JP2008280219A - 水素製造用アルコールおよび水素の製造方法 - Google Patents

水素製造用アルコールおよび水素の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改質用触媒の存在下でのアルコールの水蒸気改質に際し、改質用触媒の経時的な性能低下を抑制して、長期に亘って安定した水素製造が可能な水素製造用エアルコールを提供する。
【解決手段】アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有することを特徴とする水素製造用アルコール。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素製造の原料に用いられるアルコールおよびこのアルコールを水蒸気改質反応させて水素を製造する方法に関する。
アルコール、例えばエタノールと高温の水蒸気を反応させて水素を生成する水蒸気改質反応は、触媒の存在下で下記式(1)によりなされる。
25OH+3H2O⇔6H2+2CO2 …(1)
適切な反応温度、エタノールと水蒸気の比、触媒を選択することにより、前記式(1)の反応が右方向に進行して、水素を得ることが可能である。
実際の水素の製造においては、主生成物である水素、副生成物である二酸化炭素に加えて、一酸化炭素、メタン、固形炭素等が生成し、前記式(1)の反応が完全に進行しない。このため、水素の収率はエタノール1モルから得られる水素の量すなわち理論上の6モルに達しない。
このようなことから特許文献1,2には、改質反応のような副生成物として二酸化炭素が生成する反応において、従来の固体触媒に加え、リチウム複合酸化物を含む無機の二酸化炭素吸収体を用いることによって、400℃を超える高温反応場から二酸化炭素を除去し、前記式(1)の化学平衡を主生成物の生成側にシフトさせて水素を効率的に得る方法が開示されている。リチウム複合酸化物の中でリチウムシリケートは特に二酸化炭素吸収速度が大きいため化学平衡のシフトに適した材料であることが知られている。リチウムシリケートによる二酸化炭素吸収の反応を下記式(2)に示す。
Li4SiO4+CO2⇔Li2CO3+Li2SiO3 …(2)
前記式(2)において、右向きの反応が起きれば、反応場の二酸化炭素がリチウムシリケートと反応して吸収される。二酸化炭素吸収材をエタノールの水蒸気改質の反応場に存在させることによって、平衡のシフトにより水素の収率が増大し、同時に二酸化炭素、一酸化炭素、メタン等の不純物の濃度が低下する。その結果、エネルギー変換効率が高くなり、水分除去後の水素濃度が96%にまで達することが計算により示されている。したがって、二酸化炭素吸収材を共存させない場合に比べてより効率の良い水素の製造は可能である。
しかしながら、水蒸気改質反応場に触媒のみを存在させる、触媒および二酸化炭素吸収材を存在させる、いずれの場合でもエタノールを原料として水素の製造を繰り返すと、触媒表面、触媒と二酸化炭素吸収材の表面に炭素が析出する等の現象が発生して、それらの触媒、二酸化炭素吸収材の性能が経時的に低下する。
特開平10−152302号公報 特開2002−274809
本発明は、水蒸気改質反応の原料に適したアルコール、特にエタノールを提供しようとするものである。
また、本発明は改質用触媒の存在下、または改質用触媒と二酸化炭素吸収材の存在下でのアルコール、特にエタノールを水蒸気改質反応させる際、改質用触媒または改質用触媒と二酸化炭素吸収材の経時的な性能低下を抑制することが可能な水素製造方法を提供するものである。
本発明によると、アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有することを特徴とする水素製造用アルコールが提供される。
また本発明によると、アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有するアルコールを改質用触媒の存在下で水蒸気改質反応させることを特徴とする水素の製造方法が提供される。
本発明によれば、水蒸気改質反応の原料に適したアルコールを提供することができる。
また本発明によれば、改質用触媒の存在下、または改質用触媒と二酸化炭素吸収材の存在下でのアルコールを水蒸気改質反応させる際、改質用触媒または改質用触媒と二酸化炭素吸収材の経時的な性能低下を抑制して長期に亘り水素を高収率で安定的に製造することが可能な方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態に係る水素製造用アルコールおよび水素の製造方法を詳細に説明する。
実施形態に係る水素製造用エタノールは、アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有する。
前記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等が挙げられ、単独または混合物の形態で用いることができる。これらのアルデヒド類の中で、特にアセトアルデヒドが好ましい。前記エーテル類としては、例えばジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,1−ジエトキシエタン等が挙げられ、単独または混合物の形態で用いることができる。これらのエーテル類の中で、特に1,1−ジエトキシエタンが好ましい。アルデヒド類およびエーテル類の中ではアセトアルデヒドが最も好ましい。アルデヒド類およびエーテル類は、混合して用いることができる。
エタノール中のアルデヒド類およびエーテル類は、例えば質量検出器付きガスクロマトグラフにより定量分析することができる。
前記アルデヒド類のような有機化合物の含有量を0.005体積%未満にすると、エタノールの水蒸気改質反応の際、改質用触媒(およびこの触媒と共存される二酸化炭素吸収材)への炭素析出を防ぐことが困難になり、これらの性能が経時的に低下する虞がある。前記アルデヒド類のような有機化合物の含有量の上限は、20体積%であることが好ましい。より好ましい有機化合物の含有量は、0.005〜10体積%、最も好ましい有機化合物の含有量は0.1〜2.0体積%である。
実施形態に係る水素の製造方法は、前述したアルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有するアルコール、特にエタノールを原料とし、改質用触媒の存在下で水蒸気改質反応させる。この水蒸気改質の反応場には、改質用触媒と共に二酸化炭素吸収材を共存させることを許容する。
このような水素の製造方法を図1を参照して具体的に説明する。図1は、実施形態に係るエタノールからの水素製造に用いられる改質反応装置を示す部分断面図である。
改質反応器1は、両端にフランジ2a,2bを有する円筒状本体3と、この本体3の一端(上端)のフランジ2aに当接され、ガス導入管4を有する上部円環状蓋体5と、前記本体3の他端(下端)のフランジ2bに当接され、生成ガス排出管6を有する下部円環状蓋体7とを備えている。前記円筒状本体3のフランジ2a,2bには、複数のボルト挿通穴(図示せず)が開口され、前記各円環状蓋体5、7にもこれら挿通穴に対応してボルト挿通穴(図示せず)が開口され、円筒状本体3上端のフランジ2aと上部円環状蓋体5の合致したボルト挿通穴、および円筒状本体3下端のフランジ2bと下部円環状蓋体7の合致したボルト挿通穴にボルトをそれぞれ挿入し、ナットで締め付けることによって、各円環状蓋体5、7が円筒状本体3に固定される。
前記上部円環状蓋体5におけるガス導入管4の開口部および前記下部円環状蓋体7における生成ガス排出管6の開口部には、メッシュ8,9がそれぞれ取り付けられている。前記生成ガス排出管6には、背圧弁10および圧力計11が備えられている。改質用触媒12およびリチウム複合酸化物を含む二酸化炭素吸収材13は、前記改質反応器1の円筒状本体3内に混合してそれぞれ充填されている。
なお、前記円筒状本体3を含むガス導入管4の一部および生成ガス排出管6の一部の外周面には加熱源、例えば所定の温度に加熱された燃焼ガスが流通する加熱部材(図示せず)が設けられている。
図1に示す改質反応装置を用いて実施形態に係るエタノールからの水素の製造方法を以下に説明する。
アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有するエタノールと水を混合したエタノール水溶液を予め蒸気化し、このエタノール蒸気および水蒸気をガス導入管4を通して円筒状本体3内に充填された改質用触媒12とリチウム複合酸化物(例えばリチウムシリケート)を含む二酸化炭素吸収材13に流通、接触させる。このとき、加熱部材(図示せず)に燃焼ガスを流通させることにより本体3内を所望の温度に加熱する。このようなエタノール蒸気および水蒸気の円筒状本体3内への導入、円筒状本体3の加熱によって、改質用触媒12の存在下でエタノールが前述した式(1)に従って水蒸気改質反応がなされて主に水素と二酸化炭素が生成され、同時に二酸化炭素が改質用触媒12と共存された二酸化炭素吸収材(リチウムシリケート)13と前述した式(2)に従って反応して吸収、除去される。その結果、前述した式(1)の反応が促進される。生成した水素は、生成ガス排出管6を通して回収される。
前記改質用触媒は、例えば担体に触媒金属微粒子を担持した構造のものが用いられる。前記担体としては、例えばアルミナ、マグネシア、セリア、酸化ランタン、ジルコニア、シリカ、チタニア等を挙げることができる。前記触媒金属としては、例えばニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、コバルト等を挙げることができ、特にニッケル、ロジウムが好ましい。
前記二酸化炭素吸収材としては、リチウム複合酸化物単独、或いはリチウム複合酸化物と炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムのようなアルカリ炭酸塩またはアルカリ酸化物等のアルカリ化合物との混合物が挙げられる。リチウム複合酸化物としては、例えばリチウムシリケート、リチウムジルコニア等を挙げることができ、特にリチウムシリケートが好ましい。リチウムシリケートは、例えばLixSiyz(ただしx+4y−2z=0)で示されるものを用いることができる。このような式で示されるリチウムシリケートとしては、例えばリチウムオルトシリケート(Li4SiO4)、リチウムメタシリケート(Li2SiO3)、Li6Si27、Li8SiO6等を用いることができる。特に、リチウムオルトシリケートは吸収と放出での温度が高く、高温での炭酸ガスの分離が可能であるため、好ましい。なお、これらのリチウムシリケートは、実際には化学式で示す化学量論比とは多少組成が異なってもよい。
前記改質用触媒と二酸化炭素吸収材の混合比は、各材料の種類、形状によるが、重量比で1:1〜1:8にすることが好ましい。
前記改質用触媒および二酸化炭素吸収材は、粒、ペレットの形状を有することが好ましく、その大きさ(特に径)は2〜10mmであることが望ましい。それらの大きさを2mm未満にすると、エタノール水溶液の蒸気の流通による圧力損失が大きくなり水素の生成効率が低下する虞がある。一方、それらの大きさが10mmを超えると、特に二酸化炭素吸収材内での各種ガスの拡散が律速となり反応を完結させるのが困難となる。
前記二酸化炭素吸収材は、2〜50μmの一次粒子から構成される多孔体であることが好ましい。このような多孔質体からなる二酸化炭素吸収材は、二酸化炭素との高い反応性を示す。
前記改質反応器の円筒状本体内部の圧力は、背圧弁10により制御することが可能で、その圧力は1〜15気圧にすることが好ましい。前記円筒状本体内での水蒸気改質時の温度は、圧力により最適な値が異なるが、1〜15気圧の場合、500〜750℃にすることが好ましい。
前記水蒸気改質反応において、二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収して、その吸収性能が低下した場合には、再生することが可能である。すなわち、二酸化炭素吸収材(例えばリチウムシリケート)は前述した式(2)のように二酸化炭素との反応が可逆反応である。このため、二酸化炭素を吸収したリチウムシリケートを加熱することによって、二酸化炭素を放出させて再生することができる。
前記二酸化炭素吸収材の再生は、二酸化炭素雰囲気下で行うことにより二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を高純度の二酸化炭素として回収することが可能となる。このとき再生は、大気圧、900℃以下の条件で行うことが好ましい。この再生時の温度が900℃を超えると、二酸化炭素吸収材(例えばリチウムシリケート)の劣化が激しくなる虞がある。一方、二酸化炭素吸収材の再生を窒素や空気のような二酸化炭素を含まない雰囲気下で行う場合には、二酸化炭素の回収、利用が制限されるものの、再生は大気圧で550〜700℃と比較的低温の条件で行うことが可能になる。
このようにリチウム複合酸化物を含む二酸化炭素吸収材(例えばリチウムシリケート)は、二酸化炭素の吸収、再生が可能であるため、予め複数の反応器を用意し、少なくとも1つの反応容器で前記水蒸気改質を行わせ、同時に残りの反応容器で二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収材から二酸化炭素を放出させることが可能になり、水素をほぼ連続的に製造することが可能になる。
前記アルデヒド類のような有機化合物の含有量を0.005体積%未満にすると、エタノールの水蒸気改質反応の際、改質用触媒(およびこの触媒にと共存される二酸化炭素吸収材)への炭素析出を防ぐことが困難になり、これらの性能が経時的に低下する虞がある。前記アルデヒド類のような有機化合物の含有量の上限は、20体積%であることが好ましい。より好ましい有機化合物の含有量は、0.005〜10体積%、最も好ましい有機化合物の含有量は0.1〜2.0体積%である。
以上、実施形態によれば改質用触媒が充填された反応器あるいは改質用触媒と二酸化炭素吸収材が混合して充填された反応器でのエタノールの水蒸気改質に際し、アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有するエタノールを用いることによって、前記改質用触媒(およびこの触媒と共存される二酸化炭素吸収材)への炭素析出を防止することができる。その結果、改質用触媒や二酸化炭素吸収材の経時的な性能低下を抑制することができるため、長期に亘り水素を高収率で安定的に製造することが可能な水素の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す改質反応装置を使用して水素を生成させた。改質反応器1の円筒状本体3は、内径が0.40m、充填層高さが1.0mである。この内部に改質用触媒40gを充填した。改質用触媒としては、ロジウムを約5重量%担持した平均粒径5mmのセリア粒子を用いた。原料ガスは、アセトアルデヒドを0.005体積%含有するエタノールと水をモル比(エタノールと水のモル比)1:6で混合し、このエタノール水溶液を加熱して蒸気とし、ガス導入管4を通して600℃に加熱した前記円筒状本体3に0.033m3/hr(気体の標準状態換算)の量で供給してエタノールの水蒸気改質を行った。このとき、前記改質反応器1の円筒状本体3内を背圧弁10の絞り調節により、5気圧に調整した。
(実施例2)
前記エタノールとしてアセトアルデヒドを10体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例3)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを0.005体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例4)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを10体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例5)
前記エタノールとしてアセトアルデヒド5体積%および1,1−ジエトキシエタン5体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(比較例1)
前記エタノールとしてアセトアルデヒドを0.001体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(比較例2)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを0.001体積%含有するものを使用した以外、実施例1と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
実施例1〜5および比較例1,2において、エタノール水溶液の蒸気を改質反応器1の円筒状本体3に流通し、その開始から30分後に生成ガス排出管6から排気されたガスから水分を除去した後、ガスの組成をガスクロマトグラフィ(ジーエルサイエンス社製;マイクロGC[機種名;CP4900])で分析した。
また、前記操作を200回繰り返した時の生成ガス排出管6から排気されたガスの組成をガスクロマトグラフィ(ジーエルサイエンス社製;マイクロGC[機種名;CP4900])で分析し、水素濃度を求めた。
これらの結果を下記表1に示す。
Figure 2008280219
前記表1から明らかように実施例1〜5では初期のエタノールの水蒸気改質により得られた生成ガス中の水素濃度が57体積%を超える高濃度となり、これを200回繰返した時においても水素濃度が55〜57体積%と高濃度を維持することがわかる。
これに対し、比較例1、2では初期のエタノールの水蒸気改質により得られた生成ガス中の水素濃度は57体積%を超える高濃度であったが、200回繰返した時では、水素濃度が35体積%まで低下していた。
(実施例6)
図1に示す改質反応装置を使用して水素を生成させた。改質反応器1の円筒状本体3は、内径が0.40m、充填層高さが1.0mである。この内部に改質用触媒40g、二酸化炭素吸収材240gを混合して充填した。改質用触媒としては、ロジウムを約5重量%担持した平均粒径5mmのセリア粒子を用いた。二酸化炭素吸収材としては、リチウムシリケートの粉末を加圧成形することにより直径5mm、長さ5mmとした圧粉体(多孔質体)を用いた。原料ガスはアセトアルデヒドを0.005体積%含有するエタノールと水をモル比(エタノールと水のモル比)1:6で混合し、このエタノール水溶液を加熱して蒸気とし、ガス導入管4を通して600℃に加熱した前記円筒状本体3に0.033m3/hr(気体の標準状態換算)の量で供給してエタノールの水蒸気改質を行った。このとき、前記改質反応器1の円筒状本体3内を背圧弁10の絞り調節により、5気圧に調整した。
(実施例7)
前記エタノールとしてアセトアルデヒドを10体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例8)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを0.005体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例9)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを10体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(実施例10)
前記エタノールとしてアセトアルデヒド5体積%および1,1−ジエトキシエタン5体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(比較例3)
前記エタノールとしてアセトアルデヒドを0.001体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
(比較例4)
前記エタノールとして1,1−ジエトキシエタンを0.001体積%含有するものを使用した以外、実施例6と同様な方法によりエタノールの水蒸気改質を行った。
実施例6〜10および比較例3,4において、エタノール水溶液の蒸気を改質反応器1の円筒状本体3に流通し、その開始から30分後に生成ガス排出管6から排気されたガスから水分を除去した後、ガスの組成をガスクロマトグラフィ(ジーエルサイエンス社製;マイクロGC[機種名;CP4900])で分析した。
また、前記操作を200回繰り返した時の生成ガス排出管6から排気されたガスの組成をガスクロマトグラフィ(ジーエルサイエンス社製;マイクロGC[機種名;CP4900])で分析し、水素濃度を求めた。
これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2008280219
前記表2から明らかように実施例6〜10では初期のエタノールの水蒸気改質により得られた生成ガス中の水素濃度が98体積%を超える高濃度となり、これを200回繰返した時においても水素濃度が96〜97体積%と高濃度を維持することがわかる。
これに対し、比較例3,4では初期のエタノールの水蒸気改質により得られた生成ガス中の水素濃度は98体積%を超える高濃度であったが、200回繰返した時では、水素濃度が40体積%まで低下していた。
実施例においては、エタノールを使用したが、本発明はエタノールに限定されるものではなく、メタノール等の他のアルコールにも適用可能なものである。
実施形態に係るエタノールからの水素製造に用いられる改質反応装置を示す部分断面図。
符号の説明
1…改質反応器、3…円筒状本体、4…ガス導入管、6…生成ガス排出管、10…背圧弁、12…改質用触媒、13…二酸化炭素吸収材(リチウムシリケート)

Claims (6)

  1. アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有することを特徴とする水素製造用アルコール。
  2. 前記アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項1記載の水素製造用アルコール。
  3. アルデヒド類およびエーテル類から選ばれる少なくとも1つの有機化合物を0.005体積%以上含有するアルコールを改質用触媒の存在下で水蒸気改質反応させることを特徴とする水素の製造方法。
  4. 前記アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項3記載の水素の製造方法。
  5. 前記水蒸気改質反応の場に改質用触媒と共に二酸化炭素吸収材を共存させることを特徴とする請求項3記載の水素の製造方法。
  6. 前記二酸化炭素吸収材がリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする請求項5記載の水素の製造方法。
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