への流れを許容する一方で、タンク25からトラッパ24への流れを阻止する逆止弁34とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、EGR通路内に発生する凝縮水を捕集する機能を備えた内燃機関の排気還流装置に関する。
EGR通路内に発生する凝縮水の燃焼室への流入を防止するため、EGR通路の内部に凝縮水の貯留部を設け、その貯留部に貯留された凝縮水をドレンバルブから排出する機構を備えた装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開平7−269417号公報 特開平10−259762号公報 特開2003−097361号公報 特許第3666583号公報
吸気通路にコンプレッサが設けられた内燃機関に適用される排気還流装置として、排気通路と吸気通路のコンプレッサよりも上流の区間とを接続する低圧EGR通路を備えた排気還流装置が存在する。この種の排気還流装置では、コンプレッサの上流に生じる負圧を利用してEGRガスが吸気通路に還流される。このため、低圧EGR通路に上述した従来の凝縮水の排出機構を適用した場合には、ドレンバルブを開放したときに、負圧の影響で貯留部からEGR通路内に外気あるいは凝縮水が逆流して凝縮水の排出が円滑に行われないおそれがある。あるいは、貯留部に外気が吸い込まれる影響で、EGRガス量が低下するおそれがある。
そこで、本発明はEGR通路への逆流を抑えつつ、EGR通路内で発生した凝縮水を安定的に排出することができる内燃機関の排気還流装置を提供することを目的とする。
本発明は、排気通路と吸気通路のコンプレッサよりも上流の区間とを接続するEGR通路を有し、該EGR通路には、凝縮水を捕集する捕集部と、捕集された凝縮水を貯留する貯留部とが設けられ、前記貯留部は凝縮水を排出するための排出路と接続された排気還流装置において、前記吸気通路の前記コンプレッサよりも下流の区間の圧力を前記貯留部に導入する圧力導入路と、前記圧力導入路を開閉する開閉弁と、前記捕集部と前記貯留部との間に、前記捕集部から前記貯留部への流れを許容する一方で、前記貯留部から前記捕集部への流れを阻止するように配置された逆止弁と、前記排出路を開閉する排出弁とを備えたことにより、上記課題を解決する(請求項1)。
本発明の排気還流装置によれば、開閉弁によって圧力導入路を閉じておくことにより、コンプレッサの上流に生じる負圧をEGR通路に作用させてEGRガスを吸気通路に導入しつつ、そのEGR通路にて発生する凝縮水を捕集部で捕集し、捕集された凝縮水を逆止弁を介して貯留部へと導くことができる。貯留部に貯留された凝縮水を排出する必要が生じた場合には、開閉弁を開いてコンプレッサよりも下流の吸気圧力を圧力導入路から貯留部へと導入するとともに、排出弁を開いて貯留部を外部に開放する。これにより、コンプレッサにて加圧された吸気圧力を利用して、凝縮水を貯留部から排出路を介して安定的に排出することができる。貯留部と捕集部との間には逆止弁が配置されているので、貯留部から捕集部へ空気、あるいは凝縮水が逆流するおそれはない。また、貯留部に凝縮水を貯める間は排出弁を閉じておくことにより、貯留部を外部から閉鎖することができる。これにより、捕集部から貯留部へのガス成分の漏れを抑えることができる。さらに、貯留部の内圧を低く保持することにより、凝縮水の自重で逆止弁を容易に開放させて凝縮水を捕集部から貯留部へと適時に移動させることができる。
本発明の排気還流装置において、前記EGR通路にEGRガスを冷却するEGRクーラが設けられている場合、前記捕集部は前記EGRガスの流れ方向に関して前記EGRクーラの下流に配置されてもよい(請求項2)。この形態によれば、EGRクーラの冷却作用によって発生した凝縮水をEGRガスから分離、捕集することができる。
本発明の排気還流装置において、前記コンプレッサにて加圧された吸気を冷却するインタークーラが吸気通路に設けられている場合、前記圧力導入路は、前記コンプレッサと前記インタークーラとの間にて前記吸気通路に接続されてもよい(請求項3)。この形態によれば、コンプレッサとインタークーラとの間に生じる高い圧力を圧力導入路から貯留部に導入して、貯留部から凝縮水を効率よく排出させることができる。
以上に説明したように、本発明の排気還流装置においては、開閉弁にて圧力導入路を閉じた状態では、捕集部にて捕集された凝縮水が逆止弁を介して貯留部に導かれて貯留され、圧力導入路を開いたときにはコンプレッサよりも下流の吸気圧力が圧力導入路から貯留部へと導入され、その圧力で凝縮水が貯留部から排出される一方で貯留部と捕集部との間では逆止弁が閉じられる。よって、EGR通路への逆流を抑えつつ、EGR通路内で発生した凝縮水を安定的に排出することができる。また、貯留部に凝縮水を貯める間は排出弁を閉じて貯留部を外部から閉鎖することにより、捕集部から貯留部へのガス成分の漏れを抑えるとともに、貯留部の内圧を低く保持することにより、凝縮水の自重で逆止弁を容易に開放させて凝縮水を捕集部から貯留部へと適時に移動させることができる。
図1は、本発明の一形態に係る排気還流装置が適用された内燃機関を示す。内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下、エンジンと称することがある。)1は、複数(図1では4つ)の気筒2を有するエンジン本体3と、各気筒2に接続される吸気通路4及び排気通路5と、吸気通路4と排気通路5との間に設けられる過給機としてのターボチャージャー6と、排気の一部をEGRガスとして吸気通路4に導く排気還流装置7とを備えている。ターボチャージャー6は、吸気通路4に設けられるコンプレッサ6a及び排気通路5に設けられるタービン6bを備えている。コンプレッサ6aとタービン6bとは不図示のタービン軸を介して一体回転可能に連結されている。さらに、吸気通路4には、吸気濾過用のエアクリーナ8と、エアクリーナ8とコンプレッサ6aとの間にて吸気流量を調整するための第1スロットル弁9と、コンプレッサ6aにて圧縮された吸気を冷却するためのインタークーラ10と、インタークーラ10とインテークマニホールド4cとの間にて吸気流量を調整するための第2スロットル弁11とが設けられている。排気通路5のタービン6bよりも下流には、排気を浄化する排気浄化装置12が設けられている。
排気還流装置7は、排気通路5のタービン6bよりも下流の区間、より詳しくは排気浄化装置12よりもさらに下流の区間5bと、吸気通路4のコンプレッサ6aよりも上流の区間、より詳しくは第1スロットル弁9とコンプレッサ6aとの間の区間4aとを接続する低圧EGR通路20と、低圧EGR通路20にて発生する凝縮水を排出するための凝縮水排出機構21とを備えている。低圧EGR通路20を介して吸気通路4に導入されるEGRガスの流量は、低圧EGR弁23の開度と第1スロットル弁9の開度とに応じて発生する負圧によって定まる。さらに、低圧EGR通路20には、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ22と、EGRガスの流量を調整するための低圧EGR弁23とが設けられている。
凝縮水排出機構21は、低圧EGR通路20のEGRクーラ22に対してEGRガスの流れ方向下流に設けられて、EGRガスの冷却に伴って発生する凝縮水を捕集する捕集部としてのトラッパ24と、捕集した凝縮水を貯留する貯留部としてのタンク25と、トラッパ24とタンク25とを連結する連結路26と、タンク25に貯留された凝縮水を排出する排出路27と、吸気通路4のコンプレッサ6aよりも下流の区間、より詳しくはコンプレッサ6aとインタークーラ10との間の区間4bとタンク25とを接続する圧力導入路28とを備えている。さらに、排気還流装置7は、排気通路5のタービン6bよりも上流の区間5aと、吸気通路4の第2スロットル弁11よりも下流の区間、すなわちインテークマニホールド4cを含む区間とを接続する高圧EGR通路29と、高圧EGR通路29を通過するEGRガスの流量を調整するための高圧EGR弁30とを備えている。
凝縮水排出機構21の詳細を図2に示す。トラッパ24は、遠心力を利用してEGRガスから凝縮水を分離する。すなわち、トラッパ24は、コンプレッサ6aの入口に接続される中空円筒状の継手管31と、その継手管31から側方に突出されるケーシング32と、ケーシング32の内部に配置される案内管33とを備えている。継手管31の内部は、コンプレッサ6aの上流側における吸気通路4の区間4a(図1参照)の一部を構成する。ケーシング32は、案内管33を取り囲むように配置された円筒部32aと、その円筒部32aの下方に連なる漏斗状の回収部32bとを備えている。円筒部32aの外周には、低圧EGR弁23(図1参照)を通過したEGRガスの導入管32cが設けられ、回収部32bの下部には排出管32dが設けられている。排出管32dは連絡路26を介してタンク25と接続される。案内管33は中空円筒状であり、その上端部は継手管31を貫いて内部の吸気通路4に通じている。導入管32cからケーシング32の内部に導入されたEGRガスは案内管33の周囲を旋回する。その際の遠心力でEGRガスに含まれている凝縮水は円筒部32の内周に付着し、凝縮水よりも分子の質量が小さいガス成分は案内管33を介して吸気通路4へと流入する。円筒部32aの内周に付着した凝縮水は円筒部32aから回収部32bへ流れ落ち、排出管32dから連絡路26へと排出される。
タンク25の上部には連結路26及び圧力導入路28が接続され、下部には排出路27が接続されている。連結路26には逆止弁34が設けられている。その逆止弁34は、トラッパ24からタンク25への流れを許容する一方で、タンク25からトラッパ24への流れを阻止するように配置されている。逆止弁34のクラッキング圧力(開き始める時の圧力)は、トラッパ24の内部に回収された凝縮水が適度の量まで溜ったとき、その自重によって開くように設定されている。排出路27には、排出弁としての逆止弁35が設けられている。逆止弁35はタンク25からの凝縮水の排出を許容し、外部からタンク25への逆流を阻止するように配置されている。逆止弁35のクラッキング圧力は、タンク25に貯えられる凝縮水の自重のみで逆止弁35が開かない範囲に設定されている。圧力導入路28には、圧力導入路28を開閉する開閉弁としてのソレノイドバルブ36が設けられている。低圧EGR弁23の開度、高圧EGR弁30の開度、及びソレノイドバルブ36の開閉動作は不図示の制御装置によって制御される。その制御装置には、一例として、エンジン1の運転状態を制御するためのコンピュータであるエンジンコントロールユニット(ECU)を利用することができが、ECUとは別のコンピュータユニットを排気還流装置7のための制御装置として設けてもよい。
次に、排気還流装置7の動作を説明する。まず、低圧EGR弁23及び高圧EGR弁30の開度については、エンジン1の運転状態に応じた適切な流量のEGRガスがエンジン1の燃焼室に導入されるように制御される。また、必要とされる吸入空気量及びEGRガス量に応じて第1スロットル弁9及び第2スロットル弁11の開度も制御される。これらの開度制御は公知の手法でよく、詳細は省略する。
低圧EGR通路20をEGRガスが通過する際に発生する凝縮水は、上述したようにトラッパ24にて捕集され、連絡路26を介してタンク25に貯えられる。このとき、圧力導入路28のソレノイド弁36が閉じ、かつ逆止弁35も閉じているので、タンク25は外部に対して実質的に閉じている。従って、トラッパ24にて分離されたEGRガスは、タンク25へ漏れることなく、案内管33から吸気通路4へと流れる。
タンク25に貯えられた凝縮水40を排出する際には、ソレノイドバルブ36を開放する。これにより、コンプレッサ6aにて圧縮された空気の圧力が圧力導入路28を介してタンク25に導入されてタンク25の内圧が上昇する。その圧力上昇に伴って連絡路26の逆止弁34が閉じられる。一方、排出路27の逆止弁35は、タンク25の内圧の上昇に伴って開放される。これにより、凝縮水40が排出路27を介して排出される。凝縮水の排出時には逆止弁34が閉じられるので、負圧による凝縮水や空気が低圧EGR通路20に吸い込まれるおそれはない。よって、低圧EGR通路20への凝縮水や空気の逆流を抑えつつ、低圧EGR通路20にて発生した凝縮水をタンク25から安定期に排出することができる。
凝縮水の排水を終了するには、ソレノイドバルブ36を閉じてコンプレッサ6aの下流の圧力の導入を中止する。これにより、タンク25の内圧が徐々に低下して排出路27の逆止弁35が閉じ、かつ連絡路26の逆止弁34が開放されて凝縮水のタンク25への貯留が再開される。
凝縮水の排出を開始する時期及びこれを終了する時期は、センサ等を利用してタンク25内の液量を検出することによって判断してもよいが、液量の検出に代えて、エンジン1の運転時間に基づいて判断してもよい。例えば、タンク25内の水量が所定量に達するまでのエンジン1の運転時間と、その所定量の凝縮水を排出するために必要なエンジン1の運転時間との平均値を予め把握しておき、それらの平均値に基づいてソレノイドバルブ36の開閉を制御してもよい。このように時間に基づいてソレノイドバルブ36を制御すれば、センサ等の検出手段を利用する場合と比較して、ソレノイドバルブ36の開閉制御に要するコストを削減することができる。
本形態の排気還流装置7では、トラッパ24がEGRクーラ22に対してEGRガスの流れ方向下流側に配置されているので、EGRクーラ22によるEGRガスの冷却に伴って発生する凝縮水をEGRガスから確実に分離してタンク25へと導くことができる。また、圧力導入路28をコンプレッサ6aとインタークーラ10との間にて吸気通路4に接続したため、インタクーラ10の上流側に生じる高い吸気圧力をタンク25に導いて凝縮水を効率よく排出することができる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、凝縮水の捕集部として遠心式のトラッパ24を設けているが、捕集部はこれに限定されない。例えば、低圧EGR通路20の一部に凹部、蛇行部、邪魔板等を設け、それらの壁面に凝縮水を付着させてこれを捕集してもよい。排出路27の逆止弁35は、タンク25を外部に対して閉じることにより、トラッパ24からタンク25へのEGRガスの漏れを防止し、かつ、トラッパ24からタンク25へ凝縮水が適時に移動できる程度にタンク25の内圧を保持するための排出弁として設けられているが、排出弁は逆止弁35に限らない。凝縮水の貯留時に排出路27を閉じ、かつ、凝縮水の排出時に排出路27を開くものであれば排出弁は適宜に変更可能である。例えば、逆止弁35に代えてソレノイドバルブを設け、その開閉を圧力導入路28のソレノイドバルブ36の開閉と同期させてもよい。本発明は、低圧EGR通路においてEGRクーラが省略された排気還流装置でも適用可能である。また、圧力導入路は、コンプレッサの下流側の吸気圧力を貯留部に導くことができればよい。例えば、図1において、インタークーラ10と第2スロットル弁11との間の吸気圧力をタンク25に導くようにしてもよい。インタークーラが存在しない場合でも本発明は適用可能である。本発明において、コンプレッサは、ターボチャージャーの一部として設けられるものに限らない。例えば、内燃機関の出力軸によって駆動される機械式過給機のコンプレッサ、あるいは、電動モータを利用して駆動される電動式過給機のコンプレッサが吸気通路に設けられる場合でも、そのコンプレッサの上流側にEGR通路が接続される限りにおいて本発明を適用することができる。
本発明の一形態に係る排気還流装置が適用された内燃機関を示す図。 凝縮水排出機構の詳細図。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
6 ターボチャージャー(過給機)
6a コンプレッサ
6b タービン
7 排気還流装置
24 トラッパ(捕集部)
25 貯留部
26 連結路
27 排出路
28 圧力導入路
34 逆止弁
35 逆止弁(排出弁)
36 ソレノイドバルブ(開閉弁)

Claims (3)

  1. 排気通路と吸気通路のコンプレッサよりも上流の区間とを接続するEGR通路を有し、該EGR通路には、凝縮水を捕集する捕集部と、捕集された凝縮水を貯留する貯留部とが設けられ、前記貯留部は凝縮水を排出するための排出路と接続された排気還流装置において、
    前記吸気通路の前記コンプレッサよりも下流の区間の圧力を前記貯留部に導入する圧力導入路と、
    前記圧力導入路を開閉する開閉弁と、
    前記捕集部と前記貯留部との間に、前記捕集部から前記貯留部への流れを許容する一方で、前記貯留部から前記捕集部への流れを阻止するように配置された逆止弁と、
    前記排出路を開閉する排出弁と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 前記EGR通路にはEGRガスを冷却するEGRクーラが設けられ、前記捕集部は前記EGRガスの流れ方向に関して前記EGRクーラの下流に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の排気還流装置。
  3. 前記吸気通路には前記コンプレッサにて加圧された吸気を冷却するインタークーラが設けられ、前記圧力導入路は、前記コンプレッサと前記インタークーラとの間にて前記吸気通路に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気還流装置。
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