JP2008184650A - 装飾品とその製造方法 - Google Patents

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美保 田中
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Abstract

【課題】プラチナ合金などの焼結体からなる装飾品では十分なピンク発色が得られない、また十分なピンク発色を得るためにPt品位が悪くなるという問題があった。
【解決手段】Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を表面に有し、両相の表面において第1相は第2相よりも算術平均表面粗さが大きいこと。
【選択図】図7

Description

本発明は、PtおよびCuを含む装飾品とその製造方法に関する。
希少価値が高く、美しい輝きを持つプラチナ(Pt)は、指輪やネックレス等の装飾品の材料として使用されている。Pt製の装飾品は、銀や金装飾品と比較して清楚な輝きを有することから、その希少性と併せて需要者に好まれている。
その一方で、Ptは延性が高く柔軟であることから、指輪やネックレス等の装飾品に加工した場合、傷付いたり、変形してしまったりする。そのため、Ptは、他の貴金属あるいは卑金属を添加することによって、硬さ、強さを向上させ、装飾品として実用化されてきた。
近年においては、需要者の嗜好の多様化により、装飾品においては、金や銀ばかりでなく、Ptにおいて同様に多色化が求められている。そのため、PtやPt合金と他の金属や合金、あるいはPtやPt合金と色付粉末とを組み合わせた金属材料や装飾品が提案されている(たとえば特許文献1参照)
特許文献1に記載の金属材料は、Ptなどの貴金属やその合金と、セラミクスやガラスの色付粉末とを粉末治金加工することにより得られるものである。この金属材料では、混合する色付粉末の種類の適宜選択することにより、所望とする色とすることができる。
ところで、ピンク色の装飾品は、銀装飾品においても見られるとおり、女性から多くの支持を集めている。そのため、Ptにおいても、ピンク色の装飾品の登場が望まれている。
特許文献2には、白金とアルミニウムとの金属間化合物PtAlに銅を添加すること、あるいは白金・アルミニウム・銅を一緒に溶融させた金属間化合物が開示されている。
さらに、銅の添加量を調整することにより種々の色彩の金属間化合物が提供できる旨が記載されている。
たとえば、銅の添加量を1〜8重量%とすることにより黄色化合物が、銅の添加量を8〜15重量%とすることにより褐色化合物が、銅の添加量を20〜30重量%とすることにより赤褐色(桃色がかったふじ色)が得られる旨が記載されている。
ところで、ピンク色の装飾品は、銀装飾品においても見られるとおり、女性から多くの支持を集めている。そのため、Ptにおいても、ピンク色の装飾品の登場が望まれている。
特開昭59−136447号公報 特開平03−158430号公報
しかしながら、特許文献1に記載の金属材料においては、ピンク色の材料を得るために、ピンク色を発現可能な色付粉末を形成する必要がある。ピンク色の色付粉末は、たとえばセラミクスがガラスにピンク色の顔料や染料を添加した後に粉砕するなどして得られるが、研磨中にセラミクスやガラス色付粉末が脱粒してしまい、ピンク発色が損なわれてしまうという問題がある。
Ptにピンク色を与えるためには、鋳造法を採用することも考えられる。鋳造法を採用する場合には、PtとCuとを溶かして鋳型に流し込み、これを冷却することによって全体が金属間化合物(PtCu合金)相からなるピンク色のPtを得ることが考えられる。
例えば、特許文献2に記載の金属材料は、白金とアルミニウムとの金属間化合物PtAlに銅を添加したもの、あるいは白金・アルミニウム・銅を一緒に溶融させて形成したものである。
すなわち、特許文献2の金属材料は、その全体が金属間化合物であると考えられるので、複数の相が存在しておらず、Cu単独の相からの反射がないため、十分なピンク発色が得られないという問題がある。また十分なピンク発色を得るためにPt品位が悪くなるという問題もある。
本発明の第1の側面においては、Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を表面に有し、両相の表面において第1相は第2相よりも算術平均表面粗さが大きいことを特徴とする装飾品が提供される。
さらに、第1相の算術平均表面粗さは0.02〜0.5μmRa、第2相の算術平均表面粗さは0.01〜0.1μmRaであることを特徴とする。
さらに前記複数の第2相は、前記第1相内に配置されていることを特徴とする。
さらに前記複数の第1相は、前記第2相内に配置されていることを特徴とする。
さらに前記第1相と前記第2相との間において両相に接し、PtとCuとにより形成された金属間化合物を含む第3相をさらに有していることを特徴とする。
さらに前記第3相は、前記第1相または前記第2相を囲んでいることを特徴とする。
さらに上記装飾品の表面をドライホーニングにより処理することを特徴とする。
さらに上記ドライホーニングに使用されるビーズの硬度が、Ptよりも高くCuよりも低いことを特徴とする。
本発明に係る装飾品によれば、Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を表面に有し、両相の表面において第1相は第2相よりも算術平均表面粗さが大きいことにより、Pt自体の反射率を抑えて、Cuの反射率を強調させることで、高いピンク発色を得ることができる。さらに第1相の算術平均表面粗さは0.02〜0.5μmRa、第2相の算術平均表面粗さは0.01〜0.1μmRaであることで、必要な光沢を感じ得る範囲で高いピンク発色とすることができる。
表面処理方法としてドライホーニングを用い、より好ましくは、上記ドライホーニングに使用されるビーズの硬度をPtよりも高くCuよりも低くすることにより、第1相の表面を選択的に荒すことができるので、Cuの反射率を強調することが可能である。そのため、本発明の装飾品は、Pt品位が高くピンク発色の高い装飾品とすることができる。
以下においては、本発明に係る装飾品および装飾品について、指輪を例にとって図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明に係る装飾品の適用対象である装飾品、あるいは本発明に係る装飾品は、指輪に限定されるものではない。
図1(a)および図1(b)に示した指輪1は、リング状の部分の全体が装飾品2によって形成されたものである。図2に示したように、装飾品20は、第1相21、第2相22、および第3相23を有している。
本発明は、Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を表面に有し、両相の表面において第1相は第2相よりも算術平均表面粗さが大きいことが重要である。
さらに、第1相の算術平均表面粗さは0.02〜0.5μmRa、第2相の算術平均表面粗さは0.01〜0.1μmRaであることが、さらにピンク発色を高めることが出来る点で好ましい。第1相21の算術平均表面粗さを0.02μmRa以上とすることで、Ptの反射率を低く抑えてピンク発色を高くすることができ、かつ、第1相21の算術平均表面粗さを0.5μmRa以下とすることで、装飾品全体の反射率を高く維持することができる。
また、第2相22の算術平均表面粗さを0.01μmRa以上とすることで、第2相22の反射率を選択的に高くすることができるためピンク発色が強調され、かつ、第2相22の算術平均表面粗さを0.1μmRa以下とすることで、装飾品全体の反射率を高く維持することができる。
たとえば図8に示すように、従来のように装飾品よりも硬度の高い研磨剤で鏡面研磨しているだけの場合、第1相21の算術平均表面粗さと第2相22の算術平均表面粗さには差がなく、第1相21、第2相22での光の反射Rは全反射に近くなるだけである。
しかしながら、第1相21の算術平均表面粗さだけを大きくし、第2相22の算術平均表面粗さをそのままにすることで、第2相22での光の反射Rだけを相対的に大きくできるので、ピンク発色を強調することができるのである。
第1相21は、装飾品2の母材となるものであり、プラチナ(Pt)を主成分としている。第1相21中に含まれるPtの総量は、たとえば全組成の25質量%以上75質量%以下とされている。Ptの総量が25質量%を下回る場合には、後述する第2相22の主成分である銅(Cu)の比率が大きくなるために、PtとCuとの間の電池効果によって耐食性が悪化し、また色合いが銅の色に近くなるため好ましくない。Ptの総量が75質量%を超える場合には、Cuの比率が小さくなるために、ピンク色とするのが困難となる。
第1相21のPt重量は、EDS(エネルギー分散型X線分析)半定量分析によって計算することができる。すなわち、表面から数μmの深さ領域より発生する特性X線を検出して、各元素分析を行い、そのピーク強度から組成を計算することができる。
第1相21は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、および銀(Ag)のうちの少なくとも1種類を含んでいてもよい。例示した成分を第1相21に含ませることにより、装飾品2の耐食性を向上させることができる。すなわち、第1相21にPt以外の貴金属を含む場合には、PtとCuとの間に生じる電池効果が生じることを抑制することができる。
第2相22は、第1相21中に分散されたものであり、銅(Cu)を主成分としている。この第2相22の存在により、装飾品2はPtに加えてCuを含んだものとなり、その表面において第2相22の一部が露出するためにピンク色となる。また、装飾品2は、第2相22を第1相21中に分散したものであるため、装飾品2の全体が金属間化合物とはなっていない。そのため、装飾品2は、鋳造法によって得られるPt−Cu材料のように全体が金属間化合物とされている場合に比べて靭性が小さくなっている。
第2相22中に含まれるCuの総量は、装飾品2の全組成の25質量%以上75質量%以下とするのが好ましい。Cuの総量が25質量%を下回る場合には、装飾品2が目的とするピンク色よりも淡いピンク色となる傾向がある。Cuの総量が75質量%を超える場合には、耐食性を長期間にわたり良好に維持することが困難になる。
第2相22のCuの重量は、第1相21のPtの質量を測定する場合と同様に、EDS半定量分析によって計算することができる。
また、第2相22の一部は表面に露出しており、このような露出部の直径(平均値)は、5〜150μmであるのが好ましい。第2相22の露出部の直径が5μmを下回る場合には、装飾品2が淡いピンク色となってしまう傾向がある。第2相22の直径が150μmを超える場合には、第2相22の露出面積が大きくなるので、長期間にわたって使用していると露出部が酸化されてしまう可能性が高くなる。
なお、第2相22の平均結晶粒径は任意の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)において得られる写真(SEM写真)にて、直径1000μmの範囲を1000倍で撮影し、平面上における1μm以上の複数の結晶相の最大直径を測定し、それらの平均値を平均粒径とした。ここで最大直径は各結晶相の外接円の直径とした。SEMによる断面観察においては、断面に対して金蒸着を行なわずに、電子反射像によって結晶相を観察するのが好ましい。そうすれば、第1相21と第2相22との区別を確実にできるため、適切に第2相22の平均粒径を算出することができる。
第2相22は、金(Au)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。例示した成分を第2相22に含ませることにより、装飾品2の耐食性を向上させることができる。すなわち、第2相22にCu以外の貴金属を含ませた場合には、PtとCuとの間に生じる電池効果が生じることを抑制することができる。また、例示した貴金属、とくにAuは、Cuと合金化させることによって、装飾品2の耐食性を向上させることができる。
第3相23は、装飾品2の耐食性の向上に寄与するものであり、金属間化合物により形成されている。この第3相23は、第1相21および第2相22の双方に接するものであり、装飾品2の内部においては第3相23が第2相22を囲んで、表面においては第3相の露出部が第2層22の露出部を取り囲むように配置されている。すなわち、第3相23は、第1相21と第2相22との間に介在している。このようにして金属間化合物である第3相23が第1相21と第2相22との間に介在することにより、第1相21のPtと第2相22のCuとの間のイオン化傾向の相違に基づく電池効果を抑制することができる。その結果、装飾品2は、耐食性に優れたものとなる。
第3相23の金属間化合物は、典型的には、PtとCuが整数比で存在するものであり、たとえばPtCuあるいはPtCuとして存在する。また、第3相23には、Pt以外の貴金属とCuとの金属間化合物、たとえばPtAuが存在してもよい。PtとCu、PtとAuの比は整数比である方が、化学的に安定であるので好ましい。
第3相23の厚みは、たとえば20μm以下とされ、好ましくは0.59μm以下とされる。第3相の厚みが0.59μmを超える場合には、装飾品2を外形加工して宝飾品などを製作する際に、靭性の高い金属間化合物からなる第3相23の部分が他の部位と比べて研磨されにくく、表面に比較的大きな凹凸ができて光沢を出しにくくなる傾向がある。
第3相23の厚み(露出面においては幅)は、図3(a)に示したように装飾品2の任意の断面をSEMによって20×20μmの範囲を3500倍で撮影し、次の定義にしたがって決定した。図3(b)に示したように、まず、SEM写真から第1相21および第2相22の双方の表面に対して垂直に交差する接線Lを含む部分を5箇所選択する。次いで、選択された5箇所について、第3相23における厚みをそれぞれ測定し、それらの平均値を演算して第3相23の厚み(幅)とする。
装飾品2の表面における第3相23の面積比率は、任意の100μm×100μmの範囲において、1〜10%とするのが好ましく、先の範囲における第3相23が第2相22を囲む割合は、第2相22の外周の長さに対して85%以上とするのが好ましい。
図2に示した例では、Ptを主成分とする第1相21内に、Cuを含む複数の第2相22が配置されたものとなっているが、本発明の装飾品は、Cuを含む第2相を母材とし、この第2相内にPtを主成分とする複数の第1相が配置されたものであってもよい。この場合、第1相は、PtとCuとの金属間化合物である第3相により囲まれているものが好ましい。
次に、本発明の装飾品2の製造方法を、放電プラズマ焼結法により指輪1を形成する場合を例にとって説明する。
まず、Ptを含むPt粉末と、Cuを含むCu粉末とを所定割合で混合して混合粉末とする。
Pt粉末としては、たとえば平均粒径が9〜150μm、純度が99.9%以上のものを使用するのが好ましい。Cu粉末としては、たとえば平均粒径が5〜150μm、純度が99.9%以上のものを使用するのが好ましい。
混合粉末におけるPt粉末の重量比率は、たとえば25重量%以上75重量%以下とされ、混合粉末におけるCu粉末の重量比率は、たとえば25重量%以上75重量%以下とされる。
装飾品2にPt以外の貴金属を添加する場合には、Pt粉末またはCu粉末として、Ptと他の金属との合金またはCuと他の金属との合金を使用してもよく、またPt粉末およびCu粉末の他に、貴金属粉末を混合してもよい。
次いで、混合粉末を焼結金型内に充填してリング形状に成形した後、この成形体に対して、真空雰囲気中で、たとえば焼成温度が200℃〜500℃、4V〜20Vの低電圧でパルス状電流を印加する。これにより、成形体の粒子の間隙において、放電プラズマが瞬間的に発生し、成形体が焼結される。
ここで、成形体を形成するときの成形圧力は、たとえば300〜500MPaとされる。成形圧力が300MPaを下回る場合には、装飾品2に気孔が発生しやすく脆くなってしまい、成形圧力が500MPaを超える場合には、原料充填により応力集中を起こし、金型の破損へとつながることがある。焼成温度を200℃〜500℃とするのは、焼成温度が200℃を下回る場合には焼結不良となり、焼成温度が500℃を超える場合には過焼成となり、いずれの場合も焼結体が脆くなる傾向がある。一方、印加パルス電圧を4V〜20Vとするのは、印加パルス電圧が4Vを下回る場合には成形体の間隙において充分な放電が起こらず、目的とするプラズマ状態が達成できず、印加パルス電圧が20Vを超える場合には異常放電が生じる可能性が高くなるため、いずれの場合も目的とする組織状態が得られにくくなる。
このような放電プラズマ焼結法では、高エネルギー密度とジュール熱を広く応用することにより、電力消費量が少なく効率の良い焼結が可能となる。そのため、昇温・保持時間を含めた焼結時間は、概ね5〜20分程度の比較的短時間となり、鋳造法のように、材料全体が金属間化合物となることもなく、Ptを主成分とする第1相21に、Cuを含む複数の第2相22を分散させたものとすることができ、また第2相22を適当な厚みの金属間化合物の第3相23で囲んだものとすることができ、あるいは、Cuを含む第2相に、Ptを主成分とする複数の第1相を分散させるとともに、第1相を適当な厚みの金属間化合物の第3相で囲んだものとすることができる。
ここで本発明の装飾品の研磨方法について説明する。
表面研磨としては、ドライホーニングを用いることにより、第1相におけるPtの表面を選択的に荒して反射率を相対的に下げて、第2相におけるCuの反射率を相対的に強調することが可能である。ドライホーニングにおいては圧縮空気を用いてもよいが、ブラストする際にCuが酸化しないように、還元雰囲気中で行うのが好ましい。圧力や時間については、適時設定可能であるが、できるだけ低い圧力かつ短時間で処理することが、表面酸化を低減する意味で望ましい。
ここでビーズの材質としては硬度を適時調整したソーダガラスなどのガラス質材が用いられ、ビーズ全体としての硬度の調整はビーズ内に分散させたアルミナ粒子の含有量で調整されるが、特定のホーニングする条件で対象物がエッチングされれば、ビーズ硬度は相対的に高いものと判断され、たとえば本発明では、2kg/cmの圧力で1分間当たり100gのビーズを照射したときの対象物のエッチング量が、100μm以上であればビーズの硬度が高いとし、100μm以下であればビーズの硬度が低いとした。
次に、装飾品の一部に本発明の装飾品の層を形成した例について、図4に示した指輪を例にとって説明する。
図4に示した指輪4は、芯材5の表面を本発明の装飾品の層6によって被覆したものである。
芯材5は、主として指輪4の形状を規定するものであり、たとえば内径が13〜22mm、外径が15〜24mm、厚みが2〜10mmのリング状に形成されている。このような芯材5は、たとえば鋳造法あるいは押し出し成形法により形成することができる。芯材5を形成するための材料としては、貴金属および卑金属をいずれをも使用することができる。ただし、材料コストなどを考慮する必要がある場合は、Ag、Feおよびそれらを含む合金を使用しても良い。
本発明の装飾品の層6は、図1を参照して説明した指輪1と同様に図2に示した組成状態を有する装飾品2により形成されている。すなわち、本発明の装飾品の層6は、Ptを主成分とする第1相21内に、Cuを含む複数の第2相22が分散され、この第2相22がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相23によって囲んだ組織とされている(図2参照)。本発明の装飾品の層2の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされている。もちろん、本発明の装飾品の層2は、Cuを含む第2相内に、Ptを主成分とする第1相が分散され、この第1相がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相によって囲んだ組織であってもよい。
このような指輪4は、予め形成しておいた芯材5を、Pt粉末とCu粉末との混合粉末によってインサートした成形体を形成した後に、この成形体を放電プラズマ焼結法により焼成することにより形成することができる。
図5に示した時計7は、ベルト70の少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1ないし図4参照)と同様な組織状態を有する本発明の装飾品の層とされている。ベルト70は、全体が本発明の装飾品により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の装飾品により被覆したものであってもよい。時計7においては、側縁71が本発明の装飾品により形成されていてもよく、この場合にも、側縁71は、全体が本発明の装飾品により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の装飾品により被覆したものであってもよい。ベルト70または側縁71において芯材の表面に本発明の装飾品の層を形成する場合には、本発明の装飾品の層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
図6に示したメガネ8は、フレーム80の少なくとも表層が先に説明した指輪1,4(図1ないし図4参照)と同様な組織状態の本発明の装飾品の層とされている。フレーム80は、全体が本発明の装飾品により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の装飾品により囲んだものであってもよい。フレーム80において芯材の表面に装飾品層を形成する場合には、装飾品層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
また、図5に示した時計7および図6に示したメガネ8における本発明の装飾品の層は、Cuを含む第2相内に、Ptを主成分とする第1相が配置され、この第1相がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相によって囲まれた組織状態のものであってもよい。
本発明は上述した実施の形態には限定されず、種々に変更可能である。たとえば、装飾品2(本発明の装飾品の層6)の第3相23は、用途に応じた耐食性が確保できる限りは省略してもよく、また第3相23は、成形体の形成条件や焼成条件を適宜設定することにより、放電プラズマ焼結法以外の方法により生成させてもよい。たとえば、多少のボイドが発生するものの、真空焼成などにより1.33×10-2Paの真空条件下で500℃まで徐々に昇温し、この温度で30分間焼成することによっても生成することができる。
本発明は、上述した指輪、時計およびメガネに限らず、他の装飾品の一部または全部として適用することができる。本発明を適用することができる他の装飾品としては、たとえばペンダント、ネックレス、ブレスレット、万年筆などの文房具類、食器、置物、ゴルフクラブ、携帯電話、あるいはボタンなどを挙げることができる。
本発明の装飾品を一部とする場合には、当該一部における少なくとも直径1mmの円で規定される領域において、本発明の装飾品の組成状態となっていればよく、当該領域の表面から所定深さの領域、たとえば少なくとも表面より1mmの深さの領域までが本発明の装飾品として形成される。
本実施例の評価においてピンク発色度合いとは、市販品のピンクシルバー(京セラ製)の720nmの波長における反射率を100%としたときの反射率の比であり、Pt−Cu焼結体からなる試料に対するホーニングでのピンク発色度合いの効果を評価した。
(試料の作製)
試料は、Pt粉末およびCu粉末を混合して得られる混合粉末を、成形圧力を550MPaとして焼結金型においてリング状に成形した後、放電プラズマ焼結法により焼成することによりリング状に形成した。試料のサイズは、内径19.8mm、外径23mm、厚みが5mmに設定した。
Pt粉末およびCu粉末の比率は実施例1〜12、比較例1〜5については50:50実施例13については20:80とした。Pt粉末およびCu粉末の最大粒径は75μmとした。
また、焼成条件は、焼成温度を450℃、焼成時間5分、昇温速度を40℃/分とした。
実施例としては、装飾品のドライホーニングにおいて窒素ガスの還元雰囲気中で行い、圧力は1kg/cmで3分間照射し、ビーズの材質としてはソーダガラス中におけるアルミナ粒子の分量を変更することで、2kg/cmの圧力で1分間当たり100gのビーズを照射したときの対象物のエッチング量が、150μmとなるように調整した。ビーズの平均粒径は各相の大きさよりも十分に小さいことが望ましいことから、平均10〜20μmの範囲で管理しながら使用した。
結果を表1に示す。
Figure 2008184650
Pt組成とCu組成が50%で、第1相21の表面粗さを0.01、0.02、0.5、0.6μmに対して、それぞれ第2相22で表面粗さを0.005,0.01,0.1,0.11μmとした実施例1〜11及び比較例1〜5の結果から、第1相の表面粗さが大きく、第2相22の表面粗さが小さいほど、ピンク発色度合いが高くなることがわかり、特に第1相21の表面粗さは第2相22の表面粗さよりも大きくなければ、ピンク発色度合いは著しく低下することがわかる。
また実施例12,13は、第1相21と第2相22の表面粗さを固定したまま、PtとCuの組成だけ変更したものだが、Pt品位を低下させてCuの組成を増やさねば十分なピンク発色度合いを得られないことがわかった。
ここでピンク発色度合い(%)の実用可能な下限は50%とした。
図1(a)は本発明に係る装飾品の一例である指輪の全体斜視図であり、図1(b)は図1(a)のIIa−IIa線に沿う断面図である。 本発明に係る装飾品の組織状態の一例を示す模式図である。 図3(a)は本発明に係る装飾品の要部を示すSEM写真であり、図3(b)は第3相の厚みを測定する方法を説明するために、図3(a)に示した組織状態を拡大して示した模式図である。 本発明に係る装飾品の一例である指輪の他の例を示す図1(b)に相当する断面図である。 本発明に係る装飾品の一例である指輪の他の例を示す図1(b)に相当する断面図である。 本発明に係る装飾品の一例である指輪の他の例を示す図1(b)に相当する断面図である。 本発明に係る装飾品の表面状態の断面図である。 本発明の比較例に係る装飾品の表面状態の断面図である。
符号の説明
1,4 指輪
7 時計
70 (時計の)ベルト
71 (時計の)側縁
8 メガネ
80 (メガネの)フレーム
2 装飾品
21,21′ 第1相
22,22′ 第2相
23,23′ 第3相
6 本発明の装飾品の層
D (第3相の)厚み
R 反射光

Claims (8)

  1. Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を表面に有し、両相の表面において第1相は第2相よりも算術平均表面粗さが大きいことを特徴とする装飾品。
  2. 第1相の算術平均表面粗さは0.02〜0.5μmRa、第2相の算術平均表面粗さは0.01〜0.1μmRaであることを特徴とする装飾品。
  3. 前記複数の第2相は、前記第1相内に配置されている、請求項1または2に記載の装飾品。
  4. 前記複数の第1相は、前記第2相内に配置されている、請求項1または2に記載の装飾品。
  5. 前記第1相と前記第2相との間において両相に接し、PtとCuとにより形成された金属間化合物を含む第3相をさらに有している、請求項1ないし4のいずれかに記載の装飾品。
  6. 前記第3相は、前記第1相または前記第2相を囲んでいる、請求項5に記載の装飾品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の装飾品の表面をドライホーニングにより処理することを特徴とする装飾品の製造方法。
  8. 上記ドライホーニングに使用されるビーズの硬度が、Ptよりも高くCuよりも低いことを特徴とする請求項7に記載の装飾品の製造方法。
JP2007018930A 2007-01-30 2007-01-30 装飾品とその製造方法 Pending JP2008184650A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110403310A (zh) * 2019-07-18 2019-11-05 广州番禺职业技术学院 一种镶嵌人造宝石的金属工艺饰品的制作方法

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CN110403310B (zh) * 2019-07-18 2021-10-15 广州番禺职业技术学院 一种镶嵌人造宝石的金属工艺饰品的制作方法

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