JP2014110304A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】陽極部と陽極リードフレームとの溶接の際のスパッタの発生を防止した固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】弁作用金属板1の一端1a側に陽極部P、他端1b側に陰極部Nが構成されたコンデンサ素子Cの該陽極部Pと、陽極リードフレーム8とが溶接されてなる固体電解コンデンサにおいて、陽極部Pは、この陽極部Pの一部に形成された開放空間部7と、この開放空間部7の周縁7aの少なくとも一部を覆う溶接領域12と、を備えており、開放空間部7には、溶接の際に陽極部Pから出たスパッタが収容されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型・高周波化が進み、コンデンサに対しても高周波領域での低インピーダンス化が要求されるようになり、高導電率を有する導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが開発されている。
特に、コンピュータのCPU等の低電圧化と高速化に伴い、コンデンサに流れる電流が飛躍的に大きくなりつつあるため、この電流による発熱量を抑えてコンデンサの故障等を防止する上で、固体電解コンデンサは低ESRである事が必須の条件となっている。
このような低ESRを実現するための固体電解コンデンサとして、例えば、コンデンサ素子を複数枚積層し、これらコンデンサ素子の各陽極部および各陰極部をそれぞれ、下方に配置された一対の陽極リードフレームおよび陰極リードフレームに接続してなる下面電極型3端子構造の積層型固体電解コンデンサが知られている(例えば特許文献1参照)。
この積層型固体電解コンデンサのコンデンサ素子Cは、図7(A)および(B)に示すように、例えばアルミニウム等を粗面化した薄板(箔)からなる弁作用金属板1を備える。弁作用金属板1の全面には、誘電体となる酸化皮膜層2が形成されている。なお、図面の簡略化のため、同図の酸化皮膜層2の一部(陽極部Pの部分)は省略されている(以下、他の図についても同様である)。
弁作用金属板1の一端1a側には、陽極部Pが構成されている。一方、弁作用金属板1の他端1b側には、酸化皮膜層2上に固体電解質層3が、その上にカーボン層4が、さらにその上に銀層5が順次形成されて、陰極部Nが構成されている。陽極部Pと陰極部Nは、弁作用金属板1の酸化皮膜層2の表面上に設けられた絶縁性樹脂等のマスキング部材6によって絶縁隔離されている。
複数枚のコンデンサ素子Cは、各陰極部Nの位置が上下方向に整合され、かつ、各陽極部Pの突出方向が左右交互に反対になるように、積層されている。
各陰極部Nは、導電性接着剤を介して互いに接続されている。また、最も下方に配置された陰極部Nは、図7(C)に示すように、該陰極部Nのさらに下方に配置された陰極リードフレーム9に導電性接着剤を介して接続されている。
左右の各陽極部Pは、陰極リードフレーム9を挟んで配置された一対の陽極リードフレーム8にそれぞれ抵抗溶接、レーザー溶接、または超音波溶接等により溶接されている。説明の簡略化のため、所定方向(例えば図7(B)の左方向)に突出した1つの陽極部Pについて、抵抗溶接にて行った場合のみ具体的に述べると、この陽極部Pの表面の溶接領域12(図7(C)の右上がりハッチング領域参照)に抵抗溶接用の溶接電極11(図7(C)の点線部分参照)が接触して(図8(A)および(B)参照)、所定の溶接条件の下で、陽極部Pと陽極リードフレーム8とが抵抗溶接されている。
そして、陽極部Pおよび陰極部Nにそれぞれ接続された一対の陽極リードフレーム8および陰極リードフレーム9の一部分(下面を除く全部分)、および積層されたコンデンサ素子Cの積層体の全部分が、外装用の絶縁性樹脂等の絶縁性封止材で封止(パッケージング)され、一対の陽極リードフレーム8および陰極リードフレーム9の残余部分(下面)が外部に露出されて、下面電極型3端子構造の積層型固体電解コンデンサが製造される。なお、陽極リードフレーム8および陰極リードフレーム9として、例えば銅系合金が使用される。
特開2008−282955号
しかしながら、この固体電解コンデンサには、図8(A)および(B)に示すように、溶接電極11が溶接領域12(図7(C)を参照)に接触し、溶接電極11から陽極部Pに溶接電圧が印加されて(溶接電流が流れて)、弁作用金属板1(アルミニウム)が酸化皮膜層2を突き破って、陽極部Pと陽極リードフレーム8(銅系合金)とが抵抗溶接される際に、アルミニウムと銅系合金との融点の差から該アルミニウムが容易に溶融して、スパッタ(溶融物の散り)Sが発生して一端1aから外側に出る(例えば、図8(B)の左方向に流れ出る)等して、周囲に広がるという問題があった。なお、図8(B)の符号13は、抵抗溶接後の溶融物(アルミニウム等)の溶接形状を示している。
製品寸法に余裕のない固体電解コンデンサにおいては、このスパッタSによって絶縁性封止材の外形が大きく膨れ上がる等して、寸法不良が引き起されるという問題があった。特に、特許文献1のような下面電極型3端子構造の積層型固体電解コンデンサでは、陽極リードフレーム8の下面がそのまま外部電極となっていて、スパッタSの逃げる空間部がほとんどないため、スパッタSによる寸法不良の問題が極めて深刻なものとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、陽極部と陽極リードフレームとの溶接の際に周囲に広がるスパッタの発生を防止した固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、(1)弁作用金属板の一端側に陽極部、他端側に陰極部が構成されたコンデンサ素子の該陽極部と、陽極リードフレームとが溶接されてなる固体電解コンデンサにおいて、前記陽極部は、前記陽極部の一部に形成された開放空間部と、前記開放空間部の周縁の少なくとも一部を覆う溶接領域と、を備えており、前記開放空間部には、前記溶接の際に前記陽極部から出たスパッタが収容されていることを特徴とする固体電解コンデンサとしたものである。
上記構成(1)において、(2)前記溶接領域は、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端側に最も離れた位置にある前記周縁の最遠部を覆うことが好ましい。
上記構成(1)または(2)において、(3)前記開放空間部は、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端に向かって形成された切り欠きからなることが好ましい。
上記構成(1)または(2)において、(4)前記開放空間部は、前記弁作用金属板の厚み方向に形成された貫通孔からなることが好ましい。
また、上記課題を解決するため、本発明は、(5)弁作用金属板の一端側に陽極部、他端側に陰極部を構成したコンデンサ素子の該陽極部と、陽極リードフレームとを溶接する固体電解コンデンサの製造方法において、前記溶接前に、前記陽極部の一部に開放空間部を形成する開放空間部形成工程と、前記開放空間部の周縁の少なくとも一部を覆う溶接領域にて、前記陽極部と前記陽極リードフレームとを溶接する溶接工程と、を備え、前記溶接工程において、前記陽極部から出るスパッタが前記開放空間部に収容されることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法としたものである。
上記構成(5)において、(6)前記溶接工程において、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端側に最も離れた位置にある前記周縁の最遠部を覆う前記溶接領域にて、前記陽極部と前記陽極リードフレームとを溶接することが好ましい。
上記構成(5)または(6)において、(7)前記開放空間部形成工程において、前記開放空間部を、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端に向かって形成された切り欠きとして形成することが好ましい。
上記構成(5)または(6)において、(8)前記開放空間部形成工程において、前記開放空間部を、前記弁作用金属板の厚み方向に形成された貫通孔として形成することが好ましい。
上記構成(1)または(5)によれば、溶接領域が開口空間部の周縁の少なくとも一部を覆うようにしたことによって、この溶接領域の開口空間部の周縁にかかる部分で、陽極部の弁作用金属板の溶融物(例えば、アルミニウム等)が開放空間部側に最も流れ出やすい状態が作られ、かつ、陽極部から発生したスパッタ(溶融物の散り)が開放空間部に収容されて、他の部分に広がるスパッタの量(弁作用金属板の一端から外側(他端と反対側)へ流れ出た位置)が減少するので、溶接の際に周囲に広がるスパッタの発生を防止することができる。
上記構成(2)または(6)によれば、溶接領域が開口空間部の周縁の最遠部を覆うようにしたことによって、この溶接電極の開口空間部の最遠部にかかる部分で、弁作用金属板の一端から他端側に最も遠い位置から、弁作用金属板の溶融物が開放空間部側に流れ出やすい状態が作られるので、他の部分(内部に収納されるコンデンサ素子の最大寸法に関わる部分)に広がるスパッタの量をさらに減少させることができる。つまり、収納できるコンデンサ素子を最大化できる。
上記構成(3)または(4)および(7)または(8)によれば、開放空間部を、形状が比較的簡単な切り欠きまたは貫通孔として形成したので、開放空間部の加工容易性やコスト面において利点がある。
本発明によれば、陽極部と陽極リードフレームとの溶接の際のスパッタの発生を防止した固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
(A)は本発明に係る固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す斜視図、(B)は(A)のB−B’線に沿った拡大断面図、(C)は上面図である。 (A)および(B)はいずれも、図1(B)の一部拡大断面図であって、(A)は抵抗溶接前の陽極部および陽極リードフレームの状態、(B)は抵抗溶接後の陽極部および陽極リードフレームの状態を示す。 図1(A)のコンデンサ素子を積層して製造された固体電解コンデンサの斜視図である。 (A1)〜(A4)はそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例1および従来例1に係る固体電解コンデンサの抵抗溶接前の状態を示す概略上面図、(B1)〜(B4)はそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例1および従来例1に係る固体電解コンデンサの抵抗溶接後の状態を示す概略上面図である。 (A)は本発明の第1変形例に係る固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す斜視図、(B)は(A)のB−B’線に沿った拡大断面図、(C)は上面図である。 (A)は本発明の第2変形例に係る固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す斜視図、(B)は(A)のB−B’線に沿った拡大断面図、(C)は上面図である。 (A)は従来の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す斜視図、(B)は(A)のB−B’線に沿った拡大断面図、(C)は上面図である。 (A)および(B)はいずれも、図7(B)の一部拡大断面図であって、(A)は抵抗溶接前の陽極部および陽極リードフレームの状態、(B)は抵抗溶接後の陽極部および陽極リードフレームの状態を示す。
以下、本発明の好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。
ここでは、本発明に係る固体電解コンデンサおよびその製造方法として、図3に示すように、コンデンサ素子C(C1〜C4)を複数枚積層し、これらコンデンサ素子Cの各陽極部P(P1〜P4)および各陰極部N(N1〜N4)をそれぞれ、下方に配置された一対の陽極リードフレーム8、8および陰極リードフレーム9に接続してなる下面電極型3端子構造の積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法について説明するが、これ以外の固体電解コンデンサ(コンデンサ素子Cを積層しないタイプの固体電解コンデンサや下面電極型3端子構造以外の多端子構造の積層型固体電解コンデンサ等)に対しても本発明が適用されうることは言うまでもない。
この積層型固体電解コンデンサのコンデンサ素子Cは、図1(A)および(B)に示すように、例えばアルミニウム等を粗面化した薄板(箔)からなる弁作用金属板1を備える。弁作用金属板1の全面には、誘電体となる酸化皮膜層2が形成されている。
弁作用金属板1の一端1a側には、陽極部Pが構成されている。一方、弁作用金属板1の他端1b側には、酸化皮膜層2上に固体電解質層3が、その上にカーボン層4が、さらにその上に銀層5が順次形成されて、陰極部Nが構成されている。固体電解質層3は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)等の導電性高分子を含む電解質を化学重合もしくは電解重合によって形成した層からなる。陽極部Pと陰極部Nは、弁作用金属板1の酸化皮膜層2の表面上に設けられた絶縁性樹脂等のマスキング部材6によって絶縁隔離されている。
陽極部Pは、後述するように、陽極部Pの一部に形成された開放空間部7と、抵抗溶接用の溶接電極11(図1(C)の点線部分参照)と接触された該陽極部Pの表面の溶接領域12とを備えている。
ここで、本発明に係る固体電解コンデンサおよびその製造方法として、溶接を抵抗溶接にて行ったが、これ以外の溶接方法(例えば、レーザー溶接や超音波溶接)に対しても、本発明が適用されうることは言うまでもない。
次に、このコンデンサ素子Cの製造方法を、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合について、以下に説明する。
まず、表面を電気化学的に粗面化した所定厚さ(例えば0.1mm)の長尺のアルミニウム箔を、アジピン酸アンモニウム水溶液中において所定電圧(例えば10V)を印加しながら、所定時間(例えば60分間)陽極酸化し、表面に誘電体となる酸化皮膜層2を形成する。酸化皮膜層2が形成されたアルミニウム箔を、図1(A)に示すように、所定幅W(例えば10mm)および所定長さL(例えば15mm)の平面サイズに裁断する。
そして、裁断したアルミニウム箔(陽極部P)の一部に、例えば金型による抜き打ち加工やレーザー加工等によって、開放空間部7を形成する(以下、この工程を「開放空間部形成工程」という)。
より具体的には、この開放空間部形成工程において、開放空間部7を、例えば、図1(A)および(C)に示すように、弁作用金属板1(陽極部P)の一端1aから他端1bに向かって凹状をなす切り欠き7として形成する。切り欠き7の周縁7aは、例えばV字形をしている。また、切り欠き7の周縁7aは、弁作用金属板1の一端1aから他端1b側に最も離れた位置にある周縁部分(以下、この部分を「最遠部」という)7bを有している。この最遠部7bは、凹状をなす切り欠き7の凹部の底の部分に相当するものである。
次に、適切な位置に絶縁性樹脂等のマスキング部材6を周方向に塗布することにより、左右の領域(陽極部Pと陰極部N)を区分する。
その後、前述の裁断および加工によってそれぞれ露出した弁作用金属板1の側面部および開放空間部7の周縁7aを、再度アジピン酸アンモニウム水溶液中において所定電圧(例えば7V)の電圧を印加しながら、所定時間(例えば30分間)酸化処理し、裁断された側面部および開放空間部7の周縁7aにも誘電体となる酸化皮膜層2を形成する。その後、マスキング部材6より他端1b側部分に、固体電解質層3、カーボン層4、銀層5を設けて陰極部Nを構成し、コンデンサ素子Cを製造する。
次に、このコンデンサ素子Cを積層した積層型固体電解コンデンサの製造方法を説明する。
まず、複数枚のコンデンサ素子C1〜C4を、図3に示すように、各陰極部N1〜N4の位置が上下方向に整合され、かつ、各陽極部P1〜P4の突出方向が左右交互に反対になるように、積層する。さらに、陰極部N1〜N4を、導電性接着剤(図示略)を介して互いに密に電気的に接続する。なお、各陽極部P1〜P4の構造(開放空間部7)および各陰極部N1〜N4の構造(固体電解質層3、カーボン層4、銀層5)は、図1(A)および(B)に示した構造と同一である。
次に、左右の各陽極部P1〜P4を、図3に示すように、陰極リードフレーム9を挟んで該陰極リードフレーム9と離間しながら同一平面に配置された一対の陽極リードフレーム8、8にそれぞれ抵抗溶接する。
より具体的には、図1(C)、および図2(A)、(B)に示すように、開放空間部7の周縁7aの少なくとも一部を覆う溶接領域12(図1(C)の右上がりハッチング領域参照)にて、所定の抵抗溶接条件の下で、陽極部Pと陽極リードフレーム8とを抵抗溶接する(以下、この工程を「溶接工程」という)。なお、この溶接領域12の形状は、例えば四角形状となっているが、これに限定されるものではない。
この溶接工程において、陽極部Pから出るスパッタ(アルミニウムの散り)Sが開放空間部7に収容される。なお、図2(B)の符号13は、抵抗溶接後の溶融物(アルミニウム等)の溶接形状を示している。
このように、開口空間部7の周縁7aの少なくとも一部を覆う陽極部Pの溶接領域12に溶接電極11が接触したことによって、この溶接電極11の開口空間部7の周縁7aにかかる部分で、陽極部Pの弁作用金属板1の溶融物(アルミニウム)が開放空間部7側に最も流れ出やすい状態が作られ、かつ、陽極部Pから発生したスパッタSが開放空間部7に収容されて、他の部分に広がるスパッタSの量(弁作用金属板1の一端1aから外側(他端1bと反対側)へ流れ出た位置)が減少するので、抵抗溶接の際に周囲に広がるスパッタSの発生が防止される。
なお、本実施例では、特に、この溶接工程において、弁作用金属板1の一端1aから他端1b側に最も離れた位置にある周縁7aの最遠部7bを溶接電極11で覆う溶接領域12にて、陽極部Pと陽極リードフレーム8とを抵抗溶接するようにしている。
これによって、周縁7aの最遠部7bを覆う溶接領域12に溶接電極11が接触したことによって、この溶接電極11の最遠部7bにかかる部分で、弁作用金属板1の一端1aから他端1b側に最も遠い位置から、弁作用金属板1の溶融物が開放空間部7側に流れ出やすい状態が作られるので、他の部分(内部に収納されるコンデンサ素子Cの最大寸法に関わる部分)に広がるスパッタSの量を大きく減少させることができる。つまり、収納できるコンデンサ素子Cを最大化できる。
こうして、図3に示すように、各方向に突出した陽極部P1およびP3と、陽極部P2およびP4とを、それぞれ、一対の陽極リードフレーム8、8に抵抗溶接する。さらに、最も下部に位置する陰極部N1と、その下面に配置された陰極リードフレーム9とを、導電性接着剤を介して、密に電気的に接続する。
さらに、陽極部P1〜P4および陰極部N1〜N4にそれぞれ接続された一対の陽極リードフレーム8、8および陰極リードフレーム9の一部分(下面を除く全部分)、および積層されたコンデンサ素子Cの積層体の全部分を、外装用の絶縁性樹脂等の絶縁性封止材10で封止(パッケージング)して、一対の陽極リードフレーム8および陰極リードフレーム9の残余部分(下面)を外部に露出させて、下面電極型3端子構造の積層型固体電解コンデンサを製造する。なお、陽極リードフレーム8、8および陰極リードフレーム9として、銅系合金を使用するのが好ましいが、金、銀、銅、ニオブ、タンタル、アルミニウムおよび導電性高分子のうちのいずれか、またはそれを複数組み合わせたものを使用してもよい。
次に、本発明に係る積層型固体電解コンデンサによる効果を確認した。図4(A1)〜(A4)および(B1)〜(B4)を参照しつつ、その詳細を以下に説明する。なお、同図4(B1)〜(B4)の太字線は、抵抗溶接後に陽極部Pから発生したスパッタSを概略的に示したものである。
(実施例1)
上記の製造方法によって、図4(A1)に示すように、開放空間部形成工程において、陽極部Pの一端1aにV字形状の切り欠き7(切り欠き7の深さを0.5mmとする)を形成したコンデンサ素子Cを製造し、溶接工程において、溶接電極11(溶接電極11の幅を1.5mmとする)の接触する溶接領域12が最遠部7bより0.2mm(同図のE線およびF線間の距離D)だけ同図の上方向に切り欠き7の周縁7aを覆うように(溶接電極11の一端部が切り欠き7に0.2mmかかるように)して、陽極部Pと陽極リードフレーム8とを抵抗溶接して、積層型固体電解コンデンサを製造した。なお、図4には、概略的な説明のために複数の切り欠き7を示しているが、実際の開放空間部形成工程においては、1つの切り欠き7のみを形成して、積層型固体電解コンデンサを製造した。
(実施例2)
図4(A2)に示すように、溶接工程において、溶接領域12が最遠部7bのみを覆うように(溶接電極11の一端部が最遠部7bのみにかかるように)して、陽極部Pと陽極リードフレーム8とを抵抗溶接した以外は、実施例1と同様の条件で、積層型固体電解コンデンサを製造した。
(比較例1)
図4(A3)に示すように、溶接工程において、溶接領域12が切り欠き7を覆わないように(溶接電極11の一端部が周縁7aにも最遠部7bにもかからないように)して、陽極部Pと陽極リードフレーム8とを抵抗溶接した以外は、実施例1と同様の条件で、積層型固体電解コンデンサを製造した。
(従来例1)
図4(A4)に示すように、開放空間部形成工程において、陽極部Pの一部に切り欠き7を形成しないこと以外は、比較例1と同様の条件で、積層型固体電解コンデンサを製造した。
そして、上記本発明の実施例1、実施例2に係る積層型固体電解コンデンサ、比較例1に係る積層型固体電解コンデンサ、および従来例1に係る積層型固体電解コンデンサのスパッタSの発生状態を比較した。表1は、それぞれの例について、100個ずつ製造した積層型固体コンデンサのスパッタSの広がり長さ(図4に示されるような、スパッタSが最も流れ出た位置を示したG線と、一端1aの位置を示したH線との間の長さX)の平均値および最大値と、絶縁性封止材10が膨れ上がる等して基準寸法を超えて寸法不良となった個数とを示したものである。
Figure 2014110304
表1から判るように、実施例1および実施例2に係る積層型固体電解コンデンサは、比較例1および従来例1に比べて、スパッタSの広がり長さが大きく減少している。これは、溶接工程において、溶接領域12が開口空間部7の周縁7aの少なくとも一部を覆うようにしたことによって、この溶接領域12の開口空間部7の周縁7a(最遠部7bを含む)にかかる部分で、陽極部Pの弁作用金属板1の溶融物(アルミニウム)が開放空間部7側に最も流れ出やすい状態が作られ、かつ、陽極部Pから発生したスパッタSが開放空間部7に収容されて、他の部分に広がるスパッタSの量が減少したためである。このように、製品寸法を拡大する事なく、抵抗溶接の際に周囲に広がるスパッタSの発生を防止した積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法を実現できた。
(変形例)
以上、本発明に係る積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法の実施形態について説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではない。
(第1変形例)
切り欠き7の形状、大きさ、個数等は何ら限定されるものではない。
例えば、切り欠き7は、V字形状の切り欠き7に限定されるものではなく、図5(A)〜(C)に示すようなコ字形状の切り欠き7、あるいはU字形状や他の形状の切り欠き7であってもよい。
(第2変形例)
開放空間部7の種類等は何ら限定されるものではない。
例えば、開放空間部7は、切り欠き7に限定されるものではなく、例えば図6(A)〜(C)に示すような弁作用金属板1の厚み方向に形成された貫通孔(開口の形状も円状に限定されるものではなく任意の形状とすることができる)7であってもよい。
上記実施例1,2および第1変形例、または第2変形例に係る積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法によれば、開放空間部7を、形状が比較的簡単な切り欠き7または貫通孔7として形成しているので、開放空間部7の加工容易性やコスト面においても利点があることはいうまでもない。
1 弁作用金属板
1a 一端
1b 他端
2 酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 カーボン層
5 銀層
6 マスキング部材
7 開放空間部
7a 周縁
7b 最遠部
8 陽極リードフレーム
9 陰極リードフレーム
10 絶縁性封止材
11 溶接電極
12 溶接領域
13 抵抗溶接後の溶融物の溶接形状
C、C1〜C4 コンデンサ素子
N、N1〜N4 陰極部
P、P1〜P4 陽極部
S スパッタ

Claims (8)

  1. 弁作用金属板の一端側に陽極部、他端側に陰極部が構成されたコンデンサ素子の該陽極部と、陽極リードフレームとが溶接されてなる固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極部は、
    前記陽極部の一部に形成された開放空間部と、
    前記開放空間部の周縁の少なくとも一部を覆う溶接領域と、を備えており、
    前記開放空間部には、前記溶接の際に前記陽極部から出たスパッタが収容されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記溶接領域は、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端側に最も離れた位置にある前記周縁の最遠部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記開放空間部は、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端に向かって形成された切り欠きからなることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記開放空間部は、前記弁作用金属板の厚み方向に形成された貫通孔からなることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 弁作用金属板の一端側に陽極部、他端側に陰極部を構成したコンデンサ素子の該陽極部と、陽極リードフレームとを溶接する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記溶接前に、前記陽極部の一部に開放空間部を形成する開放空間部形成工程と、
    前記開放空間部の周縁の少なくとも一部を覆う溶接領域にて、前記陽極部と前記陽極リードフレームとを溶接する溶接工程と、を備え、
    前記溶接工程において、前記陽極部から出るスパッタが前記開放空間部に収容されることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記溶接工程において、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端側に最も離れた位置にある前記周縁の最遠部を覆う前記溶接領域にて、前記陽極部と前記陽極リードフレームとを溶接することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記開放空間部形成工程において、前記開放空間部を、前記弁作用金属板の前記一端から前記他端に向かって形成された切り欠きとして形成することを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記開放空間部形成工程において、前記開放空間部を、前記弁作用金属板の厚み方向に形成された貫通孔として形成することを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
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