JP2008280027A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】後輪操舵システムの失陥で後輪にスラスト角が生じても、車両を直進させるステアリング位置にハンドル角を容易に制御できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】後輪操舵システムの失陥等によって後輪が中立点からずれた状態のときは、ヨーレートを用いて舵角信号のゼロ点を補正することにより、ステアリングの中立点を補正する。舵角−ヨーレートのループ特性は、図に示すように、通常の操舵時には破線のように反時計方向のループを示すヒステリシス特性となるが、後輪の失陥時には舵角軸のプラス方向へ平行移動して実線のようなループ特性となる。そこで、失陥時にヨーレートが減少するときの舵角軸の切片(第1の舵角信号)と、ヨーレートが増加するときの舵角軸の切片(第2の舵角信号)の中点(第3の舵角信号)を採ってヨーレート中立点の舵角とする。これによって、スラスト角の発生時でも適切な操舵アシスト特性を維持できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、四輪車両における車輪の転舵力をアシスト(補助)する電動パワーステアリング装置に関する。
四輪車両の電動パワーステアリング装置は、電動機が操舵トルクの大きさに応じた補助トルクを発生させ、この補助トルクをステアリング系に伝達して、運転者が操舵する操舵トルクを軽減させるものである。また、電動パワーステアリング装置の技術としては、操舵トルクと車速によって定まるベース電流(アシストトルク)を、ステアリング系のイナーシャ(慣性)とダンピング(粘性)によって補償し、この補償された電流を目標電流として電動機を制御して車輪の転舵力を適正にアシストする技術などが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、電動パワーステアリング装置には、車両の後輪の舵角を制御する後輪操舵システムが設けられているものがある。これらの後輪操舵システムは、車両の舵角に関する舵角信号や車速信号などの車両状態を示す量(以下、車両状態量と言う)に応じて後輪の舵角を左右で同時にあるいは個別に制御し、所望の車両運動特性を得るような制御を行っている。このとき、故障などによって後輪の舵角が不明になった場合でも、ステアリングホイールの戻りの悪化を抑えることができる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この技術によれば、操舵トルクに応じた操舵補助トルク指令値と、ステアリングホイールの操舵角の中立点からの偏差に応じた復元トルク指令値とを加算した目標補助トルクを前輪の操舵系に付加することにより、ステアリングホイールの戻りの悪化を防止している。
特開2002−59855号公報(図2参照) 特開2000−177615号公報(図2参照) 特開2006−175982号公報(段落番号0017〜0022、及び図1〜図4参照)
しかしながら、前記の後輪操舵システムにおいて、その後輪を制御する機能が失陥した場合には後輪の左右輪に発生する力が不釣合いとなる状況が起こり得る。このような失陥状態に陥った場合は、車体の幾何学的中心線と直進時の車両の進行方向との間に所定の角度、すなわちスラスト角が発生する。したがって、車両はこれまでのステアリングホイールの角度状態では直進することができなくなる。このようなスラスト角が生じている状態においては、車両の運転者はハンドル角を車両が直進する位置に制御することが困難になる場合が生じる。また、後輪操舵システムが設けられていない車両において故障など何らかの原因で車両の後輪の左右輪に不釣合いな力が発生する状況に陥った場合についても同様である。さらに、特許文献3の技術において、ステアリングホイールの戻りの悪化を抑えても依然として所定のスラスト角は発生するので、やはり、車両の運転者が車両を直進させる位置にハンドル角を制御することは難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、後輪操舵システムの失陥時などで後輪にスラスト角が生じたときでも、運転者が車両を直進させるステアリング位置にハンドル角を容易に制御できるような電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに入力される操舵トルクに応じて操舵補助トルクを加える電動パワーステアリング装置であって、ヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、操舵に応じて後輪を転舵する後輪操舵システムと、後輪操舵システムの失陥時に、ヨーレート検出手段が検出したヨーレートの値に基づいて、操舵補助トルクの制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正する舵角信号補正手段とを備える構成を採っている。
このような構成によれば、本発明の電動パワーステアリング装置は、後輪操舵システムの失陥等によって後輪が中立点からずれた状態のとき、ヨーレート検出手段が検出したヨーレートセンサ信号を用いて舵角信号のゼロ点を補正することによってステアリングの中立点を補正している。すなわち、後輪操舵システムを備えた電動パワーステアリング装置において、後輪舵システムが失陥して車両にスラスト角が生じ、車両を直進させるためのハンドル角に変化が生じた場合には、ドライバの直進操作を支援するために、ヨーレート検出手段が検出した車両の旋回方向への回転角の変化速度を示すヨーレートセンサ信号の値に基づいて、電動パワーステアリング装置の制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正している。
なお、舵角信号のゼロ点補正の好適な実施形態としては、請求項2に記載のように、舵角信号補正手段が、ヨーレートが減少する過程でそのヨーレートがゼロになるときの第1の舵角信号と、ヨーレートが増加する過程でそのヨーレートがゼロになるときの第2の舵角信号との中間の第3の舵角信号の値を舵角信号のゼロ点として補正を行っている。
また、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに入力される操舵トルクに応じて操舵補助トルクを加える電動パワーステアリング装置であって、ステアリングホイールへ操舵補助トルクを加えるための操舵トルクを検出するトルク検出手段と、操舵に応じて後輪を転舵する後輪操舵システムと、後輪操舵システムの失陥時に、トルク検出手段が検出した操舵トルクの値に基づいて、操舵補助トルクの制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正する舵角信号補正手段とを備える構成を採っている。
このような構成によれば、本発明の電動パワーステアリング装置は、後輪操舵システムの失陥等によって後輪が中立点からずれた状態のとき、トルクセンサ信号を用いて舵角信号のゼロ点を補正することによってステアリングの中立点を補正している。すなわち、後輪操舵システムを備えた電動パワーステアリング装置において、後輪操舵システムが失陥して車両にスラスト角が生じ、車両を直進させるためのハンドル角に変化が生じた場合には、ドライバの直進操作を支援するために、電動パワーステアリング装置のトルクセンサ信号の値に基づいて、電動パワーステアリング装置の制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正している。
また、舵角信号のゼロ点補正の好適な実施形態としては、請求項4に記載のように、舵角信号補正手段が、操舵トルクが増加する過程でその操舵トルクがゼロになるときの第1の舵角信号と、操舵トルクが減少する過程でその操舵トルクがゼロになるときの第2の舵角信号との中間の第3の舵角信号の値を舵角信号のゼロ点として補正を行っている。
また、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、舵角信号補正手段が補正した舵角信号のゼロ点に対応するステアリングホイール角度で車両が走行中のときは、補正前の舵角信号のゼロ点に対応するステアリングホイール角度で車両が走行中のときより操舵補助トルクを減少させる操舵トルク可変手段をさらに備える構成を採っている。
このような構成によれば、後輪操舵システムの失陥時には、ヨーレートセンサ信号又は操舵トルク信号の値に基づいて電動パワーステアリング装置の制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正した後、直進方向へステアリングが戻された位置で若干のハンドル角が残っていても、ステアリング中立点付近で操舵トルクレシオを変えることで、操舵補助トルクを減少させてハンドル操作を重くしている。これによって直進時のハンドル角の位置をドライバに認識しやすくする。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置では、操舵トルク可変手段は、通常の車両走行状態においてステアリングホイールに操舵補助トルクを付与するアシスト制御部と、後輪操舵システムの失陥時に、操舵トルクレシオを小さくして操舵補助トルクのアシスト制御量を低減させるためのアシスト比を算出するアシスト比算出部と、アシスト制御部から出力された操舵補助トルクとアシスト比算出部から出力されたアシスト比とを乗算して操舵補助トルクに重み付けをする乗算器とを備える構成を採っている。このような構成によれば、ステアリング中立点付近で操舵補助トルクを減らしてハンドル操作を重くすることができる。
請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、後輪操舵システムが失陥、若しくは、後輪操舵システムを備えていない車両においても衝撃などの何らかの要因で左右の後輪が不釣合いな力を発生させることによって車両にスラスト角が発生し、車両を直進させるためのステアリングホイール角度が変化した場合でも、ドライバが車両を直進させるためのステアリングホイール角度位置を判断し易くなり、結果的に車両の直進性が容易に維持される。これによって、後輪の中立点がずれたことで直進させるための舵角が変化しても操舵アシスト量と車両挙動の不一致を回避することができる。
また、請求項5及び請求項6に記載の発明によれば、後輪操舵システムが失陥してハンドル角が中立位置からずれてしまった場合でも、直進付近では操舵補助トルクを小さくしてドライバが行う操舵トルクを大きくすることにより、感覚的にドライバが車両を直進させるためのハンドル角位置を認識することが容易となり、ドライバがハンドル角を直進状態に合わせ易くなる。すなわち、後輪操舵の失陥などで後輪にスラスト角が生じても、ドライバは車両を直進させるステアリング位置にハンドル角を容易に制御することができる。
《本発明の概要》
本発明の電動パワーステアリング装置は、後輪操舵システムの失陥等によって後輪が中立点からずれた状態のとき、ヨーレートセンサ信号またはトルクセンサ信号を用いて舵角信号のゼロ点を補正することによってステアリングの中立点を補正している。さらに、舵角信号のゼロ点を補正した後に、直進方向へステアリングが戻された位置で若干のハンドル角が残っていても、その位置をハンドル角ゼロの位置とし、操舵トルクレシオを変えることで操舵補助トルクを減少させてハンドル操作を重くし、ハンドル角ゼロの位置をドライバに認識させやすくしている。
《操舵システムの動作》
まず、本発明の実施形態を説明する前に、電動パワーステアリング装置を含めた操舵システム全体の構成及び動作について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る操舵システムを適用した4輪車両の全体概念図であり、図2は電動パワーステアリング装置の構成図である。図1に示すように、操舵システム100は、前輪1L、1Rを転舵させる操向ハンドル3による操舵を電動機4で補助する電動パワーステアリング装置110、電動パワーステアリング装置110による前輪1L、1Rの転舵角と車速とに応じて後輪2L、2Rのトー角をそれぞれ独立にアクチュエータ30によって変更させるトー角変更装置120L、120R、電動パワーステアリング装置110およびトー角変更装置120L、120Rを制御する操舵制御装置130(以下、操舵制御ECUと称する)、車速センサS、ヨーレートセンサS、横加速度センサSGS、トルクセンサS、ステアリング舵角センサ3sなど、各種センサを含んで構成されている。
なお、図1に示すように、車速センサS、ヨーレートセンサS、横加速度センサSGS、トルクセンサS、ステアリング舵角センサ3sなどでセンシングされた検出信号は、操舵制御ECU130に入力されている。
(電動パワーステアリング装置)
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように、操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)3bによって連結され、また、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。なお、ピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングギアボックス6に支持されている。
また、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3による操舵トルクを軽減するための補助操舵トルクを供給する電動機4を備えており、この電動機4の出力軸に設けられたウォームギア5aが、ピニオン軸7に設けられたウォームホイールギア5bに噛合している。すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構が構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されてているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラック歯8aとタイロッド9、9などにより、ステアリング系が構成されている。
電動機4は、複数の界磁コイルを備えた固定子(図示せず)とこの固定子の内部で回動する回転子(図示せず)からなる3相ブラシレスモータであり、電気エネルギーを機械的エネルギー(P=ωT)に変換するものである。
ここで、ωは電動機4の角速度であり、Tは電動機4の発生トルクである。また、発生トルクTと実際に出力として取り出すことができる出力トルクT との関係は、次式(1)によって表現される。
=T−(cdθ/dt+Jθ/dt)i ・・・・(1)
ここで、iはウォームギア5aとウォームホイールギア5bとの減速比である。
(1)式より、出力トルクT と電動機回転角θとの関係は、電動機4の回転子の慣性モーメントJと粘性係数cとによって規定され、車両特性や車両状態に無関係である。
ここで、操向ハンドル3に加えられる操舵トルクをTs、減速機構を介して倍力された電動機4の発生トルクによりアシストするアシスト量Aの係数を、例えば、車速VSの関数として変化するk(VS)とする。この場合、A=k(VS)×Tsであるから、路面負荷であるピニオントルクTpは、次式(2)のように表される。
Tp=Ts+A
=Ts+k(VS)×Ts ・・・・・・・(2)
これより、操舵トルクTsは、次式(3)のように表現される。
Ts=Tp/(1+k(VS)) ・・・・・・・(3)
したがって、操舵トルクTsは、ピニオントルクTp(負荷)の1/{1+k(VS)}倍に軽減される。例えば、車速VS=0のときにk(0)=2ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpの1/3の軽さに制御され、車速VS=100km/hのときに、k(100)=0ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpと等しくなり、マニュアルステアリングと同等のしっかりとした重さの操舵トルクの手応え感に制御される。すなわち、車速VSに応じて操舵トルクTsを制御することにより、低速走行時には軽やかに、高速走行時にはしっかりとした安定な操舵トルクの手応え感が付与される。
また、電動パワーステアリング装置110は、電動機4を駆動する電動機駆動回路23と、レゾルバ25と、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するトルクセンサSと、トルクセンサSの出力を増幅する差動増幅回路21と、車両の速度(車速)を検出する車速センサSと、操向ハンドル3の操舵角を検出するステアリング舵角センサ3sとを備えている。
そして、操舵システム100の操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110の機能部である電動機4を駆動制御する電動パワーステアリング制御部(図示せず)を有している。
電動機駆動回路23は、例えば、3相のFETブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、図示しない電動パワーステアリング制御部からのDUTY(DU、DV、DW)信号を用いて矩形波電圧を生成し、電動機4を駆動するものである。また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU、IV、IW)を検出する機能を備えている。
レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
トルクセンサSは、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するものであり、ピニオン軸7の軸方向2箇所に逆方向の異方性となるように磁性膜が被着され、各磁性膜の表面に検出コイルがピニオン軸7に離間して挿入されている。
ステアリング舵角センサ3sは、メインステアリングシャフト3aに取り付けられて回転するスロットディスク(図示せず)を挟んでLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)とフォトランジスタからなるフォトインタラプタが位相差を設けて2組設置されている。なお、スロットディスクには、操向ハンドル3の操舵角に対応して等角度間隔でスロットが形成されている。そして、メインステアリングシャフト3aが回転すると、フォトインタラプタは、スロットディスクによる光の透過/遮断に応じてON/OFFのパルスを発生し、操向ハンドル3の操舵角および回転方向を測定している。
差動増幅回路21は、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁歪膜の透磁率変化の差分を増幅し、トルク信号Tを出力するものである。
車速センサSは、車速VSを単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速信号VSを出力する。
操舵制御ECU130の機能構成については、電動パワーステアリング装置110の制御とトー角変更装置120L、120Rの制御とまとめて後記する。
(トー角変更装置)
次に、図3、図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は左後輪側のトー角変更装置を示す平面図、図4はトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
トー角変更装置120L、120Rは、車両の左右の後輪2L、2Rにそれぞれ取り付けられるものであり、図3では、左後輪2Lを例にとりトー角変更装置120Lを示している。トー角変更装置120Lは、アクチュエータ30、トー角変更制御装置(以下、トー角変更制御ECUと称する)37を備えている。
なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。ちなみに、操舵制御ECU130とトー角変更制御ECU37、37は本発明の操舵制御装置を構成している。
車体のリアサイドフレーム11にほぼ車幅方向に延びるクロスメンバ12の車幅方向端部が弾性支持されている。そして、ほぼ車体前後方向に延びるトレーリングアーム13の前端がクロスメンバ12により車幅方向端部近くで支持されている。トレーリングアーム13の後端に後輪2Lが固定されている。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、ほぼ鉛直方向の回動軸13cを介して連結されて構成されている。これにより、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
前記アクチュエータ30は、その一端が車輪側アーム13bの回動軸13cより前方側の前端部にボールジョイント16を介して取り付けられ、他端がクロスメンバ12にボールジョイント17を介して取り付けられている。
図4に示すように、アクチュエータ30は、電動機31、減速機構33、送りねじ部35などを備えて構成されている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータやブラシレスモータなどで構成されている。そして、コイルの巻線温度を検出する温度センサ31aを有し、トー角変更制御ECU37の自己診断部(図示せず)に検出温度信号を入力する。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)などが組み合わされて構成されている。ここで、図示しない自己診断部及び温度センサ31aは異常検出手段を構成する。
送りねじ部35は、円筒形状に形成されたロッド35aと、このロッド35aの内部に挿入されて円筒形状をし、内周側にスクリュー溝35bが形成されたナット35cと、スクリュー溝35bと噛合してロッド35aを軸方向に移動可能に支持するスクリュー軸35dとを備えて構成されている。
送りねじ部35は、減速機構33および電動機31とともに細長形状のほぼ円筒形状のケース本体34内に収容されている。また、ケース本体34の送りねじ部35側にはブーツ36がケース本体34の端部とロッド35aの端部との間を蓋うように取り付けられており、ケース本体34の端部から露出したロッド35aの外周面に埃や異物が付着したり、ケース本体34の内部に外部から埃や異物や水が侵入しないようなっている。
減速機構33の一端が電動機31の出力軸と連結され、他端がスクリュー軸35dと連結されている。電動機31からの動力が、減速機構33を介してスクリュー軸35dに伝達されてスクリュー軸35dが回転することで、ロッド35aがケース本体34に対して図示左右方向(軸方向)に伸縮自在に動作するようになっている。スクリュー軸35dとナット35cのスクリュー溝35bとの噛合の摩擦力により、電動機31が通電されて駆動されていない状態においても、後輪のトー角が一定に保持される。
また、アクチュエータ30には、ロッド35aの位置(伸縮量)を検出するストロークセンサ38が設けられている。このストロークセンサ38は、例えば、マグネットが内蔵され、磁気を利用して位置を検出できるようになっている。このように、ストロークセンサ38を用いて位置を検出することにより、後輪2L、2Rのトーイン、トーアウトの舵角(トー角)を個別に高精度に検出できるようになっている。
このように構成されたアクチュエータ30は、ロッド35aの先端に設けられたボールジョイント16がトレーリングアーム13の車輪側アーム13b(図3参照)に回動自在に連結され、ケース本体34の基端(図4において右側の端)に設けられたボールジョイント17がクロスメンバ12(図3参照)に回動自在に連結されている。電動機31の動力によってスクリュー軸35dが回転してロッド35aが伸びる(図4の左方向)と、車輪側アーム13bが車幅方向外側(図3の左方向)に押圧されて、後輪2Lが左方向に旋回し、またロッド35aが縮む(図4の右方向)と、車輪側アーム13bが車幅方向内側(図3の右方向)に引かれて、後輪2Lが右方向に旋回する。
なお、アクチュエータ30のボールジョイント16が取り付けられる場所は、ナックルなど後輪2Lのトー角を変更できる位置であれば、車輪側アーム13bに限定されるものではない。また、本実施形態においてトー角変更装置120L、120Rはセミトレーリングアーム型独立懸架方式のサスペンションに対して適用した場合の例で示したがそれに限定されるものではなく、他の懸架方式のサスペンションにも適用できる。
例えば、ダブルウイッシュボーン式サスペンションのサイドロッドや、ストラット式サスペンションのサイドロッドに前記アクチュエータ30を組み込むことによっても実現できる。
また、アクチュエータ30には、トー角変更制御ECU37が一体に構成されている。トー角変更制御ECU37は、アクチュエータ30のケース本体34に固定され、ストロークセンサ38と、温度センサ31aとコネクタなどを介して接続されて構成されている。また、トー角変更制御ECU37、37同士の間と、トー角変更制御ECU37と操舵制御ECU130との間は通信回線で接続されている。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリなどの電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23にも前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される。
以上のような構成によって、操舵システムが通常の車両走行制御を行うと共に電動パワーステアリング装置が操舵トルクのアシスト制御を行うが、それらの制御技術は周知の内容であるのでその説明は省略する。ところで、前記の操舵システムにおいて後輪を制御する機能(例えば、図1に示すトー角変更制御ECU37やアクチュエータ30などの後輪操舵システム)が失陥した場合には、後輪の左右輪2R,2Lに発生する力が不釣合いとなる状況が起こり得る。このような失陥状況に陥った場合には、車体の幾何学的中心線と直進時の車両の進行方向に角度、すなわちスラスト角が発生し、車両は従来の状態で直進することができなくなる。
図5を用いてさらに詳しく説明する。図5は、4輪車両における車体中心線と車両の進行方向を示す概念図であり、(a)は正常走行時の車体中心線と車両の進行方向を示し、(b)はスラスト角発生時の車体中心線と車両の進行方向を示している。正常走行時においては、図5(a)に示すように車体中心線と車両の進行方向は一致している。しかし、後輪の左右輪2R,2Lを制御する機能が失陥した場合は、図5(b)に示すように、車体中心線と車両の進行方向との間にはスラスト角が発生する。このような状態においては、車両の運転者はハンドル角を車両が直進する位置に制御することが難しくなる。また、故障など何らかの原因で車両の後輪の左右輪が不釣合いな力を発生する状況に陥った場合についても同様である。なお、図5(b)では、後輪2R,2Lはともに右側を向いた状態で失陥している。このため、車両を左側に旋回させるモーメントが発生するが、前輪1R,1Lを右側に転舵してモーメントを打ち消している。
そこで、本発明の電動パワーステアリング装置では、操舵システムの失陥等によって後輪が中立点からずれた状態のときは、図1、図2に示すヨーレートセンサSの信号(ヨーレートセンサ信号)またはトルクセンサSの信号(トルクセンサ信号)を用いて舵角信号のゼロ点を補正することによってステアリングの中立点を補正している。さらに、ヨーレートセンサ信号またはトルクセンサ信号によって舵角信号のゼロ点を補正した後に、電動機4の操舵トルクレシオ(つまり、アシスト比)を変化させ、操舵補助トルクを減少させることによって補正後のステアリング中立点におけるハンドル操作を重くしている。以下、その実施形態について詳細に説明する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態では、図1のような操舵システム100と図2のような電動パワーステアリング装置110とを備えた車両において、後輪側の操舵システム(以下、後輪操舵システムという)が失陥したり、故障などの原因で車両の後輪の左右輪2R,2Lに不釣合いな力を発生する状況に陥り、車両にスラスト角が生じて車両を直進させるために必要な操向ハンドル3の角度(以下、ハンドル角という)に変化が生じた場合は、ドライバ(運転者)の直進操作を支援するために、ヨーレートセンサSの信号(以下、ヨーレートセンサ信号という)の値に基づいて、電動パワーステアリング装置110の制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正する。
言い換えると、あらかじめ、ステアリングホイール角度がゼロの状態で直進しない場合において、ヨーレートセンサ信号の値がゼロとなるステアリングホイール角度、或いは電動機4の回転角度(以下、モータ回転角度という)を操舵制御ECU130のメモリに記憶させておく。そして、後輪操舵システムの失陥時において、後輪の左右輪2R,2Lに発生する力が不釣合いとなって車両にスラスト角が生じ、ステアリングホイール角度がゼロの状態で車両が直進しない場合は、ヨーレートセンサ信号の値に基づいて操舵アシスト制御に用いるステアリングホイール角度信号或いはモータ回転角度信号の補正を行う。なお、以下の説明では、ステアリングホイール角度信号及びモータ回転角度信号を総称して舵角信号という。
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態に係るヨーレートセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れについて説明する。図6は、本発明の第1実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときにヨーレートセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れを示すフローチャートである。
図6において、後輪操舵システムが失陥したか否かを常時監視するために(ステップS1)、後輪操舵システムが失陥していなければ(ステップS1、No)、監視状態をそのまま継続する(RETURN)。
ここで、後輪操舵システムは、操舵制御ECU130、トー角変更制御ECU37等により、操向ハンドル3の操舵角をステアリング舵角センサ3sで検出して、操向ハンドル3の操舵角に応じて後輪2L、2Rを制御している。
なお、後輪操舵システムは、トルクセンサSで検出した操舵トルクに応じて後輪2L、2Rを制御しても良く、また、操向ハンドル3の操舵角および車速センサSで検出した車速信号、或いは、操舵トルクおよび車速センサSで検出した車速信号に応じて、後輪2L、2Rを制御しても良い。この点は、後記する第2実施形態、第3実施形態も同じである。
一方、後輪操舵システムが失陥した場合は(ステップS1、Yes)、車両が停止していないか否か(停止していないこと)、及びアシスト特性の急変による操舵システムへの影響を避けるために車速が所定の閾値以下である否かを判定する。すなわち、0<車速≦閾値であるか否かを判定する。さらに、舵角速度が所定の閾値より小さいか否か(ドライバが速いステアリング操作をしていないこと)、つまり、舵角速度<閾値であるか否かを判定する(ステップS2)。
ここで、車両が閾値以下の車速で走行していて(つまり、0<車速≦閾値であって)、かつ、舵角速度が閾値より小さい(舵角速度<閾値である)場合は(ステップS2、Yes)、ヨーレート検出手段が検出したヨーレートの値に基づいて、ヨーレート中立点算出手段がヨーレート中立点(つまり、ヨーレートセンサ信号のゼロ点)におけるステアリングホイールの舵角を算出する(ステップS3)。
次に、ヨーレート中立点でのステアリングホイール角度、或いはモータ回転角度があらかじめ操舵制御ECU130のメモリに記憶されているので、ヨーレート中立点算出手段によって算出されたヨーレート中立点における舵角信号に基づいて、舵角信号補正手段が、操舵アシスト制御に用いる舵角信号(ステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号)を補正する。つまり、舵角信号補正手段は、ヨーレート中立点の舵角信号に基づいて、ステアリングホイール角度の舵角値をゼロにするか、又はモータ回転角をゼロにするような補正を行う。あるいは、舵角信号補正手段は、ステアリングホイール角度の舵角値及びモータ回転角を共にゼロにするような補正を行うこともできる(ステップS4)。
ここで、ステップS3においてヨーレート中立点算出手段がヨーレート中立点におけるステアリングホイールの舵角を算出する方法について説明する。図7は、図6のステップS3においてヨーレート中立点算出手段がヨーレート中立点におけるステアリングホイールの舵角を算出する方法を示す概念図であり、横軸に舵角信号の値(以下、単に舵角という)を示し、縦軸にヨーレートセンサ信号の値(以下、単にヨーレートという)を示している。
なお、ステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号の補正に用いるヨーレートセンサ信号の値は、そのヨーレートセンサ信号の値と舵角信号との間の位相差を考慮した補正を行った上で用いている。また、舵角(或いはモータ回転角)とヨーレートとの相関関係を示す舵角−ヨーレートのループ特性は、通常の操舵を行っている場合(つまり、舵角速度<閾値の場合)には、図7の破線で示すように、反時計方向のループを示すヒステリシス特性となる。すなわち、ヨーレートが増加するときと減少するときでは、ヨーレート中立点(ヨーレートセンサ信号のゼロ点)における舵角にヒステリシスが生じる。
このとき、舵角とヨーレートとの相関特性は、後輪の正常時においては舵角及びヨーレートの理論的な原点を中心として破線のようなループ特性を描くが、後輪の失陥時にはヨーレートがゼロのときに若干の舵角が残るために、舵角とヨーレートのループ特性は原点が舵角軸(X軸)のプラス方向へ平行移動して実線のような舵角−ヨーレートのループ特性となる。すなわち、後輪が正常時の舵角−ヨーレートのループ特性(破線)は、後輪の失陥時には実線のように舵角軸(X軸)のプラス方向へ平行移動する。
図8は、図7における後輪失陥時の舵角−ヨーレートのループ特性(実線)の拡大図であり、横軸に舵角を示し縦軸にヨーレートを示している。ある車速の範囲内(すなわち、0<車速≦閾値)であって、かつ、ある舵角速度より小さい(すなわち、舵角速度<閾値)ときは、例えば右操舵を行った場合には、ヨーレートが減少するときの舵角軸(X軸)の切片a(第1の舵角信号)と、ヨーレートが増加するときの舵角軸(X軸)の切片b(第2の舵角信号)の中点c(第3の舵角信号)を、ヨーレート中立点(つまり、ヨーレートセンサ信号の値がゼロの点)の舵角(又は、モータ回転角度)と判断する。なお、実際には、ヨーレートが増加するときと減少するときでは舵角のヒステリシスにひずみが生じるので、舵角軸(X軸)の中点cに対して切片aと切片bは非対称となるが、通常の走行状態における舵角のゼロ補正では、舵角のヒステリシスにはひずみはないものと見なしても差し支えない。
以上説明したように、車体に固定されたヨーレートセンサSからの信号(ヨーレート)の値がゼロとなるステアリングホイール角度、或いはモータ回転角度があらかじめ操舵制御ECU130のメモリに記憶されているので、車両にスラスト角が生じ、ステアリングホイール角度がゼロの状態で車両が直進しない場合には、操舵アシスト制御に用いるステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号をヨーレートに基づいて補正することにより、そのステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号に応じて算出される電動パワーステアリング装置の制御量のずれによる操舵アシスト量の車両挙動との不一致を回避させることができる。その結果、スラスト角の発生時においても適切な操舵アシスト特性を維持することが可能となる。
すなわち、後輪操舵システムが失陥し、或いは何らかの要因により車両の後輪の姿勢角が変化し、左右の後輪が不釣合いな力を発生させることによって車両にスラスト角が発生し、車両を直進させるためのステアリングホイール角度が変化した場合においても、ドライバが車両を直進させるためのステアリングホイール角度位置を判断し易くなり、結果的に車両の直進性が容易に維持される。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態では、後輪操舵システムの失陥時には、ドライバの直進操作を支援するために、図1、図2に示すトルクセンサSの信号(以下、トルクセンサ信号という)の値に基づいて電動パワーステアリング装置110の舵角信号のゼロ点を補正する。すなわち、ステアリングホイール角度がゼロの状態で直進しない場合において、電動パワーステアリング装置110のトルクセンサ信号の値がゼロとなるステアリングホイール角度、或いはモータ回転角度をあらかじめ操舵制御ECU130のメモリに記憶させておく。そして、後輪操舵システムの失陥時において、後輪左右輪2R,2Lに発生する力が不釣合いとなって車両にスラスト角が生じ、ステアリングホイール角度がゼロの状態で車両が直進しない場合は、トルクセンサ信号の値に基づいて操舵アシスト制御に用いるステアリングホイール角度信号或いはモータ回転角度信号の補正を行う。
以下、図面を用いて本発明の第2実施形態に係るトルクセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れについて説明する。図9は、本発明の第2実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときにトルクセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れを示すフローチャートである。
図9において、後輪操舵システムが失陥したか否かを常時監視するために(ステップS11)、後輪操舵システムが失陥していなければ(ステップS11、No)、監視状態をそのまま継続する。
また、後輪操舵システムが失陥した場合は(ステップS11、Yes)、車両が停止していないか否か(停止していないこと)、及びアシスト特性の急変による操舵システムへの影響を避けるために車速が所定の閾値以下である否かを判定する。すなわち、0<車速≦閾値であるか否かを判定する。さらに、舵角速度が所定の閾値より小さいか否か(ドライバが速いステアリング操作をしていないこと)、つまり、舵角速度<閾値であるか否かを判定する(ステップS12)。
ここで、車両が閾値以下の車速で走行していて(つまり、0<車速≦閾値であって)、かつ、舵角速度が閾値より小さい(舵角速度<閾値である)場合は(ステップS12、Yes)、トルク検出手段が検出した操舵トルクの値に基づいて、操舵トルク中立点算出手段が、操舵トルク中立点(つまり、トルクセンサ信号のゼロ点)におけるステアリングホイールの舵角を算出する(ステップS13)。
次に、操舵トルク中立点でのステアリングホイール角度、或いはモータ回転角度があらかじめ操舵制御ECU130のメモリに記憶されているので、操舵トルク中立点算出手段によって算出された操舵トルク中立点における舵角信号に基づいて、操舵信号補正手段が、操舵アシスト制御に用いるステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号を補正する。つまり、操舵信号補正手段は、操舵トルク中立点(つまり、操舵トルク信号がゼロの点)の舵角信号に基づいて、ステアリングホイール角度の舵角値をゼロにするか、又はモータ回転角度をゼロにするように補正を行う。あるいは、操舵信号補正手段は、ステアリングホイール角度の舵角値及びモータ回転角を共にゼロにするような補正を行うこともできる(ステップS14)。
ここで、ステップS13において操舵トルク中立点算出手段が操舵トルク中立点における舵角を算出する方法について説明する。図10は、図9のステップS13において操舵トルク中立点算出手段が操舵トルク中立点における舵角を算出する方法を示す概念図であり、横軸に舵角信号の値(以下、単に舵角という)を示し、縦軸にトルクセンサ信号の値(以下、操舵トルクという)を示している。
なお、ステアリングホイール角度信号、或いはモータ回転角度信号の補正に用いるトルクセンサ信号(操舵トルク)の値は、そのトルクセンサ信号(操舵トルク)の値と舵角信号(操舵)との間の位相差を考慮した補正を行った上で用いている。また、舵角(或いはモータ回転角)と操舵トルクとの相関関係を示す舵角−操舵トルクのループ特性は、通常の操舵を行っている場合(つまり、舵角速度<閾値の場合)には、図10の破線で示すように、時計方向のループを示すヒステリシス特性となる。すなわち、操舵トルクが減少するときと増加するときでは、操舵トルク中立点(トルクセンサ信号がゼロの点)における舵角にヒステリシスが生じる。
このとき、舵角と操舵トルクとの相関特性は、後輪の正常時においては舵角(X軸)と操舵トルク(Y軸)の理論的な原点を中心として破線のようなループ特性を描くが、後輪の失陥時には操舵トルクがゼロのときに若干の舵角が残るために、舵角と操舵トルクのループ特性は原点が舵角軸(X軸)のプラス方向へ平行移動して実線のような舵角−操舵トルクのループ特性となる。すなわち、後輪が正常時の舵角−操舵トルクのループ特性(破線)は、後輪の失陥時には実線のように舵角軸(X軸)のプラス方向へ平行移動する。
図11は、図10における後輪失陥時の舵角−操舵トルクのループ特性(実線)の拡大図であり、横軸に舵角を示し縦軸に操舵トルクを示している。ある車速の範囲内(すなわち、0<車速≦閾値)であって、かつ、ある舵角速度より小さい(すなわち、舵角速度<閾値)ときは、例えば右操舵を行った場合には、操舵トルクが増加するときの舵角軸(X軸)の切片a(第1の舵角信号)と、操舵トルクが減少するときの舵角軸(X軸)の切片b(第2の舵角信号)の中点をc(第3の舵角信号)とし、中点c(第3の舵角信号)を操舵トルク中立点(つまり、トルクセンサ信号の値がゼロの点)の舵角(又は、モータ回転角度)と判断する。なお、実際には、操舵トルクが増加するときと減少するときでは舵角のヒステリシスにひずみが生じるので、舵角軸(X軸)の中点cに対して切片aと切片bは非対称となるが、通常の走行状態における舵角のゼロ補正では、舵角のヒステリシスにはひずみはないものと見なしても差し支えない。
以上説明したように、電動パワーステアリング装置110のトルクセンサSの値(トルクセンサ値)がゼロとなるステアリングホイール角度、或いはモータ回転角度があらかじめ操舵制御ECU130のメモリに記憶されているので、車両にスラスト角が生じ、ステアリングホイール角度がゼロの状態で車両が直進しない場合は、操舵アシスト制御に用いるステアリングホイール角信号、或いはモータ回転角度信号をトルクセンサ値に基づいて補正することにより、ステアリングホイール角信号、或いはモータ回転角度信号に応じて算出される電動パワーステアリング装置110の制御量のずれによる操舵アシスト量の車両挙動との不一致を回避することができる。その結果、スラスト角発生時においても適切な操舵アシスト特性を維持することができる。
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態では、後輪操舵システム失陥時において、ヨーレート又は操舵トルクに基づいて舵角信号のゼロ点補正を行った後に、車両が直進状態では操舵トルクレシオを変化させてステアリング中立点付近でのハンドル操作を重くする実施形態について説明する。すなわち、後輪操舵システム失陥時において、後輪左右輪の発生する力が不釣合いとなり、車両にスラスト角が生じ、車両を直進させるためにステアリングホイール角がゼロで直進しない場合は、ヨーレートセンサ信号又はトルクセンサ信号の値に基づいて電動パワーステアリング装置の舵角信号のゼロ点を補正した後に、直進付近での操舵トルクレシオを小さくする。これによって、ハンドル角度が中立付近に戻った位置における操舵補助トルクを減少させ、ハンドル操作を重くしてドライバに車両の直進を行い易くさせることができる。
以下、図面を用いて、本発明の第3実施形態において操舵トルクレシオを変化させて車両の直進を行い易くする処理の流れを説明する。図12は、本発明の第3実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときに舵角を補正した後に操舵トルクレシオを変化させる処理の流れを示すフローチャートである。
図12において、後輪操舵システムが失陥したか否かを常時監視するために(ステップS21)、後輪操舵システムが失陥していなければ(ステップS21、No)、監視状態をそのまま継続する。
一方、後輪操舵システムが失陥した場合は(ステップS21、Yes)、ヨーレート又は操舵トルクに基づいて舵角信号のゼロ点が補正されたか否かを判定する(ステップS22)。ここで、舵角信号のゼロ点が補正されていれば(ステップS22、Yes)、車両が停止していないか否か、及びアシスト特性の急変による操舵システムへの影響を避けるために車速が所定の閾値以下である否かを判定する。すなわち、0<車速≦閾値であるか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、0<車速≦閾値であれば(ステップS23、Yes)、ステアリングホイールが中立位置であって車両が直進しているか否かを判定する(ステップS24)。このとき、0<車速≦閾値でなかったり(ステップS23、No)、車両が直進状態でなければ(ステップS24、No)、それぞれ該当する監視状態を継続するが、ステアリングホイールが中立位置で車両が直進状態にあれば(ステップS24、Yes)、操舵トルク可変手段が操舵トルクレシオを小さくして操舵トルクを減少させる(ステップS25)。これによって、ステアリングホイールの中立位置において操舵補助トルクを低下させて、ステアリング中立点付近におけるハンドル操作を重くすることができる。
次に、ステップS25において操舵トルク可変手段が操舵トルクレシオを小さくして操舵トルクを減少させて操舵補助トルクを低下させる処理について詳細に説明する。図13は、本発明の第3実施形態で実現される操舵トルク可変手段の構成図である。操舵トルク可変手段6は、通常の走行状態においてステアリングホイールに操舵補助トルクを付与するアシスト制御部7と、後輪操舵システムの失陥時に、操舵トルクレシオを小さくして操舵補助トルクのアシスト制御量を低減させるためのアシスト比を算出するアシスト比算出部8と、アシスト制御部7から出力された操舵補助トルクとアシスト比算出部8から出力されたアシスト比とを乗算して操舵補助トルクに重み付けをする乗算器9とを備えた構成になっている。
次に、図13に示す操舵トルク可変手段6の動作を説明する。アシスト制御部7は、通常の走行状態においては、トルクセンサSの値(トルクセンサ値)、舵角速度に相当する電流値、及び車速センサSの信号(車速信号)を入力してモータ(電動機4)を駆動させて操舵トルクを発生させ、ドライバが操作するステアリング操舵トルクに対して操舵補助トルクを付与する。すなわち、アシスト制御部7は、直進走行時においては操舵補助トルクを減少させてハンドル操作を重くし、旋回時においては操舵補助トルクを増加させてハンドル操作を軽くするようなアシスト制御を行う。
一方、後輪操舵システムの失陥時に動作するアシスト比算出部8は、トルクセンサ値、舵角(又は、モータ回転角)、舵角速度に相当する電流値、及び車速信号を入力して、例えば舵角値が小さいほど操舵補助トルクのアシスト制御量を低減させるようなアシスト比の算出を行う。つまり、ステアリングホイールの舵角値が小さいときには、操舵トルクレシオを小さくして操舵トルクを減少させて操舵補助トルクを低下させる。
図14は、図13に示すアシスト比算出部8が算出するアシスト比の特性図であり、横軸はトルクセンサ値及び舵角値(又は、モータ回転角)を表し、縦軸はアシスト比を表している。図13のアシスト比算出部8は、図14に示す特性図に基づいて、トルクセンサ値や舵角(又は、モータ回転角)の値に応じてアシスト比を算出する。つまり、ステアリングホイールの中立点付近で舵角値(又は、トルクセンサ値)が小さいときはアシスト比を小さくするような算出を行う。例えば、舵角値がかなり小さいa点においてはアシスト比は0.3であり、舵角値がやや小さいb点においてはアシスト比は0.5であるが、舵角値の大きいc点ではアシスト比は1である。トルクセンサ値についても同様である。
再び図13に戻って、アシスト制御部7から通常の操舵補助トルクの信号を送信し、アシスト比算出部8から舵角値に応じたアシスト比の信号を送信する。例えば、舵角値がかなり小さいとき(例えば、舵角値がaのとき)はアシスト比0.3の信号を送信する。これによって、乗算器9は、アシスト制御部7から送信された通常の操舵補助トルクに対してアシスト比0.3を乗算して重み付けをする。すなわち、ステアリング中立点付近で舵角値がかなり小さいとき(舵角値がaのとき)は、通常の操舵補助トルクに対して0.3を乗じた小さな操舵補助トルクとなる。言い換えると、舵角値がかなり小さいとき(舵角値がaのとき)は、アシスト制御量を通常の3分の1程度に低減させたモータ駆動指令値を乗算器9から図示しないモータ(電動機4)へ送信する。
これによって、ステアリング中立点付近で舵角値がかなり小さいときは、操舵補助トルクが小さくなって(つまり、アシスト制御量が少なくなって)ハンドル操作が重くなる。なお、図14に示すアシスト比の特性は、舵角速度や車速に応じて勾配を変えてマップ形状を変更することができる。
すなわち、本発明の第3実施形態によれば、車両の直進時に車体にスラスト角が発生して、車両を直進させるためのハンドル角がその中立位置からずれてしまい、適正なハンドル角位置を視覚的に捉えられなくなった場合でも、容易に直進操作を行うことができる。言い換えると、直進状態でハンドル角が中立位置からずれてしまった場合でも、直進付近では操舵補助トルクを小さくしてドライバが行う操舵トルクを大きくすることにより、感覚的にドライバが車両を直進させるためのハンドル角位置を認識することが容易となり、ドライバがハンドル角を直進状態に合わせ易くなる。
なお、操舵トルク可変手段としては、前記のような実施形態以外に、例えば、舵角値の小さいときにヨーレート反力制御量を増加させることにより、ステアリング中立点付近でアシスト制御量(操舵補助トルク)を減少させてドライバの操舵トルクを大きくするようにしてもよい。又は、舵角値の小さいときに舵角反力制御量を増加させることにより、ステアリング中立点付近でアシスト制御量(操舵補助トルク)を減少させてドライバの操舵トルクを大きくするようにしてもよい。
なお、ステアリング舵角センサ3s以外の舵角センサとしては、電動パワーステアリング装置110のラック軸8の位置を検出する位置センサの値を用いるものでもよく、操舵を検出できるものであれば、例示したトルクセンサS、ステアリング舵角センサ3s以外のセンサも適宜、適用可能である。
本発明の実施形態に係る操舵システムを備えた4輪車両の全体概念図である。 図1の操舵システムにおける電動パワーステアリング装置の構成図である。 図1の操舵システムにおける左後輪側のトー角変更装置の構成図である。 図3のトー角変更装置におけるアクチュエータの構造を示す概略断面図である。 4輪車両における車体中心線と車両の進行方向を示す概念図であり、(a)は正常走行時の車体中心線と車両の進行方向を示し、(b)はスラスト角発生時の車体中心線と車両の進行方向を示す。 本発明の第1実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときに、ヨーレートセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れを示すフローチャートである。 図6のステップS3において、ヨーレート中立点算出手段がヨーレート中立点におけるステアリングホイールの舵角を算出する方法を示す概念図である。 図7における後輪失陥時の舵角−ヨーレートのループ特性(実線)の拡大図である。 本発明の第2実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときにトルクセンサ信号の値に基づいて舵角信号のゼロ点を補正する処理の流れを示すフローチャートである。 図9のステップS13において操舵トルク中立点算出手段が操舵トルク中立点における舵角を算出する方法を示す概念図である。 図10における後輪失陥時の舵角−操舵トルクのループ特性(実線)の拡大図である。 本発明の第3実施形態において、後輪操舵システムが失陥したときに舵角を補正した後に操舵トルクレシオを変化させる処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態で実現される操舵トルク可変手段の構成図である。 図13に示すアシスト比算出部8が算出するアシスト比の特性図である。
符号の説明
1L、1R 前輪
2L、2R 後輪
3 操向ハンドル
3s ステアリング舵角センサ
4 電動機
6 操舵トルク可変手段
7 アシスト制御部
8 アシスト比算出部
9 乗算器
25 レゾルバ
30 アクチュエータ
31 電動機
31a 温度センサ(異常検知手段)
33 減速機構
35 送りねじ部
37 トー角変更制御ECU(操舵制御装置)
38 ストロークセンサ
100 操舵システム
110 電動パワーステアリング装置
120L、120R トー角変更装置
130 操舵制御ECU(操舵制御装置)
130a 電動パワーステアリング制御部
GS 横加速度センサ
トルクセンサ
ヨーレートセンサ
車速センサ

Claims (6)

  1. ステアリングホイールに入力される操舵トルクに応じて操舵補助トルクを加える電動パワーステアリング装置であって、
    ヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、
    操舵に応じて後輪を転舵する後輪操舵システムと、
    前記後輪操舵システムの失陥時に、前記ヨーレート検出手段が検出したヨーレートの値に基づいて、前記操舵補助トルクの制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正する舵角信号補正手段と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記舵角信号補正手段は、前記ヨーレートが減少する過程で該ヨーレートがゼロになるときの第1の舵角信号と、前記ヨーレートが増加する過程で該ヨーレートがゼロになるときの第2の舵角信号との中間の第3の舵角信号の値を、前記舵角信号のゼロ点として補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. ステアリングホイールに入力される操舵トルクに応じて操舵補助トルクを加える電動パワーステアリング装置であって、
    前記ステアリングホイールへ操舵補助トルクを加えるための操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    操舵に応じて後輪を転舵する後輪操舵システムと、
    前記後輪操舵システムの失陥時に、前記トルク検出手段が検出した操舵トルクの値に基づいて、前記操舵補助トルクの制御に用いる舵角信号のゼロ点を補正する舵角信号補正手段と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 前記舵角信号補正手段は、前記操舵トルクが増加する過程で該操舵トルクがゼロになるときの第1の舵角信号と、前記操舵トルクが減少する過程で該操舵トルクがゼロになるときの第2の舵角信号との中間の第3の舵角信号の値を、前記舵角信号のゼロ点として補正を行うことを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記舵角信号補正手段が補正した前記舵角信号のゼロ点に対応するステアリングホイール角度で車両が走行中のときは、補正前の舵角信号のゼロ点に対応するステアリングホイール角度で車両が走行中のときより操舵補助トルクを減少させる操舵トルク可変手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記操舵トルク可変手段は、
    通常の車両走行状態において前記ステアリングホイールに操舵補助トルクを付与するアシスト制御部と、
    前記後輪操舵システムの失陥時に、操舵トルクレシオを小さくして操舵補助トルクのアシスト制御量を低減させるためのアシスト比を算出するアシスト比算出部と、
    前記アシスト制御部から出力された操舵補助トルクとアシスト比算出部から出力されたアシスト比とを乗算して操舵補助トルクに重み付けをする乗算器と
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の電動パワーステアリング装置。
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