JP6304143B2 - 構造体モデルにおける接合部表示装置及び方法 - Google Patents
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Description
自動車の車体は薄板部品で構成されており、これらの薄板部品を主にスポット溶接により接合することでモノコック構造の車体が形成される。このため、CAE解析に用いる構造体モデルでは、薄板部品のみならず接合部もモデル化し、一台の車体としての各種特性をコンピュータ上にて予測・評価することが可能となっている。
しかし、特許文献1では、対象の2つのバー要素が同じ部品を溶接しているか否かで2枚重ね又は3枚重ねであるかを判定しており、対象となる2つのバー要素毎に判定を行うため、自動車の車体モデルのようにバー要素が5000個もある場合には計算効率が悪い。
さらに、特許文献1に開示されている技術は、破断解析を行うものであってスポット溶接の間隔を直接求めることができず、本発明の目的を達成できるものではないし、バー要素を前提としているため、現在の車体モデルで主流となっている立体要素でスポット溶接による鋼板接合部をモデル化することはできない。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、主に図1に示すブロック図に基づいて、構造体モデルの接合部表示装置1(以下、単に「接合部表示装置」という)の構成について説明する。
さらに、演算処理部10にはモニター3と入力装置5と記憶装置7及び作業用データメモリ9が接続され、演算処理部10の指令によって各機能を行う。
以下、接合部表示装置1の各構成を詳細に説明する。
モニター3は構造体モデルを構成する部品や接合要素等の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成される。
入力装置5は構造体モデルファイル21の表示指示、操作者による計算条件の入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
記憶装置7は、ファイルの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。記憶装置7には、少なくとも、構造体モデル等の各種情報が格納される。
構造体モデルファイル21は、構造体モデルを構成する複数の部品を表す要素、部品同士の接合部を表す接合要素、部品同士の組み合わせを表す剛体要素等の情報を含むファイルである。
作業用データメモリ9は、演算処理部10で使用するデータの一時保存や演算等に用いられ、RAM等で構成される。
演算処理部10は、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成され、接合要素間距離演算部11と接合間隔決定部13と接合要素選出部15と接合要素表示部17とを備えている。上記各部はCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。
以下、演算処理部10内の各部の構成を図2に基づいて詳細に説明する。なお、説明にあっては、図2に示すように、部品A、B及びCが接合要素35(J1〜J7)によって接合されている構造体モデル31を例に挙げる。図2において、複数の部品の接合部を表す接合要素は立体要素としている。さらに、部品A、B及びCは平面要素を用いて表しているが、立体要素、又は平面要素と立体要素を組み合わせたものを用いても良い。
接合要素間距離演算部11は、構造体モデルに含まれる各接合要素について、他の接合要素との接合要素間距離Zを総当たりで求めるものである。
接合要素間距離Zは、各接合要素の節点座標から算出される接合要素の代表点の座標値を用いて計算することができる。例えば、図2に示す構造体モデル31においては、部品AとBとの接合部を表す接合要素J1と他の接合要素J2〜J7との接合要素間距離Z1〜Z6を、各接合要素の代表点37の座標値から計算する。
接合間隔決定部13は、接合要素間距離演算部11によって各接合要素について演算した接合要素間距離Zのうち予め定めた所定の距離W未満の接合要素間距離を除外したものの中から最小の接合要素間距離Zminを選出し、該選出された最小の接合要素間距離Zminを各接合要素の接合間隔Sとして決定するものである。
なお、前記距離Wは、3枚打ちされる部品の板厚に基づいて適宜設定すればよい。
接合要素選出部15は、接合間隔決定部13で決定された接合間隔Sが予め定めた所定の範囲内である接合要素を選出するものである。
例えば、接合要素の有する接合間隔Sが、前記所定の範囲の最小値がX、最大値がYである場合、接合間隔Sが前記所定の範囲内にあるとき(例えばX≦S<Y)、該接合要素の要素番号を一時保存することによって、当該接合要素を前記所定の範囲内である接合間隔Sを有する接合要素として選出する。
接合要素表示部17は、接合要素選出部15によって選出された接合要素を構造体モデル上に点等として表示させる指示をモニター3に送るものである。
該代表点の座標は、各接合要素の節点座標を用いて設定することができる。例えば、図2に示す構造体モデル31において、接合要素35(J1〜J7)について各接合要素の節点座標を用いて代表点37の座標が設定される。
接合要素を選出する具体的な処理方法としては、例えば、前記所定の範囲内にある接合間隔Sを有する接合要素の要素番号を一時保存する、若しくは、接合間隔Sが所定の範囲内であることが識別可能なプロパティを有する接合要素に付与するものが挙げられる。
実験は、構造体モデルとして図4に示す車体モデル41を対象とし、車体モデル41における各接合要素45について接合間隔Sを決定し、接合間隔Sが所定の範囲内にある接合要素を車体モデル41上に表示すると共に、該接合要素の要素数を求めるものである。
図10〜図14は、比較例として、接合間隔Sが3−20mm(3mm≦S<20mm)、20−30mm、30−50mm、50−100mm及び100−200mmの範囲にある接合要素45を車体モデル41上に表示した結果である。
さらに、本発明例及び比較例において各範囲内にある接合間隔を有する接合要素数をまとめたものを表1に示す。
そのため、車体の剛性、振動、衝突特性には直接影響しない接合要素についても、所定の範囲の接合間隔Sを有する接合要素として選出されてしまうので、問題であった。
3 モニター
5 入力装置
7 記憶装置
9 作業用データメモリ
10 演算処理部
11 接合要素間距離演算部
13 接合間隔決定部
15 接合要素選出部
17 接合要素表示部
21 構造体モデルファイル
31 構造体モデル
35 接合要素(構造体モデル31)
37 代表点
41 車体モデル
43 部品
45 接合要素(車体モデル41)
Claims (4)
- 部品を構成する平面要素及び/又は立体要素と部品同士の接合部を構成する接合要素を備えてなる構造体モデルにおける接合部表示装置であって、
前記構造体モデルにおける各接合要素について、他の接合要素との接合要素間距離を演算する接合要素間距離演算部と、
該接合要素間距離演算部によって各接合要素について演算した前記接合要素間距離のうち予め定めた所定の距離未満の接合要素間距離を除外した前記接合要素間距離の中から最小の接合要素間距離を選出し、該選出された最小の接合要素間距離を各接合要素の接合間隔として決定する接合間隔決定部と、
該接合間隔決定部で決定された接合間隔が予め定めた所定の範囲内である接合要素を選出する接合要素選出部と、
該接合要素選出部により選出された接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する接合要素表示部とを備えたことを特徴とする構造体モデルにおける接合部表示装置。 - 前記接合要素選出部は、前記接合間隔が前記所定の範囲内であることが識別可能なプロパティを接合要素に付与し、該付与されたプロパティに基づいて接合要素を選出するものであることを特徴とする請求項1記載の構造体モデルにおける接合部表示装置。
- 部品を構成する平面要素及び/又は立体要素と部品同士の接合部を構成する接合要素を備えてなる構造体モデルにおける接合部表示方法であって、以下のステップをコンピュータが行うものであり、
前記構造体モデルにおける各接合要素について、他の接合要素との接合要素間距離を演算する接合要素間距離演算ステップと、
該接合要素間距離演算ステップにおいて各接合要素について演算した前記接合要素間距離のうち予め定めた所定の距離未満の接合要素間距離を除外したものの中から最小の接合要素間距離を選出し、該選出された最小の接合要素間距離を各接合要素の接合間隔として決定する接合間隔決定ステップと、
該接合間隔決定ステップにおいて決定された接合間隔が予め定めた所定の範囲内である接合要素を選出する接合要素選出ステップと、
該接合要素選出ステップにおいて選出された接合要素を構造体モデル上に視覚的に表示する接合要素表示ステップとを備えたことを特徴とする構造体モデルにおける接合部表示方法。 - 前記接合要素選出ステップは、前記接合間隔が前記所定の範囲内であることが識別可能なプロパティを接合要素に付与し、該付与されたプロパティに基づいて接合間隔が予め定めた所定の範囲内である接合要素を選出するものであることを特徴とする請求項3記載の構造体モデルにおける接合部表示方法。
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