JP2009212117A - コンデンサ用ケース、該コンデンサ用ケースを備えたコンデンサおよびコンデンサ用ケースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストかつ小形化・低背化を可能とし絶縁膜の破損を抑制することができるコンデンサ用ケース、該コンデンサ用ケースを備えたコンデンサおよびコンデンサ用ケースの製造方法を提供する。
【解決手段】陽極箔および陰極箔がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子3を収容するアルミニウムケース5の内表面および外表面に対してそれぞれ、酸化処理を施すことで電気絶縁膜である酸化アルミニウム皮膜5b、5cを形成する。
【選択図】図1
【解決手段】陽極箔および陰極箔がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子3を収容するアルミニウムケース5の内表面および外表面に対してそれぞれ、酸化処理を施すことで電気絶縁膜である酸化アルミニウム皮膜5b、5cを形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンデンサ用ケース、該コンデンサ用ケースを備えたコンデンサおよびコンデンサ用ケースの製造方法に関するものである。
各種コンデンサの中には、陽極箔と陰極箔とを対向して配置されてなるコンデンサ素子を金属ケースに収容したタイプのコンデンサがある。例えば、アルミニウム電解コンデンサでは、陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して対向して配置されるとともに、巻回されてなるコンデンサ素子がアルミニウムケースに収容されている。
従来のアルミニウム電解コンデンサは、一般的に次のように製造される。まず、アルミニウム箔にエッチング処理を施した後、表面に化成処理を施すことによって酸化皮膜が形成された陽極箔、およびアルミニウム箔にエッチング処理を施した陰極箔を製造する。かかる陽極箔および陰極箔を、セパレータを介在させて対向させたものを積層体とし、巻回してコンデンサ素子を製造する。続いて、かかるコンデンサ素子に電解液を含浸させた後、一方端が開口している有底筒状の金属ケースに収容する。該金属ケースの開口は、陽極箔および陰極箔にそれぞれ接続されたリード線を挿通させる挿通孔が形成された封口材によって封口される。
従来のアルミニウム電解コンデンサは、一般的に次のように製造される。まず、アルミニウム箔にエッチング処理を施した後、表面に化成処理を施すことによって酸化皮膜が形成された陽極箔、およびアルミニウム箔にエッチング処理を施した陰極箔を製造する。かかる陽極箔および陰極箔を、セパレータを介在させて対向させたものを積層体とし、巻回してコンデンサ素子を製造する。続いて、かかるコンデンサ素子に電解液を含浸させた後、一方端が開口している有底筒状の金属ケースに収容する。該金属ケースの開口は、陽極箔および陰極箔にそれぞれ接続されたリード線を挿通させる挿通孔が形成された封口材によって封口される。
さらに、近年の面実装化に対応するため、上述のアルミニウム電解コンデンサに貫通孔を有する絶縁板を、コンデンサ素子から引き出されたリード線を貫通孔に挿通した状態で装着すると共に、該絶縁板に設けられた端子溝に沿ってリード線を折り曲げた形状とした、チップ形アルミニウム電解コンデンサが知られている(特許文献1参照)。
上述のようなアルミニウム電解コンデンサにおいてコンデンサ素子を収容する金属ケースとしては、特にアルミニウム板を絞り加工した有底筒状のケースが用いられる。ここで、特許文献2には、電気絶縁性シートをコンデンサ素子とアルミニウムケースの底面との間に挟み込み、コンデンサ素子とアルミニウムケースとの間を絶縁する手法が提案されている。
また、アルミニウムケースの外側面にポリアミド系樹脂を接着剤を介して被覆したり、アルミニウム板の少なくとも片面に、ポリアミド系樹脂層を被覆した積層板をポリアミド系樹脂層が外側になるように絞り加工したりすることによって、絶縁する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第2703718号公報
特開平10−223488号公報
特許第2572094号公報
しかしながら、コンデンサ素子とアルミニウムケースとの間に電気絶縁性シートを挟み込んだり(特許文献2)、アルミニウムケースに樹脂層を形成(特許文献3)したりする場合には、新たに電気絶縁性シートおよび原材料として樹脂や接着剤が増えることとなりコストアップに繋がる。
また、特許文献3に記載されるように、樹脂層を予めアルミニウム板の片面または両面に形成し、これを絞り加工等の成形加工によりケースとする場合は、成形加工時のストレスによって樹脂層が割れたり剥離したりしてしまう問題がある。
また、チップ形アルミニウム電解コンデンサにおいては、リフローはんだ付けが行われる際に、コンデンサ自体が高温の雰囲気下に晒されることになる。このため、加熱による熱伸縮が原因となり樹脂層に割れ、裂け、剥がれ等が生じる危険性がある。
さらに、電子部品が搭載される基板では、セットの小形化が進んでいる。これに伴い電子部品の小形化、面実装化が進んでおり、アルミニウム電解コンデンサにも小形化・低背化が求められている。しかしながら、上述の方法では、シートや樹脂層の厚みにより、小形化・低背化が妨げられてしまう。
そこで、本発明の目的は、低コストかつ小形化・低背化が可能であり電気絶縁膜の破損を抑制することができるコンデンサ用ケース、該コンデンサ用ケースを備えたコンデンサおよびコンデンサ用ケースの製造方法を提供することである。
本発明のコンデンサ用ケースは、一方端が開口された有底筒状に形成され、内部にコンデンサ素子を収容可能な金属ケースを備えたコンデンサ用ケースであって、
前記金属ケースの内表面が酸化処理により形成された内面側電気絶縁膜で覆われていることを特徴とする(第1の発明)。
前記金属ケースの内表面が酸化処理により形成された内面側電気絶縁膜で覆われていることを特徴とする(第1の発明)。
また、本発明のコンデンサ用ケースでは、前記金属ケースの外表面が酸化処理により形成された外面側電気絶縁膜で覆われていてもよい(第2の発明)。
さらに、本発明のコンデンサ用ケースでは、前記内面側電気絶縁膜および前記外面側電気絶縁膜は、前記酸化処理として前記金属ケースを陽極酸化溶液中に浸漬させながら陽極酸化することで形成されてもよい(第3の発明)。
加えて、本発明のコンデンサ用ケースでは、前記金属ケースは、アルミニウム単体またはアルミニウム合金で形成されていてもよい(第4の発明)。
また、本発明のコンデンサは、上述の第1ないし4のいずれかの発明のコンデンサ用ケースと、
前記コンデンサ用ケースに収容され、陽極箔および陰極箔にリード線をそれぞれ接続し、セパレータを介して積層させ巻回したコンデンサ素子と、
前記コンデンサ用ケースの筒軸方向に挿通孔が形成されており、該挿入孔に前記リード線を挿通した状態で前記コンデンサ用ケースの開口を封口する封口材と
を備えたことを特徴とする(第5の発明)。
前記コンデンサ用ケースに収容され、陽極箔および陰極箔にリード線をそれぞれ接続し、セパレータを介して積層させ巻回したコンデンサ素子と、
前記コンデンサ用ケースの筒軸方向に挿通孔が形成されており、該挿入孔に前記リード線を挿通した状態で前記コンデンサ用ケースの開口を封口する封口材と
を備えたことを特徴とする(第5の発明)。
また、本発明のコンデンサ用ケースの製造方法は、一方端が開口された有底筒状に形成され、内部にコンデンサ素子を収容可能な金属ケースを備えたコンデンサ用ケースの製造方法であって、
前記金属ケースの内表面および外表面に対して酸化処理を同時に施して前記金属ケースの内表面および外表面にそれぞれ内面側電気絶縁膜および外面側電気絶縁膜を形成することを特徴とする(第6の発明)。
前記金属ケースの内表面および外表面に対して酸化処理を同時に施して前記金属ケースの内表面および外表面にそれぞれ内面側電気絶縁膜および外面側電気絶縁膜を形成することを特徴とする(第6の発明)。
加えて、本発明のコンデンサ用ケースの製造方法では、前記酸化処理として前記金属ケースを陽極酸化溶液中に浸漬させながら陽極酸化を行って前記金属ケースの内表面および外表面にそれぞれ前記内面側電気絶縁膜および前記外面側電気絶縁膜を形成してもよい(第7の発明)。
さらに、本発明のコンデンサ用ケースの製造方法では、前記酸化処理は前記金属ケースに対して成形加工が実行された後に施されてもよい(第8の発明)。
この発明によると、金属ケースの表面は酸化処理により形成された電気絶縁膜で覆われているので、樹脂層を電気絶縁膜とした場合における、金属ケースの成形加工や加熱に起因する電気絶縁膜の割れ、裂け、剥がれ等の破損を防止することができる。
また、この発明によれば、新たに電気絶縁性シートおよび原材料として樹脂や接着剤を用いる必要がないので、原材料費がかさむことなく低コストで電気絶縁膜を形成することができる。また、電気絶縁性シートや樹脂層の厚みによりコンデンサの小形化・低背化が妨げられることがない。
また、この発明によれば、新たに電気絶縁性シートおよび原材料として樹脂や接着剤を用いる必要がないので、原材料費がかさむことなく低コストで電気絶縁膜を形成することができる。また、電気絶縁性シートや樹脂層の厚みによりコンデンサの小形化・低背化が妨げられることがない。
以下、本発明の好適な一実施の形態について、コンデンサとしてアルミニウム電解コンデンサを例に図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態にかかるアルミニウム電解コンデンサの概略構成を示す図である。なお、図1においては、その内部構造を示すため、一部分を断面で表している。図2は、図1に示すコンデンサ素子の分解斜視図である。図3は、図1において破線で囲まれた領域の拡大図である。
本実施の形態のアルミニウム電解コンデンサ(以下、単に「コンデンサ」と称する)1は、図1に示すように、コンデンサ素子3を、一方端に開口5aを有する有底筒状のアルミニウムケース5(本発明の「金属ケース」に相当)に収納してなる。アルミニウムケース5の表面には、酸化処理を施すことによって電気絶縁性を有する酸化アルミニウム皮膜5b、5cが形成されている。すなわち、アルミニウムケース5と酸化アルミニウム皮膜5b、5cとから本願の「コンデンサ用ケース」が構成されている。より詳細には、図1および図3に示すように、アルミニウムケース5の内表面および外表面の全体にそれぞれ、酸化皮膜からなる内面側電気絶縁膜5bおよび外面側電気絶縁膜5cが形成されている。また、アルミニウムケース5の開口5aは、弾性封口材7によって封口されている。
酸化皮膜5b、5cは、以下のようにしてアルミニウムケース5の表面に形成される。すなわち、アルミニウム板を成形加工してアルミニウムケース5を作製した後に該アルミニウムケース5を陽極酸化溶液(硫酸、リン酸、シュウ酸、その他の有機カルボン酸)中に浸漬させる。そして、アルミニウムケース5を陽極として直流および/または交流を付与することによってアルミニウムケース5の表面全体に酸化皮膜を形成(陽極酸化)する。つまり、アルミニウムケース5の内表面および外表面に対して同時に酸化処理が施されることによって、アルミニウムケース5の内表面および外表面がそれぞれ、酸化皮膜からなる内面側電気絶縁膜5bおよび外面側電気絶縁膜5cで覆われる。これにより、自然酸化皮膜(膜厚:約1nm)に比べて十分な厚みを有する構造的に強固な酸化皮膜をアルミニウムケース5の表面に形成することができる。
このように、アルミニウムケース5に内面側電気絶縁膜5bおよび外面側電気絶縁膜5cを形成することで、次のような作用効果が得られる。すなわち、内面側電気絶縁膜5bを形成することで、コンデンサ素子3とアルミニウムケース5とが接触し、ショート不良が発生するのを防止することができる。
また、外部からの電気的・物理的な接触障害を回避するために、通常、アルミニウムケース5の外表面をラミネートフィルムにより被覆することが行われる。この場合、アルミニウムケース5の内面側に対する絶縁処理と、外面側に対する絶縁処理とを別個に行うとともに、新たにラミネート用フィルム材が必要となるが、この実施形態のように、アルミニウムケース5の内表面および外表面に対して同時に酸化処理(陽極酸化)を施すことで、ラミネートフィルムによる被覆を行うことなく、外部に対する絶縁を行うことができる。しかも、酸化皮膜を絶縁膜としていることから、アルミニウムケース5表面に酸化皮膜を形成するにあたり、アルミニウム箔に対する化成処理(誘電体皮膜の形成)を実行する装置を流用することも可能である。
図2に示すように、コンデンサ素子3は、陽極箔31と陰極箔32とをセパレータ33を介して積層して巻回することによって形成されている。陽極箔31は、高純度のアルミニウム箔にエッチング処理を施して表面積を拡大させ、さらにその表面に化成処理を施すことによって、誘電体となる酸化皮膜(図示せず)を形成したものである。また、陰極箔32も陽極箔31と同様にアルミニウム箔で形成されており、その表面にエッチング処理が施されている。さらに、陽極箔31および陰極箔32には、針穴加締や超音波溶接といった方法でリードタブ(図示せず)が接合されており、該リードタブを介して陽極箔31および陰極箔32からリード線36がそれぞれ引き出されている。
弾性封口材7には、例えば、イソブチレン−イソプレンラバー(IIR)、エチレンプロピレンターポリマー(EPT)等の弾性ゴムが用いられる。また、弾性封口材7には、図1に示すように、コンデンサ素子3から引き出されたリード線36を挿通するための挿通孔7aがコンデンサ用ケースの筒軸方向に形成されている。かかる挿通孔7aは、リード線36を挿通させることにより隙間が密封されるようになっている。
また、上述のコンデンサ素子3は、巻き止めテープ35によって巻き止められている。巻き止めテープ35は、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム等を基材とするものであり、その片面に接着剤が配置されている。
そして、かかるコンデンサ素子3は、例えばエチレングリコール(EG)やγ−ブチロラクトン(GBL)を主溶媒とした電解液が含浸された後、アルミニウムケース5に収容される。
以上のように、本実施の形態のコンデンサ1は、コンデンサ素子3を収容するアルミニウムケース5の内表面および外表面に電気絶縁性を有する酸化アルミニウム皮膜5b、5cが形成されている。
したがって、電気絶縁膜として機能する酸化アルミニウム皮膜5b、5cを低コストで形成することができる。また、電気絶縁膜の厚みによりコンデンサ1の小形化・低背化が妨げられることがない。
また、酸化アルミニウム皮膜5b、5cは、アルミニウムケース5を成形加工した後に生成することが可能であるので、アルミニウム板の加工成形時に電気絶縁膜に微小な割れ、裂け、剥がれ等が発生することがない。さらに、リフローはんだ付けの際における加熱による熱収縮が原因となる酸化アルミニウム皮膜5b、5cの割れ、裂け、剥がれ等も抑制することができる。したがって、電気絶縁膜の破損を抑制することができる。
したがって、電気絶縁膜として機能する酸化アルミニウム皮膜5b、5cを低コストで形成することができる。また、電気絶縁膜の厚みによりコンデンサ1の小形化・低背化が妨げられることがない。
また、酸化アルミニウム皮膜5b、5cは、アルミニウムケース5を成形加工した後に生成することが可能であるので、アルミニウム板の加工成形時に電気絶縁膜に微小な割れ、裂け、剥がれ等が発生することがない。さらに、リフローはんだ付けの際における加熱による熱収縮が原因となる酸化アルミニウム皮膜5b、5cの割れ、裂け、剥がれ等も抑制することができる。したがって、電気絶縁膜の破損を抑制することができる。
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上記実施形態では金属ケースの材質としてアルミニウムを用いているが、ケースの材質は、アルミニウム単体に限定されず、アルミニウム合金であってもよい。また、陽極箔および陰極箔としてアルミニウムを用いているが、箔の材質はこれに限定されず、タンタルおよびニオブ等の金属であってもよい。
また、上記実施形態では、金属ケースの両表面(内表面および外表面)を酸化皮膜からなる電気絶縁膜で覆っているが、これに限定されず、金属ケースの内表面のみに酸化処理を施して該金属ケースの内表面を電気絶縁膜(内面側電気絶縁膜)で覆うように構成してもよい。このように構成しても、コンデンサ素子3が金属ケースと接触してショート不良が発生するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、金属ケースの両表面(内表面および外表面)を酸化皮膜からなる電気絶縁膜で覆っているが、これに限定されず、金属ケースの内表面のみに酸化処理を施して該金属ケースの内表面を電気絶縁膜(内面側電気絶縁膜)で覆うように構成してもよい。このように構成しても、コンデンサ素子3が金属ケースと接触してショート不良が発生するのを防止することができる。
<比較試験1>
ここで、上述の実施例で述べた酸化アルミニウム皮膜5b、5cと、PET、6−ナイロン、およびポリイミドの3種類の樹脂製の膜との絶縁破壊圧力を比較する実験を行った。
ここで、上述の実施例で述べた酸化アルミニウム皮膜5b、5cと、PET、6−ナイロン、およびポリイミドの3種類の樹脂製の膜との絶縁破壊圧力を比較する実験を行った。
表1に示すように、実施例の酸化アルミニウム皮膜は、他の樹脂製のどの電気絶縁膜と比べても絶縁破壊電圧が高い。したがって、絶縁性に優れていることが分かる。
<比較試験2>
続いて、上述の実施例で述べたコンデンサ1と、以下に比較例1、2および従来例としてそれぞれ述べるコンデンサとを比較する比較試験を行った。
続いて、上述の実施例で述べたコンデンサ1と、以下に比較例1、2および従来例としてそれぞれ述べるコンデンサとを比較する比較試験を行った。
(比較例1)
比較例1にかかるコンデンサは、アルミニウムケースの内面にPETラミネートが施されており、酸化アルミニウム皮膜は形成されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
比較例1にかかるコンデンサは、アルミニウムケースの内面にPETラミネートが施されており、酸化アルミニウム皮膜は形成されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
(比較例2)
比較例2にかかるコンデンサは、アルミニウムケースの内面にナイロンラミネートが施されており、酸化アルミニウム皮膜は形成されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
比較例2にかかるコンデンサは、アルミニウムケースの内面にナイロンラミネートが施されており、酸化アルミニウム皮膜は形成されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
(従来例)
従来例にかかるコンデンサのアルミニウムケースには、酸化アルミニウム皮膜が形成されていない。すなわち、従来例のアルミニウムケースには絶縁処理が施されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
従来例にかかるコンデンサのアルミニウムケースには、酸化アルミニウム皮膜が形成されていない。すなわち、従来例のアルミニウムケースには絶縁処理が施されていない。その他の構成は実施例のコンデンサ1と同じである。
上述の実施例のコンデンサ、比較例1、2、および従来例のコンデンサを、チップ形として製品サイズ直径:φ6.3×高さ:3.9mmLにてそれぞれ作製し、電気特性測定時のショート発生数を比較した。なお、試験数は各500個とした。
次に、上述の実施例のコンデンサ、比較例1、2、および従来例のコンデンサを用いてリフロー耐熱性試験を実施した。試験数は各50個とした。リフロー条件は、コンデンサの本体表面温度でピーク温度260℃、230℃を超える時間が60秒、処理回数は2回とした。そして、試験後に絶縁できなくなる試料の個数を調べた。
表3に示すように、比較例1、比較例2にかかるコンデンサでは、リフローはんだ付け時の加熱による熱収縮により絶縁ができなくなる試料が発生するが、実施例にかかるコンデンサでは発生しなかった。
上記の比較試験の結果から、実施例1にかかるコンデンサは、絶縁樹脂の貼り付け等を行うことなく電気絶縁性を実現することが可能であり、加熱による電気絶縁膜の損傷(割れ、裂け、剥がれ等)による電気絶縁性の劣化が抑制されていることが確認された。なお、上記では、チップ形アルミニウム電解コンデンサにて比較実験を行ったが、類似した構造を持つリード形アルミニウム電解コンデンサ等であっても同様の効果が得られることは明白である。
1 アルミニウム電解コンデンサ
3 コンデンサ素子
5 アルミニウムケース(金属ケース)
5a 開口
5b 酸化アルミニウム皮膜(内面側電気絶縁膜)
5c 酸化アルミニウム皮膜(外面側電気絶縁膜)
7 弾性封口材
7a 挿通孔
31 陽極箔
32 陰極箔
33 セパレータ
35 巻き止めテープ
36 リード線
3 コンデンサ素子
5 アルミニウムケース(金属ケース)
5a 開口
5b 酸化アルミニウム皮膜(内面側電気絶縁膜)
5c 酸化アルミニウム皮膜(外面側電気絶縁膜)
7 弾性封口材
7a 挿通孔
31 陽極箔
32 陰極箔
33 セパレータ
35 巻き止めテープ
36 リード線
Claims (8)
- 一方端が開口された有底筒状に形成され、内部にコンデンサ素子を収容可能な金属ケースを備えたコンデンサ用ケースであって、
前記金属ケースの内表面が酸化処理により形成された内面側電気絶縁膜で覆われていることを特徴とするコンデンサ用ケース。 - 前記金属ケースの外表面が酸化処理により形成された外面側電気絶縁膜で覆われていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用ケース。
- 前記内面側電気絶縁膜および前記外面側電気絶縁膜は、前記酸化処理として前記金属ケースを陽極酸化溶液中に浸漬させながら陽極酸化することで形成されることを特徴とする請求項2記載のコンデンサ用ケース。
- 前記金属ケースは、アルミニウム単体またはアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコンデンサ用ケース。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサ用ケースと、
前記コンデンサ用ケースに収容され、陽極箔および陰極箔にリード線をそれぞれ接続し、セパレータを介して積層させ巻回したコンデンサ素子と、
前記コンデンサ用ケースの筒軸方向に挿通孔が形成され、該挿入孔に前記リード線を挿通した状態で前記コンデンサ用ケースの開口を封口する封口材と
を備えたことを特徴とするコンデンサ。 - 一方端が開口された有底筒状に形成され、内部にコンデンサ素子を収容可能な金属ケースを備えたコンデンサ用ケースの製造方法であって、
前記金属ケースの内表面および外表面に対して酸化処理を同時に施して前記金属ケースの内表面および外表面にそれぞれ内面側電気絶縁膜および外面側電気絶縁膜を形成することを特徴とするコンデンサ用ケースの製造方法。 - 前記酸化処理として前記金属ケースを陽極酸化溶液中に浸漬させながら陽極酸化を行って前記金属ケースの内表面および外表面にそれぞれ前記内面側電気絶縁膜および前記外面側電気絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6記載のコンデンサ用ケースの製造方法。
- 前記酸化処理は前記金属ケースに対して成形加工が実行された後に施されることを特徴とする請求項6または7記載のコンデンサ用ケースの製造方法。
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