JP2008280103A - エレベータの安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧式エレベータにおいて、戸開き走行を確実に防止することができる安全装置を提供する。
【解決手段】油圧式エレベータに、主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、非常止め装置を動作させる非常止め動作手段を設置する。また、制御装置21に、かごの移動の有無を判定するかご移動有無判定部22と、油圧パワー装置8に対する走行指令の有無を判定する走行指令有無判定部24と、かご戸の所定の戸開き状態を判定する戸開き判定部25とを備える。そして、上記かご移動有無判定部22によってかご移動有りが、走行指令有無判定部24によって走行指令無しが、戸開き判定部25によってかご戸の所定の戸開き状態が判定された場合に、非常止め動作手段に対する動作指令を出力する。
【選択図】図3
【解決手段】油圧式エレベータに、主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、非常止め装置を動作させる非常止め動作手段を設置する。また、制御装置21に、かごの移動の有無を判定するかご移動有無判定部22と、油圧パワー装置8に対する走行指令の有無を判定する走行指令有無判定部24と、かご戸の所定の戸開き状態を判定する戸開き判定部25とを備える。そして、上記かご移動有無判定部22によってかご移動有りが、走行指令有無判定部24によって走行指令無しが、戸開き判定部25によってかご戸の所定の戸開き状態が判定された場合に、非常止め動作手段に対する動作指令を出力する。
【選択図】図3
Description
この発明は、エレベータの安全装置に関するものである。
油圧式エレベータでは、一般に、油圧パワー装置によって油圧ジャッキの油圧等を制御することにより、プランジャを上下動させて、かごを走行及び停止させている。また、利用者が上記構成のエレベータを乗り降りする間、上記かごは正規着床位置(例えば、かごの床面と乗場の床面とが同じ高さになる位置から上下に所定の範囲内)に停止されており、上記油圧パワー装置で上記プランジャが移動しないように油圧等を一定に保つことにより、かごの上下動を防止している(例えば、特許文献1参照)。
油圧式エレベータでは、特許文献1記載のもののように、かごの着床時、油圧パワー装置で油圧等を制御することによってかごの上下動を防止しているため、配管トラブル等によって油漏れが発生してしまうと、エレベータの戸が開いたままかごが下降してしまう可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、油圧式エレベータにおいて、戸開き走行を確実に防止することができるエレベータの安全装置を提供することである。
この発明に係るエレベータの安全装置は、エレベータ昇降路内を昇降するかごと、かごに設けられたかご戸と、かごを懸架する主ロープを介してかごを駆動する油圧ジャッキと、走行指令に基づいて油圧ジャッキを制御する油圧パワー装置と、かごに設けられ、主ロープが弛緩した際に、かごの下降を阻止する非常止め装置と、主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、非常止め装置を動作させる非常止め動作手段と、かご戸が所定の戸開き状態の時にかごの移動が検出され、且つ油圧パワー装置に対する走行指令が無い場合に、非常止め動作手段に対する動作指令を出力する非常止め動作制御部と、を備えたものである。
また、この発明に係るエレベータの安全装置は、エレベータ昇降路内を昇降するかごと、かごに設けられたかご戸と、かごを懸架する主ロープを介してかごを駆動する油圧ジャッキと、走行指令に基づいて油圧ジャッキを制御する油圧パワー装置と、かごに設けられ、主ロープが弛緩した際に、かごの下降を阻止する非常止め装置と、主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、非常止め装置を動作させる非常止め動作手段と、かごの移動の有無を判定するかご移動有無判定部と、油圧パワー装置に対する走行指令の有無を判定する走行指令有無判定部と、かご戸の所定の戸開き状態を判定する戸開き判定部と、かご移動有無判定部によってかご移動有りが、走行指令有無判定部によって走行指令無しが、戸開き判定部によってかご戸の所定の戸開き状態が判定された場合に、非常止め動作手段に対する動作指令を出力する非常止め動作制御部と、を備えたものである。
この発明によれば、油圧式エレベータにおいて、戸開き走行を確実に防止することができるようになる。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における油圧式エレベータを示す正面図、図2は図1に示すA部拡大図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの安全装置を示す構成図である。
図1はこの発明の実施の形態1における油圧式エレベータを示す正面図、図2は図1に示すA部拡大図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの安全装置を示す構成図である。
図1乃至図3において、1はエレベータ昇降路内を昇降するかご、2は昇降路内に立設され、かご1の走行方向を案内するガイドレール、3はかご1に設けられ、かご1に形成された出入口を開閉するかご戸、4はかご1に設けられた戸閉検出スイッチである。上記戸閉検出スイッチ4は、例えば、上記かご戸3が所定の全閉状態の時に、かご戸3に設けられたカム(図示せず)に付勢されて戸閉信号を出力する。5は一端部がかご1に、他端部が昇降路底部等の固定体6に弾性的に連結されて、かご1を懸架する主ロープ、7は昇降路内に立設され、上記主ロープ5を介してかご1を駆動する油圧ジャッキである。
上記油圧ジャッキ7は、油圧パワー装置8によって制御され、例えば、シリンダ9、プランジャ10、返し車11によって構成される。そして、上端部に返し車11が回動自在に設けられたプランジャ10の上下動を油圧パワー装置8によって制御することにより、主ロープ5の移動を介してかご1を走行(昇降)及び停止させる。また、かご1が乗場に停止し、利用者がかご1に乗り降りする間は、上記プランジャ10が上下動しないように油圧等が制御され、かご1が正規着床位置に支持される。
12は昇降路の底部に配置された調速用返し車であり、取付腕13によってガイドレール2に回動自在に固定されている。なお、調速用返し車12の軸には、その回転角度を検出するロータリエンコーダ14が設けられている。15は調速機の綱車(図示せず)と調速用返し車12とに巻き掛けられるとともに、その一部がかご1に連結されることにより、かご1に連動して移動する無端状の調速用ロープである。なお、上記ロータリエンコーダ14を調速機の綱車に設置して、綱車の回転角度を検出するようにしても良い。
16はかご1に設けられた非常止め装置である。この非常止め装置16は、主ロープ5が弛緩した際に、かご1の下降を阻止するように動作する。例えば、かご1に設けられた綱止め梁1aが主ロープ5の弛緩によってかご室に対して移動することにより、レバー16aが非常止め装置16を動作させるように回転し、楔作用によってかご1を停止させる。
また、非常止め動作手段17は、戸開き走行を防止するために、上記主ロープ5の弛緩とは関係なく、非常止め装置16を動作させるための手段であり、戸開き走行が検出されると、上記レバー16aを、主ロープ5が弛緩した時と同じように動作させて、かご1を緊急停止させる。この非常止め動作手段17は、例えば、レバー16aにその下端部が連結されたロッド18と、かご1上に設けられ、所定の動作指令に応じてロッド18を引き上げることにより、上記レバー16aに、主ロープ5が弛緩した時と同じ動きをさせて非常止め装置16を動作させるロッド引き上げ手段19(ロッド操作手段)とから構成される。即ち、上記ロッド18は、常時は非常止め装置16が動作しない所定位置にレバー16aを保持するとともに、動作指令によってロッド引き上げ手段19のコイルが励磁されると、上方に付勢されて引き上げられ、レバー16aを、非常止め装置16が動作する所定の位置に移動させる。なお、上記非常止め動作手段17は、その一例を示したものであり、上記構成に限られるものではない。即ち、上記と同様の機能を備えていれば、その構成は如何なるものでも構わない。
また、20は非常止め動作手段17に設けられた検出スイッチである。この検出スイッチ20は、非常止め動作手段17が動作したことを検出し、エレベータの安全回路(図示せず)を作動させるための非常信号を出力する。
次に、エレベータの全体制御を司る制御装置21の構成について具体的に説明する。制御装置21には、例えば、かご移動有無判定部22、走行制御部23、走行指令有無判定部24、戸開き判定部25、非常止め動作制御部26が備えられている。かご移動有無判定部22は、かご1が移動しているか否かを判定するための手段である。このかご移動有無判定部22は、例えば、ロータリエンコーダ14からのパルス出力に基づき、かご移動量を検出し、所定の単位時間内に所定の基準値を超えるかご移動量が検出されると、かご移動有りを判定する。
走行制御部23は、登録されたかご呼び等に基づいて、かご1を走行させるための走行指令を出力するための手段である。即ち、上記油圧パワー装置8は、走行指令部23からの走行指令によって油圧や油量等を制御し、かご1を走行させる。走行指令有無判定部24は、上記走行制御部23から走行指令が出力されているか否かを判定するための手段である。即ち、走行制御部23から油圧パワー装置8に対して走行指令が出力されている場合に、走行指令有りを判定する。また、戸開き判定部25は、かご戸3が所定の戸開き状態であるか否かを判定するための手段であり、例えば、戸閉検出スイッチ4から戸閉信号が入力されていない場合に、かご戸3が上記所定の戸開き状態であると判定する。
非常止め動作制御部26は、所定の条件下、非常止め装置16を動作させるための手段であり、例えば、かご移動有無判定部22、走行指令有無判定部24、戸開き判定部25の各判定結果に基づいて戸開き走行が検出されると、動作指令を出力してロッド引き上げ手段19を動作させる。
次に、上記構成を有するエレベータの安全装置の動作について説明する。図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの安全装置の動作を示すフローチャートである。
エレベータの通常運転時、かご移動有無判定部22によるかご移動の有無の判定(S1)、走行指令有無判定部24による走行指令の有無の判定(S2)、戸開き判定部25による戸開き状態の判定(S3)が、常時行われている。そして、走行指令が無く戸開き状態の時にかご1が移動すると、かご移動有無判定部22によってかご移動有りが、走行指令有無判定部24によって走行指令無しが、戸開き判定部25によって所定の戸開き状態が判定され、S4に進む。
S4では、非常止め動作制御部26は、上記各判定結果に基づいて戸開き走行を検出し、ロッド引き上げ手段19に対して動作指令を出力する。そして、この動作指令によって非常止め装置16が動作し、かご1が緊急停止される(S5)。また、非常止め動作手段17が動作することにより、検出スイッチ20から非常信号が出力され、エレベータの安全回路が作動する(S6)。なお、S6において安全回路が作動することにより、エレベータはその後再起不能になり、エレベータの保守員による手動復帰がなされるまで停止状態となる。
この発明の実施の形態1によれば、油圧式エレベータにおける戸開き走行を確実に防止することが可能となる。したがって、万一、配管トラブル等が発生して、利用者の乗降時にプランジャ10が下降した場合であっても、戸開き走行の発生と同時にエレベータを非常停止させることができ、安全性を更に向上させることが可能となる。
なお、上記実施の形態1では、非常止め動作手段17をかご1に設け、戸開き走行の検出時に非常止め装置16のレバー16aを直接動作させる場合について説明した。一方、上記非常止め手段17を他の部分に設置しても、戸開き走行の検出時に非常止め装置16を動作させることは可能である。例えば、調速機を備えた油圧式エレベータでは、非常止め動作手段を調速機の近傍等に設置し、非常止め動作制御部26から動作指令が出力された際に、調速機の本来の機能とは無関係に、調速用ロープ15の移動を阻止するように動作させても良い。かかる場合には、実施の形態1と同様の効果を奏することができるとともに、上記ロッド18やロッド引き上げ手段19等が不要になる。
1 かご、 1a 綱止め梁、 2 ガイドレール、 3 かご戸、
4 戸閉検出スイッチ、 5 主ロープ、 6 固定体、 7 油圧ジャッキ、
8 油圧パワー装置、 9 シリンダ、 10 プランジャ、 11 返し車、
12 調速用返し車、 13 取付腕、 14 ロータリエンコーダ、
15 調速用ロープ、 16 非常止め装置、 16a レバー、
17 非常止め動作手段、 18 ロッド、 19 ロッド引き上げ手段、
20 検出スイッチ、 21 制御装置、 22 かご移動有無判定部、
23 走行制御部、 24 走行指令有無判定部、 25 戸開き判定部、
26 非常止め動作制御部
4 戸閉検出スイッチ、 5 主ロープ、 6 固定体、 7 油圧ジャッキ、
8 油圧パワー装置、 9 シリンダ、 10 プランジャ、 11 返し車、
12 調速用返し車、 13 取付腕、 14 ロータリエンコーダ、
15 調速用ロープ、 16 非常止め装置、 16a レバー、
17 非常止め動作手段、 18 ロッド、 19 ロッド引き上げ手段、
20 検出スイッチ、 21 制御装置、 22 かご移動有無判定部、
23 走行制御部、 24 走行指令有無判定部、 25 戸開き判定部、
26 非常止め動作制御部
Claims (5)
- エレベータ昇降路内を昇降するかごと、
前記かごに設けられたかご戸と、
前記かごを懸架する主ロープを介して前記かごを駆動する油圧ジャッキと、
走行指令に基づいて前記油圧ジャッキを制御する油圧パワー装置と、
前記かごに設けられ、前記主ロープが弛緩した際に、前記かごの下降を阻止する非常止め装置と、
前記主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、前記非常止め装置を動作させる非常止め動作手段と、
前記かご戸が所定の戸開き状態の時に前記かごの移動が検出され、且つ前記油圧パワー装置に対する走行指令が無い場合に、前記非常止め動作手段に対する動作指令を出力する非常止め動作制御部と、
を備えたことを特徴とするエレベータの安全装置。 - エレベータ昇降路内を昇降するかごと、
前記かごに設けられたかご戸と、
前記かごを懸架する主ロープを介して前記かごを駆動する油圧ジャッキと、
走行指令に基づいて前記油圧ジャッキを制御する油圧パワー装置と、
前記かごに設けられ、前記主ロープが弛緩した際に、前記かごの下降を阻止する非常止め装置と、
前記主ロープの弛緩とは関係無く、要時に、前記非常止め装置を動作させる非常止め動作手段と、
前記かごの移動の有無を判定するかご移動有無判定部と、
前記油圧パワー装置に対する走行指令の有無を判定する走行指令有無判定部と、
前記かご戸の所定の戸開き状態を判定する戸開き判定部と、
前記かご移動有無判定部によってかご移動有りが、前記走行指令有無判定部によって走行指令無しが、前記戸開き判定部によって前記かご戸の所定の戸開き状態が判定された場合に、前記非常止め動作手段に対する動作指令を出力する非常止め動作制御部と、
を備えたことを特徴とするエレベータの安全装置。 - かご移動有無判定部は、調速機の綱車及び調速用返し車の何れか一方に設けられたロータリエンコーダからのパルス出力に基づいて、かごの移動の有無を判定することを特徴とする請求項2に記載のエレベータの安全装置。
- 非常止め動作手段が動作したことを検出し、エレベータの安全回路を作動させる検出スイッチと、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のエレベータの安全装置。 - 非常止め動作手段は、
主ロープが弛緩した時に非常止め装置を動作させるように動くレバーに、その一端部が連結されたロッドと、
前記かごに設けられ、非常止め動作制御部からの動作指令に基づいて前記ロッドを操作することにより、前記レバーに、前記主ロープが弛緩した時と同じ動きをさせるロッド操作手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のエレベータの安全装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007123603A JP2008280103A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | エレベータの安全装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007123603A JP2008280103A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | エレベータの安全装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008280103A true JP2008280103A (ja) | 2008-11-20 |
Family
ID=40141254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007123603A Pending JP2008280103A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | エレベータの安全装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008280103A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102275795A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-12-14 | 中国矿业大学 | 一种恒减速制动转换装置 |
JP2013184799A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Mitsubishi Electric Corp | 油圧式エレベータ、及び油圧式エレベータの戸開走行防止方法 |
-
2007
- 2007-05-08 JP JP2007123603A patent/JP2008280103A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102275795A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-12-14 | 中国矿业大学 | 一种恒减速制动转换装置 |
CN102275795B (zh) * | 2011-06-10 | 2013-10-30 | 中国矿业大学 | 一种恒减速制动转换装置 |
JP2013184799A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Mitsubishi Electric Corp | 油圧式エレベータ、及び油圧式エレベータの戸開走行防止方法 |
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