JP2008279886A - 車両及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関と電動機とを備えた車両において、制動力付与手段が異常状態であるときに電動機の保護を図ると共に制動力をより確保することができる。
【解決手段】モータMG2の温度に基づいてモータMG2から出力可能であるモータ回生トルク制限を設定し、車両に要求される要求制動トルクTr*をブレーキペダル位置や車速に基づいて設定し、油圧ブレーキが異常状態であるときに、要求制動トルクがモータ回生トルク制限内であるときにはモータMG2の回生制動トルクを制動トルクとしてリングギヤ軸32a(車軸側)に出力する一方、要求制動トルクがモータ回生トルク制限外であるときにはモータMG2の回生制動トルクに加えてエンジン22の回転抵抗による制動トルクをも制動トルクとしてリングギヤ軸32aに出力する。このように、エンジン22の回転抵抗による制動トルクにより制動トルクを補うのである。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両及びその制御方法に関する。
従来、車両としては、遊星歯車機構のサンギヤに発電機を接続し、キャリアにエンジンの出力軸を接続しリングギヤと駆動輪との間にモータを接続し、発電機とモータと電力の受け渡しが可能なバッテリを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された車両は、エンジンを停止している車両の制動中にバッテリが満充電になる前に発電機の回転数を発電側から駆動側とすることにより、いわゆるエンジンブレーキを駆動輪に作用させる際に発電機で生じる発電電力をバッテリに蓄電可能としてエンジンブレーキを確保する。
特開2004−50910号公報
ところで、この特許文献1に記載された車両などでは、油圧式のブレーキシステムを備えており、制動時には、油圧式のブレーキによる制動力とモータの発電による回生制動力とを協調して出力する場合がある。ここで、油圧式のブレーキシステムが異常状態であり、且つ例えばモータを保護するために、モータによる回生制動力に制限がかかるなどすると、制動力を十分に確保することができないような場合があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、制動力付与手段が異常状態であるときに電動機の保護を図ると共に制動力をより確保することができる車両及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
車軸側に動力を出力可能であると共に回転に伴って回転抵抗を生じる内燃機関と、
前記車軸側に接続されると共に該車軸側とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、前記内燃機関をモータリング可能であり、電力と動力の入出力を伴って前記車軸側と前記出力軸とに動力を入出力するモータリング手段と、
前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、
前記モータリング手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
流体圧を利用して前記車軸側に制動力を付与可能な制動力付与手段と、
前記制動力付与手段の状態を検出する付与状態検出手段と、
前記電動機の状態を検出する電動機状態検出手段と、
前記電動機状態検出手段によって検出された前記電動機の状態に基づいて該電動機から出力可能である回生制動による制動力の範囲である電動機制動可能範囲を設定する範囲設定手段と、
車両に要求される要求制動力を設定し、前記付与状態検出手段により前記制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲内であるときには前記要求制動力に基づく制動力が前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該電動機を制御する一方、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲外であるときには前記要求制動力に基づく制動力が該内燃機関の回転抵抗による制動力と前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該内燃機関と該モータリング手段と該電動機とを制御する異常時制御手段と、
を備えたものである。
この車両では、電動機の状態に基づいてこの電動機から出力可能である電動機制動可能範囲を設定し、車両に要求される要求制動力を設定し、制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、この設定した要求制動力が電動機制動可能範囲内であるときにはこの要求制動力に基づく制動力が電動機の回生制動による制動力により車軸側に出力されるようこの電動機を制御する一方、この設定した要求制動力が電動機制動可能範囲外であるときには要求制動力に基づく制動力が内燃機関の回転抵抗による制動力と電動機の回生制動による制動力により車軸側に出力されるよう内燃機関とモータリング手段と電動機とを制御する。このように、制動力付与手段が異常状態であるときに、要求制動力が電動機制動可能範囲外であるとき、電動機の保護を行なうため電動機によりすべての要求制動力を出力せず、電動機の回生制動による制動力に加えて内燃機関の回転抵抗による制動力も車軸側へ出力するのである。したがって、内燃機関と電動機とを備えた車両において、制動力付与手段が異常状態であるときに電動機の保護を図ると共に制動力をより確保することができる。ここで、「車軸側」とは、車軸としてもよいし車軸を駆動する駆動軸としてもよい。また、「流体」とは、水や油などの液体としてもよいし、空気などの気体としてもよい。なお、異常時制御手段は、操作者のブレーキ操作に基づいて要求制動力を設定するものとしてもよい。
本発明の車両において、前記異常時制御手段は、前記付与状態検出手段により前記制動力付与手段が一部の制動力を出力できない異常状態であると検出されている異常時には、前記制動力付与手段からも前記車軸側に制動力を付与するよう前記制動力付与手段をも制御する手段であるものとしてもよい。こうすれば、制動力付与手段をも利用するため、制動力を一層確保することができる。
本発明の車両において、前記電動機状態検出手段は、前記電動機の温度を検出する手段であり、前記範囲設定手段は、前記検出された電動機の温度が高いほど前記電動機制動可能範囲が小さくなるよう設定する手段であるものとしてもよい。こうすれば、電動機の保護をより図ることができる。
本発明の車両において、前記モータリング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記車軸側と回転可能な第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとしてもよい。
車軸側に動力を出力可能であると共に回転に伴って回転抵抗を生じる内燃機関と、前記車軸側に接続されると共に該車軸側とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、前記内燃機関をモータリング可能であり、電力と動力の入出力を伴って前記車軸側と前記出力軸とに動力を入出力するモータリング手段と、前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、前記モータリング手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、流体圧を利用して前記車軸側に制動力を付与可能な制動力付与手段と、を備える車両の制御方法であって、
前記電動機の状態に基づいて該電動機から出力可能である回生制動による制動力の範囲である電動機制動可能範囲を設定し、
車両に要求される要求制動力を設定し、前記制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲内であるときには前記要求制動力に基づく制動力が前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該電動機とを制御する一方、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲外であるときには前記要求制動力に基づく制動力が該内燃機関の回転抵抗による制動力と前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該内燃機関と該モータリング手段と該電動機とを制御する、ことを含むものである。
この車両の制御方法では、電動機の状態に基づいてこの電動機から出力可能である電動機制動可能範囲を設定し、車両に要求される要求制動力を設定し、制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、この設定した要求制動力が電動機制動可能範囲内であるときにはこの要求制動力に基づく制動力が電動機の回生制動による制動力により車軸側に出力されるようこの電動機を制御する一方、この設定した要求制動力が電動機制動可能範囲外であるときには要求制動力に基づく制動力が内燃機関の回転抵抗による制動力と電動機の回生制動による制動力により車軸側に出力されるよう内燃機関とモータリング手段と電動機とを制御する。このように、制動力付与手段が異常状態であるときに、要求制動力が電動機制動可能範囲外であるとき、電動機の保護を行なうため電動機によりすべての要求制動力を出力せず、電動機の回生制動による制動力に加えて内燃機関の回転抵抗による制動力も車軸側へ出力するのである。したがって、内燃機関と電動機とを備えた車両において、制動力付与手段が異常状態であるときに電動機の保護を図ると共に制動力をより確保することができる。なお、この車両の制御方法において、上述した車両の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した車両の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、駆動輪39a,39bや従動輪39c,39dのブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪39a,39bや従動輪39c,39dに作用するよう油圧パイプ93a〜93dを介してブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪39a,39bや従動輪39c,39dに制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができる油圧ブレーキとして構成されている。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、図示しない信号ラインにより、駆動輪39a,39bや従動輪39c,39dに取り付けられた図示しない車輪速センサからの車輪速や図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに駆動輪39a,39bや従動輪39c,39dのいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに駆動輪39a,39bのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。なお、ブレーキECU94には、油圧パイプ93a〜93dの各々に設けられた油圧を検出する油圧センサ95a〜95dからの信号も入力されている。ブレーキECU94は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V、モータMG2に設けられた温度検出センサ46からのモータ温度θmなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、運転者がブレーキペダル85を踏み込むことにより走行中の車両が制動され減速する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、車両の走行中でエンジン22の運転中に運転者がブレーキペダル85を踏み込んだ際に実行されるものとした。
制動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキセンサポジションBPや車速センサ88からの車速V、モータMG1及びモータMG2のモータ回転数Nm1,Nm2、モータMG2の温度であるモータ温度θm、バッテリ50の入出力制限Winなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Winは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入力制限Winは、電池温度Tbに基づいて入力制限Winの基本値Wintmpを設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて入力制限用補正係数を設定し、設定した入力制限Winの基本値Wintmpに補正係数を乗じることにより設定することができる。
こうしてデータを入力すると、入力したブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求制動トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求制動トルクTr*は、実施例では、ブレーキペダルポジションBPと車速Vと要求制動トルクTr*との関係を予め定めて要求制動トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、ブレーキペダルポジションBPと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求制動トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求制動トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、モータMG2から出力可能な制動トルクの範囲であるモータ回生トルク制限Tm2rcをモータMG2のモータ温度θmに基づいて設定する(ステップS120)。このモータ回生トルク制限Tm2rcは、モータMG2の定格最大トルクにモータMG2のモータ温度θmにより定められる制限率を乗じることにより設定することができる。図4は、モータ回生トルク制限Tm2rcの説明図である。このモータ回生トルク制限Tm2rcは、温度θmaまでは、一定値(例えばモータMG2の定格最大トルクの80%や90%など)であり、温度θma以上ではよりトルクを制限する傾向、即ちモータMG2から出力する制動トルクが小さくなる傾向に定められている。このように、モータ回生トルク制限Tm2rcをモータMG2のモータ温度θmに基づいて定めると、ブレーキアクチュエータ92により作動するブレーキが正常であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、ブレーキの異常としては、ブレーキアクチュエータ92が正常に作動しないことによる異常やブレーキECU94とハイブリッド用電子制御ユニット70との通信が正常に行なうことができない通信異常などが含まれる。また、こうしたブレーキの異常の判定は、例えば、ブレーキECU94によるブレーキアクチュエータ92の制御に異常が認められたときに設定されるブレーキ異常フラグの値を調べたり、ブレーキECU94とハイブリッド用電子制御ユニット70との通信異常が生じたときに設定される通信異常フラグの値を調べたりすることにより、行なうことができる。なお、ブレーキアクチュエータ92の異常としては、例えばブレーキアクチュエータ92とブレーキホイールシリンダ96aとの間の油圧パイプ93a〜93dでの液漏れなどが挙げられる(図1参照)。本実施例では、ブレーキ異常として、油圧パイプ93aでの液漏れを油圧センサ95aの信号に基づいて検出した場合について主として説明する。ここでは、油圧パイプ93aで液漏れが検出されたときには、この液漏れが検出された油圧パイプ93aに設けられた図示しない油圧バルブを閉じることにより、液漏れの生じていない他の油圧パイプ93b〜93dの油圧を確保するものとした。このような状態では、ブレーキホイールシリンダ96b〜96dは正常に作動するが、ブレーキホイールシリンダ96aは正常に作動しないため、全体として制動力が低い状態となることからブレーキ異常であると判定される。
ステップS130でブレーキが正常であると判定されたときには、モータMG2からの回生制動力に加えてブレーキアクチュエータ92からの制動力を出力可能であるものとして、エンジン22の目標回転数Ne*を所定回転数Neに設定すると共に目標トルクTe*として値0を設定し(ステップS140)、モータMG1のトルク指令Tm1*として値0を設定する(ステップS150)。目標回転数Ne*は、実施例では、エンジン22が起動しているときには、例えばエンジン22からトルクを出力せずに、所定のアイドル回転数(1000rpmや1200rpmなど)に設定したり、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に設定することができ、エンジン22が起動していないときには、例えば値0に設定することができる。
こうしてモータMG1のトルク指令Tm1*を計算すると、要求制動トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを次式(1)により計算すると共に(ステップS160)、バッテリ50の入力制限WinとモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの下限としてのトルク制限Tminを式(2)により計算し(ステップS170)、計算したトルク制限TminとステップS120で設定したモータ回生トルク制限Tm2rcとで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。ここでは、要求制動トルクTr*に基づいて定められた仮モータトルクTm2tmpと、バッテリ入力制限Winによる制限値であるトルク制限Tminと、モータ温度θmによる制限値であるモータ回生トルク制限Tm2rcとのうち、絶対値として小さな値であるものをトルク指令Tm2*として設定するものとした。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、リングギヤ軸32aに出力する要求制動トルクTr*を、モータMG2の温度による保護を図りつつ、バッテリ50の入力制限Winの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(1)は、後述する図5の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (1)
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
次に、要求制動トルクTr*やトルク指令Tm2*などに基づいて油圧ブレーキにより作用させるブレーキトルク指令Tb*を設定する(ステップS190)。このブレーキトルク指令Tb*は、油圧ブレーキが正常であるときには、要求制動トルクTr*からトルク指令Tm2*にギヤ比Grを乗じたものを減じることにより求めることができる。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*,ブレーキトルク指令Tb*を設定すると、目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に、ブレーキトルク指令Tb*についてはブレーキECU94にそれぞれ送信し(ステップS200)、このルーチンを終了する。目標回転数Ne*と値0の目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22がトルクを出力することなく目標回転数Ne*となるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。値0のトルク指令Tm1*とトルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1からトルクが出力されないようにすると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。また、ブレーキトルク指令Tb*を受信したブレーキECUは、駆動軸としてのリングギヤ軸32aにブレーキトルク指令Tb*に基づくブレーキトルクが作用するようにブレーキアクチュエータ92を制御する。
一方、ステップS130でブレーキが正常でないとき、即ち異常であるときには、モータMG2から出力可能な制動トルクで要求制動トルクTr*をすべて出力可能か否かを判定する(ステップS210)。ここでは、ステップS120で設定したモータ回生トルク制限Tm2rcに減速ギヤ35のギヤ比Grを乗算したものが要求制動トルクTr*以上であるか否かを判定することにより行なうものとした。モータMG2から出力可能な制動トルクで要求制動トルクTr*をすべて出力可能であると判定したときには、ステップS140以降の処理を実行する。このステップS140以降の処理では、主たる制動トルクをモータMG2から出力し、バッテリ入力制限Winによる制限分の制動トルクを油圧ブレーキから出力するものとした。
一方、ステップS210でモータMG2から出力可能な制動トルクで要求制動トルクTr*をすべて出力可能でないものと判定したときには、エンジン22をモータリングする際に駆動軸としてのリングギヤ軸32aへ生じる反力トルクとしての、エンジン22からの回転抵抗による制動トルク(いわゆるエンジンブレーキ)を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力させるよう、エンジン22の目標回転数Ne*を設定すると共に目標トルクTe*を値「0」に設定する(ステップS220)。目標回転数Ne*は、実施例では、車速Vに基づいて設定するものとした。この目標回転数Ne*は、例えば、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に設定することができる。次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=V・k)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(3)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(4)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算し(ステップS230)、ステップS160以降の処理を実行してこのルーチンを終了する。なお、このステップS160以降の処理のステップS190では、要求制動トルクTr*のうち、主たる制動トルクをモータMG2による回生制動トルクとエンジン22の回転抵抗による制動トルクとから出力し、残りの制動トルクを油圧ブレーキから出力するものとした。ここで、式(3)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示し、「ρ」は、動力分配統合機構30のギヤ比を示す。式(3)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を燃料カットすると共にモータMG1によりエンジン22を目標回転数Ne*でモータリングしたときにエンジン22のフリクショントルクが動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。また、式(4)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(4)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。図5に示すように、モータMG1が回転数Nm1,トルクTm1で駆動するとリングギヤ軸32aには(−1/ρ・Tm1)のトルクが制動トルクとして作用する。このように、モータMG2から出力可能な制動トルクで要求制動トルクTr*をすべて出力可能でないときには、モータMG1によりエンジン22をモータリングし、いわゆるエンジンブレーキをリングギヤ軸32aに出力させてブレーキの制動力を補うのである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-V・k/ρ (3)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (4)
以上詳述した本実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2のモータ温度θmに基づいてこのモータMG2から出力可能であるモータ回生トルク制限Tm2rcを設定し、車両に要求される要求制動トルクTr*をブレーキペダルポジションBPや車速Vに基づいて設定し、油圧ブレーキが異常状態であると検出されている異常時に、この設定した要求制動トルクTr*がモータ回生トルク制限Tm2rc内であるときにはこの要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがモータMG2の回生制動による制動トルクにより駆動軸であるリングギヤ軸32a(車軸側)に出力されるようこのモータMG2を制御する一方、この設定した要求制動トルクTr*がモータ回生トルク制限Tm2rc外であるときには要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがエンジン22の回転抵抗による制動トルクとモータMG2の回生制動による制動トルクによりリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御する。このように、油圧ブレーキが異常状態であるときに、要求制動トルクTr*がモータ回生トルク制限Tm2rc外であるとき、即ちモータMG2から出力可能な制動トルクで要求制動トルクTr*をすべて出力可能でないときには、モータMG2の保護を行なうためモータMG2によりすべての要求制動トルクTr*を出力せず、モータMG2の回生制動による制動力に加えてエンジン22の回転抵抗による制動トルクもリングギヤ軸32aへ出力するのである。したがって、油圧ブレーキが異常状態であるときにモータMG2の保護を図ると共に制動力をより確保することができる。
また、油圧ブレーキが一部の制動トルクを出力できない異常状態であるときには、油圧ブレーキからもリングギヤ軸32aに制動トルクを付与するよう油圧ブレーキをも制御するため、制動力を一層確保することができる。更に、モータMG2のモータ温度θmが高いほどモータ回生トルク制限Tm2rcの絶対値が小さくなるよう設定するため、モータMG2の保護をより図ることができる。更にまた、モータ回生トルク制限Tm2rcとバッテリ入力制限Winとにより要求制動トルクTr*を制限するため、バッテリ50の保護を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施例では、油圧ブレーキに異常が生じていても、この油圧ブレーキからも制動トルクを出力するものとしたが、油圧ブレーキから制動トルクを出力できない場合などには、これを省略してもよい。なお、油圧ブレーキとしてパーキングブレーキから制動力を得るものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図6の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図6における車輪39e,39fに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や航空機などの移動体に搭載されるものとしてもよいし、建設設備などの移動しない設備に組み込まれたものとしても構わない。さらに、こうした車両の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22をモータリング可能な動力分配統合機構30及びモータMG1が「モータリング手段」に相当し、車軸側であるリングギヤ軸32aに動力を入出力可能なモータMG2が「電動機」に相当し、モータMG1およびモータMG2と電力のやりとりが可能なバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、油圧を利用して車軸側である駆動輪39a,39b,従動輪39c,39dに制動力を付与可能なブレーキアクチュエータ92を含む油圧ブレーキが「制動力付与手段」に相当し、ブレーキアクチュエータ92の状態などを油圧の状態などにより検出する油圧センサ95a〜95d及びブレーキECU94が「付与状態検出手段」に相当し、モータMG2の状態としてのモータ温度θmを検出する温度検出センサ46が「電動機状態検出手段」に相当し、モータMG2のモータ温度θmに基づいてモータMG2から出力可能である制動トルクとしてのモータ回生トルク制限Tm2rcを設定するハイブリッド用電子制御ユニット70が「範囲設定手段」に相当し、車両に要求される要求制動トルクTr*をブレーキペダルポジションBP及び車速Vに基づいて設定し、油圧ブレーキが異常状態であると検出されている異常時に、要求制動トルクTr*がモータ回生トルク制限Tm2rc内であるときには要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがモータMG2の回生制動による制動トルクによりリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2を制御する一方、要求制動トルクTr*がモータ回生トルク制限Tm2rc外であるときには要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがエンジン22の回転抵抗による制動トルクとモータMG2の回生制動による制動トルクとブレーキアクチュエータ92の油圧による制動トルクとによりリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とブレーキアクチュエータ92とを制御するエンジンECU24、モータECU40、ブレーキECU94及びハイブリッド用電子制御ユニット70が「異常時制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当する。さらに、対ロータ電動機230も「モータリング手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「制動力付与手段」としては、油圧を利用して車軸側である駆動輪39a,39b,従動輪39c,39dに制動力を付与可能なブレーキアクチュエータ92を含む油圧ブレーキに限定されるものではなく、水などの液体や空気などの気体による圧力を用いるなどして、駆動輪39a,39b,従動輪39c,39dに制動力を付与するものであればどのようなものとしてもよい。「付与状態検出手段」としては、油圧センサ95a〜95d及びブレーキECU94に限定されるものではなく、直接的又は間接的に油圧ブレーキの状態を検出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機状態検出手段」としては、温度検出センサ46及びハイブリッド用電子制御ユニット70に限られるものでなく、電動機の状態を検出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「モータリング手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせによるものや対ロータ電動機230に限定されるものではなく、入力軸に接続されると共に入力軸とは独立に回転可能に内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って入力軸と出力軸とに動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、入力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「範囲設定手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70に限定されるものではなく、モータMG2から出力可能である制動トルクとしての電動機制動可能範囲を設定するものであればどのようなものであってもよい。「異常時制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「異常時制御手段」としては、車両に要求される要求制動トルクTr*をブレーキペダルポジションBP及び車速Vに基づいて設定し、油圧ブレーキが異常状態であると検出されている異常時に、要求制動トルクTr*が電動機制動可能範囲内であるときには要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがモータMG2の回生制動による制動トルクによりリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2を制御する一方、要求制動トルクTr*が電動機制動可能範囲外であるときには要求制動トルクTr*に基づく制動トルクがエンジン22の回転抵抗による制動トルクとモータMG2の回生制動による制動トルクによりリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものであればどのようなものであってもよい。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求制動トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 モータ回生トルク制限Tm2rcの説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 従動輪、39e,39f 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、46 温度検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、93a〜93d 油圧パイプ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、95a〜95d 油圧センサ、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 車軸側に動力を出力可能であると共に回転に伴って回転抵抗を生じる内燃機関と、
    前記車軸側に接続されると共に該車軸側とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、前記内燃機関をモータリング可能であり、電力と動力の入出力を伴って前記車軸側と前記出力軸とに動力を入出力するモータリング手段と、
    前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、
    前記モータリング手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    流体圧を利用して前記車軸側に制動力を付与可能な制動力付与手段と、
    前記制動力付与手段の状態を検出する付与状態検出手段と、
    前記電動機の状態を検出する電動機状態検出手段と、
    前記電動機状態検出手段によって検出された前記電動機の状態に基づいて該電動機から出力可能である回生制動による制動力の範囲である電動機制動可能範囲を設定する範囲設定手段と、
    車両に要求される要求制動力を設定し、前記付与状態検出手段により前記制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲内であるときには前記要求制動力に基づく制動力が前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該電動機を制御する一方、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲外であるときには前記要求制動力に基づく制動力が該内燃機関の回転抵抗による制動力と前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該内燃機関と該モータリング手段と該電動機とを制御する異常時制御手段と、
    を備えた車両。
  2. 前記異常時制御手段は、前記付与状態検出手段により前記制動力付与手段が一部の制動力を出力できない異常状態であると検出されている異常時には、前記制動力付与手段からも前記車軸側に制動力を付与するよう前記制動力付与手段をも制御する手段である、請求項1に記載の車両。
  3. 前記電動機状態検出手段は、前記電動機の温度を検出する手段であり、
    前記範囲設定手段は、前記検出された電動機の温度が高いほど前記電動機制動可能範囲が小さくなるよう設定する手段である、請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記モータリング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記車軸側と回転可能な第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である、請求項1〜3のいずれかに記載の車両。
  5. 車軸側に動力を出力可能であると共に回転に伴って回転抵抗を生じる内燃機関と、前記車軸側に接続されると共に該車軸側とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、前記内燃機関をモータリング可能であり、電力と動力の入出力を伴って前記車軸側と前記出力軸とに動力を入出力するモータリング手段と、前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、前記モータリング手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、流体圧を利用して前記車軸側に制動力を付与可能な制動力付与手段と、を備える車両の制御方法であって、
    前記電動機の状態に基づいて該電動機から出力可能である回生制動による制動力の範囲である電動機制動可能範囲を設定し、
    車両に要求される要求制動力を設定し、前記制動力付与手段が異常状態であると検出されている異常時に、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲内であるときには前記要求制動力に基づく制動力が前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該電動機とを制御する一方、該設定した要求制動力が前記設定された電動機制動可能範囲外であるときには前記要求制動力に基づく制動力が該内燃機関の回転抵抗による制動力と前記電動機の回生制動による制動力により前記車軸側に出力されるよう該内燃機関と該モータリング手段と該電動機とを制御する、車両の制御方法。
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