JP2008266431A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)プロピレン系重合体60〜95重量%と(B)タルク5〜40重量%とを溶融混練してなり、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分のレーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であるポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)プロピレン系重合体60〜95重量%と(B)タルク5〜40重量%とを溶融混練してなり、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分のレーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であるポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い剛性を有するるポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレンは、安価で、良好な機械的特性、成形性、耐熱性、耐溶剤性、外観等を有するため、自動車用途、電気・電子用途、包装用途等の各種の広い分野で使用されている。
高剛性が求められる用途には、タルク、ガラス繊維等の無機フィラーを含むポリプロピレン系樹脂組成物が用いられている。近年、成形品の軽量化の観点から、薄肉化の要求がますます高まってきており、樹脂組成物のさらなる高剛性化が要望されている。
良外観で高剛性化が要求される用途には、比較的小粒子径のタルクを含有するポリプロピレン系樹脂組成物が用いられている。
例えば、特許文献1にはレーザー回折法にて測定した平均粒径が10μm以下であるタルクとプロピレン系重合体からなる樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、平均粒径が、1.5〜15μmであるタルクとプロピレン系重合体からなる樹脂組成物が開示されている。
良外観で高剛性化が要求される用途には、比較的小粒子径のタルクを含有するポリプロピレン系樹脂組成物が用いられている。
例えば、特許文献1にはレーザー回折法にて測定した平均粒径が10μm以下であるタルクとプロピレン系重合体からなる樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、平均粒径が、1.5〜15μmであるタルクとプロピレン系重合体からなる樹脂組成物が開示されている。
上記の各特許公報に記載されている方法によって、剛性をある程度向上することは可能ではあるものの、十分な効果が得られるとまでは云えず、さらなる改良が求められている。
上記の状況の下、本発明の目的は、高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
上記の状況の下、本発明の目的は、高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者らは検討した結果、(A)プロピレン系重合体に(B)タルクを配合した熱可塑性樹脂組成物中の(B)タルクの重量平均粒子径と粒子径のピークを一定の限られた範囲に制御すると、剛性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)プロピレン系重合体60〜95重量%と(B)タルク5〜40重量%とを溶融混練してなり、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分のレーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
すなわち、本発明は、(A)プロピレン系重合体60〜95重量%と(B)タルク5〜40重量%とを溶融混練してなり、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分のレーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
本発明によれば、高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いる(A)プロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、または、プロピレン単独重合体とプロピレン−エチレンランダム共重合体とからなるブロック共重合体である。
プロピレン単独重合体、または、プロピレン−エチレンランダム共重合体の製造方法としては、公知の重合触媒を用いる公知の製造方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられる。重合方法としては、スラリー重合や気相重合が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体とは、プロピレン単独重合体部分(A1)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)からなる共重合体である。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン単独重合体部分(A1)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)の、それぞれの重量割合は、単独重合体部分(A1)が95〜60重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が5〜40重量%である。好ましくは、単独重合体部分(A1)が90〜65重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が10〜35重量%であり、さらに好ましくは、単独重合体部分(A1)が90〜70重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が10〜30重量%である。(但し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の全重量を100重量%とする。)
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン単独重合体部分(A1)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)の、それぞれの重量割合は、単独重合体部分(A1)が95〜60重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が5〜40重量%である。好ましくは、単独重合体部分(A1)が90〜65重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が10〜35重量%であり、さらに好ましくは、単独重合体部分(A1)が90〜70重量%であり、ランダム共重合体部分(A2)が10〜30重量%である。(但し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の全重量を100重量%とする。)
単独重合体部分(A1)の含有量が過多の場合、衝撃強度が不充分となる場合があり、単独重合体部分(A1)の含有量が過少の場合、剛性が不充分となる場合がある。
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)におけるエチレン含量は、20〜55重量%であり、好ましくは、30〜55重量%、さらに好ましくは、35〜50重量%である。(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体(A2)の全量を100重量%とする。)
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)におけるエチレン含量が過多あるいは過少の場合、衝撃強度が不充分となる場合がある。
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)におけるエチレン含量が過多あるいは過少の場合、衝撃強度が不充分となる場合がある。
プロピレン−エチレンブロック共重合体における単独重合体部分(A1)のアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましくは0.98以上であり、さらに好ましくは、0.985以上である。
また、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)の固有粘度([η]EP)は、剛性と衝撃性のバランス、ゲルの発生や成形品外観の観点から、通常、1〜8dl/gであり、好ましくは2〜7dl/gである。
ブロック共重合体(A)の製造方法としては、例えば、プロピレン単独重合体部分(A1)を第1工程で製造し、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A2)を第2工程で製造する方法が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の単独重合体部分(A1)と同様のプロピレン単独重合体である。
プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR、単位:g/10分、測定条件:230℃、21.2N)は、好ましくは、1〜300であり、さらに好ましくは、3〜200である。
プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR、単位:g/10分、測定条件:230℃、21.2N)は、好ましくは、1〜300であり、さらに好ましくは、3〜200である。
プロピレン単独重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましくは0.98以上、さらに好ましくは、0.985以上である。
本発明においては、(A)プロピレン系重合体と(B)タルクとを溶融混練した場合に、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)タルクの重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であることを要する。
溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)タルクの重量平均粒子径の好ましい範囲は10.5〜14.7μmであり、より好ましくは11〜14.4μmである。また、重量基準の粒子径のピークの好ましい範囲は9〜15.7μmであり、より好ましい範囲は9.5〜15.4μmである。
重量平均粒子径が10μm以下、若しくは15μmを超えた場合や、重量基準の粒子径のピークが8μm未満、若しくは16μmを超えた場合、剛性改良効果が乏しくなることがある。剛性改良に最適な重量平均粒子径を持ち、且つ剛性改良に最適な重量平均粒子径に重量基準の粒子径のピーク値が近いと、より効果的に剛性改良効果が得られる。
溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物中のタルクの粒子径は、熱可塑性樹脂を550℃で灰化させたのち、灰分の粒径をレーザー回折法で測定することで得られる。
溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)タルクの重量平均粒子径の好ましい範囲は10.5〜14.7μmであり、より好ましくは11〜14.4μmである。また、重量基準の粒子径のピークの好ましい範囲は9〜15.7μmであり、より好ましい範囲は9.5〜15.4μmである。
重量平均粒子径が10μm以下、若しくは15μmを超えた場合や、重量基準の粒子径のピークが8μm未満、若しくは16μmを超えた場合、剛性改良効果が乏しくなることがある。剛性改良に最適な重量平均粒子径を持ち、且つ剛性改良に最適な重量平均粒子径に重量基準の粒子径のピーク値が近いと、より効果的に剛性改良効果が得られる。
溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物中のタルクの粒子径は、熱可塑性樹脂を550℃で灰化させたのち、灰分の粒径をレーザー回折法で測定することで得られる。
このような状態を発現するには、配合する(B)タルクとして、レーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ粒子径の分布が5.2〜29.9μmの範囲の割合が80%以上であるタルクを用いるのが好ましい。
平均粒子径は、好ましくは11μmより大きく14.5μm以下であり、さらに好ましくは12μmより大きく14μm以下である。10μm以下だと高い剛性が得られないことがあり、15μmを超えると衝撃強度や、剛性が低下することがある。また、粒子径5.2〜29.9μmの割合として、好ましくは82%以上、より好ましくは84%以上である。80%未満であると高い剛性が得られないことがある。
平均粒子径は、好ましくは11μmより大きく14.5μm以下であり、さらに好ましくは12μmより大きく14μm以下である。10μm以下だと高い剛性が得られないことがあり、15μmを超えると衝撃強度や、剛性が低下することがある。また、粒子径5.2〜29.9μmの割合として、好ましくは82%以上、より好ましくは84%以上である。80%未満であると高い剛性が得られないことがある。
このようなタルクは、一般に天然に産出された鉱石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ロールクラッシャー等で粗粉砕後、ジェットミルやスクリーンミル、ローラーミル、振動ミル等を用いて微粉砕化され、サイクロンエアセパレーター、ミクロセパレーター、シャープカットセパレーター等の装置で分級することで得ることが出来る。
また、タルクは無処理のまま使用しても良く、ポリプロピレン系樹脂との界面接着性を向上させ、ポリプロピレン系樹脂に対する分散性を向上させるために、通常知られているシランカップリング剤、チタンカップリング剤や界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前述の(A)60〜95重量%、(B)5〜40重量%を溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物である。(A)と(B)の好ましい範囲は、(A)65〜94重量%、(B)6〜35重量%であり、より好ましくは(A)70〜93重量%、(B)7〜30重量%である。
(A)成分が60重量%未満の場合、耐衝撃強度の低下や流動性の低下により加工性が低下する場合があり、95重量%を超えると剛性の改良効果が十分でない場合がある。(B)成分が5重量%未満の場合、剛性の改良効果が十分でない場合があり、40重量%を超えると耐衝撃強度の低下や流動性の低下により加工性が低下する場合がある。
(A)成分が60重量%未満の場合、耐衝撃強度の低下や流動性の低下により加工性が低下する場合があり、95重量%を超えると剛性の改良効果が十分でない場合がある。(B)成分が5重量%未満の場合、剛性の改良効果が十分でない場合があり、40重量%を超えると耐衝撃強度の低下や流動性の低下により加工性が低下する場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、各成分を混合し、混練する方法が挙げられ、混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。混練の温度は、通常、170〜250℃であり、混練時間は、通常、1〜20分である。また、各成分の混合は同時に行なってもよく、分割して行なってもよいが、(A)成分を溶融させた後、(A)の溶融物に(B)を添加し、さらに溶融混練する方法が好ましい。具体的には、複数のフィード口を有する単軸もしくは2軸の押出し機を用い、(A)成分を第一投入口から押出機に投入し、溶融混練し、第一混練部よりも下流側にある第二投入口から、(B)成分を投入(サイトフィード)し、溶融混練する方法を採用することが、前述した溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)タルクの重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内とすることに、より効果的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂、他の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤、滑剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押出成形、ブロー成形等の公知の成形方法で、成形される。
本発明の成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくはドアトリム、サイドモール、フェンダー、オーバーフェンダー、サイドシルガーニッシュ、バンパースカート、スポイラー、マッドガード、インナーパネル、ピラー、インストルメンタルパネル及びバンパー等自動車用部品である。本樹脂組成物は、剛性、流動性が優れるため特に、自動車用インストルメントパネル部品、バンパー部品として好適に使用される。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
各物性値の測定法を以下に示した。
各物性値の測定法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に従って、温度230℃、荷重21Nの条件で測定した。
JIS−K−6758に従って、温度230℃、荷重21Nの条件で測定した。
(2)曲げ弾性率(単位:MPa)および曲げ強度(単位:MPa)
ASTM D790に準拠し、射出成形によって得られた3.2mm厚の試験片を使用して、23℃における曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。
ASTM D790に準拠し、射出成形によって得られた3.2mm厚の試験片を使用して、23℃における曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。
(3)タルクの重量平均粒子径
試料をエタノール溶液中に入れ、超音波洗浄装置で10分間分散後、日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計(SPA方式)を用い、レーザー回折法で粒度を求めた。
試料をエタノール溶液中に入れ、超音波洗浄装置で10分間分散後、日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計(SPA方式)を用い、レーザー回折法で粒度を求めた。
(4)溶融混練した組成物中のタルクの重量平均粒子径
550℃で灰化し、上記の方法にて組成物中のタルクの平均粒子径を求めた。また、粒度分布曲線から粒子径のピーク値を求めた。
550℃で灰化し、上記の方法にて組成物中のタルクの平均粒子径を求めた。また、粒度分布曲線から粒子径のピーク値を求めた。
(5)固有粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。固有粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。固有粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
(6)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレン共重合体部分(A2)の全プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量比率(X、重量%)及びプロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体部分(A2成分)のエチレン含量:[(C2’)EP、重量%]
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982,15,1150-1152)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982,15,1150-1152)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(7)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレンを主体とした重合体部分(A1)の極限粘度(〔η〕A1、単位:dl/g)およびエチレン−プロピレン共重合体部分部分(A2)の極限粘度(〔η〕A2、単位:dl/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン主体とした重合体部分(A1)の極限粘度(〔η〕A1)、および、エチレン−プロピレン共重合体部分(B)の極限粘度(〔η〕A2)は、プロピレン重合体部分(A)と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
〔η〕A2=〔η〕T/X−(1/X−1)〔η〕A1
〔η〕A1:プロピレン主体とした重合体部分の極限粘度(dl/g)
〔η〕T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン主体とした重合体部分(A1)の極限粘度(〔η〕A1)は、その製造時に、第一工程であるプロピレン主体とした重合体部分(A1)の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン主体とした重合体から極限粘度(〔η〕A1)を求めた。
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン主体とした重合体部分(A1)の極限粘度(〔η〕A1)、および、エチレン−プロピレン共重合体部分(B)の極限粘度(〔η〕A2)は、プロピレン重合体部分(A)と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
〔η〕A2=〔η〕T/X−(1/X−1)〔η〕A1
〔η〕A1:プロピレン主体とした重合体部分の極限粘度(dl/g)
〔η〕T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン主体とした重合体部分(A1)の極限粘度(〔η〕A1)は、その製造時に、第一工程であるプロピレン主体とした重合体部分(A1)の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン主体とした重合体から極限粘度(〔η〕A1)を求めた。
(試料)
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A))
MFRが、30g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A1)が1.08dl/g、エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕A2)が2.2dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が19.5重量%であり、エチレン含量が40重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、6.3であった。
レン単独重合体。
(B)タルク(成分B)
(B−1)重量平均粒子径13.2μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が85.5%のタルク
(B−2)重量平均粒子径15.9μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が73.3%のタルク
(B−3)重量平均粒子径5.6μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が59.2%のタルク
(C)エラストマー(その他の成分)
商標:エンゲージ8200(ダウケミケル社製)
比重が0.873であり、MFR(190℃)が4.9g/10分であるエチレン−1−オクテン共重合体ゴム
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A))
MFRが、30g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A1)が1.08dl/g、エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕A2)が2.2dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が19.5重量%であり、エチレン含量が40重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、6.3であった。
レン単独重合体。
(B)タルク(成分B)
(B−1)重量平均粒子径13.2μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が85.5%のタルク
(B−2)重量平均粒子径15.9μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が73.3%のタルク
(B−3)重量平均粒子径5.6μm、重量基準の粒子径5.2μm〜29.9μmの割合が59.2%のタルク
(C)エラストマー(その他の成分)
商標:エンゲージ8200(ダウケミケル社製)
比重が0.873であり、MFR(190℃)が4.9g/10分であるエチレン−1−オクテン共重合体ゴム
実施例1
3個の投入口を有する二軸押出機(TEM50A、東芝機械社製)を用いて、表1に示した成分を所定の投入口より投入し、シリンダー温度180℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量40kg/hrの条件で溶融混練し、押出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーでペレット化した。投入口は、上流側から、第1投入口、第2投入口、第3投入口とする。
得られたペレットを射出成形機(住友重機械工業(株)製 サイキャップ110/50)を用いシリンダー温度220℃、金型温度50℃に設定し、各試験片を成形した。得られた試験片を用いて曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。この結果を表1に示した。
また、得られたペレットを550℃で灰化し、レーザー回折法にて組成中のタルクの平均粒子径及び粒子径のピーク値を求めた。
3個の投入口を有する二軸押出機(TEM50A、東芝機械社製)を用いて、表1に示した成分を所定の投入口より投入し、シリンダー温度180℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量40kg/hrの条件で溶融混練し、押出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーでペレット化した。投入口は、上流側から、第1投入口、第2投入口、第3投入口とする。
得られたペレットを射出成形機(住友重機械工業(株)製 サイキャップ110/50)を用いシリンダー温度220℃、金型温度50℃に設定し、各試験片を成形した。得られた試験片を用いて曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。この結果を表1に示した。
また、得られたペレットを550℃で灰化し、レーザー回折法にて組成中のタルクの平均粒子径及び粒子径のピーク値を求めた。
実施例2〜3
表1に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
表1に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
比較例1〜2
表1に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
表1に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、高い曲げ弾性率、曲げ強度を示すことが分かり、特にタルクをサイドフィードすることは曲げ弾性率、曲げ強度の向上に有効であることが分かる。
本発明の要件を満足しない比較例1〜2は、曲げ弾性率、曲げ強度が低いことがわかる。
Claims (3)
- (A)プロピレン系重合体60〜95重量%と(B)タルク5〜40重量%とを溶融混練してなり、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分のレーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ重量基準の粒子径のピークが8〜16μmの範囲内であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
- 配合する(B)成分として、レーザー回折法によって測定した重量平均粒子径が10μmより大きく15μm以下であり、且つ粒子径の分布が5.2〜29.9μmの範囲の割合が80%以上であるタルクを用いる請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 複数のフィード口を有する単軸もしくは2軸の押出し機を用い、(B)成分をサイドフィードし溶融混練する方法によって製造された請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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CN112552632A (zh) * | 2019-09-26 | 2021-03-26 | 合肥杰事杰新材料股份有限公司 | 一种高性能聚丙烯材料及其制备方法 |
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- 2007-04-19 JP JP2007110078A patent/JP2008266431A/ja active Pending
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