JP2008261794A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】MTI処理による追尾目標の探知においてブラインド速度領域にある探知困難な移動目標が存在した場合にも、初探知を含め探知・追尾を容易に行えるようにする。
【解決手段】目標の探知を探索走査時にはビデオ積分処理系行い、また追尾走査時にはMTI処理系で行うようにし、処理系のビデオ信号にプロット生成処理、目標の予想位置、速度の算出を行い、目標情報作成・管理部により、速度が閾値を超えた目標を追尾の対象目標として抽出して目標情報を作成すると共に、ブラインド速度領域に入る速度を持つ対象目標を抽出し、追尾PRF算出部により当該対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度の値を追尾ビームの送信PRFとして算出して励振受信部に与える。
【選択図】図1
【解決手段】目標の探知を探索走査時にはビデオ積分処理系行い、また追尾走査時にはMTI処理系で行うようにし、処理系のビデオ信号にプロット生成処理、目標の予想位置、速度の算出を行い、目標情報作成・管理部により、速度が閾値を超えた目標を追尾の対象目標として抽出して目標情報を作成すると共に、ブラインド速度領域に入る速度を持つ対象目標を抽出し、追尾PRF算出部により当該対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度の値を追尾ビームの送信PRFとして算出して励振受信部に与える。
【選択図】図1
Description
この発明は、電波を用いて目標を探知、追尾或いは標定するレーダ装置に関するものである。
レーダ装置で目標を探知しようとする場合、目標の位置やレーダ装置周辺の地形によっては、本来探知したい航空機等の目標反射波以外にクラッタと呼ばれる不要反射波や固定物からの反射波が入力される。このような場合、クラッタからの反射波は、探知したい目標からの反射波に比べ数十[dB]高いこともあり、反射波の受信レベルから、探知したい目標とクラッタ、固定目標を判別することは困難である。そこで、一般に移動目標を探知・追尾するレーダ装置では、固定目標およびクラッタを抑圧し、移動目標のみを有効に検出するMTI(Moving Target Indicator;移動目標表示装置)処理機能を備えている。このMTI処理の原理は、対象とする目標が移動する際の反射波のドップラ効果を利用し、ドップラ周波数を持たないクラッタあるいは固定目標からの反射波を抑圧、消去し、移動目標からの反射波のみを抽出するものである。しかしながら、一般的に使用されるコヒーレントMTI処理は、ドップラ周波数を持たないクラッタあるいは固定目標からの反射波のみならず、送信波のPRF(Pulse Repetition Frequency;パルス繰り返し周波数)の整数倍となるドップラ周波数を持つ移動目標の反射波も抑圧、消去してしまうという特性がある。したがって、MTI処理を用いても、本来探知したい航空機等の目標の速度が送信波のPRFの整数倍となるドップラ周波数を生じる値(このときの目標の速度をブラインド速度という。)となった場合には、その移動目標については探知できなくなる。かかる問題を解決するためには、移動目標からの反射波のドップラ周波数が送信波のPRFの整数倍にならないようにする方法を講じる必要が有る。そのためにレーダ装置の送信周波数あるいはPRF周波数を操作する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図7により従来のレーダ装置について説明する。図において、このレーダ装置は、複数の空中線21に対してそれぞれ同様な処理系を備えている。各系は、送・受信機22、信号処理装置23、追尾計算装置24、ビーム諸元算出装置25および送信周波数算出装置26から構成される。
複数の空中線21によって受信された信号は、それぞれの系において、送・受信機22により周波数変換、増幅され、受信ビデオ信号として各送信周波数に対応した信号処理装置23へ出力される。信号処理装置23では、入力された受信ビデオ信号から移動目標の位置情報を検出するとともに、クラッタを抑圧する処理を行う。追尾計算装置24では、検出された目標の位置情報等から移動目標の未来位置の予測や速度検出等を行って追尾諸元を生成し、これを目標毎に管理する。ビーム諸元算出装置25では、生成された追尾諸元を基に追尾目標に照射するビームのパラメータ(PRF)を算出する。ここで、ビーム諸元算出装置25から出力されるPRFは、各空中線21の系でお互いに電波干渉を生じないために、共通のPRFが選択される。次に、送信周波数算出装置26により、送信周波数をPRFの所定の割合になるように算出することで目標ドップラ周波数を任意の位置に移動させる。
この従来のレーダ装置の場合、ブラインド速度が送信周波数に依存することを利用して、複数の処理系の送信周波数装置26で同時に異なる送信周波数を算出し、それらの周波数で送・受信することにより、全空中線の系でブラインド速度を回避することができるという効果がある。
複数の空中線21によって受信された信号は、それぞれの系において、送・受信機22により周波数変換、増幅され、受信ビデオ信号として各送信周波数に対応した信号処理装置23へ出力される。信号処理装置23では、入力された受信ビデオ信号から移動目標の位置情報を検出するとともに、クラッタを抑圧する処理を行う。追尾計算装置24では、検出された目標の位置情報等から移動目標の未来位置の予測や速度検出等を行って追尾諸元を生成し、これを目標毎に管理する。ビーム諸元算出装置25では、生成された追尾諸元を基に追尾目標に照射するビームのパラメータ(PRF)を算出する。ここで、ビーム諸元算出装置25から出力されるPRFは、各空中線21の系でお互いに電波干渉を生じないために、共通のPRFが選択される。次に、送信周波数算出装置26により、送信周波数をPRFの所定の割合になるように算出することで目標ドップラ周波数を任意の位置に移動させる。
この従来のレーダ装置の場合、ブラインド速度が送信周波数に依存することを利用して、複数の処理系の送信周波数装置26で同時に異なる送信周波数を算出し、それらの周波数で送・受信することにより、全空中線の系でブラインド速度を回避することができるという効果がある。
従来のレーダ装置は、以上のように構成されているが、次のような問題がある。
目標がレーダ装置の探知覆域に進入する際に、目標の速度が既にMIT処理機能のブラインド速度もしくはその付近の速度を含む領域(以下、ブラインド速度領域とする)にあった場合、そもそも目標の初探知が不可能となり、追尾計算装置24での追尾諸元の算出、および追尾計算装置24で算出された追尾諸元を基にしたビーム諸元算出装置25でのパラメータ算出、および送信周波数算出装置26におけるブラインド速度が目標の速度とならないようにするための送信周波数算出が不可能となる。また、1つの空中線21の覆域に同時に異なる速度を持った複数の目標が進入した場合、空中線21によるレーダ覆域を全て走査している間に対象目標の位置毎に送信周波数を変更せねばならず、周波数制御が複雑となる。さらに、例えばPRFを変化させることにより目標の速度から外れるようにブラインド速度領域を移動させる場合においても、従来のレーダ装置においては、全覆域を走査中に、PRFを変化させる必要が有るため、レーダシステム動作上ビームタイミングマネジメントが複雑になり、装置規模の増大を招くことになる。
目標がレーダ装置の探知覆域に進入する際に、目標の速度が既にMIT処理機能のブラインド速度もしくはその付近の速度を含む領域(以下、ブラインド速度領域とする)にあった場合、そもそも目標の初探知が不可能となり、追尾計算装置24での追尾諸元の算出、および追尾計算装置24で算出された追尾諸元を基にしたビーム諸元算出装置25でのパラメータ算出、および送信周波数算出装置26におけるブラインド速度が目標の速度とならないようにするための送信周波数算出が不可能となる。また、1つの空中線21の覆域に同時に異なる速度を持った複数の目標が進入した場合、空中線21によるレーダ覆域を全て走査している間に対象目標の位置毎に送信周波数を変更せねばならず、周波数制御が複雑となる。さらに、例えばPRFを変化させることにより目標の速度から外れるようにブラインド速度領域を移動させる場合においても、従来のレーダ装置においては、全覆域を走査中に、PRFを変化させる必要が有るため、レーダシステム動作上ビームタイミングマネジメントが複雑になり、装置規模の増大を招くことになる。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、MTI処理による追尾目標の探知においてブラインド速度領域にある探知困難な移動目標が存在した場合にも、初探知を含め探知・追尾を容易に行えるようにするレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、送受信制御信号に応じてPRF信号を送信して探索走査と追尾走査を交互に行い、受信波から受信デジタルビデオ信号を作成する励振受信部と、受信デジタルビデオ信号に対してヒット積分、振幅算出、ドップラフィルタ処理、CFAR処理を順次行って移動目標のビデオ信号を生成するビデオ積分処理系と、受信デジタルビデオ信号に対してMTI処理、振幅算出、ドップラフィルタ処理、CFAR処理を順次行って移動目標のビデオ信号を生成するMTI積分処理系と、選択制御信号に応じて、探索走査時にはビデオ積分処理系のビデオ信号を選択し、また追尾走査時にはMTI処理系のビデオ信号を選択するビデオ選択部と、選択されたビデオ信号にプロット生成処理を行うプロット処理部と、生成されたプロットデータに基づいて目標の予想位置、速度を算出する追尾処理部と、算出された目標の速度が閾値を超えた場合に当該目標を追尾の対象目標として抽出し、抽出した対象目標の予想位置、速度を目標情報として作成し出力すると共に、MTI処理のブラインド速度領域に入る速度を持つ対象目標があった場合には当該対象目標の速度を出力する目標情報作成・管理部と、監視パラメータ制御情報に基づいて、目標情報作成・管理部で作成された目標情報に対する送受信ビームの諸元を算出して励振受信部に与えるビーム諸元算出部と、追尾制御情報が入力された際に、目標情報作成・管理部から入力された対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度の値を追尾ビームの送信PRFとして算出して励振受信部に与える追尾PRF算出部と、探索走査と追尾走査のスケジュールに基づいて、上記送受信制御信号、上記選択制御信号および上記追尾制御信号を出力し、また、目標情報作成・管理部で作成された目標情報に基づいて次の送受信ビームの上記監視パラメータ制御情報を生成して出力するシステム監視制御部とを備えたものである。
この発明によれば、目標がレーダ装置の探知覆域に進入する際にMIT処理でブラインド速度領域にある速度を持っていた場合でも確実に探知し追尾することが可能となる。また、サーチビームによるビーム走査中にPRFを切替える従来技術では、目標が多数ある場合に頻繁にPRFを切替える必要があるが、この発明によれば、同時に異なる速度を持った複数の目標が存在した場合においても、全ての目標に対して同時に探知し追尾できるので、ビーム走査が容易となり、レーダ装置の目標探知・追尾能力を向上させることが可能となる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、空中線部1は、空間に電波を放射し移動目標、クラッタ等からの反射波を受信する手段である。励振受信部2は、空中線部1へ送信信号を供給し、かつ空中線部1が受信した反射波の信号に対して周波数変換、A/D変換を行い受信デジタルビデオ信号を生成する手段である。ビデオ積分部31は、励振受信部2で生成された受信デジタルビデオ信号に対してヒット積分を行う手段である。MTI処理部41は、クラッタ、固定目標等からの反射波を抑圧、消去し、移動目標の反射波成分のみを抽出する手段である。振幅算出部32,42は、ビデオ積分部31あるいはMTI処理部41により処理された受信信号の振幅を算出する手段である。ドップラフィルタ選択部33,43は、振幅算出部32,42で算出された各振幅値に基づいてそれぞれの受信信号を処理するドップラフィルタを選択してフィルタ処理する手段である。CFAR部34,44は、上記ドップラフィルタを通過した各信号に対してそれぞれCFAR(Constant False Alarm Rate;一定誤警報率)処理を行う手段である。
上記ビデオ積分部31、振幅算出部32、ドップラフィルタ選択部33およびCFAR部34により、受信デジタルビデオ信号から移動目標のビデオ信号を生成するビデオ積分処理系3を構成する。また、MTI処理部41、振幅算出部42、ドップラフィルタ選択部43およびCFAR部44により、受信デジタルビデオ信号から移動目標のビデオ信号を生成するMTI積分処理系4を構成する。
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、空中線部1は、空間に電波を放射し移動目標、クラッタ等からの反射波を受信する手段である。励振受信部2は、空中線部1へ送信信号を供給し、かつ空中線部1が受信した反射波の信号に対して周波数変換、A/D変換を行い受信デジタルビデオ信号を生成する手段である。ビデオ積分部31は、励振受信部2で生成された受信デジタルビデオ信号に対してヒット積分を行う手段である。MTI処理部41は、クラッタ、固定目標等からの反射波を抑圧、消去し、移動目標の反射波成分のみを抽出する手段である。振幅算出部32,42は、ビデオ積分部31あるいはMTI処理部41により処理された受信信号の振幅を算出する手段である。ドップラフィルタ選択部33,43は、振幅算出部32,42で算出された各振幅値に基づいてそれぞれの受信信号を処理するドップラフィルタを選択してフィルタ処理する手段である。CFAR部34,44は、上記ドップラフィルタを通過した各信号に対してそれぞれCFAR(Constant False Alarm Rate;一定誤警報率)処理を行う手段である。
上記ビデオ積分部31、振幅算出部32、ドップラフィルタ選択部33およびCFAR部34により、受信デジタルビデオ信号から移動目標のビデオ信号を生成するビデオ積分処理系3を構成する。また、MTI処理部41、振幅算出部42、ドップラフィルタ選択部43およびCFAR部44により、受信デジタルビデオ信号から移動目標のビデオ信号を生成するMTI積分処理系4を構成する。
ビデオ選択部7は、システム監視制御部11から与えられる選択制御信号に応じて、探索走査時にはビデオ積分処理系3で生成されたビデオ信号を選択し、また追尾走査時にはMTI処理MTI処理系4で生成されたビデオ信号を選択する手段である。プロット処理部8は、ビデオ選択部7で選択されたビデオ信号にプロット生成処理を行う手段である。追尾処理部9は、プロット処理部8で生成されたプロットデータに基づいて目標の予想位置、速度を算出する手段である。目標情報作成・管理部10は、追尾処理部9で算出された目標の速度が閾値を超えた場合に当該目標を追尾の対象目標として抽出し、抽出した対象目標の予想位置、速度を目標情報として作成し出力すると共に、MTI処理のブラインド速度領域に入る速度を持つ対象目標があった場合には当該対象目標の速度を出力する手段である。ビーム諸元算出部12は、システム監視制御部11から与えられる監視パラメータ制御情報に基づいて目標情報作成・管理部からの目標情報に対する送受信ビームの諸元を算出する手段である。追尾PRF算出部13は、システム監視制御部11から追尾制御情報が入力された際に、目標情報作成・管理部11から入力された対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度の値を追尾ビームの送信PRFとして算出する手段である。
システム監視制御部11は、探索走査と追尾走査のスケジュールに基づいて、送受信制御信号、選択制御信号および追尾制御信号を出力し、また、目標情報作成・管理部10で作成された目標情報を表示すると共に、目標情報に基づいて次の送受信ビームの監視パラメータ制御情報(モード選択、監視目標数等)を生成して出力する手段である。そのため、システム監視制御部11においては、必要に応じて操作員がスイッチ、ボタン等を操作して、モード選択、監視パラメータ設定、追尾対象目標設定、追尾シンボル作成・修正、表示距離・位置変更等の入力を行うことができるようになっている。
ここで、全体の動作について説明する前に、ビデオ積分処理系3およびMTI積分処理系4の動作を説明する。
まず、ビデオ積分処理系3において、励振受信部2から受信デジタルビデオ信号が与えられると、ビデオ積分部31でその信号をヒット積分する。周知のことであるが、ここでいうヒット積分とは、受信デジタルビデオ信号を、複数ヒットの相関処理を行い積分処理することである。これにより、同一距離にある目標について、その振幅をヒット数倍にして拡大することができる。ここで、ヒットとは送信パルスが目標にあたること、ヒット数とは1回のスキャン(ビーム走査)で目標にあたる送信パルスの数のことである。次に、振幅算出部32では、ビデオ積分部31で得られた積分値から受信信号の振幅を算出する。ドップラフィルタ選択部33では、振幅算出部32で算出された振幅値に基づいてドップラフィルタを選択し、そのフィルタを用いて受信デジタルビデオ信号をフィルタ処理してCFAR部34へ与える。CFAR部34では、ドップラフィルタを通過した信号に対してCFAR処理を行う。具体的には、受信デジタルビデオ信号からその低周波成分を取り出し、取り出した低周波成分を元のビデオ信号から減ずる処理を行う。一般にビデオ信号には、相対的に低レベルで、かついずれの受信時刻でも現れる成分(例えばクラッタ)と、相対的に高レベルでごく短時間に亘って現れる成分(例えば物標信号)とが含まれているので、CFAR処理の実行によって、誤警報確率、すなわち物標でないものを物標としたり、物標であるものを物標でないとしたりする誤りの確率を、ある一定水準以下に抑圧することで移動目標のみのビデオ信号を生成する。このCFAR処理されたビデオ信号はビデオ選択部7に与えられる。上記ビデオ積分処理系3の処理においては、ヒット積分を行っているため、MTI処理におけるブラインド速度領域にある移動目標についても検出することができる。
まず、ビデオ積分処理系3において、励振受信部2から受信デジタルビデオ信号が与えられると、ビデオ積分部31でその信号をヒット積分する。周知のことであるが、ここでいうヒット積分とは、受信デジタルビデオ信号を、複数ヒットの相関処理を行い積分処理することである。これにより、同一距離にある目標について、その振幅をヒット数倍にして拡大することができる。ここで、ヒットとは送信パルスが目標にあたること、ヒット数とは1回のスキャン(ビーム走査)で目標にあたる送信パルスの数のことである。次に、振幅算出部32では、ビデオ積分部31で得られた積分値から受信信号の振幅を算出する。ドップラフィルタ選択部33では、振幅算出部32で算出された振幅値に基づいてドップラフィルタを選択し、そのフィルタを用いて受信デジタルビデオ信号をフィルタ処理してCFAR部34へ与える。CFAR部34では、ドップラフィルタを通過した信号に対してCFAR処理を行う。具体的には、受信デジタルビデオ信号からその低周波成分を取り出し、取り出した低周波成分を元のビデオ信号から減ずる処理を行う。一般にビデオ信号には、相対的に低レベルで、かついずれの受信時刻でも現れる成分(例えばクラッタ)と、相対的に高レベルでごく短時間に亘って現れる成分(例えば物標信号)とが含まれているので、CFAR処理の実行によって、誤警報確率、すなわち物標でないものを物標としたり、物標であるものを物標でないとしたりする誤りの確率を、ある一定水準以下に抑圧することで移動目標のみのビデオ信号を生成する。このCFAR処理されたビデオ信号はビデオ選択部7に与えられる。上記ビデオ積分処理系3の処理においては、ヒット積分を行っているため、MTI処理におけるブラインド速度領域にある移動目標についても検出することができる。
一方、MTI処理系4においては、MTI処理部41は、励振受信部2から与えられた受信デジタルビデオ信号から、クラッタ、固定目標等からの反射波成分を抑圧、消去し、移動目標からの反射波成分のみを抽出する。MTI処理部41で得られた移動目標の反射波成分に対しては、振幅算出部42、ドップラフィルタ選択部43、CFAR部44により、ビデオ積分処理系3と同様な目標検出処理が行われ、得られたビデオ信号はビデオ選択部7に与えられる。ここで、MTI処理部41においては、前述したようにレーダのPRFによるブラインド速度領域が生じ、ブラインド速度領域に入った移動目標のビデオ信号は、消去されるか、あるいは完全に消去されない場合でも、MTIのフィルタ形状損失により、ビデオ積分部31におけるヒット積分処理に比べて信号レベルが極めて低下する。したがって、MTI処理におけるブラインド速度領域にある移動目標については検知困難となる。
図2はこの発明で適用するビーム走査のスケジュールの例を示す説明図である。
図2に示すようにサーチ(探索)ビームとトラッキング(追尾)ビームを1セットして、複数回繰り返して送信する。サーチビームにより全範囲を走査する場合(1)は、ビデオ積分処理系3のビデオ信号をプロット処理部8に出力し、次のトラッキングビームによりスポット的に走査する場合(2)は、MTI処理系4のビデオ信号をプロット処理部8に出力するようにビデオ選択部7の切替を制御する。走査時間は予め分かっているので、そのビーム走査時間に従ってビデオ選択部7が切替わるようにシステム監視制御部11により自動的に制御する。なお、(2)の場合のスポット走査の時間は走査時間にポイント数を乗じることで算出できる。一方、目標情報作成・管理部10から通知される目標情報が表示部に表示されるので、操作者がその内容を監視しながら(1)の走査の途中で手動入力により強制的に(2)の走査を行うようにすることで、その入力内容に従ってビデオ選択部7を切換えるようにすることもできる。
図2に示すようにサーチ(探索)ビームとトラッキング(追尾)ビームを1セットして、複数回繰り返して送信する。サーチビームにより全範囲を走査する場合(1)は、ビデオ積分処理系3のビデオ信号をプロット処理部8に出力し、次のトラッキングビームによりスポット的に走査する場合(2)は、MTI処理系4のビデオ信号をプロット処理部8に出力するようにビデオ選択部7の切替を制御する。走査時間は予め分かっているので、そのビーム走査時間に従ってビデオ選択部7が切替わるようにシステム監視制御部11により自動的に制御する。なお、(2)の場合のスポット走査の時間は走査時間にポイント数を乗じることで算出できる。一方、目標情報作成・管理部10から通知される目標情報が表示部に表示されるので、操作者がその内容を監視しながら(1)の走査の途中で手動入力により強制的に(2)の走査を行うようにすることで、その入力内容に従ってビデオ選択部7を切換えるようにすることもできる。
次に、全体の動作について図3のフローチャートに従って説明する。
まず、システム監視制御部11から、図2に示したようなサーチビーム(1)による走査を行うための送受信制御信号が与えられると、励振受信部2は、PRFの送信信号を発生して空中線部1に供給し、電波として空間に向けて発射する(ステップST1)。この電波は移動目標、クラッタ等で反射されると、戻って来る。空中線部1では、その反射電波を受信すると励振受信部2に与える。励振受信部2では、空中線部1で受信した反射電波を周波数変換してビデオ信号を得、さらにA/D変換を行って受信デジタルビデオ信号を生成する(ステップST2)。この受信デジタルビデオ信号は、ビデオ積分処理系3およびMTI処理系4の両方に与えられる。
まず、システム監視制御部11から、図2に示したようなサーチビーム(1)による走査を行うための送受信制御信号が与えられると、励振受信部2は、PRFの送信信号を発生して空中線部1に供給し、電波として空間に向けて発射する(ステップST1)。この電波は移動目標、クラッタ等で反射されると、戻って来る。空中線部1では、その反射電波を受信すると励振受信部2に与える。励振受信部2では、空中線部1で受信した反射電波を周波数変換してビデオ信号を得、さらにA/D変換を行って受信デジタルビデオ信号を生成する(ステップST2)。この受信デジタルビデオ信号は、ビデオ積分処理系3およびMTI処理系4の両方に与えられる。
ビデオ積分処理系3とMTI処理系4においては、上述した処理を行い、それぞれのビデオ信号が生成される。ビデオ選択部7には、サーチビーム(1)の走査期間に同期した選択制御信号がシステム監視制御部11から与えられており、ビデオ積分処理系3のビデオ信号の方を選択してプロット処理部8へ出力する(ステップST3)。プロット処理部8では、ビデオ選択部7で選択されたビデオ信号に対してプロット生成処理を行い、目標の動きを抽出してプロットデータにする(ステップST4)。追尾処理部9では、生成されたプロットデータ(目標候補の航跡)に対して追尾処理を行い、目標の予想位置、速度を算出して目標情報作成・管理部10へ出力する(ステップST5)。
目標情報作成・管理部10では、追尾処理部9で得られた目標の速度を閾値と比較する。この場合、目標候補となるものがターゲットとする移動体であるかを速度閾値を用いて判別している。したがって、上記閾値を超える速度を持つ目的があった場合には、それを追尾の対象目標として抽出し、抽出した対象目標の予想位置、速度を目標情報として作成してシステム監視制御部11およびビーム諸元算出部12に出力する。ここで、目標情報作成・管理部10で抽出された対象目標の中には、MIT処理のブラインド速度領域にある目標が含まれる可能性がある。そのため、さらに目標情報作成・管理部10では、作成した目標情報にある対象目標の速度がブラインド速度領域に入るか否かを調べる。対象目標の速度がブラインド速度領域に入る場合には、当該対象目標の速度を追尾PRF算出部13に出力する(ステップST6)。
システム監視制御部11では、目標情報作成・管理部10から目標情報が与えられると、目標情報に関して表示信号を生成して表示部(図示せず)により表示する。また、システム監視制御部11では、次の追尾走査に向けて、目標情報に基づいて監視目標数を決め、それらの監視目標の予想位置に対して照射するビーム形状のモード選択を行い、監視パラメータ制御情報にして追尾走査に移るタイミングでビーム諸元算出部12へ出力する。また、システム監視制御部11は、追尾走査に移るための追尾制御情報を追尾PRF算出部13へ出力する(ステップST7)。
ビーム諸元算出部12では、システム監視制御部11から監視パラメータ制御情報(モード選択、監視目標数等)が与えられると、目標情報作成・管理部10から受信した目標情報にある対象目標に対する送受信ビーム諸元を算出して励振受信部2に与える(ステップST8)。追尾PRF算出部13では、システム監視制御部11からの追尾制御情報が与えられると、目標情報作成・管理部10から入力された対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度(例えば40%とか50%)の値を追尾ビームの送信PRFとして算出する。算出された追尾ビームの送信PRFは励振受信部2に与えられる(ステップST9)。励振受信部2では、追尾走査において、新たに算出された送信PRFによる電波を発生して送信し、また、その反射波を受信できるように受信電波周波数の選択を実施することになる。
なお、目標情報作成・管理部10において、ブラインド速度領域にある対象目標が存在していなかった場合には速度情報が与えられないので、追尾PRF算出部13は追尾制御情報が与えられた場合、そのまま従前の送信PRFの値を励振受信部2に通知することになる。これは、追尾走査時におけるステップST16においても同様である。
なお、目標情報作成・管理部10において、ブラインド速度領域にある対象目標が存在していなかった場合には速度情報が与えられないので、追尾PRF算出部13は追尾制御情報が与えられた場合、そのまま従前の送信PRFの値を励振受信部2に通知することになる。これは、追尾走査時におけるステップST16においても同様である。
システム監視制御部11から、追尾走査のための送受信制御信号が励振受信部2に与えられると、図2のトラッキングビーム(2)による走査が行われ(ステップST11)、探索走査時の処理と同様にステップST12〜ST19の処理が行われる。この場合、ビデオ選択部7ではMTI処理系4のビデオ信号を選択されるが、上述した探索走査の処理においてMTI処理のブラインド速度領域に目標があった場合には送信PRFを変更してブラインド速度領域から脱出してMTIのフィルタ形状損失を最小化するようにしているので、探知可能となり、実際に存在する移動目標を正確に追尾することができるようになる。また、送信PRFを変更したことで、MTI処理で探知できない目標が新たに出現したとしても、探索走査と追尾走査を繰り返すことで探知できるようになる。
以上のように、この実施の形態1によれば、探索走査と追尾走査を交互に行い、探索走査時おける目標の探知処理をビデオ積分処理系3により行い、追尾走査時における追尾目標の探知処理をMTI処理系4により行うようにし、目標情報作成・管理部10において、特にビデオ積分処理系3で探知されたデータから移動する対象目標を抽出し、かつ抽出した対象目標の中にMTI処理のブラインド速度領域に入る速度を持つ目標の存在を調べ、存在する目標があった場合には、追尾PRF算出部13によりブラインド速度領域から外れるように送信PRFを算出し、算出された送信PRFにて追尾走査のトラッキングビームを発射するようにしている。したがって、目標がレーダ装置の探知覆域に進入する際にMIT処理でブラインド速度領域にある速度を持っていた場合でも確実に探知し追尾することが可能となる。また、サーチビームによるビーム走査中にPRFを切替える従来技術では、目標が多数ある場合に頻繁にPRFを切替える必要があるが、この発明では、同時に異なる速度を持った複数の目標が存在した場合においても、全ての目標に対して同時に探知し追尾できるので、ビーム走査が容易となり、レーダ装置の目標探知・追尾能力を向上させることが可能となる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態2は、実施の形態1の追尾PRF算出部13の代わりに追尾ビーム用周波数算出部15を設けた構成を持つ。
追尾ビーム用周波数算出部15は、システム監視制御部11からの追尾制御情報が入力された際に、ブラインド速度領域から、目標情報作成・管理部10から入力された対象目標の速度を離隔する送信電波の波長を算出し、算出した波長から追尾ビームの送信PRFを算出して励振受信部2に与える手段である。
図4は、この発明の実施の形態2によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態2は、実施の形態1の追尾PRF算出部13の代わりに追尾ビーム用周波数算出部15を設けた構成を持つ。
追尾ビーム用周波数算出部15は、システム監視制御部11からの追尾制御情報が入力された際に、ブラインド速度領域から、目標情報作成・管理部10から入力された対象目標の速度を離隔する送信電波の波長を算出し、算出した波長から追尾ビームの送信PRFを算出して励振受信部2に与える手段である。
移動目標のブラインド速度Vb は(1)式で示されることが知られている。
ここで、fr はレーダ装置のパルス繰り返し周波数、λはレーダ装置の送信電波の波長、nは0,1,2,…のような整数である。
(1)式から、ブラインド速度Vb を目標の移動速度から離隔するためには、実施の形態1の追尾PRF算出部13によるように、追尾ビームの送信PRFを目標の移動速度のドップラ周波数の半分程度の値にするか、あるいは送信電波の波長を変化させればよいことが分かる。そこで、この実施の形態2では、追尾ビーム用周波数算出部15において、ブラインド速度領域から、目標情報作成・管理部10で得られた現在ブラインド速度領域にある対象目標の速度を離隔するように送信電波の波長を算出する。そして、算出した波長から次に使用する送信PRFを算出する。算出された送信PRFは励振受信部2に出力される。励振受信部2では、追尾走査において、新たに算出された送信PRFによる電波を発生して送信し、また、その反射波を受信できるように受信電波周波数の選択を実施することになる。
(1)式から、ブラインド速度Vb を目標の移動速度から離隔するためには、実施の形態1の追尾PRF算出部13によるように、追尾ビームの送信PRFを目標の移動速度のドップラ周波数の半分程度の値にするか、あるいは送信電波の波長を変化させればよいことが分かる。そこで、この実施の形態2では、追尾ビーム用周波数算出部15において、ブラインド速度領域から、目標情報作成・管理部10で得られた現在ブラインド速度領域にある対象目標の速度を離隔するように送信電波の波長を算出する。そして、算出した波長から次に使用する送信PRFを算出する。算出された送信PRFは励振受信部2に出力される。励振受信部2では、追尾走査において、新たに算出された送信PRFによる電波を発生して送信し、また、その反射波を受信できるように受信電波周波数の選択を実施することになる。
以上のように、この実施の形態2によれば、ビデオ積分処理系3において探知された移動目標に対して、追尾ビーム用周波数算出部14がMTI処理系4で算出した周波数に基づいて追尾用トラッキングビームを発射するようにしたので、実施の形態1と同様に、クラッタエリアでもブラインド速度領域を避け目標を検出することが可能となり、レーダ装置の目標探知・追尾能力がさらに向上する。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態3は、実施の形態1の構成に対して、新たに優先目標選択処理部16を設けた構成を持つ。
優先目標選択処理部16は、システム監視制御部11からの追尾優先目標の諸元に基づいて、目標情報作成・管理部10から与えられた目標情報の中から優先して追尾する対象目標を選定する手段である。そのため、この実施の形態3における目標情報作成・管理部10は、処理すべき目標の数を管理しており、追尾処理部9による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部16に送る機能を有している。その目標管理数は、例えばシステム全体の処理能力、運用条件などを考慮して設定される。また、この実施の形態3におけるシステム監視制御部11は、例えば自レーダ装置に向かっている目標、あるいは一定以上の速度を持つ目標、あるいは両条件を満たす目標など、探知した目標のどれを優先して追尾するかを追尾優先目標の諸元として設定して優先目標選択処理部16に与える機能を有している。
図5は、この発明の実施の形態3によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態3は、実施の形態1の構成に対して、新たに優先目標選択処理部16を設けた構成を持つ。
優先目標選択処理部16は、システム監視制御部11からの追尾優先目標の諸元に基づいて、目標情報作成・管理部10から与えられた目標情報の中から優先して追尾する対象目標を選定する手段である。そのため、この実施の形態3における目標情報作成・管理部10は、処理すべき目標の数を管理しており、追尾処理部9による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部16に送る機能を有している。その目標管理数は、例えばシステム全体の処理能力、運用条件などを考慮して設定される。また、この実施の形態3におけるシステム監視制御部11は、例えば自レーダ装置に向かっている目標、あるいは一定以上の速度を持つ目標、あるいは両条件を満たす目標など、探知した目標のどれを優先して追尾するかを追尾優先目標の諸元として設定して優先目標選択処理部16に与える機能を有している。
目標情報作成・管理部10では、追尾処理部9による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が、予め設定した目標管理数を超えた場合、作成した目標情報を優先目標選択処理部16に送る。優先目標選択処理部16では、目標情報作成・管理部10で設定された追尾優先目標の諸元に基づいて、目標情報作成・管理部10から与えられた目標情報の中から追尾用トラッキングビームを発射する目標を選定して追尾PRF算出部13に与える。追尾PRF算出部13では、実施の形態1で説明したように送信PRFを算出するが、その算出した送信PRFを追尾優先目標の諸元に従って選定された目標に対して適用してトラッキングビームを発射するよう励振受信部2に出力する。
したがって、追尾の目標数が多くなって処理負荷が大きくなるような場合、追尾優先目標の諸元により追尾目標を目的に合わせて制限できるので、トラッキング対象の数が減るため、その分1つのトラッキング対象にかけるビーム走査時間を長くすることができるなど、レーダ装置の時間リソースを有効活用できるようなる。
したがって、追尾の目標数が多くなって処理負荷が大きくなるような場合、追尾優先目標の諸元により追尾目標を目的に合わせて制限できるので、トラッキング対象の数が減るため、その分1つのトラッキング対象にかけるビーム走査時間を長くすることができるなど、レーダ装置の時間リソースを有効活用できるようなる。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1の構成に対して優先目標選択処理部16を備えることにより、追尾対象目標の数がレーダ装置の追尾に係る最大処理能力を超えるような場合において、優先的に追尾すべき目標を選定し、選定した目標に対してブラインド速度領域を外した送信PRFを適用した追尾用トラッキングビームを発射するようにしている。したがって、トラッキング対象の目標数を目的に合わせて減らすことができるため、処理負荷を軽減でき、目標の追尾を継続させることができ、実施の形態1に対しレーダ装置の目標探知・追尾能力をさらに向上させる効果が得られる。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図4に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態4は、実施の形態2の構成に対して、実施の形態3に適用したと同じ優先目標選択処理部16を加えた構成を持つ。
また、実施の形態3と同様に、目標情報作成・管理部10は、処理すべき目標の数を管理しており、追尾処理部9による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部16に送る機能を有している。システム監視制御部11も、追尾対象とする目標条件を追尾優先目標の諸元として設定し優先目標選択処理部16に与える機能を有している。
図6は、この発明の実施の形態4によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図において、図4に相当する部分には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態4は、実施の形態2の構成に対して、実施の形態3に適用したと同じ優先目標選択処理部16を加えた構成を持つ。
また、実施の形態3と同様に、目標情報作成・管理部10は、処理すべき目標の数を管理しており、追尾処理部9による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部16に送る機能を有している。システム監視制御部11も、追尾対象とする目標条件を追尾優先目標の諸元として設定し優先目標選択処理部16に与える機能を有している。
優先目標選択処理部16は、実施の形態3で説明したと同じ動作を行って、追尾用トラッキングビームを発射する目標を絞り込み、追尾PRF用周波数算出部15に与える。追尾PRF用周波数算出部15は、実施の形態2で説明したように送信PRFを算出するが、その算出した送信PRFを、優先目標選択処理部16で絞り込まれた目標に対して適用してトラッキングビームを発射するよう励振受信部2に出力する。
したがって、この実施の形態4によれば、実施の形態3と同様な効果を奏する。
したがって、この実施の形態4によれば、実施の形態3と同様な効果を奏する。
1 空中線部、2 励振受信部、3 ビデオ積分処理系、4 MTI処理系、7 ビデオ選択部、8 プロット処理部、9 追尾処理部、10 目標情報作成・管理部、11 システム監視制御部、12 ビーム諸元算出部、13 追尾PRF算出部、15 追尾ビーム用周波数算出部、16 優先目標選択処理部、31 ビデオ積分部、32,42 振幅算出部、33,43 ドップラフィルタ選択部、34,44 CFAR部、41 MTI処理部。
Claims (4)
- 送受信制御信号に応じてPRF信号を送信して探索走査と追尾走査を交互に行い、受信波から受信デジタルビデオ信号を作成する励振受信部と、
受信デジタルビデオ信号に対してヒット積分、振幅算出、ドップラフィルタ処理、CFAR処理を順次行って移動目標のビデオ信号を生成するビデオ積分処理系と、
受信デジタルビデオ信号に対してMTI処理、振幅算出、ドップラフィルタ処理、CFAR処理を順次行って移動目標のビデオ信号を生成するMTI積分処理系と、
選択制御信号に応じて、探索走査時には前記ビデオ積分処理系のビデオ信号を選択し、また追尾走査時には前記MTI処理系のビデオ信号を選択するビデオ選択部と、
選択されたビデオ信号にプロット生成処理を行うプロット処理部と、
生成されたプロットデータに基づいて目標の予想位置、速度を算出する追尾処理部と、
算出された目標の速度が閾値を超えた場合に当該目標を追尾の対象目標として抽出し、抽出した対象目標の予想位置、速度を目標情報として作成し出力すると共に、MTI処理のブラインド速度領域に入る速度を持つ対象目標があった場合には当該対象目標の速度を出力する目標情報作成・管理部と、
監視パラメータ制御情報に基づいて、前記目標情報作成・管理部で作成された目標情報に対する送受信ビームの諸元を算出して前記励振受信部に与えるビーム諸元算出部と、
追尾制御情報が入力された際に、前記目標情報作成・管理部から入力された対象目標の速度のドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の1/2程度の値を追尾ビームの送信PRFとして算出して前記励振受信部に与える追尾PRF算出部と、
探索走査と追尾走査のスケジュールに基づいて、前記送受信制御信号、前記選択制御信号および前記追尾制御信号を出力し、また、前記目標情報作成・管理部で作成された目標情報に基づいて次の送受信ビームの前記監視パラメータ制御情報を生成して出力するシステム監視制御部とを備えたことを特徴とするレーダ装置。 - 追尾PRF算出部の代わりに、システム監視制御部からの追尾制御情報が入力された際に、ブラインド速度領域から目標情報作成・管理部から入力された対象目標の速度を離隔する送信電波の波長を算出し、算出した波長から追尾ビームの送信PRFを算出して励振受信部に与える追尾ビーム用周波数算出部を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 追尾優先目標の諸元に基づいて、目標情報作成・管理部から与えられた目標情報の中から優先して追尾する対象目標を選定して追尾PFR算出部に与える優先目標選択処理部を備え、
目標情報作成・管理部は、追尾処理部による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部に送るようにし、
システム監視制御部は、追尾対象とする目標条件を前記追尾優先目標の諸元として設定して前記優先目標選択処理部に与えるようにし、
前記追尾PFR算出部は、算出した送信PRFを、前記優先目標選択処理部で選定された対象目標に対して適用してトラッキングビームを発射するよう励振受信部に出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。 - 追尾優先目標の諸元に基づいて、目標情報作成・管理部から与えられた目標情報の中から優先して追尾する対象目標を選定して追尾ビーム用周波数算出部に与える優先目標選択処理部を備え、
目標情報作成・管理部は、追尾処理部による追尾処理の結果から抽出した追尾の対象目標の数が予め設定した目標管理数を超えた場合には、作成した目標情報を優先目標選択処理部に送るようにし、
システム監視制御部は、追尾対象とする目標条件を前記追尾優先目標の諸元として設定して前記優先目標選択処理部に与えるようにし、
前記追尾ビーム用周波数算出部は、算出した送信PRFを、前記優先目標選択処理部で選定された対象目標に対して適用してトラッキングビームを発射するよう励振受信部に出力するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010281689A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Toshiba Corp | レーダ装置及びレーダ信号処理方法 |
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- 2007-04-13 JP JP2007106125A patent/JP2008261794A/ja active Pending
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