JP2007154177A - ポリマー、荷電制御剤、及び静電荷像現像トナー - Google Patents

ポリマー、荷電制御剤、及び静電荷像現像トナー Download PDF

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昌人 南
Shige Fukui
樹 福井
Tsugiko Kusakari
亜子 草刈
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Chieko Mihara
知恵子 三原
Takashi Kenmoku
敬 見目
Norikazu Fujimoto
則和 藤本
Atsushi Tani
篤 谷
Takeshi Ikeda
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Abstract

【課題】新規なブロック共重合体であるポリマーを提供する。
【解決手段】化学式(1)で示される側鎖にスルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩、あるいはそれらの誘導体を有する特定構造のユニットと、化学式(2)で示される構造のユニットとのブロック共重合体であることを特徴とするポリマー。
Figure 2007154177

【選択図】なし

Description

本発明は、ブロック共重合体、及びその製造方法に関する。また、本発明は、トナー及びキャリア、スリーブ等の電子写真用摩擦帯電部材に関する。
スルホン酸基のように親水基を有する高分子は、様々な用途への応用が期待される。そして、このスルホン酸基を含有するポリマーの合成は、一般に、スルホン酸官能基を含有する特定のビニルモノマーを使用するものに限られている。具体的なモノマーの例としては、スルホン化スチレン、あるいはAMPS(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)が挙げられる。
例えば、下記特許文献1には、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩と、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体からなる電荷制御剤、およびこれを用いた電子写真用負帯電トナーが開示されている。
特開2002−351147号公報
上記期待に応えるために、上記スルホン化スチレン等のみでは十分ではなく、これらを改良したり、更に新規なポリマーの提供が求められている。そこで本発明は、上記背景技術に鑑み、スルホン酸基、あるいはその誘導体を導入した新規なポリマーを提供するものである。
そこで、本発明者らは、様々な機能性を向上するのに有用であると考えられる、親水性基あるいは極性基を導入した新規なブロック共重合体の開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示すような発明に至った。
第1の本発明にかかるポリマーは、化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットのブロック共重合体であることを特徴とする。
Figure 2007154177
(式中、Rは−A1−SO21である。R1w、R1X、R1yは、下記(i)または(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。(i)の場合、A1とR1は、下記(i−A)から(i−G)に記載の組み合わせから選ばれ、また、(ii)の場合、A1とR1は、(ii−A)に記載の組み合わせから選ばれる。
(i)R1w、R1Xは水素原子であり、R1yはCH3基または水素原子である。
(i−A)A1は、メチレン基、エチレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数3のアルキレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数4のアルキレン基(化学式(106)又は(107)で示す分岐のアルキレン基を除く)、直鎖もしくは分岐の炭素数5のアルキレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数6乃至8のアルキレン基、化学式(104a)もしくは(104b)で示す未置換の芳香族環構造、または未置換の複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−B)A1は、化学式(105)で示す未置換の芳香族環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−C)A1は、化学式(106)で示す分岐の炭素数4のアルキレン基である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−D)A1は、化学式(107)で示す分岐の炭素数4のアルキレン基である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−E)A1は、置換芳香族環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−F)A1は、置換複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(i−G)A1は、未置換のナフタレン構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
(ii)R1w、R1Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R1w、R1X、R1yの少なくとも1つは、ハロゲン原子である。
(ii−A)A1は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)
Figure 2007154177
Figure 2007154177
Figure 2007154177
Figure 2007154177
Figure 2007154177
(式中、R2w、R2xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R2yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R2は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R2a、−O−R2b、−COO−R2c、−OCO−R2d、−CONR2e2f、−CN、またはN原子を含む環構造である。R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)
なお、前記化学式(1)におけるA1となり得る炭素数4のアルキレン基又は炭素数5のアルキレン基としては、以下の構造が例示される。
Figure 2007154177
Figure 2007154177
Figure 2007154177
また、第2の本発明は、前記ブロック重合体には、化学式(1)で示す構造のユニットよりも化学式(2)で示す構造のユニットの方が多く含まれていることを特徴とする。
また、第3の本発明は、粉粒体内あるいは表面に、前記第1または第2の本発明であるポリマーを含有していることを特徴とする荷電制御剤である。
また、第4の本発明は、粉粒体内あるいは表面に、スルホン酸エステル基またはスルホン酸塩を有するユニットを構成単位とするブロック共重合体を含有していることを特徴とする荷電制御剤である。
なお、前記第4の本発明である荷電制御剤において、スルホン酸エステル基またはスルホン酸塩を有する前記ユニットと、前記化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を含有していることが好ましい。
また、第5の本発明は、バインダー樹脂と、着色剤と、前記した荷電制御剤とを含有することを特徴とする静電荷像現像トナーである。
本発明により、新規なポリマーが提供される。
(本発明に係るポリマー及びその製造方法)
[1]第1の本発明に係るポリマーは、前記化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を有することを特徴とする。
上記ポリマーにおける化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットの組成比(モル比)は、0.1:99.9から90:10が好ましく、更には1:99から49:51がより好ましい。特に、ブロック共重合体内には、化学式(1)で示す構造よりも化学式(2)で示す構造の方がユニット数として多く含まれるのがよい。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて本発明に係るポリマーの製造方法を更に詳細に説明する。上記した各構成を有する本発明にかかるポリマーは荷電制御剤として極めて優れた特性を有するものである。このポリマーの製造方法としてはリビング重合を使用することができる。すなわち、リビング重合を用い目的に応じた2種以上のモノマーを逐次共重合することにより、使用したモノマー由来の繰り返し単位構造(ユニット)を有するブロック共重合体を得ることができる。
リビング重合として、リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合等を使用することができるが、その中でもリビングラジカル重合は操作が簡便であり、有用である。ここでは、リビングラジカル重合を用いた製造方法について、詳細に説明する。
化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体からなるポリマーは、リビングラジカル重合によって次のように製造することができる。まず、化学式(7)で示す構造のユニットからなるホモポリマーをリビングラジカル重合で形成する。その後、そのホモポリマーの片末端に化学式(2)で示す構造のユニットをリビングラジカル重合によって共重合することにより、目的のブロック共重合体の前駆体を得ることができる。次に、その前駆体中に存在する化学式(7)で示す構造のユニットと化学式(8)で示す化合物とを縮合反応させる。そして、目的のブロック共重合体、即ち、化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体からなるポリマーを得ることができる。
Figure 2007154177
式中、R7w、R7xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R7yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R7は、H原子、Na原子、K原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1から8のアルキル基である。
Figure 2007154177
式中、R8はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR8aである。A8、R8aはそれぞれ独立して、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
化学式(7)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体からなるポリマーは、次のように製造することができる。まず、化学式(9)で示されるビニル系モノマーをリビングラジカル重合でホモポリマーを合成する。続いて、そのホモポリマーの片末端に化学式(10)で示されるビニル系モノマーをリビングラジカル重合で共重合させる。そうすることにより、化学式(7)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体からなるポリマーを得ることができる。但し、化学式(9)で示されるビニル系モノマーがエステル体である場合、エステル基を脱エステル化する工程が必要である。尚、ブロック共重合体を形成する順序は逆であっても構わない。
Figure 2007154177
式中、R9w、R9xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R9yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R9は、H原子、Na原子、K原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1から8のアルキル基である。
尚、化学式(9)に示すビニル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルが挙げられる。さらに、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル等が挙げられる。
Figure 2007154177
式中、R10w、R10xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R10yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R10は、水素原子、脂肪族炭化水素構造、芳香族環構造、複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R10a、−O−R10b、−COO−R10c、−OCO−R10d、−CONR10e10f、−CN、またはN原子を含む環構造である。脂肪族炭化水素構造、芳香族環構造、複素環構造は、置換されていても未置換でも良い。R10a、R10b、R10c、R10d、R10e、R10fは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
尚、化学式(10)に示すビニル系モノマーとしては、スチレン及びその誘導体、エチレン不飽和モノオレフィン類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル酸、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、ビニルエーテル類、N-ビニル化合物が挙げられる。
化学式(7)で示す構造のユニットと化学式(8)で示すアミノスルホン酸化合物との縮合反応について詳しく述べる。
カルボキシル基とアミノ基の縮合反応としては、縮合剤を用いる方法、塩を形成し脱水反応により縮合を行う方法、脱水剤を用いる方法など、いずれも利用が可能である。
化学式(8)に示す化合物において、A8は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐アルキレン基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基、または、置換もしくは未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造が好ましい。A8が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。
前記A8が炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐アルキレン基の化合物である場合の具体例としては、次の化合物が挙げられる。2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)、3−アミノプロパンスルホン酸、4−アミノブタンスルホン酸、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩が挙げられる。
8が、置換または未置換のフェニル基の場合は化学式(11)で示す化合物が挙げられる。
Figure 2007154177
式中、R11a、R11b、R11c、R11d、R11eは、少なくとも一つはSO211fである。R11fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11hである。R11hは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R11a、R11b、R11c、R11d、R11eのうちSO211fで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR11g、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基である。ここで、R11gは、H原子、Na原子、またはK原子である。Ph基は、フェニル基である。
化学式(11)で示される化合物としては、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸等のエステル化物が挙げられる。
8が置換または未置換のナフチル基の場合は、化学式(12a)や(12b)で示す化合物が挙げられる。
Figure 2007154177
式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gは、少なくとも一つはSO212oである。R12oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR12sである。R12sは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gのうちSO212oで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR12p、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基、またはC37基である。R12は、H原子、Na原子、またはK原子である。
Figure 2007154177
式中、R12h、R12i、R12j、R12k、R12l、R12m、R12nは、少なくとも一つはSO212qである。R12qはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR12tである。R12tは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R12h、R12i、R12j、R12k、R12l、R12m、R12nのうちSO212qで表されないものは、それぞれ独立して、次のものから選択される。即ち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR12r、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基、またはC37基である。R12rは、H原子、Na原子、またはK原子である。
前記化学式(12a)または(12b)で示す化合物としては、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸等のエステル化物が挙げられる。
8が置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造の場合の複素環構造は,ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などが挙げられる。
この方法に用いられる化学式(8)で示す化合物の使用量は、化学式(7)で示す構造のユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。この反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、炭化水素類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素、非プロトン性極性溶媒類、ピリジン誘導体が挙げられる。特に好ましくは、ピリジンが用いられる。
この方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は0℃〜溶媒の沸点の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。本発明の方法において、反応時間は、例えば、1〜48時間の範囲である。
また、上記方法により合成された共重合体が、スルホン酸エステル基を有していない場合、更にエステル化剤を用いることができる。すなわち、化学式(1)で示す構造のユニットの中でも、スルホン酸エステルユニットを有していない場合、例えば、R1がOH、ハロゲン原子、ONa、OKである場合、更にエステル化剤を用いることができる。エステル化剤としては、トリメチルシリルジアゾメタン、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等が挙げられる。こうすることにより、化学式(1)の中でもR1がOR1aで表されるスルホン酸エステルユニットを有する共重合体を合成することが可能である。
エステル化剤の使用量は、化学式(1)に示すR1がOH、ハロゲン原子、ONa、OKであるユニットに対して、通常0.1〜50倍モル、好ましくは、1〜20倍モルの範囲である。
この方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20℃〜30℃の範囲
の温度である。反応時間は、一概には言えないが、通常、1〜48時間の範囲である。
化学式(1)で示す構造のユニットの代わりに、化学式(13)で示す構造のユニットを使用することができ、組成比(モル比)は前記した同様の条件であることが好ましい。
Figure 2007154177
式中、Rは−A13−SO213である。R13w、R13Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R13yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。A013は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。A13は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R13は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR13aである。R13aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
化学式(2)で示す構造のユニットと化学式(13)で示す構造のユニットとのブロック共重合体は、前記した同様の方法で得ることができる。まず、化学式(14)で示す構造のユニットからなるホモポリマーをリビングラジカル重合で形成する。その後、そのホモポリマーの片末端に化学式(2)で示す構造のユニットをリビングラジカル重合によって共重合することにより、目的のブロック共重合体の前駆体を得ることができる。次に、その前駆体中に存在する化学式(14)で示す構造のユニットと化学式(8)で示す化合物とを縮合反応させる。そして、目的のブロック共重合体、即ち、化学式(13)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体からなるポリマーを得ることができる。尚、ブロック共重合体を形成する順序は逆であっても構わない。
Figure 2007154177
式中、R14w、R14xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。A014は、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R14yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R14は、H原子、Na原子、K原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1から8のアルキル基である。
尚、化学式(14)に相当するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、ビニル安息香酸ノルマルプロピル、ビニル安息香酸イソプロピル、ビニル安息香酸ノルマルブチルである。
更に、ビニル安息香酸イソブチル、ビニル安息香酸セカンダリーブチル、ビニル安息香酸ターシャリーブチル、N−(4−ビニルベンゾイル)−N−メチルピペラジン、2−(4−ビニルフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
化学式(14)に示すユニットと化学式(8)で示すアミノスルホン酸化合物との縮合反応は、前述した同様の方法を使用することができる。
また、化学式(1)で示す構造のユニットの代わりに、次のようなモノマーを重合して得られるユニットに使用することができ、組成比(モル比)は前記した同様の条件であることが好ましい。例えば、4−エテニルベンゼンスルホン酸、4−エテニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−エテニルベンゼンスルホン酸カリウム、4−エテニル−2−メトキシベンゼンスルホン酸メチル等を挙げることができる。
(リビングラジカル重合)
リビングラジカル重合として、例えば、原子移動ラジカル重合やニトロキシド媒介重合を使用することができる。
リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である場合について説明する。
原子移動ラジカル重合は、例えば、ハロゲン化銅−ビピリジル錯体を用いると、ポリマー鎖末端の速やかな移動反応により分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。原子移動ラジカル重合は、銅錯体が生長末端から可逆的にハロゲン原子を引き抜くことにより反応が進行する。原子移動ラジカル重合における反応制御の要因としては、リガンド、始剤の種類、触媒濃度、反応温度、反応時間、濃度などが挙げられる。これらの条件を最適化し、反応を制御することによって、分子量分布の狭いポリマーやブロック共重合体のような構造が制御されたポリマーを得ることができる。
重合性モノマー、開始種、遷移金属錯体を反応溶媒に加え、反応系を不活性ガスで置換して原子移動ラジカル重合を行う。
反応溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド等を使用することができる。これらは単独で使用しても良いし、又は2種以上を併用しても良い。
重合に際しては、不活性ガスとして窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
使用する遷移金属錯体はハロゲン化金属とリガンドからなる。ハロゲン化金属の金属種としては、原子番号22番のTiから30番のZnまでの遷移金属が好ましく、更に、Fe、Co、Ni、Cuが好ましい。その中でも、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
リガンドとしては、ハロゲン化金属に配位可能であれば特に限定されないが、例えば、2,2'−ビピリジル等を使用することができる。
遷移金属錯体の添加量は、重合性モノマーに対して0.001から10重量%、好ましくは0.05から5重量%である。
重合温度は、40から100℃の範囲であり、好ましくは、50から80℃の範囲である。重合温度が40℃未満では、形成される高分子鎖が低分子量であったり、あるいは重合が進行し難いので好ましくない。
次に、リビングラジカル重合がニトロキシド媒介重合である場合について説明する。
ニトロキシルラジカルの一つである2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TEMPO)は不対電子が非局在化するため、結合して低い解離エネルギーを与えるラジカルとは結合しにくい。この性質を利用して、過酸化ベンゾイル(BPO)やアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤とし、ニトロキシルラジカルを用いたニトロキシド媒介重合をすることができる。そして、分子量分布の狭いポリマーやブロック共重合体のような構造が制御されたポリマーを得ることができる。
重合性モノマー、開始剤、ニトロキシルラジカルを反応溶媒に加え、反応系を不活性ガスで置換してニトロキシド媒介重合を行う。ニトロキシルラジカルとしては、例えば、以下に記載のものを使用することができる。
Figure 2007154177
反応溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジフェニルエーテル等を使用することができる。
(トナーへの応用)
本発明に係るポリマーの用途として、静電荷像現像用トナーおよびそれを用いた画像形成プロセスへの応用が挙げられる。例えば、静電荷像現像トナーとなる粉粒体内に存在させることができる。具体的には、トナーに内添または外添される荷電制御剤として利用可能である。
<荷電制御剤としての使用>
本発明に係るポリマーを荷電制御剤として用いる場合は、粉粒体内あるいは表面に、スルホン酸エステル基またはスルホン酸塩を有するユニットを構成単位とするブロック共重合体を含有している構成とすることができる。ブロック共重合体としては、例えば、化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を用いることができる。また、スルホン酸エステル基を有するユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を用いることができる。また、スルホン酸塩を有するユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を用いることができる。尚、スルホン酸塩とは、スルホン酸ナトリウム塩やスルホン酸カリウム塩等である。これらアニオン性あるいは電子吸引性の官能基を有するユニットの存在は、優れた負帯電性を示す。本発明に係るポリマーは、トナーのバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル系のバインダー樹脂に対する相溶性がきわめて良好である。また、本発明のポリマーを荷電制御剤として使用し、作製したトナーにおいて、該荷電制御剤はトナー表面に局在化し易く、帯電特性の向上に効果がある。
粉粒体としては、例えば、トナーを挙げることができる。
本発明のポリマーを含有するトナーは、比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることから、トナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与えることができる。また、無色あるいは着色はきわめて薄く、良好な負帯電性能を有するため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナー何れについても製出することができる。さらに、本発明のポリマーを構成するモノマーユニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広い相溶性の制御が可能である。
ここで、荷電制御剤がトナーバインダー中でミクロ相分離構造をとるよう樹脂組成を選択すると、トナーの電気的連続性が生じないため安定に電荷を保持することが可能となる。
本発明のポリマーの分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記ポリマーを0.1質量%LiBr含有ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルムなどに溶解し多サンプルを同様の移動相で測定し、標準ポリスチレン樹脂の検量線から分子量分布を求めた。
また、本発明の荷電制御剤に使用するポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)は、1〜2の範囲内にある上記ポリマーを使用することが好ましい。
本発明において荷電制御剤として使用するポリマーは、20〜150℃、特に40〜150℃の融点を持つか、または融点は持たないが10〜150℃、特に20〜150℃のガラス転移点を持つことが好ましい。上記融点が20℃未満または融点を持たずガラス転移点が10℃未満の場合は、トナーの流動性や、保存性に悪影響を与えやすい。また、融点が150℃を超えるかまたは融点を持たずガラス転移点が150℃を超える場合は、荷電制御剤をトナー中に混練することが困難になり、帯電量分布が広くなりやすい。この場合における融点Tmおよびガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC-7(商品名)のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いて測定を行えばよい。
本発明の静電荷像現像トナーの組成は、トナー質量に基づき、通常、荷電制御剤が0.1〜50質量%、トナーバインダーが20〜95質量%、着色剤が0〜15質量%の組成とすることが好ましい。必要により磁性粉(鉄、フェライトなどの化合物)を着色剤としての機能を兼ねて60質量%以下含有していてもよい。さらに種々の添加剤(滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、もしくはその金属塩またはアミドなど)および他の荷電制御剤(含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩など)など)を含有させることができる。また、トナーの流動性改良のために疎水性コロイダルシリカ微粉末等を用いることもできる。これら添加剤の量はトナー質量に基づき通常10質量%以下である。
また、本発明のポリマーが形成する不連続なドメインの粒径を小さくする目的で、本発明のポリマーに対して相溶性を有しかつトナーバインダーに対しても相溶性を有する重合体を相溶化剤として含有させることもできる。相溶化剤としては、次の2つの重合体鎖がグラフト状またはブロック状に結合した重合体などが挙げられる。1つは、本発明のポリマーの構成単量体と実質的に同じ構造を有する単量体を50モル%以上含有する重合体鎖である。もう1つは、トナーバインダーの構成単量体と実質的に同じ構造を有する単量体を50モル%以上含有する重合体鎖である。相溶化剤の使用量は本発明のポリマーに対して、通常30質量%以下であり、好ましくは1〜10質量%である。
バインダー樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として用いることができる。
本発明の荷電制御剤と組み合わせて用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。具体的には、例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて架橋剤を用いることもできる。
また、本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合には、重合開始剤を必要に応じて用いることができる。
本発明の荷電制御剤以外にも、従来使用されている荷電制御剤を本発明の荷電制御剤とともに利用することも可能である。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。
また、本発明の静電荷像現像用トナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として例えば顔料を使用することができる。
本発明においては、顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で以下の化合物を含有させてもよい。
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。また、トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。
更に、テフロン(登録商標)などの滑剤粉末をトナーに添加してもよい。
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の種々のトナーに適用することができる。例えば、単独で非磁性一成分現像剤として使用されたり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等が挙げられる。ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものをいずれも使用することができる。
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10〜−80μC/g、より好ましくは−15〜−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
本発明において使用した二成分法による帯電量の測定法を以下に示す。測定には、図1に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリア9.5gに対して測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れる。キャリアとしては、EFV 200 / 300(パウダーテック社製商品名)を用いる。その瓶を振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図1に示した帯電量測定装置41の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤かりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。
計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1-W2)
<バインダー樹脂の分子量測定方法と分子量分布>
また、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料に用いられるバインダー樹脂としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによる分子量分布において、低分子量領域におけるピークが3,000〜15,000の範囲にあるようにすることが好ましい。即ち、低分子量領域におけるGPCピークが15,000を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難くなる場合がある。また、低分子量領域におけるGPCピークが3000未満のバインダー樹脂を用いると、表面処理時に融着を生じ易くなる。
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法では、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用いた。カラム構成は、昭和電工製A-801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
本発明者らは、上記説明したポリマーが、荷電制御剤としてきわめて優れた特性を有することを見出している。これを後述する実施例において示す。
以上説明した、本発明に係るブロック共重合体を荷電制御剤として用いると、トナー表面等に局在化し易く、帯電特性の面からも好ましいものである。
まず、実施例A−1からIにより、本発明により得られる新規なポリマーとその製造方法について説明する。その後、実施例1から38により、比較例を用いながら本発明に係るポリマー等の有用性を示す。
尚、本発明に係る新規なポリマーや化合物、及びこれらの製造方法は、以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
以下の実験において、得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトルにより分析を行った。使用した機器は以下の通りである。
1H−NMR(FT−NMR:Bruker Avance500(商品名);共鳴周波数:500MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)
FT−IR(Nicolet AVATAR360FT−IR(商品名))
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソー、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名))により評価した。溶媒としてはDMF/LiBr 0.1%(w/v)を用い、ポリスチレン換算で分子量を算出した。酸価滴定については、電位差滴定装置AT510(京都電子製商品名)を用いた。
(実施例A−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合として原子移動ラジカル重合を用い、スチレンとアクリル酸をブロック共重合させることにより、下記式(A−0)で示されるブロック共重合体を得た。
Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.38, 4805 (2000).
即ち、アクリル酸ターシャリーブチルを原子移動ラジカル重合でホモポリマーを合成し、続いて、そのホモポリマーの片末端にスチレンをブロック共重合させた。その後、トリフルオロ酢酸でターシャリーブチル基を脱エステル化することによって、ブロック共重合体(A−0)を得た。
Figure 2007154177
ブロック共重合体(A−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M0):(F0)=95:5であることを確認した。ブロック共重合体(A−0)の数平均分子量Mnは15000であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)は1.24であった。ブロック共重合体(A−0)を以下の実験に用いた。
窒素雰囲気下、ブロック共重合体(A−0)を2.0g、p−トルイジン−2−スルホン酸1.8gを250ml三口フラスコに入れて、ピリジン75ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル5.1mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール750mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥させた。
IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、p−トルイジン−2−スルホン酸のメチル基に由来するピークがシフトしていた。従って、得られたポリマーは、スチレンユニット95mol%、及び下記式(A−1):
Figure 2007154177
に示すユニットを5mol%含有しているブロック共重合体であることが確認された。また、得られたブロック共重合体のMnは17000であり、分子量分布は1.23であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物A−1とした。
(実施例A−2)
実施例A−1で得られたブロック共重合体1.0gを300mLナスフラスコ中に加え、クロロホルム80ml、メタノール18mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)4.9mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム70ml、メタノール18mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥した。1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られた。したがって、得られたポリマーは、スチレンユニット95mol%、及び下記式(A−2):
Figure 2007154177
に示すユニットを5mol%含有しているブロック共重合体であることが確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られブロック共重合体のMnは17000であり、分子量分布は1.22であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物A−2とした。
(実施例A−3)
実施例A−1のp−トルイジン−2−スルホン酸を2−アミノベンゼンスルホン酸に替えて実施例A−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット95mol%、及び下記式(A−3):
Figure 2007154177
に示すユニットを5mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは16000であり、分子量分布は1.24であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物A−3とした。
(実施例A−4)
実施例A−3で得られたブロック共重合体(A−3)に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット95mol%、及び下記式(A−4):
Figure 2007154177
に示すユニットを5mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは16000であり、分子量分布は1.23であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物A−4とした。
(実施例B−1)
以下の文献の記載を参考にして、スチレンとメタクリル酸をブロック共重合させることによりブロック共重合体(B−0)を得た。
Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.38, 4805 (2000).
Figure 2007154177
ブロック共重合体(B−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M1):(F1)=90:10であることを確認した。GPC測定から、ブロック共重合体(B−0)のMnは21000であり、分子量分布は1.23であった。ブロック共重合体(B−0)を以下の実験に用いた。
ブロック共重合体(B−0)と4−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(B−1):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.21であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物B−1とした。
(実施例B−2)
実施例B−1で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(B−2):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。また、GPC測定から、得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.21であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物B−2とした。
(実施例B−3)
実施例B−1の4−アミノベンゼンスルホン酸を3−アミノベンゼンスルホン酸に替えて実施例B−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(B−3):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.22であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物B−3とした。
(実施例B−4)
実施例B−3で得られたブロック共重合体(B−3)に対して、実施例B−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(B−4):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.20であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物B−4とした。
(実施例C−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合としてニトロキシド媒介重合を用い、スチレンとアクリル酸をブロック共重合させることにより、下記式(C−0)で示されるブロック共重合体を得た。
Macromolecular Rapid Communications, Vol.25(21), 1839 (2004).
Figure 2007154177
ブロック共重合体(C−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M2):(F2)=93:7であることを確認した。ブロック共重合体(C−0)のMnは11000であり、分子量分布は1.26であった。ブロック共重合体(C−0)を以下の実験に用いた。
ブロック共重合体(C−0)と4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−1):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは12000であり、分子量分布は1.26であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、この化合物を例示化合物C−1とした。
(実施例C−2)
実施例C−1で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−2):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは12000であり、分子量分布は1.24であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体55gを得、例示化合物C−2とした。
(実施例C−3)
実施例C−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を4−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルに替えて実施例C−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−3):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.25であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体60gを得、これを例示化合物C−3とした。
(実施例C−4)
実施例C−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルに替えて実施例C−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−4):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの
結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.24であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体60gを得、これを例示化合物C−4とした。
(実施例C−5)
実施例C−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸に替えて実施例C−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−5):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.25であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体65gを得、これを例示化合物C−5とした。
(実施例C−6)
実施例C−5で得られたブロック共重合体(C−5)に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット93mol%、及び下記式(C−6):
Figure 2007154177
に示すユニットを7mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは13000であり、分子量分布は1.23であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体60gを得、これを例示化合物C−6とした。
(実施例D−1)
ブロック共重合体(B−0)と1−ナフチルアミン−8−スルホン酸との縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−1):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは25000であり、分子量分布は1.21であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、これを例示化合物D−1とした。
(実施例D−2)
実施例D−1で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−2):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは25000であり、分子量分布は1.19であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、これを例示化合物D−2とした。
(実施例D−3)
ブロック共重合体(B−0)と2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−3):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.21であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体50gを得、これを例示化合物D−3とした。
(実施例D−4)
実施例D−3で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−4):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは24000であり、分子量分布は1.18であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体55gを得、これを例示化合物D−4とした。
(実施例D−5)
ブロック共重合体(B−0)とタウリンとの縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−5):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは23000であり、分子量分布は1.22であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体60gを得、これを例示化合物D−5とした。
(実施例D−6)
実施例D−5で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット90mol%、及び下記式(D−6):
Figure 2007154177
に示すユニットを10mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは23000であり、分子量分布は1.20であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体60gを得、これを例示化合物D−6とした。
(実施例E−1)
以下の文献の記載を参考に、リビングラジカル重合として原子移動ラジカル重合を用い、下記式(E−0)で示されるスチレンと4−ビニル安息香酸からなるブロック共重合体を得た。
Polymer Preprints (American Chemical Society, Division of Polymer Chemistry), 43
(2), 51 (2002).
Figure 2007154177
ブロック共重合体(E−0)の各ユニットの含有比率(モル%)は、1H−NMRから(M3):(F3)=96:4であることを確認した。ブロック共重合体(E−0)のMnは20000であり、分子量分布は1.18であった。共重合体(E−0)を以下の実験に用いた。
ブロック共重合体(E−0)と4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応を実施例A−1と同様の操作で行った。得られたポリマーは、スチレンユニット96mol%、及び下記式(E−1):
Figure 2007154177
に示すユニットを4mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは20000であり、分子量分布は1.16であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体75gを得、これを例示化合物E−1とした。
(実施例E−2)
実施例E−1で得られたブロック共重合体に対して、実施例A−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット96mol%、及び下記式(E−2):
Figure 2007154177
に示すユニットを4mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは20000であり、分子量分布は1.13であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体75gを得、これを例示化合物E−2とした。
(実施例E−3)
実施例E−1の4−メトキシアニリン−2−スルホン酸を2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸に替えて実施例E−1と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット96mol%、及び下記式(E−3):
Figure 2007154177
に示すユニットを4mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは20000であり、分子量分布は1.15であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体70gを得、これを例示化合物E−3とした。
(実施例E−4)
実施例E−3で得られた共重合体に対して、実施例E−2と同様の操作を行った。得られたポリマーは、スチレンユニット96mol%、及び下記式(E−4):
Figure 2007154177
に示すユニットを4mol%含有しているブロック共重合体であることが1H−NMRの結果から確認された。また、酸価滴定により、スルホン酸に由来する当量点が見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたブロック共重合体のMnは20000であり、分子量分布は1.14であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体70gを得、これを例示化合物E−4とした。
(実施例F)
原子移動ラジカル重合を用いて、下記式(F)で示されるブロック共重合体を合成した。まず初めに、以下の化合物をDMF(22g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で1時間重合させた。
・p−スチレンスルホン酸メチル(22g)
・開始種である1−ブロモエチルベンゼン(0.9g)
・触媒である臭化銅(0.7g)
・リガンドである1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(1.1g)
そして、ポリ(p−スチレンスルホン酸メチル)のマクロイニシエーター(18g、数平均分子量Mn =3500、分子量分布(Mw/Mn)=1.15)を得た。
続いて、以下の化合物をDMF(125g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で5時間共重合させた。
・マクロイニシエーター(開始種)であるポリ(p−スチレンスルホン酸メチル)(18g)
・スチレン(104g)
・触媒である臭化銅(2.1g)
・リガンドである1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(3.5g)
そして、下記式(F):
Figure 2007154177
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M4):(F4)=90:10で含有するブロック共重合体が得られたことが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは20000であり、分子量分布は1.21であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体70gを得、これを例示化合物Fとした。
(実施例G)
ニトロキシド媒介重合を用いて、下記式(G)で示されるブロック共重合体を合成した。まず初めに、以下の化合物をDMF(25g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で1時間重合させた。
・p−スチレンスルホン酸エチル(25g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(1.0g)
・TEMPO(1.0g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.4g)
そして、ポリ(p−スチレンスルホン酸エチル)のマクロイニシエーター(20g、数平均分子量Mn=3000、分子量分布(Mw/Mn)=1.20)を得た。
続いて、以下の化合物をDMF(145g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で5時間重合させた。
・マクロイニシエーター(開始種)であるポリ(p−スチレンスルホン酸エチル)(20g)
・スチレン(124g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(1.0g)
・TEMPO(1.0g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.4g)
そして、下記式(G):
Figure 2007154177
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M5):(F5)=91:9で含有するブロック共重合体が得られたことが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは18000であり、分子量分布は1.24であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体70gを得た。1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(500MHz、重DMF)
δ/ppm:7.40〜7.90(ベンゼン環のピーク)
6.20〜7.00(ベンゼン環のピーク)
3.80〜4.10(スルホン酸エチルのCH2のピーク)
1.20〜2.00(主鎖のピーク)
0.90〜1.20(スルホン酸エチルのCH3のピーク)
これを例示化合物Gとした。
(実施例H)
原子移動ラジカル重合を用いて、下記式(H)で示されるブロック共重合体を合成した。まず初めに、次の化合物をDMF(30g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で1時間重合させた。
・4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸メチル(28g)
・開始種である1−ブロモエチルベンゼン(0.7g)
・触媒である臭化銅(0.5g)
・リガンドである1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(0.8g)
そして、ポリ(4−エチレン−1−ナフタレンスルホン酸メチル)のマクロイニシエーター(22g、数平均分子量Mn =6200、分子量分布(Mw/Mn)=1.13)を得た。
続いて、以下の化合物をDMF(110g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、70℃で5時間共重合させた。
・マクロイニシエーター(開始種)であるポリ(4−エチレン−1−ナフタレンスルホン酸メチル)(22g)
・スチレン(83g)
・触媒である臭化銅(1.5g)
・リガンドである1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(2.4g)
そして、下記式(H):
Figure 2007154177
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M6):(F6)=88:12で含有するブロック共重合体が得られたことが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは25000であり、分子量分布は1.20であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体75gを得、これを例示化合物Hとした。
(実施例I)
ニトロキシド媒介重合を用いて、下記式(I)で示されるブロック共重合体を合成した。まず初めに、以下の化合物をDMF(31g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で1.5時間重合させた。
・4−エテニル−1−ナフタレンスルホン酸エチル(31g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(0.5g)
・TEMPO(0.5g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.2g)
そして、ポリ(4−エチレン−1−ナフタレンスルホン酸エチル)のマクロイニシエーター(25g、数平均分子量Mn=8000、分子量分布(Mw/Mn)=1.20)を得た。
続いて、以下の化合物をDMF(110g)中に溶解させ、窒素雰囲気下、120℃で6時間重合させた。
・マクロイニシエーター(開始種)であるポリ(4−エチレン−1−ナフタレンスルホン酸エチル)(25g)
・スチレン(86g)
・2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(0.5g)
・TEMPO(0.5g)
・ジクルミルパーオキサイド(0.2g)
そして、下記式(I):
Figure 2007154177
に示すユニットを、含有比率(モル%)(M7):(F7)=87:13で含有するブロック共重合体が得られたことが1H−NMRの結果から確認された。得られたブロック共重合体のMnは30000であり、分子量分布は1.25であった。調製法をスケールアップすることにより上記ブロック共重合体72gを得、これを例示化合物Iとした。
(実施例1)
先ず、高速撹拌装置TK-ホモミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し、回転数を10,000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。一方、下記組成をボールミルを用いて3時間分散させた後、離型剤(カルナバワックス、融点83℃)10質量部と、重合開始剤である2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン単量体:82質量部
・エチルヘキシルアクリレート単量体:18質量部
・ジビニルベンゼン単量体:0.1質量部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー 15):6質量部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量3200、酸価8):5質量部
・例示化合物A−1:2質量部
次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製した水系分散媒体中に投入し、回転数10,000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させて重合反応を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解した後、濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得た。得られた青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平均粒径7.1μmで、微粉量(個数分布における3.17μm以下の粒子の存在割合)は5.0個数%であった。
上記で調製した青色重合粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:270m2/g)1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添し、本実施例の青色トナー(1)とした。更に、この青色トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製した。
(実施例2〜6)
例示化合物A−1をそれぞれ例示化合物B−2、C−3、D−2、E−1、Fとした以外は実施例1と同様の方法により、実施例2〜6の青色トナー(2)〜(6)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、実施例2〜6の2成分系青色現像剤(2)〜(6)を得た。
(比較例1)
例示化合物A−1を使用しない点以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の青色トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例1の2成分系青色現像剤(7)を得た。
(実施例7〜12)
例示化合物A−1の代わりに例示化合物A−2、B−3、C−4、D−3、E−2、Gをそれぞれ2.0質量部を用い、シアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。そして、実施例7〜12のイエロー(黄色)トナー(1)〜(6)を得た。これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)〜(6)を得た。
(比較例2)
例示化合物A−1を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例2のイエロー(黄色)トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例2の2成分系イエロー(黄色)現像剤(7)を得た。
(実施例13〜18)
例示化合物A−1の代わりに例示化合物A−3、B−4、C−5、D−4、E−3、Hをそれぞれ2.0質量部使用し、シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。そして、実施例13〜18の黒色トナー(1)〜(6)を得た。これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系黒色現像剤(1)〜(6)を得た。
(比較例3)
例示化合物A−1を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の黒色トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例3の2成分系黒色現像剤(7)を得た。
(実施例19)
・スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃):100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 114):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物A−4:2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得た。このマゼンタ着色粒子(1)の粒度は、重量平均粒径7.1μm、微粉量は5.2個数%であった。
このマゼンタ着色粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタ(赤色)トナー(1)を得た。更に、得られたマゼンタ(赤色)トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)を調製した。
(実施例20〜24)
例示化合物A−4をそれぞれ例示化合物C−1、C−6、D−5、E−4、Iとした以外は実施例19と同様の方法により、実施例20〜24のマゼンタ(赤色)トナー(2)〜(6)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例19と同様にして、実施例20〜24の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(2)〜(6)を得た。
(比較例4)
例示化合物A−4を使用しない点以外は実施例19と同様の方法により、比較例4のマゼンタ(赤色)トナー(7)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例19と同様にして、比較例4の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(7)を得た。
(実施例25)
・ポリエステル樹脂:100質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量:110mL/100g):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物B−1:2質量部
ポリエステル樹脂は次のようにして合成した。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物751部、テレフタル酸104部および無水トリメリット酸167部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、軟化点125℃のポリエステル樹脂を得た。
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(8)を得た。この黒色着色粒子(8)の粒度は、重量平均粒径7.2μm、微粉量は5.3個数%であった。
この黒色着色粒子(8)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例の黒色トナー(8)を得た。 更に、得られた黒色トナー(8)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系黒色現像剤(8)を調製した。
(実施例26〜28)
例示化合物B−1をそれぞれ例示化合物C−2、D−1、D−6とした以外は実施例25と同様の方法により、実施例26〜28の黒色トナー(9)〜(11)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例25と同様にして、実施例26〜28の2成分系黒色現像剤(9)〜(11)を得た。
(比較例5)
例示化合物B−1を使用しない点以外は実施例25と同様の方法により、比較例5の黒色トナー(12)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。また、これを用いて実施例25と同様にして、比較例5の2成分系黒色現像剤(12)を得た。
<評価>
上記実施例1〜28で得られた2成分系現像剤と、比較例1〜5で得られた2成分系現像剤について、評価を行った。具体的には、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表1にまとめて示した。
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g 以上)
Figure 2007154177
また、実施例A−1からIと同様の組成比と数平均分子量を持つランダム共重合体からなる荷電制御剤を通常のラジカル重合によって合成し、実施例1から28と同様にしてトナーを作製し、トナーの帯電性を比較した。その結果、ブロック共重合体からなる荷電制御剤を使用して作製したトナーの方が、帯電性が優れていることが確認された。
また、ブロック共重合体からなる荷電制御剤を使用して作製したトナーとランダム共重合体からなる荷電制御剤を使用して作製したトナーの表面分析を行った。その結果、ブロック共重合体からなる荷電制御剤を使用して作製したトナーの方が、トナー表面に荷電制御剤が多く局在化していることが確認された。
(実施例29〜実施例34および比較例6〜比較例10)
先ず、実施例29〜実施例34および比較例6〜比較例10の画像形成方法に用いる画像形成装置として、LBP5500(キヤノン社製商品名)を使用した。
その際、現像剤として、実施例1、7、13、19、25、28および比較例1〜5で得たイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー又はブラックトナーでトナー画像を形成した。
<評価>
逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。条件は、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度となるようにLBP5500を改造した。また、実施例1、7、13、19、25、28のトナーと、比較例1〜5のトナーをそれぞれ使用した。得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果を表2にまとめて示した。
[プリントアウト画像評価]
1.画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
2.画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。プリント後の白地部反射濃度の最低値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。測定には、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製、商品名 REFLECTOMETER MODEL TC-6DS)を用いた。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
3.転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可
また、実施例29〜実施例34および比較例6〜比較例10で、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価した。実施例29〜実施例34のトナーを使用した系では、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、LBP5500とのマッチングが非常に良好であった。一方、比較例6〜比較例10のトナーを使用した系では、いずれも感光ドラム表面にトナーの固着が認められた。更に、比較例6〜比較例10のトナーを使用した系では、中間転写体表面上にトナーの固着と表面傷が確認でき、画像上にも縦スジ状の画像欠陥を生じるといった、LBP5500とのマッチングにおいて問題を生じた。
Figure 2007154177
(実施例35〜実施例37、比較例11〜比較例13)
実施例35〜実施例37、比較例11〜比較例13の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例1、7、13および比較例1〜3で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、LBP5500にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行った。得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。又、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。又、同時に、耐久試験後におけるLBP5500を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表3にまとめて示した。
[耐久時の画像濃度推移]
初期(1枚目)、千枚目、1万枚目、及び3万枚目の画像濃度を評価した。評価方法及び基準は、実施例29〜実施例34および比較例6〜比較例10と同様とした。
[画像カブリ]
評価方法及び基準は、実施例29〜実施例34および比較例6〜比較例10と同様とした。
[画像形成装置マッチング評価]
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
Figure 2007154177
(実施例38)
LBP5500のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分となるように改造した以外は実施例35と同様にし、実施例1の青色トナー(1)を逐次補給しながら連続モードでプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いたLBP5500とのマッチングを実施例35〜実施例37、比較例11〜比較例13と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
本発明に係るポリマーは、例えば、電子写真技術に用いられるトナーに含有される荷電制御剤に適用できる。
トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
符号の説明
41 帯電量測定装置
42 測定容器
43 スクリーン
44 フタ
45 真空計
46 風量調節弁
47 吸引口
48 コンデンサー
49 電位計

Claims (6)

  1. 化学式(1)で示す構造のユニットと化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体であることを特徴とするポリマー。
    Figure 2007154177
    (式中、Rは−A1−SO21である。R1w、R1X、R1yは、下記(i)または(ii)に記載されている組み合わせから選ばれる。(i)の場合、A1とR1は、下記(i−A)から(i−G)に記載の組み合わせから選ばれ、また、(ii)の場合、A1とR1は、(ii−A)に記載の組み合わせから選ばれる。
    (i)R1w、R1Xは水素原子であり、R1yはCH3基または水素原子である。
    (i−A)A1は、メチレン基、エチレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数3のアルキレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数4のアルキレン基(化学式(106)又は(107)で示す分岐のアルキレン基を除く)、直鎖もしくは分岐の炭素数5のアルキレン基、直鎖もしくは分岐の炭素数6乃至8のアルキレン基、化学式(104a)もしくは(104b)で示す未置換の芳香族環構造、または未置換の複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−B)A1は、化学式(105)で示す未置換の芳香族環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−C)A1は、化学式(106)で示す分岐の炭素数4のアルキレン基である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−D)A1は、化学式(107)で示す分岐の炭素数4のアルキレン基である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−E)A1は、置換芳香族環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−F)A1は、置換複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (i−G)A1は、未置換のナフタレン構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
    (ii)R1w、R1Xは、それぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R1yは、CH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R1w、R1X、R1yの少なくとも1つは、ハロゲン原子である。
    (ii−A)A1は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。R1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1aは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)
    Figure 2007154177
    Figure 2007154177
    Figure 2007154177
    Figure 2007154177
    Figure 2007154177
    (式中、R2w、R2xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R2yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R2は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R2a、−O−R2b、−COO−R2c、−OCO−R2d、−CONR2e2f、−CN、またはN原子を含む環構造である。R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)
  2. 前記ブロック重合体には、化学式(1)で示す構造のユニットよりも化学式(2)で示す構造のユニットの方が多く含まれていることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  3. 粉粒体内あるいは表面に、請求項1または2に記載のポリマーを含有していることを特徴とする荷電制御剤。
  4. 粉粒体内あるいは表面に、スルホン酸エステル基またはスルホン酸塩を有するユニットを構成単位とするブロック共重合体を含有していることを特徴とする荷電制御剤。
  5. スルホン酸エステル基またはスルホン酸塩を有する前記ユニットと、化学式(2)で示す構造のユニットとのブロック共重合体を含有していることを特徴とする請求項4に記載の荷電制御剤。
    Figure 2007154177
    (式中、R2w、R2xはそれぞれ独立してハロゲン原子、または水素原子である。R2yはCH3基、ハロゲン原子、または水素原子である。R2は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、ハロゲン原子、−CO−R2a、−O−R2b、−COO−R2c、−OCO−R2d、−CONR2e2f、−CN、またはN原子を含む環構造である。R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)
  6. バインダー樹脂と、着色剤と、請求項3乃至5のいずれかに記載の荷電制御剤とを含有することを特徴とする静電荷像現像トナー。
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