JP2010098131A - 電解コンデンサおよび電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサおよび電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサ素子と金属外装ケースの内面との電気的短絡の発生を抑えて電気的特性を安定させた電解コンデンサ、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】電解コンデンサは、陽極箔21と陰極箔22とがセパレータ23を介して重ね合わされて巻回され、電解質が含浸されたコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2を収納する有底円筒状の金属外装ケース4と、この金属外装ケース4の開口部を封止する封口材6と、陽極箔21および陰極箔22にそれぞれ電気的に接続され、封口材6を介して外部に引き出されたリード線3a、3bと、金属外装ケース4の底部内面に形成される絶縁膜5とを具備し、絶縁膜5は、底面視でコンデンサ素子2の中心からリード線3a、3bまでを半径とする円の範囲を含み、かつ、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しない範囲に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解コンデンサおよび電解コンデンサの製造方法に関する。
アルミニウム電解コンデンサは一般的に次のように製造される。先ず、高純度のアルミニウム箔にエッチング処理を施して表面積を拡大させる。このアルミニウム箔に化成処理を施してコンデンサの誘電体となる酸化皮膜を形成させた陽極箔、およびエッチング処理された陰極箔を製造する。
この陽極箔および陰極箔(以後、併せて「電極箔」と呼称する)を、セパレータを介在して対向させた積層体とし、この積層体を巻回してコンデンサ素子を製造する。
続いて、このコンデンサ素子に、例えば、エチレングリコール(EG)やγ−ブチロラクトン(GBL)を主溶媒とした電解液、またはポリチオフェン、ポリピロールなどの固体電解質を含浸し、この含浸後のコンデンサ素子を、一端に開口部を有する外装ケース(主としてアルミニウム製ケースが用いられる)に収納する。このケースの開口部は、電極箔に接続されたリード線が挿通する挿通孔を備えた封口材(イソブチレン−イソプレンラバー:IIRやエチレンプロピレンターポリマー:EPTのような弾性ゴムが用いられる)によって封止される。
特許文献1には、電解液が用いられた電解コンデンサにおいて、コンデンサ製造工程中またはコンデンサ使用中に混入した水分により電解質とアルミニウムとの反応性が高くなって、アルミニウム製の外装ケースがアノード・カソード反応により欠損することを防止するために、外装ケースの内面に絶縁層を形成することが開示されている。
特開2004−304080号公報
ところで、従来のアルミニウム電解コンデンサは、製造過程においてコンデンサ内部で電気的短絡が生じる場合があった。本発明の発明者らは、電気的短絡を生ずる原因を究明し、電極箔またはリード線の一部が金属外装ケースの底部内面と接触して起こると判明した。この問題は、金属外装ケースの底部内面に電極箔およびリード線が押圧されて接触を生じ易い、コンデンサ素子を金属外装ケース内に収納する収納工程において発生しやすいと考えられる。
近年、各種電子機器のデジタル化が進み、電解コンデンサには、小形化および大容量化が求められており、金属外装ケースは小さくなる傾向にあることから、金属外装ケースとコンデンサ素子との隙間は狭くなる傾向にある。
よって、金属外装ケースの内面全てに絶縁膜を形成すると、コンデンサ素子の収納可能容積が減少し、小形化および大容量化が図れないという問題があった。
本発明は上記のように、コンデンサ素子と金属外装ケースの内面との電気的短絡の発生を抑えて電気的特性を安定させた電解コンデンサ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一構成に係る電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して重ね合わされて巻回され、電解質が含浸されたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の金属外装ケースと、前記金属外装ケースの開口部を封止する封口材と、前記陽極箔および前記陰極箔にそれぞれ電気的に接続され、前記封口材を介して外部に引き出されたリード線と、前記金属外装ケースの底部内面に形成される絶縁膜とを具備し、前記絶縁膜は、底面視で前記コンデンサ素子の中心から前記リード線までを半径とする円の範囲を含むように形成され、かつ、前記底部内面の縁に接触しない範囲に形成されている。
また、本発明の上記構成に係る電解コンデンサの製造方法は、陽極箔および陰極箔に電極取り出し用のリード線を接続し、前記陽極箔と前記陰極箔とがセパレータを介して重ね合わされて巻回され、電解質が含浸されたコンデンサ素子を作製するコンデンサ素子形成工程と、前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の金属外装ケースの底部内面において、絶縁膜を、底面視で前記コンデンサ素子の中心から前記リード線までを半径とする円の範囲を含むように形成し、かつ、前記底部内面の縁に接触しない範囲に形成する絶縁膜形成工程と、前記金属外装ケースに前記コンデンサ素子を収納する収納工程と、前記金属外装ケースの開口部を封口材で封止する封止工程とを備えている。
このような構成によれば、金属外装ケースの底部内面に絶縁膜が形成されており、その絶縁膜は、底面視でコンデンサ素子の中心からリード線までを半径とする円の範囲を含むように形成されているため、コンデンサ素子を金属外装ケース内に収納した際には、金属外装ケースの底部内面とリード線との間には必ず絶縁膜が存在するから、金属外装ケースとリード線との接触による電気的短絡を確実に防止すると共に、金属外装ケースと電極箔との接触を有効に低減することができる。
さらに、絶縁膜が金属外装ケースの底部内面の縁に接触しない範囲に形成されているため、張力により絶縁膜が金属外装ケースの周内壁に拡がることがなく、周内壁の膜厚が厚く、かつ絶縁膜中心部の膜厚が薄くなることがない。よって、絶縁膜中心部の所定厚さによる絶縁性(耐電圧性)が損なわれることがない。
このような構成によれば、液状の絶縁材料が塗布されて絶縁膜が形成されることにより、薄くかつ適切な厚さで金属外装ケースの底部内面に絶縁膜を形成することができ、特に近年の電解コンデンサのように金属外装ケースとコンデンサ素子との隙間が狭い場合に有効である。
また、液状の絶縁材料を塗布して形成する場合は、塗布した液状の絶縁材料が金属外装ケースの底部内面の縁に接触すると、張力や金属外装ケース側面とコンデンサ素子との間隙による毛細管現象によって液状の絶縁材料が金属外装ケースの側壁内面へ引き寄せられ、金属外装ケースの底部内面の中央部の絶縁膜が薄くなって所定の電気的絶縁性(耐電圧性)を保持することができない問題が生ずるが、本発明においては、絶縁膜が底部内面の縁に接触しない範囲に塗布されて形成されているから、かかる不都合の発生を防止して適切に絶縁膜を形成することができる。
具体的な実施の態様としては、前記絶縁膜は、底面視で前記コンデンサ素子の径の0.60〜0.95倍の長さを直径とした円の範囲に形成されていることが挙げられる。
さらに具体的な実施の態様としては、前記絶縁膜がポリビニルアルコールを含有することが挙げられる。
また、別の具体的な実施の態様としては、前記絶縁膜が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウムまたはチタン酸鉛のうち1種以上を含有していることが挙げられる。
上述したように、本発明による、金属外装ケースの底部内面に形成される絶縁膜が、底面視でコンデンサ素子の底部中心からリード線までを半径とする円の範囲を含むように形成されているため、コンデンサ素子と金属外装ケースの内面との電気的短絡を抑制することができる。
さらに、絶縁膜が金属外装ケースの底部内面の縁に接触しない範囲において底部の内周側から外周側に向かって形成されているため、張力により絶縁膜が金属外装ケースの周内壁に拡がることがなく、周内壁の膜厚が厚く、かつ絶縁膜中心部の膜厚が薄くなることがない。よって、絶縁膜中心部の所定厚さによる絶縁性(耐電圧性)が損なわれることがない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態である電解コンデンサの外観および内部構造を示す概略構成図である。図1に示すように、電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、リード線3と、アルミニウム製の金属外装ケース4と、絶縁膜5(5a)と、封口材6とを有している。
図5は、コンデンサ素子2の外観図である。コンデンサ素子2は、陽極箔21と陰極箔22とを備えており、これら陽極箔21と陰極箔22とがセパレータ23を介して巻回された構造を有する。
陽極箔21は、アルミニウム等の弁作用金属で形成されている。この陽極箔21の表面はエッチング処理により粗面化(エッチング)されるとともに陽極酸化(化成)による陽極酸化皮膜が形成されている。
また、陰極箔22も陽極箔21と同様にアルミニウム等で形成されており、その表面は粗面化(エッチング)されるとともに自然酸化皮膜が形成されている。
なお、陽極箔、陰極箔の粗面化は、蒸着等のドライプロセスで形成してもよい。
また、陽極箔21および陰極箔22との間に介在するセパレータ23には、電解液が保持されている。
陽極箔21と陰極箔22とからはそれぞれリードタブが接続され、リードタブを介してリード線3a、3bがそれぞれ引き出されている。
金属外装ケース4は、有底筒形状であり、コンデンサ素子2を収納している。
封口材6は、金属外装ケース4の開口部を封止するものであり、イソブチレン−イソプレンラバー(IIR)やエチレンプロピレンターポリマー(EPT)などの弾性ゴムで形成されている。また、コンデンサ素子2のリード線3a、3bが、封口材6に形成された貫通孔を介して金属外装ケース4から引き出されている。
絶縁膜5は、後述する絶縁膜形成工程において、金属外装ケース4の底部内面に、液状のポリビニルアルコール(PVA)を含有する絶縁材料を塗布して、それを乾燥させることにより形成されるものである。
絶縁膜5は、ある程度以上の耐熱性を有している物質であることが望ましい。リフロー炉での表面実装処理時には、コンデンサには高い熱がかかるため、その熱ストレスによって膨張、収縮、変形、変質を起こさないことが要求されるからである。
また、絶縁膜5はコンデンサ素子2に含浸されている電解液によって、化学反応や膨潤性といった変化、変質を起こさない物質であることが望ましい。
また、絶縁膜5は、コンデンサに使用されている各種部材、すなわち金属ケース、電極箔、電解紙、素子止めテープ、弾性封口体、電解液等に対して、周囲環境温度によらず、影響を及ぼさないことが望ましい。
このような要求を満たす絶縁性材料としては、電解コンデンサの素子止め粘着材や包装用フィルムとして使用されているPVA(ポリビニルアルコール)のようなプラスチック材料がある。PVAは、水には容易に溶解するが有機溶媒には不溶であるため、耐薬品性に優れている。また、造膜性、接着性、耐熱性、絶縁性を有し、コンデンサに使用する他の部材との相互作用がなく、絶縁用途に適している。
金属外装ケース4の底部内面に液状の絶縁材料を塗布する範囲が異なるようにしたものを、図1〜4に示す。図1〜4の(a)は電解コンデンサ1の側面視概略断面図であり、同図の(b)は電解コンデンサ1の底面視概略断面図である。
図1に示す絶縁膜5(5a)は、底面視で金属外装ケース4の底部中心(コンデンサ素子の中心)からリード線3(3a、3b)までの距離のうち、いずれか長い方を半径とする円の範囲全体に形成され、リード線3a、3bと金属外装ケース4の底部内面との間が遮蔽されている。絶縁膜5(5a)の膜の厚さはほぼ一定になるように形成されている。
図2に示す絶縁膜5(5b)は、底面視で、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しない範囲の長さを半径とする円の範囲全体に形成されている。絶縁膜5(5b)の膜の厚さはほぼ一定になるように形成されている。
図3に示す絶縁膜5(5c)は、底面視で、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした楕円の範囲に形成されており、楕円の長径は絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しない範囲の長さであり、楕円の短径は、底面視で金属外装ケース4の底部中心からリード線3a、3bまでの距離より長く、絶縁膜5(5c)の膜の厚さはほぼ一定になるように形成されている。
図4に示す絶縁膜5(5d)は、金属外装ケース4の底部内面全体にわたり形成されており、絶縁膜5が底部内面の縁に接触し、絶縁膜5が張力により金属外装ケース4の側壁内面にまで形成されている。絶縁膜5(5d)の膜の厚さは、金属外装ケース4の底部内面の縁部が最も厚く、底部内面の中央部が最も薄く形成されている。
次に、電解コンデンサ1の製造方法について、図6を参照して説明する。図6は、電解コンデンサ1の製造方法を示す工程フロー図である。
電解コンデンサ1の製造方法は、コンデンサ素子形成工程、絶縁膜形成工程、収納工程、および封止工程を有している。
コンデンサ素子形成工程においては、コンデンサ素子2を形成する。具体的には、まず、電極の実効表面積を大きくするために、陽極箔21および陰極箔22の表面にエッチング処理を施して粗面化する。
さらに、粗面化された陽極箔21の表面に化成処理を施して陽極酸化皮膜を形成し、陰極箔22は、耐水性処理および/または熱処理にて自然酸化皮膜を形成する。
そして、陽極酸化皮膜、自然酸化皮膜が形成された陽極箔21と陰極箔22とのそれぞれにリードタブを介してリード線3a、3bを接続するとともに、これら陽極箔21と陰極箔22とをセパレータ23を介して巻回し、円柱形のコンデンサ素子2を作製する(図5参照)。
次に、コンデンサ素子2を電解液に浸漬して、コンデンサ素子2に電解液を含浸させるか、重合反応により、導電性高分子をコンデンサ素子2に形成させる。
絶縁膜形成工程においては、液状の絶縁材料を金属外装ケース4の底部内面に塗布して、これを乾燥させることにより絶縁膜5を形成する。液状の絶縁材料を塗布する範囲は、図1〜3に示すように、底面視で底部中心からリード線3a、3bまでを半径とする円の範囲を含み、かつ、底部内面の縁に接触しない範囲である。
収納工程においては、コンデンサ素子2が、金属外装ケース4内に収納される。
なお、コンデンサ素子2を金属外装ケース4に収納した後、電解液を注入し、コンデンサ素子に電解液を含浸してもよい。
封止工程においては、金属外装ケース4の開口部から封口材6を挿入し、開口部付近を加締めることによって、該金属外装ケース4の開口部を封止する。このとき、コンデンサ素子2のリード線3a、3bを、封口材6に形成された貫通孔を介して金属外装ケース4から引き出す。これによって、電解コンデンサ1が形成される。最後にエージングを行って、電解コンデンサ1の製造が完了する。
次に、本発明の具体的な実施例1〜9と比較例1、2とを合わせて説明する。なお、各電解コンデンサは、製品サイズφ6.3×3.95Lのチップ形アルミニウム電解コンデンサである。
なお、リード線3a、3bの間隔は、コンデンサ素子2の直径の0.50倍であり、リード線3a、3bの中点と金属外装ケース4の底部内面の中点とはほぼ一致している。
[実施例1]
実施例1は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成し、絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の直径の0.50倍(リード線間距離)とし、これを50個作製した。
[実施例2]
実施例2は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成し、絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の直径の0.60倍(リード線間距離超)とし、これを50個作製した。実施例2は、図1に示されている。
[実施例3〜5]
実施例3〜5は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成した。実施例3〜5それぞれの絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の直径の0.70、0.80、0.90倍(各々、リード線間距離超)とし、これらをそれぞれ50個作製した。
[実施例6]
実施例6は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成し、絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の直径の0.95倍(リード線間距離超)とし、これを50個作製した。実施例6は、図2に示されており、金属外装ケース4の底部と側壁との交差部分(底部の縁、エッジ部分)が金属外装ケース4の内部に向かって盛り上がっているため、本実施例において、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しない限界とも考えられる。
(比較例1)
比較例1は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成し、絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の直径の0.45倍(リード線間距離未満)とし、これを50個作製した。
(比較例2)
比較例2は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に絶縁膜5を形成し、絶縁膜5の直径をコンデンサ素子2の径の1.05倍(リード線間距離超)とし、これを50個作製した。比較例2は、図4に示されており、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しているものである。
[実施例7]
実施例7は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした楕円形に絶縁膜5を形成し、その短径はコンデンサ素子2の直径の0.83倍(リード線間距離超)とし、その長径は0.95倍(リード線間距離超)とし、これを50個作製した。実施例7は、図3に示されている。
(従来例1)
従来例1は、金属外装ケース4の底部内面に絶縁膜5を形成していないものであり、これを50個作製した。
(従来例2)
従来例2は、金属外装ケース4の底部内面の中点を中心とした円形に電解紙を形成し、その径は、コンデンサ素子2の直径の0.80倍(リード線間距離超)とし、これを50個作製した。
上記実施例1〜7、比較例1、2、および従来例1、2を用いて、製品の短絡確認および製品の一般電気特性を確認した結果を表1に示す。
Figure 2010098131
上記の表1から明らかなように、従来例1では絶縁膜5が形成されていないために、短絡品の発生数が5個、漏れ電流値の規格外製品の発生数が5個となっている。
また、従来例2では電解紙を絶縁手段に用いたものであるが、短絡品の発生が2個、漏れ電流値の規格外製品の発生数が4個となっている。
一方、実施例1〜6(絶縁膜の直径/素子径=0.50〜0.95)については、短絡品の発生数は0個であり、漏れ電流値の規格外製品の発生数が0個または1個にとどまっており、従来例1、2と比較して優れている。その中でも、実施例2〜6(絶縁膜の直径/素子径=0.60〜0.95)は、漏れ電流の規格外製品の発生数が0個であり、特に優れていることが分かる。
このことから、金属外装ケース4の底部内面に絶縁手段(絶縁膜5)を設けると、短絡品および漏れ電流の値規格外品の発生を抑制することができることが確認された。なお、電解紙では前記抑制効果が万全ではないことから、絶縁手段は所定の絶縁性(耐電圧性)を確保できる厚さの絶縁膜が必要であると考えられる。
また、比較例1より、絶縁手段としての絶縁膜5が底面視で金属外装ケース4の底部中心からリード線3a、3bまでを半径とする円の範囲全体に形成されていないと、短絡品および漏れ電流値規格外品の発生を抑制することができないことが確認された。これは、金属外装ケース4とリード線3a、3bとが接触することにより電気的短絡を生じるためであり、金属外装ケース4の底部内面とリード線3a、3bとの間に絶縁膜5が存在すれば、これらを抑制することができると考えられる。
さらに、比較例2より、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁(R部)に接触していると、短絡品および漏れ電流値の規格外品の発生を抑制することができないことが確認された。
これは、絶縁膜5が金属外装ケース4の底部内面の縁(R部)に接触するように底部の内周側から外周側に向かって形成されていると、毛細管現象により絶縁膜5が金属外装ケース4の周内壁に拡がり、周内壁の膜厚が厚く、絶縁膜中心部の膜厚が薄くなってしまい、絶縁膜中心部の所定厚さによる絶縁性(耐電圧性)が損なわれるためと考えられる。
実施例7は、実施例2〜6と同様に短絡品の発生数および漏れ電流値の規格外製品の発生数が0個で、短絡品および漏れ電流値規格外品の発生が抑制されている。よって、絶縁膜5の底面視の形状は円形でも楕円形でも多角形でもよく、絶縁膜5が底面視で金属外装ケース4の底部内面中心からリード線3a、3bまでを半径とする円の範囲を含むように形成され、かつ、金属外装ケース4の底部内面の縁に接触しない範囲に形成されていれば、いずれの形状でも差し支えないと考えられる。
なお、絶縁膜5は液体状のポリビニルアルコールを用いたが、液状で塗布して形成できれば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウムまたはチタン酸鉛のうち1種以上を用いることも可能である。
また、本実施の形態において、巻回型のコンデンサ素子を有する電解コンデンサについて説明したが、これに特に限定されるものではない。例えば、アルミニウム箔の積層型のコンデンサ素子、タンタルやニオブの焼結体を有する固体電解コンデンサについても適用可能である。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの外観および内部構造を示す概略構成図であり、(a)は電解コンデンサ1の側面視概略断面図であり、(b)は電解コンデンサ1の底面視概略断面図である。 本発明の別の実施形態に係る電解コンデンサの外観および内部構造を示す概略構成図であり、(a)は電解コンデンサ1の側面視概略断面図であり、(b)は電解コンデンサ1の底面視概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る電解コンデンサの外観および内部構造を示す概略構成図であり、(a)は電解コンデンサ1の側面視概略断面図であり、(b)は電解コンデンサ1の底面視概略断面図である。 本発明の比較例に係る電解コンデンサの外観および内部構造を示す概略構成図であり、(a)は電解コンデンサ1の側面視概略断面図であり、(b)は電解コンデンサ1の底面視概略断面図である。 図1に示すコンデンサ素子の外観図である。 本発明の電解コンデンサの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
3a リード線(陽極)
3b リード線(陰極)
4 金属外装ケース
5 絶縁膜
6 封口材
21 陽極箔
22 陰極箔
23 セパレータ

Claims (8)

  1. 陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して重ね合わされて巻回され、電解質が含浸されたコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の金属外装ケースと、
    前記金属外装ケースの開口部を封止する封口材と、
    前記陽極箔および前記陰極箔にそれぞれ電気的に接続され、前記封口材を介して外部に引き出されたリード線と、
    前記金属外装ケースの底部内面に形成される絶縁膜とを具備し、
    前記絶縁膜は、底面視で前記コンデンサ素子の中心から前記リード線までを半径とする円の範囲を含むように形成され、かつ、前記底部内面の縁に接触しない範囲に形成されていることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記絶縁膜は、液状で前記金属外装ケースの底部内面に塗布されて形成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記絶縁膜は、底面視で前記コンデンサ素子径の0.60〜0.95の長さを直径とした円の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記絶縁膜がポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記絶縁膜が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウムまたはチタン酸鉛のうち1種以上を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の金属外装ケースと、前記金属外装ケースの開口部を封止する封口材と、陽極箔および陰極箔にそれぞれ電気的に接続され、前記封口材を介して外部に引き出されたリード線と、前記金属外装ケースの底部内面に形成される絶縁膜とを具備した電解コンデンサの製造方法であって、
    陽極箔および陰極箔に電極取り出し用のリード線を接続し、前記陽極箔と前記陰極箔とがセパレータを介して重ね合わされて巻回され、電解質が含浸されたコンデンサ素子を作製するコンデンサ素子形成工程と、
    前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の金属外装ケースの底部内面において、絶縁膜を、底面視で前記コンデンサ素子の中心から前記リード線までを半径とする円の範囲を含むように形成し、かつ、前記底部内面の縁に接触しない範囲に形成する絶縁膜形成工程と、
    前記金属外装ケースに前記コンデンサ素子を収納する収納工程と、
    前記金属外装ケースの開口部を封口材で封止する封止工程と、
    を備えていることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記絶縁膜形成工程は、液状の絶縁材料を前記金属外装ケースの底部内面に塗布することにより、前記絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記絶縁膜形成工程は、底面視で前記コンデンサ素子の直径の0.60〜0.95倍の長さを直径とした円の範囲に前記絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6または7に記載の電解コンデンサの製造方法。
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