JP2008268847A - 光アイソレータおよびそれを用いた光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】光アイソレータ近傍に強磁性体が配置されることによる光学特性の劣化を抑制した光アイソレータ及び光モジュールを提供すること。
【解決手段】
ファラデー回転子3と、中空部にファラデー回転子3が配置された筒状の磁石4と、
筒状を成し、その内周面から内方側に突出し、かつ間に磁石4が配置された第1の突出部および第2の突出部を有する非磁性体からなるホルダ7と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】
ファラデー回転子3と、中空部にファラデー回転子3が配置された筒状の磁石4と、
筒状を成し、その内周面から内方側に突出し、かつ間に磁石4が配置された第1の突出部および第2の突出部を有する非磁性体からなるホルダ7と、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、光源から発せられた光が光学部品の端面で反射し、光源に戻るのを防止するための光アイソレータ、および該光アイソレータを搭載してなる光通信機器や光計測用センサー等の光モジュールに関するものである。
半導体レーザ等の光源から出射した光は、各種光学素子や光ファイバに入射されると、この入射光の一部が光学素子および光ファイバの光入射面において、反射や散乱を起こす。そして、この反射光または散乱光の一部が光源側に戻る場合があり、この戻り光が半導体レーザの活性層に入射すると、半導体レーザの発振波長や出力が変動する。そのため、高速・高密度信号伝送などの信頼性の高い光通信や高精度の光計測を行うための機器には、戻り光を防ぐことが不可欠となり、従来から、このような反射戻り光を除去する手段として光アイソレータが用いられていた。
図8(a)は、従来の光アイソレータを示す断面図である。光アイソレータZは、偏光子101、検光子102、ファラデー回転子103、円筒状の磁石104を基本構成として有してなる。また、偏光子101は低融点ガラスで第1ホルダ105に固定され、検光子102は低融点ガラスで第2ホルダ106に固定されるとともに、ファラデー回転子103は低融点ガラスで第3ホルダ107に固定されている。そして、円筒状磁石104は、ファラデー回転子103を内包するように配置されており、この円筒状磁石104の一端面が第2ホルダ106に当接するように配置されている。この第1〜第3ホルダは、各光学素子および低融点ガラスとの熱膨張係数のマッチングという観点から、Ni−Fe合金からなる強磁性材料で形成されていた(たとえば特許文献1参照)。
また、図8(b)は、従来の光アイソレータZを備えた光モジュールを示す断面図である。光モジュールは、LD(レーザダイオード)チップ200を搭載するサブマウント201、LDチップ200を温度制御する熱電冷却装置TEC(Thermoelectric Cooler)202、LDチップ200からの発振光を光ファイバピグテイル203に伝達する第1レンズ204、第2レンズ205、第2レンズ205を保持するレンズホルダ206、LDチップ200が収納された筺体を気密封止するための気密封止窓207を保持する窓ホルダ208と、を具備してなり、内部に光アイソレータZが配置された強磁性体金属からなる円筒状ホルダ209が、レンズホルダ206と窓ホルダ208との間に溶接されている。このとき、レンズホルダ206および窓ホルダ208は、円筒状ホルダ209との溶接性および熱膨張係数のマッチングという観点から、SUS430のような強磁性体材料で構成されていた(たとえば特許文献1参照)。
特開2005−17862号公報
しかしながら、光アイソレータZでは、磁石104の一端面が強磁性体材料からなる第2ホルダ106と当接しているため、磁石から生じる磁界が第2ホルダ106にも印加されることから、ファラデー回転子103に印加すべき磁界強度が減少し、偏光面を回転させるファラデー効果を十分に発生させることができない場合があった。特に、図8(b)に示したような光モジュールでは、レンズホルダ206、窓ホルダ207、および円筒状ホルダ208との溶接性を考慮した結果、これらのホルダを強磁性体材料にて構成されることが多く、磁石104と当接する円筒状ホルダ208を介してレンズホルダ206、窓ホルダ208まで磁石104からの磁界が作用し、ファラデー回転子103に印加する磁石104の磁界強度がさらに減少していた。その結果、光アイソレータZでは、反射戻り光を抑制する光学特性、すなわちアイソレーション特性が低下していた。
そこで、本発明は、光アイソレータ近傍に強磁性体が配置されることによる光学特性の劣化を抑制した光アイソレータ及び光モジュールを提供することを目的とする
上記目的を達成するために、本発明に係る光アイソレータは、ファラデー回転子と、中空部に前記ファラデー回転子が配置された筒状の磁石と、筒状を成し、その内周面から内方側に突出し、かつ間に前記磁石が配置された第1の突出部および第2の突出部を有する非磁性体からなるホルダと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光アイソレータにおいて、前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記ホルダの各端部の内周面に設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の光アイソレータにおいて、前記第1の突出部および前記第2の突出部のうち少なくとも一方は、前記磁石の端面と離間していることを特徴とする。
また、本発明の光アイソレータにおいて、前記第1および第2の突出部の高さは、前記磁石の厚みよりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の光アイソレータにおいて、前記第1および第2の突出部の先端部は、前記磁石の端部をそれぞれ覆うように、前記磁石の端面および内周面に沿って屈曲していることを特徴とする。
さらに、本発明の光アイソレータにおいて、前記第1ホルダは、オーステナイト系ステンレスで構成されていることを特徴とする。
また、本発明では、前記ファラデー回転子を固定する第2ホルダをさらに備え、前記ホルダと前記第2ホルダとが圧入により固定されていることを特徴とする。
本発明の光アイソレータの製造方法は、一端部の内周面に前記第1の突起部を有する筒状体の内孔内に前記磁石を配置する工程と、前記筒状体の他端面に、該筒状体の厚みよりも大きい厚みを有するリング部材を接合させて、前記第2の突起部を設けて前記ホルダを形成する工程と、を含んでなることを特徴とする。
本発明の光モジュールは、一端部がフェルールに保持された光ファイバと、該光ファイバの一端面に向けて光を出射する、あるいは前記光ファイバの他端面から入射された光を、前記光ファイバを介して受光する光素子と、前記光ファイバと前記光素子との光軸上に配置された本発明の光アイソレータを備えたことを特徴とする。
本発明の光アイソレータおよび光モジュールによれば、非磁性体からなるホルダに形成された第1突起部および第2突起部の間に磁石が配置されていることから、磁石から発生する磁界が他の部材に伝わる現象を低減することができるため、ファラデー回転子に対して十分な強度で磁界を印加することが可能となる。その結果、本発明では、ファラデー回転子が有するファラデー効果を効率良く発生させることができるため、アイソレーション特性を向上させることができる。
また、本発明の光アイソレータにおいて、第1の突出部および第2の突出部をホルダの各端部の内周面に設ければ、ホルダを極力小さくすることができるため、ホルダの小型化が可能となる。
さらに、本発明の光アイソレータにおいて、第1の突出部および第2の突出部のうち少なくとも一方と磁石の端面とが離間するように、磁石をホルダ内に配置すれば、磁石と離間した突出部との熱膨張による影響を抑制することができるため、熱膨張により発生する応力によって生じる磁石やホルダの破損を低減することができる。
また、本発明の光アイソレータにおいて、第1および第2の突出部の高さを磁石の厚みよりも大きくすれば、非磁性体のホルダで磁石をほぼ覆うことができるため、周囲に配置された強磁性体の影響を著しく小さくすることができる。さらに、前記第1および第2の突出部の先端部を、前記磁石の端部をそれぞれ覆うように、前記磁石の端面および内周面に沿って屈曲させれば、上記強磁性体の影響をより低減することができる。
また、本発明の光アイソレータにおいて、ファラデー回転子を固定する第2ホルダとホルダとを圧入によって固定すれば、ホルダと第2ホルダとを強固に固定することができる。
本発明の光アイソレータの製造方法では、第1の突起部と第2の突起部とを別の部材で作製した後に、各部材を接合して一体化することによりホルダを作製することができることから、ホルダ内に磁石を容易に配置することができる。
以下においては、本発明の光アイソレータについて、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の光アイソレータの第1の実施形態を示す断面図である。
本発明の第1の実施形態にかかる光アイソレータX1は、図1に示されるように、偏光子1と、検光子2と、ファラデー回転子3と、磁石4と、検光子2およびファラデー回転子3を保持する第2第2ホルダ5と、偏光子1を保持する第3ホルダ6と、磁石4を保持する第1ホルダ(以下、磁石ホルダ7とする)、を備えている。
ファラデー回転子3は、所定の磁界を印加することにより、入射される光の偏波方向を所定角度回転させる機能(ファラデー効果)を担う部材であり、例えばビスマス置換ガーネット結晶により構成される。ファラデー回転子3の厚さは、例えば入射される光の偏波方向が45°回転するように設定される。
偏光子1および検光子2は、所定角度の偏波方向の光を選択的に透過するための部材であり、偏光子1の透光偏波方向と検光子2の透光偏波方向とはファラデー回転子3の光の偏波方向の回転角度と同等の角度分ずらすように配されている。すなわち、ファラデー回転子3を入射される光の偏波方向が45°回転するように設定されていれば、偏光子1の透光偏波方向と検光子2の透光偏波方向とは45°ずらして配される。偏光子1および検光子2としては、例えば偏光ガラスが挙げられる。偏光ガラスは、ガラス中において長く延伸された金属粒子を一方向に配列させることにより偏光特性を持たせた部材であり、金属粒子の延伸方向に垂直な偏波方向を有する光を透過し、該延伸方向に平行な偏波方向を有する光を吸収する。偏光子1および検光子2を形成するガラスとしては、たとえばホウ珪酸ガラス内に金属が内在したもの(熱膨張係数が63×10−7/℃〜65×10−7/℃)が、後に詳述するホルダおよび低融点ガラスの熱膨張との関係から好適である。
第2ホルダ5は、検光子2およびファラデー回転子3を保持するための部材であり、中空形状を成している。第2ホルダ5は、中空部内において、光の入射側からファラデー回転子3、検光子2の順で、低融点ガラス8でもってファラデー回転子3および検光子2を固定している。また、第2ホルダ5の材質としては、たとえばLDモジュールに組み込んだ際、LD(レーザダイオード)チップが収納されている筺体との溶接性と、低融点ガラス8、検光子2およびファラデー回転子3との濡れ性および熱膨張係数を考慮すると、Ni量が48〜52質量%のNi−Fe合金(熱膨張係数が90×10−7/℃〜120×10−7/℃)を選択することが好ましい。また、第2ホルダ5は、後に詳述する磁石ホルダ7と圧入によって固定するために、磁石ホルダ7の外径より小さく形成された圧入部5aを有することが好ましい。これにより、第2ホルダ5と磁石ホルダ7とを強固に固定することができる。
第3ホルダ6は、偏光子1を保持するための部材であり、中空形状を成している。第3ホルダ6は、中空部内において、低融点ガラス8でもって偏光子1を固定している。第3ホルダ6の材質としては、上述した第2ホルダ5と同様のものを用いるのが好適である。また、第3ホルダ6は、第2ホルダ5と同様に、磁石ホルダ7と圧入によって固定するために、磁石ホルダ7の外径より小さく形成された圧入部6aを有することが好ましい。
また、磁石ホルダ7と第2ホルダ5および第3ホルダ6との固定には、圧入だけでなく、溶接によって固定してもよい。溶接で固定する場合には、たとえばレーザ溶接、シーム溶接のような抵抗溶接等を利用することができるが、YAG等のレーザを用いたレーザ溶接が好ましい。これは、シーム溶接等で全周溶接を行った場合には、気密構造となるために閉塞部の空気の膨張収縮によるストレスから偏光子1、検光子2、およびファラデー回転子3に悪影響を与える場合があるからである。これに対して、レーザ溶接では、上述したような閉塞部を形成することなく、所望の位置で溶接することが可能であり、作業時間の短縮という観点からも好適である。
また、偏光子1、検光子2、およびファラデー回転子3を固定する低融点ガラス8には、熱膨張係数80×10−7/℃〜90×10−7/℃のものを選択するのが好適である。特に、偏光子1、検光子2に光の反射を防止するARコートを施す場合には、該ARコートに対する熱ストレスを考慮して封着温度が400℃以下で熱膨張係数が80×10−7〜85×10−7/℃であるものを選択するのがより好ましい。偏光子1、検光子2と低融点ガラス7は脆性材料で形成されており、引っ張り応力に弱く、逆に圧縮応力には極めて強い特性をもつことから、熱膨張係数が偏光子ホルダ≧低融点ガラス≧偏光子の順番が好ましい。
磁石4は、偏光子1、検光子2、およびファラデー回転子3からなる複合素子のファラデー回転子3に所定の磁界を印加するための部材であり、たとえば円筒状または貫通孔を有する角柱状のような筒形状を成している。磁石4は、中空部にファラデー回転子3が位置するように配されている。磁石4の材質としては、たとえばSm−Co等を用いることができる。
磁石ホルダ7は、磁石4を保持するための部材であり、中空形状を成している。また、磁石ホルダ7には、内周面から内方側(内孔の内部側)に突出する第1の突出部7aと第2の突出部7bとが形成されている。この第1の突出部7aおよび第2の突出部7bは、互いに所定の間隔を空けて形成されており、その間に磁石4が配されている。そのため、磁石4は、この第1の突出部7aおよび第2の突出部7bで位置決めされる。また、磁石4の端面は、第1の突出部7aおよび第2の突出部7bの側面にそれぞれ当接しているだけであり、接着されていない。さらに、磁石4は、この第1の突出部7aおよび第2の突出部7bにより周囲を囲まれているため、第2ホルダ5および第3ホルダ6と接していない。なお、この第1の突出部7aおよび第2の突出部7bは、磁石4を磁石ホルダ7の貫通孔の内部に位置するように固定することができればよいため、図1に示すように、中心軸に向かって真っ直ぐ形成されている形態に限られることなく、たとえば曲がっていてもよい。また、光アイソレータX1では、第1の突出部7aの側面と第2の突出部7bの側面との間に磁石4が配されているが、たとえば第1の突出部7aおよび第2の突出部7bの先端面が互いに対向するように形成されている場合、第1の突出部7aの先端面と第2の突出部7bの先端面との間に磁石4が配されていてもよい。
さらに、磁石ホルダ7は、非磁性体材料で形成されている。そのため、磁石4から生じる磁界は、他の部材、たとえば第2ホルダ5、第3ホルダ6、または光アイソレータX1をLDモジュールに搭載した際の筺体等に逃げることなく、ファラデー回転子3に印加される。その結果、光アイソレータX1では、ファラデー回転子3が有するファラデー効果を効率良く発生させることができるため、アイソレーション特性を向上させることができる。特に、第2ホルダ5、第3ホルダ6、上記筺体は、溶接性の観点からNi−Fe合金で形成された強磁性体材料で形成されることが多く、非磁性体材料で形成された磁石ホルダ7で磁石4を外部と磁気的にシールドすることは有効である。非磁性体材料とは、透磁率が1.00より大きく、1.02以下の材料を示す。具体的に、磁石ホルダ7を構成する非磁性体材料としては、たとえばアルミニウム、銅、ステンレス等、を利用できる。特に、第2ホルダ5および第3ホルダ6と溶接で固定する場合には、その溶接部のマイクロクラック発生による接合強度低下を抑制するという観点から、硫黄やセレンなどの含有量が少ないSUS304,SUS304L、SUS316、SUS316L等のオーステナイト系ステンレス鋼が望ましい。
次に、磁石ホルダ7の作製方法の一例について図面を参照しつつ説明する。図2は磁石ホルダ7の製造工程を示す断面図である。まず、図2(a)に示すように、磁石ホルダ7一部を構成する磁石ホルダ前駆体7’を準備する。この前駆体7’には、第2の突起部7bが予め切削加工等によって形成されている。次に、この前駆体7’の第2の突起部7bの側面に当接するように磁石4を配置する。一方で、前駆体7’の厚みよりも大きい第1の突起部7aが形成されたリング部材7’’を準備しておく。その後、図2(b)に示すように、リング部材7’’の第1の突起部7aの側面を磁石4の端面に当接させた後に、図2(b)中の矢印部分で溶接することにより、磁石4を内包した磁石ホルダ7を作製する。このような製法によれば、第1の突起部7aと第2の突起部7bとを別の部材で作製した後に、各部材を接合して一体化することにより磁石ホルダ7を作製することができることから、磁石ホルダ7内に磁石4を容易に配置することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る光アイソレータX2を示す断面図である。光アイソレータX2は、第1の突起部7aおよび第2の突起部7bが磁石ホルダ7の端部にそれぞれ形成されている点で光アイソレータX1と相違する。光アイソレータX2では、第1の突起部7aおよび第2の突起部7bが磁石ホルダ7の端部にそれぞれ形成されているため、磁石ホルダ7を極力小さくすることができ、磁石ホルダ7の小型化が可能となる。すなわち、光アイソレータX2では、保持する磁石4の大きさに合わせて磁石ホルダ7に各突起部を形成すればよく、光アイソレータX1に比べて、第2ホルダ5および第3ホルダ6に圧入される部分がないため、その分、磁石ホルダ7を小型化できる。
次に、本発明の第3の実施形態について図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係る光アイソレータX3を示す断面図である。光アイソレータX3は、磁石4の端面が第1の突起部7aの側面と離間した状態で磁石4が磁石ホルダ7内に配置されている点で光アイソレータX1と相違する。光アイソレータX3では、磁石4と離間した第1の突出部7aとの熱膨張による影響を抑制することができるため、熱膨張により発生する応力によって生じる磁石や磁石ホルダの破損を低減することができる。なお、光アイソレータX3では、磁石4の一端面と第1の突起部7aの側面とを離間させているが、本発明ではこのような形態に限られることなく、第2の突起部7bの側面と離間させてもよいし、両方の突起部と離間させてもよい。また、この離間距離は、磁石4の位置決めという観点から、0.01mm〜0.3mmの範囲内であることが望ましい。
次に、本発明の第4の実施形態について図5を参照しつつ説明する。図4は、本発明の第4の実施形態に係る光アイソレータX4を示す断面図である。光アイソレータX4は、第1および第2の突出部の高さが磁石4の厚みよりも大きい、すなわち、第1および第2の突出部の高さよりも磁石4の厚みを小さくした点で光アイソレータX1と相違する。光アイソレータX4では、第1および第2の突出部の高さが磁石4の厚みよりも大きく形成されているため、非磁性体の磁石ホルダ7で磁石4の両端面を完全に覆うことができるため、周囲に強磁性体で構成された部材が配置されても、その影響を著しく小さくすることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図6を参照しつつ説明する。図5は、本発明の第5の実施形態に係る光アイソレータX5を示す断面図である。光アイソレータX5は、第1の突出部7aおよび第2の突出部7bの先端部が、磁石4の端部をそれぞれ覆うように、磁石4の端面および内周面に沿って屈曲している点で光アイソレータX1と相違する。光アイソレータX5では、屈曲した第1の突出部7aおよび第2の突出部7bの先端部が、磁石4の両端部の内周面に当接している。そのため、光アイソレータX5では、磁石4の両端面だけでなく、両端部の内周面の一部も磁石ホルダ7で覆うことができる。その結果、光アイソレータX5では、強磁性体材料からなる第2ホルダ5および第3ホルダ6の影響をより低減することができる。
以下に、本発明の光モジュールの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図6は、本発明の光アイソレータを備えた光モジュールの一実施形態を示す断面図である。光モジュールYは、図6に示すように、レーザダイオード10(光素子)と、サブマウント11と、第1レンズ12と、熱電冷却装置13(Thermoelectric Cooler)と、筺体14と、気密封止窓15と、窓ホルダ16と、第2レンズ17と、レンズホルダ18と、スリーブ19と、光ファイバピグテイル20と、光アイソレータX1と、アイソレータホルダ21と、を備えている。なお、レーザダイオードと電気的に接続されている電気回路やモニタ用フォトダイオードは省略する。
光モジュールYは、レーザダイオード(以下、LDとする)10から発光された光を、光ファイバの一端部がフェルールに保持されてなる光ファイバピグテイル20の光ファイバの一端面に向けて入射する機能を有している。光モジュールYは、LD10の光出力を安定させるために温度制御を行う必要があることから、熱電冷却装置13上にサブマウント11を介して設置される。LD10からの発振光は拡散光であることから、低融点ガラス等でサブマウント11に固定した第1レンズ12で発振光を平行光とする。この発振光は、気密封止窓15を透過した後に光アイソレータX1を通過し、第2レンズ17で収束光とされた後、スリーブ19を用いて3軸調芯した光ファイバピグテイル20の光ファイバの一端面に光学的に結合されて光ファイバ内を伝送する。LD10、サブマウント11、第1レンズ12、および熱電冷却装置13は筐体14内に設置される。また、LD10の光出力を安定化させるには、筐体14外の温度変化の影響を低減させる目的で気密封止窓15を設けて、筐体14内を気密封止する。気密封止窓15には、LD10からの光出力を低減させることなく気密封止するという観点から、発振光を透過させる光学ガラスが用いられる。このとき、光学ガラスとの熱膨張係数をマッチングさせるために、窓ホルダ16には、SUS430が使用される。また、第2レンズ17のレンズホルダ18も光学ガラスとの熱膨張係数をマッチングさせるために、レンズホルダ18にはSUS430が使用される。なお、このSUS430は、強磁性体材料である。そのため、気密封止窓15と第2レンズ17との間で光アイソレータX1を固定する場合は、同じ材質のホルダ、すなわち、SUS430同士で固定することが望ましいため、光アイソレータX1を内包するアイソレータホルダ21にはSUS430が使用される。
光アイソレータYでは、光アイソレータX1の外部近傍にこのような強磁性体からなる窓ホルダ16、レンズホルダ18、およびアイソレータホルダ21が配置される構成であっても、磁石4を非磁性体からなる磁石ホルダ7によって保護しているため、ファラデー回転子に対して十分な強度で磁界を印加することが可能となる。その結果、光モジュールYでは、ファラデー回転子3が有するファラデー効果を効率良く発生させることができるため、アイソレーション特性を向上させることができる。
1:偏光子
2:検光子
3:ファラデー回転子
4:磁石
5:第2ホルダ
6:第3ホルダ
7:磁石ホルダ(第1ホルダ)
7a:第1の突出部
7b:第2の突出部
10:LD(レーザダイオード)
11:サブマウント
12:第1レンズ
13:熱電冷却装置
14:筐体
15:気密封止窓
16:窓ホルダ
17:第2レンズ
18:レンズホルダ
19:スリーブ
20:光ファイバピグテイル
21:アイソレータホルダ
2:検光子
3:ファラデー回転子
4:磁石
5:第2ホルダ
6:第3ホルダ
7:磁石ホルダ(第1ホルダ)
7a:第1の突出部
7b:第2の突出部
10:LD(レーザダイオード)
11:サブマウント
12:第1レンズ
13:熱電冷却装置
14:筐体
15:気密封止窓
16:窓ホルダ
17:第2レンズ
18:レンズホルダ
19:スリーブ
20:光ファイバピグテイル
21:アイソレータホルダ
Claims (9)
- ファラデー回転子と、
中空部に前記ファラデー回転子が配置された筒状の磁石と、
筒状を成し、その内周面から内方側に突出し、かつ間に前記磁石が配置された第1の突出部および第2の突出部を有する非磁性体からなる第1ホルダと、を備えた光アイソレータ。 - 前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記第1ホルダの各端部の内周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
- 前記第1の突出部および前記第2の突出部のうち少なくとも一方は、前記磁石の端面と離間していることを特徴とする請求項1または2に記載の光アイソレータ。
- 前記第1および第2の突出部の高さは、前記磁石の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 前記第1および第2の突出部の先端部は、前記磁石の端部をそれぞれ覆うように、前記磁石の端面および内周面に沿って屈曲していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 前記第1ホルダは、オーステナイト系ステンレスで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 前記ファラデー回転子を固定する、強磁性体からなる第2ホルダをさらに備え、前記第1ホルダと前記第2ホルダとが圧入により固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光アイソレータの製造方法であって、
一端部の内周面に前記第1の突起部を有する筒状体の内孔内に前記磁石を配置する工程と、前記筒状体の他端面に、該筒状体の厚みよりも大きい厚みを有するリング部材を接合させて、前記ホルダを形成する工程と、を含んでなる光アイソレータの製造方法。 - 一端部がフェルールに保持された光ファイバと、
該光ファイバの一端面に向けて光を出射する、あるいは前記光ファイバの他端面から入射された光を、前記光ファイバを介して受光する光素子と、前記光ファイバと前記光素子との光軸上に配置された請求項1〜7のいずれかに記載の光アイソレータと、を備える光モジュール。
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JP2007253769A JP2008268847A (ja) | 2007-03-28 | 2007-09-28 | 光アイソレータおよびそれを用いた光モジュール |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017003741A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | セイコーエプソン株式会社 | 光学デバイスおよび画像表示装置 |
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007253769A patent/JP2008268847A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10090630B2 (en) | 2014-03-04 | 2018-10-02 | Denso Corporation | Laser ignition device provided with transmissive reflective film |
DE112015001095B4 (de) | 2014-03-04 | 2021-12-23 | Denso Corporation | Laserzündvorrichtung |
JP2017003741A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | セイコーエプソン株式会社 | 光学デバイスおよび画像表示装置 |
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