JP2008274668A - 建物情報処理システムおよび建物情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】品質を向上させた建物情報処理システムおよび建物情報処理方法の実現を図る。
【解決手段】建物情報処理システム1は、キーボードやマウスからなる入力手段2、CPUからなる処理手段3、種々のデータやプログラムを記憶する記憶手段4、モニターやプリンタからなる出力手段5を有している。処理手段3には、テクニカルテンプレート群からなる技術情報を処理する技術情報処理部3a、施工部品の属性からなる図面情報を処理する図面処理部3b、業者DB(データベース)と下請けDBと工程DBを含む施工管理情報を処理する施工管理情報処理部3cが設けられている。各DBをデジタル処理して施工管理を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】建物情報処理システム1は、キーボードやマウスからなる入力手段2、CPUからなる処理手段3、種々のデータやプログラムを記憶する記憶手段4、モニターやプリンタからなる出力手段5を有している。処理手段3には、テクニカルテンプレート群からなる技術情報を処理する技術情報処理部3a、施工部品の属性からなる図面情報を処理する図面処理部3b、業者DB(データベース)と下請けDBと工程DBを含む施工管理情報を処理する施工管理情報処理部3cが設けられている。各DBをデジタル処理して施工管理を実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、簡単かつ正確に建物の施工管理を行う構成とした、建物情報処理システムおよび建物情報処理方法に関する。
建物の施工管理を行う場合、設計図書(図面)と、技術情報、施工計画情報、施工管理情報は人の視覚を介して結びつけられている。従来の建物の施工管理を行う際に、建物の施工部品の図面には線と文字が描かれているだけなので、施工部品の形状、寸法などの属性は人が目で見て理解していた。特許文献1には、建物の施工をどのようにして行なうか、コンピュータを用いて計画シミュレーションを行なうことが開示されている。
特許文献1に記載されたような従来の施工検討は、設計者などが図面を目視して、対象とする床面などの形状、大きさなどの理解をもとに必要項目を入力していた。このため、検討生産性が低く、図面の誤認などのヒューマンエラーが発生しやすいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、建物の施工管理情報をデジタル値で処理することにより、コンピュータによる施工管理が行える建物情報処理システムおよび建物情報処理方法の提供を目的とするものである。
このような目的を達成するために、本発明の建物情報処理システムは、建物の構造に関連する技術情報の作成手段と、前記建物の施工部品に関連する図面情報の作成手段と、前記建物を施工する作業者に関連する施工情報の作成手段と、前記建物施工の工程情報の作成手段と、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報に基づき、前記建物の施工管理を行なう処理手段と、前記処理手段の処理結果を出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記技術情報は、建物の構造に関連するデータを階層状にテクニカル・テンプレート群で形成し、前記テクニカル・テンプレート群はデジタル値で記憶することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記施工部品は、床、梁、柱、外壁を含み、前記図面情報はこれらの各施工部材の建物内の位置、形状、寸法、材料の種類、材料の物性のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記作業者に関連する施工情報は、業者情報と下請情報を含み、作業内容のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記建物施工の工程情報は、施工月日、作業部位のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記処理手段は、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報に基づき、前記建物を施工する作業者に建物の施工に関する作業指示書を作成して出力することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記処理手段は、前記建物を施工する作業者の作業終了報告に基づき前記建物施工の工程情報を更新することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記処理手段の処理結果をデジタル値で記憶することを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理システムは、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報を表示する手段を備え、前記表示された各情報をリンクさせて、メッセージに従い段階的に施工管理の処理を行うことを特徴とする。
本発明の建物情報処理方法は、建物の構造に関連する技術情報を作成する段階と、前記建物の施工部品に関連する図面情報を作成する段階と、前記建物を施工する作業者に関連する施工情報を作成する段階と、前記建物施工の工程情報を作成する段階と、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報の各情報に基づき、前記建物の施工管理の処理を画面上で行う段階と、前記施工管理の処理結果を出力する段階と、からなることを特徴とする。
また、本発明の建物情報処理方法は、前記建物の施工管理の処理は、メッセージに従い段階的に行われることを特徴とする。
本発明によれば、建物の施工管理情報をデジタル処理している。このため、建物情報の図面や工程表などの各DBをコンピュータだけによって管理することが可能となり、正確な施工管理の処理を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態における建物情報処理システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示されているように、当該建物情報処理システム1は、コンピュータのハードウェア資源により構成されている。2はキーボードやマウスからなる入力手段、3はCPUからなる処理手段、4は種々のデータやプログラムを記憶する記憶手段、5はモニターやプリンタからなる出力手段である。処理手段3には、テクニカルテンプレート群からなる技術情報を処理する技術情報処理部3a、施工部品の属性からなる図面情報を処理する図面処理部3b、業者データベースと下請けデータベースと工程データベースを含む施工管理情報を処理する施工管理情報処理部3cが設けられている。
記憶手段4には、技術情報を記憶する技術情報記憶部4a、図面情報を記憶する図面情報記憶部4b、業者情報を記憶する業者情報記憶部4c、下請契約情報を記憶する下請契約情報記憶部4d、工程情報を記憶する工程情報記憶部4eが設けられている。
図面は、施工部品(柱、大梁・・)の属性(種類、位置、形状寸法、材料の種類、材料の物性、接合方法、施工方法)がデジタルデータで記述され、属性はコンピュータで読み込み、演算することができる。技術情報DB(データベース)は、各施工部品および属性に関する技術的な情報がデジタルデータで記述されている。下請契約DBは、実際施工作業を実施する業者に関して、施工部位、作業内容、業者名、職種からなり、デジタルデータで記述されている。工程DBは、月日施工部位、作業内容、職種、業者人数からなり、デジタルデータで記述されている。業者DBは、各業者に関して、作業内容、歩掛、不具合率、単価からなり、デジタルデータで記述されている。これらの各DBの具体例の詳細については後述する。
図2は、本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。図2において、S(1)で処理プログラムを開始する。S(2)で図16に示されているような各情報をモニターの画面に表示する。S(3)で前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報の各情報に基づき、画面上で施工管理処理を実行する。S(4)で施工管理処理が終了したか否かを判定する。この判定結果がNoの場合には、再度S(3)以下の処理を実行する。判定結果がYesの場合には、S(5)で処理プログラムを終了する。
図3、図4は、施工部品、例えば床スラブについての説明図である。この例では、普通コンクリート(部材1)に鉄筋(部材2)を入れたRCを対象としている。部材の座標系は、図示縦方向(短辺)をXe、横方向(長辺)をYe、高さ方向をZeの3次元ベクトルで表示される。図3(a)は部材の上側平面図、図4(a)は下側平面図、図3(b)は矢視A、B、C方向(Xe方向)の断面図、図4(b)は矢視D、E、F方向(Ye方向)の断面図である。各平面図の線状に表示した部分と各断面図の黒丸で表示した部分は、コンクリート内に配列される鉄筋である。図3(a)の(X01、Y01)は、Xe−Ye方向における部材1の中心位置の座標、(X02、Y02)は部材2の中心位置の座標を示している。
矩形状部材の短辺の端部は○1、○2で、また、長辺の端部は○3、○4で表示している(図の丸付数字は、変換上の理由で○1のように記載する)。図3、図4で示した例では、部材1の普通コンクリート内に、側面視で上下2段に部材2の鉄筋を入れている。部材2は、長さが異なる異形鉄筋を用いている。床スラブは、Ye方向で○1端、Ye方向中央、○2端の3つのブロック区分する。また、Xe方向で○3端、Xe方向中央、○4端の3つのブロック区分する。なお、鉄筋の上下の位置は、「上端筋」、「下端筋」で表示している。例えば、「○1端上端筋」、「○4端下端筋」のように、鉄筋の位置を特定している。
図3(b)、図4(b)は、隣接する鉄筋のピッチを示している。図3(b)A断面の(X01、Z01)は、Xe−Ze方向における部材1の中心位置の座標、(X02、Z02)は部材2の中心位置の座標を示している。A、B、C各断面の図示左側が上端筋ピッチを、右側が下端筋ピッチを示している。図4(b)のC、D、E各断面において、図示上側が上端筋ピッチを、下側が下端筋ピッチを示している。本発明の実施形態においては、図3、図4に示したような施工部品の寸法、形状、材質などの情報を、デジタル情報で記述するものである。すなわち、施工部品の特性をデジタル情報として記憶手段に記憶させている点に特徴がある。
図5は、図1の記憶手段4の図面情報記憶部4bに記憶される施工部品情報の例を示す説明図である。図5(a)はツリー状に設定されたフォルダ構成を示している。「建物」のフォルダの下位に、「床」、「梁」、「柱」の各フォルダを設定する。「床」、「梁」、「柱」の各フォルダの下位には、「オブジェクト基本データ」、「位置データ」、「形状データ」、「材料データ」、「接合データ」、「工程データ」の各フォルダを設定する。
図5(b)は、図5(a)の「オブジェクト基本データ」、「位置データ」、「形状データ」、「材料データ」、「接合データ」、「工程データ」の各フォルダに格納されるデータの例を示す説明図である。これらのデータは、(r)欄の各項目に対応して(s)欄に具体的な特性が設定される。この例では、オブジェクト基本データとして、構造体名は床スラブ、オブジェクトIDはID、構造形式は在来RCが設定される。位置データとして、部材座標系はX、Y、Zの3次元ベクトルで設定される。
部材1の材料データとして、材料種類は普通コンクリート、設計基準強度Fc
(N/mm2)、単位体積重量ρ(N/mm3)が入力される。位置データとして、部材1の中心位置X01、Y01、Z01(mm)が設定される。部材1の形状データとして、寸法1がXe、Ye、Zeの3次元ベクトルで設定される。工程データとして、部材1の作業日の材令(日)が設定される。部材2についても、部材1と同様に材料データ、位置データが設定される。部材2の形状データは、寸法1〜寸法12が入力される。例えば、寸法1の欄には、図3(a)で説明した○1端上端筋の径、図3(b)で説明したピッチが入力される。接合データの「定着方法」について、例えば定着1では、図3(a)の○1端上端筋が○3端上端筋の上部に載置された状態、すなわち、○1端上端筋が○3端上端筋に支持された状態で接合されるかどうかを設定する。
(N/mm2)、単位体積重量ρ(N/mm3)が入力される。位置データとして、部材1の中心位置X01、Y01、Z01(mm)が設定される。部材1の形状データとして、寸法1がXe、Ye、Zeの3次元ベクトルで設定される。工程データとして、部材1の作業日の材令(日)が設定される。部材2についても、部材1と同様に材料データ、位置データが設定される。部材2の形状データは、寸法1〜寸法12が入力される。例えば、寸法1の欄には、図3(a)で説明した○1端上端筋の径、図3(b)で説明したピッチが入力される。接合データの「定着方法」について、例えば定着1では、図3(a)の○1端上端筋が○3端上端筋の上部に載置された状態、すなわち、○1端上端筋が○3端上端筋に支持された状態で接合されるかどうかを設定する。
図6は、デジタル情報で記述される施工部品情報の例を示す説明図である。(c)欄の構造体名には「床スラブ」が設定されている。(d)欄のオブジェクトIDには適宜のIDを設定する。(e)欄の構造形式には「在来RC」が設定されている。(f)〜(n)には、部材座標X1〜X3、Y1〜Y3、Z1〜Z3をデジタル値で設定する。(f)〜(n)欄の0、1は例示である。図3、図4で説明したように、部材1がコンクリート、部材2が鉄筋の場合には、部材1の中心座標(X1、Y1、Z1)は、(1,1,1)となり、部材2の中心座標(X2、Y2、Z2)は、(1,1,0)となる。また、部材3は使用されていないので、中心座標(X3、Y3、Z3)は、(0,0,0)となる。例えば、梁には鉄骨が使用されるので、床スラブと梁を補強対象とする場合には、鉄骨が部材3として処理される。
図6には、施工部品情報の一部である位置データのみがデジタル値で示されているが、以下、図5(b)で説明したような材料データ、形状データ、工程データなども(n)欄に続いてデジタル値で記述される。すなわち、本発明の実施形態においては、施工部品情報をすべてデジタル値で記述するものである。
図7〜図15は、本発明の実施形態に係るデジタル値で記述されるデータの例を示す説明図である。図7は、管理テンプレートの例(a)とその属性(b)を示している。テンプレートには、Q(品質)C(価格)D(納期)S(安全)E(環境)が設定されている。図7(a)の例では、管理テンプレートが「接合―高力ボルト」の場合のQDCSEが、図7(b)で技術情報として記述されている。図7(b)において、(t)欄には工程、(u)欄には作業方法、(v)欄には管理方法、(w)欄には管理値がそれぞれ記述される。(t)欄の工程には、高力ボルトの現場搬入、受入、保管、締付の各手順が記述されている。これらの(t)欄の各工程に対応して、(u)欄の作業方法、(v)欄の管理方法、(w)欄の管理値がそれぞれ記述される。図7(a)の管理テンプレート、図7(b)の属性は、デジタル値として記憶手段4の技術情報記憶部4aに記憶される。
図8は、施工部品の図面の例を示している。この例では、オブジェクトのIDA1が柱、A2が梁、A3が床、A4が外壁に相当し、モニターの画面に表示した際に視覚により判断できるように各施工部品には色分けや模様を付している。この図面情報は、図1において記憶手段4の図面情報記憶部4bにデジタル値として記憶される。
図9〜図11は、施工部品情報の例を示している。図9は、図5(a)に対応している。図10は、図9のデータ構成の具体例を示しており、この例では図9の「梁」に対するオブジェクト基本データ、位置データなどが記述されている。梁の形状、寸法などの諸元は、図11に示されている。図11と図10を参照して、対象とする梁は、部材1がH型鋼材、部材2がスチフナー(カーボン強化部材)、部材3がスタッドに相当する。図10には、各部材について、位置データ、形状データ、材料データが示されている。
図10の各データは、図6で説明したようにそれぞれデジタルデータとして記述されて、記憶手段4の図面情報記憶部4bに記憶される。このように、本発明の実施形態においては、図11に3次元の立体形状で示されている施工部品の形状、寸法、材料などの属性をデジタル値で記憶させている。このため、施工部品の形状、寸法などの属性をコンピュータでモニターに表示して、誰もが誤り無く施工管理の処理を簡単に実行することができる。
図12は、工程DBの例を示している。この工程表は、縦の欄に月日、項目、データを設定する。月日の欄には作業日が記述されている。各作業日に対応して、項目の欄には、オブジェクト、ID、作業、作業員、作業員数が設定される。データの欄には、前記各項目欄に対応した具体的作業内容が記述される。例えば、2月1日の作業は、オブジェクトが「柱」の場合にIDはA1(図8参照)、作業は建方、作業員は鳶、作業員数は3人、である。図12の工程DBは、図1に示した記憶手段4の工程情報記憶部4eにデジタル値として記憶される。
図13〜図15は、データの相互関係の例を示している。図13は図7に対応し、図14は図12に対応している。また、図15は図8〜図10に対応している。図13〜図15の例は、図7で説明した高力ボルトの締付作業を、図12で説明した工程表の2月2日に実行する例を示している。図13の破線で囲んだDの部分は、後述する作業指示書に貼り付けられる。図13〜図15の(イ)〜(ホ)は、それぞれのデータ間の関連を示したものである。この例では、(イ)、(ロ)、(ハ)で、作業内容は梁と梁を高力ボルトで締付により接合することが示される。また、(ニ)、(ホ)で図面のオブジェクトは梁でIDはA2であることが示される。このように、図13〜図15の例では、技術情報である管理テンプレートとそのQCDSE、施工部品の属性を含む図面情報、工程情報を相互にリンクして関連付けて施工管理を行なうので、効率良く処理を実行し、かつ、ミスの発生を防止することができる。
図16〜図31は、本発明の実施形態にかかる施工管理の具体例を示す説明図である。図16において、10は、テンプレート式管理バージョン(プロトタイプ)を示すものであり、テクニカル・テンプレート群として構成されている(以下テンプレート群10と略記する)。これらの各テンプレートを結ぶ線は、データ構造を示している。すなわち、記憶部のフォルダがツリー状に形成されていることを示している。例えば、「全体―地上躯体―柱―溶接」、というようにデータ構造が形成されている。このツリー構成の最下層の10xのレベルには、「建方」、「溶接」、「ボルト締め」、「鉄筋」などの作業内容が配列されている。
各テンプレートには、前記のようにQ(品質)C(価格)D(納期)S(安全)E(環境)に関して、小ノードの関係を記載する。例えば、10aは地上躯体のテンプレートのQCDSEを記載したものである。地上躯体は、鉄骨積層で構成され、C(価格)は資機材費と労務費で生じる。D(納期)は、柱―梁―床・・・の順序で設定されていることが記載されている。
10bは、柱の溶接のテンプレートにおけるQCDSEに関するものである。この例では、Q(品質)はパス間温度・・・、C(価格)は1000円/m・・・、D(納期)は、仮組―溶接―裏はつりー・・・、溶接工20m/人、E(環境)は1kg・CO2/mであることが記載されている。これらの各テンプレートの情報は、デジタル値で記述されたデータベースで記憶されている。
20は建物の施工部品を図面で表示したものである。この施工部品は、図8で説明した例に相当する。これらの施工部品は、前記したように材質、形状、寸法などのデータからなるデータベースがデジタル情報として記憶されており、これらのデータベースを用いてコンピュータにより種々の演算、処理を行うことができる。本発明の実施形態においては、施工部品のデータベースを用いてコンピュータにより施工管理を実行するものである。
30は建物施工の工程表のデータを示している。この例では、対象とする建物について、ある月の12日〜21日の10日間の8F、9F、10Fにおける施工内容が示されている。例えば、8Fの12日の作業は、前記テンプレート群10で示されている柱・建方を鳶職3名で行なうことが設定されている。40は下請契約のデータを示している。例えば、作業部位は1Fの柱、作業内容は溶接、業者はB鉄骨会社、職種は鳶工であることが記載されている。
工程表のデータ30、下請契約のデータ40は、市販の表計算ソフトを用いて作成することができる。50は業者データベース(DB)の例を示している。この例では、A架設会社とB鉄骨会社が登録されている。例えば、B鉄骨会社は溶接20人/m、不具合率2.7%、1100/mであることが示されている。これらの工程表のデータ30、下請契約のデータ40、業者データベース50は、いずれもデジタルデータとして記述されて図1の記憶部4の工程情報記憶部4e、下請契約情報記憶部4d、業者情報記憶部4cに記憶されている。
施工部品のオブジェクトA1とテンプレート群10の溶接に破線が接続されているのは、施工内容が柱の溶接であることを示している。施工部品のオブジェクトA1と下請契約データ40の溶接、および施工部品A1と工程表のデータ30の柱・溶接をそれぞれ結ぶ破線も施工内容を示している。また、下請契約データ40の業者欄におけるA架設会社と業者データベース50のA架設会社も破線で結ばれて、関連性を示している。
図17は、処理プログラムを開始した状態を模式的に示している。モニターの画面には、テンプレート群10、図面20、工程表データ30、下請契約のデータ40、業者データベース50を表示させることができる。なお、テンプレート群10は図8では部分的に表示している。モニターのメッセージ欄60には、施工管理を行なう日が「今日は15日です。」と表示される。
図18は工程表のデータから作業内容の抽出を示している。この例では、15日の作業は柱・溶接で、鍛冶1名が必要であるとするデータを抽出している。この際に、図示されているように工程表のデータの該当個所を枠で囲む。図19は、図面20からの抽出で本日の作業の施工範囲を表示することを示している。この例では、施工部品A1、すなわち、柱を抽出する。以下、各データから抽出する部分は枠で囲って表示する。
図20は、下請契約のデータ40から、部位1Fの作業が溶接、業者はB鉄骨会社、職種は溶接工を抽出する例を示している。図21は、テンプレート群10から作業内容の溶接を抽出する例を示している。図22は、作業指示書70の作成例を示している。作業指示書70には、図16で説明したテンプレート群10のQCDSEである10b、図面20、図面20で抽出した施工範囲(F1−柱―X2通りなど)、業者・作業項目、作業手順を設定した指令書70aが記載されている。この作業指示書70により、業者に作業を指示する。作業指示書には70は、適宜追記(オプション)することができる。なお、図13のFで示した破線で囲まれた部分のように、テンプレート群10のQCDSEが作業内容に応じて適宜作業指示書70に貼り付けられる。
図23は、作業が終了したときに業者がどのようにして報告するかの例が示されている。この例では、業者は、携帯電話より作業に要した人工、時間について終了報告することが指示されている。図24は、終了報告を作業指示書70の図面20とリンクさせる例を示している。この例では、終了報告は指令書70aに、F1−柱―X2通りの溶接作業は、溶接工1名で午前11時15分に終了したことが記載されている。
図25は、終了報告から歩掛を計算する例を示している。この例では、B鉄骨会社における溶接工の工数は当初20m/人で設定されていたが、歩掛を計算した結果15m/人となった。この結果は、業者DB50に登録される。また、この歩掛でテンプレート群10の10b(溶接のQCDSE)を更新する。ここでは、D(納期)の溶接工を20m/人から15m/人に更新している。
図26は、今回の作業は図17〜図25で説明した作業日15日の翌日に設定する例を示している。画面のメッセージ欄60には、「今日は16日です。」のメッセージを表示する。図27は、前日に溶接作業を実施した柱に対して超音波検査(UT)を実施し、検査記録をとり、チェックリスト80を作成する例を示している。この例では、F1−柱―X3通りの溶接作業は、不良(NG)であったことを示している。図28は、作業指示書70の指令書70aに記載された終了報告に、検査記録のチェックリスト80をリンクさせる例を示している。
図29は、検査記録を業者DBに登録する例を示している。この例では、柱の溶接作業に不良が発生したので、不具合率は当初の2.7%から3.1%に上昇している。図30は、前記のように柱の溶接作業のUTでNGが発生したので、工程表のデータ30において、30aのようなマークを画面に表示して、17日以降の工程を再構成する例を示している。
図31は、工程を再構成する際の処理例を示しており、メッセージ欄60の該当処理を抽出する。この例では、図19の図面による施工範囲、図22の作業指示書、図23の作業終了報告、図25の歩掛の更新、図28の作業指示書と検査記録のリンク、図29の検査記録の業者DBへの登録、の各処理を抽出している。再構成する処理は、枠で囲む、文字の色を変える、下線を引く、など種々の方策で、視覚により判断できるように表示する。本発明の実施形態においては、メッセージに従い段階的に処理を行うので、習熟度をあまり必要とすることなく簡単に施工管理を実行できる。なお、メッセージを音声で報知することもできる。
以上説明したように、本発明は、施工部品などの建物施工に関連する各種情報をデジタル値で処理することにより、コンピュータによる施工管理を実現し、エラーの発生を防止して正確な処理を行う建物情報処理システムおよび建物情報処理方法を提供することができる。
1・・・建物情報処理システム、2・・・入力手段、3・・・処理手段、4・・・記憶手段、5・・・出力手段、10・・・テクニカルテンプレート群、20・・・施工部品の図面データベース、30・・・工程表データベース、40・・・下請契約データベース、50・・・業者データベース、60・・・メッセージ、70・・・作業指示書
Claims (11)
- 建物の構造に関連する技術情報の作成手段と、前記建物の施工部品に関連する図面情報の作成手段と、前記建物を施工する作業者に関連する施工情報の作成手段と、前記建物施工の工程情報の作成手段と、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報に基づき、前記建物の施工管理を行なう処理手段と、前記処理手段の処理結果を出力する出力手段とを具備することを特徴とする、建物情報処理システム。
- 前記技術情報は、建物の構造に関連するデータを階層状にテクニカル・テンプレート群で形成し、前記テクニカル・テンプレート群はデジタル値で記憶することを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 前記施工部品は、床、梁、柱、外壁を含み、前記図面情報はこれらの各施工部材の建物内の位置、形状、寸法、材料の種類、材料の物性のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 前記作業者に関連する施工情報は、業者情報と下請情報を含み、作業内容のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 前記建物施工の工程情報は、施工月日、作業部位のような諸特性をデジタル値で記憶することを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 前記処理手段は、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報に基づき、前記建物を施工する作業者に建物の施工に関する作業指示書を作成して出力することを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 前記処理手段は、前記建物を施工する作業者の作業終了報告に基づき前記建物施工の工程情報を更新することを特徴とする、請求項6に記載の建物情報処理システム。
- 前記処理手段の処理結果をデジタル値で記憶することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の建物情報処理システム。
- 前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報を表示する手段を備え、前記表示された各情報をリンクさせて、メッセージに従い段階的に施工管理の処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の建物情報処理システム。
- 建物の構造に関連する技術情報を作成する段階と、前記建物の施工部品に関連する図面情報を作成する段階と、前記建物を施工する作業者に関連する施工情報を作成する段階と、前記建物施工の工程情報を作成する段階と、前記技術情報、図面情報、施工情報、工程情報の各情報に基づき、前記建物の施工管理の処理を画面上で行う段階と、前記施工管理の処理結果を出力する段階と、からなることを特徴とする、建物情報処理方法。
- 前記建物の施工管理の処理は、メッセージに従い段階的に行われることを特徴とする、請求項10に記載の建物情報処理方法。
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