JP2007156457A - 荷電制御剤、及び静電荷現像用トナー - Google Patents

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昌人 南
Shige Fukui
樹 福井
Tsugiko Kusakari
亜子 草刈
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Chieko Mihara
知恵子 三原
Takashi Kenmoku
敬 見目
Norikazu Fujimoto
則和 藤本
Atsushi Tani
篤 谷
Takeshi Ikeda
武志 池田
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Abstract

【課題】優れた帯電特性を有する新規な荷電制御剤を提供する。
【解決手段】共重合体を含み構成される荷電制御剤であって、該共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)が、1.00<Mw/Mn<2.00であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー及びキャリア、スリーブ等の電子写真用摩擦帯電部材に関するものである。
スルホン酸基のように親水基を有する高分子は、様々な用途への応用が期待される。そして、このスルホン酸基を含有するポリマーの合成は、一般に、スルホン酸官能基を含有する特定のビニルモノマーを使用するものに限られている。具体的なモノマーの例としては、スルホン化スチレン、あるいはAMPS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)が挙げられる。
例えば、特許文献1には、スチレンスルホン酸塩と、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体からなる電荷制御剤、およびこれを用いた電子写真用負帯電トナーが開示されている。
特許第2979222号公報
しかしながら、帯電特性の更なる向上が求められている。
そこで、本発明者らは、優れた帯電特性を有する新規な荷電制御剤の開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示すような発明に至った。
第1の本発明に係る荷電制御剤は、共重合体を含み構成される荷電制御剤であって、該共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)が、1.00<Mw/Mn<2.00であることを特徴とする。
ここで、前記共重合体が有するユニットの少なくとも1種には、酸基または酸エステル基を含むことも好ましい。前記酸基または酸エステル基は、例えばスルホン酸基またはスルホン酸エステル基である。
また、第2の本発明に係る静電荷現像用トナーは、以下の特徴を有する。
すなわち、バインダー樹脂からなる粉粒体と、前記荷電制御剤とを含み、該荷電制御剤に含まれる前記共重合体は、該バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットと、帯電性官能基を有するユニットとを有することを特徴とする。
本発明により、バラツキの少ない帯電特性を有する荷電制御剤が提供される。また、本発明の荷電制御剤の分子量分布は、従来の荷電制御剤のそれよりも狭く、トナーの帯電のバラツキを抑制することができる。
本発明は、共重合体を含み構成される荷電制御剤であって、該共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)が、1.00<Mw/Mn<2.00であることを特徴とする。
かかる共重合体は、後述する化学式(1)で示されるユニットを含むことが好ましい。
また、本発明の荷電制御剤に含まれる共重合体の分子量分布は、1.00<Mw/Mn≦1.50が好ましく、更には、1.00<Mw/Mn≦1.30がより好ましい。即ち、荷電制御剤のMw/Mnが1に近い程、分子量分布が狭くなることからトナーの帯電が均一化し、帯電のバラツキを抑制するのに効果的である。
このような本発明に係る荷電制御剤に含まれる共重合体は、リビング重合を用いて目的に応じた2種以上のモノマーを共重合することにより得ることができる。
この共重合体は、使用したモノマー由来の繰り返し単位構造(ユニット)を有するものとなる。本発明に係る荷電制御剤に含まれる共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
即ち、通常のラジカル重合で得られるポリマーのMw/Mnは、不均化停止または連鎖移動が優先する場合において2.00より小さくならず、再結合が優先する場合で1.5より小さくならない。従って、1.00<Mw/Mn<2.00のポリマーを得るには、リビング重合を使用することが望ましい。すなわち、本発明においては、分子量分布が、1より大きく、2未満の範囲にあるのが望ましい。2以上では、荷電制御剤としての帯電量のバラツキが大きくなる。
リビング重合として、リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合等を使用することができるが、その中でもリビングラジカル重合は操作が簡便であり、有用である。
リビングラジカル重合として、例えば、原子移動ラジカル重合やニトロキシド媒介重合を使用することができる。リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である場合について説明する。
原子移動ラジカル重合は、例えば、ハロゲン化銅−ビピリジル錯体を用いると、ポリマー鎖末端の速やかな移動反応により分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。原子移動ラジカル重合は、銅錯体が生長末端から可逆的にハロゲン原子を引き抜くことにより反応が進行する。原子移動ラジカル重合における反応制御の要因としては、リガンド、開始剤の種類、触媒濃度、反応温度、反応時間、濃度などが挙げられる。これらの条件を最適化し、反応を制御することによって、分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。
重合性モノマー、開始種、遷移金属錯体を反応溶媒に加え、反応系を不活性ガスで置換して原子移動ラジカル重合を行う。
反応溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジン等を使用することができる。
重合に際しては、不活性ガスとして窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
使用する遷移金属錯体はハロゲン化金属とリガンドからなる。ハロゲン化金属の金属種としては、原子番号22番のTiから30番のZnまでの遷移金属が好ましく、更に、Fe、Co、Ni、Cuが好ましい。その中でも、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
リガンドとしては、ハロゲン化金属に配位可能であれば特に限定されないが、例えば、2,2'−ビピリジルを使用することができる。
遷移金属錯体の添加量は、重合性モノマーに対して0.001から10重量%、好ましくは0.05から5重量%である。
重合温度は、40から100℃の範囲であり、好ましくは、50から80℃の範囲である。重合温度が40℃未満では、形成される高分子鎖が低分子量となるか、あるいは重合が進行し難いので好ましくない。
次に、リビングラジカル重合がニトロキシド媒介重合である場合について説明する。
ニトロキシルラジカルの一つである2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TEMPO)は不対電子が非局在化する為、結合して低い解離エネルギーを与えるラジカルとは結合しにくい。この性質を利用して、過酸化ベンゾイル(BPO)やアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤とし、ニトロキシルラジカルを用いたニトロキシド媒介重合によって分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。
重合性モノマー、開始剤、ニトロキシルラジカルを反応溶媒に加え、反応系を不活性ガスで置換してニトロキシド媒介重合を行う。ニトロキシルラジカルとしては、例えば、以下に記載のものを使用することができる。
Figure 2007156457
反応溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジフェニルエーテル等を使用することができる
重合に際しては、不活性ガスとして窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
重合温度は、50から150℃の範囲であり、好ましくは、60から120℃の範囲である。重合温度が50℃未満では、得られるポリマーの分子量が低分子量であったり、あるいは重合が進行し難いことがある。
本発明に係る荷電制御剤は、バインダー樹脂からなる粉粒体を含む静電荷現像用トナーに添加する荷電制御剤として好適である。この場合、本発明に係る荷電制御剤は、バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットと帯電性官能基を有するユニットとを有する共重合体を含み構成されることが好ましい。このような共重合体は、前述のようなリビング重合を用いて、バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットを形成するためのモノマーと、帯電性官能基を有するユニットを形成するためのモノマーと、を共重合することにより得ることができる。
前記共重合体において、バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットと帯電性官能基を有するユニットの組成比(モル比)は、99.9:0.1から10:90が好ましく、更には、99:1から51:49がより好ましい。
本発明に係る荷電制御剤において、化学式(1)で示されるユニットを含む共重合体を使用することができる。
Figure 2007156457
式中、Rは−A1−SO21を表す。R1w、R1xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R1はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表す。A1、R1aはそれぞれ独立して置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。
本発明に係る荷電制御剤において、バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットとして、化学式(2)で示されるユニットを含む共重合体を使用することができる。
バインダー樹脂とは、トナーを構成する必須成分であり、具体例を後述している。前記ユニットがバインダー樹脂に対して相溶性があるとは、互いに相分離することなく、分散性に優れることを意味する。化学式(2)で示されるユニットとバインダー樹脂の組み合わせとして、例えば、化学式(2)で示されるユニットがスチレンである樹脂の場合、バインダー樹脂もまたスチレンをユニットに持つ樹脂が好ましい。
Figure 2007156457
式中、R2w、R2xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R2yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R2は、水素原子、脂肪族炭化水素構造、芳香族環構造、複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R2a、−O−R2b、−COO−R2c、−OCO−R2d、−CONR2e2f、−CN、またはN原子を含む環構造を表す。脂肪族炭化水素構造、芳香族環構造、複素環構造は、置換されていても未置換でも良い。R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。
本発明に係る荷電制御剤において、化学式(2)で示されるユニットに相当するを形成するためのビニル系モノマーとして、次のようなモノマーが例示される。例えば、スチレン及びその誘導体、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N-ビニル化合物、アクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
化学式(1)で示されるユニットと、化学式(2)で示されるユニットからなる共重合体は、次のような方法で得ることができる。まず、化学式(2)に相当するビニル系モノマーと化学式(3)に相当するビニル系モノマーをリビングラジカル重合で共重合させることにより、化学式(2)で示されるユニットと化学式(3)で示されるユニットからなる共重合体を合成する。その後、化学式(3)で示されるユニットと化学式(4)で示される化合物とを縮合反応させることにより、目的とする、化学式(1)で示されるユニットと化学式(2)で示されるユニットからなる共重合体を得ることができる。但し、化学式(3)で示されるユニットがエステル体である場合、エステル基を脱エステル化する工程が必要である。
Figure 2007156457
式中、R3w、R3xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R3yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R3は、H原子、Na原子、K原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1から8のアルキル基を表す。
尚、化学式(3)に相当するビニル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルが挙げられる。さらに、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル等も適用できる。
Figure 2007156457
式中、R4はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4aを表す。A4、R4aはそれぞれ独立して、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。
化学式(3)で示されるユニットと化学式(4)で示されるアミノスルホン酸化合物との縮合反応について詳しく述べる。
カルボキシル基とアミノ基の縮合反応としては、縮合剤を用いる方法、塩を形成し脱水反応により縮合を行う方法、脱水剤を用いる方法など、いずれも利用が可能である。
縮合剤としては、リン酸系縮合剤を利用することが可能である。本発明の反応では、亜リン酸エステル系の縮合剤を用いることが好ましい。化学式(4)で示される化合物の具体例を以下に挙げる。
前記式(4)において、A4は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐アルキレン基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基、または、置換もしくは未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造が好ましい。A4が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。
前記A4が炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐アルキレン基の化合物である場合の具体例としては、次の化合物が挙げられる。2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)、3−アミノプロパンスルホン酸、4−アミノブタンスルホン酸、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩が挙げられる。
4が、置換または未置換のフェニル基の場合は化学式(11)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007156457
式中、R11a、R11b、R11c、R11d、R11eは、少なくとも一つはSO211fである。R11fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11hを表す。R11hは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。R11a、R11b、R11c、R11d、R11eのうちSO211fで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR11g、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基である。R11gは、H原子、Na原子、またはK原子を表す。Ph基は、フェニル基を表す。
化学式(11)で示される化合物としては、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸等の各種アミノベンゼンスルホン酸誘導体ならびにその塩が挙げられる。
さらに、2−アミノベンゼンスルホン酸メチルエステル等の各種アミノベンゼンスルホン酸誘導体、ならびにその塩のメチルエステル化物あるいはフェニルエステル化物等のエステル化物が挙げられる。
4が置換または未置換のナフチル基の場合は、化学式(12a)や(12b)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007156457
式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gは、少なくとも一つはSO212oである。R12oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR12sを表す。R12sは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gのうちSO212oで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR12p、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基、またはC37基である。R12pは、H原子、Na原子、またはK原子を表す。
Figure 2007156457
式中、R12h、R12i、R12j、R12k、R12l、R12m、R12nは、少なくとも一つはSO212qである。R12qはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR12tを表す。R12tは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。R12h、R12i、R12j、R12k、R12l、R12m、R12nのうちSO212qで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR12r、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基、またはC37基である。R12rは、H原子、Na原子、またはK原子を表す。
前記化学式(12a)または(12b)で示される化合物としては、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸、1−ナフチルアミン−5−スルホン酸等の各種ナフチルアミンスルホン酸誘導体ならびにその塩が挙げられる。さらには、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸メチルエステル等の各種ナフチルアミンスルホン酸誘導体ならびにその塩のメチルエステル化物あるいはフェニルエステル化物等のエステル化物が挙げられる。
4が置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造の場合の複素環構造は、ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などが挙げられる。
この方法に用いられる化学式(4)で示される化合物の使用量は、化学式(3)で示されるユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。この反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ピリジン等が用いられる。溶媒の使用量は、塩基の種類、反応条件等に応じて適宜定め得る。
この方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は0℃〜溶媒の沸点の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。反応時間は、例えば、1〜48時間の範囲である。
また、上記方法により合成された共重合体が、スルホン酸エステル基を有していない場合、更にエステル化剤を用いることができる。すなわち、化学式(1)で示されるユニットの中でも、スルホン酸エステルユニットを有していない場合、例えば、R1がOH、ハロゲン原子、ONa、OKである場合、更にエステル化剤を用いることができる。エステル化剤としては、トリメチルシリルジアゾメタン、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等が挙げられる。こうすることにより、化学式(1)の中でもR1がOR1aで表されるスルホン酸エステルユニットを有する共重合体を合成することが可能である。
この反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。
エステル化剤の使用量は、化学式(1)に示すR1がOH、ハロゲン原子、ONa、OKであるユニットに対して、通常0.1〜50倍モル、好ましくは、1〜20倍モルの範囲である。
この方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20℃〜30℃の範囲の温度である。反応時間は、一概には言えないが、通常、1〜48時間の範囲である。
また、本発明に係る荷電制御剤において、帯電性官能基を有するユニットとして、化学式(5)で示されるユニットを含む共重合体を使用することができる。
Figure 2007156457
式中、Rは−A5−SO25を表す。R5w、R5xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R5yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。A05は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。A5は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。R5は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR5aを表す。R5aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。
化学式(2)で示されるユニットと化学式(5)で示されるユニットからなる共重合体は、次のような方法で得ることができる。まず、化学式(2)に相当するビニル系モノマーと化学式(6)に相当するビニル系モノマーをリビングラジカル重合で共重合させることにより、化学式(2)で示されるユニットと化学式(6)で示されるユニットからなる共重合体を合成する。その後、化学式(6)で示されるユニットと前記の化学式(4)で示される化合物とを縮合反応させることにより、目的とする、化学式(2)で示されるユニットと化学式(5)で示されるユニットからなる共重合体を得ることができる。但し、化学式(6)で示されるユニットがエステル体である場合、エステル基を脱エステル化する工程が必要である。
Figure 2007156457
式中、R6w、R6xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。A06は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。R6yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R6は、H原子、Na原子、K原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1から8のアルキル基を表す。
尚、化学式(6)に相当するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニル安息香酸メチル等が挙げられる。
化学式(6)に示すユニットと化学式(4)で示すアミノスルホン酸化合物との縮合反応は、前述した同様の方法を使用することができる。
また、化学式(6)で示す構造のユニットに対してエステル化が必要な場合、前述したエステル化剤を使用することができる。
また、本発明に係る荷電制御剤に含まれる共重合体において、帯電性官能基を有するユニットを形成するためのビニル系モノマーとして、次のようなモノマーが例示される。
例えば、4−エテニルベンゼンスルホン酸、4−エテニル−2−メトキシベンゼンスルホン酸メチル、3−エテニルベンゼンスルホン酸、3−エテニルベンゼンスルホン酸メチル(m−スチレンスルホン酸メチル)、2−エテニルベンゼンスルホン酸、2−エテニルベンゼンスルホン酸メチル(o−スチレンスルホン酸メチル)、4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸、4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸メチル、4−エテニル−2−ナフタレンスルホン酸ノルマルヘプチル、8−エテニル−4−ナフタレンスルホン酸ノルマルヘキシル、8−エテニル−4−ナフタレンスルホン酸ノルマルヘプチル、7−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸メチル、等を挙げることができる。本発明に係る荷電制御剤において、帯電性官能基を有するユニットとして、これらのモノマーを共重合した共重合体を使用することもできる。
<荷電制御剤としての使用>
本発明に係る荷電制御剤の好ましい実施形態では、側鎖にスルホン酸基、スルホン酸エステル基、あるいはその誘導体を含む構造を有している。これらアニオン性あるいは電子吸引性の官能基を有するユニットの存在は、優れた負帯電性を示す。本発明に係る荷電制御剤は、トナーのバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル系のバインダー樹脂に対する相溶性が極めて良好である。
本発明の荷電制御剤を含有するトナーは、比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることから、トナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与えることができる。また、無色あるいは着色はきわめて薄く、良好な負帯電性能を有するため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナー何れについても製出することができる。更に、本発明のポリマーを構成するモノマーユニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広い相溶性の制御が可能である。
本発明に係る荷電制御剤を用いる場合、公知の荷電制御剤とともに用いることもできる。
本発明に係る荷電制御剤は、静電荷像現像用トナーおよびそれを用いた画像形成プロセスへの応用が挙げられる。例えば、静電荷像現像トナーとなる粉粒体内に存在させることができる。具体的には、トナーに内添または外添される荷電制御剤として利用可能である。即ち、本発明は上記のポリマーを含有してなる荷電制御剤であり、更には、少なくとも、バインダー樹脂と、該荷電制御剤と、を含有してなる静電荷像現像用トナーである。着色剤を含有していても良い。
尚、静電荷像現像用トナーに用いる荷電制御剤として、例えば、化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットからなる共重合体を用いることが好ましい。このことにより、帯電特性に優れ、かつトナー樹脂中への該化合物の分散性及びスペント性が良好な静電荷像現像用トナーを提供することができる。
(本発明に係る荷電制御剤のトナーへの添加)
本発明において、上記したポリマーからなる荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法がある。内添する場合の添加量は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤が通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜20質量%の範囲で使用するのがより好ましい。0.1質量%よりも少ないと、トナーの帯電性における改良の度合いが顕著にみられない場合がある。一方、50質量%を超えると、経済的に不利になりやすい。また、外添する場合には、トナーバインダーと荷電制御剤の質量割合は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤が0.01〜5質量%とすることが好ましい。
本発明の荷電制御剤に含まれる共重合体の数平均分子量は、通常1,000〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜300,000である。1,000未満ではトナーバインダーに完全相溶し不連続なドメインを形成しにくくなるために帯電量不足となると共に、トナーの流動性に悪影響を与える場合がある。また、1,000,000を超えるとトナー中に分散させるのが困難となる場合がある。
本発明の荷電制御剤に含まれる共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記ポリマーを0.1質量%LiBr含有ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルムなどに溶解したサンプルを同様の移動相で測定し、標準ポリスチレン樹脂の検量線から分子量分布を求めた。
本発明の静電荷像現像トナーの組成は、トナー質量に基づき、通常、荷電制御剤が0.1〜50質量%、トナーバインダーが20〜95質量%、着色剤が0〜15質量%の組成とすることが好ましい。必要により磁性粉(鉄、フェライトなどの化合物)を着色材料としての機能を兼ねて60質量%以下含有していてもよい。
(バインダー樹脂)
先ず、バインダー樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として用いることができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用することが可能である。通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用することができ、特に限定されない。
また、本発明の荷電制御剤は、トナーとする前にバインダー樹脂とあらかじめ混合し、荷電制御能をもつ本発明のトナーバインダー組成物として用いることができる。
スチレン系ポリマーとしては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体およびこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン系単量体との共重合体およびこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。
本発明の荷電制御剤と組み合わせて用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。具体的には、例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて架橋剤を用いることもできる。
(重合開始剤)
また、本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。これらが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂等である。
<トナーの作製方法>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。
(無機粉体)
また、トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。
(滑剤)
更に、下記に挙げるような滑剤粉末をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン(登録商標)が挙げられる。
<キャリアについて>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の種々のトナーに適用することができる。例えば、単独で非磁性一成分現像剤として使用されたり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等が挙げられる。
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中に含有させ磁性トナーとしてもよい。本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II型或いはコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製商品名)等を用いた。そして、これらの機器に、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機バイオス製)及びパーソナルコンピューターを接続して測定した。その際に使用する電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解液としては、例えば、市販のISOTON R-II(コールターサイエンティフィックジャパン社製商品名)を使用することもできる。具体的な測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩を使用する)を0.1〜5ml加え、更に、測定試料を2〜20mg加えて測定用試料とする。この測定試料が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターカウンターTA-II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定した。その結果から、体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10〜−80μC/g、より好ましくは−15〜−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
本発明において使用した二成分法による帯電量の測定法を以下に示す。測定には、帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリア9.5gに対して測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れる。キャリアとしては、EFV200/300(パウダーテック社製商品名)を用いる。その瓶を振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、帯電量測定装置の底に500メッシュのスクリーンのある金属製の測定容器に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタをする。この時の測定容器全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、吸引機(測定容器と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口から吸引し、風量調節弁を調節して真空計の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計の電位をV(ボルト)とする。コンデンサーの容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤かりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。
計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1-W2)
<バインダー樹脂の分子量測定方法と分子量分布>
また、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料に用いられるバインダー樹脂としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによる分子量分布において、低分子量領域におけるピークが3,000〜15,000の範囲にあるようにすることが好ましい。即ち、低分子量領域におけるGPCピークが15,000を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難くなる場合がある。また、低分子量領域におけるGPCピークが3000未満のバインダー樹脂を用いると、表面処理時に融着を生じ易くなる。
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法では、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用いた。カラム構成は、昭和電工製A-801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
尚、本発明の化学反応における、反応溶媒、反応温度、反応時間、精製方法、また、荷電制御剤等は、上記の方法に限定されるものではない。
本発明者らは、上記説明した荷電制御剤が、極めて優れた特性を有することを見出している。これを後述する実施例において示す。
まず、実施例AからS−2により、本発明により得られる新規な荷電制御剤について説明する。その後、実施例1から40により、比較例を用いながら本発明に係る荷電制御剤の有用性を示す。
尚、本発明に係る新規な荷電制御剤、及びこれらの製造方法は、以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
以下の実験において、得られた荷電制御剤の構造決定は、1H−NMR、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトルにより分析を行った。使用した機器は以下の通りである。
1H−NMR(FT−NMR:Bruker Avance500(商品名);共鳴周波数:500MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMF、重DMSO、重クロロホルム、重THF、重アセトン;測定温度:室温)
FT−IR(Nicolet AVATAR360FT−IR(商品名))
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソー、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名))により評価した。溶媒としてはDMF/LiBr 0.1%(w/v)を用い、ポリスチレン換算で分子量を算出した。酸価滴定については、電位差滴定装置AT510(京都電子製商品名)を用いた。
(実施例A)
原子移動ラジカル重合を用いて、下記式(A)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。以下の化合物をDMF(115g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で7時間重合させた。
・スチレン(104g)
・p−スチレンスルホン酸メチル(17g)
・開始種である1−ブロモエチルベンゼン(0.9g)
・触媒である臭化銅(1.3g)
・リガンドである1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(2.1g)
そして、下記式(A):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M1):(F1)=92:8で含有する共重合体からなる荷電制御剤(91g)を得た。また、得られた荷電制御剤を構成する共重合体は、数平均分子量Mn=20000、分子量分布(Mw/Mn)=1.24であった。これを例示化合物Aとした。
(実施例B)
ニトロキシド媒介重合を用いて下記式(B)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。以下の化合物をDMF(130g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で5時間重合させた。
・スチレン(108g)
・o−スチレンスルホン酸メチル(20.6g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(0.9g)
・TEMPO(0.8g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.3g)
そして、下記式(B):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M2):(F2)=90:10で含有する共重合体からなる荷電制御剤(90g)を得た。また、得られた荷電制御剤は、Mn =15000、分子量分布=1.22であった。この化合物を例示化合物Bとした。
(実施例C)
原子移動ラジカル重合を用いて、下記式(C)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。実施例Aのp−スチレンスルホン酸メチルをm−スチレンスルホン酸メチルに替えて、実施例Aと同様の操作を行った。そして、下記式(C):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M3):(F3)=92:8で含有する共重合体からなる荷電制御剤(92g)を得た。また、得られた荷電制御剤を構成する共重合体は、数平均分子量Mn=17000、分子量分布(Mw/Mn)=1.21であった。この化合物を例示化合物Cとした。
(実施例D)
ニトロキシド媒介重合を用いて、下記式(D)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。実施例Bのo−スチレンスルホン酸メチルをp−スチレンスルホン酸エチルに替えて、実施例Bと同様の操作を行った。そして、下記式(D):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M4):(F4)=90:10で含有する共重合体からなる荷電制御剤(93g)を得た。また、得られた荷電制御剤を構成する共重合体は、Mn=22000、分子量分布=1.30であった。この化合物を例示化合物Dとした。
(実施例E)
原子移動ラジカル重合を用いて、下記式(E)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。以下の化合物をDMF(128g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で7時間重合させた。
・メタクリル酸エチル(100g)
・4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸メチル(28g)
・開始種である2−ブロモイソ酪酸エチル(0.95g)
・触媒である臭化銅(4.2g)
・リガンドであるスパルテイン(3.4g)
そして、下記式(E):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M5):(F5)=90:10で含有する共重合体からなる荷電制御剤(96g)を得た。また、得られた荷電制御剤を構成する共重合体は、Mn=21000、分子量分布=1.20であった。この化合物を例示化合物Eとした。
(実施例F)
ニトロキシド媒介重合を用いて、下記式(F)で示される共重合体からなる荷電制御剤を合成した。以下の化合物をDMF(130g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で5時間重合させた。
・スチレン(108g)
・4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸エチル(17.4g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(0.9g)
・TEMPO(0.8g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.3g)
そして、下記式(F):
Figure 2007156457
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M6):(F6)=93:7で含有する共重合体からなる荷電制御剤(94g)を得た。また、得られた荷電制御剤を構成する共重合体は、Mn=20000、分子量分布=1.21であった。この化合物を例示化合物Fとした。
(実施例G−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合として原子移動ラジカル重合を用い、スチレンとアクリル酸を共重合させることにより、下記式(G−0)で示される共重合体を得た。
Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.38, 4805 (2000).
即ち、スチレンとアクリル酸ターシャリーブチルを原子移動ラジカル重合で共重合させた後、トリフルオロ酢酸でターシャリーブチル基を脱エステル化することによって、共重合体(G−0)を得た。
Figure 2007156457
共重合体(G−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M7):(F7)=95:5であることを確認した。また、GPC測定から、共重合体(G−0)の数平均分子量Mnは15000であり、分子量分布は1.15であった。共重合体(G−0)を以下の実験に用いた。
窒素雰囲気下、共重合体(G−0)を2.0g、p−トルイジン−2−スルホン酸1.8gを250ml三口フラスコに入れて、ピリジン75ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル5.1mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール750mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥させた。
IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、p−トルイジン−2−スルホン酸のメチル基に由来するピークがシフトしていた。したがって、得られたポリマーは、スチレンユニットを95mol%、及び下記式(G−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを5mol%含有している共重合体であることが確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体の数平均分子量Mnは17000であり、分子量分布は1.13であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得、この化合物を例示化合物G−2とした。
(実施例G−2)
実施例G−1で得られた共重合体(G−1)1.0gを300mLナスフラスコ中に加え、クロロホルム80ml、メタノール18mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)4.9mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム70ml、メタノール18mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥した。1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られた。したがって、得られたポリマーは、スチレンユニットを95mol%、及び下記式(G−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを5mol%含有している共重合体であることが確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは17000であり、分子量分布は1.11であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得、この化合物を例示化合物G−2とした。
(実施例H−1)
実施例G−1のp−トルイジン−2−スルホン酸を2−アミノベンゼンスルホン酸に替えて実施例G−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを95mol%、及び下記式(H−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを5mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは16000であり、分子量分布は1.12であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得た。1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(500MHz、重アセトン)
δ/ppm:8.05〜8.35(スルホン酸基を持つベンゼン環のピーク)
7.80〜8.00(スルホン酸基を持つベンゼン環のピーク)
7.45〜7.65(スルホン酸基を持つベンゼン環のピーク)
6.40〜7.35(ベンゼン環のピーク)
1.15〜2.30(主鎖のピーク)
この化合物を例示化合物H−1とした。
(実施例H−2)
実施例H−1で得られた共重合体(H−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを95mol%、及び下記式(H−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを5mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは16000であり、分子量分布は1.10であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得た。1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(500MHz、重アセトン)
δ/ppm:8.15〜8.55(スルホン酸メチルを持つベンゼン環のピーク)
7.80〜8.00(スルホン酸メチルを持つベンゼン環のピーク)
7.50〜7.75(スルホン酸メチルを持つベンゼン環のピーク)
6.40〜7.40(ベンゼン環のピーク)
3.45〜3.65(スルホン酸メチルのCH3のピーク)
1.20〜2.50(主鎖のピーク)
この化合物を例示化合物H−2とした。
(実施例I−1)
Journal of Polymer Science : Part A : Polymer Chemistry, Vol.38, 4805 (2000)を参考にして、スチレンとメタクリル酸を共重合させることにより共重合体(I−0)を得た。
Figure 2007156457
共重合体(I−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M8):(F8)=90:10であることを確認した。GPC測定から、共重合体(I−0)の数平均分子量Mnは21000であり、分子量分布は1.16であった。共重合体(I−0)を以下の実験に用いた。
共重合体(I−0)と4−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(I−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物I−1とした。
(実施例I−2)
実施例I−1で得られた共重合体(I−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(I−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを、10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.11であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物I−2とした。
(実施例J−1)
実施例I−1の4−アミノベンゼンスルホン酸を3−アミノベンゼンスルホン酸に替えて実施例I−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(J−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物J−1として、トナー調製ならびに評価に供した。
(実施例J−2)
実施例J−1で得られた共重合体(J−1)に対して、実施例I−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(J−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.12であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物J−2とした。
(実施例K−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合としてニトロキシド媒介重合を用い、スチレンとアクリル酸を共重合させることにより、下記式(K−0)で示される共重合体を得た。
Macromolecular Rapid Communications, Vol.25(21), 1839 (2004).
Figure 2007156457
共重合体(K−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M9):(F9)=93:7であることを確認した。また、GPC測定から、共重合体(K−0)の数平均分子量Mnは11000であり、分子量分布は、1.20であった。共重合体(K−0)を以下の実験に用いた。
共重合体(K−0)と4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(K−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは12000であり、分子量分布は1.18であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤75gを得、この化合物を例示化合物K−1とした。
(実施例K−2)
実施例K−1で得られた共重合体(K−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(K−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体の数平均分子量Mnは12000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤75gを得、この化合物を例示化合物K−2とした。
(実施例L)
実施例K−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を4−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルに替えて実施例K−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(L):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.17であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物Lとした。
(実施例M)
実施例K−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルに替えて実施例K−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(M):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤50gを得、この化合物を例示化合物Mとした。
(実施例N−1)
実施例K−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸に替えて実施例K−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(N−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.18であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物N−1とした。
(実施例N−2)
実施例N−1で得られた共重合体(N−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを93mol%、及び下記式(N−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを7mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物N−2とした。
(実施例O−1)
共重合体(I−0)と1−ナフチルアミン−8−スルホン酸との縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(O−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体の数平均分子量Mnは25000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得、この化合物を例示化合物O−1とした。
(実施例O−2)
実施例O−1で得られた共重合体(O−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(O−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体の数平均分子量Mnは25000であり、分子量分布は1.12であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物O−2とした。
(実施例P−1)
共重合体(I−0)と2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(P−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物P−1とした。
(実施例P−2)
実施例P−1で得られた共重合体(P−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(P−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.11であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物P−2とした。
(実施例Q−1)
共重合体(I−0)とタウリンとの縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(Q−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは23000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得、この化合物を例示化合物Q−1とした。
(実施例Q−2)
実施例Q−1で得られた共重合体(Q−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを90mol%、及び下記式(Q−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを10mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは23000であり、分子量分布は1.13であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤60gを得、この化合物を例示化合物Q−2とした。
(実施例R−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合として原子移動ラジカル重合を用い、下記式(R−0)で示されるスチレンと4−ビニル安息香酸からなる共重合体を得た。
Polymer Preprints (American Chemical Society, Division of Polymer Chemistry), 43
(2), 51 (2002).
Figure 2007156457
共重合体(R−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M10):(F10)=96:4であることを確認した。また、GPC測定から、共重合体(R−0)のMnは19000であり、分子量分布は1.16であった。共重合体(R−0)を以下の実験に用いた。
共重合体(R−0)と4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応を実施例G−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを96mol%、及び下記式(R−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを、4mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは19000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤75gを得、この化合物を例示化合物R−1とした。
(実施例R−2)
実施例R−1で得られた共重合体(R−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを96mol%、及び下記式(R−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを4mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは19000であり、分子量分布は1.11であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤75gを得、この化合物を例示化合物R−2とした。
(実施例S−1)
実施例R−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸に替えて実施例R−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを96mol%、及び下記式(S−1):
Figure 2007156457
に示すユニットを、4mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは19000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物S−1とした。
(実施例S−2)
実施例S−1で得られた共重合体(S−1)に対して、実施例G−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニットを96mol%、及び下記式(S−2):
Figure 2007156457
に示すユニットを、4mol%含有している共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られた共重合体のMnは19000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記共重合体からなる荷電制御剤70gを得、この化合物を例示化合物S−2とした。
(実施例1)
先ず、高速撹拌装置TK-ホモミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し、回転数を10,000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。一方、下記組成をボールミルを用いて3時間分散させた後、離型剤(カルナバワックス(融点83℃))10質量部と、重合開始剤である2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン単量体:82質量部
・エチルヘキシルアクリレート単量体:18質量部
・ジビニルベンゼン単量体:0.1質量部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー 15):6質量部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量 3200、酸価 8):5質量部
・例示化合物A:2質量部
次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製した水系分散媒体中に投入し、回転数10,000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させて重合反応を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解した後、濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得た。得られた青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平均粒径7.2μmで、微粉量(個数分布における3.17μm以下の粒子の存在割合)は5.3個数%であった。
上記で調製した青色重合粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:270m2/g)1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添し、本実施例の青色トナー(1)とした。更に、この青色トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製した。
(実施例2〜6)
例示化合物Aをそれぞれ例示化合物H−1、I−2、K−2、O−1、R−2とした以外は実施例1と同様の方法により、実施例2〜6の青色トナー(2)〜(6)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、実施例2〜6の2成分系青色現像剤(2)〜(6)を得た。
(比較例1)
例示化合物Aを使用しない点以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の青色トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例1の2成分系青色現像剤(7)を得た。
(実施例7〜12)
例示化合物Aの代わりに例示化合物F、H−2、J−1、N−1、P−1、R−1をそれぞれ2.0質量部を用い、シアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。そして、実施例7〜12のイエロー(黄色)トナー(1)〜(6)を得た。これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)〜(6)を得た。
(比較例2)
例示化合物Aを使用しない点およびシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例2のイエロー(黄色)トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例2の2成分系イエロー(黄色)現像剤(7)を得た。
(実施例13〜18)
例示化合物Aの代わりに、例示化合物C、G−1、J−2、M、Q−1、S−2をそれぞれ2.0質量部使用し、シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。そして、実施例13〜18の黒色トナー(1)〜(6)を得た。これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系黒色現像剤(1)〜(6)を得た。
(比較例3)
例示化合物Aを使用しない点およびシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の黒色トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例3の2成分系黒色現像剤(7)を得た。
(実施例19)
・スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃):100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 114):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物D:2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得た。このマゼンタ着色粒子(1)の粒度は、重量平均粒径 7.0μm、微粉量は5.0個数%であった。
このマゼンタ着色粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタ(赤色)トナー(1)を得た。更に、得られたマゼンタ(赤色)トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)を調製した。
(実施例20〜24)
例示化合物Dをそれぞれ例示化合物G−2、K−1、O−2、Q−2、S−1とした以外は実施例19と同様の方法により、実施例20〜24のマゼンタ(赤色)トナー(2)〜(6)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例19と同様にして、実施例20〜24の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(2)〜(6)を得た。
(比較例4)
例示化合物Dを使用しない点以外は実施例19と同様の方法により、比較例4のマゼンタ(赤色)トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例19と同様にして、比較例4の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(7)を得た。
(実施例25)
・ポリエステル樹脂:100質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物B:2質量部
ポリエステル樹脂は次のようにして合成した。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物751部、テレフタル酸104部および無水トリメリット酸167部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、軟化点125℃のポリエステル樹脂を得た。
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(8)を得た。この黒色着色粒子(8)の粒度は、重量平均粒径 7.1μm、微粉量は5.0個数%であった。
この黒色着色粒子(8)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例の黒色トナー(8)を得た。更に、得られた黒色トナー(8)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系黒色現像剤(8)を調製した。
(実施例26〜30)
例示化合物Bをそれぞれ例示化合物E、I−1、L、N−2、P−2とした以外は実施例25と同様の方法により、実施例26〜30の黒色トナー(9)〜(13)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例25と同様にして、実施例26〜30の2成分系黒色現像剤(9)〜(13)を得た。
(比較例5)
例示化合物Bを使用しない点以外は実施例25と同様の方法により、比較例5の黒色トナー(14)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例25と同様にして、比較例5の2成分系黒色現像剤(14)を得た。
<評価>
上記実施例1〜30で得られた2成分系現像剤と、比較例1〜5で得られた2成分系現像剤について、評価を行った。具体的には、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表1にまとめて示した。
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
Figure 2007156457
また、実施例AからS−2と同様の構造と組成比を持ち、且つ、分子量分布がMw/Mn>2である荷電制御剤を通常のラジカル重合によって合成し、実施例1から30と同様にしてトナーを作製し、トナーの帯電のバラツキを比較した。その結果、分子量分布が1<Mw/Mn<2である荷電制御剤を使用して作製したトナーの方が、帯電のバラツキが抑制されていることが確認された。
(実施例31〜実施例36および比較例6〜比較例10)
先ず、実施例31〜実施例36および比較例6〜比較例10の画像形成方法の実施にあたっては、画像形成装置として、LBP5500(キヤノン社製商品名)を使用した。その際、現像剤として、実施例1、7、13、19、25、30および比較例1〜5で得たイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー又はブラックトナーでトナー画像を形成した。
<評価>
逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。条件は、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度となるように、LBP5500を改造した。また、実施例1、7、13、19、25、30のトナーと、比較例1〜5のトナーをそれぞれ使用した。得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。
評価結果を表2にまとめて示した。
[プリントアウト画像評価]
1.画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
2.画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。プリント後の白地部反射濃度の最低値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。測定には、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製、商品名 REFLECTOMETER MODEL TC-6DS)を用いた。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
3.転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可
また、実施例31〜実施例36および比較例6〜比較例10で、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価した。その結果、実施例31〜実施例36のトナーを使用した系では、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、LBP5500とのマッチングが非常に良好であった。一方、比較例6〜比較例10のトナーを使用した系では、いずれも感光ドラム表面にトナーの固着が認められた。更に、比較例6〜比較例10のトナーを使用した系では、中間転写体表面上にトナーの固着と表面傷が確認でき、画像上にも縦スジ状の画像欠陥を生じるといった、LBP5500とのマッチングにおいて問題を生じた。
Figure 2007156457
(実施例37〜実施例39、比較例11〜比較例13)
実施例37〜実施例39、比較例11〜比較例13の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例1、7、13および比較例1〜3で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、LBP5500にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行った。得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。又、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。又、同時に、耐久試験後におけるLBP5500を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表3にまとめて示した。
[耐久時の画像濃度推移]
初期(1枚目)、千枚目、1万枚目、及び3万枚目の画像濃度を評価した。評価方法及び基準は、実施例31〜実施例36および比較例6〜比較例10と同様とした。
[画像カブリ]
評価方法及び基準は、実施例31〜実施例36および比較例6〜比較例10と同様とした。
[画像形成装置マッチング評価]
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
Figure 2007156457
(実施例40)
LBP5500のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分となるように改造した以外は実施例37と同様にし、実施例1の青色トナー(1)を逐次補給しながら連続モードでプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画像評価装置とのマッチングを実施例37〜実施例39、比較例11〜比較例13と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
本発明は、電子写真技術に用いられるトナーに含有される荷電制御剤に利用される。

Claims (6)

  1. 共重合体を含み構成される荷電制御剤であって、該共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)が、1.00<Mw/Mn<2.00であることを特徴とする荷電制御剤。
  2. 前記共重合体が有するユニットの少なくとも1種には、酸基または酸エステル基を含むことを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤。
  3. 前記酸基または酸エステル基が、スルホン酸基またはスルホン酸エステル基である請求項2に記載の荷電制御剤。
  4. 前記共重合体が、化学式(1)で示されるユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の荷電制御剤。
    Figure 2007156457
    (式中、Rは−A1−SO21を表す。R1w、R1xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R1はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表す。A1、R1aはそれぞれ独立して置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。)
  5. 前記共重合体が、化学式(2)で示されるユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の荷電制御剤。
    Figure 2007156457
    (式中、R2w、R2xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子を表す。R2yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。R2は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R2a、−O−R2b、−COO−R2c、−OCO−R2d、−CONR2e2f、−CN、またはN原子を含む環構造を表す。R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造を表す。)
  6. 静電荷現像用トナーであって、バインダー樹脂からなる粉粒体と、請求項1乃至5のいずれかに記載の荷電制御剤とを含み、該荷電制御剤に含まれる前記共重合体は、該バインダー樹脂に対して相溶性のあるユニットと、帯電性官能基を有するユニットとを有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010112983A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Konica Minolta Business Technologies Inc トナーの製造方法、トナー、現像剤及び画像形成方法
JP2011213823A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tosoh Corp 分子量分布の狭いポリスチレンスルホン酸類又はその塩の製造方法
JP2014098839A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Canon Inc トナー

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