JP5630771B2 - 工程管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、プラント配管の製作及び取付の工程を管理するシステムに係り、特に、作業の進捗状況を容易に把握することが可能な工程管理システムに関する。
プラント配管は、各種の機器を有機的に結合するものであり、プラントの機能を左右するものである。そのため、配管材料や接合方法等が多岐にわたり、結果として、プラント配管の製作や取付の工程が非常に複雑化していた。そこで、工期の短縮と品質の確保を目的として、従来、これらの工程を管理するシステムが望まれていた。
例えば、特許文献1には、「配管ピースの工場製作管理システム」という名称で、コンピュータシステムにより配管ピースの工場製作(プレファブリケーション)から出荷までの作業を溶接点で管理するシステムに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、配管ピースの製作情報を蓄積した外部のCADデータベース及び材料在庫管理データベースとの間で情報を授受する通信手段と、指定配管ピース群のコード番号を入力する第1入力手段と、配管材料情報をCADデータベースから読み出して内部の記憶手段に記憶するとともにデータ処理を行う第1データ処理手段と、記憶手段から読み出した配管材料の有無を材料在庫管理データベースに照会し、照会結果に応じて製作可能の指示を出す照会手段と、溶接点番号をCADデータベースから読み出して記憶するとともにデータ処理をする第2データ処理手段と、指定配管ピース群の溶接点番号ごとに外部から得た溶接作業及び検査作業に関する現況情報を入力する第2入力手段と、を備えている。
そして、第2入力手段により入力されたデータに基づいて、指定配管ピース群の製作や溶接作業の進捗率を第2データ処理手段が算出する構成となっている。
このような構成によれば、製作すべき配管ピースの番号を入力し、作業現況を適宜入力することで、その配管ピースの工場製作が一元的に管理される。従って、配管材料の不足や図面の欠如等の不具合を迅速に発見して、対策を講じることができる。
また、特許文献2には、「配管工事計画管理システム」という名称で、プラントの配管網を建設するプラント配管工事全体にわたり、工場製作サイドび現場配管工事サイドのそれぞれについて工程を管理するシステムに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、プレファブ溶接点・データベース及びピース・データベースを作成し、これらから得たデータに基づいて配管ピースの工場製作を計画・管理するとともに、現場溶接点・データベース、現場ピース・データベース、ライン・データベース及びテストパッケージ・データベースを作成し、これらから得たデータに基づいて現場配管工事を計画・管理するものである。
このような構成によれば、プラントの配管網を建設するプラント配管工事全体にわたり、その工場製作及び現場配管工事全体を一元的かつリアルタイムで計画・管理することができる。
さらに、特許文献3には、「プラント建設管理システム及びその作業プロセス管理方法」という名称で、施工作業指示や記録の作成を視覚的に実行することができ、作業計画や作業指示、あるいは施工記録の作成の際に、他のシステム等から複数の入力を行わずとも据付完成状態を把握することが可能なシステムとその作業プロセスの管理方法に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、プラント建設において、継手や製品単位ごとに準備された一次元の設計情報と、これに基づく二次元の設計情報及び三次元の設計情報を有する設計情報管理システムと、この設計情報管理システムから受け取った製品の設計情報を、製品IDやエリアNo.を含む情報を基に紐付ける設計予定情報処理部と、二次元の設計情報及び三次元の設計情報から選択された作業対象部位に対応した二次元の平面図又は三次元の立体図を図示して、工程計画と作業指示と施工結果の立会検査の作業プロセスを構築する建設管理情報部を有する建設用情報管理システムを備えている。
このような構成によれば、施工図及びCAD図上から直接作業プロセスを実施することができる。従って、間接作業の効率が向上する。
特許第3739489号公報 特開平11−237000号公報 特開2011−53999号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1及び特許文献2に開示された発明においては、配管ピースの番号を入力した上で作業日報等に基づいて作業現況をキー入力しなければならないため、操作が煩雑であり、進捗状況の更新が容易でないという課題があった。
また、特許文献3に開示された発明では、作業指示対象物を画面上で選択することにより、その作業予定情報を確認できるものの、作業の結果を画面入力する構成ではないため、進捗状況の更新に時間を要するという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、プラント配管の製作及び取付に係る各種の作業において進捗状況の把握と更新をピース単位で視覚的に行うことが可能であり、当該作業の工程管理を容易に行うことが可能な工程管理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である工程管理システムは、複数のピースからなるスプールの描画データとともに、ピースと関連付けた状態で作業項目を格納する記憶装置と、この記憶装置に格納された情報を表示する表示装置と、この表示装置の画面上でピースとともに作業項目を指定する入力装置と、記憶装置と表示装置と入力装置の動作の制御及び情報の処理を行う処理装置と、を備え、この処理装置は、入力装置によって指定されたピースに対し作業項目ごとに作業完了の判定を行う作業判定手段と、入力装置によって指定されたピースについて、関連する作業項目を記憶装置から読み出して表示装置に表示させ、作業判定手段による判定を、対応する前記作業項目と関連付けた状態で記憶装置に格納させるとともに表示装置に表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムにおいては、表示装置の画面に表示されたスプールの描画データを入力装置によって指定すると、作業項目ごとに作業が完了しているか否かがピース単位で表示装置に表示されるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の工程管理システムにおいて、描画データとしてスプールに対して予め設定されピースと関連付けた状態で記憶装置に格納された接合点の数をピースごとに集計する演算手段を備え、演算手段は、判定がなされたピースごとに接合点の数を集計し、制御手段は、この演算手段による集計結果を記憶装置に格納させることを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムにおいては、請求項1記載の発明の作用に加えて、作業判定手段によって判定がなされたピースについて演算手段が集計した接合点数を表示装置に表示することで、接合作業の進捗状況が視覚を介して容易に把握されるという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の工程管理システムにおいて、入力装置によって画面上で指定された複数の制御点を繋ぐように線図を作成し、この線図上で入力装置によって指定された接合点のうち現場接合点において線図を分割して描画データを作成する描画データ作成手段を備え、制御手段は、現場接合点以外の接合点を工場接合点とし、この工場接合点を現場接合点と区別した状態で描画データとして線図とともに記憶装置に格納させることを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムでは、請求項2に記載の発明の作用に加えて、客先から受領した図面データ等に基づいて、描画データが容易に作成されるという作用を有する。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の工程管理システムにおいて、制御手段は、入力装置によって指定された描画データを記憶装置から読み出して表示装置に表示させるとともに描画データ作成手段に対して描画データの編集を許可し、描画データ作成手段は、線図と現場接合点と工場接合点のうち少なくともいずれか1つが入力装置によって画面上で変更されると、描画データを修正し、制御手段は、この修正された描画データで記憶装置に格納されている描画データを更新することを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムにおいては、作成された描画データの修正が可能であるため、請求項3に記載の発明の作用がより一層発揮される。
請求項5記載の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の工程管理システムにおいて、演算手段は、接合点が溶接点である場合に、インチ換算された接合点の数と配管口径に基づいてインチダイヤを算出するとともに、このインチダイヤを判定がなされたピースとそれ以外のピースに分けてそれぞれ集計して進捗データを作成し、制御手段は、この進捗データに基づく基づくグラフを表示装置に表示させることを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムにおいては、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、溶接作業の進捗状況が視覚を介して容易に把握されるという作用を有する。
請求項6記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の工程管理システムにおいて、ネットワーク上に設置されるサーバーと、このサーバーに対して制御手段の指令に従って記憶装置に格納される情報の送受信を行う通信装置と、サーバーにアクセス可能に構成される携帯端末と、を備え、この携帯端末は、サーバーに対して情報の送受信を行う通信部と、この通信部を介してサーバーから送られた情報のうち作業項目を描画データとともに、ピースと関連付けた状態で格納する記憶部と、この記憶部に格納された情報を表示する表示部と、この表示部の画面上でピースとともに作業項目を指定する入力部と、記憶部と表示部と入力部の動作の制御及び情報の処理を行う処理部と、を備え、この処理部は、入力部によって指定されたピースに対し作業項目ごとに作業完了の判定を行う端末作業判定手段と、入力部によって指定されたピースについて、関連する作業項目を記憶部から読み出して表示部に表示させ、端末作業判定手段による判定を、対応する作業項目と関連付けた状態で記憶部に格納させるとともに表示部に表示させる端末制御手段と、記憶部に格納された接合点の数を、端末作業判定手段によって判定がなされたピースごとに集計する端末演算手段と、を備え、端末制御手段は、この端末演算手段による集計結果を記憶部に格納させることを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムによれば、携帯端末上においても請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明と同様の作用が発揮される。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の工程管理システムにおいて、入力部によって表示部の画面上で指定された複数の第1の制御点を繋ぐように端末線図を作成し、この端末線図上で入力部によって指定された第2の点において端末線図を分割して端末描画データを作成する端末描画データ作成手段を備え、端末制御手段は、入力部によって端末線図上で指定された第3の点及び第2の点をそれぞれ工場接合点及び現場接合点とみなすとともに端末線図を線図とみなして端末描画データを描画データとして記憶部に格納させることを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムによれば、請求項6に記載の発明の作用に加えて、携帯端末上においても請求項3に記載の発明と同様の作用が発揮される。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の工程管理システムにおいて、端末制御手段は、入力部によって指定された描画データを記憶部から読み出して表示部に表示させるとともに端末描画データ作成手段に対して描画データの編集を許可し、端末描画データ作成手段は、線図と現場接合点と工場接合点のうち少なくともいずれか1つが入力部によって表示部の画面上で変更されると、描画データを修正し、端末制御手段は、この修正された描画データで記憶部置に格納されている描画データを更新することを特徴とするものである。
このような構成の工程管理システムによれば、請求項7に記載の発明の作用に加えて、携帯端末上においても請求項4に記載の発明と同様の作用が発揮される。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の工程管理システムによれば、作業項目ごとにピース単位で作業が完了しているか否かが表示装置の画面に表示されるため、作業項目ごとの進捗状況を容易に把握することができる。従って、工程管理が容易となる。
本発明の請求項2に記載の工程管理システムによれば、接合作業において請求項1記載の発明の効果が発揮される。
本発明の請求項3に記載の工程管理システムによれば、請求項2に記載の発明の効果を奏することに加えて、描画データを作成する際に、作業者のスキルの差による作業時間のばらつきが生じ難いため、当該作業の工程管理を容易に行うことができる。また、描画データを作成する際の自由度が大きいため、工程管理が容易となるように、「接合点」の個数や設置箇所の適正化を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の工程管理システムによれば、描画データの作成が容易となるため、請求項3に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項5に記載の工程管理システムによれば、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の効果を奏することに加えて、溶接作業の工程を容易に管理することができるという効果を奏する。
本発明の請求項6に記載の工程管理システムによれば、携帯端末上においても請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明の請求項7に記載の工程管理システムによれば、請求項6に記載の発明の作用に加えて、携帯端末上においても請求項3に記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明の請求項8に記載の工程管理システムによれば、請求項7に記載の発明の作用に加えて、携帯端末上においても請求項4に記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る工程管理システムの構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は図1に示した工程管理システムにおいて処理装置の機能を説明するためのブロック図である。 (a)及び(b)は図1に示した工程管理システムにおいて携帯端末の処理部の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態に係る工程管理システムの運用手順を示したフローチャートである。 (a)及び(b)はそれぞれ「マスター情報編集画面」及び「ジョブ情報入力画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)乃至(c)は、「マスター情報」と「ジョブ情報」が記憶装置に格納される状態を模式的に示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ「チェックシート表示画面」及び「図面情報入力画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)及び図6(b)は「スプール作成画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)及び(b)は「ジョブ情報」が記憶装置に格納される状態を模式的に示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ「図面情報」が反映された「チェックシート表示画面」及び「作業報告画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)及び(b)は作業報告をするための「スプール表示画面」及び「チェックシート表示画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)及び(b)はそれぞれ「進捗状況確認画面」及び「データシート表示画面」の一例を示すイメージ図である。 (a)及び(b)はそれぞれ「グラフ表示画面」及び「送り状表示画面」の一例を示すイメージ図である。
以下、本発明の工程管理システムの構成とその運用手順について、図1乃至図13を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る工程管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、工程管理システム1は、「マスター情報」、「ジョブ情報」及び「画面情報」に加え「描画データ」や「図面データ」とともに、後述のスプールに対して設定される「工場接合点(工場において接合する箇所)」及び「現場接合点(現場において接合する箇所)」を「図面情報」としてピースと関連付けた状態で格納する記憶装置2と、これらの情報を画面に表示する表示装置3と、表示装置3の画面に「描画データ」が表示された状態でカーソルを操作して各ピースとともに「作業項目」を指定する入力装置4と、プリンタなどからなる出力装置5と、ネットワーク8上に設置されるサーバー9と、サーバー9に対して上記情報を送受信する通信装置6と、入力装置4から入力された情報やサーバー9から受信した情報を処理する処置装置7と、サーバー9に対してネットワーク8を介してアクセス可能に構成される携帯端末10を備えている。
入力装置4は文字入力や表示装置3の画面に表示されたカーソルの操作を行うキーボードやマウスの他、図面データ等のイメージファイルを入力するためのイメージスキャナからなる。
処理装置7は、表示装置3の画面上で「線図」を作成し、この「線図」上でカーソルにより指定された「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標を取得するとともに、「現場接合点」で「線図」を分割して複数のピースを生成する描画データ作成手段7aと、現在時刻を取得して作業完了日とし、カーソルによって指定されたピースに対し「作業項目」ごとに作業完了の判定を行って「作業完了日」を付与する作業判定手段7bと、「現場接合点」及び「工場接合点」の数をピースごと及びスプールごとにそれぞれ集計する演算手段7cと、各装置の動作を制御する制御手段7dとからなる。
携帯端末10は、サーバー9に対して上述の各種情報の送受信を行う通信部11と、サーバー9から受信した情報を格納する記憶部12と、この情報を画面に表示する表示部13と、表示部13の画面に「描画データ」が表示された状態で各ピースとともに「作業項目」を指定する入力部14と、入力部14から入力された情報やサーバー9から受信した情報を処理する処理部15を備えている。
なお、表示部13は液晶ディスプレイや有機EL等のフラットパネルディスプレイであり、入力部14は表示部13に各種の情報が表示された状態で所定の箇所をタッチペン等で接触又は押圧することにより処理部15に対して所定の指示を与える、いわゆる「タッチパネル」の機能を有している。
また、処理部15を構成する端末描画データ作成手段15a、端末作業判定手段15b、端末演算手段15c及び端末制御手段15dは、それぞれ処理装置7の描画データ作成手段7a、作業判定手段7b、演算手段7c及び制御手段7dに対応する。
図2(a)及び図2(b)は図1に示した工程管理システムにおいて処理装置7の機能を説明するためのブロック図である。
図2(a)に示すように、制御手段7dは、入力装置4によって所定のピースが指定されると(矢印A)、そのピースに関連する「作業項目」を記憶装置2から読み出し(矢印B)、表示装置3に表示させる(矢印C)。
また、制御手段7dは入力装置4から作業が完了したことを示す信号を受け取ると(矢印A)、作業判定手段7bに指令を送る(矢印D)。作業判定手段7bは当該作業が完了した旨の判定を行うとともに現在時刻を取得し、これを「作業完了日」として制御手段7dに送る(矢印E)。そして、制御手段7dは、この「作業完了日」を「作業項目」と関連付けた状態で、表示装置3に表示させるとともに(矢印C)、記憶装置2に格納させ(矢印F)、適宜、出力装置5から出力させる(矢印G)。
後述するように「接合点」が設定されると、制御手段7dは演算手段7cに指令を送る(矢印H)。この指令に従って演算手段7cは「接合点」を集計し、その結果を制御手段7dに送る(矢印I)。そして、制御手段7dは、この演算結果を記憶装置2に格納させるとともに(矢印F)、表示装置3に表示させる(矢印C)。
なお、「接合点」が「溶接点」である場合、演算手段7cは制御手段7dの指令に従って(矢印H)、インチ換算された「接合点」及び「完了接合点」の配管口径と各接合点数に基づいて「インチダイヤ」と「完了インチダイヤ」を算出するとともに、これら「インチダイヤ」及び「完了インチダイヤ」に基づいて進捗データを作成する。そして、制御手段7dは、演算手段7cから進捗データを受け取り(矢印I)、記憶装置2に格納させるとともに(矢印F)、この進捗データに基づくグラフを表示装置3に表示させ(矢印C)、適宜、出力装置5から出力させる(矢印G)。
ここで、「描画データ」の作成及び編集を行う処理装置7の機能について、図2(b)を用いて説明する。
まず、入力装置4の操作により表示装置3の画面上でカーソルを介して複数の「制御点」が指定されると(矢印A)、描画データ作成手段7aは、制御手段7dの指令を受けて(矢印J)、表示装置3の画面上における「制御点」の位置座標を取得するとともに、これらの点を直線や曲線で繋ぐようにして「線図」を作成する。このようにして作成された「線図」は、描画データ作成手段7aにより識別番号を付されて「制御点」の位置座標とともに制御手段7dに送られる(矢印K)。
そして、制御手段7dは、この「線図」を表示装置3に表示させ(矢印C)、「線図」を構成する「制御点」の位置座標を「線図」の識別番号とともに「描画データ」として記憶装置2に格納させる(矢印F)。
さらに、表示装置3の画面に表示された「線図」上でカーソルによって、「現場接合点」と「工場接合点」が指定されると(矢印A)、描画データ作成手段7aは、制御手段7dの指令を受けて(矢印J)、表示装置3の画面上における「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標を取得するとともに、「現場接合点」で「線図」を分割する。これにより、複数の「ピース」からなるスプールの「描画データ」が作成される。
このようにして生成された「ピース」は、描画データ作成手段7aによりピース番号を付されて「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標とともに制御手段7dに送られる(矢印K)。そして、制御手段7dは、「ピース番号」、「現場接合点」及び「工場接合点」を表示装置3に表示させ(矢印C)、「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標を「ピース番号」によって識別される各ピースと関連付けた状態で「描画データ」として記憶装置2に格納させる(矢印F)。
なお、制御手段7dは、入力装置4からの要求に従って、これらの「描画データ」を出力装置5に出力させる(矢印G)。また、通信装置6は、制御手段7dの指令を受けて(矢印L)、記憶装置2に格納された情報についてサーバー9に対する送受信をネットワーク8を介して行う。
次に、制御手段7dは、入力装置4によって指定された「描画データ」を記憶装置2から読み出して(矢印B)、表示装置3に表示させるとともに(矢印C)、描画データ作成手段7aに対して「描画データ」の編集を許可する指令を送る(矢印J)。
描画データ作成手段7aは、入力装置4による新たな「制御点」の入力を受け付けて(矢印A)、その位置座標を取得するとともに、カーソルにより表示装置3の画面上で新たに指定された複数の「制御点」を直線や曲線で繋ぐようにして、表示装置3の画面に表示されている「線図」を修正する。このようにして修正された「線図」は既に付された識別番号とともに制御手段7dに送られる(矢印K)。
制御手段7dは、修正された「線図」を表示装置3に表示させ(矢印C)、「線図」を構成する「制御点」の位置座標を「線図」の識別番号とともに「描画データ」として記憶装置2に格納させる(矢印F)。
また、表示装置3の画面に表示された「線図」上でカーソルによって、「現場接合点」や「工場接合点」が追加されると(矢印A)、描画データ作成手段7aは、制御手段7dの指令を受けて(矢印J)、新たな「現場接合点」及び「工場接合点」について表示装置3の画面上における位置座標を取得するとともに、新たに指定された「現場接合点」で「線図」を分割し直して、「描画データ」を修正する。
なお、入力装置4により既存の「現場接合点」や「工場接合点」が削除されると(矢印A)、描画データ作成手段7aは、制御手段7dの指令を受けて(矢印J)、変更された「現場接合点」で「線図」を分割し直して、「描画データ」を修正する。
このようにして修正された「描画データ」に関する情報は、描画データ作成手段7aから制御手段7dに送られる(矢印K)。そして、制御手段7dは、この情報を記憶装置2に送り、既存の情報を更新する(矢印F)。
携帯端末10における処理部15の機能について、図3を用いて説明する。
図3(a)及び図3(b)は図1に示した工程管理システムにおいて携帯端末10の処理部15の機能を説明するためのブロック図である。
図3(a)に示すように、端末制御手段15dは、入力部14によって所定のピースが指定されると(矢印M)、そのピースに関連する「作業項目」を記憶部12から読み出し(矢印N)、表示部13に表示させる(矢印O)。
また、端末制御手段15dは入力部14から作業が完了したことを示す信号を受け取ると(矢印M)、端末作業判定手段15bに指令を送る(矢印P)。端末作業判定手段15bは当該作業について完了した旨の判定を行うとともに現在時刻を取得し、これを「作業完了日」として端末制御手段15dに送る(矢印Q)。そして、端末制御手段15dは、この「作業完了日」を「作業項目」と関連付けた状態で、表示部13に表示させるとともに(矢印O)、記憶部12に格納させる(矢印R)。
後述するように「接合点」が設定されると、端末制御手段15dは端末演算手段15cに指令を送る(矢印S)。この指令に従って端末演算手段15cは「接合点」を集計し、その結果を端末制御手段15dに送る(矢印T)。そして、端末制御手段15dは、この演算結果を記憶部12に格納させるとともに(矢印R)、表示部13に表示させる(矢印O)。
なお、「接合点」が「溶接点」である場合、端末演算手段15cは端末制御手段15dの指令に従って(矢印S)、インチ換算された「接合点」及び「完了接合点」の配管口径と各接合点数に基づいて「インチダイヤ」と「完了インチダイヤ」を算出するとともに、これら「インチダイヤ」及び「完了インチダイヤ」に基づいて進捗データを作成する。そして、端末制御手段15dは、端末演算手段15cから進捗データを受け取り(矢印T)、記憶部12に格納させるとともに(矢印R)、この進捗データに基づくグラフを表示部13に表示させる(矢印O)。
次に、携帯端末10において「描画データ」の作成及び編集を行う処理部15の機能について、図3(b)を用いて説明する。なお、処理装置7の機能についての説明において使用した「描画データ」、「制御点」、「線図」、「現場接合点」及び「工場接合点」と区別するため、以下、便宜上、対応する語句をそれぞれ「端末描画データ」、「第1の点」、「端末線図」、「第2の点」及び「第3の点」としている。
まず、入力部14の操作により表示部13の画面上で、「制御点」となるべき「第1の点」が複数指定されると(矢印M)、端末描画データ作成手段15aは、端末制御手段15dの指令を受けて(矢印U)、表示部13の画面上における「第1の点」の位置座標を取得するとともに、これらの点を直線や曲線で繋ぐようにして「端末線図」を作成する。このようにして作成された「端末線図」は、端末描画データ作成手段15aにより識別番号を付されて「第1の点」の位置座標とともに端末制御手段15dに送られる(矢印V)。
そして、端末制御手段15dは、この「端末線図」を表示部13に表示させ(矢印O)、「端末線図」を「線図」として、また、「第1の点」を「制御点」として、その位置座標を「端末線図」の識別番号とともに「描画データ」として記憶部12に格納させる(矢印R)。
さらに、表示部13の画面に表示された「端末線図」上で入力部14によって、「現場接合点」及び「工場接合点」となるべき「第2の点」及び「第3の点」が指定されると(矢印M)、端末描画データ作成手段15aは、端末制御手段15dの指令を受けて(矢印U)、表示部13の画面上における「第2の点」及び「第3の点」の位置座標を取得するとともに、「第2の点」で「端末線図」を分割する。これにより、複数の「ピース」からなるスプールの「端末描画データ」が作成される。
このようにして生成された「ピース」は、端末描画データ作成手段15aによりピース番号が付され、「第2の点」及び「第3の点」がそれぞれ「現場接合点」及び「工場接合点」とされ、それらの位置座標とともに端末制御手段15dに送られる(矢印V)。そして、端末制御手段15dは、「ピース番号」、「現場接合点」及び「工場接合点」を表示部13に表示させ(矢印O)、「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標を「ピース番号」によって識別される各ピースと関連付けた状態で「描画データ」として記憶部12に格納させる(矢印R)。
また、通信部11は、端末制御手段15dの指令を受けて(矢印W)、記憶部12に格納された情報についてサーバー9に対する送受信をネットワーク8を介して行う。
さらに、端末制御手段15dは、入力部14によって指定された「描画データ」を記憶部12から読み出して(矢印N)、「端末描画データ」として表示部13に表示させるとともに(矢印O)、端末描画データ作成手段15aに対して「端末描画データ」の編集を許可する指令を送る(矢印U)。
端末描画データ作成手段15aは、入力部14による新たな「制御点」となるべき「第1の点」の入力を受け付けて(矢印M)、その位置座標を取得するとともに、表示部13の画面上で新たに指定された複数の「第1の点」を直線や曲線で繋ぐようにして、表示部13の画面に新たな「端末線図」を作成する。このようにして作成された「端末線図」は、対応する「線図」の識別番号を付されて端末制御手段15dに送られる(矢印V)。
端末制御手段15dは、作成された「端末線図」を表示部13に表示させ(矢印O)、この「端末線図」を「線図」として、また、「第1の点」を「制御点」として、その位置座標を「線図」の識別番号とともに「描画データ」として記憶部12に格納させる(矢印R)。
また、表示部13の画面に表示された「端末線図」上で入力部14によって、「現場接合点」及び「工場接合点」となるべき「第2の点」及び「第3の点」が追加されると(矢印M)、端末描画データ作成手段15aは、端末制御手段15dの指令を受けて(矢印U)、「第2の点」及び「第3の点」について表示部13の画面上における位置座標を取得するとともに、「第2の点」で「端末線図」を分割し直して、「端末描画データ」を修正する。
なお、入力部14により既存の「現場接合点」や「工場接合点」が削除されると(矢印M)、端末描画データ作成手段15aは、端末制御手段15dの指令を受けて(矢印U)、変更された「現場接合点」で「線図」を分割し直して、「端末描画データ」を修正する。
このようにして修正された「端末描画データ」に関する情報は、端末描画データ作成手段15aから端末制御手段15dに送られる(矢印V)。そして、端末制御手段15dは、「端末描画データ」を「描画データ」として記憶部12に送り、描画データに関する既存の情報を更新する(矢印R)。
工程管理システム1の運用について、図5〜図13を適宜参照しながら図4を用いて説明する。なお、マウスやキーボードからなる入力装置4を用いて行う操作は、携帯端末10における入力部14でも同様に可能であり、前述したように記憶部12及び表示部13はそれぞれ記憶装置2及び表示装置3と略同一の機能を有している。すなわち、図4に示した工程のうち、ステップS2〜S7については携帯端末10においても同様に行うことができる。
図4は本発明の実施の形態に係る工程管理システムの運用手順を示したフローチャートである。また、図5(a)及び図5(b)はそれぞれ「マスター情報編集画面」及び「ジョブ情報入力画面」の一例を示すイメージ図である。そして、図6(a)乃至図6(c)は、「マスター情報」と「ジョブ情報」が記憶装置2に格納される状態を模式的に示した図である。
さらに、図7(a)及び図7(b)はそれぞれ「チェックシート表示画面」及び「図面情報入力画面」の一例を示すイメージ図であり、図8(a)及び図8(b)は「スプール作成画面」の一例を示すイメージ図である。そして、図9(a)及び図9(b)は「ジョブ情報」が記憶装置2に格納される状態を模式的に示した図である。
記憶装置2に格納される「マスター情報」とは、全ての工事に共通して使用され、少なくとも工場及び現地作業場(現場)において行われる作業の種類を示す「作業項目」と、各作業を行うための資格やスキルを備えた「担当者」からなる。
「ジョブ情報」とは、工事ごとに作成されるデータであり、工事の内容を示す「工事名称」と、各工事を識別するための「工事番号」と、配管口径をインチで換算して溶接点との積で表わした「インチダイヤ」(「完了インチダイヤ」も含む)と、各作業に対する「作業完了日」と、各スプールの「出荷日」に関するデータからなる。
「図面情報」とは、プラント配管を製作するために必要な図面に関するデータであり、搬送可能な大きさに分割された各部分配管(スプール)に対して割り当てられる「スプール番号」と、スプールを表すアイソメトリック図等の「図面データ」と、この「図面データ」に基づいて作成される「描画データ」、「現場接合点」及び「工場接合点」(「現場完了接合点」と「工場完了接合点」も含む)と、スプールが「現場接合点」で複数に分割されて生成される各ピースを識別するための「ピース番号」、「ピース数」及び「ピースの属性」からなる。
「画面情報」とは、表示装置3に表示される「マスター情報編集画面」、「ジョブ情報入力画面」、「チェックシート表示画面」、「図面情報入力画面」、「スプール作成画面」、「作業報告画面」、「進捗状況確認画面」、「データシート表示画面」、「グラフ表示画面」、「送り状表示画面」のレイアウトに関する情報である。
ステップS1では、「マスター情報」の追加や削除を行う。
まず、工程管理システム1が起動されると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「マスター情報編集画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図5(a)に示す画面を表示させる。そこで、作業項目リスト17aの中から所定の作業項目が選択されると、キーボードを用いて、該当する担当者の氏名を「担当者入力」の欄に入力するか、又は、削除すべき担当者の氏名を「担当者削除」の欄に入力可能な状態となる。なお、確定ボタン18は入力されたデータを確定するためのものである。
また、本実施例では作業項目リスト17aに「カッティング」、「組立」、「接合」、「仮付検査」の4種類の「作業項目」が予め表示されているが、作業項目リスト17aの内容は「項目入力」若しくは「項目削除」の欄に作業の名称が入力された後、確定ボタン18がクリックされることにより、簡単に変更される。この場合、図6(a)に示すように、記憶装置2には「作業項目」ごとに「担当者」が分類された状態で「マスター情報」として格納される。
ステップS2では、「ジョブ情報」の入力を行う。例えば図5(a)に示す「マスター情報編集画面」において、画面選択ボタン16の中から「ジョブ情報」が選択されると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「ジョブ情報入力画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図5(b)に示す画面を表示させる。そこで、操作者は「工事番号」と「工事の内容を簡潔に表す名称」をそれぞれ「工事番号」及び「工事名称」の入力欄にキー入力し、確定ボタン18をクリックする。さらに、マウスを操作して作業項目リスト17bの中から対応する「作業項目」を選択した後、チェックシート作成ボタン19a,19bをクリックする。
これにより、図6(b)に示すように、記憶装置2には「工事番号」によって識別される工事ごとに、対応する「作業項目」が格納される。制御手段7dは、図6(a)に示される「マスター情報」を記憶装置2から読み出して図6(b)に示される「ジョブ情報」とともに演算手段7cに送る。演算手段7cは、これらの情報に基づいて、「工事番号」が示す工事に対応する「作業項目」ごとに「担当者」が割り当てられたデータを新たに作成し、制御手段7dに送る。制御手段7dは、このデータを図6(c)に示したような状態で「ジョブ情報」として記憶装置2に格納させる。
なお、作業項目リスト17bは作業項目リスト17aを工場で行われる作業と現場で行われる作業に分けて表示したものであり、その内容は「マスター情報編集画面」において作業項目リスト17aを編集することで変更可能となっている。
また、チェックシート表示ボタン20a,20bがクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「チェックシート表示画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に工場用及び現場用のチェックシートを表示させる。図7(a)に工場用のチェックシートの表示画面の一例を示すイメージ図を示す。
図7(a)に示すように、チェックシートの下方には印刷ボタン21と復帰ボタン22が配置されており、印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示されたチェックシートをプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図5(b)に示した「ジョブ情報入力画面」に戻す。
なお、現場用のチェックシートが画面に表示されている状態でも印刷ボタン21と復帰ボタン22は同様に機能する。
ステップS3〜S5では、客先から供給された図面データに基づいて描画データを作成し、スプール番号を付与した後、寸法等の属性を入力してスプールとして登録するとともに、接合点を設定する。
まず、ステップS3において、客先等から紙で受領したアイソメトリック図等の図面がイメージスキャナなどの入力装置4によって取り込まれると、制御手段7dは記憶装置2に図面データ24を図面情報として格納させる。
ステップS4では、例えば図5(b)に示す「ジョブ情報入力画面」において、画面選択ボタン16の中から「図面情報」が選択されると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「図面情報入力画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図7(b)に示す画面を表示させる。
そこで、操作者は「工事番号」によって特定される工事に必要な図面のファイル名とその「工事番号」を「図面ファイル」及び「工事番号」の入力欄にキー入力するとともに、これから登録するスプールを識別するための番号を「スプール番号」の入力欄にキー入力し、それぞれ確定ボタン18をクリックする。
なお、上記「図面ファイル」は、ステップS3で紙図面をスキャナーで取り込んで電子データ化したもの以外に、電子データとして受領して予め記憶装置2に格納されているものを使用しても良い。
図7(b)に示した「図面情報入力画面」において、スプール作成ボタン23がクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「スプール作成画面」のレイアウトに関する画面情報と図面データ24を読み出して表示装置3に図面データ24とともに図8(a)に示す画面を表示させる。
この状態で、マウスの操作により図面データ24の上にカーソルが配置され、表示装置3の画面上で複数の「制御点」が指定されると、前述したように、描画データ作成手段7aは、これらの「制御点」の位置座標を取得する。そして、確定ボタン28がクリックされると、描画データ作成手段7aは、これらの「制御点」を直線や曲線で繋ぐようにして「線図」を作成する。なお、修正ボタン29がクリックされると、再び、カーソルによる「制御点」の指定が可能となる。
ステップS5において、「現場接合点」(図8(b)で「◎」で示される点)と「工場接合点」(図8(b)で「●」で示される点)が「線図」上でカーソルによって指定されると、描画データ作成手段7aは、これらの位置座標を取得するとともに、「現場接合点」で「線図」を分割して複数のピースを生成し、各ピースに対してそれぞれ「ピース番号」を連番となるように付与する。なお、描画データ作成手段7aから制御手段7dに送られた「ピース番号」、「現場接合点」及び「工場接合点」は表示装置3に表示される。
表示装置3の画面に描画データ25が表示された状態で、各ピースの周辺がポインタによって指定されると、図8(b)に示すような属性入力用ウィンドウ27が開く。これにより、各ピースに対応する寸法や材質等の入力が可能となる。
属性入力用ウィンドウ27からデータがキー入力されて確定ボタン28がクリックされると、制御手段7dは、「現場接合点」及び「工場接合点」の位置座標を「ピース番号」によって識別される各ピースと関連付けた状態で、各ピースの属性などとともに「図面情報」として記憶装置2に格納させる。
なお、修正ボタン29がクリックされると、描画データ25や各ピースの属性の修正が可能となる。また、印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示された図面データ24や描画データ25をプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図7(b)に示した「図面情報入力画面」に戻す。
図8(b)では、図面データ24と描画データ25を識別し易いように、両者を互いに少しずらした状態で示している。しかし、実際には両者はほとんど重なって表示されるため、工程管理システム1では表示装置3の画面に表示させるデータを選択できる構成となっている。すなわち、非表示ボタン26が1回クリックされると、図面データ24のみが非表示となり、2回クリックされると、描画データ25のみが非表示となり、3回クリックされると、描画データ25の非表示状態が解除されて、図面データ24と描画データ25が同時に表示される。
このようにして、図面データ24から描画データ25が作成された後、図7(b)に示した「図面情報入力画面」において、チェックシート作成ボタン19a,19bがクリックされると、演算手段7cは所定のスプールに対しピースごとに「接合点数」を集計する。
なお、「接合」には、ネジやフランジによる接合の他、接着や溶接が含まれるが、前述のステップS1において、「接合」の具体的態様として「作業項目」に「溶接」と入力した場合、演算手段7cは「接合点」を「溶接点」と判断して「インチダイヤ(BD)」の演算を行う。
図9(a)に示すように、「工事番号」、「スプール番号」及び「ピース番号」によって特定されるピースごとに「接合点数(工場、現場、合計)」(すなわち、「工場接合点数」、「現場接合点数」及び両者の合計)が「図面情報」として、「BD(工場、現場、合計)」(すなわち、「工場インチダイヤ」、「現場インチダイヤ」及び両者の合計)が「ジョブ情報」として、それぞれ記憶装置2に格納される。
なお、作業が完了した「接合点数(工場、現場、合計)」(すなわち、「工場完了接合点数」、「現場完了接合点数」及び両者の合計)と「出荷日」は、工場や現場で操作者によって入力装置4から随時入力され、その都度、演算手段7cは「BD(工場、現場、合計)」(すなわち、「工場完了インチダイヤ」、「現場完了インチダイヤ」及び両者の合計)の演算を行う。そして、制御手段7dは、これらのデータを全て記憶装置2に格納させる。
また、演算手段7cは、スプールごとに「ピース数」と「接合点数」と「インチダイヤ(BD)」の演算を行い、図9(b)に示すように、「工事番号」及び「スプール番号」によって特定されるスプールごとに「ピース数(工場、現場、合計)」、「接合点数(工場、現場、合計)」が「図面情報」として、「BD(工場、現場、合計)」が「ジョブ情報」として、それぞれ記憶装置2に格納される。
なお、作業が完了した「ピース数(工場、現場、合計)」、「接合点数(工場、現場、合計)」及び「BD(工場、現場、合計)」と「最終出荷日」は、現場や工場で操作者によって入力装置4から随時入力され、その都度、記憶装置2に格納される。
図10(a)及び図10(b)はそれぞれ「図面情報」が反映された「チェックシート表示画面」及び「作業報告画面」の一例を示すイメージ図である。
図7(b)に示した「図面情報入力画面」において、チェックシート表示ボタン20a,20bがクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「チェックシート表示画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に工場用及び現場用のチェックシートを表示させる。
なお、図10(a)は工場用のチェックシートであるが、現場用のチェックシートも同様の形式をしている。
図10(a)に示すように、チェックシートの下方には印刷ボタン21と復帰ボタンが配置されており、印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示されたチェックシートをプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図7(b)に示した画面に戻す。
図11(a)及び図11(b)は作業報告をするための「スプール表示画面」及び「チェックシート表示画面」の一例を示すイメージ図である。
ステップS6では、各作業項目が終了した時点やピースの出荷が完了した時点で操作者によって入力装置4から「作業完了日」や「出荷日」が入力される。
まず、例えば図10(a)において、画面選択ボタン16の中から「作業報告」が選択されると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「作業報告画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図10(b)に示す画面を表示させる。
そこで、操作者は「工事番号」及び「スプール番号」の入力欄にキー入力するか、工事番号リスト30やスプール番号リスト31の中から選択することによって、「工事番号」と「スプール番号」を指定する。そして、スプール表示ボタン32をクリックすると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている図面データ24や描画データ25を読み出して、図11(a)に示すように、表示装置3の画面に表示させる。なお、これらの図は非表示ボタン26をクリックすることで表示状態が切り替わる。
表示装置3の画面に描画データ25が表示された状態で、各ピースの周辺がカーソルによって指定されると、作業報告ウィンドウ33が開く。そこで、操作者が「作業項目」ごとに担当者入力欄に表示される「担当者」の中から所定の名前を選択し、確定ボタン28をマウスでクリックすると、作業判定手段7bが当該作業が完了したとの判定を行うとともに現在時刻を取得し、これを「作業完了日」として制御手段7dに送る。制御手段7dは、この「作業完了日」を「作業項目」と関連付けた状態で、作業報告ウィンドウ33の作業日欄に表示させるとともに、記憶装置2に格納させる。
また、作業判定手段7bは当該ピースにおける全ての「工場接合点」及び「現場接合点」をそれぞれ「工場完了接合点」及び「現場完了接合点」として制御手段7dに送る。演算手段7cは、制御手段7dの指令に従って、「工場完了接合点」及び「現場完了接合点」を集計する。そして、「作業項目」が「溶接」の場合、演算手段7cは、さらに、「工場完了インチダイヤ」又は「現場完了インチダイヤ」を算出する。
また、全てのピースについて「作業完了日」が決定されると、演算手段7cは、制御手段7dの指令に従って、そのスプールにおける「完了ピース数」を集計する。これらの情報は全て、記憶装置2に格納される。
なお、上記操作によって決定された「作業完了日」や入力された「担当者」は、修正ボタン29をクリックすることで容易に修正可能となっている。
「作業完了日」が決定された後に、図10(b)に示した「作業報告画面」において、チェックシート表示ボタン20a,20bがクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「チェックシート表示画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に工場用及び現場用のチェックシートを表示させる。なお、図11(b)は工場用のチェックシートであるが、現場用のチェックシートも同様の形式をしている。
図11(b)に示すように、チェックシートの下方には印刷ボタン21と復帰ボタンが配置されており、印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示されたチェックシートをプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図10(b)に示した画面に戻す。
ステップS7では、工事の進捗状況を確認する。その手順について、図12及び図13を用いて説明する。なお、図12(a)及び図12(b)はそれぞれ「進捗状況確認画面」及び「データシート表示画面」の一例を示すイメージ図であり、図13(a)及び図13(b)はそれぞれ「グラフ表示画面」及び「送り状表示画面」の一例を示すイメージ図である。
例えば図11(b)において、画面選択ボタン16の中から「進捗状況」が選択されると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「進捗状況確認画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図12(a)に示す画面を表示させる。そこで、操作者は「工事番号」と「作業期間」の欄に適切な番号と日付をキー入力して確定ボタン18をマウスでクリックするか、工事番号リスト30から適切な番号を選択する。そして、データシート表示ボタン34がクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「データシート表示画面」に関する画面情報を読み出して表示装置3に図12(b)に示すような工事の進捗状況を示すデータシートを表示させる。
図中のBD(予定)とは、予め記憶装置2に記憶された数式に基づいて演算手段7cが算出した1日あたりの作業量を示す数値である。なお、この値は図12(b)に示した画面上でキー入力によって修正することができる。
一方、BD(実績)は、ステップS6で行われた作業報告に基づいて演算手段7cが算出した値である。
図12(a)の「進捗状況確認画面」において、グラフ表示ボタン35がクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「グラフ表示画面」のレイアウトに関する画面情報と「工場完了インチダイヤ」及び「現場完了インチダイヤ」を読み出すとともに、図12(b)に示したデータシートに記載された「進捗データ」に基づいて図13(a)に示すようなグラフを表示装置3に表示させる。
なお、図12(b)及び図13(a)の状態で、画面の下方に表示された印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示されたデータシートやグラフをプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図12(a)に示した画面に戻す。
図12(a)の「進捗状況確認画面」において、送り状表示ボタン36がクリックされると、制御手段7dは記憶装置2に格納されている「送り状表示画面」のレイアウトに関する画面情報を読み出して表示装置3に図13(b)に示す画面を表示させる。そこで、操作者は、ピースごとに「出荷日」と「最終出荷日」を画面上でキー入力する。ただし、1つのスプールにおいて最後のピースが出荷された日が、そのスプールの「最終出荷日」となる。
なお、図13(b)の状態で、画面の下方に表示された印刷ボタン21がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面に表示された送り状をプリンタなどの出力装置5から出力させる。また、復帰ボタン22がクリックされると、制御手段7dは表示装置3の画面を図12(a)に示した画面に戻す。
以上説明したように、工程管理システム1においては、表示装置3の画面に表示されたスプールの描画データ25を、入力装置4を操作してカーソルによって指定することにより、「作業項目」ごとに作業が完了しているか否かがピース単位で表示装置3に表示されるという作用を有する。これにより、「作業項目」ごとの進捗状況が把握できるため、工程管理が容易となる。
また、作業判定手段7bによって作業完了の判定がなされたピースについて演算手段7cが集計した接合点数が表示装置3に表示され、視覚を介して接合作業の進捗状況が把握できるため、工程管理が一層容易となる。
さらに、客先から受領した図面データ等に基づく描画データ25の作成や修正が容易であるため、作業者のスキルの差による作業時間のばらつきが生じ難い。従って、当該作業の工程管理を容易に行うことができる。加えて、描画データ25を作成する際の自由度が大きいため、工程管理が容易となるように、「接合点」の個数や設置箇所の適正化を図ることができる。
さらに、入力装置4で指定したピースについて、溶接作業の進捗状況がデータシートやグラフといった「視覚を介して容易に把握可能な状態」で表示装置3の画面に表示されるという作用を有する。従って、溶接作業の工程をピース単位で容易に管理することができる。特に、工場と現場の両サイドから進捗状況を把握できるため、工程管理を効率良く行うことができる。
また、携帯端末10を使用した場合にも上述の作用及び効果は同様に発揮される。従って、工場と現場のいずれの場所においても作業報告と進捗状況の把握を容易に行うことができる。
請求項1乃至請求項8に記載された発明は、プラント配管工事に限らず、作業の進捗状況を把握し、工程を管理する必要がある各種の工事に対して適用可能である。
1…工程管理システム 2…記憶装置 3…表示装置 4…入力装置 5…出力装置 6…通信装置 7…処理装置 7a…描画データ作成手段 7b…作業判定手段 7c…演算手段 7d…制御手段 8…ネットワーク 9…サーバー 10…携帯端末 11…通信部 12…記憶部 13…表示部 14…入力部 15…処理部 15a…端末描画データ作成手段 15b…端末作業判定手段 15c…端末演算手段 15d…端末制御手段 16…画面選択ボタン 17a,17b…作業項目リスト 18…確定ボタン 19a,19b…チェックシート作成ボタン 20a,20b…チェックシート表示ボタン 21…印刷ボタン 22…復帰ボタン 23…スプール作成ボタン 24…図面データ 25…描画データ 26…非表示ボタン 27…属性入力用ウィンドウ 28…確定ボタン 29…修正ボタン 30…工事番号リスト 31…スプール番号リスト 32…スプール表示ボタン 33…作業報告ウィンドウ 34…データシート表示ボタン 35…グラフ表示ボタン 36…送り状表示ボタン

Claims (8)

  1. 複数のピースからなるスプールの描画データとともに、前記ピースと関連付けた状態で作業項目を格納する記憶装置と、
    この記憶装置に格納された情報を表示する表示装置と、
    この表示装置の画面上で前記ピースとともに前記作業項目を指定する入力装置と、
    前記記憶装置と前記表示装置と前記入力装置の動作の制御及び前記情報の処理を行う処理装置と、
    を備え、
    この処理装置は、
    前記入力装置によって指定された前記ピースに対し前記作業項目ごとに作業完了の判定を行う作業判定手段と、
    前記入力装置によって指定された前記ピースについて、関連する前記作業項目を前記記憶装置から読み出して前記表示装置に表示させ、前記作業判定手段による前記判定を、対応する前記作業項目と関連付けた状態で前記記憶装置に格納させるとともに前記表示装置に表示させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする工程管理システム。
  2. 前記描画データとして前記スプールに対して予め設定され前記ピースと関連付けた状態で前記記憶装置に格納された接合点の数を前記ピースごとに集計する演算手段を備え、
    前記演算手段は、前記判定がなされたピースごとに前記接合点の数を集計し、
    前記制御手段は、この前記演算手段による集計結果を前記記憶装置に格納させることを特徴とする請求項1に記載の工程管理システム。
  3. 前記入力装置によって前記画面上で指定された複数の制御点を繋ぐように線図を作成し、この線図上で前記入力装置によって指定された前記接合点のうち現場接合点において前記線図を分割して前記描画データを作成する描画データ作成手段を備え、
    前記制御手段は、前記現場接合点以外の前記接合点を工場接合点とし、この工場接合点を前記現場接合点と区別した状態で前記描画データとして前記線図とともに前記記憶装置に格納させることを特徴とする請求項2に記載の工程管理システム。
  4. 前記制御手段は、前記入力装置によって指定された前記描画データを前記記憶装置から読み出して前記表示装置に表示させるとともに前記描画データ作成手段に対して前記描画データの編集を許可し、
    前記描画データ作成手段は、前記線図と前記現場接合点と前記工場接合点のうち少なくともいずれか1つが前記入力装置によって前記画面上で変更されると、前記描画データを修正し、
    前記制御手段は、この修正された描画データで前記記憶装置に格納されている前記描画データを更新することを特徴とする請求項3に記載の工程管理システム。
  5. 前記演算手段は、前記接合点が溶接点である場合に、インチ換算された前記接合点の数と配管口径に基づいてインチダイヤを算出するとともに、このインチダイヤを前記判定がなされた前記ピースとそれ以外のピースに分けてそれぞれ集計して進捗データを作成し、
    前記制御手段は、この進捗データに基づくグラフを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の工程管理システム。
  6. ネットワーク上に設置されるサーバーと、
    このサーバーに対して前記制御手段の指令に従って前記記憶装置に格納される前記情報の送受信を行う通信装置と、
    前記サーバーにアクセス可能に構成される携帯端末と、を備え、
    この携帯端末は、
    前記サーバーに対して前記情報の送受信を行う通信部と、
    この通信部を介して前記サーバーから送られた前記情報のうち前記作業項目を前記描画データとともに、前記ピースと関連付けた状態で格納する記憶部と、
    この記憶部に格納された情報を表示する表示部と、
    この表示部の画面上で前記ピースとともに前記作業項目を指定する入力部と、
    前記記憶部と前記表示部と前記入力部の動作の制御及び前記情報の処理を行う処理部と、
    を備え、
    この処理部は、
    前記入力部によって指定された前記ピースに対し前記作業項目ごとに作業完了の判定を行う端末作業判定手段と、
    前記入力部によって指定された前記ピースについて、関連する前記作業項目を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、前記端末作業判定手段による前記判定を、対応する前記作業項目と関連付けた状態で前記記憶部に格納させるとともに前記表示部に表示させる端末制御手段と、
    前記記憶部に格納された前記接合点の数を、前記端末作業判定手段によって前記判定がなされたピースごとに集計する端末演算手段と、を備え
    前記端末制御手段は、この端末演算手段による集計結果を前記記憶部に格納させることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の工程管理システム。
  7. 前記入力部によって前記表示部の前記画面上で指定された複数の第1の制御点を繋ぐように端末線図を作成し、この端末線図上で前記入力部によって指定された第2の点において前記端末線図を分割して端末描画データを作成する端末描画データ作成手段を備え、
    前記端末制御手段は、前記入力部によって前記端末線図上で指定された第3の点及び前記第2の点をそれぞれ前記工場接合点及び前記現場接合点とみなすとともに前記端末線図を前記線図とみなして前記端末描画データを前記描画データとして前記記憶部に格納させることを特徴とする請求項6に記載の工程管理システム。
  8. 前記端末制御手段は、前記入力部によって指定された前記描画データを前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させるとともに前記端末描画データ作成手段に対して前記描画データの編集を許可し、
    前記端末描画データ作成手段は、前記線図と前記現場接合点と前記工場接合点のうち少なくともいずれか1つが前記入力部によって前記表示部の前記画面上で変更されると、前記描画データを修正し、
    前記端末制御手段は、この修正された描画データで前記記憶部置に格納されている前記描画データを更新することを特徴とする請求項7に記載の工程管理システム。
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