JP2008266529A - コーティング用シリコーン樹脂組成物及び塗装品 - Google Patents

コーティング用シリコーン樹脂組成物及び塗装品 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂被膜を形成することができるコーティング用シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物、もしくは、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との混合物を含有するコーティング用シリコーン樹脂組成物を調製する。
−O−Ca−O− …(1)
−O−Ca−O−の構造が分子骨格に含有されることによって、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止膜などとしてシリコーン樹脂の被膜を形成するために用いられるコーティング用シリコーン樹脂組成物、及び、このシリコーン樹脂の被膜を形成した塗装品に関するものである。
反射防止膜を形成するための樹脂としては、種々のものがあるが、フッ素樹脂やシリコーン樹脂に代表される低屈折率の材料が最近よく使用されている。
なかでも、シリコーン樹脂の被膜は耐擦傷性に優れ、ゾル−ゲル反応による膜化が可能であることから、種々のウェットコーティング法により利用されている(例えば特許文献1等参照)。
特開平11−202102号公報
上記のようなシリコーン樹脂の被膜は、膜の基本的な結合がオルガノシロキサン結合であることから、磨耗・熱に対する耐性が高い一方で、薬品、特にアルカリに対しては弱い面もある。
そこで従来では、アルカリに対しての耐性を高めるために、未反応基の反応促進のために硬化触媒、例えばジルコニアアセテートなどを添加するようにしているが、これらの硬化触媒は一般的に中心金属が高屈折率のものであり、なおかつ被膜の反応架橋点を増加させていることにより、被膜の屈折率が高くなる傾向があるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂被膜を形成することができるコーティング用シリコーン樹脂組成物、及びこのシリコーン樹脂被膜を形成した塗装品を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るコーティング用シリコーン樹脂組成物は、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物、もしくは、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との混合物を、含有して成ることを特徴とするものである。
−O−Ca−O− …(1)
この発明によれば、式(1)の構造でCaが分子骨格に含有されることによって、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物が、式(2)の化合物であることを特徴とするものである。
(RO) (3−m)Si−O−Ca−O−Si(OR (3-m) …(2)
(式(2)において、R〜Rはアルキル基、mは1〜3の整数)
この発明によれば、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができるものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物が、式(3)の化合物であることを特徴とするものである。
CHO−Ca−OCH …(3)
この発明によれば、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができるものである。
また請求項4の発明は、請求項3において、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物が、式(4)で表される加水分解性オルガノシラン又は式(4)で表される加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物と、上記式(3)の化合物とを反応させて得られるものであることを特徴とするものである。
Si(RO) (4−n) …(4)
(式(4)において、R,Rはアルキル基、nは1〜4の整数)
この発明によれば、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができるものである。
本発明の請求項5に係る塗装品は、基材の表面に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコーティング用シリコーン樹脂組成物を塗布して、シリコーン樹脂の被膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成した塗装品を得ることができるものである。
本発明によれば、式(1)の構造でCaが分子骨格に含有されることによって、十分な低屈折率と耐アルカリ性及び耐熱・耐擦傷性を有するシリコーン樹脂の被膜を形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明においてオルガノシロキサンとしては、例えば、次の一般式(5)に示される加水分解性オルガノシラン、又はその(部分)加水分解物を用いることができる。
SiX4−p …(5)
(式(5)において、pは0〜3の整数)
上記式(5)中で、Rは置換若しくは非置換の炭化水素基であって、単結合でSi原子と結合するもの(1価の炭化水素基)を示し、複数ある場合には同一のものでも異種のものでも良い。また式(5)中のXは、加水分解性基を示し、複数ある場合には同一のものでも異種のものでも良い。また、例えば4官能のものに加えて、3官能以下のものを併用しても良い。
上記のRとしては、特に限定されるものではないが、炭素数1〜8の置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を用いることが好ましい。
の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基とのハロゲン置換炭化水素基;γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらのなかでも、合成のし易さあるいは入手のし易さから、炭素数1〜4のアルキル基及びフェニル基が好ましい。尚、アルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであっても良い。
上記一般式(5)中で、Xとしては、同一又は異種の加水分解性基であれば特に限定されないが、例えばアルコキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基等が挙げられる。すなわち、加水分解性オルガノシランの具体例としては、一般式(5)中のpの値が0〜3の整数であるモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中でも、合成のし易さ或いは入手のし易さから、Xがアルコキシ基(OR)であるアルコキシシラン類であることが好ましい。またアルコキシ基のなかでも、そのアルキル基(R)の炭素数が1〜8のものであることが好ましく、この場合、加水分解性オルガノシランを含むコーティング用シリコーン樹脂組成物を塗布し、硬化させる際に、縮合反応がおこりやすく、その結果として硬度の高いコーティング被膜を形成することができる。このアルコキシ基中の炭素数が1〜8のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。このアルコキシ基中のアルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のような直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであっても良い。また、一般にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化合物も、上記のアルコキシシラン類に含まれる。
このような加水分解性オルガノシランは、一種のみを用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
また加水分解性オルガノシランは、必要に応じて適宜の溶媒で希釈しても良い。このような溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪酸アルコール;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール及びその誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール及びその誘導体;並びにジアセトンアルコール類等の親水性有機溶媒を挙げることができ、このような溶媒を一種単独又は二種以上組み合わせて用いることができる。またこのような親水性有機溶媒に加えて、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等のなかから、一種又は二種以上のものを用いることができる。
このような加水分解性オルガノシランは、その分子量は特に制限されるものではないが、重量平均分子量が500〜1000の範囲であることが好ましい。この重量平均分子量が500に満たないと加水分解物が不安定となるおそれがあり、またこの値が1000を超えると形成されるコーティング膜が十分な硬度を保てなくなるおそれがある。
一方、本発明においてCa含有シラン化合物は、分子骨格中に
−O−Ca−O− …(1)
の式(1)の構造を有するものである。
このCa含有シラン化合物としては、
CHO−Ca−OCH …(3)
の式(3)で示される化合物を用いることができる。
またオルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物としては、次の式(2)で示される化合物を用いることができる。
(RO) (3−m)Si−O−Ca−O−Si(OR (3-m) …(2)
式(2)においてmは1〜3の整数である。また式(2)において、R〜Rはアルキル基であり、同一のものでも異種のものでもいずれでもよい。このアルキル基としては特に限定されるものではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基等を例示することができる。アルコキシド基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。
上記のオルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物は、上記の式(3)の化合物と、
Si(RO) (4−n) …(4)
の式(4)で表される加水分解性オルガノシラン又はこれを加水分解して得られる加水分解物とを、反応させることによって得ることができる。
式(4)において、nは1〜4の整数である。またR,Rはアルキル基であり、同一のものでも異種のものでもいずれでもよい。このアルキル基としては特に限定されるものではないが、上記のR〜Rと同様に、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適である。尚、この式(4)で表される加水分解性オルガノシランの加水分解物としては、オルガノシロキサンとして用いる、上記の式(5)で示される加水分解性オルガノシラン又はその加水分解物と、同じものを使用することができる。
式(3)の化合物と、式(4)の加水分解性オルガノシラン又はその加水分解物とを反応させるにあたって、前者の化合物に対する後者の加水分解物の配合比率は、特に限定されるものではないが、3〜50質量%の範囲が好ましい。また触媒として硝酸等の酸を添加して反応させるのが好ましい。
そして、このCa含有シラン化合物と、上記のオルガノシロキサンとを配合して混合し、この混合液を静置することによって、式(1)の−O−Ca−O−の構造部が分子骨格中に有するシリコーン樹脂が生成されるものであり、必要に応じてこの混合液を溶剤で希釈することによって、本発明に係るコーティング用シリコーン樹脂組成物を調製することができるものである。
オルガノシロキサンに対するCa含有シラン化合物の配合比率は、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂被膜の中でのオルガノシロキサンに対するCa含有シラン化合物の比率が3.0〜6.0質量%の範囲になるように設定するのが好ましい。Ca含有シラン化合物の配合比率が3.0質量%未満であると、Ca含有シラン化合物を含有させることによる効果を十分に得ることができず、耐アルカリ性能と耐擦傷性が両立したシリコーン樹脂の被膜を得ることが困難になる。逆にCa含有シラン化合物の配合比率が6.0質量%を超えると、透明なシリコーン樹脂の被膜を得ることができなくなる可能性がある。
ここで、上記のように式(3)の化合物と、式(4)の加水分解性オルガノシランの加水分解物とを反応させてオルガノシロキサンとCa含有シラン化合物との加水分解物を調製するにあたって、式(4)の加水分解性オルガノシランの加水分解物として、オルガノシロキサンと同じものを使用する場合、オルガノシロキサンに式(3)の化合物と酸触媒とを配合することによって、本発明に係るコーティング用シリコーン樹脂組成物を調製することができるものである。従ってこの場合、コーティング用シリコーン樹脂組成物は、オルガノシロキサンとCa含有シラン化合物との混合物と、オルガノシロキサンとCa含有シラン化合物との加水分解物とが、混在した状態であることがありうる。
上記のように調製したコーティング用シリコーン樹脂組成物を、ガラス等の基材の表面に塗装することによって、反射防止膜などとして、シリコーン樹脂被膜を形成した塗装品を得ることができるものである。コーティング用シリコーン樹脂組成物を基材の表面に塗装するにあたって、その方法は特に限定されるものではないが、例えば、刷毛塗り、スプレーコート、浸漬(ディッピング、ディップコート)、ロールコート、フローコート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、テーブルコート、シートコート、枚葉コート、ダイコート、バーコート等の通常の各種塗装方法を選択して行なうことができる。
また、基材の表面に塗装して形成した被膜を乾燥させた後に、これに熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理によって、硬化被膜の機械的強度を向上させることができるものである。熱処理の際の温度は、特に限定されるものではないが、80〜150℃の比較的低い温度で1〜10分程度処理することが好ましい。
基材の表面に形成するシリコーン樹脂の硬化被膜の膜厚は、使用用途や目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、50〜150nmの範囲が好ましい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
メチルシリケート(Si(OCH:三菱化学(株)製)「MS51」)31.46質量部にメタノール432.04質量部を加え、さらに中空シリカIPA分散ゾル(固形分20質量%:触媒化成(株)製)55.5質量部を加え、これに、カルシウムメトキサイド(CHO−Ca−OCH:GELEID,Ltd製「AKC−165」)と酸触媒の0.1N硝酸水溶液を質量割合で1.5:48.5で混合したものを50.0質量部加え、よく混合して混合液を得た。このとき加水分解性オルガノシランのマトリクス形成材料中の式(1)の−O−Ca−O−の構造部の質量割合は6.2%であった。この混合液を25℃の恒温雰囲気下で24時間静置し、シリコーン樹脂として重量平均分子量1800の固形分5.0質量%のシリコーン樹脂液を得た。そして全固形分が3質量%になるようにIPA(イソプロピルアルコール)で希釈することによって、コーティング用シリコーン樹脂組成物を調製した。
このコーティング用シリコーン樹脂組成物を1時間放置した後、予め酸化セリウム微粒子で研磨洗浄したソーダライムガラス(屈折率1.54)の表面にワイヤバーコーターにより塗布し、100℃で10分間熱処理することによって、厚さ約100nmのシリコーン樹脂の硬化被膜を形成した。
(実施例2)
メチルシリケート(Si(OCH:三菱化学(株)製)「MS51」)31.79質量部にメタノール431.71質量部を加え、さらに中空シリカIPA分散ゾル(固形分20質量%:触媒化成(株)製)55.5質量部を加え、これに、カルシウムメトキサイド(CHO−Ca−OCH:GELEID,Ltd製「AKC−165」)と酸触媒の0.1N硝酸水溶液を質量割合で1.2:48.8で混合したものを50.0質量部加え、よく混合して混合液を得た。このとき加水分解性オルガノシランのマトリクス形成材料中の式(1)の−O−Ca−O−の構造部の質量割合は5.0%であった。この混合液を25℃の恒温雰囲気下で24時間静置し、シリコーン樹脂として重量平均分子量1800の固形分5.0質量%のシリコーン樹脂液を得た。そして全固形分が3質量%になるようにIPA(イソプロピルアルコール)で希釈することによって、コーティング用シリコーン樹脂組成物を調製した。
このコーティング用シリコーン樹脂組成物を1時間放置した後、実施例1と同様にソーダライムガラスの表面に塗布し、さらに実施例1と同様に熱処理することによって、厚さ約100nmのシリコーン樹脂の硬化被膜を形成した。
(実施例3)
メチルシリケート(Si(OCH:三菱化学(株)製)「MS51」)30.12質量部にメタノール433.38質量部を加え、さらに中空シリカIPA分散ゾル(固形分20質量%:触媒化成(株)製)55.5質量部を加え、これに、カルシウムメトキサイド(CHO−Ca−OCH:GELEID,Ltd製「AKC−165」)と酸触媒の0.1N硝酸水溶液を質量割合で2.4:47.6で混合したものを50.0質量部加え、よく混合して混合液を得た。このとき加水分解性オルガノシランのマトリクス形成材料中の式(1)の−O−Ca−O−の構造部の質量割合は10.0%であった。この混合液を25℃の恒温雰囲気下で24時間静置し、シリコーン樹脂として重量平均分子量1800の固形分5.0質量%のシリコーン樹脂液を得た。そして全固形分が3質量%になるようにIPA(イソプロピルアルコール)で希釈することによって、コーティング用シリコーン樹脂組成物を調製した。
このコーティング用シリコーン樹脂組成物を1時間放置した後、実施例1と同様にソーダライムガラスの表面に塗布し、さらに実施例1と同様に熱処理することによって、厚さ約100nmのシリコーン樹脂の硬化被膜を形成した。
(比較例1)
メチルシリケート(Si(OCH:三菱化学(株)製)「MS51」)32.63質量部にメタノール430.87質量部を加え、さらに中空シリカIPA分散ゾル(固形分20質量%:触媒化成(株)製)55.5質量部を加え、これに酸触媒の0.1N硝酸水溶液を50質量部加え、よく混合して混合液を得た。この混合液を25℃の恒温雰囲気下で24時間静置し、シリコーン樹脂として重量平均分子量1800の固形分5.0質量%のシリコーン樹脂液を得た。そして全固形分が3質量%になるようにIPA(イソプロピルアルコール)で希釈することによって、コーティング用シリコーン樹脂組成物を調製した。
このコーティング用シリコーン樹脂組成物を1時間放置した後、実施例1と同様にソーダライムガラスの表面に塗布し、さらに実施例1と同様に熱処理することによって、厚さ約100nmのシリコーン樹脂の硬化被膜を形成した。
表1に、実施例1〜3及び比較例1のコーティング用シリコーン樹脂組成物の配合成分の比率(被膜形成後の比率)を示す。
Figure 2008266529
上記の実施例1〜3及び比較例1で得たシリコーン樹脂の硬化被膜について、光学特性、耐アルカリ性、耐擦傷性を評価した。結果を表2に示す。
(光学特性)
・ヘイズ
ヘイズメータ(日本電色工業社製「NDH2000」を使用し、ヘイズ値を測定した。
・反射率
分光光度計(日立製作所製「U−4100」)を使用し、波長550nmの反射率を測定した。
(耐アルカリ性)
26℃雰囲気下で、シリコーン樹脂の硬化被膜に1NのNaOH水溶液をスポット滴下し、30分後に拭き取ったあとの滴下跡を、次のように判定した。
A:被膜に変化なし。
B:被膜に滴下した跡が見えるが、布で擦っても被膜に剥離異常は発生せず。
C:滴下だけでは被膜は剥離しないが、布で擦ると被膜が剥離した。
D:滴下により、被膜が剥離した。
(耐擦傷性)
シリコーン樹脂の硬化被膜を、白ネルの6枚重ね部で2000回往復拭きあげし、拭きあげ後の傷度合いを次のように判定した。
A:被膜に傷なし。
B:被膜の表面に傷が数本発生(変色して見える)。
C:被膜の下地が見える傷が数本発生。
D:被膜の下地が見える傷が多数発生。
Figure 2008266529
表2にみられるように、実施例1〜3のものは、比較例1と同等のヘイズや反射率を示すものであり、高い光学特性を有するものであった。また実施例1〜3では耐アルカリ性と耐擦傷性の両試験でA,Bという良好な結果が得られたが、比較例1では両試験でB以下であった。従って、本発明は、低屈折率の高い光学特性を保持しつつ、耐アルカリ性と耐擦傷性を向上したシリコーン樹脂の被膜を得ることができることが確認される。

Claims (5)

  1. オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物、もしくは、オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との混合物を、含有して成ることを特徴とするコーティング用シリコーン樹脂組成物。
    −O−Ca−O− …(1)
  2. オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物が、式(2)の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング用シリコーン樹脂組成物。
    (RO) (3−m)Si−O−Ca−O−Si(OR (3-m) …(2)
    (式(2)において、R〜Rはアルキル基、mは1〜3の整数)
  3. 分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物が、式(3)の化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング用シリコーン樹脂組成物。
    CHO−Ca−OCH …(3)
  4. オルガノシロキサンと分子骨格中に式(1)の構造を有するCa含有シラン化合物との加水分解物が、式(4)で表される加水分解性オルガノシラン又は式(4)で表される加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物と、上記式(3)の化合物とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項3に記載のコーティング用シリコーン樹脂組成物。
    Si(RO) (4−n) …(4)
    (式(4)において、R,Rはアルキル基、nは1〜4の整数)
  5. 基材の表面に、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコーティング用シリコーン樹脂組成物を塗布して、シリコーン樹脂の被膜が形成されていることを特徴とする塗装品。
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