JP2008274027A - 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】天然繊維を50質量%以上と高含有しつつも押出/射出成形ができる熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本組成物の製造方法は、天然繊維11と熱可塑性樹脂12とが分散されて含有された混合物であり且つ混合物全体に対する天然繊維の含有割合が50質量%以上である混合物からなる、マット状成形物13及びボード状成形物14のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップ15にするチップ化工程と、チップ15を加熱して熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物16を得る混練工程と、を備える。本成形体の製造方法は、本方法による熱可塑性樹脂組成物16を押出成形又は射出成形して成形体17を得る成形工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法に関する。更に詳しくは、天然繊維を50質量%以上と高濃度で含有した熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法に関する。
近年、ケナフ等の成長が早く且つ二酸化炭素吸収量が多い植物資源は、二酸化炭素排出量削減及び二酸化炭素の固定化等の観点から注目され、熱可塑性樹脂と混合した材料としての用途が期待されている。そして、これらの植物資源から得られる天然繊維を含有させて高強度化を図った各種熱可塑性樹脂が知られている。
しかし、これらの天然繊維と熱可塑性樹脂とを混合するには困難がある。天然繊維の比重が一般に0.3〜0.5程度であるのに対して、樹脂の比重は0.9〜1.3と大きく隔たっている。このため、比重の小さい天然繊維は繊維同士の絡み合いによりって嵩張り、樹脂と均一に混合することができない。また、従来一般に天然繊維と樹脂との混合には、ニーダ、スーパーミキサ及びヘンシェルミキサ等が用いられているが、天然繊維を多量に使用しようとすると、その嵩張りのために一度に装置内へ投入することができず、天然繊維を分割投入する必要があり、手間と時間を要した。
更に、熱可塑性樹脂等の熱可塑性を有する組成物は、射出成形及び押出成形等の成形方法により容易に成形できる特性を有する。しかし、非熱可塑性である天然繊維が多量に含まれた混合組成物では、熱可塑性樹脂を溶融しても十分な流動性が得られ難く成形を行うことが困難となる。特に熱可塑性樹脂に対して等量以上となる天然繊維を含有する場合には著しく成形性が低下することが知られている。
繊維材料を高濃度に含有していても押出成形又は射出成形できる技術としては、下記特許文献1及び下記特許文献2に開示された技術が知られている。
特開2005−105245号公報(段落[0038]等) 特開2000−219812号公報(段落[0106]等)
上記特許文献1では、10〜50質量%のケナフ繊維が含有されたポリ乳酸樹脂からなる組成物の射出成形が可能であるとしている。しかし、ケナフ繊維の含有量が50質量%を超える場合には、樹脂組成物の流動性が著しく低下するので射出成形することが困難であることが示されている。
上記特許文献2では、50質量%以上のケナフ繊維(パルプ)等を含有するポリオレフィン樹脂組成物が検討されているが、植物繊維の均一分散が困難であることから、ロジン又はその類似物と可塑剤とを組み合わせて含有させる必要があることが示されている。そして、これらを用いなければ強度等が劣り、又品質の均一性にも欠け、実用性に乏しい材料しか得られないことが示されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、天然繊維の含有割合が50質量%以上と高くとも熱可塑性樹脂と天然繊維とを混合することができる新規な方法を提供することを目的とする。また、成形して得られる成形体において高い弾性率が得られ、特に押出成形及び射出形成が可能な熱可塑性樹脂組成物を得ることができる熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
(1)天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにするチップ化工程と、
上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程と、を備えることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(2)上記天然繊維はケナフ繊維である上記(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(3)上記熱可塑性樹脂はポリ乳酸樹脂である上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(4)上記熱可塑性樹脂はポリプロピレンである上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(5)上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法により得られたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(6)上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を押出成形又は射出成形して成形体を得る成形工程を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、予め天然繊維と熱可塑性樹脂とがある程度に分散されて含有されたマット状及び/又はボード状の前駆成形物を原料として用いることで、天然繊維の含有割合が50質量%以上と高くとも、押出成形及び射出形成が可能な熱可塑性樹脂組成物を極めて効率的に得ることができる。即ち、前駆成形物から得られたチップを溶融混練することで、前駆成形物を構成している状態の熱可塑性樹脂組成物よりも、更に天然繊維の分散状態に優れた熱可塑性樹脂組成物を容易に得ることができる。更に、この熱可塑性樹脂組成物では押出成形や射出成形が可能であり、これにより、圧縮成形等の方法でマット状及びボード状の比較的単純な形状への加工がなされてきた熱可塑性樹脂組成物成形体から、より複雑な形状の成形体を成形することが可能となる。更に、この熱可塑性樹脂組成物から成形された成形体では特に優れた弾性率が発揮される。また、天然繊維の分散性に優れるために射出成形用の原料として用いても流動性の低下が抑制される。上記成形物としてボード状成形物を用いる場合には、マット状成形物に比べてより高い密度のチップを用いることができ、混練工程における供給効率を向上させることができ、生産性に優れている。
天然繊維がケナフ繊維である場合、より軽く且つより高い弾性率を有する成形体を得ることができるようになる。また、ケナフは成長が極めて早い一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有するため、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献できる。
熱可塑性樹脂がポリ乳酸樹脂である場合、バイオマス材料であり環境負荷が小さい。即ち、生合成可能であり、また、非石油系樹脂である樹脂を用いることとなり、高い機械的強度等の実用的な特性を得ながら、石油資源の使用を抑制できる。
熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場合は、取扱いが容易であり、生産性を向上させることができる。また、高い柔軟性と優れた成形性が得られ、より自在な形状に成形できる高い弾性率を有する成形体を得ることができる。また、表皮材及びブラケット等として利用されているポリオレフィン系樹脂成形体との一体化が容易であり、更には、これらの別部材と優れた密着性を発揮させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、天然繊維含有量が多く熱可塑性樹脂量を抑えた組成物とすることができ、尚かつ、混練等に際する添加物等を要しないために低コストで高い曲げ弾性率の成形体を得ることができる。特に天然繊維の含有割合が50質量%以上と高くとも、押出成形及び射出形成が可能となる。更に、押出成形や射出成形が可能であるため、圧縮成形等の方法でマット状及びボード状の比較的単純な形状への加工がなされてきた熱可塑性樹脂組成物成形体を、より複雑な形状の成形体にすることができる。そして、この熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体では優れた弾性率が発揮される。
本発明の前記熱可塑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法は、高い弾性率を有しながら軽量な成形体を、押出成形及び射出成形により得ることができる。特に射出成形を行うことで、圧縮成形等の従来の方法からは得られない複雑な形状の成形体を効率的に得ることができる。更に、従来に比べてより自在な形状に成形できるために、幅広い用途品を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]熱可塑性樹脂組成物の製造方法
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、
天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにするチップ化工程と、
上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程と、を備えることを特徴とする。
即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、「チップ化工程」と「混練工程」と、を備える。
上記「チップ化工程」は、天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにする工程である。
上記「天然繊維」は、天然に産する繊維状をなす材料であり、通常、植物又は動物に由来する繊維である。この天然繊維の種類は特に限定されないが、例えば、植物に由来する天然繊維として、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート麻、綿花、雁皮、三椏、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹及び各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)などの植物から得られる繊維(木質性及び非木質性を問わず、更には、採取部位を問わない)が挙げられる。また、動物に由来する天然繊維としては、各種動物から得られる毛が挙げられる。これらの天然繊維は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、本発明の製造方法では、比重が小さく強靱な長繊維が得られ、成長速度が大きいケナフ、ジュート麻及びバガスの繊維が好ましく、なかでも成長速度が特に大きいケナフの繊維がより好ましく、更にはケナフの靱皮が特に好ましい。成長速度が大きいケナフは特に比重に対する強度が高い繊維が得られ、軽量且つ高強度な成形体が得られる。
尚、本発明におけるケナフとは、木質茎を有する早育性の一年草であり、アオイ科に分類される植物である。学名におけるhibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa等が含まれ、更に、通称名における紅麻、キュウバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等が含まれる。
上記天然繊維の形状は特に限定されないが、通常、繊維長は10mm以上である。繊維長が10mm以上であれば、天然繊維を含有させることによる強度向上効果を特に得やすい。この繊維長は10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、30〜80mmが特に好ましい。更に、通常、繊維径は1mm以下である。繊維径が1mm以下であれば特に高い曲強さを得ることができる。この繊維径は0.01〜1mmが好ましく、0.05〜0.7mmがより好ましく、0.07〜0.5mmが特に好ましい。更には1〜10dtexであることが好ましい。
尚、上記範囲を外れる形態の繊維が含有されてもよいが、天然繊維全体の10質量%以下に抑えることが好ましい。
上記「熱可塑性樹脂」は、特に限定されず種々のものを用いることができる。例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル樹脂{(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂)、(ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエチレン樹脂)}、ポリスチレン、ポリアクリル樹脂(メタアクリレート、アクリレート等)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、ポリオレフィン及びポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方であることが好ましく、更には、ポリオレフィンのなかではポリプロピレンがより好ましく、ポリエステル樹脂のなかではポリ乳酸がより好ましい。
尚、上記ポリ乳酸は、L−乳酸を構成単位とするポリL−乳酸、D−乳酸を構成単位とするポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸とを構成単位とするポリDL−乳酸、及びこれらの各種ポリ乳酸の混合物を含む。更に、上記ポリL−乳酸、ポリD−乳酸及びポリ−DL乳酸は、各々の種類の乳酸のみが重合された単独重合体であってもよく、乳酸以外の他の単量体が共重合された共重合体であってもよい。
上記混合物に含有される天然繊維及び熱可塑性樹脂の割合は、混合物全体に対して天然繊維の割合が50質量%以上であればよい。この割合が50質量%以上であるような繊維成分を高濃度に含有する混合物は、従来、押出成形及び射出成形が極めて困難であり、本発明の製造方法を利用する価値が特に高い。この含有割合は50質量%以上であればよく、通常、90質量%以下である。更に、50〜85質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましく、50〜75質量%であることが更に好ましく、50〜70質量%であることが特に好ましい。
また、この混合物における天然繊維の含有割合は、本方法により得られる熱可塑性樹脂組成物においてそのまま適用される。即ち、通常、混練溶融工程において新たに樹脂又は天然繊維を加えない限り、通常、混合物と得られる熱可塑性樹脂組成物とは同じ天然繊維含有割合である。
上記混合物には、天然繊維及び熱可塑性樹脂以外にも、他の成分が含有されてもよい。他の成分としては、前記熱可塑性樹脂としてポリ乳酸が含有される場合には加水分解防止剤を含有できる。その他、各種帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
但し、天然繊維と熱可塑性樹脂との混練を補助する混練助剤(ロジン等)などは含有しないものとすることができる。
上記「前駆成形物」は、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の成形物であり、熱可塑性樹脂組成物を得るにあたって用いる原料である。これらの成形物はいずれか一方のみを用いてもよく、併用してもよい。また、本方法における前駆成形物として利用することのみを目的として製造された各成形物を用いてもよく、各成形物を経過して他の成形体を製造する過程で出た端材等の不要部を用いることもできる。
本方法による熱可塑性樹脂組成物の原料として、天然繊維と熱可塑性樹脂とが互いに分散状態にない原料(別個状態の天然繊維と熱可塑性樹脂ペレット等)を用いると、両者の比重差が大きく異なるために両者を直接混練することは極めて困難である。このため、混練を助けるための何らかの混練助剤等を用いたり、特殊な混練用機材を用いたりする必要が生じるが、それでもこの混練は非常に困難である。
これに対して、上記前駆成形物は、種々の方法により既にマット状又はボード状を維持程度の天然繊維が熱可塑性樹脂により密着された状態にある。即ち、天然繊維は、成形物内において、本方法により得られる熱可塑性樹脂組成物より低度は低くとも、既にある程度の分散状態が得られている。このため、この分散状態を利用することで後述する混練を容易に且つ効率的に行うことが可能となる。
この前駆成形物の形態はマット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方である。マット状成形物とは、天然繊維と熱可塑性樹脂とをマット状(不織布状)に成形した成形体である。一方、ボード状成形物とは、天然繊維と熱可塑性樹脂とを予備成形してボード状(板状)に成形した成形体である。これらの密度は特に限定されるものではないが、通常、マット状成形物の密度は0.3g/cm以下(通常0.05g/cm以上)であり、ボード状成形物の密度は0.3g/cmを超える(通常1.0g/cm以下)である。尚、本発明にいう密度は、JIS K7112(プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法)に準じて測定した値である。
マット状成形物の厚さは特に限定されないが、通常、10mmを超える(更には10〜50mm、特に10〜30mm、通常50mm以下)。一方、ボード状成形物の厚さは特に限定されないが、通常、10mm以下(好ましくは0.1〜5.0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mm)である。
上記前駆成形物がマット状成形物である場合、マット状成形物はどのようにして得られたものであってよい。
例えば、(1)熱可塑性樹脂を繊維状にした繊維状熱可塑性樹脂を用い、天然繊維と混繊(エアーレイにより同時堆積させる等)して得られた樹脂混合繊維としたマット状成形物を得ることができる。
また、(2)液体に熱可塑性樹脂を分散させた分散液(分散状態は特に限定されず、エマルジョン、サスペンジョン等を含む)を天然繊維に噴霧して得られた樹脂混合繊維を加熱、乾燥し、エアーレイなどにより堆積させてマット状成形物を得ることができる。
更に、(3)液体に熱可塑性樹脂を分散させた分散液(分散状態は特に限定されず、エマルジョン、サスペンジョン等を含む)に、天然繊維のみを不織布化してなるマットを浸漬して得られた樹脂混合繊維を加熱、乾燥してマット状成形物を得ることができる。
また、(4)熱可塑性樹脂を粉末状にして用い、天然繊維と混合(エアーレイにより同時堆積させる、混練する等)して得られた樹脂混合繊維を加熱し、樹脂を溶融してこの樹脂を天然繊維に添着させることでマット状成形物を得ることができる。
これら(1)〜(4)の方法はいずれを用いてもよく、これら以外の方法を用いてもよい。更に、これらの方法は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの方法のうちでは、得られるマット状成形物内で天然繊維と熱可塑性樹脂とがより均一に分散された状態が得られる点においては上記(2)又は(3)の方法が好ましい。また、量産する上で工程が簡単であり、製造コストを低く抑えることができ、高い生産性を得る点においては上記(1)の方法が好ましい。これらのうちでは、上記(1)の方法がより好ましい。
上記(1)の繊維状の熱可塑性樹脂を用いる方法では、繊維状の熱可塑性樹脂の形態は、繊維状であること以外特に限定されないが、繊維長は10mm以上である。この繊維長は10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、30〜70mmが特に好ましい。更に、通常、繊維径は1mm以下であり、0.01〜1mmが好ましく、0.05〜0.7mmがより好ましく、0.07〜0.5mmが特に好ましい。
また、天然繊維と熱可塑性樹脂繊維との混繊を行う(混繊工程)際にどのようにして混繊を行ってもよい。例えば、エアーレイ、フリース、カード等の各種方法を用いることができる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、上記混繊を行った後に、繊維同士を交絡する交絡工程を行ってもよい。交絡工程における交絡方法は特に限定されず、ニードルパンチ法及びステッチボンド法等を用いることができる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、天然繊維と繊維状の熱可塑性樹脂とを堆積させてなる堆積物は、少なくとも加熱して上記マット状成形物とすることができる。加熱することで、堆積物内の熱可塑性樹脂が溶融されて天然繊維を取り込んで天然繊維同士を一体的に接合することができる。この加熱を行う際の加熱温度(堆積物内部の温度)は特に限定されず、用いる熱可塑性樹脂の種類により適宜の温度とすることが好ましいが、ポリプロピレン及びポリ乳酸等を使用する範囲においては、170〜240℃とすることが好ましく、更には、190〜220℃とすることがより好ましい。また、通常、これらの加熱を行った後には、取り扱いに適した温度にまで降温させる。
また、上記ボード状成形物を得る方法は特に限定されないが、上記マット状成形物を更に加熱し、更には、加圧して得ることができる。加熱及び加圧は同時に行ってもよく、先に加熱を行った後に引き続いて加圧を行ってもよいが、特に加熱をしながら加圧(圧縮)を行うことが好ましい。加熱しながら圧縮を行う際の加熱温度(マット状成形物の内部の温度)及び加圧圧力は特に限定されず、用いる熱可塑性樹脂の種類により適宜の温度とすることが好ましいが、ポリプロピレン及びポリ乳酸等を使用する範囲においては、加熱温度は170〜240℃とすることが好ましく、更には、190〜220℃とすることがより好ましい。また、加圧圧力は、10〜20kgf/cmが好ましい。また、通常、これらの加熱及び加圧を行った後には、取り扱いに適した温度にまで降温させる。
この前駆成形物を細分化(チップ化)する方法は特に限定されず、破砕、裁断、粉砕、これらの組合せ等を利用できる。即ち、破砕機、裁断機、粉砕機等を用いてチップ化することができる。前駆成形物は、例えば、粉砕機により粉末状となるまで粉砕することもできるが、それでは天然繊維を含有させたことによる熱可塑性樹脂強度の補強効果を十分に得ることができない。このため、チップ状に細分化することが好ましい。即ち、押出成形機及び射出成形機に投入できる程度の大きさのなかでより大きい形状であることが好ましい。具体的なチップの大きさは、最大辺長が25mm以下(通常1mm以上)であることが好ましく、1〜20mmがより好ましく、1〜15mmが更に好ましく、2〜7mmが特に好ましい。
上記「混練工程」は、上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る工程である。
この工程における混練方法等は特に限定されず、混練を行うことができればいかなる方法及び条件であってもよく、使用する各材料に適したものとすることが好ましい。例えば、混練装置としては、各種押出機(二軸押出機など)、バンバリーミキサ、ニーダ、ロール、フィーダールーダ、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ等を用いることができる。これらの装置は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうちでも二軸押出機又はバンバリーミキサが好ましく、特に二軸押出機を用いることが特に好ましい。また、混練に際しては一括して混練してもよく、押出機で多段に配合する等、数回に分けて順次配合しつつ混練してもよい。
また、上記熱可塑性樹脂としてポリプロピレン及びポリ乳酸等を使用する範囲においては、混練温度は170〜240℃とすることが好ましく、更には、190〜220℃とすることがより好ましい。
[2]成形体の製造方法
本発明の成形体の製造方法は、前記方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を押出成形又は射出成形して成形体を得る成形工程を備えることを特徴とする。
即ち、本発明の成形体の製造方法は、
天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにするチップ化工程と、
上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程と、
上記熱可塑性樹脂組成物を押出成形又は射出成形して成形体を得る成形工程と、を備えることを特徴とする。
上記「成形工程」は、前記方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を押出成形又は射出成形して成形体を得る工程である。この工程では、前記混練工程から引き続いて連続的に成形を行ってもよく、混練工程を終えた後に、再度、熱可塑性樹脂組成物を成形できる性状に加熱・加熱混練してから成形を行ってもよい。
上記「押出成形」としては、ペレットを成形するペレット化工程が挙げられる。押出成形によりペレットを成形する場合、前記混練工程から引き続いて連続的に行うことが好ましい。また、その他の押出成形としては、棒状成形体を得る場合にも押出成形を用いることができる。
上記「射出成形」は、通常、各種利用形状を付与するための成形である。この工程は、前記混練工程から引き続いて連続的に行うことが好ましい。
これらの押出成形及び射出成形における各種成形条件及び使用する装置等は特に限定されず、目的とする成形体及び性状、使用されている熱可塑性樹脂の種類等により適宜のものとすることが好ましい。
また、本発明の成形体の製造方法では、押出成形によりペレットを成形してペレットを得た後、更に、このペレットを用いて射出成形を行うことができる。
即ち、天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにするチップ化工程と、
上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程と、
上記熱可塑性樹脂組成物を押出成形してペレットを得るペレット化工程と、
上記ペレットを用いて射出成形して成形体を得る射出成形工程と、を備えることができる。
[3]成形体
本発明の方法により得られる成形体の形状、大きさ及び厚さ等は特に限定されない。また、その用途も特に限定されない。この成形体としては、例えば、成形材料(ペレット等)が挙げられる。更に、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等が挙げられる。即ち、自動車用品としては、自動車内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等が挙げられる。具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、自動車ドアトリム、シート構造材、コンソールボックス、自動車ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー及びカウリング等が挙げられる。更に、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材、構造材等が挙げられる。その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]熱可塑性樹脂組成物の製造、ペレット化、及び成形体の製造
実施例1
ケナフ繊維(繊維長70mm、図1の11)とポリ乳酸繊維(繊維長51mm、図1の12)とを質量比で70:30となるように計量し、エアーレイ法を用いてこれらの繊維が混合して堆積された、厚さ20mmのマット状成形物(ケナフマット、図1の13)を得た。得られたマット状成形物を250℃に加熱した熱板プレス機を用いて、マット状成形物の内部温度が180℃となるまで加熱圧縮して、板厚が2.5mmのボード状成形物(ケナフボード、図1の14)を得た。
得られたボード状成形物を破砕機(図2の21)により約5mmサイズに細分化してチップ(図1の15)を得た。得られたチップを集塵機(図2の22)に通した後、二軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、φ40mm、L/D=32、図2の23)を用い190℃で押し出し、コンベア(図2の24)で空冷させながら送られた後、ペレタイザー(図2の25)により造粒してペレット(図1及び図2の16)を得た。
得られたペレットを100℃で24時間乾燥させた後、射出成形機(株式会社名機製作所製、型式「M100C−DM」)を用い、シリンダー温度190℃、型温度60℃に射出成形して、板状の成形体{試験片、図1の17(但し、図1の17には板状ではなく一般的な成形体を例示した)}を得た。
実施例2
上記実施例1ではボード状成形物を5mmサイズに細分化したのに対して、実施例2では上記マット状成形物(ケナフマット)を5mmサイズに細分化した以外は、実施例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
実施例3
上記実施例1におけるケナフ繊維とポリ乳酸繊維との配合割合を60:40とした以外は、実施例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
実施例4
実施例1におけるケナフ繊維とポリ乳酸繊維との配合割合を50:50とした以外は、実施例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
実施例5
実施例1におけるポリ乳酸繊維をポリプロピレン繊維に変えた以外は、実施例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
比較例1
ケナフ繊維(繊維長5mm)とポリ乳酸(ペレット状、直径3mm、長さ3mm)とを質量比で10:90となるように計量し、二軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、φ40mm、L/D=32)を用い190℃で造粒(ペレット化)してペレット(直径3mm、長さ3mm)を得た。
得られたペレットを射出成形機(株式会社名機製作所製、型式「M100C−DM」)を用い、シリンダー温度190℃、型温度60℃に射出成形して、板状の成形体(試験片)を得た。
比較例2
比較例1におけるケナフ繊維とポリ乳酸との配合割合を20:80とした以外は、比較例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
比較例3
比較例1におけるケナフ繊維とポリ乳酸との配合割合を30:70とした以外は、比較例1と同様にして成形体(試験片)を得た。
参考例
ポリ乳酸を射出成形機(株式会社名機製作所製、型式「M100C−DM」)を用い、シリンダー温度190℃、型温度60℃に射出成形して、板状の成形体(試験片)を得た。
Figure 2008274027
[2]実施例品、比較例品及び参考品の評価
JIS K7171に準拠して実施例1〜5、比較例1〜3及び参考例の各試験片の曲げ弾性率を測定した。この結果を表1に併記した。
参考例の曲げ弾性率は3.5GPaであった。これに対して、比較例1では3.7GPaであり、ほとんど曲げ弾性率を向上させる効果が得られていないことが分かる。また、比較例2では4.2GPa、比較例3では5.0GPaであり、最大でも1.43倍の曲げ弾性率向上に留まっている。更に、比較例1〜3では、前駆成形物を用いたチップ化工程を備えないために、30質量%を超える熱可塑性樹脂を混合することは困難であった。
一方、実施例1〜5では、前駆成形物を用いたチップ化工程を備えるために50質量%以上のケナフ繊維を混合することができた。また、曲げ弾性率は、最も含有量の少ない実施例4において7.8GPaであり、2.23倍と高い向上効果が認められた。更に、実施例1では9.2GPaであり、2.63倍と極めて高い向上効果が得られている。
また、実施例1と実施例2とを比較すると同じ天然繊維含有量であるにも関わらず、実施例1では9.2GPaであり、実施例2では8.7GPaであった。これは、チップ化工程で用いる前駆成形物の形態がマット状であるかボード状であるかの際により、生じているものと考えられる。この結果から、ボード状成形物を用いることで同じ含有量であってもより高い曲げ弾性率が得られることが分かる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法は、自動車関連分野及び建築関連分野などにおいて広く利用される。上記自動車関連分野においては、自動車内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等が挙げられる。具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、自動車ドアトリム、シート構造材、コンソールボックス、自動車ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー及びカウリング等が挙げられる。また、鉄道車両、船舶及び飛行機等の各種移動手段及び輸送手段等においても同様に利用される。更に、上記建築関連分野においては、各種建築物の内装材、外装材及び構造材として好適である。即ち、例えば、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材、構造材として利用される。
本発明の熱可塑性樹脂粗成物の製造方法及びこれを用いた成形体の製造方法を模式的に示す説明図である。 本発明の熱可塑性樹脂粗成物の製造方法及びこれを用いた成形体の製造方法を行う装置の一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
11;天然繊維、12;熱可塑性樹脂(繊維状熱可塑性樹脂)、13;マット状成形物、14;ボード状成形物、15;チップ、16;成形体(ペレット)、17;成形体(各成形品)、21;チップ化装置(破砕機)、22;集塵機、23;混練機(二軸押出機)、24;コンベア、25;ペレタイザ。

Claims (6)

  1. 天然繊維と熱可塑性樹脂とが分散されて含有された混合物であり且つ該混合物全体に対する該天然繊維の含有割合が50質量%以上である該混合物からなる、マット状成形物及びボード状成形物のうちの少なくとも一方の前駆成形物を細分化してチップにするチップ化工程と、
    上記チップを加熱して上記熱可塑性樹脂が溶融された状態の混合物を混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程と、を備えることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 上記天然繊維はケナフ繊維である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 上記熱可塑性樹脂はポリ乳酸樹脂である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 上記熱可塑性樹脂はポリプロピレンである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法により得られたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を押出成形又は射出成形して成形体を得る成形工程を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
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