JP2008269690A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近にて発生するトラッキングエラー信号のオフセットの影響を回避して、安定したトラックジャンプを行う。
【解決手段】光源から出射された光ビームが分割されて得られるメインビームと、第1及び第2のサイドビームとが光ディスクに集光されて反射された、上記光ディスクからの各戻り光を受光して検出することにより、上記トラッキングエラー信号を生成する信号生成部5と、第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量と、第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量との差が、所定の閾値を超えているか否かにより、第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段7とを備え、該検出結果により引き込みを図る。
【選択図】図1
【解決手段】光源から出射された光ビームが分割されて得られるメインビームと、第1及び第2のサイドビームとが光ディスクに集光されて反射された、上記光ディスクからの各戻り光を受光して検出することにより、上記トラッキングエラー信号を生成する信号生成部5と、第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量と、第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量との差が、所定の閾値を超えているか否かにより、第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段7とを備え、該検出結果により引き込みを図る。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ディスクに情報信号の記録を行い、光ディスクに記録された情報信号の再生を行う光ディスク装置に関する。
従来、情報信号の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが用いられ、この種の光ディスクに情報信号の記録を行い、あるいは光ディスクに記録された情報信号の再生を行うための光ディスク装置があり、この光ディスク装置には、光ディスクの半径方向へ移動され、この光ディスクに対して光ビームを照射する光ピックアップが設けられている。
この光ピックアップは、一般的に、光源、対物レンズ、受光部等を有し、上述のように光ディスクに対して光ビームを照射するとともに、その戻り光を受光してRF(Radio Frequency)信号とともに、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号等の検出信号を検出する。
光ディスク装置は、この検出信号に基づいてフォーカシングサーボ及びトラッキングサーボ用の制御信号を生成し、生成した信号に基づいて光ピックアップの対物レンズ等をアクチュエータ等により駆動して、対物レンズにより集光される光ビームを光ディスクの記録トラック上に適切にトレースさせることができる。
また、光ディスク装置は、光ディスク上の所望のトラック位置に光ビームを照射させるために、光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させるシーク動作をさせる機能を有している。このシーク動作におけるトラックジャンプは、トラックジャンプ信号に基づいて、光ピックアップを移動させて光ディスクにおける光ビームの照射位置を追従(トレース)された記録トラックから移動目標となる記録トラックに移動させる、所謂トラックジャンプ動作と、トラックジャンプ動作を行った後に、得られたトラッキングサーボ用の信号に基づいて所望の記録トラックに引き込み動作をさせる、所謂トラッキング引き込み動作とからなる。
ここで、トラッキングサーボ用の制御信号を得るためのトラッキングエラー信号としては、例えば、光源から出射された光ビームをメインビームと、第1及び第2のサイドビームとに分割して光ディスクに照射して、光ディスクからの各戻り光を受光して検出することにより得られる所謂DPP方式のトラッキングエラー信号が広く用いられている。
ところで、上述のような光ピックアップにおいて、調整誤差、経年劣化、レンズの移動等の理由により、光ディスクで反射された戻りの光ビームの受光部上のスポット中心が受光部の中心とずれてしまうおそれがある。その一方で、上述の光ピックアップで情報の記録又は再生が行われる光ディスクには、追記又は書き換え用の光ディスクがあり、このような光ディスクには、情報が記録された記録部と、情報が記録されていない未記録部とが存在し、記録部と未記録部とでは、光の反射率が異なる。そして、受光部上のスポット中心が受光部の中心に対してずれた場合において、光ディスク上に光ビームが集光されて形成されたスポットが記録部上にあるか未記録部上にあるかにより、その反射率が異なるため、この光ディスクによる反射光により得られたトラッキングエラー信号には、振幅の差やオフセットが生じることがある。そのため、光ディスクの記録部及び未記録部を判別し、この生じたオフセット調整を行う必要がある。
このオフセット調整を行うために記録部及び未記録部の判別を行う光ディスク装置として、従来、例えば、特開2005−38582号公報に記載された光ディスク装置があり、かかる光ディスク装置は、メインビームの受光信号に基づいて記録部未記録部の判別を行うものである。(特許文献1参照)。
特開2005−38582号公報に記載の光ディスク装置は、上述のメインビームの反射光の受光信号に基づき、メインビームの照射位置が記録済み領域(記録部)か未記録領域(未記録部)かを判別する記録未記録判別手段と、記録済み領域用及び未記録領域用のそれぞれの振幅とオフセットを調整する位置検出信号補正部とを有する。この位置検出信号補正部は、メインビームの反射光の受光信号から得る記録未記録判別手段の判別結果に応じて、振幅とオフセットを、記録部用に調整を施した補正信号と未記録部用に調整を施した補正信号を選択し、記録部及び未記録部の境界での位置検出信号の振幅とオフセットの変動を略同じにすることにより、シーク動作中も対物レンズをアクチュエータの中点位置に常に保持し、対物レンズが振り切ってしまうことによるフォーカス制御の阻害の防止及びトラッキング引き込みの安定化を可能としており、また、トラッキングエラー信号にオフセット成分が含まれないようにすることを可能としている。
しかしながら、かかる光ディスク装置では、上述したように記録未記録判別手段がメインビームの反射光の受光信号により記録未記録領域の判別をしているので、シーク動作時の目標トラックが記録未記録境界周辺であり、トラックジャンプ動作をした際2つのサイドビームのスポットの一方が記録部に、他方が未記録部に位置する状態になったとき、トラッキングエラー信号にオフセットが発生してしまい、トラッキング引き込みが不安定になるという問題があった。
本発明の目的は、光ディスクからの戻り光の光軸中心が受光部の中心に対してずれている場合に、光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近にて発生するトラッキングエラー信号のオフセットの影響を回避して、安定したトラックジャンプを行うことを可能とする光ディスク装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光ディスク装置は、情報信号が記録された記録部と、未記録部とが存在する光ディスクを含めた各種光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップを備え、上記光ディスクの記録トラックに上記光ピックアップにより照射される光ビームを追従させるトラッキングモードのときにはトラッキングエラー信号に基づいて上記光ビームを追従させ、上記光ビームの照射位置を移動目標となる目標記録トラックに移動させるシークモードのときには少なくとも一の記録トラックを横断させて移動させるトラックジャンプ動作をさせ、トラッキングエラー信号に基づいて上記目標記録トラックに追従させるための引き込み動作をさせる光ディスク装置において、光源から出射された光ビームが分割されて得られるメインビームと、第1及び第2のサイドビームとが光ディスクに集光されて反射された、上記光ディスクからの各戻り光を受光して検出することにより、上記トラッキングエラー信号を生成する信号生成部と、上記第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量と、上記第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量との差が、所定の閾値を超えているか否かにより、上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段とを備え、上記検出手段により、上記トラックジャンプ動作を行った際の上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であることを検出した場合には、上記引き込み動作を行わず、上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出した場合に、上記引き込み動作を行う。
本発明は、トラックジャンプ動作を行った際に、検出手段により第1及び第2のサイドビームが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であることを検出した場合には、トラッキング引き込み動作を行わず、検出手段により第1及び第2のサイドビームが記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出した場合に引き込み動作を行わせることにより、光ディスクからの戻り光を受光する受光部に対して戻り光の光軸中心がずれている場合にも、光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近で発生するトラッキングエラー信号のオフセットの影響を受けることによりトラッキングの引き込み動作が行われない等の問題を回避して、安定したトラックジャンプを行うことを実現する。
以下、本発明を適用した光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
本発明を適用した光ディスク装置1は、図1に示すように、光ディスク2に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録再生装置である。
この光ディスク装置1で記録及び/又は再生を行う光ディスク2として、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)及びDVD−R(Recordable)、情報の書換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)、DVD−RW(ReWritable)、DVD+RW(ReWritable)等の光ディスクや、さらに発光波長が短い405nm程度(青紫色)の半導体レーザを用いた高密度記録が可能な光ディスクや、光磁気ディスク等が用いられる。
この光ディスク装置1は、光ディスク2に対して情報の記録及び/又は再生を行うための光ピックアップ3と、この光ディスクを回転するスピンドルモータ及びディスクテーブル等からなる回転駆動手段と、光ピックアップ3をディスクテーブルに装着された光ディスク2の径方向に送り操作する際の駆動源となるスレッドモータ4とを備える。
光ピックアップ3は、光ビームを出射する光源、出射された光ビームをトラッキングエラー信号等を検出するために分割する回折素子等の光分割手段、分割された光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズ、光ディスクからの戻り光を受光してRF信号やサーボ制御用のトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号等を生成するための各種検出信号を検出するPDIC等からなる光検出器等を有する。ここで、光分割手段は、光源から光ディスクまでの往路の光路中に設けられている。また、光ピックアップ3には、サーボ信号に基づいて対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に移動させるための移動手段として例えば二軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動手段が設けられている。
光ディスク装置1は、スピンドルモータによって、光ディスク2を回転操作し、後述する各回路等からの制御信号に応じて光ピックアップ3及び対物レンズを光ディスク2の所望のトラックに対応する位置に移動及び追従することで、光ディスク2に対して情報の記録再生を行う。この際、光ディスク2は、線速度一定のCLV(Constant Linear Velocity)方式、若しくは回転数一定のCAV(Constant Angular Velocity)方式、又はCLVとCAVとを組み合わせた方式で回転操作されている。
上述の光ピックアップ3において、光分割手段は、光源から出射された光ビームをメインビームと、第1及び第2のサイドビームとからなる少なくとも3本の光ビームに分割し、対物レンズは、この得られたメインビームと、第1及び第2のサイドビームとを光ディスクの信号記録面上に集光させる。そして、光分割手段及び対物レンズにより分割され集光された光ビームは、光ディスク上に3つの集光スポットを形成する。
この光ディスク2上に形成された第1及び第2のサイドビームの各集光スポットは、光ディスク2上に形成されたメインビームの集光スポットに対して、記録トラックの接線方向に対して垂直方向、すなわち半径方向に略(N+1/2)トラックピッチ(ここで、Nは整数とする。)だけ互いに反対方向に離間して、且つ、互いに記録トラックの接線方向の反対方向に所定距離離間した位置になるようにされている。具体的には、ここでは、光ディスク上のサイドビームの集光スポットSd1,Sd2は、トラックピッチの半分だけメインビームの集光スポットSd0からずらして配置されている(図3(a)〜図3(d)参照)。
そして、光ピックアップ3の光検出器は、上述のメインビーム並びに第1及び第2のサイドビームが光ディスク2に集光されて反射された、光ディスク2からの各戻り光を受光して検出する各受光部21a,21b,21cを有する。すなわち、光検出器は、図2に示すように、中央部に、略矩形状に形成され入射した戻りのメインビームを受光して検出する主受光部としての受光部21aと、この受光部21aを挟んで互いに反対側の位置に配置されるとともに略矩形状に形成され入射した戻りの第1及び第2のサイドビームの戻り光を受光して検出する副受光部としての受光部21b,21cとが設けられた受光素子を有し、この受光素子の受光部21a,21b,21cで受光した光ビームを検出する。尚、本来各受光部21a〜21cは、各受光部の中心が各戻りの光ビームのスポットSJ0,SJ1,SJ2のスポット中心に一致するように配置されるものであるが、図2は、調整誤差、経年劣化、レンズの移動等の理由により、戻りの第1及び第2のサイドビームのスポットSJ1,SJ2の中心が、受光部21b,21cの中心に対してズレが発生してしまった状態を示している。
また、光検出器は、戻りのメインビーム並びに第1及び第2のサイドビームをそれぞれ受光し、情報信号とともにトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号等の各種信号を検出するために、受光部21a,21b,21cのそれぞれが複数の受光領域からなる所謂分割フォトディテクタとして構成され、各種信号を検出する。例えば、図2に示すように、受光部21aは、互いに直交する方向にそれぞれ2分割された4分割の受光領域A,B,C,Dを有し、受光部21b,21cは、それぞれ2分割の受光領域E,F及び受光領域G,Hを有している。
光検出器は、各受光領域A〜Hで検出された検出信号を後述のRFアンプ5に出力して、このRFアンプ5において各演算処理が行われることにより、戻りのメインビームを受光した受光部21aにより検出した信号強度A,B,C,Dから得られるメインプッシュプル信号MPP=(A+B)−(C+D)と、戻りの第1及び第2のサイドビームを受光した受光部21b,21cにより検出した信号強度E,F,G,Hから得られるサイドプッシュプル信号SPP=(E+G)−(F+H)とにより、所謂DPP方式のトラッキングエラー信号を検出できる。すなわち、DPP方式のトラッキングエラー信号DPPは、DPP=MPP−K×SPPにより得られる(ここでKは補正係数である。)。これは、メインプッシュプル信号MPPだけでは、トラッキングのために対物レンズがシフトすることにより、MPPがオフセットしてしまい良好なトラッキングエラー信号が得られないことをサイドプッシュプル信号SPPで補正するものである。
また、光ディスク装置1は、RFアンプ5と、サーボ回路6、記録未記録境界判別手段7と、トラックジャンプ制御手段8と、ドライバ9と、これらのRFアンプ5、サーボ回路6、記録未記録境界判別手段7、トラックジャンプ制御手段8、ドライバ9等を含めた光ディスク装置全体の動作を制御するためのシステムコントローラとしてのMPU(micro processing unit)10とを備える。
RFアンプ5は、光ピックアップ3を構成する光検出器からの電気信号に基づいて、上述で説明したトラッキングエラー信号や、RF信号、フォーカスエラー信号等を生成する信号生成部である。RFアンプ5で生成されたフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号は、サーボ回路6に出力され、これに基づいてサーボ回路6で生成されたフォーカシングやトラッキング用のサーボ信号がドライバ9に供給されて、対物レンズや光ピックアップ3が移動されてサーボ制御が行われる。そして、このようにトラッキングサーボ制御が行われることにより、対物レンズにより集光される集光スポットを所望の記録トラックに追従させることができる。
また、RFアンプ5は、第1のサイドビームの全光量と、第2のサイドビームの全光量とを検出した検出信号を生成する。RFアンプ5は、第1のサイドビームを受光した受光部21bにより検出した検出信号強度E,Fから得られる第1のサイドビームの総和信号S1(=E+F)を生成し、第2のサイドビームを受光した受光部21cにより検出した検出信号強度G,Hから得られる第2のサイドビームの総和信号S2(=G+H)を生成する。この第1及び第2のサイドビームの総和信号は、記録未記録境界判別手段7に出力される。
記録未記録境界判別手段7は、光ディスク2上の第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが、光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段として機能するものである。すなわち、記録未記録境界判別手段7は、RFアンプ5からの第1及び第2のサイドビームの総和信号S1,S2に基づいて、第1のサイドビームの総和信号から第2のサイドビームの総和信号を減算して第1及び第2のサイドビームの総和信号の差分信号S12(=S1−S2)を生成する減算器と、所定の閾値THを有し、この減算器で得られた差分信号S12を所定の閾値THと比較する比較器とを有する。
そして、記録未記録境界判別手段7は、第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された全光量を示す第1のサイドビームの総和信号S1と、第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された全光量を示す第2のサイドビームの総和信号S2との差を示す差分信号S12が、所定の閾値THを超えているか否かを検出することで、第1及び第2のサイドビームの集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段である。すなわち、差分信号S12が所定の閾値THを超えているとき、第1及び第2のサイドビームの集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいることを検出し、差分信号S12が所定の閾値THを超えていないとき、第1及び第2のサイドビームの集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出する。また、この所定の閾値THは、任意に設定可能である。
記録未記録境界判別手段7は、差分信号S12が所定の閾値THを超えているときHとし、差分信号S12が所定の閾値THを超えていないときLとする境界検出信号をトラックジャンプ制御手段8に出力する。
トラックジャンプ制御手段8は、システムコントローラであるMPU10からの指令に基づいて、光ディスク2における光ビームの照射位置を所定の一又は複数の記録トラックだけ光ディスク2の略半径方向に横断させて移動目標となる記録トラックに移動させるためのトラックジャンプ信号を生成して、ドライバ9に出力する。
また、トラックジャンプ制御手段8は、トラックジャンプ信号を出力することでドライバ9によりトラックジャンプ動作が行われた際の、記録未記録境界判別手段7からの境界検出信号Sbに基づき、境界検出信号SbがHであった場合、すなわち、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットSd1,Sd2が記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であったことを検出した場合には、ドライバ9に引き込み動作を行わせず、境界検出信号SbがLであった場合、すなわち、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットSd1,Sd2が記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であったことを検出した場合には、ドライバ9に引き込み動作を行わせるとともに、トラッキングエラー信号に応じてサーボ回路6で生成されたサーボ信号に基づいて、トラッキングの引き込み動作用の制御信号をドライバ9に出力する。
ドライバ9は、フォーカシング及びトラッキング用のサーボ信号に基づいて二軸アクチュエータ等を駆動して対物レンズを移動させることにより対物レンズにより集光される集光スポットを適切な集光状態で所望の記録トラックに追従させることができる。また、ドライバ9は、トラックジャンプ制御手段8からのトラックジャンプ信号に基づいて二軸アクチュエータ及びスレッドモータ4を駆動して、光ピックアップ3を移動させることにより、光ディスク2における光ビームの照射位置を追従された記録トラックから移動目標となる記録トラック付近に移動させること、すなわち、トラックジャンプ動作を行わせることができる。また、ドライバ9は、トラックジャンプ制御手段8からの信号により引き込み動作を開始するよう制御された場合には、サーボ信号に応じてトラックジャンプ制御手段8で生成された引き込み用の信号に基づいて、二軸アクチュエータを駆動して対物レンズを移動させることにより、トラッキングの引き込み動作を行わせることができる。尚、トラッキングモードの際の、上述の二軸アクチュエータによる可動範囲外の記録トラックにトレースする状況においては、スレッドモータ4を駆動して光ピックアップ3を移動させることもあり、また、シークモードの際の、ジャンプする記録トラックの数が少ない状況においては二軸アクチュエータを駆動し、ジャンプする記録トラックの数が多い状況においては二軸アクチュエータ及びスレッドモータ4を駆動して光ピックアップ3及び対物レンズを駆動するように構成してもよい。
以上のように構成された光ディスク装置1は、光ディスクの記録トラックに光ピックアップにより照射される光ビームを追従させるトラッキングモードのときにはトラッキングエラー信号に対応したサーボ信号に基づいて光ビームを追従させ、光ビームの照射位置を移動目標となる目標記録トラックに移動させるシークモードのときには、トラックジャンプ信号に基づいて少なくとも一の記録トラックを横断させて移動させるトラックジャンプ動作をさせ、トラッキングエラー信号に対応した引き込み用の信号に基づいて目標記録トラックに追従させるための引き込み動作をさせる。
ところで、上述の光ディスク装置1は、上述した記録未記録境界判別手段7を有することにより、トラックジャンプ動作を行った際の第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいることを検出した場合には、引き込み動作を行わず、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出した場合に、引き込み動作を行うことにより、トラックジャンプ動作及び引き込み動作を含めたトラックジャンプを適切に行わせることができ、適切なシーク動作を行わせることができるが、以下光ディスク装置1が適切なトラックジャンプを可能にすることについて詳細に説明する。
すなわち、上述のように構成された光ピックアップ3において、調整誤差、経年劣化、レンズの移動等の理由により、戻りの光ビームの受光部上のスポット中心が、図2に示すように各受光部の中心とずれてしまうおそれがあった。
また、その一方で、装着された光ディスクが書き換え用の光ディスク等であった場合に、光の反射率が異なる記録部と未記録部とが混在するような場合がある。このような光ディスクに対して、トラックジャンプ中のメインビーム並びに第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが形成された状態と、このような光ディスクを用い、且つ受光部上のスポット中心が受光部の中心に対してずれた場合にトラックジャンプを行った際の問題点について図3を用いて説明する。
図3は、シーク中の光ディスク面上の集光スポットを示すものである。図3(a)〜図3(d)中、トラックT1,T2,T3は、既に情報が記録済みである記録部を示すものであり、トラックT4,T5,T6は、情報が記録されていない未記録部を示すものである。尚、この光ディスクでは、未記録部の光の反射率が、記録部の光の反射率よりも高いものとして説明するが、本発明は、記録部の光の反射率が、未記録部の光の反射率よりも高い光ディスクに対しても同様に後述の効果を有する。また、図3中、矢印Xは、光ディスクの外周側に向けた方向を示し、矢印Yは、光ディスクの回転方向を示す。
また、図3(a)〜図3(d)は、光ビームの各スポットが記録部から未記録部に移動するときの各状態を示すものであり、すなわち、図3(a)は、メインビーム並びに第1及び第2のサイドビームの集光スポットSd0,Sd1,Sd2が全て記録部に位置して形成されている状態を示し、図3(b)は、第1のサイドビームの集光スポットSd1が記録部及び未記録部の境界に位置するとともに、メインビーム及び第2のサイドビームの集光スポットSd0,Sd2が記録部に位置して形成されている状態を示し、図3(c)は、第1のサイドビーム及びメインビームの集光スポットSd1,Sd0が未記録部に位置するとともに、第2のサイドビームの集光スポットSd2が記録部及び未記録部の境界に位置して形成されている状態を示し、図3(d)は、メインビーム並びに第1及び第2のサイドビームの集光スポットSd0,Sd1,Sd2が全て未記録部に位置して形成されている状態を示す。
そして、図2に示すように、受光部上のスポット中心が受光部の中心に対してずれた場合において、第1及び第2のサイドビームにより形成される集光スポットが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいる場合には、第1及び第2のサイドビームを受光することにより得られるSPP信号にDCオフセットを生じさせてしまう。具体的には、例えば、図3(b)に示すような状態において、2つのサイドビームのうちの一方である第1のサイドビームの集光スポットSd1が記録部及び未記録部の両方にかかってあり、他方である第2のサイドビームの集光スポットSd2が記録部にあり、記録部と未記録部の反射率の差により、それぞれのサイドビームの反射光量が異なることとなる。
ここで、図3(b)に示す状態においては、先行サイドビームである第1のサイドビームの集光スポットの反射光量は、反射率の高い未記録部にもかかって集光されているため、後行サイドビームである第2のサイドビームの集光スポットの反射光量に対して、大きくなっているので、SPP信号にDCオフセットが生じることとなる。具体的には、受光領域Hでの検出光量が大きくなることから、以下の式(1)〜式(3)に示すような関係、すなわち、SPP信号にマイナス側のDCオフセットが生じ、これによりDPP信号にプラス側のDCオフセットが生じることとなる。
SPP DC Offset < 0 ・・・(1)
MPP DC Offset = 0 ・・・(2)
DPP DC Offset > 0 ・・・(3)
また、このような場合において、図3(a)〜図3(d)に示すように、光ビームのスポットが記録部から未記録部に移動するときのDPP信号とRF信号の変化について、図4に示す。図4に示すように、記録部と未記録部の境界をメインビーム並びに第1及び第2のサイドビームが通過する際にDPP信号にDCオフセットが発生することが確認できる。
SPP DC Offset < 0 ・・・(1)
MPP DC Offset = 0 ・・・(2)
DPP DC Offset > 0 ・・・(3)
また、このような場合において、図3(a)〜図3(d)に示すように、光ビームのスポットが記録部から未記録部に移動するときのDPP信号とRF信号の変化について、図4に示す。図4に示すように、記録部と未記録部の境界をメインビーム並びに第1及び第2のサイドビームが通過する際にDPP信号にDCオフセットが発生することが確認できる。
そして、上述したような受光部上のスポット中心が受光部の中心に対してずれた場合には、光ディスクの最内周に配置される記録情報管理領域、OPC領域やデータ領域の追記開始アドレス周辺等の記録部未記録部の境界へシークする場合において、上述したようなDPP信号にDCオフセットが生じた状態では、トラッキング引き込み動作が不安定になったり、失敗することにより適切なトラックジャンプが行われない等の問題が発生する可能性がある。
この点に関し、本発明を適用した光ディスク装置1においては、記録未記録境界判別手段7が、第1及び第2のサイドビームの戻り光により得られる境界検出信号Sbに基づいてトラッキング引き込み動作を行うため、上述のような問題を解消する。ここで、記録未記録境界判別手段7により得られる境界検出信号について図5を用いて説明する。図5は、上述の図4の場合と同様に、光ビームの集光スポットが記録部から未記録部に図3(a)〜図3(d)に示すように移動させるときに、第1及び第2のサイドビームの反射光量の総和信号、サイドビームの差分信号、境界検出信号の変化について示す図である。図5中横軸の(a)〜(d)は、図3(a)〜図3(d)に対応した状態を示し、S1は、RFアンプ5から記録未記録境界判別手段7に入力される第1のサイドビームの総和信号の変化を示し、S2は、RFアンプ5から記録未記録境界判別手段7に入力される第2のサイドビームの総和信号の変化を示し、S12は、記録未記録境界判別手段7の減算器により得られる差分信号の変化、すなわち、第1のサイドビームの総和信号から第2のサイドビームの総和信号を減算して得られた信号S12(=S1−S2)の変化を示し、Sbは、境界検出信号の変化を示すものである。
光ディスク装置1は、図5に示すような記録未記録境界判別手段7で生成された境界検出信号により、トラックジャンプ動作中における第1及び第2のサイドビームの集光スポットが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であるか、第1及び第2のサイドビームの集光スポットが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であるかを認識することができ、各集光スポットSd1,Sd2が境界を跨いでる状態、すなわち境界検出信号がHのときに、引き込み動作を開始させず、各集光スポットが境界を跨いでいる状態、すなわち境界検出信号がLのときに、引き込み動作を開始させることで、この引き込み動作用の信号を生成するためのサーボ信号及びトラッキングエラー信号にオフセット等が発生することを防止して、オフセット等のないトラッキングエラー信号及びサーボ信号に基づいた引き込み動作用の信号を生成して、適切な引き込み動作を含めた安定したトラックジャンプを行うことを可能とする。また、光ディスク装置1は、記録未記録境界判別手段7により、一つの閾値THを有し、上述の差分信号S12をこれと比較して境界検出信号を生成しているため、簡素な構成で上述のような安定したトラックジャンプを行うという効果を得ることができる。また、光ディスク装置1は、上述のような安定したトラックジャンプを行うことにより、例えば、再生したい所望の情報等が記録された、又は、これから記録を行う所望のアドレスの記録トラックへ光ビームの照射位置を移動させるシーク動作を迅速且つ確実に行うことを実現する。
そして、光ディスク装置1は、トラッキングモードのときには、トラッキングエラー信号により算出されるトラッキング制御用のトラッキング信号に基づいて光ピックアップの対物レンズを移動させて光ディスクの記録トラックに対物レンズにより集光される光ビームを記録トラックに追従させ、シークモードのときには、光ディスクにおける光ビームの照射位置を移動目標となる目標記録トラックに移動させるためのトラックジャンプ信号に基づいて光ピックアップ3等を移動させて照射位置を追従された記録トラックから移動目標となる記録トラックにトラックジャンプ動作をさせ、境界検出信号及びトラッキングエラー信号に対応した引き込み用の信号に基づいて目標記録トラックにトラッキングの引き込み動作をさせる。
次に、上述の光ディスク装置1における、トラックジャンプ動作及び引き込み動作からなるトラックジャンプを含めたシーク動作の手順について、図6を用いて説明する。尚、ここでは、内周から外周に向けてシーク動作を行う際に、図3(a)〜図3(d)に示すような光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近のトラックに、トラックジャンプを行い、その後にトラッキングの引き込み動作を行う場合の手順について説明する。
本発明を適用した光ディスク装置によるシーク方法は、図6に示すように、現在追従している記録トラックのアドレスを確認するステップS1と、トラックジャンプの必要の有無を確認するステップS2と、トラックジャンプ動作を開始するステップS3と、トラックジャンプ動作を行っている際のトラック本数を確認するステップS4と、境界検出信号の状態を確認するステップS5と、引き込み動作を行うステップS6とからなる。
ステップS1では、光ピックアップ3の対物レンズにより集光される光ビームが現在追従している記録トラックのアドレスの検出を行う。
ステップS2では、シーク動作が完了しているか否かを確認する。すなわち、ステップS1で検出された現在のアドレスと、目標となる記録トラックのアドレスとを比較してトラックジャンプの必要の有無を確認する。現在のアドレスと、目標とする記録トラックのアドレスとが一致している場合には、シーク動作を完了する。現在のアドレスと、目標とする記録トラックのアドレスとが一致していない場合には、ステップS3に進むとともに、目標とする記録トラックのアドレスと、現在追従している記録トラックのアドレスとからジャンプするトラックの本数を算出し、このトラック本数に対応したトラックジャンプ信号を生成する。
ステップS3では、ステップS2で算出したトラックの本数に基づいてトラックジャンプ動作を開始する。
ステップS4では、トラックジャンプ中の現状のジャンプ(横断)したトラック本数を確認して、このトラック本数が指定トラック本数を超えているか否かを確認する。具体的には、トラッキングエラー信号等の周期等をカウントすることにより、対物レンズにより集光されるスポットが記録トラックを半径方向に横切った回数を検出して、これをジャンプしたトラック本数として、指定トラック本数との比較を行う。そして、検出したトラック本数が指定トラック本数を超えていない場合には、このステップS4を繰り返す。一方、検出したトラック本数が指定トラック本数を超えている場合には、ステップS5に進む。
ステップS5では、指定トラック本数を超えた場合に、記録未記録境界判別手段7における境界検出信号がHとなっている場合には、トラッキング引き込み動作を行わなず、すなわち、ステップS6に進まずこのステップS5を繰り返す。このとき、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であると記録未記録境界判別手段7が検出した場合には、すなわち、例えば図3(b)又は図3(c)に示すように第1及び第2のサイドビームによる集光スポットの何れか一方が記録部未記録部の境界にある場合には、記録未記録境界判別手段7により生成された境界検出信号がHとなっている。尚、境界検出信号の状態を確認するステップS5は、トラックジャンプ動作中に行われることとなる。
そして、ステップS5では、記録未記録境界判別手段7における境界検出信号がLとなっている場合には、トラッキング引き込み動作を行わせるためにステップS6に進む。このとき、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であると記録未記録境界判別手段7が検出した場合には、すなわち、例えば上述の図3(b)又は図3(c)の状態から引き続きトラックジャンプ動作が行われた後に、図3(d)に示すように、第1及び第2のサイドビームの両方の集光スポットが未記録部に位置する状態となった場合には、記録未記録境界判別手段7により生成された境界検出信号がLとなっている。このように、ステップS4及びステップS5を経て、ジャンプしたトラック本数が指定トラック本数を超えた場合で、且つ記録未記録境界判別手段7における境界検出信号がLとなっている場合には、トラッキング引き込み動作に適した状態であるとして、ステップS6に進む。
ステップS6では、境界検出信号がLとなっていることを検出したので、すなわち、引き込みに適した状態となっていることを認識したので、トラッキング引き込み用の信号に基づいてトラッキングの引き込み動作を行い、これによりトラックジャンプが完了してステップS1に進む。尚、ステップS6が完了したとき、トラックジャンプが完了しているので、トラッキングモード、すなわち、トラッキングエラー信号に基づいて記録トラックに対物レンズにより集光される光ビームを追従させた、所謂サーボ状態(トラッキングモード)となっている。
このように、ステップS3〜ステップS6は、トラックジャンプ動作及びトラッキング引き込み動作からなるトラックジャンプの手順であり、すなわち、本発明を適用した光ディスク装置によるトラックジャンプの方法である。
このトラックジャンプ方法は、ステップS3〜ステップS6からなり、ステップS5において、第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量と、第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量との差が、所定の閾値を超えているか否かにより、第1及び第2のサイドビームが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段としての記録未記録境界判別手段7により生成された境界検出信号がLであること、すなわち、第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを確認してからステップS6に進み、ステップS6においてトラッキング引き込み動作を行うことにより、光ディスク2からの戻り光を受光する受光部に対して戻り光の光軸中心がずれている場合にも、光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近で発生するトラッキングエラー信号のオフセットの影響を受けることを回避して、適切な引き込み動作を可能とし、これにより適切なトラックジャンプを可能とする。
尚、上述のステップS4では、ジャンプしたトラック本数が指定トラック本数を超えた状態であることを検出した後に、ステップS5に進むようにしたが、指定トラック本数より少し手前の状態でステップS5に進むように構成してもよい。
そして、上述したようにステップS3〜ステップS6によりトラックジャンプを完了してステップS1に戻った場合には、上述と同様に、ステップS1において、現在追従している記録トラックのアドレスを確認して、ステップS2において、シーク動作が完了しているか否かを確認する。すなわち、トラックジャンプが完了した後の追従しているアドレスと、目標とする記録トラックのアドレスとが一致している場合には、シーク動作を完了する。
尚、このステップS2において、トラックジャンプが完了した後の追従しているアドレスと、目標とする記録トラックのアドレスとが一致していない場合には、上述のように再びステップS3に進むこととなる。例えば、このときのアドレスが目標のアドレスよりも大きければ、改めてステップS3〜ステップS6において内周へ向けてトラックジャンプを行い、また、このときのアドレスが目標のアドレスよりも小さければ、改めてステップS3〜ステップS6において外周へ向けてトラックジャンプを行う。
例えば、上述の一度目のトラックジャンプのステップS5において、図3(b)及び図3(c)の状態で引き込み動作を行わず、図3(d)の状態で引き込み動作を行いステップS1及びステップS2に戻った場合に、内周へ向けてトラックジャンプを行う場合、ステップS5において、先のトラックジャンプのときに検出した境界よりも内周側で、且つ第1及び第2のサイドビームによる集光スポットが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態、すなわち、具体的には、図3(a)に示すように両方の集光スポットが光ディスク2の記録部に位置する状態のときに、記録未記録境界判別手段7における境界検出信号がLとなって、ステップS6に進むこととなる。そして、ステップS6において、トラッキング引き込みを行い、トラックジャンプを完了して、再びステップS1,S2により完了したことを確認してシーク動作を完了する。
以上のように、光ディスク装置1を用いたシーク方法は、ステップS1〜S6を備えることにより、目標となる記録トラックが記録部及び未記録部の境界周辺であり、トラッキングジャンプ動作を行った際のトラッキングエラー信号にオフセットが発生してしまい、トラッキング引き込みが不安定となったり、引き込みができない等の問題が発生することがなく、トラックジャンプ動作及びトラッキング引き込み動作を適切に行うことにより適切なトラックジャンプを可能とするので、適切なシーク動作を実現する。
本発明を適用した光ディスク装置1は、情報が記録された記録部と、情報が記録されていない未記録部とが存在し、記録部と未記録部とで光の反射率が異なる光ディスクを含めた各種光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップを備え、トラッキングモードのときには、トラッキングエラー信号に基づいて光ピックアップ3の対物レンズを移動させて光ディスクの記録トラックに対物レンズにより集光される光ビームを追従させるとともに、シークモードのときには、光ディスク2における光ビームの照射位置を移動目標となる記録トラックに移動させるためのトラックジャンプ信号に基づいて光ピックアップ3を移動させて照射位置を追従された記録トラックから少なくとも一の記録トラックを横断させて移動目標となる目標記録トラックに移動させてトラックジャンプ動作をさせ、トラッキングエラー信号に基づいて目標記録トラックに引き込み動作をさせる光ディスク装置において、光源から出射された光ビームが分割されて得られるメインビームと、第1及び第2のサイドビームとが光ディスク2に集光されて反射された、光ディスク2からの各戻り光を受光して検出することにより、トラッキングエラー信号を生成する信号生成部としてRFアンプ5と、第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量を示す第1のサイドビームの総和信号(E+F)と、第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量を示す第2のサイドビームの総和信号(G+H)との差分信号が、所定の閾値THを超えているか否かにより、第1及び第2のサイドビームにより集光される集光スポットが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段としての記録未記録境界判別手段7とを備え、トラックジャンプ動作を行った際に、記録未記録境界判別手段7により第1及び第2のサイドビームが光ディスク2の記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であることを検出した場合には、トラッキング引き込み動作を行わず、記録未記録境界判別手段7により第1及び第2のサイドビームが光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出した場合、すなわち、トラッキングの引き込みに適した位置であることを検出した場合に引き込み動作を行わせることにより、各戻り光のスポット中心が各受光部の中心とずれている場合に光ディスクの記録部及び未記録部の境界付近で発生するトラッキングエラー信号のオフセットの影響を受けることにより引き込み動作が行われない等の問題を回避して、確実にトラックジャンプ動作及びトラッキング引き込み動作を行うことを可能とし、安定して確実なトラックジャンプを実現する。
1 光ディスク装置、 2 光ディスク、 3 光ピックアップ、 4 スレッドモータ、 5 RFアンプ、 6 サーボ回路、 7 記録未記録境界判別手段、 8 トラックジャンプ制御手段、 9 ドライバ、 10 MPU
Claims (1)
- 情報信号が記録された記録部と、未記録部とが存在する光ディスクを含めた各種光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップを備え、上記光ディスクの記録トラックに上記光ピックアップにより照射される光ビームを追従させるトラッキングモードのときにはトラッキングエラー信号に基づいて上記光ビームを追従させ、上記光ビームの照射位置を移動目標となる目標記録トラックに移動させるシークモードのときには少なくとも一の記録トラックを横断させて移動させるトラックジャンプ動作をさせ、トラッキングエラー信号に基づいて上記目標記録トラックに追従させるための引き込み動作をさせる光ディスク装置において、
光源から出射された光ビームが分割されて得られるメインビームと、第1及び第2のサイドビームとが光ディスクに集光されて反射された、上記光ディスクからの各戻り光を受光して検出することにより、上記トラッキングエラー信号を生成する信号生成部と、
上記第1のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量と、上記第2のサイドビームの戻り光を受光して検出された光量との差が、所定の閾値を超えているか否かにより、上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいるか否かを検出する検出手段とを備え、
上記検出手段により、上記トラックジャンプ動作を行った際の上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいる状態であることを検出した場合には、上記引き込み動作を行わず、上記第1及び第2のサイドビームが上記光ディスクの記録部及び未記録部の境界を跨いでいない状態であることを検出した場合に、上記引き込み動作を行うことを特徴とする光ディスク装置。
Priority Applications (1)
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JP2007109775A JP2008269690A (ja) | 2007-04-18 | 2007-04-18 | 光ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2007109775A Withdrawn JP2008269690A (ja) | 2007-04-18 | 2007-04-18 | 光ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008269690A (ja) |
-
2007
- 2007-04-18 JP JP2007109775A patent/JP2008269690A/ja not_active Withdrawn
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