JP2008267338A - ガスタービンの制御方法およびガスタービン発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】今まで使用していた第1ノズル群をこれから使用する第2ノズル群に切り替えるノズル切替期間においては、第1ノズル群の燃料供給量を徐々に減少させるとともに、第2ノズル群の燃料供給量を徐々に増加させ、かつ、燃焼器への燃料供給量を燃料供給量指令値よりも増加させるガスタービンの制御方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
このような燃焼器では、ガスタービンの負荷に応じて燃料供給に使用するノズル群を切り替えることが行われている。例えば、特許文献1には、ノズルの切替期間において、各ノズル群に供給する燃料量を制御することにより、ノズル群の切替を円滑に行うことが開示されている。具体的には、図24に示されるように、ノズル群Aからノズル群Bに切り替える場合には、ノズル群Bへの燃料供給量を増加させる一方、その増加量に見合うだけノズル群Aへの燃料供給量を減少させる制御を行っている。つまり、ノズル切替期間においては、ノズル群Aへの燃料供給量とノズル群Bへの燃料供給量との合計が一定となるように、各ノズル群への燃料供給量が調整される。
本発明は、燃焼器と、互いに異なる本数のメインノズルを有するとともに、前記燃焼器へ燃料ガスを供給する複数のノズル群とを備えるガスタービンにおいて、運転状態に応じて燃料供給に使用する前記ノズル群を切り替えるガスタービンの制御方法であって、今まで使用していた第1ノズル群をこれから使用する第2ノズル群に切り替えるノズル切替期間においては、前記第1ノズル群の燃料供給量を徐々に減少させるとともに、前記第2ノズル群の燃料供給量を徐々に増加させ、かつ、前記燃焼器への燃料供給量を燃料供給量指令値よりも増加させるガスタービンの制御方法を提供する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスタービン発電装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示されるように、ガスタービン発電装置1は、ガス化燃料を燃焼する燃焼器2と、燃焼器2から供給された燃焼ガスを膨張させて回転するガスタービン3と、空気を圧縮する圧縮機4と、ガスタービン3に連結された発電機(図示略)とを主な構成として備えている。
図2は、ガスタービン制御装置10が有する制御ブロックの一例を示した図である。
図2に示されるように、ガスタービン制御装置10は、ノズル群Aに対する燃料指令である第1燃料供給指令値MACSOを設定する第1制御部11と、ノズル群Bに対する燃料指令である第2燃料供給指令値MBCSOを設定する第2制御部12と、第2制御部12により設定される第2燃料供給指令値MBCSOを燃料供給量が増加する方向に補正する補正部13とを備えている。
まず、第1制御部11は、ノズル切替期間において、第1分担比率MAR(図3参照)を取得し、この第1分担比率MARを燃料供給指令値CSOに乗算することにより、ノズル群Aの第1燃料供給指令値MACSOを設定する。この第1燃料供給指令値MACSOに応じて第1流量調節弁7(図1参照)が調節されることにより、ノズル群Aによって燃焼器2に供給される燃料量は略一定の割合で減少することとなる。
また、第1関数器25が備える関数FX1は、図5に示されるように、ガスタービンの出力が低いときは高い調整量が設定され、ガスタービンの出力が高いときは低い調整量が出力されるように設定されている。つまり、ガスタービンの出力が低いときほど、大きな調整量が出力されるように設定されている。
このようにして補正部13によって得られた補正量は、第2制御部12が備える加算器27に出力される。第2制御部12の加算器27は、第2分担比率MBRに補正量を加算して補正第2分担比率MBR´を求める。そして、第2制御部12は、燃料供給指令値CSOに補正第2分担比率MBR´を乗算することにより、ノズル群Bの第2燃料供給指令値MBCSOを設定する。
また、燃料供給量の増加分は、これから燃料供給に使用される第2ノズル群(上記実施形態では、ノズル群B)の第2分担比率MBRと、その一次遅れとの偏差に基づいて決定されるので、第2ノズル群(ノズル群B)の燃料供給量を緩やかに増加させることが可能となる。
更に、このように決定された補正量C2をガスタービンの出力等に応じて調整することで、ガスタービンの出力状況に応じて燃料増加分を調整することが可能となる。なお、ガスタービンの出力だけでなく、例えば、上述した関数FX1として、ガスタービンの要求出力指令、燃料供給指令CSO、タービン入口温度T1T等のガスタービンの運転状態に関するパラメータを用いた関数式やマップを予め用意しておき、これらの関数式やマップを用いて調整量を求めることとしてもよい。このようにすることで、ガスタービンの運転状況に応じて燃料増加分を調整することが可能となる。
図7は、本実施形態におけるガスタービン制御装置10において、第2分担比率MBRに補正量が加算された補正第2分担比率MBR´の一例を示した図、図8は図7に示される補正第2分担比率MBR´が採用されることにより、燃焼器2への燃料が増加したときのガスタービンの出力を示した図、図9は、図7に示される第1分担比率MARおよび補正第2分担比率MBR´で制御された場合のノズル群Aの燃料供給量、ノズル群Bの燃料供給量、および燃焼器2に供給される全体の燃料供給量を示した図である。
例えば、ノズル群Aからノズル群Bへ切り替える場合、図15に示されるように、ノズル群Aの分担比率が低下した領域では、燃焼器2においてノズル群Aの燃空比が低下し、図16に示されるように、燃焼効率が低下してしまう。このため、ガスタービンの出力が低下するおそれがある。
なお、上記燃空比は、空燃比の逆数として表され、例えば、以下に示すように、燃料流量を空気流量で除算することで求められる。
燃空比=燃料流量/空気流量
次に、本発明の第2の実施形態に係るガスタービンの制御方法およびガスタービン発電装置について説明する。
上述した第1の実施形態においては、第1分担比率MARあるいは第2分担比率MBRを用いて補正量を決定していたが、本実施形態においては、図17に示されるように、燃焼効率に基づいて補正量を決定する。具体的には、燃焼効率を第4関数器35が備える関数FX4により処理し、この出力を補正量とする。ここで、関数FX4は、図18に示されるように、燃焼効率が低いときは高い補正量を、燃焼効率が高いときは低い補正量を出力するように設定されている。これにより、燃焼効率の悪化を補う第2燃料供給指令値MBCSOを設定することが可能となる。なお、関数FX4において、最大補正量αは、1以下の値に設定されている。
次に、本発明の第3の実施形態に係るガスタービンの制御方法およびガスタービン発電装置について説明する。
上述した第1の実施形態においては、第1分担比率MAR、第2分担比率MBRを用いて補正量を決定していたが、本実施形態においては、図21に示されるように、ガスタービンの出力とガスタービンの要求出力指令との偏差に基づいて補正量を決定する。
具体的には、図21に示されるように、ガスタービンの出力とガスタービンの要求出力指令との偏差を第7関数器37が備える関数FX7により処理し、この出力を補正量とする。ここで、関数FX7は、図22に示されるように、偏差が大きくなるほど、大きな補正量が出力されるように設定されている。
なお、本実施形態においては、上述した第7関数器37に代えて、図13に示したようなPID制御器32を用いることとしてもよい。
次に、本発明の第4の実施形態に係るガスタービンの制御方法及びガスタービンの発電装置について説明する。
上述した第1の実施形態においては、ノズル群Bの第2分担比率MBRを補正することで、ノズル群Bの燃料供給指令MBCSOを増加させ、燃焼器2に供給する燃料供給量を増加させていたが、これに代えて、ノズル群Aの第1分担比率MARおよびノズル群Bの第2分担比率MBRを補正することによって、燃焼器2への燃料供給量を増加させることとしてもよい。
このように、燃料の増加分をノズル群Aとノズル群Bとで分担することにより、ガスタービンの運転効率を更に向上させることが可能となる。
また、第1分担比率MAR、第2分担比率MBRは一例であり、異なる特性で描かれていてもよい。
2 燃焼器
3 ガスタービン
4 圧縮機
5 第1燃料流路
6 第2燃料流路
7 第1流量調節弁
8 第2流量調節弁
10 ガスタービン制御装置
11 第1制御部
12 第2制御部
13 補正部
Claims (10)
- 燃焼器と、互いに異なる本数のメインノズルを有するとともに、前記燃焼器へ燃料ガスを供給する複数のノズル群とを備えるガスタービンにおいて、運転状態に応じて燃料供給に使用する前記ノズル群を切り替えるガスタービンの制御方法であって、
今まで使用していた第1ノズル群をこれから使用する第2ノズル群に切り替えるノズル切替期間においては、前記第1ノズル群の燃料供給量を徐々に減少させるとともに、前記第2ノズル群の燃料供給量を徐々に増加させ、かつ、前記燃焼器への燃料供給量を燃料供給量指令値よりも増加させるガスタービンの制御方法。 - 前記第1ノズル群および前記第2ノズル群には、前記ノズル切替期間における燃料供給分担比率がそれぞれ設定されており、
前記ノズル切替期間における前記燃料供給量の増加分は、該第2ノズル群の燃料供給分担比率の一次遅れとその燃料供給分担比率との偏差に基づいて決定される請求項1に記載のガスタービンの制御方法。 - 前記第1ノズル群および前記第2ノズル群には、前記ノズル切替期間における燃料供給分担比率がそれぞれ設定されており、
前記ノズル切替期間における前記燃料供給量の増加分は、前記第1ノズル群に対する前記燃料供給分担比率とその一次遅れとの偏差に基づいて決定されるとともに、前記第2ノズル群から前記燃焼器へ供給される請求項1に記載のガスタービンの制御方法。 - 前記燃料供給量の増加分は、発電プラントの運転状態に応じて調整される請求項2または請求項3に記載のガスタービンの制御方法。
- 前記燃料供給量の増加分は、前記第1ノズル群及び前記第2ノズル群に対して、その燃焼効率を考慮した割合で割り当てられる請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービンの制御方法。
- 前記第1ノズル群および前記第2ノズル群に対してそれぞれ設定されている前記燃料供給分担比率のうち、少なくともいずれか一方を補正することにより、前記燃焼器への燃料供給量を前記燃料供給量指令値よりも増加させる請求項2から請求項5のいずれかに記載のガスタービンの制御方法。
- 前記燃料供給量の増加分は、前記燃焼器における燃焼効率に応じて決定される請求項1から請求項6のいずれかに記載のガスタービンの制御方法。
- 前記燃焼効率は、前記燃焼器に供給される空気流量と燃料流量とに基づいて算出される請求項7に記載のガスタービンの制御方法。
- 前記燃料供給量の増加分は、ガスタービンの出力指令値とガスタービンの出力との偏差に基づいて決定される請求項1から請求項8のいずれかに記載のガスタービンの制御方法。
- 燃焼器と、互いに異なる本数のメインノズルを有するとともに、前記燃焼器へ燃料ガスを供給する複数のノズル群とを備え、運転状態に応じて燃料供給に使用するノズル群が切り替えられるガスタービン発電装置であって、
今まで使用していた第1ノズル群をこれから使用する第2ノズル群に切り替えるノズル切替期間において、
前記第1ノズル群の燃料供給量を徐々に減少させる第1燃料供給指令値を設定する第1制御部と、
前記第2ノズル群の燃料供給量を徐々に増加させる第2燃料供給指令値を設定する第2制御部と、
前記第1制御部により設定される第1燃料供給指令値および前記第2制御部により設定される第2燃料供給指令値の少なくともいずれか一方を、燃焼器への燃料供給量が増加する方向に補正する補正部と
を具備するガスタービン発電装置。
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