JP2008280451A - 炭化水素油の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄分が低く、品質が良好で安定した石油留分、特に軽油留分を、簡素化された精製設備を用いて、経済的に有利に製造できる、炭化水素油の精製方法を提供する。
【解決手段】10容量%留出温度が35〜80℃、95容量%留出温度が230〜350℃且つ97容量%留出温度が250〜420℃の蒸留性状を有し、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多い炭化水素油から、粗蒸留装置11にて少なくとも軽質ガスおよびLPガスを分離し、該軽質ガスおよびLPガスを分離した炭化水素油を一括して水素化精製処理し、該水素化精製処理された精製油を常圧蒸留装置15にて常圧蒸留して、精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油及び精製重質軽油に分離する。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭化水素油の精製方法、特には、炭化水素油を一括して水素化精製処理し、次いで精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油及び精製重質軽油の各留分に分離することにより、硫黄分が低く、品質が安定した軽油を製造することが可能な炭化水素油の精製方法に関するものである。
従来の原油の精製処理においては、図1に示すように、一般に原油を常圧蒸留装置1により常圧蒸留して、軽質ガス、LPガス、ナフサ(軽質ナフサ、重質ナフサ)、灯油、軽油及び残油のそれぞれの留分に分離している。そして、常圧蒸留後、軽質ガスは、アミン精製装置2で酸ガスを分離して燃料ガスとなり、一方、分離された酸ガスは、硫黄回収装置3に送られ、硫黄が回収される。また、分離されたLPガスは、LPガス処理装置4で不純物を除去した後、製品LPガスとされる。
また、軽質ナフサ留分は、軽質ナフサ処理装置5にて簡単な処理を施されて、ガソリンや石化原料となり、重質ナフサ留分は、水素化精製装置6で、触媒存在下で水素化精製処理された後、接触改質装置7で、異性化や芳香族化されてガソリンや芳香族製品となる。なお、常圧蒸留装置1からナフサ留分を一括で留出させた後に、全ナフサ留分をナフサ用の水素化精製装置8で、触媒存在下で水素化精製処理した後、軽質ナフサ及び重質ナフサに分離することもある。
更に、灯油留分は、灯油精製装置9で精製されて灯油となり、軽油留分は、軽油用の水素化精製装置10で触媒存在下で水素化精製処理されて軽油となる。また、常圧蒸留装置1底部に残った残油は、常圧蒸留装置1から取り出され、重油の調合材料とされたり減圧蒸留装置で減圧蒸留され、軽質油の製造原料となる減圧留出油と分離される。このように、従来の原油の精製処理においては、分離された各留分のそれぞれに対して水素化精製(脱硫)などの精製処理が行われている。
しかしながら、この方法では設備構成が複雑になり、設備コストが高くなる、エネルギー効率が悪い、それぞれの装置について運転管理やメンテナンスが必要となる、という問題があった。このため、特に原油処理量が小さい場合に、装置構成がより簡素化され、コンパクトで低コストの処理方法が望まれていた。
上記の観点から、原油、或いは原油からナフサ留分を除いた留分又は原油から残渣油を除いた留分などの留分に対して一括して水素化処理を行い、その後に常圧蒸留によりナフサ留分、灯軽油留分などの留分を分留する方法が提案されている。
例えば、特開平3−294390号公報(特許文献1)には、原油中のナフサ留分を蒸留分離した後、該ナフサ留分を除いた残りの留分を脱硫触媒と接触させて脱硫し、次いで蒸留して各製品に分離する原油の精製方法が記載されている。
また、特開平7−82573号公報(特許文献2)には、原油を常圧蒸留して残油と留出油に分離し、留出油を一括して同一の水素化処理装置で水素化処理する石油の処理方法が記載されている。
更に、特開平7−300592号公報(特許文献3)には、原油を軽油及び軽油より低沸点の留分からなる留出油と残油とに分離した後、留出油を一括して水素化処理して得られた精製油を精留塔で所望の留分に分離し、精留塔で得られた軽油を水素化処理触媒と接触させ脱色処理する石油の処理方法が記載されている。
更にまた、特開2005−187823号公報(特許文献4)には、品質が良好でかつ安定した灯油・軽油を増産することができ、設備の簡素化が図れる方法として、原油又はナフサ留分を除いた原油を、特定の担体に周期律表第6、8、9又は10族に属する金属の少なくとも一種の金属を担持した触媒を用いて、一括して水素化処理する原油の水素化処理方法が記載されている。
一方、近年、灯油や軽油のさらなる低硫黄化が求められている。これに対して、例えば、脱硫率を向上させてより低硫黄分の軽油を得るためには、脱硫反応温度を上昇させるのが効果的である。しかしながら、脱硫反応温度を上昇させた場合には、好ましくない副反応を起こし易くなり、品質の安定した軽油留分を得ることが難しい。そのため、装置がコンパクトで、低コストの処理が可能で、更に、硫黄分が低く、品質の安定している灯油・軽油を得ることが可能な方法が望まれている。
特開平3−294390号公報 特開平7−82573号公報 特開平7−300592号公報 特開平7−305077号公報
このような状況下、本発明の目的は、硫黄分が低く、品質が良好で安定した石油留分、特に軽油留分を、簡素化された精製設備を用いて、経済的に有利に製造できる、炭化水素油の精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、留分ごとの硫黄分が、灯油及び軽油留分に対してナフサ留分に多く含まれる炭化水素油から、粗蒸留装置により軽質ガス及びLPガス留分を分離し、該軽質ガス及びLPガス留分を分離した残りの留出油を一括して水素化精製処理(脱硫)し、該水素化精製処理された留出油を常圧蒸留装置によって所望の留分に精留することにより、コンパクトな装置で簡素化された精製方法で、硫黄分が低く品質が安定した留分を得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の炭化水素油の精製方法は、
10容量%留出温度が35〜80℃、95容量%留出温度が230〜350℃且つ97容量%留出温度が250〜420℃の蒸留性状を有し、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多い炭化水素油から、粗蒸留装置にて少なくとも軽質ガスおよびLPガスを分離し、
該軽質ガスおよびLPガスを分離した炭化水素油を一括して水素化精製処理し、
該水素化精製処理された精製油を常圧蒸留装置にて常圧蒸留して、精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油及び精製重質軽油に分離する
ことを特徴とする。
本発明の炭化水素油の精製方法の好適例においては、前記常圧蒸留により精製全ナフサを分離した後、該精製全ナフサ留分をナフサ分離装置により精製軽質ナフサおよび精製重質ナフサに分離する。
本発明の炭化水素油の精製方法の他の好適例においては、前記精製軽質ナフサおよび精製重質ナフサ留分について、さらに水銀の吸着除去を行う。
本発明の炭化水素油の精製方法の他の好適例においては、前記常圧蒸留装置により分離された精製軽油が、硫黄分10wtppm以下の軽油である。
本発明の炭化水素油の精製方法においては、前記炭化水素油が天然ガスコンデンセートであることが好ましい。
本発明によれば、特定の性状をもつ炭化水素油を用いて、一括水素化精製処理(脱硫)した後に常圧蒸留装置により所望の留分に分離するので、コンパクトな装置で簡素化された精製方法により、硫黄分が低く品質が安定した留分、特に軽油留分を得ることができる。
図2に示す本発明の炭化水素油の精製方法の一例を説明するための構成図を参照しながら、以下に、本発明を詳細に説明する。
[原料炭化水素油]
本発明の炭化水素油の精製方法においては、原料炭化水素油として、10容量%留出温度が35〜80℃、好ましくは36〜72℃、95容量%留出温度が230〜350℃、好ましくは200〜350℃、97容量%留出温度が250〜420℃、好ましくは250〜400℃の蒸留性状を有し、常圧蒸留して得られるナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多い炭化水素油を用いる。
なお、本発明において、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多いとは、ナフサ留分として蒸留装置で炭素数が5の常温常圧で液体の炭化水素から沸点150℃にて分留を行い、灯油留分として蒸留装置で沸点150℃から250℃にて分留を行い、軽油留分として蒸留装置で沸点250℃から360℃にて分留を行った各留分に含まれる硫黄分について比較することを意味する。
ここで蒸留装置とは、液体混合物を沸点の差を利用して分離する装置で、常温、常圧で液体または固体の混合物でも温度と圧力の調節により液体混合物として蒸留により分離できる装置をいう。
一般的には、ナフサ留分とは沸点範囲30℃から200℃程度のものであり、灯油留分とは沸点範囲145℃から300℃程度のものであり、軽油留分とは沸点範囲170℃から370℃程度のものであり、本発明において、各留分の使用用途等により沸点範囲を上記の沸点範囲を逸脱しない範囲で適宜調整することができる。
本発明においては、原料炭化水素油中のナフサ留分に含まれる硫黄分は、灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多く、好ましくは、灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分の3〜800倍である。なお、原料炭化水素油中のナフサ留分に含まれる硫黄分は200〜8000wtppmの範囲が好ましく、灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分は10〜2500wtppmの範囲が好ましい。
本発明における一括水素化精製処理(脱硫)は、原料の炭化水素油から少なくとも軽質ガス及びLPガスを除いた留分を一括して水素化精製処理することから、各留分に含有される硫黄分の脱硫反応性の違いにより、より軽質留分の脱硫反応性が高くなる。そのため、ナフサ留分よりも灯油留分および軽油留分に硫黄分が少ない炭化水素油を用いた場合、灯油留分や軽油留分の脱硫率に着目して、反応温度を設定することができる。例えば、サルファーフリー軽油(硫黄分10wtppm以下)の精製に反応条件を設定した場合には、軽油留分より軽質な留分はより硫黄分が少なくなり、軽質ナフサ、重質ナフサのように、品質上軽油より硫黄分を少なくする必要が有るものについても、必要とする品質を満足する製品が得られる。
上記原料炭化水素油として、具体的には、天然ガスコンデンセートを挙げることができる。天然ガスコンデンセートとは、天然ガス田より天然ガスの採取、精製を行う過程で得られる常温、常圧で液体の炭化水素のことであり、油田から得られる一般の原油に比べて極めて軽質でナフサに近い性状である。天然ガスコンデンセートは、石油類の比重として欧米諸国で広く使われているAPI比重で50以上の軽質で、かつ硫黄分が少ないことから、API比重20〜50で硫黄分0〜3%程度である原油よりもガソリンなどの軽質の石油製品を多く精製できる原料である。天然ガスコンデンセートとしては、例えば、中東産のサウスパースコンデンセート、ノースフィールドコンデンセートを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
[粗蒸留装置での軽質ガス及びLPガスの分離]
本発明の炭化水素油の精製方法では、上記炭化水素油を粗蒸留装置11に送り、常圧蒸留して、軽質ガス(オフガス)及びLPガスと、それよりも高沸点の留分(軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油、軽油、重質軽油)からなる留出油とに分離する。なお、本発明の炭化水素油の精製方法では、粗蒸留装置11における常圧蒸留の前に、原料炭化水素油に対し脱水、脱塩、脱酸素などの前処理を行ってもよい。ここで、軽質ガスとは、石油精製プラントにおいて、各精製装置から発生する低沸点炭化水素、水素、硫化水素など製油所副生ガスから炭素数が3以上の炭化水素を除去した排ガス、すなわち液化し難い水素、硫化水素、炭素数が1または2の炭化水素(メタン、エタン等)を主体とする混合ガスであり、LPガスとは、LPGまたは、液化石油ガスとも呼ばれ、炭素数が3および4の炭化水素、すなわちプロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン、またはこれらを主成分とする石油製品である。
[水素化精製処理]
次に、本発明の炭化水素油の精製方法では、粗蒸留装置11で分離された留出油(少なくとも軽質ガス及びLPガスが分離除去された炭化水素油)を一括して水素化精製装置12に送り、例えば、触媒の存在下、水素(H2)と接触させて、脱硫などの水素化精製処理を行う。ここで、上記水素化精製装置12としては、気液下向並流型反応器を用いることが好ましい。
なお、本発明の炭化水素油の精製方法では、粗蒸留装置11でLPガスと共に留出したナフサ留分を粗ナフサ分離装置13で分離後、水素化精製装置12に送り、上記留出油と共に水素化精製処理を行ってもよい。
水素化精製処理に用いる水素源としては、水素含有ガスである限り特に制限されるものではないが、純度75%以上のものが好ましく、80%以上のものが更に好ましい。該水素源として、具体的には、後述する精製重質ナフサの接触改質処理を行う接触改質装置14から副生する水素等を使用することができる。
水素化精製処理用の触媒としては、水素化精製処理に使用できるものであればよく、例えば、Co−Mo系、Ni−Mo系、Ni−Co−Mo系の触媒などを用いることができる。
また、水素化精製処理の条件としては、圧力が2〜8MPa、特には5〜8MPaの範囲であることが好ましく、温度が280〜380℃、特には310〜360℃の範囲であることが好ましく、H2/油比が50〜200Nm3/kL、特には100〜200Nm3/kLの範囲であることが好ましく、LHSVが0.1〜5h-1、特には1〜3h-1の範囲であることが好ましい。
また、図示しないが、必要に応じて、水素化精製処理された精製油の一部を再度水素化精製装置12に返送して水素化処理しても良い。
[常圧蒸留装置での常圧蒸留]
次に、本発明の炭化水素油の精製方法では、水素化精製装置12で水素化精製処理された精製油を常圧蒸留装置15に送り、常圧蒸留して、精製LPガス、精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油及び精製重質軽油の各留分に分離する。ここで、精製軽質ナフサは、沸点が30℃以上100℃未満であり、精製重質ナフサは、沸点が75℃以上200℃未満であり、精製灯油は、沸点が145℃以上300℃未満であり、精製軽油は、沸点が170℃以上370℃未満であり、精製重質軽油は、沸点が345℃以上である。
この工程で、常圧蒸留装置15からナフサ留分を一括で留出させた後に、全ナフサ留分をナフサ分離装置16に送り、軽質ナフサ及び重質ナフサに分離してもよい。
また、図示しないが、必要に応じて、分離した精製軽油及び精製重質軽油を再度水素化精製装置12に返送して水素化精製処理してもよい。
上述したような水素化精製並びに分留処理によって、図2に示すように、軽質ガス、LPガス、精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油、精製重質軽油の各留分が得られる。
軽質ガスは、アミン精製装置17で酸ガスを分離し、燃料ガスとする一方、酸ガスを硫黄回収装置18に送り硫黄を回収してもよい。また、上述の粗ナフサ分離装置13にて分離されたLPガスは、LPガス処理装置19で不純物を除去した後、ブタン及びプロパンに分離後、それぞれ製品ガスとして使用することができる。
精製軽質ナフサは、そのままガソリンに調合することができる他、エチレン分解装置原料(石化原料)としたり、必要に応じ改質処理やスイートニング処理を行っても良い。精製重質ナフサは、接触改質装置14に送られ、接触改質装置14で異性化や芳香族化した後、ガソリンに調合したり、芳香族製品とすることができる。この接触改質装置14で副生する水素を、上述のように水素化精製装置12に送り水素化精製用水素源として利用でき、また副生するLPガス分をLPガス処理装置19から得られる精製LPガスに混合することもできる。
更に、精製灯油は、そのまま製品灯油とすることができ、また、精製軽油も、そのまま製品軽油とすることができる。なお、常圧蒸留装置15により分離された精製軽油は、硫黄分10wtppm以下の軽油(サルファーフリー軽油)であることが好ましい。また、精製重質軽油は、接触分解装置(図示せず)に送り、そこで接触分解によりガソリンに転換することができる。
上述した本発明の炭化水素油の精製方法は、原油を粗蒸留装置で常圧蒸留して軽質ガス及びLPガスと留出油とに分離し、留出油を一括して同一の水素化精製装置12で水素化精製処理することにより、原油を蒸留により細かく分留し、その後各留分毎に水素化精製処理する場合と比べ、製油所の装置構成が簡略化され、建設コストや、設置スペースを削減できる。また、原油処理量が少ない場合であっても装置構成のよりコンパクト化が可能となる。
[重金属の吸着除去]
上記原料炭化水素油、特に天然ガスコンデンセートは、一般的な原油に比べて水銀等の重金属分を多く含有することがある。そのため、水素化精製処理した精製油の分留後の留分である精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、場合によっては精製灯油留分について、吸着剤による重金属の吸着除去装置を設置して、重金属、特には水銀の吸着除去を行い、各精製留分の品質を更に高めることができる。なお、吸着除去装置(図示せず)は、常圧蒸留装置15の直後に設置することが好ましい。また、重金属の吸着除去には、活性炭などの吸着剤を使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、蒸留性状、密度、硫黄分、窒素分、動粘度、水銀濃度は、以下の方法に従って行った。
・蒸留性状:JIS K2254およびJIS K2601
・密度:JIS K2249
・硫黄分:JIS K2541
・窒素分:JIS K2609
・動粘度:JIS K2283
・水銀:自動水銀分析装置(日本インスツルメンツ社製、SP−3D)を用いて測定した。
(原料油の性状)
一般的な天然ガスコンデンセートとして、イランのサウスパースガス田から得られたコンデンセート(サウスパースコンデンセート)の性状を表1に、各留分の収率および性状を表2に示す。なお、他の例も含めて、収率の合計が100%にならないのは、蒸留ロスのためである。
Figure 2008280451
Figure 2008280451
また、一般的な原油として、中東産のマーバン原油(MU)、クウェート原油(KU)の性状を表3に、各留分の収率および硫黄分を表4に示す。
Figure 2008280451
Figure 2008280451
表1〜4から、サウスパースコンデンセートは、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油及び軽油留分に含まれる硫黄分より多いのに対し、一般的な原油は、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油及び軽油留分に含まれる硫黄分より少ないことが分かる。
(比較例1)
原料油として、API比重が33.5の混合原油(マーバン原油(MU):クウェート原油(KU):アラビアンライト:アラビアンヘビー:その他=20:14:12:12:42(vol%))を用いた。使用した混合原油の性状を表5に、各留分の収率を表6に示す。
Figure 2008280451
Figure 2008280451
上記混合原油を用いて、常圧蒸留装置によって各留分に蒸留分離した後、それぞれの留分ごとに水素化精製装置に供給して水素化精製した。各留分の水素化処理の条件と得られた各精製留分の性状を表7にまとめて示す。
Figure 2008280451
表7から、低硫黄分の軽油を得るためには、脱硫反応温度を上昇させざるを得ないことが分かる。なお、この場合、好ましくない副反応が起こり易く、品質の安定した軽油留分を得ることが難しいという問題がある。
(実施例1)
上記のサウスパースコンデンセートから常圧蒸留により軽質ガス及びLPガスを除いた軽質ナフサからの連続留分(炭素数がC5の常温常圧で液体の炭化水素からの全留分)を原料油とした。内径10mm×長さ300mmの反応器に、市販のCo−Mo系触媒を10cc充填した下向並流式の反応器を用い、水素純度:100%、圧力:5MPa、温度:310℃、H2/油比:200Nm3/kL、LHSV:3.0h-1の反応条件で、軽質ナフサからの連続留分を一括して水素化精製処理した。
水素化精製処理後の精製油を分留器に移して常圧蒸留し、軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油及び軽油の各留分に分離し、これら各留分の残留硫黄濃度を測定した。その結果、各留分の残留硫黄濃度は、軽質ナフサ:0.1wtppm、重質ナフサ:0.1wtppm、灯油:4wtppm、軽油:9wtppmであり、各留分を個別に水素化精製処理した比較例1のものと遜色なかった。
(実施例2)
上記のサウスパースコンデンセートから常圧蒸留により軽質ガス及びLPガスを除いた軽質ナフサからの連続留分(炭素数がC5の常温常圧で液体の炭化水素からの全留分)を原料油とした。内径10mm×長さ500mmの反応器に、市販のNi−Co−Mo系触媒を15cc充填した下向並流式反応器を用い、水素純度:100%、圧力:5MPa、温度:320℃、H2/油比:160Nm3/kL、LHSV:2.0h-1の反応条件で、軽質ナフサからの連続留分を一括して水素化精製処理した。
水素化精製処理後の精製油を分留器に移して常圧蒸留し、軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油及び軽油の各留分に分離し、これら各留分の残留硫黄濃度を測定した。その結果、各留分の残留硫黄濃度は、軽質ナフサ:0.1wtppm以下、重質ナフサ:0.1wtppm以下、灯油:3wtppm、軽油:8wtppmであり、各留分を個別に水素化精製処理した比較例1のものと遜色なかった。
これらの結果から、本発明によれば、石油精製の装置構成を大幅に簡略化し、従来と同程度の水素化処理効果が得られることが分かる。
従来の炭化水素油の精製方法の一例を説明するための構成図である。 本発明の炭化水素油の精製方法の一例を説明するための構成図である。
符号の説明
1,15 常圧蒸留装置
2,17 アミン精製装置
3,18 硫黄回収装置
4,19 LPガス処理装置
5 軽質ナフサ処理装置
6,8,10,12 水素化精製装置
7,14 接触改質装置
9 灯油精製装置
11 粗蒸留装置
13 粗ナフサ分離装置
16 ナフサ分離装置

Claims (5)

  1. 10容量%留出温度が35〜80℃、95容量%留出温度が230〜350℃且つ97容量%留出温度が250〜420℃の蒸留性状を有し、ナフサ留分に含まれる硫黄分が灯油留分および軽油留分に含まれる硫黄分より多い炭化水素油から、粗蒸留装置にて少なくとも軽質ガスおよびLPガスを分離し、
    該軽質ガスおよびLPガスを分離した炭化水素油を一括して水素化精製処理し、
    該水素化精製処理された精製油を常圧蒸留装置にて常圧蒸留して、精製軽質ナフサ、精製重質ナフサ、精製灯油、精製軽油及び精製重質軽油に分離する
    ことを特徴とする炭化水素油の精製方法。
  2. 前記常圧蒸留により精製全ナフサを分離した後、該精製全ナフサ留分をナフサ分離装置により精製軽質ナフサおよび精製重質ナフサに分離することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の精製方法。
  3. 前記精製軽質ナフサ留分および精製重質ナフサ留分について、さらに水銀の吸着除去を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素油の精製方法。
  4. 前記常圧蒸留装置により分離された精製軽油が、硫黄分10wtppm以下の軽油であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の精製方法。
  5. 前記炭化水素油が天然ガスコンデンセートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素油の精製方法。
JP2007126813A 2007-05-11 2007-05-11 炭化水素油の精製方法 Active JP5345298B2 (ja)

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