JP2008280541A - 帯電防止性樹脂組成物、その形成物、及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘイズの原因となる導電性微粒子を用いることなく、ブリーズを生ずることなく、350℃までの耐熱性を有し、帯電防止性が安定している帯電防止性樹脂組成物、その成形物、及び成形方法を提供する。
【解決手段】第一番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸組成物である。第二番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリイミド骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリイミド組成物である。第三番目の帯電防止性樹脂組成物は、アミド酸部位の一部がイミド化されているポリアミド酸−イミド骨格中に、スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物である。これらの帯電防止性樹脂組成物の成形物の表面抵抗値は、何れも1010Ω以下である。
【選択図】なし
【解決手段】第一番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸組成物である。第二番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリイミド骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリイミド組成物である。第三番目の帯電防止性樹脂組成物は、アミド酸部位の一部がイミド化されているポリアミド酸−イミド骨格中に、スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物である。これらの帯電防止性樹脂組成物の成形物の表面抵抗値は、何れも1010Ω以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、プラスチック、繊維、紙等の導電性を有さない物質及びそれらの複合品に対し、帯電性を取り除き、静電気障害を起こさせないために用いられる帯電防止性樹脂組成物、その成形物、及び成形方法に関する。
従来から、吸湿性が少なく、電気絶縁性の高いプラスチック製品は、静電気の帯電による障害を受けやすい。たとえば、各種プラスチックの成形品、フィルム等において、その加工又は、使用中に塵や埃の付着や放電の発生により、プラスチック製品が汚れたり、製品の機能低下や損傷が生じたりする。このような静電気障害を防ぐために、プラスチック表面に導電性の被膜を形成して、帯電を防止することが行われている。また多くの場合、この被膜には、プラスチックの質感や色が消失しないように透明性が要求されている。
このような帯電防止剤としては、導電性微粒子(銀、ニッケル、銅、錫等の金属又はその酸化物の粉末等)や界面活性剤等があり、これらの帯電防止剤をプラスチック製品中に添加する方法や、帯電防止剤を含有する塗料を用いて、プラスチック成形品の表面に被膜を形成する方法が採用されている。導電性微粒子を使用して十分な帯電防止性を得るためには、被膜中の導電性微粒子の濃度を高くする必要がある。そのために、その微粒子による光の散乱に基づくヘイズが発生し、プラスチック成形体の透明性を損なうといった欠点がある。
又、通常の界面活性剤を帯電防止剤として使用した場合には、界面活性剤が経時的にブリージングして、表面がべたつくという問題や、同時に帯電防止性能が低下するという問題がある。このような欠点を解決するために、高分子型の帯電防止剤が提案されている。例えば、4級アンモニウム塩に代表されるカチオン性高分子は、帯電防止性能は優れているが、耐熱性の面で、アニオン性や非イオン性高分子に劣っている。高分子型アニオン性帯電防止剤としては、ポリスチレンスルホン酸(金属塩)が提案されているが、ポリスチレンスルホン酸(金属塩)を含む被膜は、機械的性質に劣るという欠点を有している。
又、近年は生産性向上を目的として、帯電防止剤を塗布した後の乾燥を高温で行うことが多くなり、耐熱性に優れた帯電防止剤が必要とされている。
特開昭63−304031号公報
耐熱性を高めるために、高耐熱性樹脂であるポリイミドにベンゼンスルホン酸ナトリウム等の芳香族スルホン酸を添加することにより帯電防止性をもたせた高分子成型体が特開昭63−304031号公報により提案されている。しかし、この系では、ポリイミド樹脂に導電性を示すスルホン酸を持つモノマーを混ぜたただけの状態、即ち、ポリイミド樹脂中に導電性を示すモノマーが分散して存在するだけで、ポリマーの一部となるか或いはポリマーに結合しているわけではない。このように該公報の導電性ポリイミドは300℃程度の耐熱性があるものの帯電防止性を発揮する部位がポリマー骨格に結合していないので、樹脂としての安定性及び帯電防止性(導電性)の安定性に不安が残る。
また、同様に高耐熱性樹脂であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)にスルホン酸基を導入した帯電防止剤もあるが、PEEKの耐熱性が240℃程度とそれ自体高耐熱とはいえない。
そこで本発明は、ヘイズの原因となる導電性微粒子を用いることなく、ブリーズを生ずることなく、350℃までの耐熱性を有し、帯電防止性が安定している帯電防止性樹脂組成物、その成形物、及び成形方法を提供することを目的とする。また本発明は、上記目的に加えて、さらに機械的性質に優れた帯電防止性樹脂組成物、その成形物、及び成形方法を提供することを目的とする。
前記した問題点を解決する本発明の帯電防止性樹脂組成物は、次の3つのパターンの帯電防止性樹脂組成物である。
本発明の第一番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸組成物である。
本発明の第一番目の帯電防止性樹脂組成物は好ましくは、下記一般式(1)
で表され、骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリアミド酸組成物である。
本発明の第二番目の帯電防止性樹脂組成物は、ポリイミド骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリイミド組成物である。
本発明の第二番目の帯電防止性樹脂組成物は好ましくは、下記一般式(2)
で表され、骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリイミド組成物である。
本発明の第三番目の帯電防止性樹脂組成物は、アミド酸部位の一部がイミド化されているポリアミド酸−イミド骨格中に、スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物である。
本発明において、ポリアミド酸−イミド組成物とは、ポリアミド酸がポリイミドになる過程の中間物を全て含むものと定義する。
本発明の第三番目の帯電防止性樹脂組成物は好ましくは、下記一般式(3)
で表され、骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入され、アミド酸部位の一部がイミド化された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物である。
前記第一番目〜第三番目の帯電防止性樹脂組成物は、帯電防止性の成形材料として有用である。これらの帯電防止性樹脂組成物を350℃以下で成形することにより、表面抵抗値1010Ω以下の帯電防止性成形物を得ることができる。なお、本発明において、成形とは、コーティング、成膜、フィルム成形、バルク状の成形物の成形を含む。
本発明の好ましい成形方法には次の方法が列挙できる。
1.前記第一番目の帯電防止性ポリアミド酸組成物の溶液を塗布し、乾燥させることを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法である。
2.前記第一番目の帯電防止性ポリアミド酸組成物の溶液を塗布し、乾燥させ、加熱することを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法である。
3.前記第二番目の帯電防止性ポリイミド組成物の溶液を塗布し、乾燥させることを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法である。
4.前記第三番目の帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物の溶液を塗布し、乾燥させ、加熱することを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法である。
スルホン酸基及びスルフィン酸基を有するポリイミドは、過去に報告が極めて少なく、例えば、G.I.Timofeeva、I.I.Ponomarv、A.R.Kohokhlov.,Macromol,symp,106,345−351(1996)に報告されている程度であり、その物性に関する検討がほとんど行われていないのが現状である。その報告をもとに本発明者らが自ら発明したクレゾール、n−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒に可溶なスルホン酸基を有するポリイミドや、Timofeevaらのポリイミドが高耐熱性の帯電防止材料としての有効性について、鋭意検討を行なった。
その結果、350℃前後からスルホン酸基が分解を開始することを確認した。その温度までは本発明のポリイミド組成物にスルホン酸基が残存しているため、スルホン酸基のイオン電導によるものと思われる帯電防止効果が持続することが確認された。さらに、目的の成形物に高度の安定性が必要とされない場合は、その前駆体であるポリアミド酸や、ポリアミド酸とポリイミドの中間物であるポリアミド酸−イミドであっても同様の効果を示すことを見いだした。
ポリアミド酸は、120℃以上の加熱により脱水を伴い、ポリイミドへの閉環反応が起こる。この事を利用し、これらの化合物は合成が非常に容易であるため、帯電防止性を付与する製造プロセスで高温の熱処理を行なえる場合は、前駆体の状態で成形しその後の熱処理によってより安定なイミドへの閉環反応を行なってもよい。
特に、前記一般式(2)で表される本発明の帯電防止性ポリイミド組成物は、ポリイミド骨格に直接イオン電導性を有するスルホン酸基を導入することにより、より安定で350℃迄の高耐熱な帯電防止材料が得られる。
本発明の帯電防止性のポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、ポリアミド酸−イミド組成物は、ポリイミド骨格に直接イオン導電性を有するスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を導入することにより、得られた樹脂組成物を成形してなる成形物中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が安定してポリイミド骨格中に存在し、且つ導電性を示すモノマーを単に樹脂中に分散させたものよりも、導電性が安定している。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、スルホン酸及び/又はスルフィン酸基を有するポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、ポリアミド酸−イミド組成物を用いることで湿度依存性があるものの、50%RHで106 オーダーという良好な表面抵抗値を示し、組成によっては水溶性を発揮するため、プロセス適性も優れ、350℃までの耐熱性を有する。
以下に、本発明の帯電防止性樹脂組成物及びその成形物について説明する。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応生成物であって、スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を有する成分を含有し、好ましくは酸価が10mmolKOH/g以上、400mmolKOH/g以下である溶剤可溶性の、ポリアミド酸、ポリイミド、又はポリアミド酸−イミド組成物であれば特に限定されない。
ポリアミド酸骨格、ポリイミド骨格、又はポリアミド酸−イミド骨格にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を導入する方法は、原料として、スルホン酸及び/又はスルフィン酸基を有するジアミン、或いは、スルホン酸及び/又はスルフィン酸基を有する酸無水物を用いて骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を導入する方法、又は、濃硫酸等のスルホン酸化試薬を用いて、構造内にスルホン酸を導入する方法などが挙げられるが特に限定されない。また後者の場合、ポリアミド酸の状態で構造内にスルホン酸基を導入し、その後、イミドへの閉環を行なってもよい。
スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を有するジアミンとしては、得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性、接着性および成膜性の観点から、三価または四価の有機基である。その好ましい例を下記構造式群(一般式(4))に挙げるがこれに限定されるものではない。
帯電防止性樹脂組成物の酸価が10mmolKOH/g以下であると、帯電防止性を示しずらい。一方、酸価が400mmolKOH/g以上であると、塗膜にした際、吸水性が高く、膜強度の低下、タックの発生等の問題があるが、高度の信頼性を必要としなければ室温で放置した場合でも膨潤等を起こすことはないため、特に問題はない。
以上のごとくして得られる本発明の帯電防止性樹脂組成物の使用方法としては、例えば、該帯電防止性樹脂組成物を水、アルコール、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒に溶解して、塗料を作製し、この塗料を帯電防止すべき材料、例えばプラスチック成形品の表面に塗布して、帯電防止被膜を形成する。この帯電防止被膜を形成する際には、被塗布基板との密着性を向上させるため、塗料に適当なバインダー、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等を添加することができる。帯電防止塗料の塗布方法としては、例えば、スプレー法、バーコート法、ドクターブレート法、デイッピング法等、通常の塗布方法が使用できる。塗布後適当な温度で乾燥することにより、所望の帯電防止被膜を形成することができる。なお、必要に応じて、乾燥塗膜を350℃以内で加熱してもよい。
本発明の帯電防止性ポリアミド酸組成物、帯電防止性ポリイミド組成物、又は帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物は、主にm−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、フェノール、NMP、DMF、DMAc、γブチロラクトン、DMSO、スルホラン等の有機極性溶媒に可溶性であるが、ポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、ポリアミド酸−イミド組成物の各組成によっては水、アセトン、THF等の汎用溶媒にも可溶となる。
さらに高度の耐熱性を要求される場合、本発明ではポリイミドの状態で目的の用途に用いるのが好ましい。しかし、ポリアミド酸やポリアミド酸−イミドの状態で成形しても、実際に用いる際に加わる熱の条件によってはイミドへの脱水閉環が進行し、イミドへ転化するため、特にプロセス上問題がない場合は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸や、ポリアミド酸−イミドの状態で成型しても差し支えない。しかし、350℃付近からスルホン酸の分解が始まるため、その温度以上では帯電防止性能が劣化するので、加熱は350℃以内とすべきである。
また、本発明の帯電防止性ポリイミド組成物のイミド化率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が好ましい。ポリアミド酸及びポリアミド酸−イミド組成物では、イミド化率が85%以下では、ポリイミド溶液の保存安定性が低下するが、冷蔵保存などの対応を行なうことで解決できる。
本発明の帯電防止性のポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、又はポリアミド酸−イミド組成物の重量平均分子量は、8,000〜1,000,000が好ましい。特に好ましくは20,000〜80,000である。分子量が8,000以下であると、均一な塗膜を得難く、1,000,000以上では高濃度の溶液が得られず、プロセス適性が悪い。
本発明の帯電防止性のポリアミド酸組成物及びポリイミド組成物及びポリアミド酸−イミド組成物に用いられる酸二無水物は特に限定されないが、具体的には、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシルフェニル)プロパン二無水物、4,4’−〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル) エチリデン〕ビス(1,2)−ベンゼンジカルボン酸二無水物) (略語:6FDA)、ビストリフルオロメチル化ピロメリット酸二無水物、ビス(ジカルボキシルフェニル)スルホン酸二無水物、ビス(ジカルボキシルフェニル)エーテル二無水物、チオフェンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、等の芳香族酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロオクテンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)3−メチル−3シクロヘキセン−1,2−ジカルボン二酸無水物、等の脂肪族酸二無水物を挙げることができる。
これらは単独、又は二種以上の組み合わせで使用される。また、スルホン酸基及び/又はスルフィン酸基を有するジアミン及び/又は酸無水物と組み合わせて用いても良い。本発明の帯電防止性のポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物及びポリアミド酸−イミド組成物を製造する場合、前記の化合物の組み合わせが溶媒可溶となる組成を選ぶ必要がある。
本発明のポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、又はポリアミド酸−イミド組成物に使用される芳香族ジアミンは、特に限定されないが、具体的には、2,4−(又は、2,5−)ジアミノトルエン、1,4−ベンゼンジアミン、1,3−ベンゼンジアミン、6−メチル1,3−ベンゼンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、4,4’−オキシビス(ベンゼンアミン)、3,4’−オキシビス(ベンゼンアミン)、3,3’−カルボキシル(ベンゼンアミン)、4,4’−チオビス(ベンゼンアミン)、4,4’−スルホニル(ベンゼンアミン)、3,3’−スルホニル(ベンゼンアミン)、1−メチルエチリジン−4,4’−ビス(ベンゼンアミン)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチリジン−4,4’−ビス(ベンゼンアミン)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ビス−4(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノベンズブニリド、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2−ビス〔4(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エチル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、ベンジジン−3,3−ジカルボン酸、4,4’−(または、3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ビフェニルエーテル、ジアミノシラン化合物、等を挙げることができる。
これらは単独でも二種以上混合したポリアミド酸組成物及びポリイミド組成物及びポリアミド酸−イミド組成物とすることができる。また、スルホン酸基を有するジアミン及び/又は酸無水物と組み合わせても良い。これらの組み合わせを選ぶ際、これらの組み合わせが溶媒可溶となる組成を選ぶ必要がある。
本実施例において、分子量測定は東ソー(株)製高速GPC装置を用いた。用いたカラムは東ソー(株)製TSKgelαM、溶媒はNMP1リットルに対し、バッファとして+50mmolリン酸+50mmolLiBrを溶解させたものを用い、流速0.5cc/minで行なった。
試薬の調整 2,2'-benzidindisulfonic acid (BzDSFA)は東京化成のものを50℃で24時間乾燥させた後用いた。3,3'4,4'-biphenyltetracarboxlic dianhidride (BPDA)、Naphthaleene-1,4,5,8-tetracarboxlic dianhydride (NTCDA)は東京化成のものをそのまま用いた。
ポリイミドAの製造o−クレゾール中で次のようにして本実施例のポリイミドAを一段階で合成した。o−クレゾール100g中にBzDSFAを2.85mmol、4,4−DPEを16.15mmol入れ、室温で40分撹拌した。BzDSFAのクレゾールに対する溶解性が低く、この状態では若干不溶物が残る為、トリエチルアミンを0.0078mol添加し、設定温度70℃(内温60〜70℃)で撹拌し均一な溶液にした。その後43℃に液温を下げ、触媒として安息香酸を0.014mol添加した。その後、酸無水物NTCDAを9.5mmol、BPDAを9.5mmol添加し、設定温度55℃内温50℃まで上昇させ撹拌を行い均一な溶液を得た。その後、設定温度を210℃、内温180℃に上昇させ、内温180℃で3時間撹拌し、イミド化反応を行った。
反応終了後、はじめにメタノール600ml/濃塩酸30ml、次にメタノール500mlを投入し再沈殿を行った。その後ミキサーにて粉砕し、その後メタノール500ml中で撹拌洗浄を2回行った。その後温風乾燥を70℃で12時間行い、収量6.6gを得た。得られたポリマーをポリイミドAとした。
帯電防止性の検討本実施例のポリイミドAの3wt%溶液を次のようにして作製した。ポリイミドAの溶媒を水とした。その際に溶解性を向上させるためにトリエチルアミンを少量(溶媒1.0mlに対しトリエチルアミン10μl)加えた。
ポリイミドAの溶液を10cm×10cmのガラス(コーニング社製#7059)上にスピンコート法で膜厚約2μmの塗膜を作製し、表面抵抗値を三菱化学製Hiresta Model HT-210を用い測定した。恒湿層により湿度を10%〜50%に変化させ、それぞれの湿度で一昼夜放置した後の表面抵抗を測定した。その結果を縦軸に表面抵抗値〔Ω〕、横軸に湿度(%RH)をとったグラフとして図1に示す。
図1によれば、得られた塗膜の表面抵抗値は、湿度50%RHで106 オーダーの非常に良好な値を示した。該塗膜は、湿度依存性が見受けられる。このことより、スルホン酸基の影響によるイオン電導が表面抵抗の低下に大きく寄与しているものと考えられる。
耐熱性試験本実施例のポリイミドAのTGA曲線を図2に示す。またポリイミドAの315℃の加熱条件によるGC−MS(GC:島津製作所製GC−17A、MS:島津製作所製QP−5000)の結果をグラフとして図3に示す。図2によれば、320℃付近から重量減少が始まっていることがわかる。GC−MSの結果より加熱の際に発生するガスが二酸化硫黄であることから、この重量減少はスルホン酸の分解に起因していると考えられる。
本発明の帯電防止性樹脂組成物はスルホン酸基、及びスルホン酸基の塩によるイオン電導の効果を利用したものであるから、このようにスルホン酸基が分解してしまうような温度においては、その効果が低下、または、全く現れない。よって350℃以下で用いることが望ましい。
Claims (25)
- ポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸組成物。
- ポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリアミド酸組成物。
- ポリイミド骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリイミド組成物。
- ポリイミド骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリイミド組成物。
- アミド酸部位の一部がイミド化されているポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物。
- アミド酸部位の一部がイミド化されているポリアミド酸骨格中にスルホン酸基及び/又はスルフィン酸基が導入された、表面抵抗値1010Ω以下となる、帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物。
- 前記ジアミン又はトリアミンは、モル数の10〜100%が、2,2’−ベンジジンジスルホン酸であり、残りのジアミンが、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、及び2,2’−トリフルオロメチルベンジジンから選ばれた1種又は2種以上の混合物である、請求項7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物。
- 前記ジアミン又はトリアミンは、モル数の10〜100%が、2,2’−ベンジジンジスルホン酸であり、残りのジアミンが、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、及び2,2’−トリフルオロメチルベンジジンから選ばれた1種又は2種以上の混合物である、請求項8記載の帯電防止性ポリイミド組成物。
- 前記ジアミン又はトリアミンは、モル数の10〜100%が、2,2’−ベンジジンジスルホン酸であり、残りのジアミンが、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、及び2,2’−トリフルオロメチルベンジジンから選ばれた1種又は2種以上の混合物である、請求項9記載のポリアミド酸−イミド組成物。
- 前記一般式(1)のXにおける四価の有機基は、有機酸二無水物である請求項7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物。
- 前記一般式(2)のXにおける四価の有機基は、有機酸二無水物である請求項8記載の帯電防止性ポリイミド組成物。
- 前記一般式(3)のXにおける四価の有機基は、有機酸二無水物である請求項9記載の帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物。
- 重量平均分子量が8,000〜1,000,000である請求項1、2又は7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物。
- 重量平均分子量が8,000〜1,000,000である請求項3、4又は8記載の帯電防止性ポリイミド組成物。
- 重量平均分子量が8,000〜1,000,000である請求項5、6又は9記載の帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物。
- 請求項1、2又は7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物を用い、350℃以下で成形された表面抵抗値1010Ω以下の帯電防止性成形物。
- 請求項3、4又は8記載の帯電防止性ポリイミド組成物を用い、350℃以下で成形された表面抵抗値1010Ω以下の帯電防止性成形物。
- 請求項5、6、又は9記載の帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物を用い、350℃以下で成形された表面抵抗値1010Ω以下の帯電防止性成形物。
- 請求項1、2又は7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物の溶液を塗布し、乾燥させることを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法。
- 請求項1、2又は7記載の帯電防止性ポリアミド酸組成物の溶液を塗布し、乾燥させ、加熱することを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法。
- 請求項3、4又は8記載の帯電防止性ポリイミド組成物の溶液を塗布し、乾燥させることを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法。
- 請求項5、6又は9記載の帯電防止性ポリアミド酸−イミド組成物の溶液を塗布し、乾燥させ、加熱することを特徴とする帯電防止性成形物の成形方法。
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