JP2008270400A - 半導体製造装置用ウエハ保持体及びそれを搭載した半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内部に流体を流すための流路を有するウエハ保持体について、長期にわたって使用しても液漏れのない、信頼性の高い接続構造を提供する。
【解決手段】 内部に流体を流すための流路が形成されたウエハ保持体であり、流路に接続して外部から流体を供給し排出するためのパイプ部材と、流路の両端部付近の内周面に形成された雌ネジ部と、パイプ部材の先端部付近に形成された雄ネジ部と、雄ネジ部のパイプ部材先端と反対側の端部に設けたフランジ部と、パイプ部材の先端から挿入されてフランジ部に当接するO−リングとを有する。ウエハ保持体及びフランジ部のO−リングと接触する各接触面の表面粗さは、Raで2.0μm以下であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 内部に流体を流すための流路が形成されたウエハ保持体であり、流路に接続して外部から流体を供給し排出するためのパイプ部材と、流路の両端部付近の内周面に形成された雌ネジ部と、パイプ部材の先端部付近に形成された雄ネジ部と、雄ネジ部のパイプ部材先端と反対側の端部に設けたフランジ部と、パイプ部材の先端から挿入されてフランジ部に当接するO−リングとを有する。ウエハ保持体及びフランジ部のO−リングと接触する各接触面の表面粗さは、Raで2.0μm以下であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体製造装置に使用されるウエハ保持体、より詳しくは内部に流体を流す流路を備えたウエハ保持体と、そのウエハ保持体を備えた半導体製造装置に関するものである。
従来から、半導体製造プロセスにおいて、例えばCVDなどにおいて、ウエハを加熱し、あるいはプラズマを発生させるなどして、ウエハ表面に絶縁膜や導体膜などの成膜を行っている。これらの処理を行うためのウエハ保持体、いわゆるサセプタとして、セラミックス製のウエハ保持体が知られている。
例えば、特公平6−28258号公報などには、セラミックス製のウエハ保持体に発熱体を埋設し、凸状支持部を取り付けたウエハ保持体が記載されている。また、特開2002−025913号公報には、セラミックスヒータに金属放熱板を簡単な手法で取り付けたサセプタが開示されている。
近年では、このようなCVD装置において、成膜温度の低温化が進み、場合によっては室温以下の温度で成膜する必要が生じている。また、チャンバー内の金属成分がコンタミネーションとなり、ウエハを汚染することがあるため、金属コンタミの発生を抑えることが課題となっている。更には、真空や減圧雰囲気で使用するCVD用のウエハ保持体に対して、ウエハ保持体内に冷媒などの流体を流すことが検討されている。
上記した従来のウエハ保持体においては、ウエハ保持体内に冷媒などの流体を流すことが検討されているが、そのためのコネクタの接続構造については十分に検討されていないため、長期にわたって使用すると液漏れなどの不都合が起こりやすく、十分な信頼性を有するものは存在しなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み、内部に流体を流すための流路を有するウエハ保持体について、長期にわたって使用しても液漏れなどの不都合が生じることのない信頼性の高い接続構造を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明が提供する半導体製造装置用ウエハ保持体は、ウエハ載置面を有し、内部に流体を流すための流路が形成されたウエハ保持体であって、流路に接続して外部から流体を供給し排出するためのパイプ部材と、流路の両端部付近の内周面に形成された雌ネジ部と、パイプ部材の先端部付近に形成された雄ネジ部と、雄ネジ部のパイプ部材先端と反対側の端部に設けたフランジ部と、パイプ部材の先端から挿入されてフランジ部に当接するO−リングとを有することを特徴とする。
上記本発明の半導体製造装置用ウエハ保持体においては、前記ウエハ保持体及びフランジ部の前記O−リングと接触する各接触面の表面粗さが、Raで2.0μm以下であることが好ましく、各接触面の表面粗さがRaで1.0μm以下であることが更に好ましい。また、前記パイプ部材の少なくとも表面は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム又はこれらの合金からなることが好ましい。
また、本発明は、上記した本発明による半導体製造装置用ウエハ保持体が搭載されていることを特徴とする半導体製造装置を提供するものである。
本発明によれば、ウエハ保持体内の流路に流体を流すための信頼性の高い接続構造を具備しているために、長期にわたって使用しても液漏れが起こらず、腐食を防ぐことができるなど、信頼性の高いウエハ保持体及び半導体製造装置を提供することができる。
本発明のウエハ保持体は、内部に流体が流れる流路が形成してある。この流路に外部から流体を供給し且つ排出するパイプ部材は、ウエハ保持体の流路にネジ構造によって接続する。即ち、ウエハ保持体に設けた流路の両端部付近の内周面に雌ネジ部を形成すると共に、パイプ部材の先端部付近に雄ネジ部を形成し、この雌ネジ部と雄ネジ部を螺合することにより、パイプ部材をウエハ保持体の流路に接続する。尚、パイプ部材を接続する流路の両端部は、ウエハ載置面以外の面に開口することが好ましい。
上記のごとくウエハ保持体の流路とパイプ部材をネジ構造で接続しても、そのままパイプ部材から流路に流体を流すとネジによる接続部から流体が漏れてしまうため、接続部付近に封止構造を設ける必要がある。封止構造としては、ガラスやロウ材などによる封止や、O−リングなどによる機械的な封止構造が挙げられる。例えば、接続部付近にリング状の封止部材を配置し、この封止部材をガラスやロウ材によってウエハ保持体とパイプ部材に接合すれば、簡単に封止することができる。
しかし、ガラスやロウ材などによる封止の場合、封止時にウエハ保持体とパイプ部材を封止に必要な所定の温度まで加熱昇温する必要がある。そのため、例えばウエハ保持体がセラミックスである場合には、セラミックスと熱膨張係数がほぼ一致するパイプ部材を準備しなければならい。特に、セラミックスが窒化アルミニウムである場合には、熱膨張係数がほぼ一致するパイプ部材はタングステンやモリブデンなどの熱膨張係数の低い物質に限られるため、コストが高くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明においては、パイプ部材の先端部付近に形成した雄ネジ部の後端部、即ち雄ネジ部のパイプ部材先端と反対側の端部に、フランジ部を設ける。そして、このフランジ部に当接するように、パイプ部材の先端からO−リングを挿入して配置する。従って、パイプ部材の雄ネジ部をウエハ保持体の雌ネジ部に螺合することにより、ウエハ保持体とパイプ部材のフランジ部との間でO−リングが密着して挟持されるため、信頼性の高い封止構造が完成する。尚、この封止構造の場合、パイプ部材やO−リングの取り外し、並びに交換が非常に容易であるというメリットもある。
上記本発明の封止構造は、ネジの螺合により機械的に形成することができるため、ウエハ保持体などに熱を加える必要がない。そのため、パイプ部材やフランジ部の材質として、ウエハ保持体を構成するセラミックとの熱膨張係数差を考慮する必要がなく、各種の金属材料を選択することができる。例えば、タングステン、モリブデン、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅などのパイプ部材とフランジ部を使用することができる。金属製のパイプ部材とフランジ部は、溶接によって安価に固定することが可能である。
また、パイプ部材の表面は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム及びこれらの合金であることが好ましい。パイプ部材の表面がステンレス、ニッケル、アルミニウム及びこれらの合金であれば、チャンバー内の雰囲気としてフッ素系ガスにさらされる場合でも、フッ素化合物を形成し、これが不動態膜となって腐食を食い止めることができる。また、これらの材料は、大気中にさらされても薄い酸化皮膜が形成されるため、腐食が進むことがなく好適である。
ウエハ保持体及びフランジ部のO−リングと接触する接触面は、その表面粗さがRa(中心線平均粗さ)で2.0μm以下であることが好ましい。更に、Raが1.0μm以下であれば、流体がヘリウムであっても漏れることがないため特に好ましい。また、Raが1.0〜2.0μmの範囲内であれば、流体が液体である場合に漏れは発生しない。これは、液体自身の表面張力や分子の凝集などによって、漏れが発生しないものと推定される。しかし、Raが2.0μmを超えると、O−リングが表面粗さを吸収しきれず、流体が漏れる危険がある。
ウエハ保持体の材質に関しては、特に制約はないが、耐食性を考慮するとセラミックスが好ましい。セラミックスとしては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化イットリウム、ムライト、コージェライトなどが好適に使用できる。これらの中で窒化アルミニウムは、熱伝導率が比較的高く、比熱も小さいため、均一且つ効率的にウエハを加熱又は冷却できるため好ましい。しかも、窒化アルミニウムは、最近使用されるフッ素ガスなどの腐食性ガスに対する耐食性が高いため、チャンバー内におけるパーティクルの発生を極力抑制することができる。
ウエハ保持体内の流路に流す流体については、特に制約はないが、液体や気体などから選択することができる。例えば、液体としては、水や有機溶剤などがあげられる。しかし、近年の低温化の傾向から、水は0℃以下では使用できないため、ガルデンやアルコールなどの有機溶剤又はその混合物が好ましい。また、冷却効率は劣るものの、低温の気体、例えば、窒素やヘリウム、空気なども使用することが可能である。また、これらの流体の温度を高温にすることで、加熱体としても使用することができる。
ウエハ保持体内に形成される流路は、大きな制限はないが、載置面に搭載するウエハの直径に対して80%以上の領域に形成されていることが好ましい。例えば、ウエハの直径が200mmである場合には、ウエハ保持体の中心から少なくとも直径160mmの領域の外側にまで流路が存在することが好ましい。これよりも外側の領域にまで流路が存在しない場合、ウエハ保持体の外周部から雰囲気の熱を吸収し、ウエハの外周部付近の温度が上昇して、均一な成膜ができないためである。更に好ましくは、ウエハの直径よりも外側の領域にも流路が形成されていることが好ましい。この程度の領域まで流路が形成されると、ウエハ端部の温度上昇もなく、均一な成膜をすることができる。また、流路の断面形状に関しては、特に制約はなく、円形や、四角形、楕円形、半円形、三角形など様々な形状を取りうる。
ウエハ保持体内に形成される流路の内壁の表面粗さは、Raで5μm以下であることが好ましい。表面粗さがこれよりも大きくなると、流体を流す際に、特に流体が液体の場合、内壁表面が侵食されやすくなり、流路の壁面が劣化しやすくなるため好ましくない。また、ウエハ保持体の表面粗さについては、逆にRaで0.01μm以上であることが好ましい。ウエハ保持体の表面粗さがこれ以上であれば、表面の微小な突起から熱交換が行われるために、広い表面積での熱交換が可能となり、効率的にウエハ保持体を冷却することができる。尚、ウエハ保持体の温度制御は、例えば、ウエハ保持体に形成された凹部に熱電対を挿入し、その熱電対の温度に基づいて、冷媒を冷却するチラーなどの温度を制御することにより制御できる。
本発明のウエハ保持体は、高周波発生用電極を備えることができる。高周波発生用電極を備えることによって、ウエハ上にプラズマを発生させ、膜生成することができるため好ましい。尚、高周波発生用電極は、ウエハ保持体内に埋設されていることが好ましい。
この高周波発生用電極の形態としては、金属メッシュや金属箔、あるいは金属膜などがある。その中でも、特に金属膜は、使用する高周波が高周波発生用電極の下部に漏れ難く、安定したプラズマの発生が比較的行いやすいため好ましい。また、セラミックス製のウエハ保持体中に埋設できる高周波発生用電極の材質としては、セラミックスとの熱膨張係数のマッチングが必要なため、金属の中でも比較的熱膨張係数の小さな金属、例えば、タングステン、モリブデン、タンタルなどの金属や、その合金であることが好ましい。
このようなウエハ保持体をチャンバー内に設置するために、ウエハ保持体のウエハ載置面と反対側の面に、支持体を形成することが好ましい。例えば、支持体を筒状とし、その内部に熱電対や高周波発生用電極に接続する電極部材、更には冷媒などの流体を供給するための配管などを収納することができる。この支持体はウエハ保持体に対して気密にシールし、更にチャンバーに対しても気密にシールすることができる。このような構造にした場合、支持部材の材質をウエハ保持体の材質と同一にすることによって、熱膨張係数差による応力の発生を抑えることができるため、信頼性の高い接合構造とすることができる。
また、上記筒状の支持体の場合、支持体内に存在する金属部品がチャンバー内に露出せず、金属コンタミの発生を抑制することができる。ただし、支持体内の部品が大気中に開放されるため、ウエハ保持体を冷却している場合は、冷媒の配管を中心に結露が発生しやすくなり、金属部品やセラミックスの腐食が進むことがある。この場合の対策としては、筒状の支持体内に乾燥した気体を送風することによって、結露を防止することができる。少なくとも筒状の支持体内部の雰囲気は、露点が0℃以上であることが必要である。また、筒状の支持体内部を外気と遮断し、内部に乾燥気体を挿入することによっても、結露を防止することが可能である。
また、別の形態として、チャンバー内の雰囲気と、筒状の支持体内の雰囲気を実質的に同一にすることができる。この形態の場合、支持体は、例えばウエハ保持体に複数のネジで固定することができる。この手法によれば、支持体内の部品が結露せず、比較的簡単な構造とすることができる利点がある。もちろん筒状の支持体内に不活性ガスを送り込むことで、相対的に支持体内の雰囲気圧力をチャンバー内の圧力より高くして、金属部品の腐食を低減することができる。この場合においても、筒状の支持体内の雰囲気は、露点が0℃以下であることが必要であることはいうまでもない。
本発明のウエハ保持体の製造方法としては、少なくとも片方の基板に流路を形成し、この流路を形成した面に他方の基板を接合することによって、内部に流路を有するウエハ保持体が得られる。この方法によれば、材質がセラミックスの場合でも、その焼結体に流路を形成するため、比較的精度良く流路を形成できると共に、流路の変形が生じ難いため好ましい。例えばセラミックス成形体に流路を形成し、これを焼結させることで流路とした場合、部分的に流路が狭くなったり広くなったりする。このとき、流路を流れる流体が液体である場合、部分的に流速が速くなったり、あるいは遅くなったりするため、流路の壁面の腐食が進みやすくなるため好ましくない。
ウエハ保持体を構成するセラミックスが窒化アルミニウムである場合、その基板2個を接合する接合層は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類酸化物の混合物であることが好ましい。この接合用混合物は、熱処理して接合する際に、窒化アルミニウム焼結体との濡れ性がよいばかりでなく、得られる接合層の主成分が窒化アルミニウムとなり、耐食性にも優れるため特に好ましい。
上記接合用混合物の組成としては、窒化アルミニウムの含有量が1〜40重量%であることが好ましい。窒化アルミニウム含有量が1重量%未満では、接合後の接合層成分に窒化アルミニウムが少なくなり、耐食性に劣ることがあるため好ましくない。また、窒化アルミニウム含有量が40重量%を超えると、密着強度の低下を引き起こすため好ましくない。更に好ましい窒化アルミニウム含有量は5〜30重量%であり、15〜25重量%が特に安定した接合層が得られるため一層好ましい。
また、上記接合用混合物に含有される酸化アルミニウムの含有量は、20〜80重量%であることが好ましい。酸化アルミニウムの含有量が20重量%より少ない場合及び80重量%より多い場合には、接合するための液相の出現温度が高くなり、接合する窒化アルミニウム基板の変形が生じやすくなるため好ましくない。特に好ましい含有量は40〜60重量%であり、この程度の含有量であれば窒化アルミニウムの焼結温度より低い温度で接合することができ、変形を抑制することができるため好ましい。
更に希土類酸化物の含有量に関しては、10〜50重量%であることが好ましい。この範囲の含有量であれば、酸化アルミニウムと液相を発生しやすくなるため好ましい。特に希土類酸化物は、窒化アルミニウムとの濡れ性に優れているため、その含有量が20〜40重量%であれば、安定した接合を実現でき、しかも接合層自身と窒化アルミニウムとの接合界面を気密に接合することができるため好ましい。使用する希土類酸化物としては、特に制約はないが、使用する窒化アルミニウム基板に使用されている焼結助剤と同じ種類であることが好ましい。また、窒化アルミニウムに助剤が含まれていない場合には、特に希土類の種類は問わない。希土類の中においては、イットリウムが耐食性や窒化アルミニウムとの濡れ性の面で優れているため好ましい。
具体的な接合方法については、まず、所定量の窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、希土類酸化物粉末を混合し、これに有機溶剤、バインダー、必要に応じて可塑剤などを添加し、ペーストを作製する。このペーストを接合すべき片方の窒化アルミニウム基板の表面に塗布し、必要に応じて脱脂処理を行った後、その塗布面に他方の窒化アルミニウム基板を搭載し、熱処理を行うことで強固な接合層を形成することができる。上記熱処理温度は、ペーストの組成にもよるが、1600〜2000℃程度が好適である。また、熱処理時に接合面に対して垂直方向に圧力を加えることにより、欠陥の少ない接合層を形成することができる。加える圧力としては、特に制約はないが、1kg/cm2以上が好ましく、10kg/cm2以上が更に好ましい。
ウエハ保持体には膜状の高周波発生用電極を設けることが好ましく、この膜状電極の形成に関しては特にスクリーン印刷が好ましい。スクリーン印刷においては、比較的均一な膜厚が得られ、コストも安く、量産性に優れている。印刷の手法としては、タングステンやモリブデン、タンタルなどの高融点金属粉末に、バインダーや有機溶剤、必要に応じて可塑剤などを加え、ペースト状にしたものを使用すればよい。
上記ペーストをスクリーン印刷し、乾燥した後、非酸化性雰囲気中で1600〜2000℃の温度範囲で焼成することにより、高周波発生用電極を形成することができる。その後、上記の接合方法を用いて2個の窒化アルミニウム基板を接合すれば、高周波発生用電極を内部に埋設した窒化アルミニウムのウエハ保持体を比較的容易に製造することができる。また当然のことであるが、流体を流す流路を形成するための接合と、高周波発生用電極を埋設するための接合とを、同時に実施することもできる。
本発明によるウエハ保持体は、ウエハを冷却する必要がある半導体製造工程において、例えばエッチングやアッシング、CVDなどの工程において、好適に利用することができる。特にCVD装置においては、高周波発生用電極を埋設すれば、より効率的な成膜の実現が可能なCVD装置を提供することができる。
[実施例1]
窒化アルミニウム99.5重量%に、焼結助剤として酸化イットリウム0.5重量%加え、更に有機溶剤とバインダーを加え、ボールミル混合して、スラリーを作製した。得られたスラリーをスプレードライにより顆粒を作製し、プレス成形により成形体を作製した。この成形体を窒素雰囲気中800℃で脱脂した後、窒素雰囲気中1900℃で焼結し、窒化アルミニウム焼結体を得た。また、同様の手法により、窒化アルミニウム焼結体を3個形成した。
窒化アルミニウム99.5重量%に、焼結助剤として酸化イットリウム0.5重量%加え、更に有機溶剤とバインダーを加え、ボールミル混合して、スラリーを作製した。得られたスラリーをスプレードライにより顆粒を作製し、プレス成形により成形体を作製した。この成形体を窒素雰囲気中800℃で脱脂した後、窒素雰囲気中1900℃で焼結し、窒化アルミニウム焼結体を得た。また、同様の手法により、窒化アルミニウム焼結体を3個形成した。
上記窒化アルミニウム焼結体の1個を、直径330mm、厚み10mmに加工した後、機械加工により深さ3mm、幅6mmの流路を形成した。尚、このウエハ保持体に搭載するウエハの直径は300mmであるため、流路の形成領域は直径310mmの領域とした。また、流路の表面粗さは、Ra=1.0μmになるようにドリル加工を行った。更に、流路の入口と出口は、ウエハ載置面の反対側の面で、基板の中心部付近になるように形成した。
次に、他の1個の窒化アルミニウム焼結体を、直径330mm、厚さ5mmに加工した。この片側の面に、スクリーン印刷により直径320の領域にタングステンペーストを塗布し、800℃で脱脂した後、1850℃で焼成して、高周波発生用電極を形成した。更に、残り1個の窒化アルミニウム焼結体を、直径330mm、厚み3mmに加工した。
得られた3個の窒化アルミニウム基板のうち、高周波発生用電極を形成した基板の両面に、20重量%窒化アルミニウム−30重量%酸化イットリウム−50重量%酸化アルミニウムからなるペーストをスクリーン印刷により塗布し、800℃の窒素雰囲気中で脱脂した。次に、高周波発生用電極を形成した面に厚み3mmの窒化アルミニウム基板を搭載し、その反対側面には流路を形成した基板を搭載して、1800℃の窒素雰囲気中において、接合面に対する垂直方向の圧力が20kg/cm2となる圧力を加えながら接合した。その後、上下面を研磨して、ウエハ保持体とした。
得られたウエハ保持体の流路の両端部内周面に、M6の雌ネジ加工を施した。また、ステンレス製のパイプ部材(冷却管)を2本準備し、その先端部にM6の雄ネジ加工を施すと共に、雄ネジ部のパイプ先端部と反対側端部にフランジ部を溶接して取り付けた。このパイプ部材の先端からO−リングを挿入し、フランジ部に当接させた。その後、この2本のパイプ部材の雄ネジ部を、ウエハ保持体の流路の両端部に設けた雌ネジ部に所定のトルクで捻じ込んだ。このとき、ウエハ保持体及びフランジ部のO−リングとの各接触面の表面粗さは、フランジ部がRa=0.2μm、及びウエハ保持体表面がRa=0.8μmであった。
次に、ウエハ載置面の反対側の面から高周波発生用電極までウエハ保持体に座繰り加工を行い、これにタングステン電極を取り付けた。また、外径60mm、内径50mm、高さ200mmの円筒状で、先端にウエハ保持体に取り付けるための直径80mmの取付部を有する窒化アルミニウム製の支持体を準備した。この支持体を、ウエハ保持体に窒化アルミニウム製のネジで固定した。そして、ウエハ保持体のウエハ載置面とは反対側の面に凹部を形成し、シース型熱電対を取り付けた。
このようにして得られたウエハ保持体を、CVD装置のチャンバー内に設置した。尚、円筒状の支持体内には、露点−70℃のヘリウムを毎分2リットルの割合で流すことで、支持体内に結露することを防ぐと共に、支持体内に腐食性ガスが侵入することを防止した。ウエハ保持体の流路に冷媒としてのガルデンを流し、ウエハ保持体の温度を−20℃に制御した。その結果、接続部からの冷媒の漏れもなく、CVD工程において良好に成膜することができた。
[実施例2]
上記実施例1と同様にしてウエハ保持体を作製したが、その際O−リングが接触する窒化アルミニウム製のウエハ保持体の表面粗さを下記表1に示すように変化させた。尚、フランジ部の表面表粗さは、Ra=0.2μmである。これらの各ウエハ保持体について、下記表1に示す各種の流体を流路に流し、流体の漏れの状態を調べた。得られた結果を、下記表1に併せて示した。
上記実施例1と同様にしてウエハ保持体を作製したが、その際O−リングが接触する窒化アルミニウム製のウエハ保持体の表面粗さを下記表1に示すように変化させた。尚、フランジ部の表面表粗さは、Ra=0.2μmである。これらの各ウエハ保持体について、下記表1に示す各種の流体を流路に流し、流体の漏れの状態を調べた。得られた結果を、下記表1に併せて示した。
上記の結果から、O−リングと接触するウエハ保持体及びフランジ部の表面粗さがRa≦1.0μmであれば、流体の漏れを防止できることが分かる。
[実施例3]
上記実施例1と同様にしてウエハ保持体を作製したが、その際パイプ部材として、ニッケル、アルミニウム、銅、及び銅にニッケルメッキを施したものを用いた。
上記実施例1と同様にしてウエハ保持体を作製したが、その際パイプ部材として、ニッケル、アルミニウム、銅、及び銅にニッケルメッキを施したものを用いた。
各ウエハ保持体について、CVD装置のチャンバー内にセットして、上記実施例1と同様に成膜テストを行った。その結果、銅製のパイプ部材は表面が腐食され、銅元素がウエハ上にも観測された。しかし、それ以外のパイプ部材では、大きな腐食は観測されなかった。
Claims (6)
- ウエハ載置面を有し、内部に流体を流すための流路が形成されたウエハ保持体であって、流路に接続して外部から流体を供給し排出するためのパイプ部材と、流路の両端部付近の内周面に形成された雌ネジ部と、パイプ部材の先端部付近に形成された雄ネジ部と、雄ネジ部のパイプ部材先端と反対側の端部に設けたフランジ部と、パイプ部材の先端から挿入されてフランジ部に当接するO−リングとを有することを特徴とする半導体製造装置用ウエハ保持体。
- 前記ウエハ保持体及びフランジ部の前記O−リングと接触する各接触面の表面粗さが、Raで2.0μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体製造装置用ウエハ保持体。
- 前記各接触面の表面粗さがRaで1.0μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の半導体製造装置用ウエハ保持体。
- 前記ウエハ保持体が窒化アルミニウムからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体製造装置用ウエハ保持体。
- 前記パイプ部材の少なくとも表面が、ステンレス、ニッケル、アルミニウム又はこれらの合金からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体製造装置用ウエハ保持体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体製造装置用ウエハ保持体が搭載されていることを特徴とする半導体製造装置。
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---|---|---|---|---|
WO2010110137A1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | 住友電気工業株式会社 | 高周波電極の接続方法を改善したウエハ保持体及びそれを搭載した半導体製造装置 |
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- 2007-04-18 JP JP2007109072A patent/JP2008270400A/ja active Pending
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