JP2008277906A - メディア出力システム及びメディア出力方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一部の出力装置が出力不可能な場合であっても、利用者の操作を必要とせずに、オーディオデータの出力を行うことができるメディア出力システム及びメディア出力方法を提供する。
【解決手段】メディア出力システム10aにおけるスピーカ20aとスピーカ20bは各々オーディオデータ出力先決定部208を備える。スピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208aが、サブユニットであるスピーカ20bが出力不能であることを把握して、予め定めてある規則に従ってスピーカ20aに対してステレオデータのLチャネルとRチャネルの両方を出力するように指示する。これにより、サブユニットの一部が出力不能でもシステム全体の機能ダウンならず、利用者の操作を必要とせずにオーディオデータを再生できる。
【選択図】図1
【解決手段】メディア出力システム10aにおけるスピーカ20aとスピーカ20bは各々オーディオデータ出力先決定部208を備える。スピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208aが、サブユニットであるスピーカ20bが出力不能であることを把握して、予め定めてある規則に従ってスピーカ20aに対してステレオデータのLチャネルとRチャネルの両方を出力するように指示する。これにより、サブユニットの一部が出力不能でもシステム全体の機能ダウンならず、利用者の操作を必要とせずにオーディオデータを再生できる。
【選択図】図1
Description
本発明はメディア出力システム及びメディア出力方法に関し、特に、無線通信により接続された複数の出力装置から音声又は映像を出力するメディア出力システム及びメディア出力方法に関するものである。
昨今、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線技術の普及に伴って、民生用オーディオ機器の分野では、オーディオプレーヤやアンプ等と複数のスピーカとの接続に、従来用いられてきた有線に替わり、無線を使用したメディア出力システムが提案されている。例えば、特許文献1には、置型スピーカから音声を出力させる本体装置と、載置可能な置型のセパレートスピーカ体とを有した音声出力装置が開示されている。ここで、特許文献1記載のシステムは、本体装置とセパレートスピーカ体とから構成され、本体装置とセパレートスピーカ体とは光通信により接続される。この音声出力装置は、光通信により、本体装置からだけ音声を出力するモノラルモードと、本体装置とセパレートスピーカ体との双方から音声を出力するステレオモードとを切換可能になっている。これにより、特許文献1の音声出力装置は、持ち運びやすいコンパクトなスピーカだけの形状で、モノラルでもステレオでも音楽を聴けるようにしている。
特開2001−197586号公報
しかしながら、メディア出力システムを構成するスピーカやディスプレイ等の個々のユニットに、信号伝送経路のワイヤレス化や電源系統の独立化が取り入れられ、個々のユニットの独立性が高まると、メディア出力システム全体の作動可否は個々のユニットの作動可否に左右される程度が高まってくる。
ここで、システム全体の作動可能確率は、個々のユニットの作動可能確率の積と考えることができる。そのため、メディア出力システムを構成するスピーカボックスなどのワイヤレス接続化は、ユニット設置の自由度向上という利点を持つことは確かだが、一方では故障率上昇の側面も持つことになる。もし、例えばスピーカ等の一部のユニットが故障した場合、システム全体が使用不可となるのはユーザの利便性低減を招く。よって、ユニットの一部が動作不可となった場合でも、システム内の他の動作可能なスピーカによって音声を出力する必要がある。
あるいは、故障が原因でなくとも、エネルギー消費を低減するためや、スピーカの近傍で就寝中の乳幼児を音楽再生音で起こさないために、利用者が自分の近傍のスピーカだけで音声を再生したい場合がある。
このような場合においては、利用者がスピーカ等の個々のユニット毎にメディアの出力方法を操作しなければならず、利用者にとっては操作が煩雑である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一部の出力装置が出力不可能な場合であっても、好適にメディアの出力を行うことができるメディア出力システム及びメディア出力方法を提供することにある。
本発明は、他の装置から、無線通信により映像データ又は音声データを受信する第1の受信装置と、映像又は音声を出力する第1の出力装置と、第1の出力装置と無線通信により接続され、映像又は音声を出力する第2の出力装置とを備えるメディア出力システムであって、第1の出力装置は、第1の受信装置が受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力手段と、第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、第1の出力装置及び第2の出力装置の中で決定する出力先決定手段とを備え、第2の出力装置は、第1の受信装置が受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力手段と、第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、第1の出力装置及び第2の出力装置の中で決定する出力先決定手段とを備えるメディア出力システムである。
また、本発明は、他の装置から、無線通信により映像データ又は音声データを受信する第1の受信装置と、映像又は音声を出力する第1の出力装置と、第1の出力装置と無線通信により接続され、映像又は音声を出力する第2の出力装置とを備えるメディア出力システムにおけるメディア出力方法であって、第1の受信装置が、他の装置から無線通信により映像データ又は音声データを受信し、第1の出力装置に備えられた出力先決定手段及び第2の出力装置に備えられた出力先決定手段のいずれかの出力先決定手段が、第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で決定し、第1の出力装置及び第2の出力装置の中で出力先決定手段により映像又は音声を出力することを決定された出力装置が、映像又は音声を出力するメディア出力方法である。
本発明のメディア出力システム及びメディア出力方法によれば、一部の出力装置が出力不可能な場合であっても、好適にメディアの出力を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態に係るメディア出力システム及びメディア出力方法について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るメディア出力システムの構成を示す図であり、本発明を、通常は2チャネルのステレオ再生を行うことが可能なメディア再生システムとして構成した例を示す。
図1に示すように、本実施形態のメディア出力システム10aは、それぞれ第1の出力装置又は第2の出力装置として機能するサブユニットであるスピーカ(SP)20a及びスピーカ(SP)20bを備える。スピーカ20a及びスピーカ20bの各々の筐体には、出力先決定手段として機能するオーディオデータ出力先決定装置208a,208bが備えられている。また、スピーカ20a及びスピーカ20bの各々の筐体には、オーディオソース30からオーディオデータを受信し、第1の受信装置又は第2の受信装置として機能するオーディオデータ受信部209a,209bが備えられている。本実施形態のメディア出力システム10aは、サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bの集合体として構成されており、各サブユニット同士は、メディア出力システム10a内部の連携制御の下で動作するように構成されている。
図2は、第1実施形態に係るスピーカ20aのハードウェアの構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態のスピーカ20aは、物理的には、CPU(Central Processing Unit)201aと、ROM(Read Only Memory)202aと、RAM(Random Access Memory)203aと、通信部204aと、オーディオデータ出力部205aと、電源部206aとから構成される。スピーカ20bも同様のハードウェアの構成を有する。
CPU201a、ROM202a及びRAM203aは、後述するようにソフトウェアで記述された各種処理を実行する。通信部204aは、メディア出力システム10a外部のオーディオソース30との間のオーディオデータの伝送以外の再生準備などのための種々の通信に用いられる。また、通信部204aは、メディア出力システム10a内部におけるスピーカ20a及びスピーカ20b間の連携動作のための通信と、オーディオデータのメディア出力システム10a内部での中継伝送などに用いられる。
オーディオデータ出力部205aは、出力手段として機能し、スピーカ20aで出力するオーディオデータの信号処理及びスピーカ20aからの音声出力を行う。電源部206aは、スピーカ20aの各部が動作するための電源を供給する。このように、本実施形態では、サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bの各々に電源部206aを持たせることによって、設置の自由度の向上や、使用したいサブユニットだけ電源を入れて使う等の形態を取ることが可能なようになっている。
図3は、第1実施形態に係るスピーカ20aの機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態のスピーカ20aは、機能ブロックとして、制御部207aと、オーディオデータ出力先決定部208aと、オーディオデータ受信部209aと、通信部204aと、オーディオデータ出力部205aと、電源部206aとから構成されている。スピーカ20bも同様の機能構成を有する。
制御部207aは、図2のCPU201a、ROM202a及びRAM203aによって、スピーカ20a全体の明記しない制御を実行する。
オーディオデータ出力先決定部208aは、図2のCPU201a、ROM202a及びRAM203aによって、メディア出力システム10aの外部のオーディオソース30から受信されるオーディオデータ群について、各サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bへの出力すべきデータの割り当てを行う。図4はスピーカ20a及びスピーカ20bの出力可否状態による出力先決定規則を示す図であり、これらの規則は、オーディオデータ出力先決定部208aに予め規定されており、オーディオデータ出力先決定部208aは、これらの規則に従って、スピーカ20a及びスピーカ20bへの出力すべきデータの割り当てを決定する。
オーディオデータ受信部209aは、図2のCPU201a、ROM202a、RAM203a及び通信部204aによって、メディア出力システム10aの外部のオーディオソース30から、オーディオデータの受信を行う。オーディオデータ受信部209aの動作は、例えば図2の通信部204aと同じ通信モジュールを用いて実行されるが、各々専用の通信モジュールを用いる形態も可能である。
図5は、出力要求に対する出力方法選択規則を示す図である。オーディオデータ出力部205aは、図5に示すような予め定められた規則に従い、オーディオデータ出力先決定部208aによって割り当てられたオーディオデータを出力する方法を選択して、スピーカ20aからの音声出力を行う。
通信部204a及び電源部206aの機能については、図2の対応するブロックと同様である。
以下、本実施形態のメディア出力システム10aの動作を、システムの電源投入からオーディオデータの再生が開始されるまでについて、図6〜8に示すフロー図及び図4,5に示す規則表を用いて説明する。
図6は、第1実施形態に係るメディア出力準備処理を示すフロー図である。図1中に示した各サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bは、このフローチャートに従って動作する。以下の説明では、スピーカ20aの動作を中心に説明する。
最初にサブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bのいずれかの電源投入などをきっかけとして作動が開始されると、図6のSTARTからの処理が開始される。
S101では、サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bから構成されるメディア出力システム10aは、再生可能なオーディオデータに関する条件を、システム外部のオーディオソース機器、例えば図1中のオーディオソース30に対して呈示する。この再生可能なオーディオデータに関する条件とは、例えばオーディオデータに用いられているデータ圧縮形式やその詳細パラメータ、およびデータ伝送フォーマットなどである。
次に、S102では、メディア出力システム10aは、S101で呈示した条件を踏まえた外部機器(オーディオソース30)からの再生要求の待ちうけを開始する。ここまでの処理が完了すると、システム外部の機器が、メディア出力システム10aに対して再生要求を行う準備が整う。
次に処理はS103に進み、メディア出力システム10aのスピーカ20aは、システム外部からの再生要求が来たかどうかを確認する。ここで、再生要求ありの場合はS104へ進む。S104では、メディア出力システム10aは、現在処理中の再生要求以外を受け付けないようにするために、S102で開始した再生要求の待ちうけ処理を停止する。次に処理はS105へ進み、メディア出力システム10aは、S104と同様に、現在処理中の再生要求以外の再生要求の発生を抑制するため、S101で開始したシステムの再生可能条件の提供を停止する。
次に処理はS106に進み、メディア出力システム10aのスピーカ20aは、現在処理中の再生要求に対する受付処理を行う。この受付処理では、再生要求元のオーディオソース30と、メディア出力システム10aのスピーカ20aとの間で、上述の再生に関する詳細な条件の確認および設定処理が行われる。これらの条件を、互いに確認したあった上で、合意に達するか否かによって、再生要求が受け付けられるか否かが決まる。
次に進むS107では、S106の再生要求受付処理の結果に応じて処理が分かれる。再生要求が受け付けられなかった場合は、処理はS101へ進み、メディア出力準備処理が再度繰り返される。一方、S106で再生要求が受け付けられた場合は、S108へ進む。
S108では、メディア出力システム10aの他の構成要素であるスピーカ20bに対し、スピーカ20aに搭載されたオーディオデータ出力先決定部208aの作動を開始することを通知する。この通知を受けた他のサブユニットであるスピーカ20bは、自己が持つオーディオデータ出力先決定部208bは作動させず、スピーカ20aに搭載されたオーディオデータ出力先決定部208aの制御下に入ることになる。この処理は、後述するように、S111でYesの場合のスピーカ20aにおける処理に相当する。
S108の次はS109に進む。S109では、スピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208aの作動を開始する。以後、スピーカ20aとスピーカ20bとは、オーディオデータの出力先に関しては、このスピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208aの指示に従う。続いて処理はS110に進み、出力開始処理を起動することによって、オーディオデータの出力が開始される。
ここで、S103で、システム外部からの再生要求が来ていないと判断された場合の処理を説明する。この場合、処理はS103からS104へ進み、他のサブユニットであるスピーカ20bからオーディオデータ出力先決定部208bの作動開始通知が来たか否かを確認する。この通知は、スピーカ20bに搭載されたオーディオデータ出力先決定部208bの作動開始時に行われるようになっている。すなわち、前述したスピーカ20aにおけるS108での通知処理が行われる。
ここで、スピーカ20bからスピーカ20bのオーディオデータ出力先決定部208bの作動開始通知が来ていない場合は、S103に戻り、前述した処理を再度行うことで、システム外部からの再生要求、あるいは、スピーカ20bからのオーディオデータ出力先決定部208bの作動開始通知を待つ処理が繰り返される。一方、S111で、他のサブユニットであるスピーカ20bからスピーカ20bのオーディオデータ出力先決定部208bの作動開始通知が来たと判断された場合は、S112へ進む。
S112では、スピーカ20aは、S102で開始した再生要求の待ちうけ処理を停止する。次に処理はS113に進み、スピーカ20aは、S101で開始したシステムの再生可能条件の提供を停止する。これらはいずれも、スピーカ20aは、もはや外部機器からの再生要求を受け付ける必要がないため、オーディオソース30からの再生要求の到来を抑制するために行われる。
次に処理はS114に進み、スピーカ20aは、オーディオデータ出力先決定部208bの作動開始通知を送ってきたスピーカ20bのオーディオデータ出力先決定部208bの制御下へ入る処理を行う。この後、処理はS110に進み、メディア出力システム10aは、出力開始処理を起動することによって、オーディオデータの出力が開始される。
次に図7及び図4を用いて、オーディオデータ出力先決定部208a,208bの動作を説明する。図7は、第1実施形態に係るオーディオデータ出力先決定部208a,208bの動作を示すフロー図である。図6のメディア出力準備処理のフローチャートにおけるS109で作動が開始されたオーディオデータ出力先決定部208a,208bでは、図7のフローチャートに示す処理が行われる。
初めにS201が実行され、メディア出力システム10aに属する全てのサブユニット(スピーカ20a、スピーカ20b)に対して、オーディオデータの出力可否の問い合わせを行う。ここで、問い合わせを受けたサブユニットの通信部204a,204bが作動していれば、出力可否についての返答が返されることにより、当該サブユニットの出力可否がわかる。あるいは、サブユニットの電源が入っていないなどの事情により返答を得られない場合は、当該サブユニットのオーディオデータ出力部205a,205bは出力不能と判断される。
次に処理はS202へ進み、オーディオデータを出力可能なサブユニットを用いた出力方法の決定が行われる。この決定は、S201によって判明した出力可能なサブユニットの状況に応じて、図4に示した予め定められた規則に従って行われる。
図4は、サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bの出力可否状態による出力先決定規則を示している。スピーカ20a及びスピーカ20bがともに出力可能な場合は、スピーカ20aで2チャネルステレオのうちのLチャネルデータを出力し、スピーカ20bでRチャネルデータを出力する。スピーカ20aが出力可能だが、スピーカ20bが出力不可の場合は、スピーカ20aでLチャネルとRチャネルを共に出力する。スピーカ20aが出力不可でスピーカ20bが出力可能の場合は、スピーカ20bでLチャネルとRチャネルを共に出力する。
次に処理はS203へ進み、S202で決定された、出力に用いるサブユニットと出力すべきオーディオデータ種別が、各サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bに対して通知される。各サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bは通知にしたがって、オーディオデータの出力を行う。
次に図8及び図5を用いて、図6のS110で起動される出力開始処理を説明する。出力開始処理では、まず図8のS301で、出力すべきオーディオデータ種別についての通知を待つ処理が行われる。この通知は、動作しているオーディオデータ出力先決定部208が決定した結果が、当該サブユニットの通信部204を用いて通知されるものである。
次に、S302において、各サブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bは、上記通知が来たかどうかのチェックを行う。S302で通知がまだ来ていない場合は再度S301に戻り、通知待ちが繰り返される。
次に、S302において通知が来た場合は、処理はS303に進み、通知された出力すべきデータ種別に基づいて出力方法を決定する処理を行う。出力方法の決定は図5に示す予め定められた出力方法選択規則に基づいて行われる。
図5に示す出力方法選択規則では、出力要求がLチャネルデータあるいはRチャネルデータのどちらか1種の場合には、各々のデータをそのまま出力し、LチャネルとRチャネルデータの両方が要求された場合には、LチャネルとRチャネルのデータをミキシングしてモノラル化して出力することが記されている。この規則に基づいたS303における出力方法決定処理が済むと、処理はS304に進み、出力すべきオーディオデータの受信処理およびS303で決定された出力方法に従った出力が開始される。
本実施形態のメディア出力システム10aの通常の動作においては、図9に示すように、2チャネルステレオのオーディオソース30からの2chステレオデータ50を、スピーカ20aとスピーカ20bとで各々Lチャネル、Rチャネルを出力し、ステレオ再生を行う。この場合、メディア出力システム10aのシステム外部に対する機能的外観は、2チャネルステレオ再生機能を持つことが呈示されている。この呈示情報に基づき、2チャネルステレオのオーディオソース30は、メディア出力システム10aへ2chステレオデータ50を送信し、ステレオ再生を行う。
一方、図10に示すようにメディア出力システム10aのサブユニットであるスピーカ20bがオーディオデータを出力できない状況にある場合であっても、スピーカ20bのシステム外部に対する機能的外観は通常通りであり、2チャネルステレオ再生機能を持っていることが呈示されている。このため、2チャネルステレオのオーディオソース30は、特別な対応を行う必要なく、通常同様の動作として2chステレオデータ50の再生をメディア出力システム10aに依頼できる。
ここで、本実施形態のメディア出力システム10aでは、上述したようにスピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208aが、サブユニットであるスピーカ20bが出力不能であり、スピーカ20aだけが出力可能であることを把握して、予め定めてある規則に従ってスピーカ20aに対してステレオデータのLチャネルとRチャネルの両方を出力するように指示する。
スピーカ20aのオーディオ出力部205aは、スピーカ20aのオーディオデータ受信部209aが受け取った2chステレオデータ50から、1チャネルの出力デバイスで都合2チャネル分を出力するために、予め定めてある規則に従って、LチャネルデータとRチャネルデータを加算してモノラル化を行って出力するように動作する。
この結果、メディア出力システム10aは、サブユニットの一部が出力不能という状況であっても、システム全体の機能ダウンに陥ることなく、利用者の操作を必要とせずに、オーディオデータを再生することができるようになっている。
サブユニットであるスピーカ20aあるいはスピーカ20bがオーディオデータを出力できない状況としては、代表的なものとして、利用者の意思でサブユニットの電源がオフ状態とされている場合、あるいは、サブユニットが電池などで動作する場合の電池切れによる作動停止の場合、無線通信環境の悪化によるデータ伝送障害の結果として良好な再生ができない場合、などがあげられる。これらの状況に対して、本実施形態のメディア出力システム10aを適用することができる。
本実施形態のメディア出力システム10aは、信号や電源の物理的供給方法の観点から個々のサブユニットの独立性を高め、設置や機器間のケーブル接続などの煩雑な作業の軽減を狙う商品において、効果的に適用することができる。また、上述した利用者の意思によるシステムの一部のユニットの電源をオフ状態とすることについては、昨今意識が高まりつつある省エネルギー意識を動機とするもの、あるいは、傍らで寝ている乳幼児を音楽再生音で起こさないように、自分の近傍のスピーカだけによる再生を希望すること動機とするものなどが考えられ、これらの要求に応えることが可能なことも本発明の本実施形態のメディア出力システム10aの効果である。
図1、図11及び図12は、それぞれオーディオデータ出力先決定部208a,208bの搭載形態を例示している。図11に示した形態は、メディア出力システム10bにおいて、オーディオデータを出力するサブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20mのうちの1台に、オーディオデータ出力先決定部208aを搭載する形態である。一方、図12に示した形態は、メディア出力システム10cにおいて、スピーカ20mあるいはスピーカ20nとは別のサブユニット40を設け、そのサブユニット40にオーディオデータ出力先決定部208aを搭載する形態である。一方、図1に示した形態は、本実施形態のオーディオデータを出力するサブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bの各々に、オーディオデータ出力先決定部208a,208bを搭載する形態である。
これらの各形態の持つ特徴を耐障害性の観点から説明する。まず、図11の形態の場合は、オーディオデータ出力先決定部208aが搭載されたサブユニットであるスピーカ20aは、本システムを使用する場合には常時作動可能な状態とする必要がある。前記した、オーディオデータを出力できない事情が許されるのはスピーカ20bのみであり、図13に斜線で示すように、オーディオデータ出力先決定部208aが搭載された唯一のサブユニットであるスピーカ20aが動作不能という状況には対応できない制約が伴うことになる。
次に、図12の形態の場合は、オーディオデータを出力する装置を持たないサブユニット40を特に設け、当該サブユニット40がオーディオデータ出力先決定部208aを搭載するが、サブユニット40は常時作動可能な状態とする必要があり、図14に斜線で示すように、サブユニット40が動作不能という状況には対応できないことが、耐障害性の観点からは制約といえる。
図1の本実施形態の場合は、オーディオデータを出力する装置を有するどのサブユニットが作動不能になっても、全てのサブユニットが作動不能になるような場合を除き、図15に斜線で示すようにスピーカ20bが動作不能という状況であっても、オーディオデータ出力先決定部208aを搭載したサブユニットであるスピーカ20aなどが残る。この結果、本実施形態のメディア出力システム10aでは、残存するサブユニットを用いて、より好適な再生形態をとることが可能である。
一方、図1、図16及び図17は、それぞれオーディオデータ受信部209a,209bの搭載形態及びオーディオデータの受信方法を例示している。図1、図16及び図17ともに、オーディオデータを出力する装置を有するサブユニット2つを含み、2チャネルステレオ再生が可能な構成について、各々のサブユニットからLチャネルあるいはRチャネルの1チャネルを出力している状態のオーディオデータの受信方法の例を示している。
図16は、メディア出力システム10bにおいて、オーディオソース30から各々のサブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bに対してオーディオデータが伝送される形態である。この形態は、メディア出力システム10aの外部に対してオーディオデータを受信する場所が複数存在することが特徴である。オーディオソース30は、サブユニットであるスピーカ20aに搭載されたオーディオデータ受信部209aにLチャネルのデータを伝送し、同じくサブユニットであるスピーカ20bに搭載されたオーディオデータ受信部209bにRチャネルのデータを伝送する。この態様では、メディア出力システム10bの外部に対してオーディオデータを受信する場所が複数存在するため、オーディオソース30はそれぞれのオーディオデータ受信部209a,209bごとに、再生の条件に適合したオーディオデータを送信する必要がある。
次に、図17は、メディア出力システム10cにおいて、オーディオデータを出力する装置を持たないサブユニット40を特に設け、オーディオソース30からオーディオデータ受信部209aを設けた当該サブユニット40に対してのみオーディオデータが伝送される形態である。この形態は、メディア出力システム10cの外部に対してオーディオデータを受信する場所が1つであり、それが、オーディオデータを出力する装置を持たないサブユニット40に搭載されていることが特徴である。この態様では、オーディオデータ受信部209aを設けたサブユニット40が別途必要となる。
一方、図1に示すように、本実施形態では、オーディオデータを出力する装置を搭載した各々のサブユニットであるスピーカ20a及びスピーカ20bに、それぞれオーディオデータ受信部209a,209bが搭載された形態である。図1の例では、オーディオデータ受信部209aを搭載したサブユニットであるスピーカ20aのみへ、オーディオソース30からオーディオデータの伝送が行われ、スピーカ20bで出力されるデータは本システムの内部でスピーカ20aからスピーカ20bへ伝送される形態を示す。サブユニットであるスピーカ20bにもオーディオデータ受信部209bが搭載されているが、スピーカ20aに搭載のオーディオデータ受信部209aと同時には動作しないようになっており、メディア出力システム10aの外部に対してオーディオデータを受信する場所が1つとなっていることが特徴である。
図1に示す本実施形態では、メディア出力システム10aの外部に対してオーディオデータを受信する場所が1つとなっており、オーディオソース30からメディア出力システム10aを見ると、オーディオソース30は単一のオーディオデータ受信部209aに再生の条件に適合したオーディオデータを送信すれば良いため、図16の態様に比べて既存の機器を適用しやすく、汎用性が高いという利点がある。また、図17の態様のようにオーディオデータ受信部209aを設けたサブユニット40を別途用意する必要もない。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、オーディオデータが2チャネルステレオのオーディオデータの場合について示したが、例えば5チャネルなどのいわゆるマルチチャネルオーディオを対象とする場合にも、上記第1実施形態と同様の方式を適用可能である。
図18は、第2実施形態に係るメディア出力システム11において全出力先が出力可能な場合の出力例を示す図であり、通常は5チャネルオーディオデータの再生を行う場合の出力例である。図18は、全てのオーディオデータを出力する装置、すなわち、スピーカ20a、スピーカ20b、スピーカ20c、スピーカ20d及びスピーカ20eを用いてオーディオソース31からの5chサラウンドデータ60を再生している場合を示す。スピーカ20a〜スピーカ20eは、上記第1実施形態のスピーカ20aのオーディオデータ出力先決定部208a及びオーディオデータ受信部209a等と同様の構成を有する。
一方、図19及び図20は第2実施形態に係るメディア出力システム11において、図中斜線で示すように、オーディオデータを出力する装置の一部、すなわち、Rear Rightチャネルを出力しているスピーカ20eが使用不能の場合の、残存するスピーカを用いた出力方法の例を2種類示している。
図19では、5チャネルのうちRear LeftチャネルとRear Rightチャネルの出力は行わず、Front Left、Center、Front Rightの3チャネルだけを再生するようにした場合を示している。
また、図20では、スピーカ20dで、Rear LeftとRear Rightを出力するように、不図示のオーディオデータ出力先決定部208aが決定し、さらにスピーカ20dにおいてRear LeftとRear Rightをミキシングしてモノラル化したデータを出力するように出力方法が選択された場合を示している。
このように、使用できない出力先がある場合に残存する出力先を用いてオーディオデータを再生する方法は、様々な形態が可能であり、上記実施形態1で示した図4の出力先決定規則や図5の出力方法選択規則の設定によって異なる形態を設け、利用者の好みに応じてこれらの規則を選択可能にすることも可能である。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。上記第1実施形態及び第2実施形態では、どちらもメディアデータがオーディオデータであったが、オーディオデータに限らず例えばビデオデータに対しても本発明は適用可能である。図21及び図22に示す本発明の第3実施形態は、通常は2アングルビデオ再生を行うことが可能なメディア出力システム12を示す。
図21を用いて動作の概要を説明する。図21は、本実施形態のメディア出力システム12の通常の動作である2アングルのビデオソース32からの2アングルデータ70をディスプレイ(DP)21aとディスプレイ(DP)21bで各々アングル1、アングル2のビデオデータを出力し、2アングル再生を行っている状態を示している。ディスプレイ21aとディスプレイ21bは、上記第1実施形態のスピーカ20a,20bのオーディオデータ出力先決定部208a,208bに相当するビデオデータ出力先決定部208A,208Bや、オーディオデータ受信部209a,209bに相当するビデオデータ受信部209A,209B等の構成を有する。
ここで、メディア出力システム12は、サブユニットであるディスプレイ21aとディスプレイ21bの集合体として構成されており、各サブユニット同士は本実施形態のメディア出力システム12内部の連携制御の下で動作するように構成されている。
メディア出力システム12のシステム外部に対する機能的外観は、2アングルビデオ再生機能を持つことが呈示されている。この呈示情報に基づき、2アングルのビデオソース32はメディア出力システム12へ2アングルデータ70を送信し、2アングルビデオ再生が行われている。
次に、図22中に斜線で示すように、メディア出力システム12のサブユニットであるディスプレイ21bが、ビデオデータを出力できない状況にある場合の動作について説明する。
このような場合であっても、メディア出力システム12のシステム外部に対する機能的外観は通常通りであり、2アングルビデオ再生機能を持っていることが呈示されている。このため、2アングルのビデオソース32は、特別な対応を行う必要なく、通常同様の動作として2アングルビデオデータの再生をメディア出力システム12に依頼できる。
ここで、本実施形態のメディア出力システム12では、ディスプレイ21aのビデオデータ出力先決定部208Aが、サブユニットであるディスプレイ21bが出力不能であり、ディスプレイ21aだけが出力可能であることを把握して、予め定めてある動作規則に従ってディスプレイ21aに対してアングル1とアングル2との両方を出力するように指示する。
ディスプレイ21aは、ディスプレイ21aのビデオデータ受信部209Aが受け取った2アングルデータ70から、1画面の出力デバイスで都合2アングル分を出力するために、予め定めてある規則に従って、アングル1とアングル2のデータを1画面に合成して出力するように動作する。
本実施形態のメディア再生システム12では、サブユニットの一部が出力不能という状況であっても、システム全体の機能ダウンに陥ることなく、2アングルビデオデータを再生することができるようになっている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
10a,10b,10c,11,12…メディア出力システム、20a,20b,20c,20d,20e,20m,20n…スピーカ、30,31…オーディオソース、32…ビデオソース、40…サブユニット、201a,201b…CPU、202a,202b…ROM、203a,203b…RAM、204a,204b…通信部、205a,205b…オーディオデータ出力部、206a,206b…電源部、207a,207b…制御部、208a,208b…オーディオデータ出力先決定部、208A,208B…ビデオデータ出力先決定部、209a,209b…オーディオデータ受信部、209A,209B…ビデオデータ受信部、50…2chステレオデータ、60…5chサラウンドデータ、70…2アングルデータ。
Claims (7)
- 他の装置から、無線通信により映像データ又は音声データを受信する第1の受信装置と、
映像又は音声を出力する第1の出力装置と、
前記第1の出力装置と無線通信により接続され、映像又は音声を出力する第2の出力装置と
を備えるメディア出力システムであって、前記第1の出力装置は、
前記第1の受信装置が受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力手段と、
前記第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で決定する出力先決定手段と
を備え、前記第2の出力装置は、
前記第1の受信装置が受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力手段と、
前記第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で決定する出力先決定手段と
を備えるメディア出力システム。 - 前記第1の出力装置は、前記第1の受信装置を含み、
前記第2の出力装置は、無線通信により映像データ又は音声データを受信する第2の受信装置を含み、
前記第2の受信装置は、前記第1の受信装置が他の装置から受信した映像データ又は音声データを前記第1の受信装置から受信する、請求項1に記載のメディア出力システム。 - 前記出力先決定部は、前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の各々の出力可能状態に応じて映像又は音声を出力する出力装置を規定した出力先決定規則に従って、映像又は音声を出力する出力装置を決定し、
前記出力手段は、前記出力手段が映像データ又は音声データから映像又は音声を出力する形式を予め規定した出力方法選択規則に従った形式で映像又は音声を出力する、請求項1又は2に記載のメディア出力システム。 - 前記出力先決定部は、前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で無線通信をすることが不可能な出力装置以外の出力装置の中から映像又は音声を出力する出力装置を決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメディア出力システム。
- 前記出力先決定部は、複数の映像データ又は複数の音声データからの映像又は音声を前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置のいずれか一つの出力装置で出力することを決定したときは、前記出力手段は、前記複数の映像データ又は複数の音声データを前記出力手段で出力可能な形式に統合して出力する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメディア出力システム。
- 他の装置から、無線通信により映像データ又は音声データを受信する第1の受信装置と、
映像又は音声を出力する第1の出力装置と、
前記第1の出力装置と無線通信により接続され、映像又は音声を出力する第2の出力装置と
を備えるメディア出力システムにおけるメディア出力方法であって、
前記第1の受信装置が、他の装置から無線通信により映像データ又は音声データを受信し、
前記第1の出力装置に備えられた出力先決定手段及び前記第2の出力装置に備えられた出力先決定手段のいずれかの出力先決定手段が、前記第1の受信装置で受信した映像データ又は音声データによる映像又は音声を出力する出力装置を、前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で決定し、
前記第1の出力装置及び前記第2の出力装置の中で前記出力先決定手段により映像又は音声を出力することを決定された出力装置が、映像又は音声を出力するメディア出力方法。 - 前記第1の出力装置に含まれる前記第1の受信装置が、他の装置から、無線通信により映像データ又は音声データを受信し、
前記第2の出力装置に含まれる無線通信により映像データ又は音声データを受信する第2の受信装置が、前記第1の受信装置が他の装置から受信した映像データ又は音声データを前記第1の受信装置から受信する、請求項6に記載のメディア出力方法。
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