JP2008261228A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、周方向に位置調整が可能に構成された第1部材と第2部材とが、運転時の振動、衝撃等により、燃料タンク内で周方向に位置ズレしないようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る燃料供給装置は、第1の部材16と第2の部材14とが横並び状態で、連結機構20により高さ方向に相対移動可能に連結されて燃料タンク11の内部に設置されている燃料供給装置であって、第2の部材14の外周面には、多数の被係合部17,18が周方向に並べられた状態で形成されており、連結機構20は、各被係合部17,18と相対移動不能に係合可能な係合部23と、第1の部材16の側壁に対して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能に連結される連結部25とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンクで使用される第1の部材と第2の部材とが横並び状態で、連結機構により高さ方向に相対移動可能に連結されて前記燃料タンクの内部に設置されている燃料供給装置に関する。
乗用車に搭載される燃料供給装置では、図15(A)に示すように、燃料タンク101の高さ寸法を小さくするために、燃料ポンプ102とキヤニスタ103とを横並び状態で配置することが好適に行なわれている(特許文献1)。
前記燃料供給装置のキャニスタ103には、燃料タンク101の開口を塞ぐフランジ105が設けられている。前記フランジ105の下面には、ガイド溝112がキャニスタ103の外周面に沿って形成されており、そのガイド溝112にロッド114の上端部が嵌め込まれている。さらに、ロッド114には、燃料ポンプ102がキヤニスタ103に対して高さ方向に移動可能な状態で連結されている。
また、ガイド溝112の両側壁には、図15(B)に示すように、弾性変形可能なストッパ116が円周方向に一定間隔で複数組形成されており、前記ロッド114が円周方向に隣り合うストッパ116間で位置決めされている。これにより、ロッド114に対してガイド溝112に沿う方向に所定以上の力を加えると、ストッパ116が弾性変形して、ロッド114がガイド溝112に沿って移動可能となる。即ち、ロッド114を介してキャニスタ103に連結された燃料ポンプ102をそのキャニスタ103の外周面に沿って位置調整することが可能になる。このため、燃料タンク101の形状等に応じて燃料ポンプ102とキャニスタ103との位置関係を調整できるようになる。
特開2005−120844号
上記した燃料供給装置では、燃料ポンプ102とキャニスタ103との円周方向の位置調整を考慮して、ロッド114の上端部を弾性変形可能なストッパ116により周方向から支える構成である。このため、運転時の振動や衝撃がロッド114を介してストッパ116に加わり、そのストッパ116が弾性変形すると、燃料ポンプ102がキヤニスタ103に対して組付け時の位置から周方向に位置ズレを起こすことがある。これにより、燃料ポンプ102等に接続されている配管等に無理な力が加わることがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の技術的課題は、周方向に位置調整が可能に構成された第1部材と第2部材とが、運転時の振動、衝撃等により、燃料タンク内で周方向に位置ズレしないようにすることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、燃料タンクで使用される第1の部材と第2の部材とが横並び状態で、連結機構により高さ方向に相対移動可能に連結されて前記燃料タンクの内部に設置されている燃料供給装置であって、前記第2の部材における側壁の外周面には、多数の被係合部が周方向に並べられた状態で形成されており、前記連結機構は、前記第2の部材に形成された各々の被係合部と相対移動不能な状態で係合可能な係合部と、前記第1の部材の側壁に対して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能に連結される連結部とを備えていることを特徴とする。
本発明によると、第2の部材の外周面の被係合部に対して連結機構の係合部が相対移動不能な状態で係合可能に構成されている。さらに、前記連結機構は第1の部材の側壁に対して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能に連結されている。したがって、第1の部材と第2の部材とは、連結機構を介して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能な状態で連結される。
このため、前記連結機構の働きで、第1部材と第2部材とが運転時の振動、衝撃等により周方向に互いに位置ズレし難くなる。
また、第2の部材の外周面には、多数の被係合部が周方向に並べられた状態で形成されており、連結機構の係合部は各々の被係合部と係合可能に構成されている。このため、連結機構の係合部を希望する被係合部に係合させることで、第2部材に対する第1部材の周方向の位置調整を行なえるようになる。
請求項2の発明によると、第2の部材の被係合部は、連結機構の係合部の高さ方向の移動を規制する高さ方向規制部と、前記係合部の周方向の移動を規制する周方向規制部とからなり、各々の被係合部の高さ方向規制部は、周方向に互いに連続して、前記第2の部材の側壁に平行な帯板状に構成されていることを特徴とする。
即ち、各々の被係合部の高さ方向規制部をまとめて形成することができる。
請求項3の発明によると、被係合部の周方向規制部は、第2の部材の外周面、あるいは高さ方向規制部に形成された凹凸であることを特徴とする。
請求項4の発明によると、第2の部材の被係合部には多数の突起が形成されており、連結機構の係合部には前記突起が圧入可能な複数の開孔が形成されていることを特徴とする。
これにより、第2の部材の被係合部と連結部材の係合部とを容易に形成できるようになる。
請求項5の発明によると、連結機構には、第2の部材に対して第1の部材を押し下げる方向に付勢された付勢手段が設けられていることを特徴とする。
即ち、付勢手段の働きで第1の部材を燃料タンクの底面につけることが可能になる。
請求項6の発明によると、第2の部材には、燃料タンクの開口部を塞ぐフランジ部が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、周方向に位置調整が可能に構成された第1部材と第2部材とが、運転時の振動、衝撃等により、燃料タンク内で周方向に位置ズレすることがない。
(実施形態1)
以下、図1から図3に基づいて本発明の実施形態1に係る燃料供給装置の説明を行なう。本実施形態に係る燃料供給装置は、主として自動車等の車両に搭載される燃料供給装置であり、図1に本実施形態に係る燃料供給装置の全体概略側面図が示されている。図2は燃料供給装置の燃料ポンプが収納されるリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す斜視図等である。図3はリザーブ容器とキャニスタとの連結構造の変更例を表す斜視図等である。
<燃料供給装置10の概要について>
燃料供給装置10は、燃料タンク11内の燃料をエンジン(図示省略)のインジェクタまで所定圧力で圧送する装置であり、フィルタ、燃料ポンプ、圧調弁等の燃料供給用機器と、燃料タンク11内の蒸発燃料を吸着して大気への流出を防止するキャニスタ14とを備えている。図1に示すように、燃料タンク11内には、フィルタ、燃料ポンプ等の燃料供給用機器が収納されるリザーブ容器16とキャニスタ14とが横並び状態で収納されている。そして、リザーブ容器16とキャニスタ14とが連結機構20により、高さ方向に相対移動可能な状態で連結されている。
キャニスタ14は、活性炭等の蒸発燃料吸着材料が収納された円筒状の容器であり、上端部に燃料タンク11の開口部11hを塞ぐ円盤状のフランジ部14fが設けられている。なお、フランジ部14fの周縁は、燃料タンク11の開口部11h周縁と固定フランジ11fと挟持された状態で燃料タンク11に固定される。
キャニスタ14の側壁14wの外周面には、高さ方向(軸方向)のほぼ中央位置に、図2(B)に示すように、円周方向に延びる突条14tが形成されており、その突条14tの外周部分に帯板状の高さ方向規制部17が固定されている。なお、図2(B)は図2(A)のB-B矢視断面図、図2(C)は図2(A)の要部分解斜視図である。
高さ方向規制部17は、キャニスタ14の外周面に平行に形成されており、その高さ方向規制部17の内周面の高さ方向(幅方向)の中央位置が突条14tに固定されている。これにより、キャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17の内周面との間には、図2(B)に示すように、上側が開放するリング状の上側溝17uと、下側が開放するリング状の下側溝17dとが形成される。
さらに、高さ方向規制部17の外周面の上端と下端とは円錐面状に面取りされている。また、高さ方向規制部17の上端面には、上方向(軸方向)に突出する爪状の周方向規制部18が円周方向に等間隔で多数形成されている。
即ち、前記キャニスタ14が本発明の第2の部材に相当し、前記リザーブ容器16が本発明の第1の部材に相当する。また、キャニスタ14の高さ方向規制部17と周方向規制部18とが本発明の被係合部に相当する。
<連結機構20について>
連結機構20は、図2(C)等に示すように、キャニスタ14の高さ方向規制部17及び周方向規制部18と係合する係合部23と、リザーブ容器16のガイド縦溝16mに嵌込み可能に構成された連結部25と、リザーブ容器16を下方に押圧するためのコイルバネ27とを備えている。
係合部23は、図2(A)(C)に示すように、高さ方向規制部17の外周面に面接触可能なように、その高さ方向規制部17と等しい曲率で形成された角形の湾曲板23wを備えている。湾曲板23wの上端部には、高さ方向規制部17の上端縁に掛けられる上鉤部23uが形成されており、その湾曲板23wの下端部に高さ方向規制部17の下端縁に掛けられる下鉤部23dが形成されている。即ち、係合部23は、湾曲板23w、上鉤部23u及び下鉤部23dにより、側面略逆C字形に形成されている。また、前記上鉤部23uと下鉤部23dとは弾性変形可能に構成されて、それらの先端外側が高さ方向規制部17の上下の面取り部分にそれぞれ面接触可能に構成されている。
これにより、高さ方向規制部17に対して係合部23が半径方向外側から押し付けられると、上下鉤部23u,23dの先端外側が高さ方向規制部17の外周面上下の面取り部分に押し付けられて、摺動することで、上下鉤部23u,23dの先端部分が弾性力に抗して拡開する。そして、高さ方向規制部17の裏側に入り込んだ上下鉤部23u,23dの先端部分がその高さ方向規制部17の上端縁、下端縁に掛けられる。
係合部23の上鉤部23uと湾曲板23wの上端部には、幅方向中央位置に高さ方向規制部17の上端面に形成された爪状の周方向規制部18が嵌め込まれる切欠き23zが形成されている。即ち、係合部23の上端部は、切欠き23zによって左半部と右半部とに分けられている。そして、係合部23の左半部と右半部との幅寸法が、隣り合う周方向規制部18間の間隔よりも小さく設定されている。このため、係合部23の上下鉤部23u,23dが高さ方向規制部17の上端縁、下端縁に掛けられて、係合部23の切欠き23zに周方向規制部18が嵌め込まれた状態で、係合部23の左半部と右半部とは隣り合う周方向規制部18間に配置される。
これにより、係合部23は、高さ方向規制部17に対して上下方向の移動を規制されるとともに、周方向規制部18の働きで円周方向の移動も規制されるようになる。
係合部23を構成する湾曲板23wの背面中央には、その湾曲板23wと等しい幅寸法の横板26が湾曲板23wに対してほぼ直角に固定されており、その横板26の下面に連結部25が縦に固定されている。連結部25は、湾曲板23wにほぼ平行な平行縦板25aと湾曲板23wに直角な直角縦板25bとにより横断面略T字形に形成されている。そして、連結部25の平行縦板25aと、その平行縦板25a及び直角縦板25bの連結部分が、リザーブ容器16の側壁16w内に形成された横断面略T字形のガイド縦溝16mに上下摺動可能な状態で嵌込まれている。
また、リザーブ容器16の側壁16w内には、図2(B)に示すように、ガイド縦溝16mと平行に縦深孔16hが形成されており、その縦深孔16hにコイルバネ27の下部が挿入されている。そして、コイルバネ27の上端部が前記横板26の下面で連結部25の横に形成されたバネ受け突起26uに嵌合されている。コイルバネ27はリザーブ容器16を下方に押圧する方向に付勢されている。
即ち、コイルバネ27が本発明の付勢手段に相当する。
<キャニスタ14とリザーブ容器16との連結について>
先ず、燃料タンク11の種類やフランジ部14fに設けられた配管接続部の向き等に応じてキャニスタ14に対するリザーブ容器16の円周方向の位置を決定する。即ち、キャニスタ14の高さ方向規制部17の上端面に形成された多数の周方向規制部18の内からリザーブ容器16の位置に対応する所定の周方向規制部18を選択する。そして、所定の周方向規制部18が連結機構20の係合部23の切欠き23zに嵌め込まれるように、その係合部23を半径方向外側からキャニスタ14の高さ方向規制部17に押し付けて、係合部23の上下鉤部23u,23dを高さ方向規制部17の上端縁、下端縁にそれぞれ係合させる。これにより、係合部23の左半部と右半部とは隣り合う周方向規制部18間に配置されて、前記係合部23は高さ方向規制部17に対して上下方向の移動と円周方向の移動とが規制される。
次に、連結機構20の連結部25の平行縦板25a等をリザーブ容器16の側壁16w内のガイド縦溝16mに挿入するとともに、連結機構20の横板26のバネ受け突起26uとリザーブ容器16の縦深孔16h間にコイルバネ27を装着する。この状態で、キャニスタ14とリザーブ容器16とが横並び状態で、連結機構20により高さ方向に相対移動可能な状態で連結される。
<本実施形態に係る燃料供給装置10の長所について>
本実施形態に係る燃料供給装置10によると、キャニスタ14の外周面の高さ方向規制部17に対して連結機構20の係合部23が相対移動不能な状態で係合可能に構成されている。さらに、連結機構20はリザーブ容器16の側壁16wに対して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能に連結されている。したがって、キャニスタ14とリザーブ容器16とは、連結機構20を介して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能な状態で連結される。
このため、連結機構20の働きで、キャニスタ14とリザーブ容器16とが運転時の振動、衝撃等により周方向に互いに位置ズレし難くなる。
また、キャニスタ14の外周面には、多数の周方向規制部18が周方向に並べられた状態で形成されており、連結機構20の係合部23は各々の周方向規制部18と係合可能に構成されている。このため、連結機構20の係合部23を希望する周方向規制部18に係合させることで、キャニスタ14に対するリザーブ容器16の周方向の位置調整を行なえるようになる。
<変更例>
本実施形態では、例えば、連結機構20にコイルバネ27を設ける例を示したが、燃料タンクの種類によっては、図3(A)(B)に示すように、コイルバネ27を省略することも可能である。このため、コイルバネ27を保持する横板26及びバネ受け突起26u等も省略可能である。
また、高さ方向規制部17を円周方向に連続させる例を示したが、高さ方向規制部17を円周方向に複数に分割することも可能である。
(実施形態2)
以下、図4〜図8に基づいて本発明の実施形態2に係る燃料供給装置の説明を行なう。本実施形態に係る燃料供給装置は、実施形態1の高さ方向規制部17及び連結機構20の係合部23の構成を変更したもので、その他の構成については実施形態1と同様である。このため、実施形態1と同一部材については同一番号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るキャニスタ14の高さ方向規制部17は、図4(A)に示すように、円周方向の一ヶ所が開放されており、上端縁に多数の角形の切欠き17cが等間隔で形成されている。
連結機構20の係合部23は、図4(C)に示すように、湾曲板23wと、その湾曲板23wの上端部で鉤状に折り返された上鉤板23xと、前記湾曲板23wの下端部で鉤状に折り返された下鉤板23yとから断面逆C字形の薄い角筒状に形成されている。そして、係合部23の上鉤板23xがキャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17との間の上側溝17uに摺動可能な状態で嵌め込まれている。また、係合部23の下鉤板23yがキャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17との間の下側溝17dに摺動可能な状態で嵌め込まれている(図4(B)参照)。
また、係合部23の上部における幅方向中央には、弾性力で半径方向内側に突出し、高さ方向規制部17の切欠き17cと嵌合可能な角形のバネ部23zが形成されている。
前記係合部23を高さ方向規制部17に装着するには、先ず、その係合部23を高さ方向規制部17の開放部分に位置決めする。次に、バネ部23zを弾性力に抗して半径方向外側に引っ張った状態で、係合部23を円周方向に移動させてその係合部23の上鉤板23x、下鉤板23yをキャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17間の上側溝17u、下側溝17dに嵌合させる。これにより、係合部23は高さ方向規制部17に対して高さ方向の移動が規制される(図4(A)参照)。さらに、所定位置でバネ部23zを弾性力により高さ方向規制部17の切欠き17cに嵌合させることで、係合部23は高さ方向規制部17に対して円周方向の移動が規制される。
即ち、高さ方向規制部17の切欠き17c及びその切欠き17cの両側に位置する凸部が本発明の周方向規制部に相当する。
<変更例>
図5(A)(B)(C)は、開放部分を設けないリング状の高さ方向規制部17を使用する例である。このため、図5(B)(C)に示すように、係合部23を高さ方向規制部17に対して半径方向外側から嵌め込み可能なように、その係合部23の下鉤板23yを実施形態1で説明した下鉤部23dと等しい構成に変更している。
図6(A)(B)は、上下分割式の係合部23を使用する例であり、リング状の高さ方向規制部17に対して係合部23の上下の分割片123,124をそれぞれ嵌め込んだ後、それらの分割片123,124を連結可能に構成している。
即ち、係合部23の上側の分割片123は、図6(B)に示すように、高さ方向規制部17に上方から嵌合してその高さ方向規制部17の外周面の円周方向一部を覆う構成であり、外側湾曲板123wと、その外側湾曲板123wの上端部で鉤状に折り返された上鉤板123xとを備えている。上鉤板123xは、キャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17間の上側溝17uに嵌め込み可能に構成されており、その上鉤板123xの内側面に角形の突起部123tが複数形成されている。角形の突起部123tは、高さ方向規制部17の切欠き17cと等しい寸法で、かつ等しい間隔で形成されており、高さ方向規制部17の切欠き17cに対して上方から嵌め込み可能に構成されている。また、外側湾曲板123wは、下側の分割片124の内側湾曲板124wが下方から嵌め込まれるように構成されており、その外側湾曲板123wの幅方向両側に板バネ状の側壁123sが設けられている。そして、前記板バネ状の側壁123sに、下側の分割片124の内側湾曲板124wに形成された係合突起124tが掛けられる受け開口123hが形成されている。また、外側湾曲板123wの幅方向中央には、下側の分割片124の内側湾曲板124wに縦方向に固定された連結部25を避ける角形の切欠き123cが形成されている。
下側の分割片124は、図6(B)に示すように、高さ方向規制部17に下方から係合可能な構成であり、上記した内側湾曲板124wと、その内側湾曲板124wの下端部で鉤状に折り返された下鉤板124xとを備えている。下鉤板124xは、キャニスタ14の外周面と高さ方向規制部17間の下側溝17dに摺動可能な状態で嵌め込み可能に構成されている。
また、内側湾曲板124wの幅方向両側には三角形状の係合突起124tが形成されており、内側湾曲板124wの背面には幅方向中央に連結部25が縦方向に固定されている。
上記構成により、高さ方向規制部17に嵌合した上側の分割片123に対して、下側の分割片124が高さ方向規制部17を挟んで下方から嵌め込まれると、係合突起124tと受け開口123hとの係合作用により上下の分割片123,124が連結される。そして、上下の分割片123,124が連結されることで構成された係合部23は、高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
図7(A)(B)は、図4に示す連結機構20の係合部23に形成されたバネ部23zを別部品のC形バネ材28を使用する構成に改造したものである。また、これに合わせて、高さ方向規制部17の切欠き17cを上下同位置に形成するようにしている。
即ち、係合部23には、図7(B)に示すように、連結部25の左側の位置に高さ方向規制部17の切欠き17cと重なるように角形の切欠き23cが上下に形成されている。そして、重複した係合部23の切欠き23cと高さ方向規制部17の切欠き17cの位置にC形バネ材28が装着される。C形バネ材28は、上端と下端とに上鉤部28uと下鉤部28dとが形成されており、それらの上鉤部28uと下鉤部28dとが弾性力で高さ方向規制部17の上下の端縁に掛けられるように構成されている。そして、係合部23の切欠き23cと高さ方向規制部17の切欠き17cの位置にC形バネ材28が装着された状態で、係合部23は高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
図8(A)(B)は、図7に示す高さ方向規制部17の下側の切欠き17cを省略し、高さ方向規制部17に開放部分を設けないようにしている。また、これに合わせて、連結機構20の係合部23を改造している。
即ち、係合部23は、図8(B)に示すように、湾曲板23wと、その湾曲板23wの上端で鉤状に折り返された上鉤板23xとを備えており、下鉤板124xは省略されている。そして、前記湾曲板23wに、高さ方向規制部17の切欠き17cと重なるように角形の切欠き23cが上下に形成されている。
上記構成により、係合部23が高さ方向規制部17に上方から嵌合し、その係合部23の切欠き23cと高さ方向規制部17の切欠き17cとが重なった状態で、その切欠き23c,17cの位置にC形バネ材28が装着される。これにより、係合部23が高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
(実施形態3)
以下、図9から図12に基づいて本発明の実施形態3に係る燃料供給装置の説明を行なう。本実施形態に係る燃料供給装置は、実施形態1、2の連結機構20における係合部等の構成を変更したもので、その他の構成については実施形態1と同様である。このため、実施形態1、2と同一部材については同一番号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るキャニスタ14の高さ方向規制部17は、図9(A)(B)に示すように、円周方向に連続してリング状に形成されており、その上端部に長方形状の低い突起17eが円周方向に等間隔で形成されている。
連結機構20の係合部23は、図9(B)に示すように、湾曲部23wと、その湾曲部23wの上端で半径方向内側に直角に折り曲げられた内鍔状板部23fと、湾曲部23wの下端に設けられた下鉤部23dとを備えている。そして、内鍔状板部23fに高さ方向規制部17の突起17eが嵌合する角形開口23hが形成されている。
これにより、係合部23の角形開口23hに高さ方向規制部17の突起17eを嵌合させた状態で、その係合部23を高さ方向規制部17に対して押し付けることで、下鉤部23dの先端が弾性変形により下方に拡開して高さ方向規制部17の下端縁に掛けられる。
これにより、係合部23は高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
<変更例>
図10は、図9に示す高さ方向規制部17の突起17eの形状を変更し、さらに突起の形状変更に合わせて係合部23における内鍔状板部23fの形状を変更したものである。
即ち、図10(A)(B)に示す高さ方向規制部17の突起17pは軸部Jと先端の球状頭部Hとから構成されている。一方、係合部23の内鍔状板部23fには、突起17pが通される開口23jが複数(例えば三個)形成されている。開口23jは、図10(C)に示すように、突起17pの頭部Hが通される円形部23nと軸部Jが通される長孔部23kとから構成されている。開口23jは、内鍔状板部23fの幅方向(高さ方向規制部17の半径方向)に延びるように形成されており、円形部23nが内鍔状板部23fの幅方向先端側(半径方向内側)に配置されている。
このため、係合部23の開口23jの円形部23nに高さ方向規制部17の突起17pをそれぞれ通した状態で、係合部23を高さ方向規制部17に対して押し付けることで、前記突起の軸部Jが開口23jの長孔部23kと嵌合し、内鍔状板部23fが突起17pの頭部Hによって押さえられる。また、上記したように、下鉤部23dの先端が弾性変形により下方に拡開し、高さ方向規制部17の下端縁に掛けられる。これにより、係合部23は高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
図11は、図10に示す突起17pを高さ方向規制部17の外周面に形成し、係合部23の湾曲部23wに前記突起17pが圧入される貫通孔23qを形成したものである。これにより、高さ方向規制部17の突起17pが係合部23の湾曲部23wの貫通孔23qに圧入された状態で、係合部23は高さ方向規制部17に対して上下方向及び円周方向の移動が規制される。
図12は、図10に示す係合部23の下鉤部23dの代わりに、図11に示す突起17pと貫通孔23qとの接続構造を利用したものである。
(実施形態4)
以下、図13、図14に基づいて本発明の実施形態4に係る燃料供給装置の説明を行なう。本実施形態に係る燃料供給装置は、実施形態1の連結機構20における係合部等の構成を変更したもので、その他の構成については実施形態1と同様である。このため、実施形態1と同一部材については同一番号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るキャニスタ14の高さ方向規制部17は、図13(A)に示すように、円周方向に連続してリング状に形成されている。そして、その高さ方向規制部17とキャニスタ14の外周面との間に形成された上側溝17uの底面に凹部19aと凸部19bとが一定間隔で形成されている。
連結機構20の係合部23は、湾曲部23wと、その湾曲部23wの上端部で鉤状に折り返された上鉤板23xを備えている。上鉤板23xは、図13(B)に示すように、前記上側溝17uに挿入可能に構成されており、その上鉤板23xの先端(下端)に上側溝17uの底面の凹部19aと凸部19bとに嵌合可能な凸部23a、凹部23bとが形成されている。
また、係合部23の湾曲部23wの上端には、その湾曲部23wと直角に横板26が形成されており、その横板26の上面にバネ受け突起26uが形成されている。そして、図13(A)に示すように、キャニスタ14のフランジ部14fの下側に設けられたバネ受け突起14zと係合部23のバネ受け突起26uとの間に、前記係合部23を下方に押圧するコイルバネ27が装着されている。キャニスタ14のフランジ部14fには、多数のバネ受け突起14zが円周方向に等間隔で形成されている。
なお、図14(A)に示すように、キャニスタ14のフランジ部14fに設けられたバネ受け突起14zを省略することも可能である。
このように、係合部23がコイルバネ27のバネ力で下方に押圧されることにより、係合部23の上鉤板23xの凸部23a、凹部23bが上側溝17uの底面の凹部19a、凸部19bと嵌合して、高さ方向規制部17に対する係合部23の円周方向の移動が規制される。また、コイルバネ27のバネ力で高さ方向規制部17に対する係合部23の上下方向の移動が規制される。
<変更例>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、実施形態1〜4では、リザーブ容器16を本発明の第1の部材、キャニスタ14を本発明の第2の部材として説明したが、前記リザーブ容器16を本発明の第2の部材、キャニスタ14を本発明の第1の部材とすることも可能である。
また、本発明の第1の部材、第2の部材としてリザーブ容器16、キャニスタ14を例示したが、これ以外にも横並びの状態で、連結機構により高さ方向に相対移動可能に連結されて燃料タンクの内部に設置される部材であれば、本発明の第1の部材、第2の部材として使用することができる。
本発明の実施形態1に係る燃料供給装置の全体概略側面図である。 燃料供給装置の燃料ポンプが収納されるリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す斜視図(A図)、A図のB−B矢視断面図(B図)及び連結構造の要部を表す分解斜視図(C図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 本発明の実施形態2に係る燃料供給装置のリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す斜視図(A図)、A図のB−B矢視断面図(B図)及び連結構造の要部を表す分解斜視図(C図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、A図のB−B矢視断面図(B図)及び連結構造の要部を表す分解斜視図(C図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 本発明の実施形態3に係る燃料供給装置のリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)、及び開口の平面図(C図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 本発明の実施形態4に係る燃料供給装置のリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 連結構造の変更例を表す斜視図(A図)、連結構造の要部を表す分解斜視図(B図)である。 従来の燃料供給装置を表す側面模式図(A図)及びリザーブ容器とキャニスタとの連結構造を表す平面図(B図)である。
符号の説明
11・・・燃料タンク
14・・・キャニスタ(第2の部材)
14f・・フランジ部
16・・・リザーブ容器(第1の部材)
17・・・高さ方向規制部(被係合部)
17p・・突起(被係合部)
18・・・周方向規制部(被係合部)
20・・・連結機構
23・・・係合部
23q・・貫通孔(係合部)
25・・・連結部
27・・・コイルバネ(付勢手段)

Claims (6)

  1. 燃料タンクで使用される第1の部材と第2の部材とが横並び状態で、連結機構により高さ方向に相対移動可能に連結されて前記燃料タンクの内部に設置されている燃料供給装置であって、
    前記第2の部材における側壁の外周面には、多数の被係合部が周方向に並べられた状態で形成されており、
    前記連結機構は、前記第2の部材に形成された各々の被係合部と相対移動不能な状態で係合可能な係合部と、前記第1の部材の側壁に対して高さ方向に相対移動可能、かつ周方向に相対移動不能に連結される連結部とを備えていることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載された燃料供給装置であって、
    前記第2の部材の被係合部は、前記連結機構の係合部の高さ方向の移動を規制する高さ方向規制部と、前記係合部の周方向の移動を規制する周方向規制部とからなり、
    各々の被係合部の高さ方向規制部は、周方向に互いに連続して、前記第2の部材の側壁に平行な帯板状に構成されていることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項2に記載された燃料供給装置であって、
    前記被係合部の周方向規制部は、前記第2の部材の外周面、あるいは前記高さ方向規制部に形成された凹凸であることを特徴とする燃料供給装置。
  4. 請求項1に記載された燃料供給装置であって、
    前記第2の部材の被係合部には、多数の突起が形成されており、
    前記連結機構の係合部には、前記突起が圧入可能な複数の開孔が形成されていることを特徴とする燃料供給装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された燃料供給装置であって、
    連結機構には、第2の部材に対して前記第1の部材を押し下げる方向に付勢された付勢手段が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載された燃料供給装置であって、
    前記第2の部材には、燃料タンクの開口部を塞ぐフランジ部が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。

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