JP5226959B2 - レーンキープシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両のレーンキープシステムに関するものである。
CCD(Charge Couple Device)カメラやレーダ装置などを車載して、車両の外界の状況を検知しながら走行し、走行を支援する自動車走行支援手段には、先行車との車間距離を警告する車間距離警告システム、先行車との車間距離を一定に保って走行し、先行車がいないときは一定の速度で走行するACCシステム(アダプティブ・クルーズコントロール・システム)などがある。また、車両が走行する走行レーンからずれないようにステアリングを操作するレーンキープシステム、先行車との距離が所定値以下になったり、障害物を検知したときに、自動的に減速・停止する衝突軽減ブレーキシステムなどもよく知られている。
前記の自動車走行支援手段のうち、レーンキープシステムは、例えばCCDカメラで、進行方向の走行レーンを撮影した映像を画像処理するなどして、走行レーンの路面に備わる白線等の境界線を識別する。そして、前輪の転回操作によって、自動車が境界線からずれないように操舵する技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、操向ハンドルの操舵角と車速に基づいて、全走行輪を独立して作動制御する全輪独立操舵装置の技術が開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−44563号公報(図6) 特公平6−47388号公報(図2)
しかしながら、従来のレーンキープシステムは、車両の操舵に、前輪のパワーステアリング装置を使用しているため、境界線に沿って車両が旋回するときは、前輪が旋回する方向に転舵される。そして、前輪が転舵されると、ドライバは操向ハンドルを介して反力を感じるため、ドライバが違和感を覚えるという問題がある。
そこで本発明は、レーンキープするときに、ドライバに与える違和感を解消または小さくすることが可能なレーンキープシステムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、車両に備わる後輪のトー角を変更可能なトー角変更装置と、走行レーンをキープする際に設定される目標とのずれを判定する判定装置と、前記判定装置の判定結果に基づいて、前記トー角変更装置を介して前記ずれを修正する制御装置と、前輪をドライバの意思とは関係なく操舵する前輪操舵装置と、を備え、前記制御装置が、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値を超える場合は、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を介して前記ずれを修正するレーンキープシステムであって、前記目標ヨーレートの値から、前記トー角変更装置の制御量および前記前輪操舵装置の制御量を設定する、前記目標ヨーレートと前記制御量との対応関係の情報を記憶した記憶装置をさらに備え、前記制御装置は、前記目標ヨーレートが前記所定値を超える場合は、前記記憶装置に記憶された前記対応関係の情報に基づいて、前記目標ヨーレートから前記トー角変更装置の制御量と前記前輪操舵装置の制御量を決定し、前記決定したそれぞれの制御量に基づいて、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を作動させて前記ずれを修正することを特徴とした。
請求項にかかる発明によると、走行レーンからのずれを修正するための目標ヨーレートが所定値を超えるときには、後輪のトー角を変更するとともに、前輪を操舵して、走行レーンからのずれを修正することができる。
また、走行レーンからのずれを修正するための目標ヨーレートが所定値を超えるときには、あらかじめ記憶装置に記憶してあるトー角変更装置の制御量と前輪操舵装置の制御量に基づいて、トー角変更装置および前輪操舵装置を作動させて前記ずれを修正することができる。
また、請求項にかかる発明は、車両に備わる後輪のトー角を変更可能なトー角変更装置と、走行レーンをキープする際に設定される目標とのずれを判定する判定装置と、前記判定装置の判定結果に基づいて、前記トー角変更装置を介して前記ずれを修正する制御装置と、前輪をドライバの意思とは関係なく操舵する前輪操舵装置と、を備え、前記制御装置が、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値を超える場合は、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を介して前記ずれを修正するレーンキープシステムであって、前記制御装置は、前記目標ヨーレートが前記所定値を超える場合は、前記後輪のトー角を最大値に設定することを特徴とした。
請求項にかかる発明によると、走行レーンからのずれを修正するための目標ヨーレートが所定値を超えるときには、後輪のトー角を変更するとともに、前輪を操舵して、走行レーンからのずれを修正することができる。
また、目標ヨーレートが所定値を超えるときには、後輪のトー角を最大値に設定することができる。
また、請求項にかかる発明は、前記制御装置は、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値以下の場合は、前記トー角変更装置を介して前記目標ヨーレートに対応するヨーレートを発生させて前記ずれを修正することを特徴とした。
請求項にかかる発明によると、ヨーレート算出装置によって算出される、走行レーンからのずれを修正するための目標ヨーレートが所定値以下のときには、後輪のトー角だけを変更して、走行レーンからのずれを修正することができる。
本発明によれば、レーンキープするときに、ドライバに与える違和感を解消または小さくすることが可能なレーンキープシステムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を用いて詳細に説明する。
(車両システムの構成)
本実施形態にかかる車両システムを図1から図5を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る車両システムを適用した4輪車両の概略図であり、図2は電動パワーステアリング装置の構成図であり、図3は左後輪側のトー角変更装置の構成図であり、図4はトー角変更装置のアクチュエータの構成図である。
図1に示すように、車両システム100は、前輪1L、1Rを転舵させる操向ハンドル3による操舵を補助する電動パワーステアリング装置110、前輪1L、1Rの転舵角と車速VSに応じて後輪2L、2Rをそれぞれ独立に転舵させるトー角変更装置120L、120R、電動パワーステアリング装置110およびトー角変更装置120L、120Rを制御する操舵制御装置130(以下、操舵制御ECUと称する)、画像処理装置150、車速センサS、ヨーレートセンサS、など各種センサを含んで構成されている。
左右の前輪1L,1Rは、車両システム100が備わる車両Vの進行方向を決定する操舵輪であって、ドライバは操向ハンドル3の操作によって前輪1L,1Rを操舵し、車両Vを左右方向に旋回させる。
ヨーレートセンサSは、車両Vに発生しているヨーレートを検出するセンサである。ヨーレートセンサSは、例えば、車両Vにヨーレートが発生していないときを「0」として、左方向のヨーレートが発生しているときに正の値、右方向のヨーレートが発生しているときに負の値を出力するようにすればよい。
(電動パワーステアリング装置の構成)
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)3bによって連結され、また、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操舵時に車両Vの進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。なお、ピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングギアボックス6に支持されている。そして、電動パワーステアリング装置110が、請求項に記載の前輪操舵装置となる。
また、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3による操舵力を軽減するための補助操舵力を供給する電動機4を備えており、この電動機4の出力軸に設けられたウォームギア5aが、ピニオン軸7に設けられたウォームホイールギア5bに噛合している。すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構が構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラック歯8aとタイロッド9、9などにより、ステアリング系が構成される。
電動機4は、複数の界磁コイルを備えた固定子(図示せず)と、この固定子の内部で回動する回転子(図示せず)からなる3相ブラシレスモータであり、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換するものである。
また、電動パワーステアリング装置110は、電動機4を駆動する電動機駆動回路23と、レゾルバ25と、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するトルクセンサSと、トルクセンサSの出力を増幅する差動増幅回路21と、車速センサSとを備えている。
電動機駆動回路23は、例えば、3相のFET(Field Effect Transistor)ブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、操舵制御ECU130から出力されるDUTY信号を用いて、矩形波電圧を生成し、電動機4を駆動するものである。また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流Iを検出する機能を備えている。レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
トルクセンサSは、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するものであり、ピニオン軸7の軸方向2箇所に逆方向の異方性となるように磁性膜が被着され、各磁性膜の表面に検出コイルがピニオン軸7に離間して挿入されている。差動増幅回路21は、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁歪膜の透磁率変化の差分を増幅し、トルク信号Tを出力するものである。
車速センサSは、車両Vの車速VSを単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速信号を出力する。
(トー角変更装置の構成)
次に、図3、図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は左後輪側のトー角変更装置を示す平面図、図4はトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
トー角変更装置(以下、RTC(リアトーコントローラ)と称する場合あり)120L、120Rは、車両Vの左右の後輪2L、2Rにそれぞれ取り付けられるものであり、図3では、左後輪2Lを例にとりトー角変更装置120Lを示している。トー角変更装置120L、120Rは、アクチュエータ30、トー角変更制御ECU37を備えている。なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。
図3に示すように、車体のリアサイドフレーム11には、略車幅方向に延びるクロスメンバ12の車幅方向端部が弾性支持されている。そして、略車体前後方向に延びるトレーリングアーム13の前端がクロスメンバ12車幅方向端部近くで支持されている。そして、トレーリングアーム13の後端に後輪2Lが固定されている。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、略鉛直方向の回転軸13cを介して連結されて構成されている。これにより、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
前記アクチュエータ30は、その一端が車輪側アーム13bの回転軸13cより前方側の前端部にボールジョイント16を介して取り付けられ、他端がクロスメンバ12にボールジョイント17を介して取り付けられている。
図4に示すように、アクチュエータ30は、電動機31、減速機構33、送りねじ部35などを備えて構成されている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータやブラシレスモータなどで構成されている。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)などが組み合わされて構成されている。
送りねじ部35は、円筒状に形成されたロッド35aと、スクリュー溝35bが形成されてロッド35aの内部に挿入されるナット35cと、スクリュー溝35bと噛合してロッド35aを軸方向に移動可能に支持するスクリュー軸35dとを備えて構成されている。スクリュー軸35dは、減速機構33および電動機31とともに細長形状のケース本体34内に収容され、減速機構33の一端が電動機31の出力軸と連結され、他端がスクリュー軸35dと連結されている。
電動機31からの動力が、減速機構33を介してスクリュー軸35dに伝達されてスクリュー軸35dが回転することで、ロッド35aがケース本体34に対して図示左右方向(軸方向)に伸縮自在に動作するようになっている。また、アクチュエータ30にはブーツ36が取り付けられて、外部からの埃や水などの異物が侵入しないようなっている。
また、アクチュエータ30には、ロッド35aの位置(伸縮量)を検出するストロークセンサ38が設けられている。このストロークセンサ38は、例えば、マグネットが内蔵され、磁気を利用して位置を検出できるようになっている。このように、ストロークセンサ38を用いて位置を検出することにより、後輪2Lのトーイン、トーアウトの舵角(トー角)θを個別に高精度に検出できるようになっている。
このように構成されたアクチュエータ30は、ロッド35aの先端に設けられたボールジョイント16がトレーリングアーム13の車輪側アーム13b(図3参照)に回動自在に連結され、ケース本体34の基端に設けられたボールジョイント17がクロスメンバ12(図3参照)に回動自在に連結されている。そして、電動機31の動力によってスクリュー軸35dが回転してロッド35aが伸びる(図4の左方向)と、車輪側アーム13bが車幅方向外側(図3の左方向)に押圧されて、後輪2Lが左方向に旋回し、またロッド35aが縮む(図4の右方向)と、車輪側アーム13bが車幅方向内側(図3の右方向)に引かれて、後輪2Lが右方向に旋回する。
なお、アクチュエータ30のボールジョイント16が取り付けられる場所は、ナックルなど後輪2Lのトー角θを変更できる位置であれば、車輪側アーム13bに限定されるものではない。また、本実施形態においてトー角変更装置120L、120Rはセミトレーリングアーム型独立懸架方式のサスペンションに対して適用した場合の例で示したが、それに限定されるものではなく、他の懸架方式のサスペンションにも適用できる。
また、アクチュエータ30には、トー角変更制御ECU37が一体に構成されている。トー角変更制御ECU37は、例えばアクチュエータ30のケース本体34に固定され、ストロークセンサ38とコネクタなどを介して接続されて構成されている。
トー角変更制御ECU37には、車両Vに搭載された図示しないバッテリなどの電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23にも前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される(図示せず)。
(トー角変更制御ECUの構成)
次に、図5を参照しながらトー角変更制御ECU37の詳細な構成を説明する。図5はトー角変更制御ECUの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、トー角変更制御ECU37はアクチュエータ30を駆動制御する機能を有し、制御部81と電動機駆動回路83とで構成されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
制御部81は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他の周辺回路などから構成され、目標電流算出部81a、電動機制御信号生成部81c、自己診断部81dを備えている。
目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130が算出する後輪2L(または後輪2R)のトー角θに対応する目標値信号に基づいて目標電流信号を算出し、電動機制御信号生成部81cに出力する。目標電流信号とは、アクチュエータ30を所望の作動量(後輪2L、2Rを所望のトー角にする伸縮量)に設定するのに必要な電流信号である。
目標電流算出部81aでは、目標電流信号を参照信号としても使用し、トー角θの目標値信号とストロークセンサ38から入力される位置情報と参照信号である目標電流信号とに基づいて、目標電流が指示するトー角θに対する偏差から目標電流信号を補正するための補正電流信号を算出する。そして、補正電流信号を目標電流信号に加算して補正し、補正後の目標電流信号を電動機制御信号生成部81cに出力する。
このように目標電流信号を補正することにより、後輪2L(または2R)の転舵に要する電流値が車速、路面環境、車両Vの運動状態、タイヤの磨耗状態などによって変化するのをフィードバックして、目標のトー角θに設定制御することができる。
電動機制御信号生成部81cは、目標電流算出部81aから目標電流信号が入力され、電動機駆動回路83に電動機制御信号を出力する。この電動機制御信号は、電動機31に供給する電流値と電流を流す方向を含む信号である。電動機駆動回路83は、FETのブリッジ回路などで構成され、電動機制御信号に基づいて電動機31に電動機電圧を印加する。
また、図5に示すように、本実施形態においては、制御部81の自己診断部81dが、ストロークセンサ38の位置情報や電動機駆動回路83の状態の信号、目標電流算出部81aからの目標電流信号を受信し、また、自分が所属していない他方のトー角変更制御ECU37からの異常検知信号を受信していないかチェックする。つまり、自身のトー角変更制御ECU37に対応する電動機31や電動機駆動回路83が健全に動いているか否かを示す信号を受信して監視しているとともに、他方のトー角変更制御ECU37に対応する電動機31や電動機駆動回路83が健全に動いているか否かを示す信号を監視している。
自己診断部81dは、例えば、目標電流信号に対応するトー角θに対して、ストロークセンサ38の示すトー角θが所定値以上離れている状態が所定時間以上継続していることを検知した場合は、目標電流値算出部81aに所定のトー角θ、例えば、0°に対応する目標電流信号を算出させ、目標電流算出部81aに目標トー角0°に対する補正電流を設定させる。そして、自己診断部81dは、自分が属しているトー角変更制御ECU37ではない他方のトー角変更制御ECU37の自己診断部81dに異常検知信号を送る。
以上のように構成されるトー角変更装置120は、左右の後輪2L、2Rにそれぞれ1ずつ備わり、左右の後輪2L、2Rに、それぞれ異なったトー角を設定することができる。
(画像処理装置の構成)
画像処理装置150(図1参照)は、車両Vが走行する走行レーンを撮影して画像処理し、走行レーンの路面に備わるセンターラインや白線(黄色線を含む)で形成される境界線を識別する装置であって、進行方向の走行レーンを撮影するCCDカメラ151と画像処理部152とを含んで構成される。そして、CCDカメラ151で撮影した映像信号を、画像処理部152で画像処理して、走行レーンの路面に備わるセンターラインや白線などの境界線を抽出し、進行方向の走行レーンの状態(カーブの曲率βなど)を算出する。また、画像処理装置150は、抽出された境界線と車両Vの走行位置の関係から、車両Vの走行位置(車両Vの左右中心)と走行レーンの中央位置との位置関係を算出する。そして、走行レーンの中央位置を、レーンキープの際に設定する目標として、車両Vの走行位置と走行レーンの中央位置とのずれ(以下、横変位と称する)x、境界線に対する車両Vのヨー角φなどを算出し、操舵制御ECU130に通知する機能を有する。
ここで、画像処理装置150は、例えば車両Vが走行レーンの中央位置を走行中には、横変位xは「0」とし、車両Vが走行レーンの中央位置からずれた場合は、走行レーンの中央位置からのずれ(距離)を出力すればよい。そして、例えば車両Vが走行レーンの中央位置から左方向にずれた場合に正の値、右方向にずれた場合に負の値を出力するように構成すれば、ずれた量及び方向を出力することができる。そして、画像処理装置150が請求項に記載の判定装置となる。
画像処理装置150が、センターラインや白線などの境界線を抽出する方法は特に限定するものではないが、例えば入力された画像を二値化処理して、その明暗差から路面とセンターラインや白線などを識別する方法などで実現できる。
さらに、画像処理装置150に備わるCCDカメラ151は、これに限定されるものではなく、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどであってもよい。
(操舵制御ECUの構成)
操舵制御ECU130(図1参照)は、電動パワーステアリング装置110の電動機駆動回路23、左右のトー角変更装置120L、120Rに接続され、それぞれを制御したり、各センサと接続され、各センサが出力する情報を入力したりする装置である。また、操舵制御ECU130は、画像処理装置150と接続され、境界線に対する車両Vのヨー角φや横変位xなどの情報を、画像処理装置150から入力する機能を有する。操舵制御ECU130は、CPU、ROM、RAMなどを備えるコンピュータおよびプログラム、周辺回路などを含んで構成される。
そして、後記するように、操舵制御ECU130は、車両Vの車速VSと画像処理装置150から入力される横変位x、境界線に対する車両Vのヨー角φなどに基づいて、レーンキープに必要な目標ヨーレートγを算出することから、請求項に記載の制御装置である。
また、操舵制御ECU130は、記憶装置130aを有し、目標ヨーレートγが所定値を超えたときの、トー角変更装置の制御量と電動パワーステアリング装置110の制御量の対応関係の情報を記憶できる。
(レーンキープ)
以上のような構成要素を含んで構成される車両システム100を備える車両V(図1参照)は、画像処理装置150で走行レーンの路面に備わるセンターラインや白線などの境界線を抽出し、走行レーンの中央位置に対する車両Vの横変位x(目標とのずれ)を検出しながら走行する。
なお、車両Vに、例えばレーンキープシステムの作動をON/OFFする機能(ON/OFFスイッチなど)が備わる場合は、レーンキープシステムの作動がONに設定されているときのみ、画像処理装置150で、走行レーンの中央位置に対する車両Vの横変位xを検出しながら走行する構成であってもよい。
そして、操舵制御ECU130(図1参照)は、車両Vが走行レーンからずれることなく、レーンキープするように、画像処理装置150から入力される、走行レーンの中央位置に対する車両Vの横変位xや境界線に対する車両Vのヨー角φなどの情報に基づいて、トー角変更装置120及び電動パワーステアリング装置110を制御する。図6は、レーンキープを実行するステップを示すフローチャートである。
図6に示すように、操舵制御ECU130に画像処理装置150から入力される横変位xの値が「0」のときは(ステップS1→Yes)、操舵制御ECU130は、車両Vが走行レーンの中央位置を走行中であると判定して、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらかを向いているか判定する(ステップS2)。そして、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらかを向いているとき(ステップS2→Yes)、操舵制御ECU130は、左右のトー角変更装置(RTC)120L、120Rに指令を与え、左右の後輪2L、2Rを元に戻し(ステップS3)、制御をステップS1にもどす。
ここで、左右の後輪2L、2Rを元に戻すとは、左右の後輪2L、2Rのトー角θを、左右の後輪2L、2Rの初期状態におけるトー角に戻すことである。
また、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらも向いていないとき(ステップS2→No)、操舵制御ECU130は、制御をステップS1に戻す。
一方、画像処理装置150から入力される横変位xの値が「0」ではないとき(ステップS1→No)、操舵制御ECU130は、車両Vが走行レーンからずれていると判定する。このとき、左右の後輪2L、2Rの左右のどちらかを向いていれば(ステップS4→Yes)、操舵制御ECU130は、レーンキープ制御中であると判定し、制御をステップS1にもどす。そして、左右の後輪2L、2Rが前方を向いているとき(ステップS4→No)、操舵制御ECU130は、制御をステップS5に進める。
このとき、操舵制御ECU130は、入力された横変位xが「0」を中心に、あらかじめ設定されている所定の範囲内(閾値の範囲内)にあるときには、横変位xは「0」であると判定することが好ましい。
操舵制御ECU130は、トルクセンサSから差動増幅回路21を介して入力されるトルク信号Tによって、操向ハンドル3の操舵トルクを検出する(ステップS5)。操舵トルクが「0」のとき(ステップS5→Yes)、操舵制御ECU130は、車両Vが走行レーンからずれて走行して、かつレーンキープが制御されていないと判定し、制御をステップS6に進める。
このとき、操舵制御ECU130は、トルクセンサSで検出される操舵トルクが「0」を中心に、あらかじめ設定されている所定の範囲内(閾値の範囲内)にあるときには、操舵トルクは「0」であると判定することが好ましい。
また、図示しない舵角センサを備え、舵角センサからの信号に基づいて、車両Vの走行レーンからのずれを判定する構成としてもよい。
また、ステップS5において、操舵トルクが「0」でないとき(ステップS5→No)、操舵制御ECU130は、ドライバの意思(例えば右左折)によって車両Vが走行レーンからずれたと判定して、制御をステップS2にもどす。
ステップS6において、操舵制御ECU130は、車速センサSによって、車両Vの車速VSを検出する。そして、操舵制御ECU130は、検出した車速VSと画像処理装置150から入力される横変位x、境界線に対する車両Vのヨー角φなどに基づいて、レーンキープに必要な修正操舵角に相当する目標ヨーレートγを算出する(ステップS7)。
算出された目標ヨーレートγが、所定値以下のとき(ステップS8→Yes)、操舵制御ECU130は、後輪2L、2Rのトー角θによる操舵のみでレーンキープが可能と判定する。そして、操舵制御ECU130は、左右のトー角変更装置(RTC)120L、120Rに指令を与え、左右の後輪2L、2Rを横変位xの方向に向ける(ステップS9)。
このように、左右の後輪2L、2Rを横変位xの方向に向けることで、車両Vは、横変位xを「0」にする方向に旋回する。すなわち、車両Vは、走行レーンからのずれを修正する方向に旋回する。
このとき、後輪2L、2Rに設定されるトー角θは、操舵制御ECU130が算出した目標ヨーレートγに対応するトー角θとする。
目標ヨーレートγと車速VSとトー角θの関係は、例えばあらかじめデータ化しておいて、操舵制御ECU130に備わる、図示しない記憶部に記憶しておく。そして、操舵制御ECU130は、目標ヨーレートγと車速VSとに対応したトー角θを記憶部から読み出すことで、トー角θを算出できる。
そして、操舵制御ECU130は、後輪2L、2Rが、算出されたトー角θに設定されるように、左右のトー角変更装置120L、120Rのアクチュエータ30を伸縮させる信号を目標値信号として算出し、左右のトー角変更制御ECU37L、37Rに入力する。
左右のトー角変更制御ECU37L、37Rは、それぞれに入力される目標値信号に基づいて目標電流信号を算出し、電動機制御信号生成部81c及び電動機駆動回路83を介して、トー角変更装置120L、120Rのアクチュエータ30に出力する。
左右のトー角変更装置120L、120Rに備わるアクチュエータ30は、それぞれトー角変更制御ECU37L、37Rから入力される目標電流信号によって駆動され、電動機31の回転に伴ってロッド35aが伸縮し、ロッド35aに接続される後輪2L,2Rのトー角θが、算出されたトー角θに変更される。
また、ステップS8に記載の所定値は、例えば、左右の後輪2L、2Rのトー角θを設定できる最大値に設定したときに、車両Vに発生するヨーレート(最大ヨーレート)γなどが考えられる。
ここで、左右の後輪2L、2Rのトー角θをそれぞれ異なる角度にしてもよい。すなわち、車両Vが、横変位xを「0」にする方向に旋回したときに、旋回外側になる後輪2(外輪)のトー角θを大きく、反対側の後輪2(内輪)のトー角θを小さくする(例えば、車両Vが右側にずれて、横変位xが「右」のときは、車両Vは、左に向かって旋回することから、外輪になる右側の後輪2Rのトー角θを大きくして、内輪になる左側の後輪2Lのトー角θを小さくする)。
このように、内輪となる後輪2のトー角θを小さくすることで、例えば、ドライバが、旋回の方向と反対の方向に操向ハンドル3を操作したときの応答を早くすることができるという、優れた効果を奏する。
レーンキープするために、操舵制御ECU130から、電動パワーステアリング装置110の電動機駆動回路23に指令を与え前輪1L、1Rを操舵すると、ステアリング系を介して操向ハンドル3に反力が伝達されるため、ドライバが違和感を覚える。
しかしながら、本実施形態においては、目標ヨーレートγが所定値より小さいときには、左右の後輪2L、2Rのトー角θによる操舵のみでレーンキープし、前輪1は操舵しないため、ドライバに操向ハンドル3から反力が伝達されることもなく、ドライバが違和感を覚えることがないという、優れた効果を奏する。
ステップS8に戻って、目標ヨーレートγが所定値を超える場合は(ステップS8→No)、操舵制御ECU130は、左右のトー角変更装置(RTC)120L、120Rに指令を与え、左右の後輪2L、2Rのトー角θを、横変位xの方向の最大値(最大トー角θTM)に設定する(ステップS10)。すなわち、左右の後輪2L、2Rを最大トー角θTMで横変位xの方向に向ける。
このとき、後輪2L、2Rのトー角θをそれぞれ異なる角度にして、例えば、車両Vが、横変位xを「0」にする方向に旋回したときに、旋回外側になる側の後輪2(外輪)を最大トー角θTMに設定して、反対側の後輪2(内輪)のトー角θを最大トー角θTMより小さくしてもよい(例えば、右側にずれて、横変位xが「右」のときは、車両Vは左に向かって旋回することから、外輪になる右側の後輪2Rを最大トー角θTMに設定して、内輪になる左側の後輪2Lは最大トー角θTMより小さく設定する)。
このように、内輪となる後輪2のトー角θを小さくすることで、例えば、ドライバが、旋回の方向と反対の方向に操向ハンドル3を操作したときの応答を早くすることができるという、優れた効果を奏する。
さらに、操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110に指令を与えて、左右の前輪1L、1Rを横変位xの方向と反対の方向に向ける(ステップS11)。
このように、左右の前輪1L、1Rを横変位xの方向と反対の方向に向けることで、車両Vは、走行レーンからのずれを修正する方向に旋回する。
目標ヨーレートγが所定値を超えたときの、車両Vの車速VSと、前輪1の操舵角と、後輪2のトー角との対応関係の情報は、あらかじめ作成しておいて、操舵制御ECU130に備わる記憶装置130aに記憶させておく。そして、目標ヨーレートγが所定値を超えたとき、操舵制御ECU130は、記憶装置130aから、後輪2のトー角、車速VSおよび目標ヨーレートγに対応する前輪1の操舵角を読み出す。このようにして、操舵制御ECU130は、前輪1の操舵角を設定できる。
例えば、前輪1の操舵角は、目標ヨーレートγと、後輪2の最大トー角θTMで発生する最大ヨーレートγとの差(γ―γ)で示されるヨーレートγを発生させる操舵角とする。そして、車両Vの車速VSと、前輪1の操舵角と、該操舵角によって発生するヨーレートγとの相関データを作成して、操舵制御ECU130に備わる、記憶装置130aに記憶させておけばよい。
また、本実施形態においては、ステップS10で後輪のトー角θを最大トー角θTMに設定したが、これも限定されるものではなく、目標ヨーレートγが所定値を超えたときの、車両Vの車速VSと、前輪1の操舵角と、後輪2のトー角との対応関係の情報を、あらかじめ作成しておいて、操舵制御ECU130に備わる記憶装置130aに記憶させておいてもよい。
目標ヨーレートγが所定値を超えたとき、操舵制御ECU130は、記憶装置130aから、車速VSおよび目標ヨーレートγに対応する前輪1の操舵角と、後輪2のトー角を読み出す。そして、操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110およびトー角変更装置120を制御して、読み出した前輪1の操舵角と読み出した後輪2のトー角とにそれぞれ設定できる。
そして、操舵制御ECU130は、制御をステップS1にもどして、ステップS1〜ステップS11を繰り返し実行する。
操舵制御ECU130が、電動機駆動回路23に指令を与えて電動機4を駆動して、左右の前輪1を操舵すると、ステアリング系を介して操向ハンドル3に反力が伝達される。したがって、ドライバは操向ハンドル3から反力を受け、違和感を覚える。
しかしながら、本実施形態においては、前輪1の操舵角は、目標ヨーレートγと後輪2L、2Rの最大のトー角θTMによって発生する最大ヨーレートγの差を補完するヨーレートγに対応した操舵角でよい。このため、前輪1の操舵角は小さくてよく、ドライバが操向ハンドル3から受ける反力も小さくなる。したがって、ドライバが覚える違和感が少なくなるという、優れた効果を奏する。
また、タイヤの摩擦力が発生しにくい状況(摩擦係数μが小さい路面の走行など)においても、後輪2の操舵を併用することによって、その影響を軽減できるという、優れた効果を奏する。
(直進走行の支援)
次に、本実施形態にかかる車両V(図1参照)の直進走行の支援について説明する。例えば高速道路など、直線の走行レーンが長時間継続する状況であっても、路面の傾斜や横風などによって、車両Vに横方向の加速度(横G)が作用すると、車両Vは横Gの影響で横方向に振られる。車両Vが直線の走行レーンを直進走行しているときの、横方向への「振られ」を、トー角変更装置120(図1参照)を使用して補正することで、直進走行を支援する。図7は、直進走行を支援するステップを示すフローチャートである。以下、図7を参照して、直進走行の支援を説明する(以下、適宜図1〜図5参照)。
図7に示すように、操舵制御ECU130は、車両Vが、直線の走行レーンを走行中かを判定する。これは、例えばトルクセンサSから差動増幅回路21を介して入力されるトルク信号Tによって、操向ハンドル3の操舵トルクを検出して、操舵トルクが「0」かを判定する(ステップS21)。操舵トルクが「0」のときは操向ハンドル3が中立位置にあることを示しているため、車両Vが直進走行中と判定できる。したがって、操舵トルクが「0」のとき(ステップS21→Yes)、操舵トルクが「0」の状態が所定時間続いたかを判定する(ステップS24)。なお、所定時間は限定する値ではなく、適宜決定すればよい値である。
また、図示しない舵角センサを備え、舵角センサからの信号に基づいて直進走行中を判定する構成としてもよい。
一方、操舵トルクが「0」ではないとき(ステップS21→No)、操舵制御ECU130は、ドライバの意思で操向ハンドル3が操作されていると判定して、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらかを向いているか判定する(ステップS22)。そして、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらも向いていないときには(ステップS22→No)、操舵制御ECU130は、制御をステップS21にもどすが、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらかを向いているとき(ステップS22→Yes)、操舵制御ECU130は、左右のトー角変更装置(RTC)120L、120Rに指令を与え、左右の後輪2L、2Rを元に戻して(ステップS23)、制御をステップS21にもどす。
ここで、左右の後輪2L、2Rを元に戻すとは、左右の後輪2L、2Rのトー角を、左右の後輪2L、2Rの初期状態におけるトー角に戻すことである。
ステップS24に戻って、操舵トルクが「0」の状態が所定時間継続したら(ステップS24→Yes)、操舵制御ECU130は、画像処理装置150から入力される情報を監視し、横変位xの値が「0」のときは(ステップS25→Yes)、操舵制御ECU130は、車両Vが走行レーンの中央位置を走行中であると判定して、制御をステップS22に移行する。
一方、画像処理装置150から入力される横変位xの値が「0」ではないとき(ステップS25→No)、操舵制御ECU130は、車両Vが走行レーンからずれていると判定する。
このとき、操舵制御ECU130は、入力された横変位xが「0」を中心に、あらかじめ設定されている所定の範囲内(閾値の範囲内)にあるときには、横変位xは「0」であると判定することが好ましい。
そして、左右の後輪2L、2Rが左右のどちらかを向いていれば(ステップS26→Yes)、操舵制御ECU130は、直進走行の支援制御中であると判定し、制御をステップS21にもどす。また、左右の後輪2L、2Rが前方を向いているとき(ステップS26→No)、操舵制御ECU130は、制御をステップS27に進める。
ステップS27において、操舵制御ECU130は、車速センサSによって、車両Vの車速VSを検出する。そして、操舵制御ECU130は、検出した車速VSと画像処理装置150から入力される横変位x、境界線に対する車両Vのヨー角φなどに基づいて、レーンキープに必要な修正操舵角に相当する目標ヨーレートγを算出する(ステップS28)。
操舵制御ECU130は、左右のトー角変更装置(RTC)120L、120Rに指令を与え、左右の後輪2L、2Rを横変位xの方向に向ける(ステップS29)。
このように、左右の後輪2L、2Rを横変位xの方向に向けることで、車両Vは、横変位xを「0」にする方向に旋回する。すなわち、車両Vは、走行レーンからのずれを修正する方向に旋回する。
このとき、後輪2L、2Rに設定されるトー角θは、操舵制御ECU130が算出した目標ヨーレートγと車速VSに対応するトー角θとする。
目標ヨーレートγと車速VSとトー角θの関係は、例えばあらかじめデータ化しておいて、操舵制御ECU130に備わる、図示しない記憶部に記憶しておく。そして、操舵制御ECU130は、目標ヨーレートγと車速VSとに対応したトー角θを記憶部から読み出すことで、トー角θを算出できる。
また、ステップS29において、左右の後輪2L、2Rのトー角θをそれぞれ異なる角度にしてもよい。すなわち、車両Vが、横変位xを「0」にする方向に旋回したときに、旋回外側になる側の後輪2(外輪)のトー角θを大きく、反対側の後輪2(内輪)のトー角θを小さくしてもよい(例えば、車両Vが右側にずれて、横変位xが「右」のときは、車両Vは、左に向かって旋回することから、旋回外側で外輪になる右側の後輪2Rのトー角θを大きくして、内輪になる左側の後輪2Lのトー角θを小さくする)。
このように、内輪側の後輪2のトー角θを小さくすることで、例えば、ドライバが、旋回の方向と反対の方向に操向ハンドル3を操作したときの応答を早くすることができるという、優れた効果を奏する。
そして、操舵制御ECU130は、制御をステップS21にもどして、ステップS21〜ステップS29を繰り返し実行する。
ここで、車両システム100は、図示はしないが、ドライバがターンシグナルスイッチ(方向指示器)を操作したことを検出するセンサを備え、ターンシグナルスイッチの操作情報が操舵制御ECU130に入力される構成としてもよい。このような構成によって、操舵制御ECU130は、ターンシグナルスイッチが操作されたことを検出できる。高速道路における走行レーン変更の場合、操向ハンドル3の操舵トルクはあまり大きくならないことがあり、操舵トルクが「0」と判定される可能性もある。
このような状況下にあっても、ターンシグナルスイッチが操作されたことを検知することで、操舵制御ECU130は、走行レーンの変更と判定することができる。そして、走行レーンの変更と判定したときには、横変位xが「0」でないときでも、操舵制御ECU130が、トー角変更装置120に指令を与えない構成にすれば、ドライバは違和感なく走行レーンを変更することができる。
直進走行中に、車両Vに作用する横Gによる「振られ」を補正し、直進走行を支援するため、操舵制御ECU130から電動機駆動回路23に指令を与え、前輪1L、1Rを操舵すると、ステアリング系を介して操向ハンドル3に反力が伝達されるため、ドライバが違和感を覚えることがある。
しかしながら、本実施形態においては、左右の後輪2L、2Rのトー角制御によって「振られ」を補正し、直進走行を支援するため、前輪1L、1Rは操舵しない。したがって、ドライバが違和感を覚えることがないという、優れた効果を奏する。
また、「振られ」を補正するため前輪1L、1Rを操舵すると、ステアリング系が操作されるため、操舵トルクが「0」ではなくなる場合もある。そして、操舵トルクが「0」でなくなると、操舵制御ECU130は、直進走行の支援を解除するため、直進走行であっても直進走行の支援が解除される場合が想定される。
しかしながら、本実施形態においては、後輪2のトー角制御によって「振られ」を補正し、前輪1は操舵しないため、ドライバが操向ハンドル3を操作しない限りは、操舵トルクは「0」となる。したがって、直進走行中は安定して、直進走行の支援制御が継続されるという、優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る車両システムを適用した4輪車両の概略図である。 電動パワーステアリング装置の構成図である。 左後輪側のトー角変更装置の構成図である。 トー角変更装置のアクチュエータの構成図である。 トー角変更制御ECUの構成を示すブロック図である。 レーンキープを実行するステップを示すフローチャートである。 直進走行を支援するステップを示すフローチャートである。
符号の説明
1(1L、1R) 前輪
2(2L、2R) 後輪
3 操向ハンドル
30 アクチュエータ
37 トー角変更制御ECU
38 ストロークセンサ
100 車両システム
110 電動パワーステアリング装置(前輪操舵装置)
120(120L、120R) トー角変更装置
130 操舵制御ECU(制御装置)
130a 記憶装置
150 画像処理装置(判定装置)
151 CCDカメラ
152 画像処理部
車速センサ
トルクセンサ
V 車両

Claims (3)

  1. 車両に備わる後輪のトー角を変更可能なトー角変更装置と、
    走行レーンをキープする際に設定される目標とのずれを判定する判定装置と、
    前記判定装置の判定結果に基づいて、前記トー角変更装置を介して前記ずれを修正する制御装置と、
    前輪をドライバの意思とは関係なく操舵する前輪操舵装置と、を備え、
    前記制御装置が、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値を超える場合は、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を介して前記ずれを修正するレーンキープシステムであって、
    前記目標ヨーレートの値から、前記トー角変更装置の制御量および前記前輪操舵装置の制御量を設定する、前記目標ヨーレートと前記制御量との対応関係の情報を記憶した記憶装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記目標ヨーレートが前記所定値を超える場合は、前記記憶装置に記憶された前記対応関係の情報に基づいて、前記目標ヨーレートから前記トー角変更装置の制御量と前記前輪操舵装置の制御量を決定し、
    前記決定したそれぞれの制御量に基づいて、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を作動させて前記ずれを修正することを特徴とするレーンキープシステム。
  2. 車両に備わる後輪のトー角を変更可能なトー角変更装置と、
    走行レーンをキープする際に設定される目標とのずれを判定する判定装置と、
    前記判定装置の判定結果に基づいて、前記トー角変更装置を介して前記ずれを修正する制御装置と、
    前輪をドライバの意思とは関係なく操舵する前輪操舵装置と、を備え、
    前記制御装置が、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値を超える場合は、前記トー角変更装置および前記前輪操舵装置を介して前記ずれを修正するレーンキープシステムであって、
    前記制御装置は、
    前記目標ヨーレートが前記所定値を超える場合は、
    前記後輪のトー角を最大値に設定することを特徴とするレーンキープシステム。
  3. 前記制御装置は、前記ずれを修正する際に目標ヨーレートを算出し、この算出した目標ヨーレートが所定値以下の場合は、前記トー角変更装置を介して前記目標ヨーレートに対応するヨーレートを発生させて前記ずれを修正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーンキープシステム。
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