JP2008274418A - 複合材料、装飾品、および複合材料の製造方法 - Google Patents

複合材料、装飾品、および複合材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 切削加工性に優れ、色ムラの抑制されたPtを含む複合材料、装飾品および複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、Ptを主成分とする第1相21と、第1相21内に配置され、かつCo酸化物、Cr酸化物、およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含む第2相22と、を有している複合材料2に関する。酸化物の含有量は、例えば25質量%以上75質量%以下とされる。第2相22の直径は、例えばは2μm以上75μm以下とされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、白金族元素と酸化物とを含む複合材料、この複合材料を少なくとも一部に使用した装飾品、および複合材料の製造方法に関する。
Ptは宝石等とのマッチングが良好である白系色を呈しており、希少性もあること等から、好まれて宝飾品等に用いられている。
近年、嗜好の多様化により、Ptに関しても金装飾品および銀装飾品と同様に多色化が求められている。
Ptに着色成分を含有させ、白色以外の色を発現させるために、添加物粉末を混合し焼成させる方法が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開平3−166327号公報 特開平3−166328号公報
しかしながら、上記方法では内部欠陥が発生し強度不足に陥ることが考えられる。
本発明は、内部欠陥が少なく、強度・加工性に優れ、色ムラの抑制された白金族元素(特にPt)を含む複合材料、装飾品および複合材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の複合材料は、白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金の6の元素のうちのいずれか)を主成分とする第1相と、Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む第2相とを有していることを特徴とする。
本発明の複合材料は、白金族元素として特にPtを主成分とする第1相と、前記第1相内に配置され、かつCo酸化物、Cr酸化物、およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含む第2相と、を有していることを特徴とする。
また本発明の装飾品は、複合材料により形成された複合材料領域を有することを特徴とする。
前記酸化物の含有量は、例えば25質量%以上75質量%以下である。
好ましくは、前記第2相は粒子(球状が望ましい)であり、その粒径は2μm以上75μm以下である。
前記第1相中に含まれるPtの総量は、全組成の25質量%以上75質量%以下である。
前記複合材料領域は、表面より所定深さの領域、例えば少なくとも表面より1mm以上の深さの領域まで形成されている。
本発明の第3の側面においては、Ptを主成分とする第1粉末と、Co酸化物、Cr酸化物、およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含む第2粉末とを混合して混合粉末とし、この混合粉末により得られる成形体を放電プラズマ焼結法にて焼成することを特徴とする、複合材料の製造方法が提供される。
好ましくは、成形体は、混合粉末原料を型につめて荷重を付加することにより形成され、成形体の放電プラズマ焼結は、前記型において成形体に荷重を付加した状態で行なわれる。以下、成型体とは型内部での圧力を受けている混合粉末の状態をさすことがある。
前記第2粉末は表面の方が内部よりも酸素の濃度が低いとよい。
また、前記第2粉末はCo酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む粉末を還元して得たものであるとよい。
前記第1粉末としては、例えば粒径が2μm以上75μm以下のものが使用され、第2粉末としては、例えば粒径が2μm以上75μm以下のものが使用される。
前記混合粉末において、前記第1粉末の含有量は、例えば25質量%以上75質量%以下とされ、前記第2粉末の含有量は、例えば25質量%以上75質量%以下とされる。
前記成形体の焼成温度は、例えば350℃以上1200℃以下とされる。
本発明の複合材料は、白金族元素のうち特にPtを主成分とする第1相中に、Co酸化物、Cr酸化物、およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含む第2相を配置させたものとなっている。すなわち、本発明の複合材料は、Co、CrあるいはFeといった着色成分が酸化物の状態でPt中に配置されている。そのため、切削加工性をも向上させることができる。
本発明の複合材料において、酸化物の含有量を25質量%以上75質量%以下とすれば、Co、CrあるいはFeの酸化物によって、Ptを所望とする色に着色することができる。
本発明の複合材料において、前記酸化物を粒径が2μm以上75μm以下の粒子状として第1相中に配置すれば、Co、CrあるいはFeの酸化物による発色を十分に確保しつつ、微細な酸化物が均一にあって偏在しないため、切削加工性が良好となる。
本発明の複合材料において、Ptの含有量を25質量%以上75質量%以下とすれば、発色可能な範囲でPt品位を適切に維持できる。
本発明の装飾品によれば、第1の側面に係る複合材料領域を有しているため、切削加工性を向上させることができる。
本発明の製造方法によれば、プラズマ焼結法を採用しており、このプラズマ焼結法では、酸化物のままでPt中に配置させることができる。このようにして得られる複合材料では、機械的強度を向上させることができ、切削加工性が良好となる。
また、プラズマ焼結を行なう前に、Pt粉末と酸化物粉末とを均一に混合しておけば、酸化物が均一に分散された複合材料を得ることができる。このようにして酸化物を均一に分散できれば、酸化物の偏析に起因して生じる強度の低下、色ムラを抑制された複合材料を提供することができる。
以下においては、本発明に係る装飾品および複合材料の実施形態(以下、本実施形態という)について、白金族元素としてPtを例にとり、また装飾品として指輪を例にとり、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明に係る複合材料の適用対象である装飾品、あるいは本発明に係る装飾品は、指輪に限定されるものではない。
図1(a)および図1(b)に示した指輪1は、リング状の部分の全体が複合材料2によって形成されたものである。図2に示したように、複合材料2は、第1相21および第2相22を有している。
第1相21は、複合材料2の母材となるものであり、Ptを主成分としている。第1相21中に含まれるPtの総量は、例えば全組成の25質量%以上75質量%以下とされている。このような範囲にPtの総量を設定することにより、第2相22によって所望の色を発色させた複合材料2とすることができる。
第1相21のPt質量%は、EDS(エネルギー分散型X線分析)半定量分析によって計算することができる。すなわち、表面から数μmの深さ領域より発生する特性X線を検出して各元素の分析を行ない、そのピーク強度から組成を計算することができる。
第2相22は、第1相21中に分散されたものであり、Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含むものである。ここで、Co酸化物は複合材料2を青色に発色させるためのものであり、Cr酸化物は黄色に発色させるためのものであり、Fe酸化物は赤色に発色させるためのものである。
第2相22におけるCo酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物の含有量は、例えば複合材料2の全組成に対して25質量%以上75質量%以下とされている。このような範囲にPtの総量を設定することにより、第2相22によって発色させた複合材料2とすることができる。
また、Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物は、複合材料2の発色をハンターLab表色系で表した場合、下記表1となる含有量に設定するのが好ましい。
Figure 2008274418
第2相22のCo酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物の質量は、第1相21のPtの質量を測定する場合と同様に、EDS半定量分析によって計算することができる。
第2相22は、粒子状の酸化物により構成されており、その直径は、例えば2μm以上75μm以下であるとよい。
ここで、第2相22の直径は、任意の断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)により得られるSEM写真に基づいて算出することができる。より具体的には、第2相22の直径は、例えばSEM写真における100μm×100μmの領域に存在する所定の数の第2相22に関する外接円の直径を測定し、その平均値として定義することができる。SEMによる断面観察においては、電子反射像によって結晶相を観察するのが好ましい。そうすれば、第1相21と第2相22との区別を確実にできるため、第2相22の直径を適切に算出することができる。
複合材料2は、第2相22を第1相21中に分散させたものであるため、鋳造法によって得られる金属材料に比べて靭性が低くなっており、第2相22の存在によって加工性が向上する。ここで、第2相22の表面における金属酸化物の酸素と金属との結合が一部切れて、第2相22の金属と第1相21のPtとが金属結合することによって、第1相21と第2相22は結合しているものと考えられる。
次に、本実施形態の複合材料2の製造方法を、放電プラズマ焼結法により指輪1のリング状部分を形成する場合を例にとって説明する。
指輪1を放電プラズマ焼結法により形成する場合には、図3に示した焼結装置3が用いられる。焼結装置3は、一対の電極30,31の間に直流パルス電圧を印加したときに、成形体32における粒子間に生じる放電の熱エネルギーを利用して成形体32を焼結するものである。
焼結装置3は、成形体32の形状を規定するためのダイ33を備えている。このダイ33は、分割内型34、パンチ35A,35Bおよび中子36を有しており、分割内型34の内部に、パンチ35A,35Bおよび中子36を挿通することにより、材料粉末を収容するための空間が規定されている。分割内型34は、型合わせ状態で外観形状においてテーパ状を呈するものであり、テーパ状の空間を有する外型37によって外套することにより、型合わせ状態が維持される。
パンチ35A,35Bは、スペーサ38A,38Bおよびスペーサ39A,39Bを介しての圧力よび電流が供給するものであり、導体により形成されている。
このような焼結装置3を用いて指輪1を形成する場合には、まず分割内型34を型合わせ状態で、その内部に中子36およびパンチ35Bを収容しておき、これらによって形成される円筒状の空間に所定量の原料粉末を供給する。
原料粉末としては、Pt粉末と、Co、CrおよびFeのうちの少なくとも1つの酸化物粉末と、を混合したものが用いられる。
第2粉末は酸化物であるため、Pt粉末との焼結性が悪いことを考慮すると、前記第2粉末は表面の方が内部よりも酸素の濃度が低いことが好ましい。
このような第2粉末はCo酸化物、Cr酸化物、およびFe酸化物のうちの少なくとも1つを含む粉末を還元することで得られる。
還元方法としては、これら酸化粉末を還元剤と反応させ、還元剤は還元処理の後に、粉末内に残留しないものであることが前提である。好ましくは過酸化水素水を用いて、Fe酸化物であればFe+H → 2Fe+HO+2Oなどの反応を粉末の表面で起こさせればよく、これはCo酸化物、Cr酸化物についても同様である。
酸化粉末の還元された深さは、すなわち還元相の厚みは1〜10μm程度とすれば、外側が焼結性及び内側が発色性に効率的に寄与する。
還元剤の濃度、温度及び処理時間は適時設定し、還元処理した後は、窒素雰囲気中などで乾燥させる。
前記還元相はPtと合金相を形成して焼結し、内側の酸化物相は発色に寄与する。
Pt粉末としては、例えば粒径が2μm以上75μm以下のものが使用される。
Co、CrおよびFeの酸化物粉末としては、例えば粒径が2μm以上75μm以下のものが使用される。
Pt粉末と、Co、CrおよびFeのうちの少なくとも1つの酸化物粉末と、の混合は、例えば乳鉢において、あるいはMA(メカニカルアロイング)によって行なうことができる。原料粉末におけるPt粉末と酸化物粉末との混合比は、Ptを基準として25質量%以上75質量%以下とされる。
次いで、分割内型34の内部にパンチ35Aを挿入するとともに外型37により分割内型34を締め付け、これをスペーサ38A,38Bの間にセットする。さらにスペーサ38A,38B間に圧力を付与し、パンチ35A,35Bによって原料粉末を圧縮・成形する。
このようにして得られる成形体32に対しては、真空雰囲気中で成形体32に圧力を付与したまま、一対の電極30,31を介して直流パルス電圧を印加する。このようにして直流パルス電圧を印加することにより、成形体32が焼結される。
成形体32の焼成条件は、昇温速度が20℃/分以下、焼成温度が350℃以上1200℃以下、焼成時間が20分以下とされる。このような焼結条件により成形体32を焼結することにより、Ptを主成分とする第1相21中に酸化物を含む第2相22を粒子状で配置することができる。また、放電プラズマ焼結法では、高エネルギー密度とジュール熱を広く応用することにより、電力消費量が少なく効率の良い焼結が可能となる。そのため、昇温・保持時間を含めた焼結時間は、概ね5〜20分程度の比較的短時間でよい。そのため、指輪1は、熱処理の必要はなく、切削加工性に優れたものとなる。その結果、指輪1は、仕上げの表面加工などを容易に行なうことができる。
次に、装飾品の一部に複合材料層を形成した例について、図4に示した指輪を例にとって説明する。
図4に示した指輪4は、芯材40の表面を複合材料層41によって被覆したものである。
芯材40は、主として指輪4の形状を規定するものであり、例えば内径が13〜22mm、外径が15〜24mm、厚みが2〜10mmのリング状に形成されている。このような芯材40は、例えば鋳造法あるいは引抜きにより形成することができる。芯材40を形成するための材料としては、貴金属も使用することができる。
複合材料層41は、図1を参照して説明した指輪1と同様に図2に示した組成状態を有する複合材料2により形成されている。すなわち、複合材料層41は、Ptを主成分とする第1相21内に、Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの少なくとも1つの酸化物を含む第2相22が分散された組織とされている(図2参照)。複合材料層41の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされている。
このような指輪4は、予め形成しておいた芯材40を、Ptおよび所定の酸化物との混合粉末によってインサートした成形体を形成した後に、この成形体を放電プラズマ焼結法により焼成することにより形成することができる。
このようにして得られる指輪4においても、図2に示した組織状態の複合材料2からなる複合材料層41が表面に形成される。
次に、本実施形態に係る装飾品の他の例について、図5ないし図9を参照して説明する。
図5に示した首飾り5は、ヘッド50およびチェーン51を備えたものであり、ヘッド50は、少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1、図2および図4参照)と同様な組成および組織状態の複合材料層とされている。ヘッド50は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。ヘッド50において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされる。
首飾り5においては、ヘッド50の形態は種々に変更可能であり、またヘッド50を省略してネックレスとして構成してもよい。
図6に示したブレスレット6は、複数のピース60をリング状に連結したものであり、各ピース60の少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1、図2および図4参照)と同様な組成および組織状態の複合材料層とされている。ピース60は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。ピース60において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされる。
ブレスレット6は、ピース60の形状については種々に変更可能であり、また本実施形態のブレスレットは、必ずしも複数のピースにより構成されている必要もない。
図7に示した時計7は、ベルト70の少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1、図2および図4参照)と同様な組成および組織状態を有する複合材料層とされている。ベルト70は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。時計7においては、側縁71が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、この場合にも、側縁71は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。ベルト70または側縁71において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされる。
時計7は、ベルト70および側縁71などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態の時計についても本実施形態を適用することができる。
図8に示したメガネ8は、フレーム80の少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1、図2および図4参照)と同様な組成および組織状態の複合材料層とされている。フレーム80は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。フレーム80において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされる。
メガネ8は、フレーム80などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態のメガネについても本実施形態を適用することができる。
図9に示した万年筆9は、ペン先90の少なくとも一方の表層が先に説明した指輪1,4(図1、図2および図4参照)と同様な組成および組織状態の複合材料層とされている。ペン先90は、全体が本実施形態の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本実施形態の複合材料により被覆したものであってもよい。ペン先90において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、例えば0.03〜0.1μmとされる。万年筆9においては、ペン先90に加えて、あるいはペン先90に代えて、クリップ91などの他の部位における少なくとも表層を、複合組織層として形成してもよい。
万年筆9は、ペン先90およびクリップ91などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態の万年筆についても本実施形態を適用することができる。
本実施形態は、白金族元素としてPtを例にとり説明したが、これに限定されない。また、上述した指輪、首飾り、ブレスレット、時計およびメガネに限らず、他の装飾品の一部または全部として適用することができる。本実施形態を適用可能な他の装飾品としては、例えば食器、置物、ゴルフクラブ、携帯電話、あるいはボタンなどを挙げることができる。さらに、本実施形態は装飾品の他に不均一系触媒(固相のままで用いる触媒)として適用が可能である。
本実施例では、Ptと、Co酸化物(CoO)と、を含む複合材料より得られた試料について、加工性および発色性を評価した。
<原料粉末の作成>
Co酸化物を含む粉末を過酸化水素水を用いて、CoO+H → Co+HO+Oの反応を粉末の表面で起こさせ、還元相の平均厚みは10μm程度とした。
過酸化水素水の濃度を10%、温度を40℃及び処理時間は30分と設定し、還元処理した後は、窒素雰囲気中40℃で乾燥させた。
前記還元相であるCo相はPtと合金相を形成して焼結した。なお、内側のCo酸化物相は発色に寄与する。
<試料の作製>
試料は、下記表2に記載の組成の混合粉末を焼結金型において外径25mm、内径が20mmであるリング状に成形した後、放電プラズマ焼結法により焼成することにより形成した。放電プラズマ焼結は、1.33×10−2Paの真空雰囲気にて、40℃/分の速度で400℃まで昇温し、10分間焼成することにより行なった。
一方、比較例の試料として、溶融法によりリングを作成した。溶融法によるリングの作製は、湯道とそれとつながるリング状の型を有した鋳型を用い、Ptの溶融物とCo酸化物を、遠心力を用いて湯道に注ぎ込み、湯道からリング状の型に充填することにより行なった。Ptと酸化物の混合比率および材料粉末の粒径は表3に示した通りである。
<加工性の評価>
加工性は、切削加工性および石留め加工性として評価した。
切削加工性の評価は、作製したリング中央に溝加工を施し、ダイヤバイトでカットを行なったときに、焼き付きやバリが発生するか否かにより評価した。美麗な加工面に仕上がれば切削加工性は良好(A)、焼き付きやバリが発生しても問題のない程度であれば切削加工性は問題なし(B)、審美性に問題のある程度に焼き付きやバリが発生した場合には切削加工性は問題あり(C)と判断した。切削加工性の評価結果については、プラズマ焼結法により作製したリングについては下記表2に、溶融法により作製したリングについては下記表3にそれぞれ示した。
石留め加工性は、作製したリングの表面および側面に穴加工を施し、ラウンド2.0mmのキュービックジルコニアでななこ留めを行ない、地金を寄せて、キュービックジルコニアを容易に留めることができた場合を(A)、比較的容易に実用上問題の程度にキュービックジルコニアを容易に留めることができた場合を(B)、キュービックジルコニアを留めることが困難である場合を(C)と判断した。石留め加工性の評価結果については、プラズマ焼結法により作製したリングについては下記表2に、溶融法により作製したリングについては下記表3にそれぞれ示した。
<モニター評価(官能試験)>
モニター評価は、10人のモニターに対して、着用して評価をしてもらい、変色、変形、アレルギーについて3段階評価を行なった。プラズマ焼結法により作製したリングについて、溶融法により作製したリングについてそれぞれ評価結果は以下表2、表3に示す。
Figure 2008274418
Figure 2008274418
表2から分かるように、プラズマ焼結により作製したリングでは、Ptの含有量が20質量%のときに切削加工性および石留め加工性ともにPtの含有量が25質量%以上の場合よりも若干劣るものの、全体的にPtの含有量に関係なく加工性に優れたものとなった。
これに対して、表3から分かるように、溶融法により作製したリングでは、Ptの含有量に関係なく切削加工性が悪かった。石留め加工性は、Ptの含有量が小さくなるほど悪化する傾向にあった。溶融法により作製したリングの加工性の悪さは、リング内においてCoOが偏析していることに起因していると考えられる。
このように、プラズマ焼結法により作製したリングは、溶融法により作製したリングに比べて加工性が向上していた。その一方で、プラズマ焼結法により作製したリングの断面について走査型顕微鏡(SEM)により観察したところ、Pt中にCoOが原料粉末の状態とほとんど変わらない粒径で存在していた。したがって、Pt(第1相)にCoを酸化物(第2相)の状態で原料粒子の形状に近い粒子状で配置させることにより、加工性に優れたものとなることが分る。
一方、発色性に関しては、プラズマ焼結により作製したリングでは、溶融法により作製したリングに比べて、Ptの含有量に関係なく、全体的に均一な色を示し、色ムラも生じていなかった。
Ptの含有量が75質量%以下であるリングのモニターの評価が良いものの、Ptの含有量が80質量%であるリングのモニターの評価が、Ptの含有量が75質量%以下であるリングに比べて悪かった。
したがって、発色性(審美性)を考慮した場合には、Ptの含有量は、75%以下の範囲(CoOの含有量は、25質量%以上75%以下)とすることが好ましいと思われる。
本実施例では、酸化物としてCr酸化物(CrO)を使用した以外は実施例1と同様し、リング状に形成された複合材料の加工性および発色性について評価した。Pt粉末とCr酸化物との混合比、それらの粉末の粒径については、下記表4に示した通りである。また、加工性および発色性の評価結果についても下記表4に示した。
また、Pt粉末とCrO粉末を用いて、実施例1の比較例と同様な溶融法により作製したリング状の試料についても加工性および発色性を評価した。評価結果が表5に示した。
Figure 2008274418
Figure 2008274418
表4から分かるように、プラズマ焼結により作製したリングでは、Ptの含有量が20質量%のときに切削加工性および石留め加工性ともにPtの含有量が25質量%以上の場合よりも若干劣るものの、全体的にPtの含有量に関係なく加工性に優れたものとなった。
これに対して、表5から分かるように、溶融法により作製したリングでは、Ptの含有量に関係なく切削加工性が悪かった。石留め加工性は、Ptの含有量が小さくなるほど悪化する傾向にあった。溶融法により作製したリングの切削加工性の悪さは、リング内においてCrOが偏析していることに起因していると考えられる。
このように、プラズマ焼結法により作製したリングは、溶融法により作製したリングに比べて加工性が向上していた。その一方で、プラズマ焼結法により作製したリングの断面について走査型顕微鏡(SEM)により観察したところ、Pt中にCrOが原料粉末の状態とほとんど変わらない粒径で存在していた。したがって、Pt(第1相)にCrを酸化物(第2相)の状態で原料粒子の形状に近い粒子状で配置させることにより、加工性に優れたものとなることが分る。
したがって、発色性(審美性)を考慮した場合には、Ptの含有量は、75質量%以下の範囲(CrOの含有量は、25質量%以上75%以下)とすることが好ましいと思われる。
本実施例では、酸化物としてFe酸化物(FeO)を使用した以外は実施例1と同様し、リング状に形成された複合材料の加工性および発色性について評価した。Pt粉末とFe酸化物との混合比、それらの粉末の粒径については、下記表6に示した通りである。また、加工性および発色性の評価結果についても下記表6に示した。
また、Pt粉末とFeO粉末を用いて実施例1の比較例と同様な溶融法により作製したリング状の試料についても加工性および発色性を評価した。評価結果が表7に示した。
Figure 2008274418
Figure 2008274418
表6から分かるように、プラズマ焼結により作製したリングでは、Ptの含有量が20質量%のときに切削加工性および石留め加工性ともにPtの含有量が25質量%以上の場合よりも若干劣った。
これに対して、表7から分かるように、溶融法により作製したリングでは、Ptの含有量に関係なく切削加工性が悪かった。石留め加工性は、Ptの含有量が小さくなるほど悪化する傾向にあった。溶融法により作製したリングの加工性の悪さは、リング内においてFeOが偏析していることに起因していると考えられる。
このように、プラズマ焼結法により作製したリングは、溶融法により作製したリングに比べて加工性が向上していた。その一方で、プラズマ焼結法により作製したリングの断面について走査型顕微鏡(SEM)により観察したところ、Pt中にFeOが原料粉末の状態とほとんど変わらない粒径で存在していた。したがって、Pt(第1相)にFeを酸化物(第2相)の状態で原料粒子の形状に近い粒子状で配置させることにより、加工性に優れたものとなることが分る。
Ptの含有量が75質量%以下であるリングの発色が良いものの、Ptの含有量が80質量%であるリングの発色は、Ptの含有量が75質量%以下であるリングに比べて悪かった。
したがって、発色性(審美性)を考慮した場合には、Ptの含有量は、75質量%以下の範囲(FeOの含有量は、25質量%以上75質量%以下)とすることが好ましいと思われる。
第2粉末としてCo酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物を50%含有する原料粉末を、還元処理したものと、還元処理していないものについて、Co酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物の粒子の脱粒の有無を評価した。
還元処理した第2粉末を用いた焼結体は、Co酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物の粒子の面積比率が45%以上であり、十分な発色を示しているのに対して、還元処理していない第2粉末を用いた焼結体は、面積比率が15%以下であり、発色が不十分であった。
なお、面積比率の測定は、試料の焼成面をラッピングフィルムを用いて、所定の圧力で正逆方向に100mm、100回、100秒間往復運動させて、研磨した試料の研磨面の1mm四方の範囲のTEM写真を100倍で撮影してEDS分析を行ない、Co酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物の部分と、それ以外の部分の面積をトレースして面積比率を求めることができる。
図1(a)は本発明に係る装飾品の一例である指輪の全体斜視図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線に沿う断面図である。 本発明に係る複合材料の組織状態の一例を示す模式図である。 本発明に係る複合材料の製造方法の一例を説明するための焼結装置の模式図である。 本発明に係る装飾品の一例である指輪の他の例を示す断面図である。 本発明に係る装飾品の一例である首飾りを示す正面図である。 本発明に係る装飾品の一例であるブレスレットを示す正面図である。 本発明に係る装飾品の一例である時計を正面図である。 本発明に係る装飾品の一例であるメガネを示す全体斜視図である。 本発明に係る装飾品の一例である万年筆を示す正面図である。
符号の説明
1,4:指輪
2:複合材料
21:第1相
22:第2相
23:合金相
41:複合材料層(複合材料領域)
5:首飾り
6:ブレスレット
7:時計
8:メガネ
9:万年筆

Claims (14)

  1. 白金族元素を主成分とする第1相と、
    Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む第2相と、
    を有していることを特徴とする複合材料。
  2. Ptを主成分とする第1相と、
    前記第1相内に配置され、かつCo酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む第2相と、
    を有していることを特徴とする複合材料。
  3. 前記酸化物の含有量は、25質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の複合材料。
  4. 前記酸化物は粒子状であり、その粒径は2μm以上75μm以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の複合材料。
  5. 前記第1相中に含まれるPtの総量は、全組成の25質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の複合材料。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載の複合材料により形成された複合材料領域を有することを特徴とする装飾品。
  7. 前記複合材料領域は、表面から所定深さの領域まで形成されていることを特徴とする請求項6に記載の装飾品。
  8. 前記所定深さは1mm以上であることを特徴とする請求項7に記載の装飾品。
  9. Ptを主成分とする第1粉末と、Co酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む第2粉末とを混合して混合粉末とし、この混合粉末により得られる成形体を放電プラズマ焼結法にて焼成することを特徴とする複合材料の製造方法。
  10. 前記第2粉末は表面の方が内部よりも酸素の濃度が低いことを特徴とする請求項9に記載の複合材料の製造方法。
  11. 前記第2粉末はCo酸化物、Cr酸化物およびFe酸化物のうちの1種以上の酸化物を含む粉末を還元して得たものであることを特徴とする請求項9または10に記載の複合材料の製造方法。
  12. 前記第1および第2粉末の粒径は2μm以上75μm以下であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  13. 前記混合粉末において、前記第1および第2粉末の含有量は25質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  14. 前記成形体の焼成温度は、350℃以上1200℃以下であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
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