JP2008274121A - ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
近年、自動車の高性能化、高馬力化が進む一方、安全性に対する意識も高まっており、タイヤに対するグリップ性能の要求も強まってきている。たとえば、高速走行時の諸性能もその1つにあげられる。
とくに、高性能タイヤのトレッドには、一般的に、グリップ性能および耐摩耗性をともに向上させることが要求されている。
グリップ性能はゴム組成物のヒステリシスロスに依存しており、従来、ゴム組成物のグリップ性能を向上させる手法としては、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)のスチレン含有量およびビニル結合量を増大させ、ガラス転移点(Tg)を高くする手法が知られている。しかし、この場合、耐摩耗性が低下する傾向があるだけでなく、低温時のグリップ性能も低下して脆化破壊を起こすという問題があった。また、オイルを多量に使ってグリップ性能を向上させる手法も知られている。しかし、破壊特性の低下により耐摩耗性が低下してしまうという問題があった。
これらの問題点を克服するために、低分子量SBRを用いる手法が知られている。しかし、低分子量といえども、SBRには、架橋性を有する二重結合が存在するので、一部の低分子量成分がマトリックスのゴムと架橋を形成してマトリックスに取り込まれ、充分にヒステリシスロスを抑制できないという問題があった。一方、低分子量成分が架橋によりマトリックスに取り込まれないようにするため、二重結合部を水素添加により飽和結合にした場合、マトリックスとの相溶性が著しく低下し、その結果、耐破壊特性が低下したり、低分子量成分がブリードしてきたりするという問題があった。
特許文献1には、所定の変性ジエン系ゴム、シリカ、塩基性水溶液およびシランカップリング剤を含有することで、加工性、転がり抵抗特性、グリップ性能および耐摩耗性をバランスよく向上させたゴム組成物が開示されているが、グリップ性能および耐摩耗性において、いまだ改善の余地がある。
本発明は、タイヤのグリップ性能および耐摩耗性をともに向上させることのできるゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、分子鎖末端に下記化学式(I)で表される構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(A)を含むゴム組成物に関する。
前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(A)は、スチレン−ブタジエン共重合体であることが好ましい。
前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(A)の重量平均分子量は、500〜50000であることが好ましい。
前記ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対して、さらに、プロトン酸および/またはフェノール誘導体(B)を0.1〜30重量部含有することが好ましい。
また、本発明は、前記ゴム組成物を用いたタイヤに関する。
本発明によれば、所定の分子鎖末端構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を含有することにより、タイヤのグリップ性能および耐摩耗性をともに向上させることのできるゴム組成物ならびにそれを用いたタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分および(A)芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(以下、共重合体(A)とする)を含有する。
前記ゴム成分としては、硫黄を用いた加硫が可能であるという理由から、ジエン系ゴムが好ましく、たとえば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられ、これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。なかでも、グリップ性能および耐摩耗性をともに向上させることができることから、SBR、NR、IRおよびBRからなる群から選ばれる少なくとも1種のジエン系ゴムが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は10万以上が好ましく、20万以上がより好ましい。SBRのMwが10万未満では、ゴム強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。また、SBRのMwは300万以下が好ましく、250万以下がより好ましい。SBRのMwが300万をこえると、加工性が低下して分散不良を引き起こすうえに、破壊強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、Mwは、東ソー(株)製のGPC−8000シリーズの装置を用い、検知器として示差屈折計を用い、分子量は標準ポリスチレン換算することにより、測定することができる。
SBRのスチレン含有量は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。SBRのスチレン含有量が10重量%未満では、充分なヒステリシスロスが得られず、グリップ性能が低下する傾向がある。また、SBRのスチレン含有量は60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。SBRのスチレン含有量が60重量%をこえると、破壊強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。
SBRのブタジエン部におけるビニル結合量は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。SBRのビニル結合量が10重量%未満では、充分なヒステリシスロスが得られず、グリップ性能が低下する傾向がある。また、SBRのビニル結合量は85重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましい。SBRのビニル結合量が85重量%をこえると、破壊強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。
ゴム成分中のSBRの含有率は60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。SBRの含有率が60重量%未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。とくに、SBRの含有率は100重量%が最も好ましい。
共重合体(A)における芳香族ビニルのモノマー成分としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどのビニル芳香族炭化水素単量体があげられ、これらの芳香族ビニルのモノマー成分は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、重合活性に優れ、入手が容易であることから、スチレン、1−ビニルナフタレンおよびエチルビニルベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、スチレンおよび/または1−ビニルナフタレンがより好ましく、スチレンがさらに好ましい。
共重合体(A)の共役ジエンのモノマー成分としては、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンなどがあげられ、これらの共役ジエンのモノマー成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、重合活性に優れ、入手が容易であることから、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
上記条件を満たす共重合体(A)としては、とくに限定されるわけではないが、スチレン−ブタジエン共重合体などが好適に用いられる。
共重合体(A)は、異分子間の末端基同士で、またはゴム中の他成分と相互作用し、ヒステリシスロスが増大することでグリップ性能が向上したり、末端基が架橋阻害および劣化を抑制することでゴム強度が向上したりするという理由から、分子鎖末端が以下の式(I)で表される構造に変性されたものである。
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は500以上が好ましく、1000以上がより好ましい。共重合体(A)のMwが500未満では、共重合体(A)を含有することによる耐摩耗性の充分な改善効果が得られない傾向がある。また、共重合体(A)のMwは50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。共重合体(A)のMwが50000をこえると、グリップ性能が低下する傾向がある。
共重合体(A)の共役ジエン部におけるビニル結合量は、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。共重合体(A)のビニル結合量が10重量%未満では、充分なヒステリシスロスが得られず、グリップ性能が低下する傾向がある。また、共重合体(A)のビニル結合量は85重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましい。共重合体(A)のビニル結合量が85重量%をこえると、破壊強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。
共重合体(A)の芳香族ビニル含有量は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。共重合体(A)の芳香族ビニル含有量が10重量%未満では、充分なヒステリシスロスが得られず、グリップ性能が低下する傾向がある。
共重合体(A)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。共重合体(A)の含有量が5重量部未満では、共重合体(A)を含有することによるグリップ性能の性能改善の効果が充分ではない傾向がある。また、共重合体(A)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。共重合体(A)の含有量が200重量部をこえると、加工性および耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明では、上記条件を満たす共重合体(A)を含有することにより、耐摩耗性およびグリップ特性をともに向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、さらに、(B)プロトン酸および/またはフェノール誘導体(以下、化合物(B)とする)を含有することが好ましい。
プロトン酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸などの脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸などがあげられ、これらのプロトン酸は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ヒステリシスロスを増大させ、グリップ性能が向上し、共重合体(A)がブルームアウトするのを抑制し、さらに、入手が容易であるという理由から、芳香族カルボン酸が好ましく、芳香族モノカルボン酸がより好ましく、ナフトエ酸および/または安息香酸がさらに好ましく、ナフトエ酸がとくに好ましい。
フェノール誘導体としては、フェノール系老化防止剤が好ましく、具体的には、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどがあげられ、これらのフェノール誘導体は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。なかでも、加工性が向上し、入手が容易であるという理由から、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好ましい。
化合物(B)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。化合物(B)の含有量が0.1重量部未満では、化合物(B)を含有することによるグリップ性能の性能改善の効果が得られにくい傾向がある。また、化合物(B)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。化合物(B)の含有量が30重量部をこえると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、さらに補強用充填剤を含有することが好ましい。
補強用充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルクなど、従来ゴム工業において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができ、とくに限定されるわけではないが、主としてカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。カーボンブラックのN2SAが80m2/g未満では、グリップ性能および耐摩耗性がともに低下する傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは280m2/g以下が好ましく、200m2/g以下がより好ましい。カーボンブラックのN2SAが280m2/gをこえると、分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100重量部に対して10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が10重量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100重量部に対して200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が200重量部をこえると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記ゴム成分、共重合体(A)、化合物(B)および補強用充填剤のほかにも、ゴム工業で通常使用されている各種薬品、たとえば、各種老化防止剤、共重合体(A)以外の各種軟化剤、酸化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤などの配合剤を含有することができる。
本発明のゴム組成物は、ヒステリシスロスを増大させることでグリップ性能が向上し、さらに、ゴム強度、破壊強度および耐摩耗性が向上するという理由から、トレッドとして好適に使用することができる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種薬品を配合した本発明のゴム組成物を未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
スチレンブタジエンゴム(SBR):日本ゼオン(株)製のニッポールNS116(Mw:50万、スチレン含有量:21重量%、ビニル結合量:63重量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:125m2/g)
共重合体(1):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(2):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:20000、ビニル結合量:40重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(3):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:1000、ビニル結合量:15重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(4):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:1−ビニルナフタレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(5):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:イソプレン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(6):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:H(変性なし))
アロマオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAH−24
プロトン酸:1−ナフトエ酸
フェノール誘導体:4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
スチレンブタジエンゴム(SBR):日本ゼオン(株)製のニッポールNS116(Mw:50万、スチレン含有量:21重量%、ビニル結合量:63重量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:125m2/g)
共重合体(1):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(2):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:20000、ビニル結合量:40重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(3):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:1000、ビニル結合量:15重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(4):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:1−ビニルナフタレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(5):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:イソプレン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:化学式(I))
共重合体(6):下記合成方法により、合成(芳香族ビニル:スチレン、共役ジエン:1,3−ブタジエン、Mw:5000、ビニル結合量:20重量%、芳香族ビニル含有量:23重量%、末端基:H(変性なし))
アロマオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAH−24
プロトン酸:1−ナフトエ酸
フェノール誘導体:4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(共重合体(1)の合成)
充分にチッ素置換した100ml容器に、シクロヘキサン40ml、テトラヒドロフラン10ml、スチレン1.5g、1,3−ブタジエン5.0gおよび1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、4−クロロ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン0.3gのシクロヘキサン溶液5mlを添加し、反応を停止させ、共重合体(1)を合成した。
充分にチッ素置換した100ml容器に、シクロヘキサン40ml、テトラヒドロフラン10ml、スチレン1.5g、1,3−ブタジエン5.0gおよび1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、4−クロロ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン0.3gのシクロヘキサン溶液5mlを添加し、反応を停止させ、共重合体(1)を合成した。
(共重合体(2)の合成)
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlではなく、0.2mlを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(2)を合成した。
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlではなく、0.2mlを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(2)を合成した。
(共重合体(3)の合成)
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlではなく、4.1mlを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(3)を合成した。
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.8mlではなく、4.1mlを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(3)を合成した。
(共重合体(4)の合成)
スチレン1.5gではなく、1−ビニルナフタレン2.1gを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(4)を合成した。
スチレン1.5gではなく、1−ビニルナフタレン2.1gを添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(4)を合成した。
(共重合体(5)の合成)
1,3−ブタジエン5.0gではなく、イソプレンを9.3g添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(5)を合成した。
1,3−ブタジエン5.0gではなく、イソプレンを9.3g添加したこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(5)を合成した。
(共重合体(6)の合成)
4−クロロ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンではなく、メタノールを添加して反応を停止させたこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(6)を合成した。
4−クロロ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンではなく、メタノールを添加して反応を停止させたこと以外は共重合体(1)と同様に、共重合体(6)を合成した。
実施例1〜8および比較例1〜4
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を130℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、60℃の条件下で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で20分間プレス加硫し、実施例1〜8および比較例1〜4の加硫ゴム組成物を得た。
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を130℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、60℃の条件下で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で20分間プレス加硫し、実施例1〜8および比較例1〜4の加硫ゴム組成物を得た。
(グリップ性能(1))
(株)上島製作所製のフラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を使用して、前記加硫ゴム組成物を幅20mmおよび直径100mmの円筒形に成形し、速度20km/h、荷重4kgf、路面温度20℃の条件下で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値(最大摩擦係数)を読み取り、比較例1のグリップ性能指数(1)を100とし、下記計算式により、各配合の最大摩擦係数をそれぞれ指数表示した。なお、グリップ性能指数(1)が大きいほど、グリップ性能が高く、優れていることを示す。
(グリップ性能指数(1))=(各配合の最大摩擦係数)
÷(比較例1の最大摩擦係数)×100
(株)上島製作所製のフラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を使用して、前記加硫ゴム組成物を幅20mmおよび直径100mmの円筒形に成形し、速度20km/h、荷重4kgf、路面温度20℃の条件下で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値(最大摩擦係数)を読み取り、比較例1のグリップ性能指数(1)を100とし、下記計算式により、各配合の最大摩擦係数をそれぞれ指数表示した。なお、グリップ性能指数(1)が大きいほど、グリップ性能が高く、優れていることを示す。
(グリップ性能指数(1))=(各配合の最大摩擦係数)
÷(比較例1の最大摩擦係数)×100
(グリップ性能(2))
前記未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼りあわせ、170℃の条件下で20分間プレス加硫することにより、実施例1〜8および比較例1〜4のタイヤ(サイズ215/45R17)を製造した。
前記未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼りあわせ、170℃の条件下で20分間プレス加硫することにより、実施例1〜8および比較例1〜4のタイヤ(サイズ215/45R17)を製造した。
試験車に製造したタイヤを装着させ、1周3.2kmのアスファルト路面のテストコースを10周走行させ、比較例1のタイヤのグリップ性能指数(2)を3点とし、各タイヤのグリップ性能を5点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、グリップ性能指数(2)が大きいほど、グリップ性能が高く、優れていることを示す(5:良い、4:やや良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪い)。
(耐摩耗性)
試験車に製造したタイヤを装着させ、1周3.2kmの前記テストコースを20周走行させ、走行前後のトレッドの溝の深さを測定し、トレッドの溝の深さの変化を算出し、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、下記計算式により、各配合の耐摩耗性指数を算出した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の溝の深さ変化)
÷(各配合の溝の深さの変化)×100
試験車に製造したタイヤを装着させ、1周3.2kmの前記テストコースを20周走行させ、走行前後のトレッドの溝の深さを測定し、トレッドの溝の深さの変化を算出し、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、下記計算式により、各配合の耐摩耗性指数を算出した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の溝の深さ変化)
÷(各配合の溝の深さの変化)×100
上記試験の評価結果を表1に示す。
比較例1は、軟化剤としてアロマオイルを配合した従来のトレッド用ゴム組成物である。
所定の分子鎖末端構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を含有する実施例1〜8では、グリップ性能および耐摩耗性をともに向上させることができる。さらに、プロトン酸および/またはフェノール誘導体を含有する実施例7および8では、耐摩耗性を低下させることなく、グリップ性能をさらに向上させることができた。
所定の分子鎖末端構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を含まない比較例2〜4では、たとえプロトン酸および/またはフェノール誘導体を含有しても、グリップ性能が若干向上するものの、耐摩耗性が低下するため、グリップ性能と耐摩耗性のバランスに劣っていた。
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-
2007
- 2007-04-27 JP JP2007119473A patent/JP2008274121A/ja not_active Withdrawn
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