JP2008273143A - 糊塗布装置と糊塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガン吐出方法での利点を活かしながらガンによってブランクの搬送方向に直交する方向に糊を塗布し、ブランクの搬送方向に直交する方向に沿って連続する貼り合わせ部分が得られるようにする。
【解決手段】ブランクが搬送される搬送路上に、搬送路側に向けて糊の吐出が可能なガン2と、ブランクの糊塗布予定部8におけるフランク搬送方向Xに直交する直交方向Yでの何れか一方の端部にガン2を対応させ、糊塗布予定部8のブランク搬送方向Xでの移動に同期してガン2をブランク搬送方向Xに移動させるとともに、糊塗布予定部8のもう一方の端部に対応する位置までガン2を直交方向Yに移動させる移動支持手段3とを配置して、ブランク搬送方向Xに移動中のブランクaの糊塗布予定部8に、ガン2からの糊の吐出により糊塗布予定部8に線状にして糊を塗布する。
【選択図】図2

Description

本発明はカートン用のブランクに対して糊を塗布する糊塗布装置と糊塗布方法に関するものである。
従来からブランクを組み起こしてカートンを製函するに際して、重ね合わせて連結する部分は接着剤を用いて貼り合わせしている。例えば胴部の貼り合せ(サック貼り)では、製函ラインの搬送路にブランクを順次送り出し、糊代と糊代の対応部分とが糊を介して相対するように折り畳んで糊代の貼り合わせを行なっている。
一般的に糊代に糊を供給する場合、例えば特許文献1などに示されているように搬送路の途中でブランクそれぞれの糊代に糊を塗布している。また、特許文献2などに示されているようにその糊代に線状に糊を塗布する場合にはホイールを使用したり、特許文献3に示されているように先端のノズルから糊を吐出して線状に塗布するガンも多く採用されている。このようにして胴部が形成された後には、胴部の板材それぞれの上下端に連続しているフラップなどを折り倒して重ね合わせ、必要に応じて貼り合わせるようにすることでブロック状のカートンが得られる。
また、ブランクから最終のカートン形態まで連続しては組み起こさずに上記サック貼りされた偏平なスリーブにするスリーブ製造工程と、前記スリーブを充填装置にセットしてカートン底部の形成を行ない、つぎに収容物の充填を行ない、上フラップを折り畳んで貼り付けて上部閉鎖する充填工程とに分ける方法も多くある。
ところで、製函されるカートンの一形態として上部を開放して広い開口部が得られるようにしているものがある。例えば、粉洗剤を収容した製品の箱本体などであり、上面を開放したブロック状の形態となるカートンが多く採用されている。このようなカートンを用いる容器では別途の蓋材などを被せ付けるようにしている。そして、カートン自体では、開口周縁の剛性を高めるために、胴部四方の板材の上縁に補強フラップを連接し、この補強フラップそれぞれを前記各板材の内面(容器内方側)に折り倒して貼り付けている。
図3は上述のようにカートンの開口周縁の強度を高める工夫があるブランクを示している。
このブランクaはカートンの胴部を形成する部分として正面板bの両側に側面板cを連接し、一方の側面板cには背面板dが連接され、さらにその背面板dの一方の側辺に糊代片eが連接されていて、図示のように折り罫fを介して一方側から側面板c、正面板b、側面板c、背面板d、糊代片eが順に連接されている。また、前記胴部形成の各面板の下辺に折り罫fを介して、カートン底部を形成するための底部形成フラップgがそれぞれ連接されている。そして、開口周縁の強度を高める補強フラップhが、胴部四方の各面板の上辺に折り罫fを介して重ね面板として連接されている。
このブランクaを折り畳みして偏平なスリーブを作成するときに、胴部の各面板c、b、c、dに上記補強フラップhを貼り合わせている。その貼り合わせをするために、正面板bとこれに連接する補強フラップhとを折り合わせたときに対向する両対向面に跨るようにして、また、側面板cとこれに連接する補強フラップhとの両対向面に跨るようにして、さらには背面板dとこれに連接する補強フラップhとの両対向面に跨るようにして糊iを塗布している。この糊が供給された後に折り罫fから補強フラップhを前記各面板c、b、c、dの内面側に折り倒している。
(ガン吐出方法)
このようにブランクaでの重ね合わせたときに対向する対向面などの必要部分に糊を塗布する方法、特に連続的に多くのスリーブを作成するシステムに適応した糊の塗布としてガン吐出方法がある。
このガン吐出方法に用いられるガンは、小孔が開いているノズルに糊を加圧して送り込むとともに、ノズル側でその供給通路を開閉制御しながら吐出と吐出停止とを瞬時に切り換えできる装置であり、一定速度で移動するブランクに向けて吐出を連続させることで線状に糊を塗布し、ブランクが通過して次のブランクが対応するまでの間は糊の吐出を止めることができる。
糊をガン吐出方法でブランクに対して塗布する場合、まず、ブランクaの搬送路で図4に示すように搬送用のベルトjでブランクaを順次連続的にして一方向に送り出すようにして、送り出し方向の下流側に糊供給機構kを設けている。この糊供給機構kは、下端に配したノズルから糊を吐出する複数のガンlを搬送路の幅方向に並べ設けたものであり、順次一定の速度で送り出されてくるブランクaを、糊供給機構kの上流側に設置されている光学的センサなどによって検知し、検知されたブランクaが糊供給機構kの下に位置するタイミングでこの糊供給機構kが動作し、各ガンlの下に上記補強フラップとこれに連接する面板(カートン胴部四方の面板)との両対向面が通るときに、その対向面領域内にガンlから糊を連続して吐出し、フラップの送り方向に短い長さで線状にして糊iが施されるように制御されている(図4において一体のガンが図示されているが、図面奥行方向に複数が並んでいる)。ガン自体は、上述したようにブランクの所定部分が通過するまでの間が糊の連続吐出状態(その結果、ブランクでは糊が線状に塗布される)となり、つぎの所定部分が対応位置するまでの間は吐出停止にして非吐出状態となる。即ち、ガンは、順次搬送されてくるブランクが対応位置する毎にそのブランクの定められた部分に向けて糊を吐出していて、連続吐出状態と連続非吐出状態とが交互となる動作をしている。
このようにして糊が吐出供給されたブランクが糊供給機構の位置から送り出された後には、補強フラップhの折り畳みをし、その折り畳まれた箇所を加圧ローラなどで挟み込んだ状態で圧力を加えることで補強フラップhが胴部の面板の内面側に貼り付けられる。
カートンの一つの形態として、蓋材の一部分を正面板側に係脱可能に係止させるようにした構造を有するものがあり、図5に示すようにこの場合のブランクaでは正面板bに蓋材が係脱可能に係止する部位を設けるために、正面板bに透孔nを開口し、折り合わせる補強フラップhでこの透孔nをカートン内方から塞ぐようにしていて、これによって外方に向けて臨む係止用の凹所を形成している。
このように正面板に透孔を開口して蓋材を係止させる部位を設ける場合、商品流通時などで収容物の粉洗剤が補強フラップと正面板との隙間に入り込んで透孔から漏れ出る不具合が生じないようにする必要がある。
この透孔からの漏れ出しを防止するには、補強フラップと正面板との貼り合わせ箇所で透孔の位置を囲むようにすることが有効となる。しかしながら、上述したガン吐出方法での糊供給ではブランクの搬送方向に沿って糊が線状に塗布されるのみであるため、つぎのパターン転写方法によって糊の供給を行なっている。
(パターン転写方法)
パターン転写方法で糊を供給する場合、まず、ブランクaの搬送路に図6に示すように一定間隔で位置出し爪oを有する送りチェーンpを設けて、この送りチェーンpでブランクaの送り間隔を正確に揃えて搬送している。そして、送りチェーンpの送り出し側に糊供給機構qを設けている。
パターン転写方法での糊供給機構qは、周面のドラム周方向に一定の間隔にして糊版rを配している糊ドラムsに図示しない糊壷から糊を移し、回転する糊ドラムsの糊版rがその下に送り出されてくるブランクaを押圧し、ブランクaの搬送移動と糊ドラムsの回転とが同期した状態で糊版rからブランクaそれぞれの同一位置に糊を転写している。この場合、ブランクaの送り間隔と、周方向に配置されている糊版rの間隔とが対応している。
そして、上記正面板bとこの正面板bに連接する補強フラップhとに糊を供給するための糊版rの転写パターンは略枠状としていて、図7に示すように透孔nの位置を内側にし、かつ糊mを補強フラップhとこの補強フラップhが対応する正面板bとの対向面に跨るようにして転写塗布している。その他の側面板cとこれに連接している補強フラップhとには両対向面に跨るようにして糊mを面状のパターンで転写し、同じく背面板dとこれに連接している補強フラップhとにその両対向面に跨るようにして糊mを面状のパターンで転写している。
このようにして糊が転写塗布されたブランクが糊供給機構の部分から送り出された後には、補強フラップhの折り畳みをし、その折り畳まれた箇所を加圧ローラなどで挟み込んだ状態で圧力を加えることで補強フラップhが胴部形成の面板の内面側に貼り付けられる。これによって透孔の位置から三方には正面板と補強フラップとの糊を介した貼り合わせ部分が連続して位置し、残り一方は折り罫となっていることから、カートン内部で折り畳まれた補強フラップの三方から収容物の粉洗剤が補強フラップと正面板との隙間に入り込むようなことが生じても、その粉洗剤は前記貼り合わせ部分に遮られて透孔に達することはなく、透孔からの粉洗剤の漏れ出しが防止される。
(パターン転写方法+ガン吐出方式)
上記パターン転写方式での糊の供給では、補強フラップhとこの補強フラップhが連接している胴部の面板との対向面に糊ドラムの糊版から枠状や面状のパターンとして糊を転写塗布しているが、透孔を配している正面板とこの正面板に連接している補強フラップとの対向面部分を除くその他の対向面部分については、上述したガン吐出方法にて供給することも可能である。
この場合、ブランクの搬送路上に、糊ドラムからなる糊供給機構qとは別に複数のガンを配してなる上記糊供給機構kを配置し、透孔が配置されている正面板とこれに連接している補強フラップとの両対向面については糊ドラムの糊供給機構によるパターン転写で糊を供給し、その他の対向面の部分についてはガン吐出方法の糊供給機構kによってこの下にブランクaが対応したときに線状に糊を吐出供給する。
これによって図8に示すように、ブランクaにおいて、正面板bとこれに連接する補強フラップhとの両対向面には枠状にして糊mがパターン転写され、ガン吐出方法での糊供給機構kによって、側面板cとこれに連接する補強フラップhとの両対向面に跨るようにして、また背面板dとこれに連接する補強フラップhとの両対向面に跨るようにして、線状に糊iが塗布される。
この後ブランクaに対しては補強フラップhの折り畳みをし、その折り畳まれた箇所を加圧ローラなどで挟み込んだ状態で圧力を加えることで補強フラップhが胴部形成の面板の内面側に貼り付けられる。
上記パターン転写方法+ガン吐出方法による接着剤の供給では、ブランクを送りチェーンにて間隔を一定にしながら搬送移動させるものとしたが、前記送りチェーンを用いずに上述したベルトによってブランクを順次一枚ずつ送り出すようにすることも可能である。この場合、送り出されてきたブランクの位置を光学センサで検出し、その位置情報に基づいてタイミングを合わせながら糊ドラムの回転をブランクごとに制御して糊のパターン転写を行ない、ガンの吐出動作もブランクごとに制御して糊の供給を行なう。
特開2006−334924号公報 特開昭58−078741号公報 特開平10−128876号公報
(糊のパターン転写での問題)
糊ドラムを利用する糊供給機構糊での糊の供給方法、即ち、上記パターン転写方法、そしてパターン転写方法とガン吐出方法とを組合わせた上記方法によって糊をブランクに供給する方法では、上述のように正面板の透孔の位置を囲むパターンにして糊を供給しており、特定の形状に合わせて糊をブランクに供給できる。
しかしながら、糊のパターン転写によりブランクに糊を供給するこの方法では、糊の消費量が多くなるという問題がある。また、図9に示すようにパターン転写を繰り返していくうちにブランクに糊を移す糊ドラムsの糊版rのエッジ部分に、糊溜りtが徐々に発生してしまう。よって、適正なパターンで糊が転写されるようにするために定期的にスリーブ製造ラインを止めて、糊ドラムの糊版を清浄にするメンテナンスが必要となる。
さらに、スリーブ製造の作業の終業から再びその作業を始業するまでの間、例えば、夜間時にスリーブ製造ラインの稼動を止めている場合には、稼動停止時に糊供給機構から糊壷を取り外して糊壷自体を清浄にしており、糊壷で糊が固着してしまうのを防止する必要がある。そして、ラインの再稼動に際して清浄な糊壷をセットし新規な糊を糊壷に充填している。このようにスリーブ製造の作業が終業した時点で糊壷を清浄にする手間が発生している。
また、糊ドラムを一定回転させている上述の方法の場合、その糊ドラムの回転にタイミングに合わせるという条件の下でブランクを一定間隔で搬送させているので、ブランクの送り間隔を詰めた状態で搬送することができず、また、位置出し爪を配した送りチェーンを利用してブランクを配送しているため、ブランクの送り間隔を詰めることができず、よって製造能率が上がらないという問題がある。
この問題に応じて糊ドラムの回転スピードを高くすることが考えられるが、そのようにすると糊版上の糊に加わる遠心力が大きくなって糊跳ねが発生し易くなり、スリーブ内側に接着し、収容物の充填時にスリーブが開かなくなること等の内糊不良が発生し、また、ブランクに散った糊が付いて汚れてスリーブの品質が落ちるという不具合がある。そして、送りチェーンを用いずに上述のベルトによってブランクの送り間隔を詰めること自体は可能であるが、ベルト搬送でブランクの送り間隔を詰めると、糊ドラムの回転スピードを高くすることになり、同じように糊跳ねが発生し易くなる。
(ガン吐出方法での問題)
糊のパターン転写方法に比べてガン吐出方法により糊をブランクに供給する場合には、ブランクの必要部分に塗られる糊は線状になるため、糊の消費量は小さくなる。また、ブランクを搬送路上で一方向に搬送する場合に送りチェーンによることなくベルトによる搬送方式を採用すれば、送り間隔を小さくすることができる。
そして、移動してくるブランクの位置を光学的センサにて検知し、その位置に基づきながらガン下にブランクが対応したときに吐出供給するように糊供給機構の動作を設定することで、送り間隔を小さくしてもブランクそれぞれに糊の供給が可能となる。さらに、上記糊溜りという不具合は生じずにメンテナンスが容易となる。これに加えて糊の供給タンクからガンのノズルまでの行程を外部に開放せずに閉じたものとすることで糊の変化を防止できるため、糊自体の管理も容易になる。
しかしながら、上述したようにガン吐出方法は、ブランクに対してブランクの搬送方向に沿った線状にして糊を塗布するものであるため、移動しているブランクに対しては、搬送方向に直交する方向に線状にして糊の塗布ができず、よって、搬送方向に直交する方向にしてブランクに連続した貼り合わせ部分を設けることができないという問題がある。
そこで本発明は上記事情に鑑み、上記ガン吐出方法での利点を活かしながら、搬送方向に移動中のブランクに対して、ガンによってブランクの搬送方向に直交する直交方向に糊を塗布し、ブランクの搬送方向に直交する方向に沿って連続する貼り合わせ部分が得られるようにすることを課題とし、上記ブランクでの透孔を補強フラップの貼り合わせで覆い、その透孔から収容物の漏れ出しを防止するカートンを得ることを目的とするものである。
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、面板とこの面板に折り罫を介して折り重ね可能に連接された重ね面板とを有するカートン用のブランクが一方向に順次搬送され、搬送されるブランクの前記面板と前記重ね面板とを折り重ねしたときに対向する対向面に設けた糊塗布予定部に、前記面板と前記重ね面板との折り重ねをして貼り合わせるための糊を塗布する糊塗布装置であって、ブランクが搬送される搬送路上に位置してこの搬送路側に向けて糊の吐出が可能なガンと、ブランクの前記糊塗布予定部におけるブランク搬送方向に直交する直交方向での何れか一方の端部に対応して前記ガンを位置させ、前記糊塗布予定部のブランク搬送方向での移動に同期して前記ガンをブランク搬送方向に移動させるとともに、前記糊塗布予定部のもう一方の端部に対応する位置まで前記ガンを前記直交方向に移動させる移動支持手段とを備えて、ブランク搬送方向に移動中のブランクの糊塗布予定部に、前記ガンからの糊の吐出により糊塗布予定部での前記直交方向に沿って線状にして糊を塗布する構成としたことを特徴とする糊塗布装置であり、この糊塗布方法を提供して上記課題を解消するものである。
また、もう一つの発明は、面板とこの面板に折り罫を介して折り重ね可能に連接された重ね面板とを有するカートン用のブランクが一方向に順次搬送され、搬送されるブランクの前記面板と前記重ね面板とを折り重ねしたときに対向する対向面に設けた糊塗布予定部に、前記面板と前記重ね面板との折り重ねをして貼り合わせるための糊を塗布する糊塗布方法であって、前記糊塗布予定部はブランク搬送方向に直交する直交方向に沿っていて、前記ブランクが搬送される搬送路上に、この搬送路側に向けて糊の吐出が可能なガンと、ブランクの前記糊塗布予定部における前記直交方向での何れか一方の端部に対応して前記ガンを位置させ、前記糊塗布予定部のブランク搬送方向での移動に同期して前記ガンをブランク搬送方向に移動させるとともに、前記糊塗布予定部のもう一方の端部に対応する位置まで前記ガンを前記直交方向に移動させる移動支持手段とを配置して、ブランク搬送方向に移動中のブランクの糊塗布予定部に、前記ガンからの糊の吐出により糊塗布予定部での前記直交方向に沿って線状にして糊を塗布することを特徴とする糊塗布方法であり、この糊塗布方法を提供して上記課題を解消するものである。
本発明によれば、糊を吐出するガンによりブランクの糊塗布予定部に糊を塗布するので、ブランクの搬送工程中での糊を塗布する部分より上流側で、従来のように光学センサによりブランクを検知し、その検知した情報に基づいて、糊を吐出する箇所にブランクが対応するときに糊を塗布されるようにガンの動作を制御する方法を採用することができる。そのため、送りチェーンによってブランクを搬送する搬送方法に限定されることなく搬送ベルトなどを利用した搬送方法が採用でき、そして、スリーブ作成作業においてブランクの搬送タイミングを切り換える必要が生じてもその切り換え作業が簡単となり、ブランクからスリーブを作成する作業の効率を向上させることができる。
また、ブランクの糊塗布予定部に対してガン自体をこの糊塗布予定部の搬送方向に直交する直交方向に沿わせて移動させることができるので、ブランクの品目毎に糊塗布予定部での前記直交方向の長さが異なる場合でも、設定の変更が容易となる。そして、ガンでの糊吐出のメリットである糊使用量の削減効果を活かして糊コストを下げることができる。
つぎに本発明を図1と図2に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は糊塗布装置で、ブランクaが搬送される図示しない搬送路の上方に配置されている。この糊塗布装置1は糊を搬送路側に向けて吐出する一本のガン2と、搬送路上で前記ガン2をブランク搬送方向Xとそのブランク搬送方向Xに直交する直交方向Yとに移動させる移動支持手段3とを備えてなるものである。
上記ガン2は、流動性がある液体の糊が図示しない糊タンク側から加圧された状態で送り込まれていて、ガン内での糊流路が開閉制御されることで間欠的に糊を吐出することが可能に設けられていて、ガン2が糊の連続吐出を行ない、かつガン下でこのガン2に対して相対的に一方向に移動する被塗布面に吐出された糊が当たることでその糊が直線状に塗布されることになる。
また、上記移動支持手段3は、図1に示すように搬送路上を上記直交方向Yに沿って横切る位置固定の横架台4に、この横架台4に沿って自走して直交方向Yに往復移動可能な駆動体5を組み付けているとともに、ブランク搬送方向Xを長手とした縦架台6が前記駆動体5に組み付けられ、この駆動体5がブランク搬送方向Xにおいて縦架台6の前進と後退とを行なうものである。そして、前記縦架台6に上記ガン2が取付固定されていて、図示しない制御手段での制御の下で駆動体5が横架台4に沿って移動しながら縦架台6を前進させたり、後退させたりすることによって、ガン2が搬送路上で斜め方向にも移動できるようにしている。
上述したように、糊塗布装置1では糊吐出を行なうガン2を、移動支持手段3によってブランク搬送方向Xに沿って直線状に往復移動させたり、直交方向Yに沿って直線状に往復移動させたり、さらに斜め方向にも往復移動できるようにしており、ブランク搬送方向Xと直交方向Yとの範囲とが定められた方形の糊塗布可能領域7の何れの位置でも糊の吐出が行なえるようにしている。そして、糊塗布装置1の前記糊塗布可能範囲7が搬送路上を搬送されているブランクaの糊塗布予定部8に対応するようにしてこの糊塗布装置1が配置されている。
上記糊塗布装置1から糊の供給を受けるブランクaは、上述したように正面板b、側面板c、背面板dの上辺に折り罫fを介して補強フラップhが連接されていて、補強フラップhを正面板b、側面板c、背面板dに折り重ねるものであり、正面板bとこの正面板bに連接されている補強フラップhとを折り重ねたときの対向面となる部分の内、正面板bの対向面の中央となる部分に透孔nが開口されている(図1、図2、図5参照)。
さらに前記正面板bの対向面において、透孔nを間にして折り罫fとは反対側となる箇所に、上記糊塗布装置1から糊の供給を受ける糊塗布予定部8が設けられていて、この糊塗布予定部8は直交方向Yに沿った方向を長手とされ、この状態でブランクaが搬送されるようにしている。そして、正面板bと前記補強フラップhとの間の折り罫fは同様に直交方向Yに沿った方向となっており、折り罫fと前記糊塗布予定部8とは平行である。
また、糊塗布予定部8の両端部と上記折り罫fとの間に亘って、ブランク搬送方向Xに沿う縦糊塗布予定部9が設けられていて、一つの糊塗布予定部8と二つの縦糊塗布予定部9と折り罫fとで透孔nの位置を囲むようにしている。これは後述するように、本発明での糊の塗布を行なうことで、補強フラップhを正面板bの対向面部分に折り重ねた時に、補強フラップhと正面板bとの糊を介在させた貼り合わせ部分が、その補強フラップhと正面板bとの間において糊塗布予定部8の位置で連続し(直交方向Yで連続し)、かつ縦糊塗布予定部9の位置で連続し(ブランク搬送方向Xで連続し)て、その結果、三方の貼り合わせ部分と折り罫fとで透孔nの位置を囲み、カートン形態のときに収容されている粉洗剤などがカートン内部側から補強フラップと正面板との間に入り込むようなことがあっても透孔nの位置までには達しないカートンを得るようにしている。
なお、縦糊塗布予定部9への糊の供給は上記糊塗布装置1で行なうものではなく、この糊塗布装置1のブランク搬送方向Xでの上流側や下流側において、縦糊塗布予定部9が通過する位置に対応している図示しないガンにて糊の塗布を行なう。
糊塗布装置1でブランクaの上記糊塗布予定部8に糊を塗布するに際して、糊塗布予定部8の直交方向Yでの何れか一方の端部が通過する位置に対応するようにガン2が待機停止しており、糊塗布装置1の上流側で光学センサなどでブランクaが検知されると、その検知された情報に基づいてガン下に糊塗布予定部8の前記一方の端部が達するときにガン2の糊吐出が開始されて糊塗布予定部8の前記端部に糊が塗布され始めるようにしている。さらに、糊吐出の開始と同時に、上記移動支持手段3の制御された駆動体5の動作によって、前記ガン2が、糊塗布予定部8のブランク搬送方向Xでの移動に合わせながら糊塗布予定部8のもう一方の端部に向けて移動し、その移動の間、糊塗布予定部8に対応しながら糊吐出を継続するように設けられている。
即ち、ガン2が、糊塗布予定部8のブランク搬送方向Xの移動に同期してブランク搬送方向Xに移動するとともに、糊塗布予定部8のもう一方の端部に対応する位置に向けて直交方向Yにも移動するようにしており、糊塗布予定部8の端部までに糊が塗布された時点で糊吐出を停止する。これによって、直線状とした糊塗布予定部8に線状にして糊が塗布される。
上記糊塗布装置1では、この糊塗布装置1に向けて順次搬送されてくるブランクaの糊塗布予定部8ごとにガン2が上記斜め方向への一回の移動で糊の塗布を行なうようにしているが、本実施の例では、ブランクごとにガン2の待機が上述した位置で行なわれるようには制御されてはおらず、つぎのブランクの搬送が検知されるまでの間に、糊塗布予定部8のもう一方の端部が通過することになる位置まで移動して待機する。この次ブランクへの糊塗布に際して待機する位置は、上述のブランクへの糊塗布に際して待機していた位置に対して直交方向Yにおいて対向する位置としていて、駆動体5の制御された動作の下で縦架台6が、もう一方の端部が通過することになる直交方向Y上での位置にあり、かつその縦架台6が後退されてガン2をブランク搬送方向X上での糊塗布開始位置に停止させる。このようにして待機しているガン2に、次ブランクの糊塗布予定部8でのもう一方の端部が対応するように移動してきた時点で再び糊吐出を開始するとともに、ガン2を、先ブランクでの糊塗布の場合とはブランク搬送方向Xと直交方向Yでの動きが逆となるようにして移動させて、次ブランクの糊塗布予定部8に対して線状に糊の塗布を行なう。
図2においてガン2の移動の動作を概略的に示していて、Aは先ブランクでの糊吐出時の移動、Bは待機位置への移動、Cは次ブランクでの糊吐出時の移動、Dは待機位置への移動であり、A→B→C→Dのサイクルを繰り返す動作の下で、順次搬送されてくるブランクの糊塗布予定部8に糊を線状に塗布する。
ブランクaの搬送路上では、上記糊塗布装置1によってブランクaの直交方向Yに沿う糊予定部8に線状にして糊が塗布され、また、上記縦糊塗布予定部9に対しても糊が線状にして糊が塗布される。この後、正面板bに連接されている補強フラップhが折り罫fの位置から正面板bに折り重ねされ、加圧ローラなどにより加圧することで、糊塗布予定部8の線状の糊を介在させた連続の貼り合わせ部分と縦糊塗布予定部9の線状の糊を介在させた連続の貼り合わせ部分と折り罫fとで上記透孔nの位置を取り囲むようにしている。糊塗布予定部8での糊と縦糊塗布予定部9での糊は直接接触するように塗布する必要はなく、折り合わせして加圧するときにそれぞれの糊が伸展して伸展範囲が重なるようにすればよい。
正面板b以外の面板と補強フラップとを貼り合わせるために、図示しない固定位置にあるガンから糊が塗布されていて、これらの補強フラップそれぞれも対向する面板に貼り合わされるようにしている。
本発明における糊塗布方法の一例を実施する糊装置装置と搬送されるブランクとを示す説明図である。 本発明の方法により糊が塗布されたブランクを示す説明図である。 従来のガン吐出方法により接着剤が供給されたブランクを示す説明図である。 ガン吐出方法で接着剤を供給するときのブランクの搬送を概略的に示す説明図である。 透孔を開口したブランクを示す説明図である。 パターン転写方式におけるブランクの搬送を概略的に示す説明図である。 パターン転写方式における接着剤塗布が行なわれたブランクを示す説明図である。 パターン転写方式とガン方式とによる接着剤塗布が行なわれたブランクをを示す説明図 糊版エッヂ部分の糊溜りを示す説明図である。
符号の説明
1…糊塗布装置
2…ガン
3…移動支持手段
4…横架台
5…駆動体
6…縦架台
7…糊塗布可能領域
8…糊塗布予定部
9…縦糊塗布予定部
X…ブランク搬送方向
Y…ブランク搬送方向に直交する直交方向
a…ブランク
b…正面板
h…補強フラップ
n…透孔

Claims (2)

  1. 面板とこの面板に折り罫を介して折り重ね可能に連接された重ね面板とを有するカートン用のブランクが一方向に順次搬送され、搬送されるブランクの前記面板と前記重ね面板とを折り重ねしたときに対向する対向面に設けた糊塗布予定部に、前記面板と前記重ね面板との折り重ねをして貼り合わせるための糊を塗布する糊塗布装置であって、
    ブランクが搬送される搬送路上に位置してこの搬送路側に向けて糊の吐出が可能なガンと、ブランクの前記糊塗布予定部におけるブランク搬送方向に直交する直交方向での何れか一方の端部に対応して前記ガンを位置させ、前記糊塗布予定部のブランク搬送方向での移動に同期して前記ガンをブランク搬送方向に移動させるとともに、前記糊塗布予定部のもう一方の端部に対応する位置まで前記ガンを前記直交方向に移動させる移動支持手段とを備えて、
    ブランク搬送方向に移動中のブランクの糊塗布予定部に、前記ガンからの糊の吐出により糊塗布予定部での前記直交方向に沿って線状にして糊を塗布する構成としたことを特徴とする糊塗布装置。
  2. 面板とこの面板に折り罫を介して折り重ね可能に連接された重ね面板とを有するカートン用のブランクが一方向に順次搬送され、搬送されるブランクの前記面板と前記重ね面板とを折り重ねしたときに対向する対向面に設けた糊塗布予定部に、前記面板と前記重ね面板との折り重ねをして貼り合わせるための糊を塗布する糊塗布方法であって、
    前記糊塗布予定部はブランク搬送方向に直交する直交方向に沿っていて、
    前記ブランクが搬送される搬送路上に、この搬送路側に向けて糊の吐出が可能なガンと、ブランクの前記糊塗布予定部における前記直交方向での何れか一方の端部に対応して前記ガンを位置させ、前記糊塗布予定部のブランク搬送方向での移動に同期して前記ガンをブランク搬送方向に移動させるとともに、前記糊塗布予定部のもう一方の端部に対応する位置まで前記ガンを前記直交方向に移動させる移動支持手段とを配置して、
    ブランク搬送方向に移動中のブランクの糊塗布予定部に、前記ガンからの糊の吐出により糊塗布予定部での前記直交方向に沿って線状にして糊を塗布することを特徴とする糊塗布方法。
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