JP6172104B2 - 構造体モデルの連続接合適用部位特定装置及び方法 - Google Patents

構造体モデルの連続接合適用部位特定装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造体モデルの連続接合適用部位特定装置及び方法に関するものであり、主としてレーザー接合、又は、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合等の連続接合に最適な接合部位を特定する装置及び方法に関する。
近年、特に自動車産業においては環境問題に起因した車体の軽量化が進められており、車体の設計にコンピュータ支援工学による解析(以下、「CAE解析」という)は欠かせない技術となっている。
自動車の車体は薄板からなる部品で構成されており、これらを主にスポット溶接により接合することでモノコック構造の車体が形成される。このためCAE解析に用いられる構造体モデルでは、薄板部品のみならず部品同士の接合部位もモデル化し、一台の車体としての各種性能をコンピュータ上にて予測・評価することが可能となっている。
前述のとおり、モノコック構造の車体では主に薄板部品のスポット溶接により車体が形成されるため、スポット溶接点の位置が車体の剛性、振動及び衝突等の車体特性を大きく左右する。一方、車体は部品毎に設計され、その際にスポット溶接点の位置、つまりスポット溶接点の間隔が決定される。
しかしながら、スポット溶接は分流の問題があるため、連続して打点を設定することができず、通常、溶接点同士は30mm以上の間隔を空ける設計となっている。そのため、部品から部品へ荷重を伝達するスポット溶接点が離散的に配置された状態となっている。
一方、レーザー接合、又は、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合のような連続接合では、部品のフランジ部に全面的に接合を施すことが可能となり、剛性、振動及び衝突等の車体特性が大きく向上する。そのため、連続接合を車体全体に適用した場合、大きな特性改善が期待されるものの、車体全体に連続接合を施す場合、接合部位の全長は100m以上に及び、現在、流れラインで製作される自動車車体の接合部位全てに連続接合を適用することは極めて困難である。
そこで、車体の一部に連続接合部位を施すことで、車体特性を改善することが望まれる。この場合、接合部位の全てに連続接合をモデル化した構造体モデルに対して、特許文献1に開示されたような最適化技術を適用し、連続接合に適した部位を特定することが考えられる。
特開2010−250818号公報
通常のCAE解析では、解析対象とする構造体モデルにおいて、レーザー接合部位、又は、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合部位は、連続した接合要素でモデル化される。このような接合要素をモデル化するためには、すべての部品のフランジ部の合わせ状況を確認し、その隙間の大きさに合わせて接合要素をフランジ部に設定する必要が生じ、煩雑な作業を要する。
また、レーザー接合の接合幅は約0.5〜1mmであるため、微細な要素により接合部をモデル化する必要があり、その作業に手間がかかる。一方、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合においても、接合幅が5〜10mmと幅広のため、部品組みのフランジ部同士が平行になるように構造体の形状(構造体モデルの形状)を修正する必要が生じる。
連続接合部のモデル化又は構造体のモデリングの修正作業は、車体の場合では連続接合部位の全長が100m以上もあるため、煩雑な作業と多くの日数を要する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおいて、煩雑な作業を要せず容易に連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定装置及び方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る構造体モデルの連続接合適用部位特定装置は、部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおける、与えられた解析条件に対して連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定装置であって、前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成部と、前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定部と、該解析条件設定部で設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素を前記スポット接合要素生成部で生成された前記スポット接合要素の中から選出する最適化解析部と、前記最適化解析部で選出した前記スポット接合要素が有する部品組みに関する前記情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出部と、前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算部と、該スポット接合要素間距離演算部によって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定部と、該スポット接合間隔決定部で得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定部とを備えたことを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置において、前記連続接合適用部位特定部にて連続接合に適した部位として特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する連続接合適用部位表示部を備えたことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置において、前記連続接合がレーザー接合である場合、前記解析条件設定部は前記最適化解析部によって選出する最適なスポット接合要素の個数を指定する機能を有することを特徴とするものである。
(4)上記(1)又は(2)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置において、前記連続接合がスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合である場合において、前記解析条件設定部は最適化解析部においてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定する機能を有することを特徴とするものである。
(5)本発明に係る構造体モデルの連続接合適用部位特定方法は、部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおける、与えられた解析条件に対して連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定方法であって、以下のステップをコンピュータが行うものであり、前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成ステップと、前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定ステップと、該解析条件設定ステップで設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素を前記接合要素生成ステップで生成された前記接合要素の中から選出する最適化解析ステップと、前記最適化解析ステップで選出した前記スポット接合要素が有する部品組みに関する前記情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出ステップと、前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算ステップと、該スポット接合要素間距離演算ステップによって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定ステップと、該スポット接合間隔決定ステップで得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定ステップとを備えたことを特徴とするものである。
(6)上記(5)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法において、前記連続接合適用部位特定ステップにて連続接合に適した部位として特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する連続接合適用部位表示ステップを備えたことを特徴とするものである。
(7)上記(5)又は(6)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法において、前記連続接合がレーザー接合である場合、前記解析条件設定ステップは前記最適化解析ステップによって選出する最適なスポット接合要素の個数を指定することを特徴とするものである。
(8)上記(5)又は(6)に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法において、前記連続接合がスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合である場合、前記解析条件設定ステップは最適化解析ステップにおいてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定することを特徴とするものである。
本発明においては、部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおける、与えられた解析条件に対して連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定装置であって、前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成部と、前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定部と、該解析条件設定部で設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素を前記スポット接合要素生成部で生成された前記スポット接合要素の中から選出する最適化解析部と、前記最適化解析部で選出した前記スポット接合要素が有する部品組みに関する前記情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出部と、前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算部と、該スポット接合要素間距離演算部によって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定部と、該スポット接合間隔決定部で得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定部とを備えたことにより、構造体モデルの全ての接合部位を簡易にモデル化し、さらに、最適化解析を行うことによって全ての接合部位の中から連続接合に適した部位を容易に特定することができる。
本発明の実施の形態に係る構造体モデルの連続接合適用部位特定装置のブロック図である。 本発明の実施例に係る構造体モデル(車体モデル)を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る構造体モデルにおけるスポット接合要素の生成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る連続接合の場合に関する解析条件を説明する図である(その1)。 本発明の実施の形態に係る連続接合の場合に関する解析条件を説明する図である(その2)。 本発明の実施の形態に係る連続接合の場合に関する解析条件を説明する図である(その3)。 本発明の実施の形態に係る構造体モデルにおける部品組み毎にスポット接合要素及びスポット接合間隔を求める方法を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る構造体モデルの連続接合適用部位特定装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る解析結果を示す図である(その1) 本発明の実施例に係る解析結果を示す図である(その2) 本発明の実施例に係る荷重拘束条件を示す図である。(その1) 本発明の実施例に係る荷重拘束条件を示す図である。(その2)
[実施の形態]
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、主に図1に示すブロック図に基づいて、構造体モデルの連続接合適用部位特定装置1(以下、単に「連続接合適用部位特定装置」という)の構成について説明する。
本実施の形態に係る連続接合適用部位特定装置1は、部品同士がスポット溶接されている部位をモデル化するために用いられるスポット接合要素を構造体モデル上に連続して密に配置し、最適化解析によって該スポット接合要素の中から連続接合に適したスポット接合要素を特定し、特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する装置である。
連続接合適用部位特定装置1は、PC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータによって構成され、表示装置3と入力装置5と記憶装置7と作業用データメモリ11と演算処理部13を有している。
また、演算処理部13には、表示装置3と入力装置5と記憶装置7と作業用メモリ11が接続され、演算処理部13の指令によって各機能を行う。
<表示装置>
表示装置3は構造体モデル等の表示に用いられ、液晶モニター等で構成される。
<入力装置>
入力装置5は構造体モデルファイル9の表示指示、操作者による計算条件の入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
<記憶装置>
記憶装置7は、ファイルの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。記憶装置7には、少なくとも、構造体モデルファイル9等の各種の情報が格納される。
<構造体モデルファイル>
構造体モデルファイル9は、構造体モデルを構成する複数の部品、部品を構成する平面及び/又は立体要素等に関する情報を含むファイルである。部品同士の接合部位に対して、ばね、はりなどの梁要素又は立体要素等のスポット接合要素を与えることで接合部位がモデル化されている場合もある。この時、剛体要素を介して部品を表す要素とスポット接合要素が組み合わされて接合部位がモデル化されている場合もある。これらの場合においては、構造体モデルファイル9は、スポット接合要素及び剛体要素に関する情報を含む。
構造体モデルファイル9には、これらの部品や要素に対して、個別に識別番号や点座標等の情報が記録されている。さらに、スポット接合要素には該スポット接合要素によって接合される部品の識別番号ならびに該スポット接合要素が有するスポット接合間隔に関する属性番号が付与されている。
構造体モデルの一例として車体モデル41を表示装置3に表示したものを図2に示す。車体モデル41において車体を構成する部品43の接合部位を表すスポット接合要素45は図2において黒点で示されている。図2に示す車体モデル41の場合、車体は主に薄鋼板によって形成されることから、車体モデル41における部品43は平面要素によって構成される。
<作業用データメモリ>
作業用データメモリ11は、演算処理部13で使用するデータの一時保存や演算等に用いられ、RAM等で構成される。
<演算処理部>
演算処理部13は、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成され、以下に説明する各部はCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。
演算処理部13は、対象とする構造体モデルを設定する構造体モデル設定部15と、前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成部17と、前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定部19と、解析条件設定部19で設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素をスポット接合要素生成部17で生成された前記スポット接合要素の中から選出する最適化解析部21と、最適化解析部21で選出した前記スポット接合要素に付与された部品組みに関する情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出部23と、前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算部25と、スポット接合要素間距離演算部25によって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定部27と、接合間隔決定部27で得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定部29と、連続接合適用部位特定部29にて連続接合に適した部位として特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する連続接合適用部位表示部31とを備えている。
演算処理部13内の各部の構成を詳細に説明する。
≪構造体モデル設定部≫
構造体モデル設定部15は、構造体モデルファイル9から部品、部品を構成する要素及び節点等の情報を読み込む。構造体モデルにおいて、通常、部品は平面要素で構成されているが、立体要素、又は平面要素と立体要素を組み合わせたものでも良い。
≪スポット接合要素生成部≫
スポット接合要素生成部17は、構造体モデルファイル9から読み込んだ構造体モデルにおいて接合される2つの部品の接合点又は接合部にスポット接合要素を生成する。このとき、スポット接合要素同士の間隔が予め定めた所定間隔以下となるよう構造体モデル上に密に生成する。例えば、通常のスポット溶接では、30mm以上の間隔を空けてスポット溶接点が設定されているので、本最適化解析対象のスポット接合要素は10mm以下となるように生成するとよい。生成された前記スポット接合要素には、該スポット接合要素が接合している部品の識別番号、部品を構成する要素の識別番号、さらには該スポット接合要素が有するスポット接合間隔に関する属性番号等の情報が付与される。
前記スポット接合要素が有する上記各種情報は、該スポット接合要素を構造体モデル上に密に生成する前に付与しても良い。
具体的には、図3(a)に示す構造体モデル51において、部品53を構成する平面要素のサイズと同程度の間隔Dでスポット接合要素55を生成し、該スポット接合要素には、スポット接合している部品53の識別番号、部品53を構成している要素の識別番号、さらには該スポット接合要素が有するスポット接合間隔に関する属性番号(例えば100)を付与する。
あるいは、図3(b)に示すように、構造体モデルファイル9に予めスポット接合要素55aが配置されている場合もあるが、この場合には、元々配置されているスポット接合要素55aをそのまま利用し、図3(c)に示すようにスポット接合要素55a同士の間に新たにスポット接合要素55bを予め定めた所定間隔D以下となるように生成しても良い。
本発明に係るスポット接合要素生成部17によりスポット接合要素55又は55bを密に生成する理由としては、通常の構造体に実装されているスポット溶接などの点接合をモデル化するスポット接合要素を、ある部位において緻密に連続して配置することによって、該部位を連続接合されている部位としてモデル化するためである。そのため、スポット接合要素55又は55bの所定間隔Dとしては、部品を構成する平面要素のサイズと等しい10mm程度が望ましい。なお、スポット接合要素55、55a及び55bの要素サイズは板厚から想定されるナゲット径相当が望ましく、一般に5×(板厚)0.5(mm)のナゲット径が生成されるので、同等の面積となる接合要素を設定するとよい。
≪解析条件設定部≫
解析条件設定部19は、最適化計算を行うための解析条件を設定する。解析条件としては、構造体の形状又は要求特性に関する条件ならびに最適化解析の対象となるスポット接合要素に関する条件がある。
構造体の形状又は要求特性に関する条件としては、例えば構造体の拘束位置、荷重を付加する位置、材料体積率、剛性を最大にする、変位を最小にする、応力を最小にする、等が挙げられる。
一方、スポット接合要素に関する条件としては、最適化解析を適切に行うための前処理に関する条件とスポット接合要素の位置及び個数に関する条件がある。
最適化解析を行うための前処理に関する条件とは、部品同士が必ず接合する1か所以上のスポット接合箇所を規定する固定点を与えることである。該固定点は、単純構造解析、又はトポロジー最適化解析を実施した結果に基づいて選出される。
単純構造解析及びトポロジー解析の両者とも、初期スポット箇所の固定点を設定する際に、構造体モデルに元々配置されていたスポット接合要素を用いても良い。
スポット接合要素の位置及び個数に関する条件として、例えば、(A)最適化解析において選出するスポット接合要素の個数のみを指定、(B)最適化解析においてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と、構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定、が挙げられる。
これらの最適化解析におけるスポット接合要素に関する条件の違いについて、以下に説明する。
最適化解析において選出するスポット接合要素の個数のみを指定する条件(A)の場合、例えば、図4(a)に示すように、構造体モデル51において所定間隔D以下で密に生成されたスポット接合要素55に対し、最適化解析によって選出するスポット接合要素数を5個と指定して最適化解析を実行すると、図4(b)に示すように、選出するスポット接合要素55c及び消滅するスポット接合要素55dが最適化解析の結果として得られる。
一方、最適化解析においてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と、構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定する条件(B)の場合、例えば図5(a)に示すように、所定間隔D以下で密に生成されたスポット接合要素55b及び55eに対し、最適化解析においてスポット接合要素55eを維持するものとし、スポット接合要素55eの位置と個数、さらにスポット接合要素55bのうち選出する個数を指定すると、図5(b)に示すように、維持されるスポット接合要素55e、選出するスポット接合要素55c及び消滅するスポット接合要素55dが最適化解析の結果として得られる。なお、維持されるスポット接合要素55eは、元々配置されていたスポット溶接の打点を用いるとよい。
なお、スポット接合要素に対する解析条件として、上記の(A)又は(B)の条件を与えた理由は以下のとおりである。
連続接合として、レーザー接合を適用した場合、構造体部品のフランジ部を密着し、該フランジ部にレーザーを照射することによって接合する。一方、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合を適用した場合、接合箇所に熱硬化性樹脂を塗布した後にスポット溶接を施すことにより、構造体部品のフランジ部を接合するものである。
そのため、本発明の装置及び方法により構造体モデルにおいて連続接合に適した部位を特定する際に、レーザー接合を想定した場合、図4(b)に示したようにスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素を特定せずにレーザー接合部位のみを特定すればよい。
一方、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合を想定した場合、図5(b)に示したように、連続接合に適した部位55fはスポット溶接点と構造用接着剤を塗布する箇所を特定する必要がある。
したがって、上記(A)又は(B)の解析条件を適宜選択することで、レーザー接合、又は、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合のいずれの場合においても連続接合部位をモデル化することが可能となる。
なお、前述の説明では、スポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合において、図5(a)に示すように、スポット溶接点の同軸線上にスポット接合要素55bを生成し、スポット接合要素55bと同位置を、構造用接着剤を塗布する部位として特定するものとしている。
しかしながら、図6に示すように、スポット溶接点を表すスポット接合要素55eの軸線上からオフセットした位置にスポット接合要素55bを生成し(図6(a))、スポット接合要素55bに対して最適化解析を行って選出したスポット接合要素55cを、構造用接着剤を塗布する部位として特定してもよい(図6(b))。この場合、図5と同様、スポット溶接点として維持すべきスポット接合要素55eの位置及び個数と、最適化の対象となるスポット接合要素55bのうち構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素55cの個数を解析条件として指定する。
≪最適化解析部≫
最適化解析部21は、構造体モデルが備えるスポット接合要素に対して、解析条件設定部19で設定された解析条件の下で最適化解析を実行し、解析条件を満たすスポット接合要素を選出する。
最適化解析方法としては、トポロジー最適化を適用することができる。トポロジー最適化で密度法を用いる場合、中間的な密度が多い場合には(1)式で表わされる離散化が好ましい。
(ρ)=ρK ・・・・・(1)
ただし、
:要素の剛性マトリックスにペナルティを課したマトリックス
K:要素の剛性マトリックス
ρ:密度
p:ペナルティ係数
ここで、スポット接合要素の最適化に対しては、ペナルティ係数は4以上の値とすることが必要である。
なお、最適化解析部21は、トポロジー最適化処理を行うものでもよいし、他の計算方式による最適化処理であってもよい。
≪部品組みスポット接合要素抽出部≫
部品組みスポット接合要素抽出部23は、2つの部品が接合されている全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する。例えば、図7に示す構造体モデル61においては、部品Aと部品Bの部品組みのスポット接合要素65としてW〜Wが、部品Bと部品Cの部品組みのスポット接合要素65としてW、Wを抽出する。
≪スポット接合要素間距離演算部≫
スポット接合要素間距離演算部25は、部品組みスポット接合要素抽出部23で特定された部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求める。該スポット接合要素間距離は、各スポット接合要素の代表点座標値を用いて計算される。この時、前記スポット接合要素の形状は、梁要素又は立体要素のいずれの場合であっても構わない。
例えば、図7に示す構造体モデル61の場合、部品AとBの部品組みのスポット接合要素Wと他のスポット接合要素W〜Wとの距離L〜Lは、各スポット接合要素の節点から求めた中心点を代表点67とする座標値を用いて計算される。
≪スポット接合間隔決定部≫
スポット接合間隔決定部27は、スポット接合要素間距離演算部25で各スポット接合要素について求めたスポット接合要素間距離の中から最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔として各スポット接合要素の有する情報として付与する。
図7に示す構造体モデル61において、スポット接合要素Wのスポット接合間隔はスポット接合要素Wと他のスポット接合要素W〜Wとの距離L〜Lのうち、最小値であるLとなる。
≪連続接合適用部位特定部≫
連続接合適用部位特定部29は、スポット接合間隔決定部27により各スポット接合要素に対して付与されたスポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を選択し、該スポット接合要素が連続接合に適した部位であると特定する。さらに、連続接合に適した部位であると特定されたスポット接合要素に対して、スポット接合要素生成部17で付与された属性番号とは異なる新しい属性番号を付与する。
例えば、所定値2D以下の接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位であるとした場合、図4(b)及び図5(b)に示すよう連続接合部55fが連続接合に適した部位であると特定する。さらに、連続接合部55fに含まれるスポット接合要素には、新しい属性番号として1001を付与し、連続接合部55fに含まれないスポット接合要素については、新しい属性番号が付与されず、スポット接合要素生成部17で付与された属性番号100が維持される。
通常、スポット溶接の場合は分流の問題を回避するため、30mm以上の間隔を空けてスポット溶接点が設定される。そのため、本発明に係る実施の形態で連続接合に適した部位であると特定するためのスポット接合間隔の所定値としては、20mmが望ましい。また、構造体モデル設定部15で生成したスポット接合要素を10mm以下とすることにより、複数個のスポット接合要素が生成される。
≪連続接合適用部位表示部≫
連続接合適用部位表示部31は、連続接合適用部位特定部29において連続接合に適した部位として特定されたスポット接合要素の有する識別番号及び属性番号に基づいて、該スポット接合要素を構造体モデル上に表示させる指示を表示装置3に送る。
例えば、連続接合適用部位特定部29によって属性番号1001を付与されたスポット接合要素を、構造体モデル上に表示するよう指示を表示装置3に送る。
上記のように構成された連続接合適用部位特定装置1を用いて、構造体モデルにおいて連続接合に適した部位を特定し、該部位を構造体モデル上に表示する方法について、主に図8に基づいて、以下に説明する。
まず、解析対象となる構造体モデルを設定する(S1)。構造体モデルは、構造体の部品等を平面要素及び/又は立体要素で表したものであり、構造体を構成する要素の識別番号や属性番号、各要素の節点座標等の様々な情報を有している。また、構造体モデルによっては、部品同士の接合点又は接合部をモデル化した接合要素や、該接合部において剛体要素を用いているものもある。
次に、構造体モデルにおいて接合される2つの部品の接合点又は接合部にスポット接合要素を生成する(S3)。このとき、スポット接合要素同士の間隔を通常のスポット溶接の間隔より狭くして、予め定めた所定間隔以下となるよう構造体モデル上に密に配置する。
次に、最適化解析を行うための解析条件を入力する(S5)。最適化解析の解析条件としては、構造体の形状又は要求特性に関する条件及び最適化解析の対象となるスポット接合要素に関する条件がある。
構造体の形状又は要求特性に関する条件としては、例えば構造体の拘束位置、荷重を付加する位置、材料体積率、剛性を最大にする、変位を最小にする、応力を最小にする、等が挙げられる。一方、スポット接合要素に関する条件としては、最適化解析を適切に行うための前処理に関する条件と、スポット接合要素の位置及び個数に関する条件がある。
次に、構造体モデル上のスポット接合要素に対して、解析条件設定ステップS5で設定された解析条件の下で最適化解析を実行し、解析条件を満たすスポット接合要素を選出する(S7)。最適化解析の方法としては、トポロジー最適化を用いても良いし、他の最適化解析方法であってもよい。
次に、最適化解析ステップS7で選出されたスポット接合要素を全て取り出す(S9)。取り出された前記スポット接合要素には、該スポット接合要素によって接合されている部品の識別番号及び部品を構成する要素の識別番号等の情報が含まれている。
次に、取り出したスポット接合要素が有する部品組みについての情報から、構造体に含まれている全ての部品組みを特定する(S11)。特定された部品組みには、該部品組みに含まれる全てのスポット接合要素の識別番号や節点等に関する情報が含まれており、これら情報を抽出する(S13)。
次に、スポット接合要素間距離演算ステップにより、前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を計算する(S15)
次に、各スポット接合要素について求めたスポット接合要素間距離の中から最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定する(S17)。
全ての部品組みに対してスポット接合要素を抽出したかどうかを判定し(S19)、判定の結果、全ての部品組みに対してスポット接合要素を抽出し、さらに、該スポット接合要素に対してスポット接合間隔が決定された場合、連続接合適用部位特定ステップによって、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を選出して、該スポット接合要素が連続接合に適した部位であると特定し、該スポット接合要素に新しい属性番号を付与する(S21)。
連続接合に適した部位と特定されたスポット接合要素の識別番号及び属性番号に基づいて、連続接合適用部位表示ステップにより、該スポット接合要素を表示装置3に表示する指令が行われ、構造体モデルと合わせて該スポット接合要素が表示装置3に表示される(S23)。
本発明の効果を確認するため、上記実施の形態に示した手順に則って、構造体モデルにおいて連続接合に適した部位の特定を行ったので、以下、これについて説明する。
構造体モデルとして図2に示す車体モデル41を用いた。車体モデル41が対象とする車体の寸法は、巾1200mm、長さ3350mm、高さ1130mmで、板厚0.8mmから2.0mmの鋼板および鋼材を用いた。基準の重量は125kgであり、元の形状でのねじり剛性の平均値は25.1(kN・m/deg)である。本実施例では鋼ベースの材料を用いたが、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、ガラス、樹脂、ゴム等、種種の材料を用いても何ら問題はない。
車体モデル41には、実車体で適用されているスポット溶接点に対してスポット接合要素45がすでに設定されており、該スポット接合要素の個数は3949個である。実施の形態で述べたとおり、車体モデルにスポット接合要素が設定されていない場合は、例えば操作者が入力装置5を使ってスポット接合要素45を手入力によって設定する、又は、2つの部品組みの接合部にて同一箇所をスポット接合する部品要素同士の位置関係から、スポット接合要素45を自動生成してもよい。
実施例として、車体モデル41上にスポット接合要素を密に配置するよう生成し、トポロジー解析によるスポット接合要素の最適化解析及び連続接合適用部位の特定を行った。
スポット接合要素に関する解析条件として、発明例1は、最適化解析において選出するスポット接合要素の個数を指定し、一方、発明例2は、最適化解析において選出するスポット接合要素の個数に加え、維持されるスポット接合要素の位置及び個数を指定した。発明例1はレーザー接合、発明例2はスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合による連続接合を対象としている。
発明例1及び2ともに、スポット接合要素の生成においては、車体モデル41が元々備えていたスポット接合要素に加えて、接合要素生成部17によってスポット接合要素を密に配置した。
最適化解析におけるスポット接合要素の位置及び個数に関する解析条件を表1に示す。
図9に発明例1の結果を示す。発明例1において、図9(a)は最適化対象であるスポット接合要素45a(個々に独立した要素)を示しており、最適化対象のスポット接合要素数は33050個である。図9(b)は、最適化解析の結果、選出したスポット接合要素45bを表しており、選出するスポット接合要素数3949個を解析条件として与えている。発明例1においては、レーザー接合であるため、解析上維持するスポット接合要素数は、部品組み毎に1つずつ固定点が必要なため299個である。図9(c)は、最適化解析を行って選出したスポット接合要素45bのうち、予め定めた所定値である20mm以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素45cを車体モデル41上に表示した結果である。図9(c)にて表示された部位は、スポット接合間隔が密な部位であり、当該部位は連続接合、すなわちレーザー接合の適用が好ましいと特定された部位である。
図10に発明例2の結果を示す。図10(a)は、発明例2において最適化対象であるスポット接合要素45a(個々に独立した要素)を表しており、最適化対象のスポット接合要素数は18935個である。図10(b)は、最適化解析の結果、選出されたスポット接合要素45bを表しており、選出するスポット接合要素数600個を解析条件として与えている。前記選出するスポット接合要素数の他に、スポット溶接を併用した接合であるため、解析上維持するスポット接合要素数3949個を解析条件として与えている。
最適化解析により選出したスポット接合要素45bと維持したスポット接合要素に対してスポット接合間隔を求め、予め定めた所定値である20mm以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素45cを車体モデル41上に表示した結果を図10(c)に示す。図10(c)にて表示された部位が連続接合、すなわちスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合に適した部位であると特定される。
本発明の効果をさらに検証するべく、図11及び図12に示す解析条件において、発明例1及び2により最適化解析を行った後に、ねじり剛性解析及び局所剛性解析を行い、接合要素に対して最適化解析を行う前の車体モデル41(比較例)に対する剛性向上効果を調査した。
ねじり剛性解析は、図11に示す車体モデル41において、△印で示される3箇所を拘束し、矢印で示す位置で0.5kNの上向き荷重を与え、車体モデル41のねじり剛性を求めた。荷重をかける箇所を変更することにより、荷重条件は全部で4条件となる。
局所剛性解析は、図12に示す車体モデル41において、△印で示される4箇所を拘束し、a〜lの12部位のうち1箇所に矢印で示すようにBL方向、WL方向、TL方向のいずれか1方向に0.5kNの荷重をかけ、荷重をかけた部位の変位から局所剛性を求めた。荷重をかける部位(a〜l)及び方向(BL、WL、TL)を変えることにより、荷重条件は全部で36条件となる。
表2に、発明例1及び2により連続接合を適用した車体モデル41におけるねじり剛性及び局所剛性の比較例の車体モデル41に対する向上率をまとめて示す。ここで剛性の向上率とは、比較例により得られた各剛性を基準とし、ねじり剛性に関しては図11に示した4条件のねじり剛性解析結果の平均値から求めた向上率、局所剛性に関しては図12に示した36条件の局所剛性解析結果の平均値から求めた向上率である。
なお、剛性の向上率は下式より求めた。
剛性の向上率(%)=(発明例の剛性―比較例の剛性)/比較例の剛性×100
発明例1及び2共に、スポット接合要素45aを密に配置した後、該スポット接合要素の最適化解析を行うことによって、スポット接合要素45の最適化解析を行わない場合に比べてねじり剛性及び局所剛性が30%以上向上する良好な結果が得られた。
このように、連続接合に適した部位を特定し、当該部位に連続接合を適用することで、構造体全体に対して煩雑な作業を行わずにスポット溶接のみの場合より大きな剛性向上を図ることができる。
1 構造体モデルの連続接合適用部位特定装置
3 表示装置
5 入力装置
7 記憶装置
9 構造体モデルファイル
11 作業用データメモリ
13 演算処理部
15 構造体モデル設定部
17 スポット接合要素生成部
19 解析条件設定部
21 最適化解析部
23 部品組みスポット接合要素抽出部
25 スポット接合要素間距離演算部
27 スポット接合間隔決定部
29 連続接合適用部位特定部
31 連続接合適用部位表示部
41 車体モデル
43 部品(車体モデル41)
45 スポット接合要素(車体モデル41)
45a 最適化の対象となるスポット接合要素(車体モデル41)
45b 最適化によって選出したスポット接合要素(車体モデル41)
45c 連続接合に適したスポット接合要素(車体モデル41)
51 構造体モデル
53 部品(構造体モデル51)
55 スポット接合要素(構造体モデル51)
55a 予め設定されているスポット接合要素
55b 生成されたスポット接合要素
55c 選出したスポット接合要素
55d 消滅したスポット接合要素
55e 維持するスポット接合要素
55f 連続接合部
61 構造体モデル
63 部品(構造体モデル61)
65 スポット接合要素(構造体モデル61)
67 スポット接合要素の代表点

Claims (8)

  1. 部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおける、与えられた解析条件に対して連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定装置であって、
    前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成部と、
    前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定部と、
    該解析条件設定部で設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素を前記スポット接合要素生成部で生成された前記スポット接合要素の中から選出する最適化解析部と、
    前記最適化解析部で選出した前記スポット接合要素が有する部品組みに関する前記情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出部と、
    前記部品組みに含まれる各スポット接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算部と、
    該スポット接合要素間距離演算部によって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定部と、
    該スポット接合間隔決定部で得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定部と
    を備えたことを特徴とする構造体モデルの連続接合適用部位特定装置。
  2. 前記連続接合適用部位特定部にて連続接合に適した部位として特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する連続接合適用部位表示部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置。
  3. 前記連続接合がレーザー接合である場合において、前記解析条件設定部は前記最適化解析部によって選出する最適なスポット接合要素の個数を指定する機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置。
  4. 前記連続接合がスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合である場合において、前記解析条件設定部は最適化解析部においてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定する機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定装置。
  5. 部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおける、与えられた解析条件に対して連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定方法であって、以下のステップをコンピュータが行うものであり、
    前記構造体モデルに対して接合部位の部品組みに関する情報を有するスポット接合要素について予め定めた所定間隔で密に生成するスポット接合要素生成ステップと、
    前記構造体モデルに対して解析条件を設定する解析条件設定ステップと、
    該解析条件設定ステップで設定された前記解析条件を満たす最適なスポット接合要素を前記スポット接合要素生成ステップで生成された前記スポット接合要素の中から選出する最適化解析ステップと、
    前記最適化解析ステップで選出した前記スポット接合要素が有する部品組みに関する前記情報から、前記構造体モデルに含まれる全ての部品組みを特定し、該部品組みに含まれる最適化解析の対象となる全てのスポット接合要素を部品組み毎に抽出する部品組みスポット接合要素抽出ステップと、
    前記部品組みに含まれるスポット各接合要素について、該スポット接合要素と同じ部品組みに含まれる他のスポット接合要素とのスポット接合要素間距離を部品組み毎に求めるスポット接合要素間距離演算ステップと、
    該スポット接合要素間距離演算ステップによって各スポット接合要素について求めた前記スポット接合要素間距離の中から部品組み毎の最小のスポット接合要素間距離を選出し、これを前記スポット接合要素のスポット接合間隔と決定するスポット接合間隔決定ステップと、
    該スポット接合間隔決定ステップで得られた前記スポット接合間隔のうち、予め定めた所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位として特定する連続接合適用部位特定ステップと
    を備えたことを特徴とする構造体モデルの連続接合適用部位特定方法。
  6. 前記連続接合適用部位特定ステップにて連続接合に適した部位として特定された前記スポット接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する連続接合適用部位表示ステップを備えたことを特徴とする請求項5に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法。
  7. 前記連続接合がレーザー接合である場合において、前記解析条件設定ステップは前記最適化解析ステップによって選出する最適なスポット接合要素の個数を指定することを特徴とする請求項5又は6に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法。
  8. 前記連続接合がスポット溶接と構造用接着剤とを併用した接合である場合において、前記解析条件設定ステップは最適化解析ステップにおいてスポット溶接点として維持すべきスポット接合要素の位置及び個数と構造用接着剤を塗布する部位として選出すべきスポット接合要素の個数を指定することを特徴とする請求項5又は6に記載の構造体モデルの連続接合適用部位特定方法。
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