JP2008270338A - チップ形電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】チップ形電解コンデンサにおいて、製品高さを変えることなく、封口材の変形によって引き起こされる絶縁板の変形、およびこれによって生じるはんだ付け不良を抑制する。
【解決手段】弁作用金属箔に誘電体皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とに、電極取り出し用引き出しリード線3を接続し、セパレータを介して積層し巻回したコンデンサ素子1と、電解質を含浸させたコンデンサ素子1を収納するための有底筒状の収納容器2と、収納容器2の開口端を封口すると共にコンデンサ素子1に接続した1対の引き出しリード線3が挿通する挿通孔を有した弾性封口材4とで形成されるコンデンサ本体と、樹脂等により形成され、1対の引き出しリード線挿通孔および溝を有した絶縁板5とを取り付けてなるチップ形電解コンデンサにおいて、絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側に、引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域Rの表面積よりも広い表面積を有する凹部5bを設ける。
【選択図】図2
【解決手段】弁作用金属箔に誘電体皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とに、電極取り出し用引き出しリード線3を接続し、セパレータを介して積層し巻回したコンデンサ素子1と、電解質を含浸させたコンデンサ素子1を収納するための有底筒状の収納容器2と、収納容器2の開口端を封口すると共にコンデンサ素子1に接続した1対の引き出しリード線3が挿通する挿通孔を有した弾性封口材4とで形成されるコンデンサ本体と、樹脂等により形成され、1対の引き出しリード線挿通孔および溝を有した絶縁板5とを取り付けてなるチップ形電解コンデンサにおいて、絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側に、引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域Rの表面積よりも広い表面積を有する凹部5bを設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、チップ形電解コンデンサに関し、特に縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサに関するものである。
従来、実用化されているチップ形電解コンデンサには、例えば、図5に示すような縦型のものがある(特許文献1参照)。なお、以下の説明においては、この従来技術を「従来例」と称する。
かかる縦型のチップ形電解コンデンサは一般的に次の様に製造される。先ず、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の弁作用金属箔、例えば高純度のアルミニウム箔にエッチング処理を施して表面積を拡大する。このアルミニウム箔に化成処理を施してコンデンサの誘電体となる酸化皮膜を形成した陽極箔、およびエッチング処理された陰極箔を製造する。この陽極箔および陰極箔(以後、合わせて「電極箔」と呼称する)を、セパレータと呼ばれる隔離材料を介在させて対向させた積層体とし、巻回してコンデンサ素子1を製造する。
続いて、このコンデンサ素子1に電解質を含浸させ、含浸後のコンデンサ素子を、一端が開口している有底筒状の収納容器2に収納する。この収納容器2には、主としてアルミニウム製ケースが用いられる。収納容器2の開口端は、電極を取り出すための1対の引き出しリード線3が挿通する挿通孔を備えた封口材4によって封止される。
この封口材4には、主にイソブチレン−イソプレンラバー(IIR)やエチレンプロピレンターポリマー(EPT)のような弾性ゴムが用いられる。封口材4の挿通孔は、針穴加締や超音波溶接等により電極箔に接合された引き出しリード線3を挿通させることにより隙間が密封される。このように作製されたコンデンサ本体に、引き出しリード線3が挿通可能な挿通孔を備えた、樹脂等からなる絶縁板5をコンデンサ本体の封口側に取り付け、絶縁板5に備えられている端子溝に沿って引き出しリード線3を折り曲げ、表面実装に対応できる形状とする。
続いて、このコンデンサ素子1に電解質を含浸させ、含浸後のコンデンサ素子を、一端が開口している有底筒状の収納容器2に収納する。この収納容器2には、主としてアルミニウム製ケースが用いられる。収納容器2の開口端は、電極を取り出すための1対の引き出しリード線3が挿通する挿通孔を備えた封口材4によって封止される。
この封口材4には、主にイソブチレン−イソプレンラバー(IIR)やエチレンプロピレンターポリマー(EPT)のような弾性ゴムが用いられる。封口材4の挿通孔は、針穴加締や超音波溶接等により電極箔に接合された引き出しリード線3を挿通させることにより隙間が密封される。このように作製されたコンデンサ本体に、引き出しリード線3が挿通可能な挿通孔を備えた、樹脂等からなる絶縁板5をコンデンサ本体の封口側に取り付け、絶縁板5に備えられている端子溝に沿って引き出しリード線3を折り曲げ、表面実装に対応できる形状とする。
上記のような縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサは、加熱・加圧を伴うモールド加工等をせずに製作が可能であり、コンデンサ素子の特性劣化を生じさせること無く製品化ができるので、高い実用性を有している。
上記のとおり、チップ形アルミニウム電解コンデンサは、その駆動用としてγ−ブチロラクトン(GBL:沸点204℃)やエチレングリコール(EG:沸点198℃)等を主溶媒とする電解液またはポリチオフェン、ポリピロール等の固体電解質が用いられている。
ところで、上記のチップ形アルミニウム電解コンデンサは、基板実装時にリフロー工程による表面実装が行われる。このリフロー実装では、スクリーンマスクを用いて基板ランドパターンにクリーム状のはんだを塗布し部品を搭載した状態で、基板自体をはんだ溶融温度以上の高温下にさらしてはんだ付けを行う。
さらに、環境対応を配慮して、実装に使用されるはんだも従来の共晶はんだ(Sn−37Pb:融点約183℃)から、鉛を含まない無鉛はんだ(例えばSn−3.0Ag−0.5Cu:融点約217℃)への切り替えも進んでおり、リフロー実装時に部品がさらされる温度はますます上昇している。
このリフロー実装工程においては、基板に搭載されるチップ形アルミニウム電解コンデンサ自体が高温下にさらされることにより、内部に含まれる電解液や未反応モノマーや溶媒の蒸散が起こり、コンデンサ本体の内部圧力が上昇する。この内部圧力(図5(c)において矢印Pで表される圧力)の上昇により封口材4の変形が引き起こされ、これに起因する絶縁板5への圧力による変形(図5(d)および(e))が起こり、はんだ付け不良を起こしてしまう可能性がある。
上記の封口材4の変形は、主として、引き出しリード線3の挿通孔よりも内側の領域で発生する。これは以下のような理由による。
封口材4に設けられた引き出しリード線3の挿通孔よりも外側(収納容器2側)の領域においては、コンデンサ素子1を収納容器2内に封止するために、封口材4が当接する領域において収納容器2の側面で絞り加工がなされる。また、収納容器2の開口端は、一般的には、収納容器2の開口端部が封口材4の外表面に当接するように円弧状に加工処理される。よって、封口材4の引き出しリード線3の挿通孔から外側においては、この2つの封止処理により支持されている。しかし、引き出しリード線3の挿通孔の内側においては、このような支持が無いため、加熱時に起こるコンデンサ内部の圧力上昇の影響を受けやすく、この領域において封口材4の変形が生じやすい。
上記の封口材の変形を抑制する方法として、例えば特許文献2に示されるような封口材が提案されているが、近年、機器の小形化に伴い、縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの低背化が進み、封口材の厚さも薄形化していることを鑑みると、特許文献2で提示されている方法には限界がある。
また、上記の封口材の変形を間接的に抑制する方法として、例えば特許文献3に提示されているように絶縁板の厚さを部分的に増し、封口材と当接させる方法があるが、この場合、絶縁板と封口材が当接しているため、リフロー実装時に引き出しリード線および基板ランドに与えられる熱が絶縁板を通してコンデンサ本体へ奪われてしまい、結果として、はんだ接合部では充分な加熱がされず、はんだ付け不良を起こしてしまうという可能性が内在している。
上記のチップ形アルミニウム電解コンデンサは、基板の表面に実装されて用いられる。このコンデンサの表面実装対象の基板には、大小様々なサイズの部品が搭載され、同一の実装温度条件下でリフロー実装がされる。そのため、比較的熱容量の小さな部品が過熱状態に陥らないようにリフロー実装の温度条件を設定した際、比較的熱容量の大きな部品においては、部品本体に熱が吸収されるために、リード線部分やランドへ充分な熱が伝わらず、はんだ溶融が不充分になりはんだ付け不良を起こしてしまう場合がある。したがって、チップ形アルミニウム電解コンデンサとしては、コンデンサ本体に熱が吸収され難い構造が望ましい。
本発明は、上記技術的課題に鑑み、製品高さを変えることなく、封口材の変形によって引き起こされる絶縁板の変形、およびこれによって生じるはんだ付け不良を抑制し得るチップ形アルミニウム電解コンデンサの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は、絶縁板のコンデンサ本体封口部側に面する側に、その一定の領域に凹部を設け、この凹部を上述の封口材の変形を許容する領域とすることによって、封口材の変形によって引き起こされる絶縁板への圧力を低減できるのではないかと着想した。
かかる着想に基づく具体的な発明は、以下の通りである。
本発明は、弁作用金属箔に誘電体皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とに、電極取り出し用の引き出しリード線を接続し、セパレータを介して積層し巻回したコンデンサ素子と、電解質を含浸させたコンデンサ素子を収納するための有底筒状の収納容器と、該収納容器の開口端を封口すると共にコンデンサ素子に接続した1対の引き出しリード線が挿通される挿通孔を有した弾性封口材とで形成されるコンデンサ本体と、樹脂により形成され、上記引き出しリード線が挿通される挿通孔および引き出しリード線が収納される端子溝を有した絶縁板とを取り付けてなるチップ形電解コンデンサにおいて、上記絶縁板のコンデンサ本体封口部側に面する側には、上記引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域の表面積よりも広い表面積を有する凹部が設けられている。
上記構成において、絶縁板に設けられた凹部は、1対の引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域(即ち、上記の引き出しリード線挿通孔よりも内側領域であって封口材の変形が発生しやすい領域)の表面積よりも広い表面積を有しているので、封口材の変形を効果的に吸収でき、絶縁板の変形を緩和することができる。
また、上記凹部を有する絶縁板を用いることにより、特に特許文献3に示される方法で懸念される、はんだリフロー時の熱はコンデンサ本体に吸収され、はんだ溶融が不充分になること無く、絶縁板の変形を抑制できる。
ところで、上記凹部の平面形状については、封口材の変形を吸収できる形状であれば良いが、特に、上記凹部の平面形状は、上記引き出しリード線挿通孔同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称形状をなしていることが好ましい。これは、凹部の平面形状が上記の線対称形状をなすのであれば、円形、楕円形等の形状や、正方形、菱形、長方形等の四角形状およびその他の多角形状であってもよく、特にその形状は問わないことを意味する。この場合、上記の封口材の変形を均一に吸収することができる。
ある態様では、上記凹部は、その外周が上記引き出しリード線挿通孔の一部分と交差するように配置されている。
他の態様では、上記凹部は、その外周が上記引き出しリード線挿通孔を取り囲むように配置されている。
なお、上記絶縁板に設けられる凹部の深さは、絶縁板の生産性やチップ形アルミニウム電解コンデンサの生産性を低下させない程度に強度が保たれる範囲にて任意に規定すれば良い。
本発明によると、製品高さを変えることなく、封口材の変形によって引き起こされる絶縁板の変形、およびこれによって生じるはんだ付け不良を抑制することができる。
以下、本発明の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のA−A’線に沿う概略断面図である。
図1は本発明の実施例1に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のA−A’線に沿う概略断面図である。
図1を参照して説明する。本実施例1に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサは、(1)アルミニウム箔に誘電体皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とに、電極取り出し用の引き出しリード線3をそれぞれ接続し、セパレータを介して積層し巻回したコンデンサ素子1と、電解質を含浸したコンデンサ素子1を収納するための有底筒状の収納容器2と、この収納容器2の開口端を封口すると共にコンデンサ素子1に接続した上記1対の引き出しリード線3がそれぞれ挿通する挿通孔を有した弾性封口材4とで形成されるコンデンサ本体と、(2)樹脂等により形成され、上記両引き出しリード線3がそれぞれ挿通する挿通孔および上記両引き出しリード線3がそれぞれ収納される端子溝を有した絶縁板5とを取り付けてなる。
収納容器2は、アルミニウムを素材として作製された金属ケースである。他方、封口材4は、イソブチレン−イソプレンラバー(IIR)やエチレンプロピレンターポリマー(EPT)のような弾性ゴムを素材として作製されている。
絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側には、封口材4の変形を許容するための凹部5aが設けられている。この凹部5aは、上記絶縁板5の引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域(換言すると、上記の引き出しリード線挿通孔間よりも内側領域であって封口材4の変形が発生しやすい領域)Rの表面積よりも広い表面積を有している。上記領域Rとは、図1(b)において仮想線で囲む円形領域のことである。
凹部5aの平面形状は、上記絶縁板5の両引き出しリード線挿通孔の中心同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称関係をなす円形状を呈している。
上記の凹部5aは、その外周(円の外周)が上記絶縁板5の両引き出しリード線挿通孔の一部分と交差(通過)するように配置されている。
なお、凹部5aの深さT’は、絶縁板5の厚みTに対して30%の深さ(T’=0.7×T)に設定されている。
上記のような封口材4の変形を許容する領域をなす凹部5aを絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側に設けることにより、封口材4の厚さや、チップ形アルミニウム電解コンデンサの製品高さを変更すること無く、リフロー時の製品内圧上昇時に起こる封口材4の変形によって引き起こされる絶縁板5の変形を緩和することができる
[実施例2]
図2は本発明の実施例2に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のB−B’線に沿う概略断面図である。
[実施例2]
図2は本発明の実施例2に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のB−B’線に沿う概略断面図である。
図2を参照して説明する。本実施例2に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの特徴は、平面形状が上記絶縁板6の両引き出しリード線挿通孔の中心同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称関係をなす円形状を呈している凹部5bを、その外周(円の外周)が上記の両引き出しリード線挿通孔を取り囲むように配置した点にあり、その他の構成は実施例1と同様である。
本実施例2では、絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側において封口材4の変形を許容する領域をなす円形状の凹部5bを上記のような態様で設けることにより、封口材4の厚さや、チップ形アルミニウム電解コンデンサの製品高さを変更すること無く、リフロー時の製品内圧上昇時に起こる封口材4の変形によって引き起こされる絶縁板5の変形を緩和することができる。
[実施例3]
図3は本発明の実施例3に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のC−C’線に沿う概略断面図である。
図3は本発明の実施例3に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のC−C’線に沿う概略断面図である。
図3を参照して説明する。本実施例3に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの特徴は、平面形状が上記絶縁板5の両引き出しリード線挿通孔の中心同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称関係をなす菱形状(絶縁板5の外周縁に対して45°傾いた状態の正方形)を呈している凹部5cを、その外周(菱形の外周)が上記の両引き出しリード線挿通孔を取り囲むように配置した点にあり、その他の構成は実施例1と同様である。
本実施例3では、絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側において封口材4の変形を許容する領域をなす菱形状の凹部5cを上記のような態様で設けることにより、封口材4の厚さや、チップ形アルミニウム電解コンデンサの製品高さを変更すること無く、リフロー時の製品内圧上昇時に起こる封口材4の変形によって引き起こされる絶縁板5の変形を緩和することができる。
[実施例4]
図4は本発明の実施例4に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のD−D’線に沿う概略断面図である。
図4は本発明の実施例4に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの構成を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は絶縁板をコンデンサ本体封口部に面する側から見た概略図、同図(c)は同図(b)のD−D’線に沿う概略断面図である。
図4を参照して説明する。本実施例4に係る縦型のチップ形アルミニウム電解コンデンサの特徴は、平面形状が上記絶縁板5の引き出しリード線挿通孔の中心同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称関係をなす正方形状(絶縁板5の外周縁と平行な4辺となる正方形)を呈している凹部5dを、その外周(正方形の外周)が上記の両引き出しリード線挿通孔を取り囲むように配置した点にあり、その他の構成は実施例1と同様である。
本実施例4では、絶縁板5のコンデンサ本体封口部側に面する側において封口材4の変形を許容する領域をなす正方形状の凹部5dを上記のような態様で設けることにより、封口材4の厚さや、チップ形アルミニウム電解コンデンサの製品高さを変更すること無く、リフロー時の製品内圧上昇時に起こる封口材4の変形によって引き起こされる絶縁板5の変形を緩和することができる。
上記実施例のうち、実施例1〜4に示す様な絶縁板を用いたチップ形アルミニウム電解コンデンサを試作し、図5(b)に示すリフロー処理前(L0)と図5(d)に示すリフロー処理後(L2)の製品高さの差、即ち製品膨張量(L2−L0)と、絶縁板5の反り量(t)を測定し、従来例(特許文献1)との比較を行った。試作試験を行った製品サイズはφ6.3×5.4mmL、リフロー条件はピーク温度が260℃、230℃を超える時間が60秒、リフロー処理回数は2回である。この試験結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の絶縁板を用いることで、絶縁板の変形が従来例に比べ抑制されており、絶縁板の反り量で比較すると、実施例1では平均値で約20%、実施例2では平均値で約24%、実施例3および4では平均値で約23%抑制されている。
上記の試験結果の通り、本発明の絶縁板を用いることで、封口材の厚みや絶縁板の厚さ、チップ形アルミニウム電解コンデンサの製品高さを変更すること無く、従来例と比較してリフロー処理時の絶縁板の変形を抑制することができる。さらに、製品膨張量についても、本発明の絶縁板を用いることで抑制が図られている。
このように絶縁板に凹部を設けて変形を抑制したことで、コンデンサ製品としての製品高さ変化も抑制できることが得られた。
なお、上記試験においては、実施例1〜4を用いて評価を行ったが、実施例1〜4に類似した構造の絶縁板でも同様の効果が得られるのは自明である。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、凹部の平面形状は、実施例1〜4の形状に限定されず、これ以外の楕円形、長円形、長方形やその他の多角形の形状でも良い。すなわち、上記の実施例と同様の効果が得られる凹部の配置範囲であれば、その平面形状は特に問わないのである。また、凹部の深さは、上述の実施例では、従来例の絶縁板の厚み(T)に対して30%の深さ(T’=0.7×T)の凹部としたが、これに限らず、従来の絶縁板と比較して、絶縁板の生産性やチップ形アルミニウム電解コンデンサの生産性を低下させない程度に強度が保たれる範囲にて任意に規定すれば良い。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更および修正を加え得ることは勿論である。
本発明では、製品高さを変えることなく、封口材の変形によって引き起こされる絶縁板の変形、およびこれによって生じるはんだ付け不良を抑制し得るゆえ、チップ形電解コンデンサ、特に縦型のチップ形電解コンデンサとして有用である。
1 コンデンサ素子
2 収納容器
3 引き出しリード線
4 封口材
5 絶縁板
5a〜5d 凹部
P コンデンサ本体内部で、加熱により発生する内部圧力
T、T’ 絶縁板の厚み
R 円形中央領域(封口材の変形が発生しやすい領域)
2 収納容器
3 引き出しリード線
4 封口材
5 絶縁板
5a〜5d 凹部
P コンデンサ本体内部で、加熱により発生する内部圧力
T、T’ 絶縁板の厚み
R 円形中央領域(封口材の変形が発生しやすい領域)
Claims (4)
- 弁作用金属箔に誘電体皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とに、電極取り出し用の引き出しリード線を接続し、セパレータを介して積層し巻回したコンデンサ素子と、電解質を含浸させたコンデンサ素子を収納するための有底筒状の収納容器と、該収納容器の開口端を封口すると共にコンデンサ素子に接続した1対の引き出しリード線が挿通される挿通孔を有した弾性封口材とで形成されるコンデンサ本体と、
樹脂により形成され、上記引き出しリード線が挿通される挿通孔および引き出しリード線が収納される端子溝を有した絶縁板とを取り付けてなるチップ形電解コンデンサにおいて、
上記絶縁板のコンデンサ本体封口部側に面する側には、上記引き出しリード線挿通孔間に内接する円形中央領域の表面積よりも広い表面積を有する凹部が設けられていることを特徴とするチップ形電解コンデンサ。 - 上記凹部の平面形状は、上記引き出しリード線挿通孔同士を結ぶ線分および/または当該線分の中心線に対して線対称形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のチップ形電解コンデンサ。
- 上記凹部は、その外周が上記引き出しリード線挿通孔の一部分と交差するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ形電解コンデンサ。
- 上記凹部は、その外周が上記引き出しリード線挿通孔を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ形電解コンデンサ。
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