JP2008260811A - 木質バイオマス原料調整方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 バイオエタノール製造にリグニン含有量の少ない原料を供給できるようにする。
【解決手段】 木質バイオマス1を粗粉砕装置7で粗粉砕処理して粗粉砕物8とする。粗粉砕物8を微粉砕装置9で微粉砕処理して微粉砕物10とする。微粉砕物10を分級装置にて粗粉12と微粉13に分級する。この分級により、粉砕され易いリグニンを微粉13の分画に濃縮させることで、相対的にリグニン含有量が低減される粗粉12の分画を回収し、この粗粉12を、バイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とさせる。
【選択図】図1
【解決手段】 木質バイオマス1を粗粉砕装置7で粗粉砕処理して粗粉砕物8とする。粗粉砕物8を微粉砕装置9で微粉砕処理して微粉砕物10とする。微粉砕物10を分級装置にて粗粉12と微粉13に分級する。この分級により、粉砕され易いリグニンを微粉13の分画に濃縮させることで、相対的にリグニン含有量が低減される粗粉12の分画を回収し、この粗粉12を、バイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とさせる。
【選択図】図1
Description
本発明は、木質バイオマスよりバイオエタノールの製造に適した原料や、リグニンの精製に適した原料を調製するために用いる木質バイオマス原料調整方法及び装置に関するものである。
近年、地球温暖化対策等の観点から、化石燃料を利用せずに植物資源から生産されるバイオエタノールが着目されてきている。
上記バイオエタノールの原料としては、当初は、主にサトウキビ等の糖質や、穀物等のでんぷん質が用いられていたが、これらの原料は食物や飼料としても利用可能なものが多いため、該各原料を用いたバイオエタノールの生産量を増加させると、食料や飼料の供給に影響を及ぼす虞が懸念される。
そこで、近年では、バイオエタノールの原料として木質バイオマス等のセルロース系のバイオマスを用いることが注目されている。
上記のような木質バイオマスよりバイオエタノールを製造する場合は、通常、図3に示すように、先ず、木材等のバイオマス原料(木質バイオマス)1を、粉砕装置2で粉砕し、次に、該粉砕装置2より回収される上記バイオマス原料の粉砕物3を、糖化装置4で糖化処理した後、発酵装置5で発酵処理することにより、エタノール6を生成させるようにしてある。
ところで、上記木質バイオマス1は、主成分として、セルロースと、ヘミセルロースと、リグニンを含んでいるが、このうち、糖化処理と発酵処理によってエタノール6の生成に利用されるのは、セルロースとヘミセルロースであり、上記木質バイオマス1に約20%近く含まれているリグニンは、糖化されないため、現状では、エタノール6の生成には利用できない。
そのため、従来は、上記糖化処理工程で木質バイオマスの粉砕物3に硫酸を加えて酸処理によるセルロース等の可溶化と糖分解を行うことにより、上記木質バイオマス1に含まれているリグニンは、糖化されない固形分として残留させるようにし、該リグニンを、糖化処理工程後に分離して回収するようにしている。
上記のようにして糖化処理工程後に固形分として分離、回収されるリグニンは、ボイラの燃料として利用されている。なお、リグニンは、高純度化すれば、精製リグニンとして別の利用価値も見出されており、更には、リグニンを酸や高温高圧水を用いて低分子化することで、再利用を図ることも考えられてきている。
ところが、上記木質バイオマス1は粉砕され難い性状を備えているため、通常は、上記粉砕装置2として、ロール式の粉砕装置2を用いて、数ミリ程度までの粉砕処理を行うようにしてある。
更に、上記従来の木質バイオマスを原料とするバイオエタノールの製造手法では、上記木質バイオマス1を数ミリ程度まで粉砕処理してなる粉砕物3を、すべて糖化装置4へ供給して糖化処理するようにしてあるため、該糖化処理工程では、上記木質バイオマス1中に約20%含まれているリグニンを、すべて分離して回収できるようにする必要がある。そのために、上記糖化処理工程における硫酸処理の負担が大きくなっているというのが実状である。
そこで、本発明者は、エタノール製造の原料として用いる木質バイオマス中のリグニン含有量を、糖化処理を行う以前に予め低減させておくようにすれば、上記糖化処理工程における硫酸処理の負担が小さくなると考えたが、このように、エタノール製造原料として用いる木質バイオマス中のリグニン含有量を糖化処理以前に予め低減させることができるようにするための手法は、特に提案されていない、というのが実状である。
そこで、本発明は、リグニン含有量を予め低減させてなるバイオエタノールの製造に適した木質バイオマス原料や、リグニン含有量を予め高めてなるリグニンの精製に適した木質バイオマス原料を調製することができる木質バイオマス原料調整方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、木質バイオマスを微粉砕処理して得られる微粉砕物を、粗粉と微粉に分級して、粗粉の分画をバイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とし、又、微粉の分画をリグニン精製用の木質バイオマス原料とするようにする木質バイオマス原料調整方法及び装置とする。
又、上記において、木質バイオマスを、数十〜数百μmの粒径となるように微粉砕処理して微粉砕物を得るようにする構成とする。
更に、上記各構成において、木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩により粗粉と微粉に分級するようにする構成とする。
同様に、上記各構成において、木質バイオマス微粉砕物を、気流式分級機を使用して粗粉と微粉に分級するようにする構成とする。
又、同様に、上記各構成において、木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩と、気流式分級機のいずれか片方を複数使用するか、又は、上記篩と気流式分級機を併用して多段に分級することにより粒度分布の異なる複数の粉の分画とした後、該粒度分布の異なる複数の粉の分画を、それぞれの粒度分布に応じて粗粉又は微粉として用いるようにする構成とする。
上述の各構成において、木質バイオマスを微粉砕処理する前に粗粉砕処理し、木質バイオマスの粗粉砕物を微粉砕処理して微粉砕物を得るようにする構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)木質バイオマスを微粉砕処理して得られる微粉砕物を、粗粉と微粉に分級して、粗粉の分画をバイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とし、又、微粉の分画をリグニン精製用の木質バイオマス原料とするようにする木質バイオマス原料調整方法及び装置としてあるので、粗粉のリグニン含有量を元の木質バイオマスに比して低減でき、該粗粉を木質バイオマス原料とするバイオエタノールの製造では、予めリグニン含有量が低減された木質バイオマス原料を糖化処理した後、発酵処理してエタノールを製造できるため、糖化処理工程では、硫酸を用いて木質バイオマス原料に含まれているリグニンを分離するための処理の負担を軽減することができる。このため、硫酸の使用量を低減できると共に、糖化処理に要する時間を短縮することが可能になる。更に、使用する木質バイオマス原料の単位重量当りのエタノールの収量を増加させることが可能になる。
(2)一方、微粉は、リグニン含有量を元の木質バイオマスに比して増加でき、該微粉をリグニン精製用の木質バイオマス原料とすることで、リグニンの精製を効率よく行うことが可能になる。
(3)木質バイオマスを、数十〜数百μmの粒径となるように微粉砕処理して微粉砕物を得るようにした構成とすることにより、リグニンの微粉砕化を効率よく行わせて、該リグニンの粒度分布を、セルロースやヘミセルロースよりも小粒径側へ効率よく偏らせることができる。
(4)木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩により粗粉と微粉に分級するようにした構成とすることにより、リグニンを微粉側へ効率よく濃縮することができる。
(5)木質バイオマス微粉砕物を、気流式分級機を使用して粗粉と微粉に分級するようにした構成とすることにより、気流の流速、装置の形状、粉の供給量等を変化させることで、粗粉と微粉を分級する基準となる粒径を変化させることが可能になるため、木質バイオマスとして使用する木の種類が変化すること等に起因して、含まれているリグニンの粉砕の容易性が多少変化しても、微粉として回収する分画の基準となる粒度を適宜調整することで、リグニンを微粉側へ確実に濃縮させることが可能となる。
(6)木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩と、気流式分級機のいずれか片方を複数使用するか、又は、上記篩と気流式分級機を併用して多段に分級することにより粒度分布の異なる複数の粉の分画とした後、該粒度分布の異なる複数の粉の分画を、それぞれの粒度分布に応じて粗粉又は微粉として用いるようにする構成とすることにより、上記多段の分級により得られる粒度分布の異なる複数の粉を、エタノールの製造や、リグニンの精製の用途に合わせて利用することができる。
(7)木質バイオマスを微粉砕処理する前に粗粉砕処理し、木質バイオマスの粗粉砕物を微粉砕処理して微粉砕物を得るようにした構成とすることにより、微粉砕処理の負担を軽減できて、木質バイオマスの微粉砕物を効率よく得ることができる。
(1)木質バイオマスを微粉砕処理して得られる微粉砕物を、粗粉と微粉に分級して、粗粉の分画をバイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とし、又、微粉の分画をリグニン精製用の木質バイオマス原料とするようにする木質バイオマス原料調整方法及び装置としてあるので、粗粉のリグニン含有量を元の木質バイオマスに比して低減でき、該粗粉を木質バイオマス原料とするバイオエタノールの製造では、予めリグニン含有量が低減された木質バイオマス原料を糖化処理した後、発酵処理してエタノールを製造できるため、糖化処理工程では、硫酸を用いて木質バイオマス原料に含まれているリグニンを分離するための処理の負担を軽減することができる。このため、硫酸の使用量を低減できると共に、糖化処理に要する時間を短縮することが可能になる。更に、使用する木質バイオマス原料の単位重量当りのエタノールの収量を増加させることが可能になる。
(2)一方、微粉は、リグニン含有量を元の木質バイオマスに比して増加でき、該微粉をリグニン精製用の木質バイオマス原料とすることで、リグニンの精製を効率よく行うことが可能になる。
(3)木質バイオマスを、数十〜数百μmの粒径となるように微粉砕処理して微粉砕物を得るようにした構成とすることにより、リグニンの微粉砕化を効率よく行わせて、該リグニンの粒度分布を、セルロースやヘミセルロースよりも小粒径側へ効率よく偏らせることができる。
(4)木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩により粗粉と微粉に分級するようにした構成とすることにより、リグニンを微粉側へ効率よく濃縮することができる。
(5)木質バイオマス微粉砕物を、気流式分級機を使用して粗粉と微粉に分級するようにした構成とすることにより、気流の流速、装置の形状、粉の供給量等を変化させることで、粗粉と微粉を分級する基準となる粒径を変化させることが可能になるため、木質バイオマスとして使用する木の種類が変化すること等に起因して、含まれているリグニンの粉砕の容易性が多少変化しても、微粉として回収する分画の基準となる粒度を適宜調整することで、リグニンを微粉側へ確実に濃縮させることが可能となる。
(6)木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩と、気流式分級機のいずれか片方を複数使用するか、又は、上記篩と気流式分級機を併用して多段に分級することにより粒度分布の異なる複数の粉の分画とした後、該粒度分布の異なる複数の粉の分画を、それぞれの粒度分布に応じて粗粉又は微粉として用いるようにする構成とすることにより、上記多段の分級により得られる粒度分布の異なる複数の粉を、エタノールの製造や、リグニンの精製の用途に合わせて利用することができる。
(7)木質バイオマスを微粉砕処理する前に粗粉砕処理し、木質バイオマスの粗粉砕物を微粉砕処理して微粉砕物を得るようにした構成とすることにより、微粉砕処理の負担を軽減できて、木質バイオマスの微粉砕物を効率よく得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の木質バイオマス原料調整方法及び装置の実施の一形態を示すもので、木質バイオマス1を粗粉砕処理する粗粉砕装置7と、微粉砕装置9と、分級装置11とを上流側より順に備えてなる構成とする。木質バイオマス1を、先ず、上記粗粉砕装置7へ供給して、下流側の微粉砕装置9に供給可能な粒径となる数ミリ程度、たとえば、3mm程度の粒径まで粗粉砕処理する。次に、上記粗粉砕装置7より回収される木質バイオマスの粗粉砕物8を、微粉砕装置9へ供給して、数十〜数百μmに分布した粒径となるように微粉砕処理する。次いで、上記微粉砕装置9より回収される木質バイオマスの微粉砕物10を、分級装置11へ供給して、所定の粒径を基準に粗粉12と微粉13とに分級して回収できるようにする。
詳述すると、上記粗粉砕装置7は、たとえば、一軸ロールミルやカッター、鉋形式の粉砕装置を用いるようにすればよい。更には、木質バイオマス1を3mm程度の粒径となるように粗粉砕処理して、粗粉砕物8を回収することができれば、ローラー式、ウィレー式等、その他いかなる粉砕形式の粉砕装置を採用してもよい。又、上記粗粉砕装置7で形成すべき粗粉砕物8の粒径は、下流側に設けてある微粉砕装置9にて設定されている投入可能な粒径に応じて適宜増減させるようにしてもよい。
上記微粉砕装置9は、上記3mm程度の粒径で供給される粗粉砕物8を、たとえば、回転するロータと、その外周に固定したライナとの間で数十〜数百μmの粒径まで粉砕できる回転ロータ式の粉砕装置としてある。更に、上記粗粉砕物8を微粉砕して数十〜数百μmに分布する粒径の微粉砕物10を回収できれば、気流式や、その他いかなる粉砕形式の粉砕装置を採用してもよい。
ここで、木質バイオマス1の各構成要素について示すと、セルロース、ヘミセルロース、リグニンは、それぞれ粉砕の容易性に差があり、特に、リグニンは、その構造上の特徴から、上記セルロース及びヘミセルロースに比して粉砕(分断)され易く、微細化され易い。したがって、上記微粉砕装置9にて粗粉砕物8を上記所定の粒径の微粉砕物10が形成されるように微粉砕処理すると、セルロースとヘミセルロースの粒度分布に比して、上記リグニンの粒度分布は、小粒径側へ偏るようになる。
上記分級装置11は、目開き45μm〜200μm、好ましくは、目開き125μmの図示しない篩を用いて上記微粉砕物10を篩い分けし、篩下の分画を微粉13として回収し、篩上に残留するものを粗粉12の分画として回収できる構成としてある。上記において、篩の目開きを45μm以上としたのは、45μmよりも小さいと、木質バイオマスの微粉砕物10は繊維状物質であるため篩のメッシュに絡まり易くなり、リグニンが微粉砕されたものも篩目を通過し難くなってしまうためである。又、篩の目開きを200μm以下としたのは、篩の目開きを200μmよりも大きくすると、篩下の分画に、セルロースやヘミセルロースが多く含まれるようになってしまうためである。
以上の構成としてある木質バイオマス原料調整装置を用いる場合は、木質バイオマス1を粗粉砕装置7で粗粉砕処理し、該粗粉砕装置7より粗粉砕物8を回収して、微粉砕装置9へ供給し、数十〜数百μmに分布した粒径となるように微粉砕処理させる。これにより、上記微粉砕処理により形成される微粉砕物10中では、セルロースとヘミセルロースの粒度分布に比して、上記リグニンの粒度分布は小粒径側に偏るようになる。次いで、上記微粉砕装置9より木質バイオマスの微粉砕物10を回収して、分級装置11へ供給する。これにより、上記分級装置11では、小粒径側に偏った粒度分布を有するリグニンが、セルロースやヘミセルロースに比して、上記所定の目開きを有する図示しない篩を通過し易いため、篩下に移行する微粉13の分画では、上記リグニンの微粉砕されたものが濃縮されるようになる。よって、上記のように篩下の微粉13の分画にリグニンが濃縮されてリグニンの含有量が増加することから、相対的に、篩上の粗粉12の分画では、リグニンの含有量が低減されるようになる。
このように、本発明の木質バイオマス原料調整方法及び装置によれば、リグニン含有量が元の木質バイオマス1に比して低減された粗粉12と、リグニン含有量が元の木質バイオマス1に比して高められた微粉12を得ることができる。
したがって、上記粗粉12を、バイオエタノール製造用の木質バイオマス原料として供するようにすると、予めリグニン含有量が低減された木質バイオマス原料を糖化処理した後、発酵処理してエタノールを製造できるため、上記糖化処理工程では、硫酸を用いて木質バイオマス原料に含まれているリグニンを分離するための処理の負担を軽減することができる。よって、硫酸の使用量を低減できると共に、糖化処理に要する時間を短縮することが可能になる。更には、使用する木質バイオマス原料(粗粉12)の単位重量当りのエタノールの収量を増加させることが可能になる。
一方、上記微粉13を、リグニン精製用の木質バイオマス原料として供するようにすると、木質バイオマス原料中におけるリグニン含有量が高められているため、リグニンの精製を効率よく行うことが可能になる。
上記においては、分級装置11を、図示しない篩を用いて粗粉12と微粉13とを篩い分けて分級を行う形式のものとして示したが、粉砕された木質バイオマスの繊維同士が絡まないようにした状態で分級することができるようにしてあれば、分級装置として、サイクロンや強制渦流式等の気流式分級機を用いるようにしてもよい。この場合は、気流の流速、装置の形状、粉の供給量等を変化させることで、粗粉12と微粉13を分級する基準となる粒径を変化させることが可能になるため、たとえば、木質バイオマス1として使用する木の種類が変化すること等に起因して、含まれているリグニンの粉砕の容易性が多少変化しても、微粉13として回収する分画の基準となる粒度を適宜調整することで、リグニンを微粉13側へ確実に濃縮させる効果が期待できる。
又、分級装置11としては、上記と同様の篩を複数備えてなる構成としたり、複数の気流式分級機を備えてなる構成としたり、あるいは、上記と同様の篩と気流式分級機を併用できるようにしてなる構成等として、該分級装置11により、木質バイオマスの微粉砕物10の多段の分級を行って粒度を調整するようにしてもよい。この場合には、上記多段の分級により粒度分布の異なる複数の粉の分画が得られるようになるため、該粒度分布の異なる複数の粉の分画を、それぞれの粒度分布に応じて粗粉又は微粉として、エタノールの製造や、リグニンの精製の用途に合わせて利用することができる。この際、上記粒度分布の異なる複数の粉の分画は、所要の分画を混合して使用してもよく、又、別々に使用してもよい。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、微粉砕装置9により、木質バイオマス1を、直接数十〜数百μmに分布した粒径となるように微粉砕処理することができれば、粗粉砕装置7は省略してもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
以下、本発明者が実施した本発明の有効性の検証の結果について説明する。
図1に示したと同様の構成を有する木質バイオマス原料調整装置を用いて、木質バイオマス1を処理した。木質バイオマス1としては杉を使用した。分級装置11は、目開き125μmの篩を用いて粗粉12と微粉13を分級するものとした。
上記分級装置11での分級により、微粉砕物10のうちの30%が、篩下に移行して微粉13の分画とされ、篩上に残る70%が、粗粉12の分画として回収された。
その後、使用した木質バイオマス1と、得られた粗粉12及び微粉13のそれぞれについて、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、その他のものについての含有量をそれぞれ計測した。
その結果を図2に示す。なお、図2における粗粉中の含有量と、微粉中の含有量の欄に示したカッコ内の数値は、元の木質バイオマス1全体に対する比を示している。
図2より明らかなように、粗粉12では、元の木質バイオマス1に比較して、リグニンの含有量を低減できることが分かる。又、このリグニンの含有量の低下に伴い、セルロース及びヘミセルロースの含有量が増加していることが分かる。
微粉13では、元の木質バイオマス1に比して、リグニンを濃縮できていることが明らかとなった。
1 木質バイオマス
7 粗粉砕装置
8 粗粉砕物
9 微粉砕装置
10 微粉砕物
11 分級装置
12 粗粉
13 微粉
7 粗粉砕装置
8 粗粉砕物
9 微粉砕装置
10 微粉砕物
11 分級装置
12 粗粉
13 微粉
Claims (13)
- 木質バイオマスを微粉砕処理して得られる微粉砕物を、粗粉と微粉に分級して、粗粉の分画をバイオエタノール製造用の木質バイオマス原料とすることを特徴とする木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマスを微粉砕処理して得られる微粉砕物を、粗粉と微粉に分級して、微粉の分画をリグニン精製用の木質バイオマス原料とすることを特徴とする木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマスを、数十〜数百μmの粒径となるように微粉砕処理して微粉砕物を得るようにする請求項1又は2記載の木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩により粗粉と微粉に分級するようにする請求項1、2又は3記載の木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマス微粉砕物を、気流式分級機を使用して粗粉と微粉に分級するようにする請求項1、2又は3記載の木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマス微粉砕物を、45μm〜200μmの目開きを有する篩と、気流式分級機のいずれか片方を複数使用するか、又は、上記篩と気流式分級機を併用して多段に分級することにより粒度分布の異なる複数の粉の分画とした後、該粒度分布の異なる複数の粉の分画を、それぞれの粒度分布に応じて粗粉又は微粉として用いるようにする請求項1、2又は3記載の木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマスを微粉砕処理する前に粗粉砕処理し、木質バイオマスの粗粉砕物を微粉砕処理して微粉砕物を得るようにする請求項1、2、3、4、5又は6記載の木質バイオマス原料調整方法。
- 木質バイオマスを微粉砕処理する微粉砕装置と、該微粉砕装置より回収される木質バイオマスの微粉砕物を粗粉と微粉に分級する分級装置とを備えてなる構成を有することを特徴とする木質バイオマス原料調整装置。
- 微粉砕装置を、木質バイオマスを数十〜数百μmの粒径となるように微粉砕処理する機能を有するものとした請求項8記載の木質バイオマス原料調整装置。
- 分級装置を、木質バイオマス微粉砕物を45μm〜200μmの目開きの篩により分級するものとした請求項8又は9記載の木質バイオマス原料調整装置。
- 分級装置を、気流式分級機とした請求項8又は9記載の木質バイオマス原料調整装置。
- 分級装置を、木質バイオマス微粉砕物を45μm〜200μmの目開きの篩を複数備えてなる構成、又は、気流式分級機を複数備えてなる構成、又は、上記篩と気流式分級機を併用できるようにしてなる構成として、該分級装置にて木質バイオマス微粉砕物の多段の分級を行うことができるようにした請求項8又は9記載の木質バイオマス原料調整装置。
- 微粉砕装置の上流側に、木質バイオマスを粗粉砕処理するための粗粉砕装置を設けるようにした請求項8、9、10、11又は12記載の木質バイオマス原料調整装置。
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