JP2008260890A - アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー - Google Patents

アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー Download PDF

Info

Publication number
JP2008260890A
JP2008260890A JP2007106138A JP2007106138A JP2008260890A JP 2008260890 A JP2008260890 A JP 2008260890A JP 2007106138 A JP2007106138 A JP 2007106138A JP 2007106138 A JP2007106138 A JP 2007106138A JP 2008260890 A JP2008260890 A JP 2008260890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
group
unsubstituted
aliphatic hydrocarbon
halogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007106138A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Tominaga
明子 富永
Shige Fukui
樹 福井
Takashi Kenmoku
敬 見目
Masato Minami
昌人 南
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Takeshi Ikeda
武志 池田
Atsushi Tani
篤 谷
Norikazu Fujimoto
則和 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007106138A priority Critical patent/JP2008260890A/ja
Publication of JP2008260890A publication Critical patent/JP2008260890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】上記背景技術に鑑み、スルホン酸基もしくはスルホン酸エステル基と、アミド基とを有するポリマーとその製造方法、更には、このポリマーを作製するための化合物を提供すること。
【解決手段】
以下の化学式(1)で示されるモノマーユニットなどのスルホン酸基もしくはスルホン酸エステル基と、アミド基とを有するモノマーユニットを提供するモノマーを用いてポリマーを製造する。
Figure 2008260890

【選択図】なし

Description

本発明は、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体と、アミド基とを有するポリマーとその製造方法、およびこれらのポリマーを作製するための化合物に関する。また、本発明は、更に、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等を利用した記録方法に用いられる荷電制御剤及び静電荷像現像用トナーに関する。
スルホン酸基のように親水基を有する高分子は、様々な用途への応用が期待される。そして、このスルホン酸基を含有するポリマーの合成方法は、一般に、スルホン酸官能基を含有する特定のビニルモノマーを使用する方法に限られている。具体的なモノマーの例としては、スルホン化スチレン、あるいはAMPS(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)が挙げられる。例えば、特許文献1には、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩と、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体が開示されている。特許文献1には、更に、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸と、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体を、アルカリ剤で処理した共重合体からなる電荷制御剤、およびこれを用いた電子写真用負帯電トナーが開示されている。
特開2002−351147号公報
スルホン化スチレン等のみでは、上記した様々な用途に十分に対応できない場合があり、更なる改良や、新規ポリマーの提供が求められていた。本発明の目的は、上記背景技術に鑑み、スルホン酸基もしくはスルホン酸エステル基と、アミド基とを有するポリマーとその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、このポリマーを作製するための化合物を提供するものである。
そこで、本発明者らは、様々な機能性を向上するのに有用であると考えられる、親水性基あるいは極性基を導入した新規なポリマーの開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示すような発明に至った。
本発明にかかる第1のポリマーは、化学式(1)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマーである。
Figure 2008260890
式中、R1w及びR1Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p1及びq1は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
Z1a及びZ1bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A1は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。
1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
また、本発明にかかる第2のポリマーは、化学式(2)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマーである。
Figure 2008260890
式中、R2w及びR2Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、もしくは水素原子である。R2yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
Z2a及びZ2bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
p2、q2、A2及びR2は、下記(i)もしくは(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
(i)p2=1かつq2=0、p2=0かつq2=1、p2=1かつq2=1のいずれかの時;
A2は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または、置換もしくは未置換の複素環構造である。
(ii)p2=0かつq2=0の時;
A2は以下のいずれかの条件を満たす。
(a)置換基を有する脂肪族炭化水素構造;
(b)未置換であり炭素数1から3、もしくは炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;
(c)未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;
(d)未置換であり炭素数4で以下に示す化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造;
2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
Figure 2008260890
本発明にかかる第3のポリマーは、化学式(3)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマーである。
Figure 2008260890
式中、R3w及びR3Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R3yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p3及びq3は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
Z3a及びZ3bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A3は、置換もしくは未置換のナフチレン基、あるいは置換もしくは未置換のフェニレン基である。フェニレン基の置換基は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基及びクロロ基から選択される1種以上である。
3は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3aである。
3aは、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
本発明にかかる第4のポリマーは、化学式(4)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマーである。
化学式(4)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマー。
Figure 2008260890
式中、R4w及びR4 Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R4yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
Z4a及びZ4bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
p4、q4、A4、R4は、下記(i)及び(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
(i)p4=1かつq4=0、p4=0かつq4=1、p4=1かつq4=1のいずれかの時
A4は、置換もしくは未置換の炭素数1から18の脂肪族炭化水素構造である。
4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(ii)p4=0かつq4=0の時
A4は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、クロロ基を1個以上有する脂肪族炭化水素構造である。
4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
本発明にかかる第5のポリマーは、化学式(1)から(4)のいずれかに示されるモノマーユニットと、化学式(101)で示されるビニル系モノマー由来のモノマーユニットとの共重合体であることを特徴とするポリマーである。
Figure 2008260890
式中、R101w及びR101xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R101yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R101Zは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、シアノ基、−CO−R101a、−O−R101b、−COO−R101c、−OCO−R101d、−CONR101e101f、またはN原子を含む環構造のいずれかである。R101a、R101b、R101c、R101d、R101e及びR101fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
本発明にかかる荷電制御剤は、粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤において、上記の第1〜第5のポリマーの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする荷電制御剤である。
本発明にかかる静電荷像現像トナーは、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、上記の荷電制御剤を含有することを特徴とする静電荷像現像トナーである。
本発明により、荷電制御剤の成分として有用なポリマーと、そのポリマーを利用した荷電制御剤及び静電荷像現像トナーが提供される。
(本発明に係るポリマー)
[1]第1の本発明に係るポリマーは、化学式(1)で示されるモノマーユニットを含むことを特徴とする。
Figure 2008260890
式中、R1w及びR1Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p1及びq1は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
Z1a及びZ1bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A1は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。
1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
[2]第2の本発明に係るポリマーは、化学式(2)で示されるモノマーユニットを含むことを特徴とする。
Figure 2008260890
式中、R2w及びR2Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、もしくは水素原子である。R2yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
Z2a及びZ2bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
p2、q2、A2及びR2は、下記(i)もしくは(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
(i)p2=1かつq2=0、p2=0かつq2=1、p2=1かつq2=1のいずれかの時;
A2は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または、置換もしくは未置換の複素環構造である。
(ii)p2=0かつq2=0の時;
A2は以下のいずれかの条件を満たす。
(a)置換基を有する脂肪族炭化水素構造;
(b)未置換であり炭素数1から3、もしくは炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;
(c)未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;
(d)未置換であり炭素数4で以下に示す化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造;
2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
Figure 2008260890
[3]第3の本発明に係るポリマーは、化学式(3)で示されるモノマーユニットを含むことを特徴とする。
Figure 2008260890
式中、R3w及びR3Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R3yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p3及びq3は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
Z3a及びZ3bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A3は、置換もしくは未置換のナフチレン基、あるいは置換もしくは未置換のフェニレン基である。フェニレン基の置換基は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基及びクロロ基から選択される1種以上である。
3は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3aである。
3aは、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
[4]第4の本発明に係るポリマーは、化学式(4)で示されるモノマーユニットを含むことを特徴とする。
Figure 2008260890
式中、R4w及びR4 Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R4yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
Z4a及びZ4bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
p4、q4、A4、R4は、下記(i)及び(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
(i)p4=1かつq4=0、p4=0かつq4=1、p4=1かつq4=1のいずれかの時
A4は、置換もしくは未置換の炭素数1から18の脂肪族炭化水素構造である。
4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(ii)p4=0かつq4=0の時
A4は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、クロロ基を1個以上有する脂肪族炭化水素構造である。
4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
[5]第5の本発明に係るポリマーは、化学式(1)から(4)のいずれかに示されるモノマーユニットと、化学式(101)で示されるモノマーユニットを含むことを特徴とする。
Figure 2008260890
式中、R101w及びR101xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R101yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R101Zは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、シアノ基、−CO−R101a、−O−R101b、−COO−R101c、−OCO−R101d、−CONR101e101f、またはN原子を含む環構造のいずれかである。R101a、R101b、R101c、R101d、R101e及びR101fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である(但し、化学式(1)〜(4)から選択されたモノマーユニットと同じものを除く)。
なお、上記共重合体中の化学式(1)から(4)のいずれかで示されるユニット(A)と化学式(101)で示されるビニル系モノマー由来のモノマーユニット(B)のユニットの割合としては、Aが0.1〜99.9モル%であることが好ましい。Aは、更に好ましくは、1.0〜50モル%である。
本発明に係るポリマーの数平均分子量は、1000から1000000であることが好ましく、上記式(1)〜(4)における「n」は所望の分子量に応じて選択される。
また、ポリマーが式(1)で示される異なるユニットの複数種を有するものでもよく、式(2)〜(4)の各ユニットについても同様である。
(荷電制御剤、静電荷像現像トナー)
[6]第6の本発明に係る、粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤において、上記[1]から[4]のいずれかに記載のポリマーの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする。
[7]第7の本発明に係る、静電荷像現像トナーにおいて、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、上記[6]に記載の荷電制御剤を含有することを特徴とする。
(本発明に係るポリマーのより具体的な製法)
以下に、好ましい実施の形態を挙げて本発明に係る化合物の製造方法を更に詳細に説明する。上記した各構成を有する本発明にかかるポリマーは、荷電制御剤としてきわめて優れた特性を有する。さらには、このポリマーを用いた荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーは、なかでも電子写真法による現像システムを有する画像形成装置に使用した場合に著しい効果を有するものである。このポリマーの製造方法としては以下の方法を例示するが、上記したポリマーが製造できるのであれば、ここに記載する製造方法だけに限定されるものではない。
(化学式(301)に示すユニットを含むポリマーと、カルボン酸を有する化学式(303)の化合物との縮合反応)
このポリマーの製造方法の一例としては、以下のように行う。具体的には、出発原料として化学式(301)で示すモノマーユニットを含むポリマーと、化学式(303)で示されるカルボキシル基を有する化合物の少なくとも1種とを縮合反応させる。こうして化学式(1)または(2)に示すユニットを含むポリマーを得ることが出来る。
Figure 2008260890
式中、R301w及びR301Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R301yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p301及びq301は、それぞれ独立して1または0である。
Z301a及びZ301bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
Figure 2008260890
式中、
A303は、置換もしくは未置換の芳香族環構造;置換もしくは未置換の複素環構造;置換基を有する脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数1から3、または炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;または未置換であり炭素数4で先に示した化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造である。
303は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR303aである。
303aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
303zは、OH、ハロゲン原子、ONaまたはOKである。
次に、化学式(301)に示すモノマーユニットを含むポリマーと化学式(303)で示すスルホン酸基を有するカルボン酸化合物との縮合反応について詳しく述べる。
カルボキシル基とアミノ基の縮合には、縮合剤を用いる方法、塩を形成し脱水反応により縮合を行う方法、脱水剤を用いる方法など、いずれも利用が可能である。
脱水剤の一例としては、カルボジイミドを用いることができる。例えば、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩等を用いることが出来る。
縮合剤の一例としては、リン酸系縮合剤を用いることができる。特に亜リン酸エステル系の縮合剤を用いることが好ましい。例えば、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル等を用いることが出来る。その中でも亜リン酸トリフェニルが好ましく用いられる。縮合剤の使用量は、化学式(301)もしくは(303)に示す化合物に対して、0.1倍モル以上、好ましくは、等倍モル以上の範囲である。また、縮合剤そのものを反応溶媒として用いることもできる。反応にはピリジンもしくはピリジン誘導体を同時に用いることが好ましい。例えばピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジン等を用いることが出来る。ピリジンもしくはその誘導体の使用量は、化学式(303)に示す化合物に対して等モル量以上である。また、ピリジンまたはその誘導体そのものを反応溶媒として用いることもできる。
この方法に用いられる化学式(303)に示す化合物の使用量は、出発原料として用いる化学式(301)に示すモノマーユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。
縮合反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。
反応時間は、例えば、1〜48時間の範囲である。ここで得られた化学式(1)に示すモノマーユニットを有するポリマーは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、ポリマーが不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、透析する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法を用いることができる。
(化学式(301)に示すユニットを含むポリマーの製造方法)
化学式(301)で表されるアミノ基を有するポリマーは、以下の方法で製造することが出来る。
例えば、ポリアクリロニトリルやポリアクリルアミドのように、CN基やCONH2を有するポリマーを水素添加触媒の存在下で水素を添加する方法により、上記の目的とするポリマーを得ることができる。あるいは、ポリアクリロニトリルやポリアクリルアミドをDMF、DMSO等の溶媒に溶解し、触媒としてラネーニッケル、水素化アルミニウムリチウムやナトリウムメチラート等の金属アルコラートを用いて還元する方法を採ることもできる。
4-ビニルアニリンやアリルアミンを重合する方法も用いることが出来る。例えばアリルアミンを重合する方法としては、例えば、アリルアミンを塩酸塩等にした後、レドックス系開始剤またはラジカル重合開始剤、例えば過酸化ベンゾイル(BPO)やアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等を開始剤として用いて重合する。この際、アリルアミンを単独で重合しても、化学式(101)で示されるようなビニル系モノマーと共重合してもよい。ビニル系モノマーとして、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン不飽和モノオレフィン類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル酸、α-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、アクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
ポリアクリルアミドやアクリルアミドと、メタクリルアミド、アクリル酸の低級アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−不飽和化合物との共重合体を、ホフマン転位させる方法も利用できる。更に、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルホルムアミドまたはN−ビニルアセトアミドを重合させた後、加水分解する等の方法でも先に述べた目的とするポリマーを得ることができる。この際、化学式(101)で示されるようなビニル系モノマーと共重合してもよい。ビニル系モノマーとして、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン不飽和モノオレフィン類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル酸、α-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、アクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
重合方法としては、ラジカル重合、イオン重合が挙げられ、また、分子量分布制御や構造制御を目的とするリビング重合を用いることも出来る。工業的にはラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤の使用、放射線、レーザー光等の光の照射、光重合開始剤と光の照射との併用、加熱などにより行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、ラジカルを発生し、ビニル重合反応を開始させることが出来るものであれば良く、熱、光、放射線、酸化還元化学反応などの作用によってラジカルを発生する化合物から選ばれる。例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤などが挙げられる。より具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸エステル、次亜硝酸エステル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系等のレドックス重合開始剤などが挙げられる。これらの中で、特にAIBN、BPOが好適に用いられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、2種以上が併用されてもよい。
重合温度は、ラジカル重合反応の種類により好適な範囲は異なり、特に制限されるものではないが、−30〜120℃の温度で重合することが一般的であり、より好ましい温度範囲は、0〜100℃である。重合方法としては、従来公知の方法が採用可能であり、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が好適に用いられる。
(化学式(303)に示す化合物)
本発明に用いる化学式(303)に示す化合物としては、更に、A303が炭素数1〜3、または炭素数5〜18の直鎖もしくは分岐アルキレン基、炭素数4で先に示した化学式(950)に示す直鎖もしくは分岐アルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基、または、置換もしくは未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造を表す化合物が好ましい。A303が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。
303が炭素数1〜3、または炭素数5〜18の直鎖もしくは分岐アルキレン基、炭素数4で先に示した化学式(950)に示す直鎖もしくは分岐アルキレン基の化合物としての例を以下にあげる。
例えば、2-methyl-2-sulfo-octadecanoic acid、Sulfoethanoic Acidやそのアルカリ金属塩である。
303が、置換もしくは未置換のフェニル基の場合は化学式(26)で表される。
Figure 2008260890
(式中、R26b 、R26c 、R26d、R26e及びR26fはそれぞれ独立して、SO226(R26はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR26a である。R26a は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造を表す。)、水素原子、置換基として炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基またはクロロ基であり、式中、R26b、R26c、R26d、R26e及びR26fの少なくとも1つはSO226である。)
化学式(26)で示される化合物としては、2-スルホ安息香酸(2-sulfo-benzezoic acid)、5-メトキシ-2-スルホ安息香酸(5-methoxy-2-sulfo-benzoic acid)等の各種スルホ安息香酸と、そのカルボン酸部分の誘導体、スルホン酸部分の誘導体が挙げられる。
303が置換もしくは未置換のナフチル基の場合は、化学式(27a)や(27b)で表される。
Figure 2008260890
式中、R27b、R27c、R27d、R27e、R27f、R27g及びR27hはそれぞれ独立して、SO227w(R27wはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR27xである。R27xは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。)、水素原子、置換基として炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、クロロ基、水酸基であり、である。R27b、R27c、R27d、R27e、R27f、R27g及びR27hの少なくとも1つはそれぞれ独立してSO227wである。
Figure 2008260890
式中、R27i、R27j、R27k、R27l、R27m、R27n及びR27pはそれぞれ独立してSO227y(R27yはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR27z である。R27z は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。)、水素原子、置換基として炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、クロロ基、水酸基であり、R27i、R27j、R27k、R27l、R27m、R27n及びR27pの少なくとも1つはSO227yである。
前記化学式(27a)または(27b)で示される化合物としては、3-ヒドロキシ-7-スルホ-2-ナフタレンカルボン酸ナトリウム(3-hydRoxy-7-sulfo-2-NaphthalenecaRboxylic acid monosodium salt)等の各種スルホナフタレンカルボン酸とそのカルボン酸誘導体、スルホン酸誘導体が挙げられる。
303が置換もしくは未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造の場合は,ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などが挙げられる。
(化学式(304)に示すユニットを含むポリマーのエステル化)
ポリマーの製造方法の別の一例として、特にスルホン酸エステルを含むポリマーを得る場合、化学式(304)で示すモノマーユニットを含むポリマーにエステル化剤を用いてエステル化を行う方法もある。この場合、化学式(306)に示すユニットを含むポリマーが得られる。
Figure 2008260890
式中、R304w及びR304Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、もしくは水素原子である。R304yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p304及びq304は、それぞれ独立して1もしくは0である。
Z304a及びZ304bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A304は、置換もしくは未置換の芳香族環構造;置換もしくは未置換の複素環構造;置換基を有する脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数1から3、または炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;または未置換であり炭素数4で先に挙げた化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造である。
304は、OH、ハロゲン原子、ONaまたはOKである。
Figure 2008260890
式中、R306w及びR306Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、もしくは水素原子である。R306yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
p306及びq306は、それぞれ独立して1もしくは0である。
Z306a及びZ306bは、それぞれ独立して置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
A306は、置換もしくは未置換の芳香族環構造;置換もしくは未置換の複素環構造;置換基を有する脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数1から3、または炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;または未置換であり炭素数4で先に挙げた化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造である。
306は、OR306aである。
306aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
前記化学式(306)に示すユニットを含むポリマーの製造方法における、エステル化剤としてはトリメチルシリルジアゾメタン、オルトギ酸トリメチルまたはオルトギ酸トリエチルを用いることができる。
(トナーへの応用)
本発明に係るポリマーの用途として、静電荷像現像用トナーおよびそれを用いた画像形成プロセスへの応用が挙げられる。具体的には、トナーに内添もしくは外添される荷電制御剤として利用可能である。すなわち、本発明は上記のポリマーを含有してなる荷電制御剤であり、さらには該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像用トナーである。なお、静電荷像現像用トナー組成中へ用いる荷電制御剤として、例えば化学式(1)に示すポリマー化合物を用いることにより、帯電特性に優れ、かつトナー樹脂中への該化合物の分散性及びスペント性が良好なものを提供することができる。また、本発明に係るポリマーを用いれば、画像形成装置による出力時においても、画像カブリの発生が低減され、かつ、転写性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することが可能となる。更にまた、本発明に係るポリマーを用いた荷電制御剤は、無色とする、あるいはその着色度を弱くすることができる為、荷電制御剤に影響されずカラートナーに要求される色相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能である。無色あるいは着色性の弱い荷電制御剤は、染料あるいは顔料が有する本来の色相を阻害し難く、好ましいものである。
(荷電制御剤としての使用)
本発明に係るポリマーを荷電制御剤として用いる場合は、前記化学式(1)に示すモノマーユニットのように、側鎖にスルホン酸基あるいはその誘導体を含む構造を有していることが好ましい。これらアニオン性あるいは電子吸引性の官能基を有するユニットの存在は、優れた負帯電性を示す。本発明に係るポリマーは、トナーのバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル系のバインダー樹脂に対する相溶性がきわめて良好である。本発明のポリマーを含有するトナーは、比帯電量が高く、その経時安定性も良好である。そのため、トナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与え、また、無色あるいは着色はきわめて薄く、良好な負帯電性能を有するため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナー何れについても製出することが出来る。さらに、本発明のポリマーを構成するモノマーユニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広い相溶性の制御が可能である。ここで、荷電制御剤がトナーバインダー中でミクロ相分離構造をとるよう樹脂組成を選択すると、トナーの電気的連続性が生じないため安定に電荷を保持することが可能となる。
(本発明に係るポリマーのトナーへの添加)
本発明において、上記したポリマーからなる荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法がある。内添する場合の添加量は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤が通常 0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜20質量%の範囲で使用するのがより好ましい。0.1質量%よりも少ないと、トナーの帯電性における改良の度合いが顕著にみられない場合がある。一方、50質量%を超えると、経済的な観点から好ましくない場合がある。また、外添する場合には、トナーバインダーと荷電制御剤の質量割合は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤0.01〜5質量%とすることが好ましく、特に、メカノケミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。
本発明のポリマーの分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。また、荷電制御剤として用いる場合、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1〜10の範囲内にある上記ポリマーを使用することが好ましい。
また、本発明のポリマーが形成する不連続なドメインの粒径を小さくする目的で、本発明のポリマーに対して相溶性を有しかつトナーバインダーに対しても相溶性を有する重合体を相溶化剤として含有させることもできる。相溶化剤としては、本発明のポリマーと親和性のある重合鎖(A)と、トナーバインダーと親和性のある重合鎖(B)がグラフト状またはブロック状に結合した重合体などが挙げられる。重合鎖(A)としは、本発明のポリマーの構成単量体と同じ、あるいは同様の性質を与える構造を有する単量体からのモノマーユニットを50モル%以上含有する重合体鎖が好適に利用できる。重合鎖(B)としては、トナーバインダーの構成単量体と同じ、あるいは同様の性質を与える構造を有する単量体からのモノマーユニットを50モル%以上含有する重合体鎖が好適に利用できる。相溶化剤の使用量は本発明のポリマーに対して、通常30質量%以下であり、好ましくは1〜10質量%である。
本発明に係るトナーには、一般的な熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として用いることができる。例えば、ポリスチレン等を挙げることができる。また、本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を製造する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン等が挙げられる。また、本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
本発明の荷電制御剤以外にも、従来使用されている荷電制御剤を本発明の荷電制御剤とともにトナー組成物中に利用することも可能である。
本発明の静電荷像現像用トナーに用い得る着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。更に、染料と顔料とを併用した方が、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。通常、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂等である。
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。また、トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、無機粉体を添加することも好ましい。例えば酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。更に、テフロンなど滑剤粉末をトナーに添加してもよい。これらは必要に応じて2種以上を併用することができる。
(キャリアについて)
本発明の静電荷像現像用トナーは従来公知の種々のトナーシステムに適用することができる。例えば、静電荷像現像用トナーは単独で非磁性一成分現像剤として用いることができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等として用いることができる。
(磁性トナーについて)
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中に含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは 0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂 100質量部に対し 20〜200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して40〜150質量部とすることが好ましい。
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要がある。そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4μm〜9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II型或いはコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)等を用いた。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10〜−80μC/g、より好ましくは−15〜−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
本発明において使用した二成分法による帯電量の測定法を以下に示す。測定には、図1に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、キャリアとしてのEFV200/300(パウダーテック社製)9.5gに対して、測定対象のトナー 0.5gを加えた混合物を調製する。この混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図1に示した帯電量測定装置41の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行なって、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤かりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。
計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1-W2)
これらの操作は一定の環境下(例えば、一定の温度及び湿度条件下:例えば、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH))で行われる。
(バインダー樹脂の分子量測定方法と分子量分布)
また、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料として用いられるバインダー樹脂としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによる分子量分布において、低分子量領域におけるピークが 3,000〜15,000の範囲にあるようにすることが好ましい。即ち、低分子量領域におけるGPCピークが15,000を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難くなる場合がある。また、低分子量領域におけるGPCピークが3000未満のバインダー樹脂を用いると、表面処理時に融着を生じ易くなるので、好ましくない。
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法は、以下のように行なう。予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて 20時間抽出を行なったサンプルを測定用に用いる。カラム構成は、昭和電工製A-801、802、803、804、805、806、807 を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。
本発明者らは、上記説明したポリマーが、荷電制御剤としてきわめて優れた特性を有することを見出している。これを後述する実施例において示す。
まず、実施例Z−1、Z−2と、A−1からL−2により、本発明によるポリマーとその製造方法、及びそれに用いる化合物について説明する。その後、実施例1から34により、比較例を用いながら本発明に係るポリマー等の有用性を示す。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
以下の実験において、得られた化合物の構造決定は、NMRを用いた分析により行なう。具体的には、以下の測定を行った。
1H−NMR(FT−NMR:BRukeR DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;測定温度:室温)
・フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)
また、1H−NMR測定は、特に明記しない場合は、重アセトンを用いて、測定を行った。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソー、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBR 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。酸価滴定については、電位差滴定装置AT510(京都電子製)を用いた。
以下、実施例Z−1、Z−2にアミノ基を有するポリマーの作成方法を記す。
<実施例Z−1>
特開平11-323098号公報を参考に、窒素下、モノマーとして4-アミノスチレンとスチレン、開始剤としてAIBN(2,2-アゾビスイソブチロニトリル)、溶媒としてトルエンを用い、90℃で3時間溶液重合を行った。1H−NMR測定を行い反応の進行を確認、化学式(Z−1)で表されるポリマーであることが確認された。
Figure 2008260890
<実施例Z−2>
J. Am. Chem. Soc, 1976, 98, 5996-6000を参考に、N-ビニルアセトアミドを重合させた後、塩酸処理を行うことによりアセチル基を取り除き、ポリアミンを得た。FT-IR測定よりアミノ基由来のピークが見られたことから、化学式(Z-2)で表されるポリマーであることが確認された。
Figure 2008260890
<実施例A−1>
窒素雰囲気下、以下の成分を300ml三口フラスコに入れ、水200ml加えて室温で6時間攪拌した。
・日東紡績(株)製ポリアリルアミン(製品名:PAA-15)3.00g
・2−スルホ安息香酸10.48g
・1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)14.86g
反応終了後、水を留去した。次に、新たに水150ml加え、透析外液を水とした透析を行った。透析後生成物を回収し、9.50gが得られた。FT-IR測定より、アミド基由来のピークが見られたことから、得られたポリマーは、化学式(A−1)で表されるポリマーであることが確認された。
Figure 2008260890
スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物A−1として、トナー調製ならびに評価に供した。
<実施例B−1〜L−1>
実施例A−1と同様に、アミノ基を有するポリマーを原料として用いた。使用するアミノスルホン酸、ポリマー使用量、アミノスルホン酸使用量、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDC)使用量、溶媒使用量は、表1−1に示した。ただし、溶媒については、実施例B−1〜D−1とI−1〜L−1については水を、実施例E−1からH−1に関してはクロロホルムを用いた。
Figure 2008260890
これらのポリマーは、スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物B−1〜L−1として、トナー調製ならびに評価に供した。
<実施例A−2>
実施例A−1で得られたポリマー1.00gを200mLナスフラスコ中に入れて、クロロホルム60ml、メタノール15mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これにエステル化剤として、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(AldRich社製)16mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム60ml、メタノール15mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この再溶解、溶媒留去の操作を3回繰り返した。酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。このことから、得られたポリマーは、化学式(A−2)で表されるポリマーであることが確認された。1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られたことから、得られたポリマーは、化学式(A−2)で表されるポリマーであることが確認された。
Figure 2008260890
スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物A−2として、トナー調製ならびに評価に供した。
<実施例B−2、D−2、E−2、F−2、H−2、I−2、J−2、L−2>
実施例A−2の作製に実施例A−1で作製したポリマーを用いたのと同様に、それぞれ実施例B−1、D−1、E−1、F−1、H−1、I−1、J−1及びL−1の各々においてで作製したスルホン酸基を有するポリマーを原料として用いた。使用するポリマー使用量、エステル化剤使用量、溶媒使用量は、表1−2に示した。
Figure 2008260890
これらのポリマーは、スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物B−2、D−2、E−2、F−2、H−2、I−2、J−2及びL−2として、トナー調製ならびに評価に供した。
(実施例1)
先ず、高速撹拌装置TK-ホモミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し、回転数を 10,000 Rpmに調整し、60℃に加温した。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。一方、下記組成をボールミルで3時間分散させた後、離型剤(カルナバワックス、融点83℃)10質量部と、重合開始剤である2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン単量体:82質量部
・エチルヘキシルアクリレート単量体:18質量部
・ジビニルベンゼン単量体:0.1質量部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー 15):6質量部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量 3200、酸価 8):5質量部
・例示化合物F-2:2質量部
次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製した水系分散媒体中に投入し、回転数10,000 Rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させて重合反応を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解した後、濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得た。得られた青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平均粒径7.5μmで、微粉量(個数分布における 3.17μm以下の粒子の存在割合)は 5.5個数%であった。
上記で調製した青色重合粒子(1)の100質量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET: 270m2/g)1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添し、本実施例の青色トナー(1)とした。更に、この青色トナー(1) 7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径: 45μm) 93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製した。
(実施例2〜4)
例示化合物F−2をそれぞれ例示化合物A−1、L−1及びI−2の各々とした以外は実施例1と同様の方法により、実施例2〜4の青色トナー(2)〜(4)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2-1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、実施例2〜4の2成分系青色現像剤(2)〜(4)を得た。
(比較例1)
例示化合物を使用しない点以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の青色トナー(5)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2-1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例1の2成分系青色現像剤(5)を得た。
<評価>
実施例1で得られた2成分系青色現像剤(1)〜(4)および比較例1で得られた2成分系青色現像剤(5)について、帯電量を測定した。帯電量は、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量として測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表2-1にまとめて示した。
[帯電性]
A:非常に良好(-20.0μC/g 以下)
B:良好(-20.0を超えて-10.0μC/g以下)
C:実用可(-10.0を超えて-5.0μC/g以下)
D:実用不可(-5.0μC/g より大)
(実施例5〜8)
例示化合物C−1、B−1、L−2及びE−2をそれぞれ 2.0質量部を用い、シアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5〜8のイエロー(黄色)トナー(1)〜(4)を得た。これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表6に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)〜(4)を得た。
(比較例2)
例示化合物を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例2のイエロー(黄色)トナー(5)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2-1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例2の2成分系イエロー(黄色)現像剤(5)を得た。
<評価>
上記実施例5〜8で得られた2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)〜(4)と、比較例2で得られた2成分系イエロー(黄色)現像剤(5)について、実施例1と同様にトナーの帯電量を測定し、評価した。その結果を表2−1にまとめて示した。
(実施例9〜12)
例示化合物H−1、B−2、I−1及びE−2をそれぞれ 2.0質量部使用し、シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する。それ以外は、実施例1と同様の方法により実施例9〜12の黒色トナー(1)〜(4)を得た。
これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系黒色現像剤(1)〜(4)を得た。
(比較例3)
例示化合物を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110mL / 100g)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の黒色トナー(5)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例3の2成分系黒色現像剤(5)を得た。
<評価>
上記実施例9〜12で得られた2成分系黒色現像剤(1)〜(4)と、比較例3で得られた2成分系黒色現像剤(5)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価した。その結果を表2−1にまとめて示した。
(実施例13)
・スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度 70℃:100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 114):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物J−1:2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D= 30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得た。このマゼンタ着色粒子(1)の粒度は、重量平均粒径 7.3μm、微粉量は 5.0個数%であった。このマゼンタ着色粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET: 250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタ(赤色)トナー(1)を得た。更に、得られたマゼンタ(赤色)トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径: 45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)を調製した。
(実施例14〜16)
例示化合物J−1をそれぞれ例示化合物A−2、H−2及びG−1の各々とした以外は実施例13と同様の方法により、実施例14〜16のマゼンタ(赤色)トナー(2)〜(4)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例13と同様にして、実施例14〜16の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(2)〜(4)を得た。
(比較例4)
例示化合物を使用しない点以外は実施例13と同様の方法により、比較例4のマゼンタ(赤色)トナー(5)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例13と同様にして、比較例4の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(5)を得た。
<評価>
上記実施例14〜16で得られた2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)〜(4)と、比較例4で得られた2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(5)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価した。その結果を表2−1にまとめて示した。
(実施例17〜20)
例示化合物A−2、J−2、D−1及びE−1をそれぞれ 2.0質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110mL / 100g)を使用する。それ以外は、実施例13と同様の方法により、実施例17〜20の黒色トナー(6)〜(9)を得た。
これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例13と同様にして、2成分系黒色現像剤(6)〜(9)を得た。
(比較例5)
例示化合物を使用しない点およびマゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110mL / 100g)を使用する点以外は実施例13と同様の方法により、比較例5の黒色トナー(10)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例13と同様にして、比較例5の2成分系黒色現像剤(10)を得た。
<評価>
上記実施例17〜20で得られた2成分系黒色現像剤(6)〜(9)と、比較例5で得られた2成分系黒色現像剤(10)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価した。その結果を表2−1にまとめて示した。
(実施例21)
・ポリエステル樹脂:100質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量 110mL/100g):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物I−2:2質量部
ポリエステル樹脂は次のようにして合成した。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 751部、テレフタル酸 104部および無水トリメリット酸 167部を、ジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、軟化点 125℃のポリエステル樹脂を得た。
次に、上記組成で各成分を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(11)を得た。この黒色着色粒子(11)の粒度は、重量平均粒径 7.4μm、微粉量は 5.2個数%であった。この黒色着色粒子(11)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET: 250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例の黒色トナー(11)を得た。更に、得られた黒色トナー(11)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径: 45μm) 93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系黒色現像剤(11)を調製した。
(実施例22〜24)
例示化合物I−2をそれぞれ例示化合物F−1、D−2及びK−1の各々とした以外は実施例21と同様の方法により、実施例22〜24の黒色トナー(12)〜(14)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例21と同様にして、実施例22〜24の2成分系黒色現像剤(12)〜(14)を得た。(比較例6)
例示化合物を使用しない点以外は実施例21と同様の方法により、比較例6の黒色トナー(15)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示した。また、これを用いて実施例21と同様にして、比較例6の2成分系黒色現像剤(15)を得た。
<評価>
上記実施例21〜24で得られた2成分系黒色現像剤(11)〜(14)と、比較例6で得られた2成分系黒色現像剤(15)について、実施例1と同様にトナーの帯電量を測定し、評価した。その結果を表2−1にまとめて示した。
Figure 2008260890
(実施例25〜実施例30および比較例7〜比較例12)
実施例25〜実施例30および比較例7〜比較例12では、LBP5500(キヤノン社製)を改造して評価に使用した。その際、現像剤として、実施例1、5、9、13、17,21および比較例1〜6で得た、シアントナー、イエロートナー、マゼンタトナー又はブラックトナーでトナー画像を形成した。
<評価>
以上の条件で、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度になるようにLBP5500を改造し、プリントを行った。実施例1、5、9、13、17及び21のトナーと、比較例1〜6のトナーをそれぞれ使用し、逐次補給しながら試験を行った。すなわち、単色での間欠モード(即ち、一枚プリントアウトする毎に 10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行なった。得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果を表2−2にまとめて示した。
[プリントアウト画像評価]
1.画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が 0.00 の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
A:優(終了時の画像濃度が 1.40以上)
B:良(終了時の画像濃度が 1.35以上 1.40未満)
C:可(終了時の画像濃度が 1.00以上 1.35未満)
D:不可(終了時の画像濃度が 1.00未満)
2.画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD 社製 REFLECTOMETER MODEL TC-6DS)を用いて測定した。すなわち、プリント後の白地部反射濃度の最低値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDRとし、これらの値から(Ds-DR)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
A:非常に良好(カブリ量が0%以上 1.5%未満)
B:良好(カブリ量が 1.5%以上 3.0%未満)
C:実用可(カブリ量が 3.0%以上 5.0%未満)
D:実用不可(カブリ量が 5.0%以上)
3.転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
A: 非常に良好(殆ど発生せず)
B: 良好(軽微)
C: 実用可
D: 実用不可
また、実施例25〜実施例30および比較例7〜比較例12で、5000枚画像出力を行なったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(LBP5500とのマッチング)を目視で評価した。その結果、実施例25〜実施例30のトナーを使用した系では、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、LBP5500とのマッチングが非常に良好であった。一方、比較例7〜12のトナーを使用した系では、いずれも感光ドラム表面にトナーの固着が認められた。更に、比較例7〜12 のトナーを使用した系では、中間転写体表面上にトナーの固着と表面傷が確認でき、画像上にも縦スジ状の画像欠陥を生じるといった、LBP5500とのマッチングにおいて問題を生じた。
Figure 2008260890
(実施例31〜実施例33、比較例13〜比較例15)
実施例31〜実施例33、比較例13〜比較例15の実施にあたっては、現像剤として、実施例1、5、9および比較例1〜3で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段として LBP5500にリユース機構(回収トナーを利用するシステム)を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度でトナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で3万枚までプリントアウトを行なう。
得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。又、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。又、同時に、耐久試験後におけるLBP5500を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表2−3にまとめて示した。
[耐久時の画像濃度推移]
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が 0.00 の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
A:優(終了時の画像濃度が 1.40以上)
B:良(終了時の画像濃度が 1.35以上 1.40未満)
C:可(終了時の画像濃度が 1.00以上 1.35未満)
D:不可(終了時の画像濃度が 1.00未満)
[画像カブリ]
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。評価は先に記載した反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD 社製 REFLECTOMETER MODEL TC-6DS)を用いた方法により行った。
[画像形成装置マッチング評価]
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好(殆ど発生せず)
C:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
D:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
C:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
D:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好(殆ど発生せず)
C:実用可
D:実用不可
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好(殆ど発生せず)
C:実用可
D:実用不可
Figure 2008260890
(実施例34)
実施例31〜実施例33、比較例13〜比較例15で用いたLBP5500のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を 16枚(A4サイズ)/分とした以外は実施例37と同様とする。そして、実施例1の青色トナー(1)を逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行なった。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いたLBP5500とのマッチングを実施例37〜実施例39、比較例13〜比較例15 と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
本発明に係るポリマーは、例えば、電子写真技術に用いられるトナーに含有される荷電制御剤に適用できる。
トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
符号の説明
41 帯電量測定装置
42 測定容器
43 スクリーン
44 フタ
45 真空計
46 風量調節弁
47 吸引口
48 コンデンサー
49 電位計

Claims (7)

  1. 化学式(1)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマー。
    Figure 2008260890
    式中、R1w及びR1Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
    p1及びq1は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
    Z1a及びZ1bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
    A1は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
    1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。
    1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
  2. 化学式(2)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマー。
    Figure 2008260890
    式中、R2w及びR2Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、もしくは水素原子である。R2yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
    Z2a及びZ2bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
    p2、q2、A2及びR2は、下記(i)もしくは(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
    (i)p2=1かつq2=0、p2=0かつq2=1、p2=1かつq2=1のいずれかの時;
    A2は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
    2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
    2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または、置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (ii)p2=0かつq2=0の時;
    A2は以下のいずれかの条件を満たす。
    (a)置換基を有する脂肪族炭化水素構造;
    (b)未置換であり炭素数1から3、もしくは炭素数5以上の脂肪族炭化水素構造;
    (c)未置換であり炭素数4の脂肪族不飽和炭化水素構造;
    (d)未置換であり炭素数4で以下に示す化学式(950)の構造となる脂肪族飽和炭化水素構造;
    2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。
    2aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
    Figure 2008260890
  3. 化学式(3)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマー。
    Figure 2008260890
    式中、R3w及びR3Xは、それぞれ独立してハロゲン原子もしくは水素原子である。R3yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
    p3及びq3は、それぞれ独立して、1もしくは0である。
    Z3a及びZ3bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
    A3は、置換もしくは未置換のナフチレン基、あるいは置換もしくは未置換のフェニレン基である。フェニレン基の置換基は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基及びクロロ基から選択される1種以上である。
    3は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3aである。
    3aは、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
  4. 化学式(4)で示されるモノマーユニットを有することを特徴とするポリマー。
    Figure 2008260890
    式中、R4w及びR4 Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R4yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。
    Z4a及びZ4bは、それぞれ独立して、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、あるいは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造である。
    p4、q4、A4、R4は、下記(i)及び(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。
    (i)p4=1かつq4=0、p4=0かつq4=1、p4=1かつq4=1のいずれかの時
    A4は、置換もしくは未置換の炭素数1から18の脂肪族炭化水素構造である。
    4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
    4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (ii)p4=0かつq4=0の時
    A4は、炭素数1から18のアルキル基、炭素数1から18のアルコキシ基、カルボキシル基もしくはカルボン酸誘導体、スルホン酸基もしくはスルホン酸誘導体、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、チオール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、クロロ基を1個以上有する脂肪族炭化水素構造である。
    4は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aである。
    4aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
  5. 化学式(1)から(4)のいずれかに示されるモノマーユニットと、化学式(101)で示されるビニル系モノマー由来のモノマーユニットとの共重合体であることを特徴とするポリマー。
    Figure 2008260890
    式中、R101w及びR101xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R101yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R101Zは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、シアノ基、−CO−R101a、−O−R101b、−COO−R101c、−OCO−R101d、−CONR101e101f、またはN原子を含む環構造のいずれかである。R101a、R101b、R101c、R101d、R101e及びR101fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、あるいは置換もしくは未置換の複素環構造である。
  6. 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤において、請求項1から5のいずれかに記載のポリマーの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする荷電制御剤。
  7. 静電荷像現像トナーにおいて、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、請求項6に記載の荷電制御剤を含有することを特徴とする静電荷像現像トナー。
JP2007106138A 2007-04-13 2007-04-13 アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー Pending JP2008260890A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106138A JP2008260890A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106138A JP2008260890A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008260890A true JP2008260890A (ja) 2008-10-30

Family

ID=39983613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007106138A Pending JP2008260890A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008260890A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009215468A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Fujifilm Corp 顔料組成物、インク組成物、印刷物、インクジェット記録方法、及びポリアリルアミン誘導体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009215468A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Fujifilm Corp 顔料組成物、インク組成物、印刷物、インクジェット記録方法、及びポリアリルアミン誘導体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100989499B1 (ko) 술폰산기 또는 술폰산 에스테르기와 아미드기를 갖는중합체 및 이 중합체를 갖는 정전하 잠상 현상용 토너
JP5188539B2 (ja) スルホン酸基と、アミド基を有するポリマーを含む荷電制御剤、それを用いた静電荷像現像用トナー、画像形成方法および画像形成装置
JP5658550B2 (ja) トナー
JP5241939B2 (ja) トナー
JP5541673B2 (ja) トナー
US7399568B2 (en) Carrier for electrophotographic developer
JP5014482B2 (ja) トナー用樹脂及びトナー
US20070117945A1 (en) Novel polymer, charge control agent, and toner for developing electrostatic latent images
JP2009042617A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP2017173813A (ja) トナー及びトナーの製造方法
JP5159087B2 (ja) 荷電制御剤、及び静電荷像現像トナー
JP5995671B2 (ja) トナー
JP5541675B2 (ja) トナー
JP4996060B2 (ja) スルホン酸エステル基と、アミド基を有するポリマーを含む荷電制御剤、それを用いた静電荷像現像用トナー、画像形成方法および画像形成装置
JP2007154177A (ja) ポリマー、荷電制御剤、及び静電荷像現像トナー
JP2007156457A (ja) 荷電制御剤、及び静電荷現像用トナー
JP5541674B2 (ja) トナー
JP2014098839A (ja) トナー
JP2008260890A (ja) アミド基と、スルホン酸基もしくはその誘導体を有するポリマー及び荷電制御剤およびトナー
JP5995672B2 (ja) トナー
JP5328097B2 (ja) スルホン酸基又はスルホン酸エステル基と、アミド基とを有するポリマー、及び該ポリマーを有する静電荷像現像トナー
JP4026530B2 (ja) 画像形成方法
JP5920099B2 (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
CN110945438B (zh) 静电图像显影用调色剂
JP2006039532A (ja) 電子写真現像剤用キャリア