JP2008272302A - 回転自走式内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクセンサ以外に、挿入部の挿入軸方向の圧力を検出する検出部を挿入部に設けて、回転筒体の駆動制御を行うことを可能にして、挿入部の挿入性を向上させる。
【解決手段】回転筒体51の回転駆動状態を検出するモータエンコーダ59bと、挿入部本体10に設けられ、挿入部6Aの挿入軸方向の圧力を検出する圧力センサ60及び押圧部61と、回転制御部66とを有している。回転制御部66はモータエンコーダ59bによる検出結果と予め設定された前記トルク閾値とで比較を行うトルク判定部と、圧力センサ60による検出結果(加圧量検出部73を介し演算部66aの演算結果)と予め設定された前記圧力閾値とで比較を行う圧力判定部とを有し、トルク判定部によるトルク判定結果と圧力判定部による圧力判定結果との少なくとも一方に基づいてモータ59の駆動制御を行う。
【選択図】図10

Description

本発明は、被検体に挿入可能な可撓性を有する細長なチューブの外周に螺旋形状部を配置した回転自走式内視鏡システムに関する。
従来から、医療用の内視鏡は、広く用いられている。このような医療用の内視鏡は、細長な挿入部を体腔内に挿入することによって体腔内の患部等を観察したり、必要に応じて処置具を鉗子チャンネル内に挿通したりして治療処置を行うことができるようになっている。
前記内視鏡は、挿入部の先端側に湾曲自在な湾曲部を備えている。内視鏡は、湾曲操作ノブが操作されることにより湾曲部が上下または左右方向に湾曲動作される。そして、内視鏡は、入り組んだ体腔内管路、例えば大腸などのように360°のループを描く管腔に挿入される際、湾曲操作ノブの操作により湾曲部が湾曲動作されると共に、捻り操作が行われて挿入部が観察目的部位に向けて挿入されていく。
しかしながら、内視鏡操作は、複雑に入り組んだ大腸内の深部まで挿入部を短時間でスムーズに挿入することができるようになるまでに熟練を要する。経験の浅い術者においては、挿入部を大腸内の深部まで挿入していく際に、挿入方向を見失うことによって手間取ったり、腸の走行状態を大きく変化させてしまったりする虞れがあった。
このため、従来から、挿入部の挿入性を向上させるための提案が各種なされている。例えば、特許文献1には、体腔内管路の深部まで容易に、且つ低侵襲で医療機器を誘導し得る医療機器の推進装置が開示されている。
この特許文献1に記載の推進装置では、回転部材に、この回転部材の軸方向に対して推進力発生部として斜めのリブが設けてある。このため、この推進装置は、回転部材を回転動作させることにより、回転部材の回転力がリブによって推進力に変換され、推進装置に連結されている医療機器が推進力によって、深部方向に移動される。このことにより、前記公報に記載の推進装置は、低侵襲で、患者に身体的負担をかけることなく、医療機器を体腔内へと挿入することができる。
このような技術を利用した内視鏡には種々のタイプのものがあるが、一例を挙げれば、経肛門により大腸内へ挿入を行うようになされた内視鏡において、挿入部の外周側に、軸回りに回動可能な可撓性を有する回転筒体を設けて、前記回転筒体を回転させることにより、体腔内への挿入を自動的に行うことができるようにした回転自走式内視鏡装置がある。 この種の従来の回転自走式内視鏡装置は、例えば、特許文献2に記載されているように、前記回転筒体を回転駆動制御する回転駆動制御手段を有し、この回転駆動制御手段に含まれるモータのトルクを検出するトルクセンサからのトルク検出結果に基づいて、前記回転筒体の回転駆動を制御するようにしている。
また、挿入部の挿入状態を得る内視鏡の関連技術としては、例えば、特許文献3に記載されている体内挿入用医療器具がある。この特許文献3には、カテーテルや細管用ファイバースコープ等の体内挿入用医療器具の側面に抵抗ひずみ系などのセンサ部を設け、このセンサの抵抗値を測定し解析することによって、体内挿入用医療器具自信の湾曲状態と側面に作用する接触力(外力)とが手元で計測でき、体内挿入状態が数値で把握できるようにした体内挿入用医療器具に関する技術が開示されている。
特開平10−113396号公報 特開2006−34627号公報 特開平6−142031号公報
しかしながら、前記従来の回転自走式内視鏡では、前記回転筒体を回転駆動制御するための制御情報は、モータのトルクを検出するトルクセンサからのトルク検出結果を用いているため、前記回転筒体の回転時において、外周面がどの部位の体腔壁とで摩擦力(抵抗力)が生じたのか、また、どれくらいの摩擦力が生じたのかを把握することができず、そのため、モータの回転数駆動動作、前記回転筒体の正回転駆動又は逆回転駆動、及び停止動作といった大まかな駆動制御しか行うことができない。
特に、挿入部に湾曲部を備えた回転自走式内視鏡の場合、挿入部が長尺で柔軟性を有しているため、挿入部が体腔内の深部に挿入されるのにしたがって、湾曲部のどの挿入軸方向に、どれくらいの圧力(抵抗力)が加わっているのかを把握することができず、術者による湾曲操作が困難となってしまい、結果として、挿入部の挿入性を向上させることができないといった問題点があった。
また、前記特許文献3では、センサの抵抗値を測定し解析することによって、体内挿入用医療器具自信の湾曲状態と側面に作用する接触力(外力)とが手元で計測でき、体内挿入状態が数値で把握できるように構成されたものではあるが、センサは抵抗ひずみ計であり、また、このセンサはカテーテルや細管用ファイバースコープ等の体内挿入用医療器具の側面に設けられた構成である。
また、前記特許文献3は、センサからの抵抗値に基づいて何らかの制御を行う構成要素についてはなんら示唆も開示もなく、また、回転自走式内視鏡システムとは明らかに構成要素が異なっているので、回転自走式内視鏡システムにおける挿入部の挿入性の向上を目的とした課題を解決するには至っていない。
そこで、本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、トルクセンサ以外に、挿入部の挿入軸方向の圧力を検出する検出部を挿入部に設けて、トルク検出結果と圧力検出結果との少なくとも一方に基づいて回転筒体の駆動制御を行うことを可能にして、挿入部の挿入性を向上させることのできる回転自走式内視鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の回転自走式内視鏡システムは、撮像手段を有する先端硬性部が先端部に配設され、この先端部に湾曲自在の湾曲部が配設されて体腔内に挿入される可撓性を有する挿入部本体と、前記挿入部本体に回転可能に外嵌し、螺旋状の凹凸により螺旋形状部が形成された回転筒体とを有する挿入部と、前記回転筒体に軸周りに回転駆動力を与える駆動部と、前記回転筒体の回転駆動状態を検出する第1の検出部と、前記挿入部本体に設けられ、前記挿入部の先端部近傍の受ける圧力を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部による検出結果と予め設定された前記回転筒体のトルクを制御するためのトルク閾値とで比較を行うトルク判定部と、前記第2の検出部による検出結果と予め設定された前記挿入部の挿入方向の圧力閾値とで比較を行う圧力判定部とを有し、前記トルク判定部によるトルク判定結果と前記圧力判定部による圧力判定結果との少なくとも一方に基づいて、前記駆動部を制御する制御部と、を有している。
本発明によれば、トルクセンサ以外に、挿入部の挿入軸方向の圧力を検出する検出部を挿入部に設けて、トルク検出結果と圧力検出結果との少なくとも一方に基づいて回転筒体の駆動制御を行うことを可能にして、挿入部の挿入性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1から図16は本発明の実施例1に係り、図1は本発明の構成を備えた回転自走式内視鏡システムの全体構成を示す外観図、図2は内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部を示す断面図、図3は回転筒体と挿入部本体を示す断面図、図4は操作部側案内管が接続されたコネクタカバーの一部を示す断面図、図5は第2の検出部を構成する圧力センサを設けた内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部の外観を示す斜視図、図6は図5のセンサの配置位置を説明するための内視鏡の先端部、及び湾曲部近傍の外観を示す分解斜視図、図7は先端部の押圧部の構成を説明するための先端部と湾曲部との連結部分の断面図、図8は湾曲部の圧力センサの構成を説明するための先端部と湾曲部との連結部分の断面図、図9は先端部の押圧部の変形例を示す先端部の斜視図、図10は回転自走式内視鏡システムの電気的な全体構成を示すブロック図、図11は図1の収納ケースを示す上面図、図12は挿入補助具が患者の肛門から直腸へ挿入された状態を示す説明図、図13は大腸内に挿入された挿入部本体がS字状結腸に到達した際の状態を示す説明図、図14は大腸内に挿入された挿入部本体が盲腸近傍に到達した際の状態を示す説明図、図15及び図16は実施例1の作用を説明するためのもので、図15は圧力センサの検出結果に基づき演算処理することで挿入部の挿入軸方向毎の圧力をモニター表示した一例を示す画面表示図、図16は制御装置内の回転制御部による制御例を示すフローチャートである。
先ず、図1を参照しながら、回転自走式内視鏡システム1の全体構成について説明する。 図1に示すように、回転自走式内視鏡システム(以下、内視鏡システムと略記)1は、回転自走式内視鏡(以下、単に内視鏡と略記)2と、制御装置3と、モニタ4と、吸引器5とを有している。
内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部(以下、単に収納ケース付挿入部と略記)6と、操作部7とを有している。
収納ケース付挿入部6は、挿入部6Aと、挿入部収納ケース(以下、単に収納ケースと略記)12とを有し、先端から順に、挿入部6Aを構成する先端硬性部(以下、単に先端部と略記)8と、湾曲部9と、挿入部本体10を内側に設けた回転筒体51と、収納ケースを構成する挿入補助具11と、収納ケース12と、挿入補助具11と収納ケース12と間において介装されるコルゲート状のチューブである先端側案内管13と、操作部7と収納ケース12との間に介装されるコルゲート状のチューブである操作部側案内管14と、この操作部側案内管14の一端が連結されたコネクタカバー15と、を有して構成されている。
尚、収納ケース付挿入部6は、挿入部6Aが、所定機能を実行操作するための操作部7へ着脱可能に構成されている。
操作部7は、収納ケース付挿入部6の一部を構成するコネクタカバー15が着脱自在であり、回転装置としてのモータボックス16と、把持部17と、主操作部18とを有している。
主操作部18には、挿入部6Aの湾曲部9を4方向(内視鏡2が捉える内視鏡画像に対応する上下左右方向)に湾曲させる湾曲操作ノブ19と、流体を送出操作、或いは吸引操作するボタン類20と、各種撮像、照明などの光学系を操作するスイッチ類21とが配設されている。
湾曲操作ノブ19は、略円盤状の2つのノブが重畳するように、操作部7の主操作部18の一面に配設されている。これら2つのノブは、回動自在に配設され、主操作部18側に湾曲部9の上記上下方向を操作のためのU(UP)/D(DOWN)用湾曲操作ノブ19aと、このU/D用湾曲操作ノブ19a上に湾曲部9の上記左右方向を操作するためのR(RIGHT)/L(LEFT)用湾曲操作ノブ19bと、を有している。
主操作部18の一側面からは、電気ケーブルであるユニバーサルコード18aが延設されている。また、主操作部18には、ユニバーサルコード18aが延出する根元部分に折れ止め部18bが設けられている。
このユニバーサルコード18aの延出端には、コネクタ部22が配設されている。このコネクタ部22は、制御装置3に接続されている。
また、主操作部18の一側面に配設されているボタン類20は、内視鏡2の先端部8から被検体内へ気体を送気、或いは液体を送水するときに操作する送気/送水ボタン20aと、内視鏡2の先端部8から被検体内から汚物などの液体を吸引するときに操作する吸引ボタン20bと、を有している。
モータボックス16に着脱されるコネクタカバー15からは、挿入部6A内に挿通された3本のチューブ23が延出している。これら3本のチューブ23は、送気用チューブ23a、送水用チューブ23b、及び吸引用チューブ23cを有している。これら3本のチューブ23の延出端は、夫々、着脱自在なコネクタを介して、制御装置3の前面部の所定の位置で接続されている。
制御装置3には、送水タンク24が設けられている。この送水タンク24内には、滅菌水が貯留されている。滅菌水は、主操作部18の送気/送水ボタン20aが所定の操作がなされると、制御装置3によって、送水用チューブ23bに送液され、内視鏡2の先端部8から噴出する。
尚、送気用チューブ23aには、主操作部18の送気/送水ボタン20aが所定の操作がなされると、制御装置3内の図示しないコンプレッサからの空気が送気され、この空気は内視鏡2の先端部8から噴出する。
また、吸引ボタン20bが操作されると、内視鏡2の先端部8から汚物などが吸引され、この汚物などは、吸引用チューブ23cを介して、制御装置3から吸引器5に送り込まれる。
尚、本実施例の回転自走式内視鏡システム1においては、吸引器5を使用しているが、病院に備え付けの吸引システムを利用しても良い。
制御装置3には、電気ケーブル25aを介してフットスイッチ25が接続されている。このフットスイッチ25は、内視鏡2の挿入部6Aを所定の方向へ回動/停止操作するためのスイッチである。尚、この挿入部6Aの回転方向を操作、及び停止操作する進退スイッチは、図示しないが操作部7の主操作部18にも配設されている。
また、制御装置3の前面部には、電源スイッチ、内視鏡2の挿入部6Aの回転速度を可変するダイヤルなどが配設されている。尚、操作部7のモータボックス16には、挿入部6Aに回転力を付与するモータ59(図10参照)が内蔵されている。
また、制御装置3は、モニタ4と電気的に接続されている。モニタ4は、内視鏡2が捉えた内視鏡画像を表示したり、或いは後述する挿入部6Aの第2の検出部(60)及び加圧量検出部73からの検出結果を基に、回転制御部66の演算部66aによって演算処理されたり演算処理結果(例えば、図15に示すような挿入部6Aの挿入軸方向を複数等分割した各種方向毎の圧力表示)等を表示する。尚、制御装置3の具体的な構成については後述する。
次に、図2を参照しながら、内視鏡2の収納ケース付挿入部6の一部を構成する先端部8、湾曲部9、挿入部本体10及び回転筒体51について説明する。
先ず、先端部8について、説明する。
先端部8は、生体適合性のある合成樹脂からなる硬質な略円環状の本体環26と、撮像ユニット27とを有している。
撮像ユニット27は、本体環26内に収容される合成樹脂からなる略円環状の保持環28aと、この保持環28aの基端側に嵌着される金属からなる略円環状のカバー環28bと、保持環28aの先端開口部を気密に封止するように嵌着され、生体適合性のある透明な合成樹脂によってドーム状に形成されたカバー体29とによって外形が形成されている。 これらの部材によって形成される撮像ユニット27の空間内には、対物レンズ群30と、この対物レンズ群30へ入射する撮影光が集光される位置に配置されるCCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子31と、この撮像素子31によって光電変換された画像信号が入力されるフレキシブルプリント基板(FPC)32とが配設される。
このFPC32には、通信ケーブル33が接続されている。この通信ケーブル33は、湾曲部9、及び挿入部本体10内に挿通して、コネクタカバー15(図1参照)に配設される図示しないコネクタに接続されている。
また、対物レンズ群30を保持する保持環を固定している板部材35には、照明部材である複数のLED34が対物レンズ群30を囲むように配設されている。尚、板部材35は、カバー体29の略中心を通る部分に延長線上にある内面と固着できるように、略円形に形成されている。そして、対物レンズ群30は、板部材35の板面における略中心位置に光軸が通るように配置されている。
このように構成された撮像ユニット27は、本体環26の中心に対して、偏芯する位置に配置され、本体環26の先端側開口部に配設される先端キャップ36により本体環26に固定されている。
撮像ユニット27の保持環28aと本体環26との間にできる隙間には、吸引用チューブ23cの先端部分と、この吸引用チューブ23cが基端側に接続された吸引管37が配置されている。この吸引管37の先端部分は、先端キャップ36に固着されている。
先端キャップ36には、吸引用の開口部38が形成されている。尚、図示していないが、前記した保持環28aと本体環26との間にできる隙間を利用して、送気/送水用チューブ23aに連通する管路が配設され、それら管路の開口部も先端キャップ36に形成されている。
また、先端部8の本体環26の基端部には、後述する第2の検出部を構成する圧力センサ60を押圧するための押圧部61が設けられている。この押圧部61の具体的な構成については後述する。
次に、湾曲部9について説明する。
湾曲部9には、先端部8の本体環26の基端開口部に嵌着された硬質な先端湾曲駒39と、硬質な複数の湾曲駒40(湾曲節輪ともいう)とが枢支部40aによって回動自在に連設されている。これら駒39、40には、生体適合性のあるフッ素ゴムなどの弾性部材からなる湾曲外皮41が被覆されている。
湾曲外皮41の先端部分には、例えば、蛇腹状に形成されて挿入部6Aの挿入軸方向に対して自在に変形可能な変形部41a(図5及びず6参照)が設けられている。この変形部41aの先端部分は、糸巻き接着部42により、先端部8の本体環26の基端部分に対して水密に且つ変形可能に接着されている。
複数の湾曲駒40は、その内周面から中心方向へ突出するワイヤガイド43を有している。このワイヤガイド43には、湾曲操作ワイヤ44(アングルワイヤとも言う)が挿通されている。
この湾曲操作ワイヤ44の先端部分は、湾曲部9内に4本存在し(図2では2本のみ図示している)、夫々に筒状の係止部材45が半田などにより溶着されている。これら湾曲操作ワイヤ44は、先端湾曲駒39に形成された4つの係止孔部39aに夫々の係止部材45が係止されている。
4つの係止孔部39aは、先端湾曲駒39の軸に対して直交する面において、略等間隔となる4等分した位置に形成されている。この先端湾曲駒39は、上記内視鏡画像の上下左右に対応して、各係止孔部39aが位置するように軸回りの方向が決められている。そのため、4本の湾曲操作ワイヤ44は、上下左右方向に略等間隔に離間した4点において保持固定されている。
尚、4つの係止孔部39aの先端側には、例えば、環状に延設された、後述する第2の検出部60を固定するための固定面39bが形成されている。
また、これら湾曲操作ワイヤ44は、挿入部本体10内に挿通し、コネクタカバー15まで配設されている。尚、これら湾曲操作ワイヤ44の夫々の基端部分には、図示しないワイヤ留めが設けられている。各湾曲操作ワイヤ44のワイヤ留めは、コネクタカバー15がモータボックス16に一体となっている状態において、把持部17内に設けられた図示しない連結部材に夫々が対応して連結される。
連結部材は、主操作部18内に配設された湾曲操作ノブ19に連動する図示しない湾曲操作機構と図示しないチェーンにより、連結されている。つまり、湾曲操作ノブ19が回動操作されると、湾曲操作機構により各連結部材が交互に牽引又は弛緩され、その動きに連動して、各湾曲操作ワイヤ44が交互に牽引又は弛緩されるようになっている。
したがって、4本の湾曲操作ワイヤ44が夫々、牽引弛緩されると、複数の湾曲駒40が対応して回動する。こうして、湾曲部9が上述した4方向へ湾曲操作される。
また、本実施例では、先端部8と湾曲部9との連結部分には、第2の検出部を構成する圧力センサ60が設けられている。この圧力センサ60は、図2及び図6に示すように、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向の圧力を検出するものであり、例えば、係止孔部39aの先端側の固定面39b上に複数個固定されている。尚、第2の検出部を構成する圧力センサ60の具体的な構成について後述する。
一方、湾曲部9の基端部分には、最基端にある湾曲駒40の内部に嵌着されたコイルパイプ固定用の金属からなる第1口金46と、最基端にある湾曲駒40の外周側に嵌着された内層チューブ固定用の金属からなる第2口金47と、この第2口金47の外周側に嵌着された回転筒体を回動自在に係合するための合成樹脂からなる第3口金48と、が配設されている。これらの口金46〜48は、接着剤などにより強固に固着されている。
尚、前記した湾曲外皮41は、第3口金48とも糸巻き接着部42により、固着されている。
また、前記した湾曲操作ワイヤ44は、夫々、第1口金46から基端側がコイルシース49内に夫々挿通している。コイルシース49の先端部分は、第1口金46にロー付けなどで固定されている。尚、本実施例で用いられるコイルシース49は、ワイヤをパイプ状に密着巻きした非圧縮性の構造を有している。
第2口金47の基端部分は、挿入部本体10内に挿通する軟性な内層チューブ49aの先端部分が固定されている。この内層チューブ49aは、細線のワイヤなどを筒状に編み込んで可撓性を持たせたチューブ体でも良い。
第3口金48の基端部分には、突起部48aが設けられている。また、この第3口金48は、突起部48aの外周側に隙間ができるように、湾曲外皮41に完全にカバーされている。
尚、本実施例の内視鏡2は、湾曲部9を備えているものに限定せず、前記湾曲部9を備えていないものでも、勿論、適用可能である。
次に、挿入部6Aの挿入部本体10及び回転筒体51について説明する。
挿入部6Aは、挿入部本体10と、回転筒体51とを有している。
挿入部本体10内には、前記した内層チューブ49aと、湾曲操作ワイヤ44が夫々挿通する4本のコイルシース49と、通信ケーブル33と、図示しない各種チューブ23と、が配設されている。この内層チューブ49aは、内部の各構成要素である内蔵物を保護している。
回転筒体51は、先端部分に連結用の合成樹脂からなる口金50を有し、先端部分が接着材52により固着されている。
口金50は、先端部分に上述した湾曲部9の第3口金48の突起部48aと係合し、スナップフィット機能を有効にする凹凸部50aが形成されている。つまり、口金50と、第3口金48は、夫々の軸回りに回動自在となっている。
この口金50と連結された回転筒体51は、断面形状が凹凸となるように加工された生体適合性のある金属板部材を螺旋状に巻回し、可撓性を備えた筒体である。この回転筒体51は、前記した凹凸が略隙間なく係合しており、その外周面に螺旋状凸部(或いは、螺旋状凹部、さらに或いは、螺旋に沿って連設されるように突設される凸部、など)となる螺旋形状部51aが形成される。
具体的には、回転筒体51は、体腔内への挿通性を考慮した螺旋管であり、例えばステンレス製で所定の径寸法が設定されている。また、回転筒体51は、板部材に形成する凹凸の寸法を変更して、凹凸のピッチ、螺旋の角度などを種々設定できる。
この回転筒体51は、挿入方向の軸回りに回動可能となるように構成されている。そして、この回転筒体51が回動すると、外周面の螺旋形状部51aが被検体の体腔内壁と接触して推力が発生し、回転筒体51自体が挿入方向へ進行しようとする。
このとき、回転筒体51の先端部に固着されている口金50が、湾曲部9の基端部分にある第3口金48に当接して湾曲部9を押圧し、先端部8を含めた挿入部6A全体が体腔内の深部に向かって前進する推進力が付与される。
尚、回転筒体51は、操作部7のモータボックス16(図1参照)に配設されたモータ59(図10参照)により回転駆動力が与えられるようになっている。
この場合、本実施例では、モータ59(図10参照)の回転駆動力を回転筒体51の基端側に伝達させて、回転筒体51を回動させるように構成しているがこれに限定されることはない。例えば、モータ59(図10参照)の回転駆動力を回転筒体51の中間に伝達させて回転筒体全体を回転させても構わないし、回転筒体51の先端部に伝達させて回転筒体51を回動させるような構成であっても良い。
また、挿入部本体10は、回転筒体51が内層チューブ49aの外周で長軸回りに回動自在となっており、内層チューブ49aが内蔵物である湾曲操作ワイヤ44が夫々挿通する4本のコイルシース49と、通信ケーブル33と、図示しない各種チューブ23と、回転筒体51の回動による外的作用から保護する構成となっている。
次に、図4を用いて、螺旋形状部51aの基端側について説明する。
まず、操作部側案内管14とコネクタカバー15との接続について説明する。
図4に示すように、操作部側案内管14には、略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどから形成される硬質な筒体でも良い)から形成される第5固定環78と、合成樹脂から形成される接続筒体79との螺着によって、その基端部分の外周を係止する留めリング81が内嵌保持される。
第5固定環78は、中途部分が外径方向に突出した形状をしており、基端部分の外周に雄ねじ部78aが形成されている。また、接続筒体79は、先端部分が外径方向に突出した形状をしており、先端部分の内周面に雌ねじ部79aが形成され、略等間隔で円を描くように基端側に向かって延設され、コネクタカバー15と着脱自在とするための複数の係止部80を有している。
すなわち、第5固定環78と接続筒体79とは、雄ねじ部78aと雌ねじ部79aとが螺合することで接続され、その接続部内に留めリング81を内嵌保持している。この状態において、操作部側案内管14は、基端部分が圧縮された状態となり、基端外周部が接続筒体79の当接する端面に押圧されている。これにより、操作部側案内管14は、第5固定環78と接続筒体79との水密が保持された状態で接続される。
コネクタカバー15と接続された接続筒体79は、係止部80がコネクタカバー15に接続されている。詳述すると、コネクタカバー15は、先端と基端部分に外向フランジ82aが形成された筒体に接続部82を有している。接続部82には、接続筒体79の複数の係止部80が外嵌するように接続されている。
複数の係止部80は、基端部に接続筒体79の内周方向に向かって突起する突部80aを有している。このため、接続筒体79とコネクタカバー15とは、突部80aを接続部82の基端部分の外向フランジ82aを掛止することで着脱自在に接続される。
また、係止部80の突部80aは、それぞれ接続筒体79の外向フランジ82aを係止しているため、接続筒体79がコネクタカバー15に対して軸回りに回動自在となっている。したがって、接続筒体79と連結する操作部側案内管14も、コネクタカバー15に対して回動自在に接続されている。
このような操作部側案内管14とコネクタカバー15との接続部分において、螺旋形状部51aの基端部は、基端側口金83に接着剤83aにより固着されている。この基端側口金83は、スライド筒84内に嵌挿されている。スライド筒84には、雄ねじ85の頭部が嵌るような長孔84aが上下に対称的に2つ形成されている。
基端側口金83は、スライド筒84の長孔84aに対応した位置に雌ねじ部83bが形成されており、この雌ねじ部83bに雄ねじ85が螺合されるようになっている。スライド筒84の基端側は、回転軸86の先端部分と固定螺子87により接続されている。また、回転軸86は、図示しないがコネクタカバー15内で回動支持されている。
尚、コネクタカバー15がモータボックス16(図1参照)と連結されている状態において、図9に示すように回転軸86が設けられる挿入部側ギア86aと、モータボックス16に設けられる、モータ59のモータギア59aとが噛合する。そして、モータ59の駆動力が各ギアに伝達されて、回転軸86、及び基端側口金83を介して、回転筒体51が軸回りに回転する。
スライド筒84の先端側には、基端側口金83が抜けないように内向フランジ部84bが形成されている。この基端側口金83は、内向フランジ部84bと回転軸86の先端側との間で長手方向にスライド可能となっている。これにより、回転筒体51は、回転時にトルクがかかっても基端側口金83がスライドすることにより、長手方向に伸縮自在とな
り硬化することがないので挿入性が落ちるのを防止することができる。
次に、図12を参照しながら、挿入補助具11について説明する。
図12に示すように、前記構成の挿入部6Aが挿通される挿入補助具11は、筒状の挿入管53、外向フランジとなりドーナツ円盤状の当接部54、及び保持管55からなる補助具挿入部58と、先端側案内管13を接続する2つの接続環56、57とを有して構成されている。
保持管55は、両端外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどを用いて構成される硬質な筒体でも良い)である。この保持環55には、基端側の内周面に雄螺子部が形成されている。
第1固定環56は、両端外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどを用いて構成される硬質な筒体でも良い)である。この第1固定環56には、外周面に雄螺子部、及び内周面側に雌螺子部が形成されている。
第2固定環57は、外周部分が二段階に外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどを用いて構成される硬質な筒体でも良い)である。この第2固定環57には、外周面に雄螺子部が形成されている。
次に、実施例1の特徴となる主要部の構成について、図2及び図5から図8を参照しながら説明する。
本実施例では、図2、図5及び図6に示すように、先端部8と湾曲部9との連結部分には、第2の検出部を構成する、複数の圧力センサ60が設けられている。これらの圧力センサ60は、図2及び図6に示すように、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向の圧力を検出するものであり、例えば、係止孔部39aの先端側の固定面39b上に複数個固定されている。
この場合、圧力センサ60は、図6及び図8に示すように、挿入部6Aの挿入軸方向に対して、例えば、上側(U側)、下側(D側)、左側(L側)、右側(R側)、左上側(LU側)、上右側(UR側)、下左側(DL側)及び右下側(RD側)の8つの各方向(図15参照)の圧力を検出するように設けられている。
尚、圧力センサ60は、8つの方向に限定されるものではなく、これ以外の複数の方向を検出するように設ければ良い。
そして、これら複数の圧力センサ60には、第2の検出部を構成するもので先端部8の本体環26の基端部に設けられた複数の押圧部61が、圧力のかからない程度の状態にて接触している。
これらの押圧部61は、図7に示すように、前記圧力センサ60に対向配置するように圧力センサ60の数に応じた数だけ設けられている。そして、これらの押圧部61は、図6に示すように、先端部8の本体環26の基端部から前記湾曲部9の固定面39bの内周方向に向かって突起する形状に形成されている。例えば、これらの押圧部61は、それぞれ前記圧力センサ60と面接触可能な方形状に形成されている。
尚、押圧部61の形状は、方形状に限定されるものではなく、圧力センサ60と確実に接触する形状であればいずれの形状でも良い。
また、押圧部61の形状は、図9に示す変形例1に示すように、圧力センサ60と点接触可能な円弧形状に形成した押圧部61Aとして構成すれば、圧力センサ60と点接触することにより各圧力センサ60への接触圧を高め、圧力センサ60の出力感度を良好にすることができるので、圧力検出精度向上に有効である。
このような複数の圧力センサ60を設けた湾曲部9の湾曲外皮41の先端部分には、図2、図5及び図6に示すように、変形部41aが設けられている。この変形部41aは、前記したように、例えば、蛇腹状に形成されて挿入部6Aの挿入軸方向に対して自在に変形可能である。
つまり、湾曲部9の先端側に変形部41aを設けたことにより、圧力センサ60を内部に有する変形部41aが、挿入部6Aの挿入時、又は挿入時における湾曲部9の湾曲時に自在に変形することで、押圧部61と圧力センサ60とによる各種方向の圧力検出精度を高めることが可能である。
また、変形部41aの先端部分は、図2に示すように、糸巻き接着部42により、先端部8の本体環26の基端部分に対して水密に接着されているので、挿入部6Aの挿入時に湾曲部9が湾曲したり、或いは体壁との摩擦力が加わって変形部41aが変形しても挿入部6A内部に体液等が浸入することもない。
そして、前記複数の圧力センサ60には、図6に示すように、信号線60aが電気的に接続されている。この信号線60aは、挿入部6A内に挿通されて、基端部が図10に示す加圧量検出部73に電気的に接続される。
尚、圧力センサ60は、回転しない湾曲部9内の係止孔部39aの固定面39bに固定されているので、回転筒体51が回転した場合でも回転することはない。
圧力センサ60は、押圧部61との接触圧に応じた圧力及び方向を検出し、検出した検出信号を信号線60aを介して図10に示す加圧量検出部73に出力する。
次に、本実施例の回転自走式内視鏡システム1の内視鏡2、及び制御装置3の全体的な電気的構成について、図10を参照しながら説明する。
前記したように、内視鏡2と制御装置3は、ユニバーサルコード18aによって、電気的に接続される。本実施例の内視鏡2は、前記したように先端部8内に撮像ユニット27が内蔵されている。また、内視鏡2のモータボックス16には、挿入部本体10に外挿する回転筒体51をギヤにより回転させるモータ59が内蔵されている。
このモータ59の回転軸には、第1の検出部を構成するモータエンコーダ59bが設けられている。このモータエンコーダ59bは、モータ59の回転駆動状態を検出し、検出信号を、トルク検出部を構成するモータドライバ67に出力する。
また、操作部7の主操作部18には、モータ59を回転/停止させるための入力部72が内蔵されている。
これら内視鏡2に内蔵される各装置は、制御装置3内に内蔵される各種装置と電気的に接続されている。
具体的には、制御装置3は、回転制御部66と、トルク検出部であるモータドライバ67と、モニタ4に画像信号を出力する画像処理部68と、各種動作状態等を表示可能な警告ランプ、液晶モニタなどの表示部69と、警報部であるブザー70と、トルク判定及び圧力判定行うのに必要なトルク閾値及び圧力閾値等の閾値を格納している記憶手段としてのメモリ部71と、加圧量検出部73と、を有している。
先端部8の撮像ユニット27は、画像処理部68と電気的に接続されている。画像処理部68は、回転制御部66と電気的に接続されている。この画像処理部68は、撮像ユニット27からの画像信号が入力され、モニタ4へ画像信号を出力する。
また、画像処理部68は、回転制御部66の後述する演算部66aにより、加圧量検出部73からの検出結果に基づき演算処理された場合には、この演算処理結果に表示処理を施して、モニタ4へ出力する。また、撮像ユニット27の各LED34への電力は、画像処理部68を介して供給される。
モータボックス16のモータ59は、モータドライバ67と電気的に接続されている。このモータドライバ67は、回転制御部66と電気的に接続されている。モータドライバ67は、モータエンコーダ59bからのパルス信号を基に、モータ59のトルク(回転トルクともいう)を検出し、回転制御部66に検出信号であるパルス信号を出力すると共に、回転制御部66によってその駆動が制御されるようになっている。
尚、モータエンコーダ59b及びモータドライバ67は、第1の検出部を構成し、先端部8の押圧部61、圧力センサ60及び加圧量検出部73は、第2の検出部を構成している。また、前記回転制御部66は、トルク判定部及び圧力判定部を有する制御部を構成している。
挿入部6Aの先端部8と湾曲部9との連結部分に設けられた圧力センサ60は、押圧部61との接触圧に応じた圧力を検出し、検出した検出信号を信号線60aを介して加圧量検出部73に出力する。
加圧量検出部73は、供給された検出信号に基づき、各種方向の加圧量を検出し、検出結果を図10に示す回転制御部66及び画像処理部68に出力する。
一方、主操作部18の入力部72、及び図1で説明したフットスイッチ25は、回転制御部66に電気的に接続され、回転筒体51を回転させるモータ59のON/OFFを切り替える。尚、入力部72、及びフットスイッチ25は、どちらが操作されても、モータ59をON/OFFすることができる。
また、回転制御部66は、警告ランプ、液晶モニタなどの表示部69、及びブザー70ともに電気的に接続されて、これら表示部69、及びブザー70を制御する。
尚、内視鏡2は、コネクタカバー15がモータボックス16(図1参照)と接続されると、回転軸86に設けられたギヤ86aと、モータボックス16に設けられたモータ59のギヤ59aとが噛合し、モータの駆動力が各ギヤに伝達されて、回転軸86、及び基端側口金83を介して、螺旋形状部51aが長手軸回りに回転するようになっている。
すなわち、螺旋形状部51aは、モータボックス16からの回転駆動力を基端部から伝達されるようになっている。尚、螺旋形状部51a内を挿通する内層チューブ49aは、コネクタカバー15内から回転軸86を挿通して螺旋形状部51aへ至るようになっている。
また、コネクタカバー15とモータボックス16とには、夫々が連結した状態で、撮像ユニット27と制御装置3とが電気的に接続できるように、電気的に接続される図示しない電気コネクタを有している。
画像処理部68は、回転制御部66による制御によって、供給された信号に信号処理を施してモニタ4に出力する。モニタ4は、モータエンコーダ波形又は後述する挿入部6Aの先端部8の各種方向毎の加圧量表示画面(図15参照)を表示することにより、例えば術者に対して挿入部6Aの回転駆動状態及び各種方向毎の加圧状態を知らしめることができるようになっている。
本実施例では、制御装置3内のメモリ部71には、予め設定された、トルク判定及び圧力判定を行うのに必要なトルク閾値及び圧力閾値等の閾値を格納している。このメモリ部71は、回転制御部66によって、格納されている各閾値の読み出し、又は閾値の書き込みが制御されるようになっている。
回転制御部66は、モータエンコーダ59bによる検出結果と予め設定された前記トルク閾値とで比較を行うトルク判定部(図16に示すステップS2)と、圧力センサ60による検出結果(加圧量検出部73を介して後述する演算部66aの演算結果)と予め設定された前記圧力閾値とで比較を行う圧力判定部(図16に示すステップS3及びステップS8に相当)とを有し、前記トルク判定部によるトルク判定結果と前記圧力判定部による圧力判定結果との少なくとも一方に基づいて、モータ59を駆動させるモータドライバ67を制御するようになっている。
回転制御部66は、第2の検出部を構成する加圧量検出部73からの検出結果を基に、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向毎の圧力を表示するための演算処理を行う演算部66aを有している。
そして、回転制御部66は、この演算部66aによる演算結果を、例えば、図15に示すようにな挿入部6Aの各種方向毎の加圧量表示画面4Aをモニタ4に表示するように表示制御する。これにより、術者に湾曲部9に加わっている各種方向毎の加圧量を告知させることができる。
尚、前記第2の検出部として、圧力センサ60及び押圧部61を用いた構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、歪みセンサ等の変形量検出部を先端部8と湾曲部9との内部の連結部分に設け、この変形量検出部からの変形量に基づき、変形した各種方向を得るように構成しても良い。
次に、このような制御が可能な回転制御部66を有する回転自走式内視鏡システム1の使用例を説明する。尚、以下の説明において、図11〜図14を参照しながら大腸内視鏡検査を例に挙げて説明する。
いま、内視鏡システム1を用いて、例えば大腸検査を行うものとする。このとき、術者は、挿入補助具11を例えば、ベッド上に横たわっている患者の肛門から挿入する。尚、挿入部6Aは、収納ケース12内において、図11に示すような曲線を描いて撓んだ状態で収容されている。
挿入補助具11は、図12に示すように、当接部54が患者の肛門501近傍の臀部510に当接することで、挿入管53のみが肛門501から直腸502内に挿入された状態となる。すなわち、挿入補助具11は、当接部54によって、その全体が直腸502内に挿入されることが防止される。このとき、術者は、当接部54をテープなどで患者の臀部510へ固定する。
このような状態で、術者は、操作部7の把持部17を握持し、フットスイッチ25の足元操作、或いは主操作部18に設けた進退スイッチの手元操作により、挿入部本体10の螺旋形状部51aを長手軸回りに回転させる。
尚、収納ケース12は、各案内管13、14の一端部分を夫々連結する案内管固定部材64、65(図11参照)が配設されている。このうち、先端側案内管13を連結する案内管固定部材64内に、図示しないが螺旋形状部51aにゴム板等を嵌合させることで螺旋形状部51aに与えられた回転力を利用してこの螺旋形状部51aに推進力を与えるように構成してもよい。
術者は、操作部7のモータボックス16内に配設されるモータ59を前記した足元操作、或いは手元操作によって、回転駆動状態にする。螺旋形状部51aには、基端部分から先端側へ回転力が伝達され、その全体が図12の矢印に示すような軸回りに所定の方向へ回転し、収納ケース12の案内管固定部材64から推進力を与えられる。
推進力を与えられた螺旋形状部51aは、図2に示した先端側口金50が螺旋管接続口金48を押圧する。これにより、先端部8及び湾曲部9を含む挿入部本体10全体(挿入部6A)は、螺旋形状部51aの推進力によって、先端側案内管13及び挿入補助具11を介して、大腸内の深部に向かって進んでいく。
術者は、挿入部6Aを把持して押し進めることなく、挿入補助具11の保持管55を軽く把持し、案内管固定部材64内で与えられた推進力のみで挿入部6Aを大腸内の深部に向かって前進させることができる。
このとき、螺旋形状部51aは、腸壁の襞との接触状態が雄ねじと雌ねじとの関係になる。螺旋形状部51aは、案内管固定部材64内で与えられた推進力と、腸壁の襞との接触により発生した推進力とによりスムーズに前進し、結果として挿入部6Aは直腸502からS字状結腸503に向かって進んでいく。
図13に示すように挿入部6Aは、先端部8、及び湾曲部9がS字状結腸503に到達する。このとき、術者は、モニタ4により映し出された内視鏡画像を見ながら、主操作部18の湾曲操作ノブ19(図1参照)を操作して、湾曲部9をS字状結腸503の屈曲状態に合わせる湾曲操作などを行う。
術者は、湾曲部9の湾曲操作により、挿入が困難であるS字状結腸503を推進力が与えられた挿入部6Aにより、前進させながら先端部8をスムーズに通過させることができる。挿入部6Aは、大腸の深部に挿入されるにつれ、案内管固定部材64内で推進力が常に与えられている状態であり、且つ、螺旋形状部51aと腸壁との接触長が長くなる。
このため、挿入部6Aは、螺旋形状部51aの一部がS字状結腸503の襞に接触している状態、挿入部本体10が複雑に屈曲している状態などでも安定した大腸深部方向への推進力が得られる。また、挿入部6Aは、充分な可撓性を有していることから、容易に位置が変化するS字状結腸503の走行状態を変化させることなく、腸壁に沿ってスムーズに前進していく。
挿入部6Aは、S字状結腸503を通過し、その後、S字状結腸503と可動性に乏しい下行結腸504との境界である屈曲部,下行結腸504と可動性に富む横行結腸506との境界である脾湾曲505、横行結腸506と上行結腸508との境界である肝湾曲507の壁に沿うようにスムーズに前進して、図14に示すように大腸の走行状態を変化させることなく、例えば目的部位である盲腸509近傍に到達する。
この挿入操作の際、術者は、先端部8が各屈曲部(脾湾曲505,肝湾曲507)に到達したとき、前記と同じように、モニタ4により映し出された内視鏡画像を見ながら、主操作部18の湾曲操作ノブ19を操作して、各部位の屈曲状態に合わせて、湾曲操作する。 術者は、モニタ4の内視鏡画像により、先端部8が盲腸509近傍まで到達したと判断した後、前記した足元操作、或いは手元操作により、一度、螺旋形状部51aの回転を停止する。術者は、挿入時に回転させていた軸回りの回転方向とは逆の方向に、フットスイッチ25の足元操作、或いは主操作部18の入力部72の手元操作で螺旋形状部51aを逆回転させる操作を行う。
つまり、術者は、螺旋形状部51aを挿入時とは逆に反転させて、先端部8を大腸の深部、盲腸509の近傍から抜去する方向へと挿入部6Aを後進させながら大腸検査を行う。術者は、挿入部6Aに手を触れずとも、螺旋形状部51aが案内管固定部材64内で与えられた後退力により、挿入部6Aを後退させることができる。また、挿入部6Aは、先端部8及び湾曲部9がスナップフィット機能により、螺旋形状部51aに引っ張られることで、全体が螺旋形状部51aの推進力により後退する。
術者は、挿入部6Aの先端部8が挿入補助具11まで到達したら、この挿入補助具11と共に、挿入部6Aを患者の肛門501より抜去して、大腸検査を終了する。このとき、挿入部6Aは、案内管固定部材64内で後退力が与えられ、収納ケース12内に図11に示したような元の状態に湾曲しながら収納される。
以上のように、術者は、本実施例の回転自走式内視鏡システム1により、体腔、ここでは大腸の深部へと挿入部6Aを容易に挿入でき内視鏡検査を行うことができる。
ところで、このような体腔へ挿入部本体10を挿入している際に、屈曲した大腸などの体腔壁と回転する回転筒体51との摩擦が増大し、回転筒体51の回転がし難くなる場合がある。
このような場合、従来の回転自走式内視鏡では、回転筒体51を回転駆動制御するための制御情報は、モータ59のトルクを検出するモータエンコーダ59b(トルクセンサともいう)からのトルク検出結果を用いているため、回転筒体51の回転時において、外周面がどの部位の体腔壁とで摩擦力(抵抗力)が生じたのか、また、どれくらいの摩擦力が生じたのかを把握することができず、その結果、モータ59の回転数駆動動作、回転筒体51の正回転駆動又は逆回転駆動、及び停止動作といった大まかな駆動制御しか行うことができない。
特に、挿入部6Aに湾曲部9を備えた回転自走式内視鏡1の場合、挿入部6Aが長尺で柔軟性を有しているため、挿入部6Aが体腔内の深部に挿入されるのにしたがって、湾曲部9のどの挿入軸方向に、どれくらいの圧力(抵抗力)が加わっているのかを把握することができず、術者による湾曲操作が困難となってしまい、結果として、挿入部6Aの挿入性を向上させることができない。
そこで、本実施例の回転自走式内視鏡システム1では、挿入部6Aの挿入性を向上させるために、前記したようにモータエンコーダ59b以外に挿入部6Aの挿入軸方向の圧力を検出するための圧力センサ60及び押圧部61を挿入部6Aに設けて、トルク検出結果と圧力検出結果との少なくとも一方に基づいて回転筒体51の駆動制御を行うことを可能にしてている。
具体的には、回転制御部66は、モータエンコーダ59bによる検出結果と予め設定された前記トルク閾値とで比較を行うトルク判定部(図16に示すステップS2)と、圧力センサ60による検出結果(加圧量検出部73を介して後述する演算部66aの演算処理結果)と予め設定された前記圧力閾値とで比較を行う圧力判定部(図16に示すステップS3及びステップS8に相当)とを有し、前記トルク判定部によるトルク判定結果と前記圧力判定部による圧力判定結果との少なくとも一方に基づいて、モータ59を駆動させるモータドライバ67を制御する。尚、モータ59及びモータドライバ67は、駆動部を構成している。
また、モータ59の駆動制御後期期間(例えば図16のプログラムに示すステップS8の処理期間)の圧力判定部に用いられる圧力閾値は、モータ59の駆動制御初期期間(例えば図16のプログラムに示すステップS2、ステップS3の処理期間)に用いられる圧力閾値よりも大きく設定されている。
そして、回転制御部66は、駆動制御初期期間(例えば図16のプログラムに示すステップS2、ステップS3の処理期間)のトルク判定部及び圧力判定部によるそれぞれの判定結果が共にトルク閾値及び圧力閾値を超えた場合には、回転筒体51の回転を停止、逆回転、停止、正回転させるようにモータ59のモータドライバ67を制御し、その後、湾曲部9の操作実行を促すように、例えば図15に示すように加圧量表示画面4Aをモニタ4に表示させる。
一方、回転制御部66は、駆動制御後期期間(例えば図16のプログラムに示すステップS8の処理期間)の圧力判定部による判定結果が、駆動制御初期期間(例えば図16のプログラム中のステップS3の処理期間)よりも大きな圧力閾値を超えた場合には、回転筒体51の回転を自動的に停止させるようにモータ59のモータドライバ67を制御するようになっている。
このような制御装置3の回転制御部66による具体的な制御例を、図15及び図16を参照しながら説明する。
本実施例の回転自走式内視鏡システム1では、前記したように大腸内視鏡検査を行う場合に電源を投入すると、制御装置3の回転制御部66は、内部の図示しないメモリに格納された図16に示すプログラムを読み出して実行する。つまり、回転自走式内視鏡システム1の使用中には、回転制御部66によって図16に示すプログラムが実行されることになる。
尚、図16に示すステップS2はトルク判定部を構成し、ステップS3及びステップS8は圧力判定部を構成している。
図16に示すように、回転制御部66は、ステップS1の処理にて、モータ59の回転速度が一定になるようにモータドライバ67を制御し、続く、駆動制御初期期間において、ステップS2のトルク判定処理を行う。
このステップS2のトルク判定処理では、モータドライバ67からの検出信号(具体的にはモータ59に流れる電流Iによって演算されたトルクT(I))と、許容最大トルク閾値の例えば70%に設定されたトルク閾値αとを比較し、このトルクT(I)がトルク閾値αよりも同じか小さいものであれば、正常に回転しているものと判断して、処理をステップS1に戻す。
一方、トルクT(I)がトルク閾値αよりも超えた場合には、回転している回転筒体51にある程度の負荷等が加わったものと判断して処理をステップS3に移行する。
ステップS3では、圧力判定処理を行う。この場合、圧力判定処理では、回転制御部66は、加圧量検出部73からの検出結果を基に演算部66aによって各種方向及び加圧量Pを求め、この加圧量Pと、湾曲部9の許容最大圧力閾値γの例えば70%に設定された圧力閾値βとを比較する。
ここで、求めた加圧量Pが圧力閾値βよりも同じか小さい場合には、処理をステップS1に戻す。一方、求めた加圧量Pが圧力閾値βよりも超えた場合には、挿入部6Aの先端部8及び湾曲部9にある程度の圧力(抵抗力)等が加わったものとして、処理を、駆動制御中期期間(例えば図16のプログラム中のステップS4〜ステップS7に示す処理期間)におけるステップS4に移行する。
そして、回転制御部66は、前記トルク判定結果及びジッタ判定結果が共にトルク閾値α及び圧力閾値βを超えた場合には、ステップS4の処理にて、モータ59を、例えばt1=1Sec間停止させるようにモータドライバ67を制御する。
そして、回転制御部66は、続くステップS5の処理にて、モータ59を、例えばt1=20Sec間逆回転させるようにモータドライバ67を制御制御し、その後、続くステップS6の処理にて、モータ59を、前記ステップS1と同様にステップS7の処理にて、モータ59の回転速度が一定になるようにモータドライバ67を制御して、処理をステップS7に移行する。
回転制御部66は、ステップS7の処理にて、術者によって湾曲操作ノブ19が操作される湾曲操作に基づき、湾曲部9を所望の方向へと湾曲動作させるように制御する。
この場合、回転制御部66は、演算部66aにより、加圧量検出部73からの検出結果を基に、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向毎の圧力を表示するための演算処理を行い、画像処理部68を介してモニタ4に出力する。
このことにより、モニタ4には、例えば、図15に示すようにな挿入部6Aの各種方向毎に加圧量が表示された加圧量表示画面4Aが表示される。
この加圧量表示画面4Aは、図15に示すように、例えば、少なくとも8つの各種方向毎に圧力量を示すための複数のレベル表示部4aを有している。このようなレベル表示部4aは、複数色表示させることにより、圧力が強くなったことを術者等に告知させるようになっている。
尚、挿入部6Aを最初に挿入した挿入初期、或いは先端部8及び湾曲部9に圧力が加わってない状態の挿入時においては、図15に示すように、各種方向のレベル表示部4aをそれぞれ1つ色表示させている。そして、挿入動作を進めると、体腔壁との摩擦力に応じて圧力が先端部8に加わると、この加圧量(圧力量)に応じて、圧力が加わっているいずれかの方向のレベル表示部4aの色表示部分が増えることになる。
また、実施例では、加圧量(圧力量)の大きさを複数のレベル表示部4aを用いて表すように説明したが、これに限定されるものではなく、各種方向毎の加圧量(圧力量)を術者等に認識させることができればその他の方法を用いて加圧量表示画面4Aを表示させても良い。
このような表示を行うことにより、術者に湾曲部9に加わっている各種方向毎の加圧量(圧力量)を告知させることができる。
そして、回転制御部66は、駆動制御後期期間(例えば図16のプログラムのステップS8の処理期間)において、ステップS8の圧力判定処理を行う。
このステップS8の圧力判定処理では、回転制御部66は、加圧量検出部73からの検出結果を基に演算部66aによって各種方向及び加圧量Pを求め、この加圧量Pと、湾曲部9の許容最大圧力閾値γとを比較する。
ここで、求めた加圧量Pが許容最大捻れ閾値γよりも同じか小さい場合には、湾曲部9の加圧状態が挿入部6Aの挿入可能であり且つ湾曲可能な状態であると判断して、処理をステップS1に戻す。
一方、求めた加圧量Pが許容最大捻れ閾値γよりも超えた場合には、先端部8を介して湾曲部9に、挿入時に進退動作させるのに不可能な許容最大の加圧量が加わったものと判断して、続くステップS9の処理によって、モータ59を停止させるようにモータドライバ67を制御する。
この場合、モータ59を停止させることにより、自動的に回転筒体51の回転動作が完全に自動停止されることになるが、この旨を、モニタ4に表示するように制御しても良い。すなわち、このような告知表示を行うことにより、術者の手動によって、挿入部6Aを体腔内より抜去させたり、又は押し込むようにして、湾曲部9に対する加圧量や負荷等を開放させれば、再挿入操作を行うことが可能となる。
尚、ステップS2及びステップS3にて用いられたトルク閾値α及び圧力閾値βは、許容最大トルク閾値及び許容最大圧力閾値γの70%に限定されることはなく、必要に応じて替えて設定するようにしても良い。
また、ステップS4からステップS6における時間t1についても、必要に応じて適宜変更して設定するようにしても良い。
さらに、必要に応じて、前記ステップS8の後に、モータ59に流れる電流Iによって演算されたトルクT(I)と許容最大トルク値とで比較を行うトルク判定処理を行うように制御しても良い。このことにより、より安全性を高めることができる。
したがって、実施例1によれば、モータエンコーダ59b等のトルクセンサ以外に、挿入部6Aの挿入軸方向の圧力を検出する圧力センサ60及び押圧部61を挿入部6Aに設けて、トルク検出結果と圧力検出結果との少なくとも一方に基づいて回転筒体51の駆動制御を行うことを可能にして、挿入部6Aの挿入性を向上させることができる。
また、回転制御部66の演算部66aにより、加圧量検出部73からの検出結果を基に、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向毎の圧力を表示するための演算処理を行い、画像処理部68を介してモニタ4に出力することで、このモニタ4に、図15に示すようにな挿入部6Aの各種方向毎に加圧量が表示された加圧量表示画面4Aを表示することができる。
このことにより、湾曲部9の各種方向に係る加圧量を術者に告知することができるので、常に先端部8を体腔内に確保できるような湾曲操作、すなわち、湾曲部9に圧力が加わっている方向とは逆方向(圧力を最低限にする方向)に湾曲操作を行うことができる。
(実施例2)
次に、図17を用いて、実施例2の回転自走式内視鏡システム1について説明する。図17は、本発明の実施例2の回転自走式内視鏡システムに係り、回転自走式内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。尚、図17は、実施例1の回転自走式内視鏡システム1と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
実施例2の回転自走式内視鏡システム1の構成は、実施例1と略同様であるが、第2の検出部の構成が異なっている。
具体的には、図17に示すように、実施例2の回転自走式内視鏡システム1は、実施例1にて用いた第2の検出部を先端部8と湾曲部9との連結部分に設けずに、収納ケース12とモータボックス16との間に配設している。
第2の検出部としては、圧力センサ94と、少なくとも3つの第1〜第3のローラプーリ90、91、92と、感度調整バネ93とを有して構成している。
第1のローラプーリ90は、収納ケース12の基端側から導出される挿入部6Aの回転筒体51が巻回される位置に配設される。そして、その第1のローラプーリ90の下部方向には、挿入部6Aの挿入軸方向に対して垂直方向(図17中に示す矢印方向)に移動自在な第2のローラプーリ91が配設されている。
この第2のローラプーリ91には、第1のローラプーリに巻回された挿入部6Aの回転筒体51が巻回される。そして、この第2のローラプーリ91に巻回された挿入部6Aの回転筒体51の基端部は、前記第1のローラプーリ90と略平行に配設された第3のローラプーリ92に巻回された後、モータボックス16内に接続される。
そして、第2のローラプーリ91には、圧力センサ94の感度を調整するための感度調整バネ91の基端部が接続されている。この感度調整バネ91の他端部は、圧力センサ94に接続されている。
圧力センサ94は、実施例1と同様に、第2のローラプーリ91、感度調整バネ93を介して、第2のローラプーリ91に巻回されている挿入部6Aの挿入軸方向に係る圧力を検出し、検出結果を、信号線94aにて電気的に接続されている加圧量検出部73に出力するようになっている。
尚、実施例2の圧力センサ94は、実施例1の圧力センサ60のように、挿入部6Aの挿入軸方向対し複数方向毎の圧力を検出するものではなく、少なくとも、挿入部6Aが体腔内に挿入可能な挿入軸方向における圧力、又は湾曲部9が湾曲可能な挿入軸方向における圧力を検出するようになっている。
その他の構成、及び回転制御部66による制御については実施例1と同様である。
したがって、実施例2によれば、実施例1よりも挿入部6Aに圧力が加わる方向の検出については、挿入部6Aに圧力が加わっている複数方向を検出することは出来ないが、少なくとも挿入部6Aの挿入軸方向における圧力を検出することができるので、内視鏡2の先端部8及び湾曲部9を複雑な構成にすることなく、簡単な構成で且つ低コストで挿入部6Aの挿入性を向上できる。
(実施例3)
次に、図18を用いて、実施例3の回転自走式内視鏡システム1について説明する。図18は、本発明の実施例3の回転自走式内視鏡システムに係り、回転自走式内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。尚、図18は、実施例2の回転自走式内視鏡システム1と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図18に示すように、実施例3の回転自走式内視鏡システム1の構成は、実施例2と略同様であるが、第2の検出部による圧力検出感度をさらに向上させるために、第2、第3の圧力センサ95、96及び第2、第3の感度調整バネ97、98を設けている。
第1のローラプーリ90には、第2の圧力センサ95の感度を調整するための第2の感度調整バネ97の基端部が接続されている。この第2の感度調整バネ97の他端部は、第2の圧力センサ95に接続されている。
また、第3のローラプーリ92には、第3の圧力センサ96の感度を調整するための第3の感度調整バネ98の基端部が接続されている。この第3の感度調整バネ98の他端部は、第3の圧力センサ96に接続されている。
そして、第2の圧力センサ95は、実施例1と同様に、第1のローラプーリ90、第2の感度調整バネ95を介して、第1のローラプーリ90に巻回されている挿入部6Aの挿入軸方向に係る圧力を検出し、検出結果を、信号線95aにて電気的に接続されている加圧量検出部73に出力するようになっている。
また、第3の圧力センサ96は、実施例1と同様に、第3のローラプーリ92、第3の感度調整バネ98を介して、第3のローラプーリ92に巻回されている挿入部6Aの挿入軸方向に係る圧力を検出し、検出結果を、信号線96aにて電気的に接続されている加圧量検出部73に出力するようになっている。
加圧量検出部73は、前記第1〜第3の圧力センサ94、95,96から供給された各検出信号に基づき、挿入部6Aの挿入軸方向の少なくとも上下2方向の加圧量を検出し、検出結果を図10に示す回転制御部66及び画像処理部68に出力する。
その他の構成及び作用は、実施例2と同様である。
したがって、実施例3によれば、第1〜第3の圧力センサ94〜95、及び第1〜第3の感度調整バネ93、97、98を設けたことにより、挿入部6Aの挿入軸方向の少なくとも上下2方向、及びこれら上下2方向に係る加圧量を検出することができるので、実施例2よりも検出精度を向上させることが可能となる。
尚、実施例2、及び実施例3において、さらに、実施例1と同様に圧力センサ60及び押圧部61を先端部8と湾曲部9との連結部分に設けて構成しても良い。
以上の実施例に記載した発明は、その実施例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施例には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば、実施例に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明の実施例1に係り、回転自走式内視鏡システムの全体構成を示す外観図。 内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部を示す断面図。 回転筒体と挿入部本体を示す断面図。 操作部側案内管が接続されたコネクタカバーの一部を示す断面図。 第2の検出部を構成する圧力センサを設けた内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部の外観を示す斜視図。 図5のセンサの配置位置を説明するための内視鏡の先端部、及び湾曲部近傍の外観を示す分解斜視図。 先端部の押圧部の構成を説明するための先端部と湾曲部との連結部分の断面図。 湾曲部の圧力センサの構成を説明するための先端部と湾曲部との連結部分の断面図。 先端部の押圧部の変形例を示す先端部の斜視図。 回転自走式内視鏡システムの電気的な全体構成を示すブロック図。 図1の収納ケースを示す上面図。 挿入補助具が患者の肛門から直腸へ挿入された状態を示す説明図。 大腸内に挿入された挿入部本体がS字状結腸に到達した際の状態を示す説明図。 大腸内に挿入された挿入部本体が盲腸近傍に到達した際の状態を示す説明図。 挿入部の挿入軸方向毎の圧力をモニター表示した一例を示す画面表示図。 実施例1の作用を説明するもので、制御装置内の回転制御部による制御例を示すフローチャート。 本発明の実施例2の回転自走式内視鏡システムの全体構成を示すブロック図。 本発明の実施例3の回転自走式内視鏡システムの全体構成を示すブロック図。
符号の説明
1…回転自走式内視鏡システム、
2…回転自走式内視鏡、
3…制御装置、
4…モニタ、
4a…レベル表示部、
4A…加圧量表示画面、
6…収納ケース付内視鏡挿入部(収納ケース付挿入部)、
6A…挿入部、
7…操作部、
8…先端硬性部、
9…湾曲部、
10…挿入部本体、
11…挿入補助具、
12…収納ケース、
13…先端側案内管、
14…操作部側案内管、
15…コネクタカバー、
16…モータボックス、
39a…係止孔部、
39b…固定面、
51…回転筒体、
51a…螺旋形状部、
59a…モータギア、
59b…モータエンコーダ、
60…圧力センサ、
60a…信号線、
61、61A…押圧部、
66…回転制御部、
67…モータドライバ、
68…画像処理部、
69…表示部、
70…ブザー、
71…メモリ部、
72…入力部、
73…加圧量検出部、
I…電流値、
t…加圧量、
t1…時間、
α…トルク閾値、
β…圧力閾値、
γ…許容最大圧力閾値。

Claims (7)

  1. 撮像手段を有する先端硬性部が先端部に配設され、この先端部に湾曲自在の湾曲部が配設されて体腔内に挿入される可撓性を有する挿入部本体と、前記挿入部本体に回転可能に外嵌し、螺旋状の凹凸により螺旋形状部が形成された回転筒体とを有する挿入部と、
    前記回転筒体に軸周りに回転駆動力を与える駆動部と、
    前記回転筒体の回転駆動状態を検出する第1の検出部と、
    前記挿入部本体に設けられ、前記挿入部の先端部近傍の受ける圧力を検出する第2の検出部と、
    前記第1の検出部による検出結果と予め設定された前記回転筒体のトルクを制御するためのトルク閾値とで比較を行うトルク判定部と、前記第2の検出部による検出結果と予め設定された前記挿入部の挿入方向の圧力閾値とで比較を行う圧力判定部とを有し、前記トルク判定部によるトルク判定結果と前記圧力判定部による圧力判定結果との少なくとも一方に基づいて、前記駆動部を制御する制御部と、
    を具備したことを特徴とする回転自走式内視鏡システム。
  2. 前記第2の検出部は、前記挿入部の挿入軸方向に対して垂直な面において複数個分割した検出部を設けることで先端の受ける近傍の圧力を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡システム。
  3. 前記第2の検出部は、前記先端部と前記湾曲部との連結部分に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転自走式内視鏡システム。
  4. 前記第1の検出部は、前記駆動部に設けて前記駆動部の回転数を検出するエンコーダを有し、
    前記第2の検出部は、前記先端部の基端部に設けられた複数の押圧部と、これら複数の押圧部と対向配置されるように前記湾曲部の先端部の内周縁部に沿ってそれぞれ設けられ、前記複数のいずれかの押圧部が押圧することによりその押圧部によって押圧した挿入軸方向の圧力を検出する複数の圧力センサとを有することを特徴とする請求項3に記載の回転自走式内視鏡システム。
  5. 前記第2の検出部は、前記挿入部の基端部に設けられたもので、前記挿入部の挿入軸方向の少なくとも上下2方向の圧力を検出する圧力センサを有していることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡システム。
  6. 前記制御部は、
    前記駆動部の駆動制御初期期間において、前記トルク判定部及び前記圧力判定部によるそれぞれの判定結果が共に前記トルク閾値及び前記圧力閾値を超えた場合には、前記回転筒体の回転を停止、逆回転、停止、正回転させるように前記駆動部を制御し、
    前記駆動部の駆動制御後期期間において、前記圧力判定部による判定結果が、前記駆動制御初期期間よりも大きな前記圧力閾値を超えた場合には、前記回転筒体の回転を自動的に停止させるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡システム。
  7. 前記制御部は、
    前記第2の検出部からの検出結果を基に、前記挿入部の挿入軸方向に対して垂直な面において複数等分割した各種方向毎の圧力を表示するための演算処理を行う演算部を有し、この演算部による演算処理結果を表示手段に表示するように表示制御を行い、術者に湾曲部に圧力が加わっている方向を告知させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の回転自走式内視鏡システム。
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