この種の従来の固体撮像素子には、CCD型の固体撮像素子と、CMOS型の固体撮像素子とがある。
図7は、CCD型の固体撮像素子を説明する概略図である。
CCD型の固体撮像素子100は、受光面に縦横に配置された、フォトダイオードからなる複数の光電変換素子1と、該素子の垂直方向の配列に沿って配置される垂直CCD10と、該垂直CCD10の終端に配置される水平CCD20と、該水平CCD20の終端に配置され、該水平CCD20からの電荷を電圧信号に変換して出力する信号出力部Aとを備えている。なお図中、100aは、光電変換素子1及び垂直CCD10が配置された画素部である。
このような固体撮像素子の信号出力部Aの構成は、一般的にFDA(Floating Diffusion Amplyfier)タイプのものが広く採用されている。
図8は、上記信号出力部Aの詳細を示す平面図であり、図8及び図7を参照して、信号出力部Aについて説明する。なお、図8中、図7と同一符号は同一のものを示す。
固体撮像素子の信号出力部Aは、水平CCD20から転送された電荷を蓄積し、電荷に対応して電位を保持し、その後リセット動作により、リセット電位になる動作を繰り返すFD部30と、水平CCD20からFD部30への電荷の転送を制御する水平出力トランジスタ31と、そのリセット動作を制御するリセットトランジスタ32と、FD部30の電荷の変位を信号に変換し増幅して出力する出力回路40とからなる。
この出力回路40は複数段(2〜3段)のソースフォロワ回路により構成されており、出力回路40を構成する初段トランジスタ41は、基板上に形成された不純物拡散領域41bと、該不純物拡散領域41b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極41aとを有している。また、水平CCD20の終端部には、水平CCD20からFD部30への電荷の転送を制御する水平出力トランジスタ31が配置されており、該水平出力トランジスタ31は、上記水平CCD20を構成する不純物拡散領域20aにつながった不純物拡散領域31bと、該不純物拡散領域31b上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極31aとを有している。また、FD部30に対して水平CCD20と反対側には、上記リセットトランジスタ32が配置されており、該リセットトランジスタ32は、FD部30を構成する不純物拡散領域30aにつながった不純物拡散領域32bと、該不純物拡散領域32b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極32aとを有している。
このような構成のCCD型の固体撮像素子では、光電変換素子1で発生した電荷は、垂直CCD10により水平CCD20に転送され、該水平CCD20に転送された電荷は、さらに該水平CCD20により水平出力トランジスタ31を介してFD部30に転送され、該FD部30に蓄積される。すると、FD部30は蓄積した電荷に対応する電位を保持し、この電位が出力回路40で増幅されて出力される。電圧信号に変換された電荷は、リセットトランジスタ32によりFD部30から排出される。
次に、CMOS型の固体撮像素子について簡単に説明する。
図9は、CMOS型の固体撮像素子を説明する概略的な平面図であり、光電変換素子および該光電変換素子からの電荷を信号電圧に変換する信号出力部を示している。
このCMOS型の固体撮像素子においても、受光面に光電変換素子としてのフォトダイオードが縦横に配置されているが、図9では、そのようなフォトダイオードの隣接する2つのみを示している。
このCMOS型の固体撮像素子では、フォトダイオード1aで発生した電荷を電圧信号に変換して出力する信号出力部Bを、隣接する2つのフォトダイオード1aで共有している。該信号出力部Bは、フォトダイオード1aからの電荷を蓄積し、電荷に対応して電位を保持し、その後リセット動作により、リセット電位になる動作を繰り返すFD部60と、フォトダイオードからFD部60への電荷の転送を制御する転送トランジスタ61と、上記リセット動作を制御するリセットトランジスタ62と、FD部60の電荷の変位を信号に変換し増幅して出力する出力回路70とからなる。
この出力回路70を構成する出力初段トランジスタ71は、基板上に形成された不純物拡散領域71bと、該不純物拡散領域71b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極71aとを有している。また、上記転送トランジスタ61は、フォトダイオード1aとFD部60との間に位置する不純物拡散領域61bと、該不純物拡散領域61b上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極61aとを有している。また、FD部60に対してフォトダイオード1aと反対側には、上記リセットトランジスタ62が配置されており、該リセットトランジスタ62は、FD部60とリセットドレイン部63との間に位置する不純物拡散領域62bと、該不純物拡散領域62b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極62aとを有している。
このような構成のCMOS型の固体撮像素子では、フォトダイオード部1aで発生した電荷は、転送トランジスタ61を介してFD部60に蓄積され、FD部60は該蓄積された電荷に応じた信号を発生する。すると、初段トランジスタ71を含む出力回路70では、電圧信号を増幅して出力する。電圧信号に変換された電荷は、リセットトランジスタ62を介してリセットドレイン63に排出される。
ところで、上記CCD型の固体撮像素子では、FD部30と出力回路40のゲート電極41bとは、該ゲート電極41b上に絶縁膜(図示せず)を介して形成された配線層51により接続されている。つまり、配線層51の一端部は、該絶縁膜に形成されたコンタクトホール33を介してFD部30を構成する不純物拡散領域30aに接続され、配線層51の他端部は上記絶縁膜に形成されたコンタクトホール43を介して、出力回路41の初段トランジスタのゲート電極41aに接続されている。
固体撮像素子における、このようなFD部30と出力回路40のゲート電極41aとの接続構造は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
まず、図10を用いて、特許文献1に開示の接続構造を説明する。
n型シリコン基板(n−sub)201の表面領域にはpウェル層(p−well)202が形成され、該pウェル層2には、フィールド酸化膜203及びn+不純物拡散領域204が形成されている。該拡散領域204はFD部となるものである。また、フィールド酸化膜203上にはゲート酸化膜205を介してゲート電極206が配置されている。このゲート電極206は上記出力回路(図7及び図8参照)のゲート電極である。そして、該ゲート電極206及び上記拡散領域204上には、これらにまたがるようにTiNなどからなる導電性膜207が形成され、該導電膜207上には、タングステンなどの高融点金属からなる導電性膜208が形成されている。
つまり、上記特許文献1では、シリコン基板201のpウェル層202上にゲート絶縁膜205を介してゲート電極206を形成し、該ゲート絶縁膜205に開口を形成して、該シリコン基板201のpウェル層内202に形成したFD部の拡散領域を露出させた後、ゲート電極206と、露出したFD部の拡散領域とにまたがるよう選択的に導電性膜207および208を形成することにより、ゲート電極とFD部とを電気的に接続している。
次に、図11を用いて、特許文献2に開示の、FD部と出力回路のゲート電極との接続構造を説明する。
n型の半導体基板212の表面領域に、上記FD部としての拡散領域215が形成されている。該半導体基板212上には、シリコン酸化膜213を介して配線210が形成されている。この配線210は、上記出力回路のゲート電極から延長されたものである。該配線210及びシリコン酸化膜213上にはさらにシリコン酸化膜214が形成されており、該シリコン酸化膜214の該配線210上の部分にコンタクト部211が形成され、上記シリコン酸化膜213及び214の、FD部上の部分にはコンタクト部219が形成されている。該シリコン酸化膜214上には配線部212が形成され、この配線部212の一端はコンタクト部219を介して上記FD部215に接続され、該配線部212の他端はコンタクト部211を介して、上記ゲート電極から延長された配線210に接続されている。
つまり、上記特許文献2では、ゲート電極としての配線210を形成した後、その上に絶縁膜214を形成し、該ゲート電極としての配線210上の絶縁膜213、およびFD部上の絶縁膜213及び214に開口を形成した後、これらの開口にまたがるよう金属配線材料を形成することにより、FD部の拡散領域と出力回路のゲート電極とを電気的に接続している。
また特許文献3には、図8に示すFD部30と出力回路41のゲート電極41aとの接続構造の他の例が開示されており、図12を用いて、この接続構造について説明する。
半導体基板223の表面部には、上記FD部を構成するn+拡散領域(FD領域)226が形成され、また半導体基板223上にはゲート絶縁膜224を介してゲート電極221が形成されている。さらに、ゲート電極221およびゲート絶縁膜224上には層間絶縁膜227が形成され、該層間絶縁膜227の、ゲート電極とFD部との隣接部分にはコンタクトホール228が形成されている。このコンタクトホールには、タングステンプラグ220が埋め込まれており、該プラグ220により、ゲート電極221とFD領域226とが電気的に接続されている。
また、CMOS型の固体撮像素子においても、FD部60と出力回路70を構成する出力トランジスタのゲート電極71aとは、CCD型の固体撮像素子と同様、該ゲート電極71a上に絶縁膜(図示せず)を介して形成された配線層52などにより接続されている。つまり、配線層52の一端部は、該絶縁膜に形成されたコンタクトホール64を介してFD部60の不純物拡散領域60aに接続され、配線層52の他端部は上記絶縁膜に形成されたコンタクトホール74を介して、出力回路70を構成する出力トランジスタ71のゲート電極71aに接続されている。
特開2006−344654号公報
特開2000−22122号公報
特開2002−368203号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、FD部と出力トランジスタのゲート電極とを接続する配線を、金属配線材料を加工することにより形成しているので、該金属配線材料を加工する際の基板へのダメージにより、また金属配線材料の構成物質の拡散、例えばTiNからのTi拡散の影響により、画素特性劣化(白傷等)が発生するという問題がある。
また、特許文献3で示されている金属プラグ(タングステン材)による接続を行う場合、タングステンの堆積前に層間絶縁膜の平坦化を行うか、若しくはタングステンの堆積後に平坦化を金属研磨法により行う必要があり、この平坦化処理に起因して、画素部の基板と集光レンズとの間の距離が拡大し、集光効率が低下し、画素特性の劣化(感度劣化)が発生する。
以下、この平坦化処理に起因して、画素部の基板と集光レンズとの間の距離が拡大する点について、図13〜図15を用いて説明する。
例えば、図13(a)に示すように、半導体基板23上に形成した層間絶縁膜27aの表面が平坦でない状態で、該層間絶縁膜27aにコンタクトホール28a及び28bを形成し、全面にタングステンなどの金属材料を堆積すると、層間絶縁膜27aの薄い部分には、その厚い部分に比べて、金属材料が厚く堆積されることとなる。
このため、図13(b)に示すように、層間絶縁膜27aの薄い部分のコンタクトホール28aの開口が露出するよう、堆積した金属材料を全面エッチバックすると、層間絶縁膜27aの厚い部分では、コンタクトホール28b内に埋め込まれた金属材料までエッチングされ、段差部が形成されてしまう。
このような段差部が形成された部分に、配線層を形成すると、配線の断線や、配線とコンタクトホール内の金属材料との接続不良などを招くこととなる。
従って、層間絶縁膜は平坦化しておく必要がある。ところが、層間絶縁膜の平坦化は、画素部の基板と集光レンズとの間の距離の拡大を招くこととなる。
簡単に説明すると、画素部10では、図14(a)に示すように、フォトダイオード1の両側には垂直CCDの拡散領域10aが配置され、該拡散領域10a上には、垂直CCDのゲート電極10bが配置されているので、層間絶縁膜12の平坦化を行わない場合は、該層間絶縁膜12は、フォトダイオード1の上の部分で窪んでおり、マイクロレンズ13は、フォトダイオード1の上の、層間絶縁膜12の窪んだ部分に配置される。なお、図14(a)は、図7のA−A’線部分に相当する断面を示しており、基板11の表面とマイクロレンズ13とは距離L1だけ離れている。
一方、層間絶縁膜12の平坦化を行った場合は、図14(b)に示すように、基板11の表面とマイクロレンズ13との距離は、距離L2に増大する。
その理由は、層間絶縁膜12の平坦化を行う場合は、図15(a)に示すように、層間絶縁膜12aを厚く形成しておき、該層間絶縁膜12aを、図15(b)に示すように、その表面が平坦になるようエッチバックするため、エッチバック後の層間絶縁膜12aの厚さL2は、平坦化を行わない場合の層間絶縁膜12の、フォトダイオード1部分での厚さL1より厚くなるからである。
また、このように、タングステンなどの金属材料を層間絶縁膜上に堆積する前に層間絶縁膜の平坦化を行う場合だけでなく、タングステンなどの金属材料を層間絶縁膜上に堆積した後に平坦化を金属研磨法により行う場合でも、層間絶縁膜は厚く形成しておく必要があるため、基板11の表面とマイクロレンズ13との距離は増大することとなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、配線工程に起因する画素特性劣化を引き起すことがなく、高い信頼性を確保することができる素子構造を有する固体撮像素子を得ることを目的とする。
本発明は、配線工程に起因する画素特性の劣化を引き起こすことなく、信頼性の高い固体撮像素子を製造することができる固体撮像素子の製造方法を得ることを目的とする。
本発明にかかる固体撮像素子は、信号電荷を蓄積するフローティングディフージョン部と、該フローティングディフージョン部にゲート電極が電気的に接続されたトランジスタを含み、該フローティングディフージョン部の電荷の変動に応じた信号を、該トランジスタを用いて出力する出力回路とを備えた固体撮像素子であって、該トランジスタのゲート電極は、その一部が、該フローティングディフージョン部を構成する不純物拡散領域に接触するように配置されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
好ましくは、本発明の固体撮像素子におけるゲート電極はポリシリコン配線材により構成されている。
好ましくは、本発明の固体撮像素子におけるトランジスタのゲート絶縁膜は、SiO2材料からなる。
好ましくは、本発明の固体撮像素子におけるフローティングディフージョン部を構成する不純物拡散領域上には、前記トランジスタのゲート絶縁膜が形成されており、前記トランジスタのゲート電極は、その一部が、該不純物拡散領域上に形成されたゲート絶縁膜の開口を介して、該不純物拡散領域に接触するよう配置されている。
好ましくは、本発明の固体撮像素子におけるトランジスタのゲート電極の、前記不純物拡散領域上に位置する部分は、該不純物拡散領域上に形成されたゲート絶縁膜の開口の平面形状を含む平面形状を有している。
本発明にかかる固体撮像素子の製造方法は、固体撮像素子を製造する方法であって、半導体基板上に、信号電荷を蓄積するフローティングディフージョン部となる不純物拡散領域を形成する工程と、該不純物拡散領域上に形成されたゲート絶縁膜に、該不純物拡散領域の一部が露出するよう開口を形成する工程と、全面にゲート電極材料を堆積させる工程と、該堆積したゲート電極材料をパターニングすることにより、該フローティングディフージョン部の電荷の変動に応じた信号を出力するトランジスタのゲート電極を形成する工程とを含み、該トランジスタのゲート電極は、該フローティングディフージョン部となる不純物拡散領域に、該記ゲート絶縁膜の開口を介して接触するように配置されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における、前記ゲート電極を形成する工程では、前記堆積したゲート電極材料を、該ゲート電極の平面形状が前記ゲート絶縁膜の開口の平面形状を含むようパターニングする。
好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるゲート電極材料にポリシリコン配線材を用いる。
好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法において、前記ゲート電極を形成した後、800℃を越える熱処理を行う工程を、さらに含み、該熱処理により前記ゲート電極材内の不純物を、該フローティングディフージョン部となる不純物拡散領域に拡散させることにより、該不純物拡散領域の該ゲート電極とを電気的に接続する。
好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法において、前記ゲート電極を形成した後、該ゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程をさらに含む。
好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるゲート電極を覆う絶縁膜には、SiO2材料を使用し、該絶縁膜の形成は、熱酸化法もしくはCVD法により行う。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明においては、フローティングディフージョン部(FD部)の蓄積電荷に応じた信号を出力する出力回路のトランジスタのゲート電極を、その一部が該FD部を構成する不純物拡散領域に接触するように配置しており、このため、出力回路のトランジスタのゲート電極と、FD部の不純物拡散領域とをコンタクトホールを介して接続する配線の形成工程をなくすことができる。従って、FD部と出力初段トランジスタのゲート電極の接続方法にコンタクトホールを形成する場合に比べて、シリコン基板へのダメージを減らすことができ、これにより素子の信頼性を向上させることができる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極とFD部との接続に金属配線を使用しないため、金属配線材料の構成物質が画素部へ拡散するといった画素部への影響がない。これにより画質劣化を回避できる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極とFD部との接続に金属プラグを用いた場合のような、画素部の基板と集光レンズとの間の距離の増大はなく、集光効率の低下による画素特性の劣化が生ずることもない。
本発明においては、前記ゲート電極はポリシリコン配線材により構成されているので、FD部を構成する拡散領域には、ゲート電極の構成材料であるポリシリコンから不純物がオートドープされることとなる。このため、ゲート電極とFD部の拡散領域との接触抵抗を低減するための高濃度拡散領域を形成した場合の寄生容量の増大を抑えつつ、接触抵抗を低減することができる。これにより、FD部の蓄積電荷を電圧信号に変換する変換率の低下を回避することができる。この結果、変換率の低下および画質劣化のない固体撮像素子を提供することができる。
本発明においては、堆積したゲート電極材料を、ゲート電極の平面形状が、FD部上でのゲート絶縁膜開口の平面形状を含むようパターニングすることにより、ゲート電極を形成するので、ゲート電極材料であるポリシリコン膜をパターニングする際に、FD部の基板がエッチングされるのを回避できる。
以上により、本発明によれば、FD部の拡散領域と、該FD部からの電荷を信号電圧に変換して出力する出力回路のトランジスタのゲート電極との接続構造を、基板へのダメージや、画素部の基板と集光レンズとの間の距離の拡大を発生させることなく、形成することが可能となり、画素特性劣化のない、信頼性の高い固体撮像素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1によるCCD型の固体撮像素子を説明する図であり、図1(a)は該固体撮像素子の信号出力部を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線断面図である。
本実施形態1のCCD型の固体撮像素子は、図7に示す従来のCCD型の固体撮像素子と同様、受光面に縦横に配置された、フォトダイオードからなる複数の光電変換素子と、該素子の垂直方向の配列に沿って配置される垂直CCDと、該垂直CCDの終端に配置される水平CCDと、該水平CCDの終端に配置され、該水平CCDからの電荷を電圧信号に変換して出力する信号出力部とを備えている。また、図1に示す本実施形態1の固体撮像素子における信号出力部A1も、従来の固体撮像素子と同様にFDAタイプのものである。
本実施形態1の信号出力部Aは、水平CCD120から転送された電荷を蓄積し、電荷に対応して電位を保持し、その後リセット動作により、リセット電位になる動作を繰り返すフローティングデフュージョン(以下FD部という。)114と、水平CCD120からFD部114への電荷の転送を制御する水平出力トランジスタ125と、そのリセット動作を制御するリセットトランジスタ126と、FD部114の電荷の変位を信号に変換し増幅して出力する出力回路140とからなる。
この出力回路140は、従来の固体撮像素子における出力回路40と同一のもので、複数段(2〜3段)のソースフォロワ回路により構成されている。該出力回路140を構成する初段トランジスタ124は、基板110の表面のPウェル115に形成された不純物拡散領域(以下、活性化領域という。)124bと、該活性化領域124b上にゲート絶縁膜119を介して配置されたゲート電極124aとを有している。ここで、該活性化領域124bは、上記Pウェル115の表面にP型不純物の注入により得られた、初段トランジスタ124のしきい値を調整するための不純物注入領域116を含んでいる。
水平CCD120の不純物拡散領域120aの終端部には、水平CCDからFD部11への電荷の転送を制御する水平出力トランジスタ125が配置されている。該水平出力トランジスタ125は、上記水平CCDの不純物拡散領域(以下拡散領域という。)120aにつながった不純物拡散領域(以下拡散領域という。)125bと、該拡散領域125b上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極125aとを有している。また、FD部114に対して水平CCDと反対側には、上記リセットトランジスタ126が配置されている。該リセットトランジスタ126は、FD部114を構成する不純物拡散領域(以下拡散領域という。)117につながった不純物拡散領域(以下拡散領域という。)126bと、該拡散領域126b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極126aとを有している。なお、本実施形態1の固体撮像素子における該水平出力トランジスタ125とリセットトランジスタ126とは、従来の固体撮像素子におけるものと同一のものである。
そして、本実施形態1のCCD型の固体撮像素子では、出力初段トランジスタ124のゲート電極124aは、その一部が、FD部114の拡散領域117に、該拡散領域117上に形成されたゲート酸化膜118の開口103を介して接触するよう配置されている。つまり、該ゲート電極124aのFD部114の拡散領域117上に位置する部分124a1は、該拡散領域117上の、ゲート絶縁膜118に開口103が形成された部分で、該開口103内に露出する拡散領域117に接触している。これにより、水平CCD部から転送された電荷を蓄積し、該電荷の蓄積量に応じた電位を保持するFD部114と、該FD部114の保持する電位を増幅して電圧信号を出力する出力回路140の初段トランジスタのゲート電極とが電気的に接続されている。
また、ゲート電極124aの、FD部114の拡散領域117上に位置する部分124a1は、該ゲート絶縁膜118の開口103の平面形状を含む、より大きな平面形状を有している。
次に動作について、図7及び図1を参照して簡単に説明する。
このような構成のCCD型の固体撮像素子では、光電変換素子1で発生した電荷は、垂直CCDにより水平CCD120に転送され、該水平CCD120に転送された電荷は、さらに該水平CCD120により水平出力トランジスタ125を介してFD部114に転送され、該FD部114に蓄積される。すると、FD部114は蓄積した電荷に対応する電位を保持し、この電位が出力回路140で増幅されて出力される。電圧信号に変換された電荷は、リセットトランジスタ126によりFD部114から排出される。
次に、本実施形態1の固体撮像素子の製造方法について、図1〜図5を参照して説明する。図2(a)〜図4(a)はそれぞれ、固体撮像素子の製造方法における特定の段階での上記信号出力部の状態を示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線断面図、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線断面図、図4(b)は図4(a)のIV−IV線断面図である。これらの図2〜図5において、図1と同一符号は同一のものを示す。
図4(b)に示すように、シリコン基板110上に、Pウェル領域115、フィールド酸化膜112及び熱酸化膜111を形成する。該フィールド酸化膜112は、LOCOS法によって形成された熱酸化膜、若しくはSTI法(Shallow Trench Isolation)を用いて形成された、CVD二酸化酸化膜(SiO2膜)でもよい。また、ここで、熱酸化膜111は100〜1000オングストローム程度の厚さに形成され、Pウェル領域115は、一般的にイオン種にはボロンを使用したP型注入により形成される。また、出力回路140の初段トランジスタの活性領域(拡散領域)124bとなる部分と、フローティングデフュージョン部(FD部)114となる部分とは、図4(a)に示すように、フィールド酸化膜112により分離されている。また、図4(a)には、水平CCDの活性領域(拡散領域)120aとなる部分、水平転送トランジスタの活性領域(拡散領域)131bとなる部分、リセットトランジスタの活性領域(拡散領域)132bとなる部分が示されている。
次に、図3(b)に示すように、初段トランジスタの活性領域124bとなる部分に該初段トランジスタの閾値を調整するための浅いP型注入を行って、チャネル注入領域116を形成する。ただし、このP型注入は必ずしも行う必要はない。また、水平CCD120の活性領域120aとなる部分、水平転送トランジスタの活性領域131bとなる部分、FD部114の活性領域117となる部分、及びリセットトランジスタの活性領域132bとなる部分に、N型不純物を拡散して、これらの活性領域を形成する。このとき、画素部では、垂直CCDの活性領域も形成される。
その後、ONO膜等からなる第1ゲート絶縁膜118及び第1ゲート電極の形成を行い、垂直CCD及び水平CCDを構成する第1ゲートトランジスタの構造を形成する。このとき、図5(a)に示すように、画素部10(図7参照)側では、Pウェル115上に第1ゲート絶縁膜118及び第1ゲート(1Gate)G1が形成され、出力回路114側では、第1ゲート絶縁膜のみ形成される。なお、該第1ゲート絶縁膜118は、下層の酸化膜118a上に窒化膜118bを介して上層の酸化膜118cを積層してなるものである。また、第1ゲート電極には、ポリシリコン(PolySi)膜を使用する。その後、図5(b)に示すように、画素部側で、熱酸化による酸化膜108aの形成、およびシリコン窒化膜(SiN膜)108bの形成を行う。この工程により、画素部では、第1ゲート電極G1は、後ほどその上層に配置される第2ゲート電極(2Gate)G2と完全に絶縁されることとなる。
さらに、出力初段トランジスタの活性領域124bとなる部分(出力回路140側)で、第1ゲート絶縁膜として形成したONO膜118を削除し、チャネル注入領域116上に第2ゲート酸化膜119を形成する(図5(c)参照)。
その後、FD部114のONO膜118に開口部103(図4(b)参照)を形成する。この開口部103は、第2ゲート電極、つまり出力初段トランジスタ124のゲート電極124aと、FD部の拡散領域117とを電気的に接続させるためのコンタクト部となる。この開口部の形成方法は、公知のフォトレジストマスク121を用いたエッチング法を用いれば良い。つまり、FD部114の拡散領域117上に開口121aを有するフォトレジストマスク121を形成し、上記ONO膜118を選択的にエッチングして、該ONO膜の、上記拡散領域117上の部分に開口103を形成する。
なお、図3(a)は、チャネル注入領域116上に第2ゲート酸化膜119を形成した後、全面に、FD部114の拡散領域117上に開口121aを有するフォトレジストマスク121を形成した状態を示している。
次に、フォトレジストマスク121を除去した後、図4(b)に示すように、全面に上記第2ゲート電極となるポリシリコン膜(PolySi膜)122を形成する。このPolySi膜122には、N型不純物を1E20〜1E21(atms/cm−3)含んでいるものを使用する。このN型不純物は一般的に燐(P31)を使用し、該不純物の注入は、PolySi堆積中にガスに添加する方法や、PolySi膜の形成後に、注入及び熱拡散を行ってドーピングする方法を使用すればよい。そして、ドライエッチ法によるPolySi膜122のパターン形成を行うためのフォトレジストマスク123を形状する。
なお、図4(a)は、全面に形成した第2ゲート電極となるポリシリコン膜(PolySi膜)122上に、パターン形成用のフォトレジストマスク123a、123b、123cを形成した状態を示している。フォトレジストマスク123aは、出力初段トランジスタのゲート電極のパターンに対応するもの、フォトレジストマスク123bは、水平転送トランジスタのゲート電極のパターンに対応するもの、フォトレジストマスク123cは、リセットトランジスタのゲート電極のパターンに対応するものである。
そして、これらのフォトレジストマスクを用いて、ドライエッチング法により上記ポリシリコン膜(PolySi膜)122をパターニングする。このとき、出力回路140側では、図1(a),図1(b),図5(c)に示すように、第2ゲート電極である出力初段トランジスタ124のゲート電極124aが形成され、FD部では、図1(a),図1(b)に示すように、水平出力トランジスタ125のゲート電極125a、およびリセットトランジスタ126のゲート電極126aが形成され、画素部10側では、図5(c)に示すように、窒化膜108b上に第2ゲート電極(2Gate)G2が形成される。
この時、出力初段トランジスタ124のゲート電極124aは、その一部が、上記FD部144上に配置されたゲート絶縁膜開口部103を介して、FD部114の拡散領域117と接触したものとなり、該ゲート電極124aとFD部114の拡散領域117が電気的に接続されたものとなる。
また、ゲート電極124aの、FD部114の拡散領域117上に位置する部分124a1は、その平面形状を、該ゲート絶縁膜118の開口103の平面形状を含むよう、この平面形状より大きな平面形状としている。このため、ゲート電極形成時のPolySi膜のエッチングにより、FD部のSi基板表面の拡散領域をエッチングすることなく、第2ゲート電極として、上記各トランジスタ124、125、126のゲート電極を形成することが可能となる。
その後、800℃を越える高温アニール処理を行い、第2ゲート電極である出力初段トランジスタ124のゲート電極124aから、FD114部の拡散領域117への熱処理によるN型不純物拡散を行い、第2ゲート電極とFD部を電気的に接続する。
その後、全面に絶縁膜(図示せず)を形成し、該絶縁膜上に遮蔽膜を配置し、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)膜等からなる絶縁膜を形成し、リフロー処理を行う。さらにこの後、透明樹脂等からなる平坦化膜を形成し、この上にカラーフィルターを形成し、平坦化膜を介してマイクロレンズを形成する。これにより固体撮像素子を完成させる。
このように本実施形態1では、フローティングディフージョン部(FD部)114の蓄積電荷に応じた信号を出力する出力回路140のトランジスタ124のゲート電極124aを、その一部が該FD部114を構成する不純物拡散領域117に接触するように配置しているので、出力回路のトランジスタのゲート電極124aと、FD部の不純物拡散領域117とをコンタクトホールを介して接続する配線の形成工程をなくすことができる。従って、FD部と出力初段トランジスタのゲート電極の接続方法にコンタクトホールを形成する場合に比べて、シリコン基板へのダメージを減らすことができ、これにより素子の信頼性を向上させることができる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極124aとFD部114との接続に金属配線を使用しないため、金属配線材料の構成物質が画素部へ拡散するといった画素部への影響がなく、これにより画質劣化を回避できる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極124aとFD部114との接続に金属プラグを用いた場合のような、画素部の基板と集光レンズとの間の距離の増大はなく、集光効率の低下による画素特性の劣化が生ずることもない。
さらに、前記ゲート電極124aはポリシリコン配線材により構成されているので、FD部を構成する拡散領域117には、ゲート電極の構成材料であるポリシリコンから不純物がオートドープされることとなる。このため、ゲート電極124aとFD部の拡散領域117との接触抵抗を低減するための高濃度拡散領域を形成した場合の寄生容量の増大を抑えつつ、接触抵抗を低減することができる。これにより、FD部の蓄積電荷を電圧信号に変換する変換率の低下を回避することができる。この結果、変換率の低下および画質劣化のない固体撮像素子を提供することができる。
さらにまた、ゲート電極124aの、FD部114の拡散領域117上に位置する部分124a1は、その平面形状を、該ゲート絶縁膜118の開口103の平面形状を含むよう、この平面形状より大きな平面形状としているので、ゲート電極形成時のPolySi膜のエッチングにより、FD部のSi基板表面の拡散領域がエッチングされるのを回避することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2によるCMOS型の固体撮像素子を説明する概略的な平面図であり、光電変換素子および該光電変換素子からの電荷を信号電圧に変換する信号出力部を示している。
この実施形態2のCMOS型の固体撮像素子においても、実施形態1のCCD型の固体撮像素子と同様に、受光面に光電変換素子としてのフォトダイオードが縦横に配置されているが、図6では、そのようなフォトダイオードの隣接する2つのみを示している。
このCMOS型の固体撮像素子では、フォトダイオード101aで発生した電荷を電圧信号に変換して出力する信号出力部B1は、従来のCMOS型の固体撮像素子と同様、隣接する2つのフォトダイオード101aで共有されている。また、該信号出力部B1は、図9に示す従来のものと同様、FD部160と、転送トランジスタ161、リセットトランジスタ162、及び出力回路170からなる。ここで、FD部160、転送トランジスタ161、及びリセットトランジスタ162は、それぞれ、従来の固体撮像素子におけるFD部60、転送トランジスタ61、及びリセットトランジスタ62と同一のものである。つまり、転送トランジスタ161は、フォトダイオード101aとFD部160の拡散領域160aとの間に位置する不純物拡散領域161bと、該不純物拡散領域161a上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極161aとを有している。また、上記リセットトランジスタ162は、FD部160の拡散領域160aとリセットドレイン部163との間に位置する不純物拡散領域162bと、該不純物拡散領域162b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極162aとを有している。
また、この実施形態2では、上記出力回路170を構成する出力初段トランジスタ171は、基板上に形成された不純物拡散領域171bと、該不純物拡散領域171b上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されたゲート電極171aとを有している。
そして、この実施形態2では、出力初段トランジスタ171のゲート電極171aは、その一部が、FD部160の拡散領域160aに、該拡散領域160aに形成されたゲート酸化膜のコンタクト開口部164を介して接触するよう配置されている。つまり、該ゲート電極172aのFD部160の拡散領域160a上に位置する部分171a1は、該拡散領域160a上の、ゲート絶縁膜にコンタクト開口部164が形成された部分で、該開口部164内に露出する拡散領域160aに接触している。これにより、水平CCD部から転送された電荷を蓄積し、該電荷の蓄積量に応じた電位を保持するFD部160と、該FD部160の保持する電位を増幅して電圧信号を出力する出力回路170の初段トランジスタのゲート電極171aとが電気的に接続されている。
また、上記CMOS型の固体撮像素子では、前記ゲート電極材料にポリシリコン配線材が用いられる。
また、上記CMOS型の固体撮像素子では、上記ゲート電極171aの、FD部160の拡散領域160a上に位置する部分171a1は、その平面形状を、該ゲート絶縁膜の開口164の平面形状を含むよう、この平面形状より大きな平面形状としている。
このような構成のCMOS型の固体撮像素子では、フォトダイオード部101aで発生した電荷は、転送トランジスタ161を介してFD部160に蓄積され、FD部160は該蓄積された電荷に応じた信号を発生する。すると、初段トランジスタ171を含む出力回路170では該電圧信号を増幅して出力する。なお電圧信号に変換された電荷は、リセットトランジスタ162を介してリセットドレイン163に排出される。
また、このCMOS型の固体撮像素子の製造方法では、上記出力初段トランジスタのゲート電極171aと、FD部160の拡散領域160aとの接続構造は以下の工程により形成される。
つまり、半導体基板上に、信号電荷を蓄積するFD部160となる不純物拡散領域160aを形成する。次に、該不純物拡散領域160a上に形成されたゲート絶縁膜に、該不純物拡散領域の一部が露出するようコンタクト開口部164を形成する。続いて、全面にゲート電極材料を堆積させ、該堆積したゲート電極材料をパターニングすることにより、出力初段トランジスタ171のゲート電極171aを形成する。これにより、出力初段トランジスタ171のゲート電極171aは、その一部が、ゲート絶縁膜の開口を介して、該FD部となる不純物拡散領域に接触するように配置されたものとなっている。
また、上記CMOS型の固体撮像素子の製造方法では、ゲート電極171aを形成した後、800℃を越える熱処理が行われる。該熱処理により前記ゲート電極材内の不純物が、該FD部となる不純物拡散領域160aに拡散して、該不純物拡散領域160aの該ゲート電極171aとの接続部分の抵抗が低減する。
さらに、上記CMOS型の固体撮像素子の製造方法では、ゲート電極171aを形成した後、該ゲート電極を覆う絶縁膜が形成される。該ゲート電極を覆う絶縁膜には、SiO2材料を使用し、該絶縁膜の形成は、熱酸化法もしくはCVD法により行われる。
このような本実施形態2では、実施形態1と同様に、FD部160と出力初段トランジスタ171のゲート電極171aとの接続方法にコンタクトホールを形成する場合に比べて、シリコン基板へのダメージを減らすことができ、これにより素子の信頼性を向上させることができる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極171aとFD部160との接続に金属配線を使用しないため、金属配線材料の構成物質が画素部へ拡散するといった画素部への影響がなく、これにより画質劣化を回避できる。
また、出力回路のトランジスタのゲート電極171aとFD部160との接続に金属プラグを用いた場合のような、画素部の基板と集光レンズとの間の距離の増大はなく、集光効率の低下による画素特性の劣化が生ずることもない。
さらに、前記ゲート電極171aはポリシリコン配線材により構成されているので、FD部を構成する拡散領域160aには、ゲート電極の構成材料であるポリシリコンから不純物がオートドープされることとなる。このため、ゲート電極171aとFD部の拡散領域160aとの接触抵抗を低減するための高濃度拡散領域を形成した場合の寄生容量の増大を抑えつつ、接触抵抗を低減することができる。これにより、FD部の蓄積電荷を電圧信号に変換する変換率の低下を回避することができる。この結果、変換率の低下および画質劣化のない固体撮像素子を提供することができる。
さらにまた、ゲート電極171aの、FD部160の拡散領域160a上に位置する部分171a1は、その平面形状を、該ゲート絶縁膜の開口164の平面形状を含むよう、この平面形状より大きな平面形状としたものであるので、ゲート電極形成時のPolySi膜のエッチングにより、FD部のSi基板表面の拡散領域がエッチングされるのを回避することができる。
なお、上記実施形態1〜2では、特に説明しなかったが、上記実施形態1〜2の固体撮像素子の少なくともいずれかを撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの画像入力デバイスを有した電子情報機器について説明する。
本発明の電子情報機器は、本発明の上記実施形態1〜2の固体撮像素子の少なくともいずれかを撮像部に用いて得た高品位な画像データを記録用に所定の信号処理した後にデータ記録する記録メディアなどのメモリ部と、この画像データを表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示する液晶表示装置などの表示手段と、この画像データを通信用に所定の信号処理をした後に通信処理する送受信装置などの通信手段と、この画像データを印刷(印字)して出力(プリントアウト)する画像出力手段とのうちの少なくともいずれかを有している。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。