JP2008260640A - 酸化アルミニウム単結晶の製造方法 - Google Patents

酸化アルミニウム単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008260640A
JP2008260640A JP2007102644A JP2007102644A JP2008260640A JP 2008260640 A JP2008260640 A JP 2008260640A JP 2007102644 A JP2007102644 A JP 2007102644A JP 2007102644 A JP2007102644 A JP 2007102644A JP 2008260640 A JP2008260640 A JP 2008260640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
aluminum oxide
single crystal
melt
seed crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007102644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4930165B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Komi
利行 小見
Akira Terajima
彰 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2007102644A priority Critical patent/JP4930165B2/ja
Publication of JP2008260640A publication Critical patent/JP2008260640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4930165B2 publication Critical patent/JP4930165B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法によって小傾角粒界(バウンダリー)の発生を抑制しながら効率的に高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造する方法を提供する。
【解決手段】炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、種結晶中のSi濃度を重量比で20ppm以下とする。これによりシーディング時に種結晶表面の融解が抑えられ、融液との境界で転位の発生が減少し、効率的に電子部品材料や光学用部品材料に適した高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化アルミニウム単結晶の製造方法に関し、より詳しくは、原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法によって小傾角粒界(バウンダリー)の発生を抑制しながら効率的に高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造する方法に関するものである。
酸化アルミニウム単結晶は、青色LEDや白色LEDを作製する際のエピ成長用結晶基板として多く利用されている。これらのLEDは、省エネルギーの観点で照明分野への普及が拡大することが予想されており多方面から注目されている。
酸化物単結晶の育成方法は様々あるが、LN、LT、YAGや酸化アルミニウムなどの酸化物単結晶材料の大部分は、その結晶特性や大きな結晶径のものが得られることから溶融固化法で育成されている。特に、溶融固化法の一つであるチョクラルスキー法(Cz法)は、汎用性があり技術的完成度が高いことから最も広く用いられている。
チョクラルスキー法によって酸化物単結晶を製造するには、まずルツボに酸化物原料を充填し、高周波誘導加熱法や抵抗加熱法によりルツボを加熱し原料を溶融する。原料が溶融した後、所定の結晶方位に切り出した種結晶を原料融液表面に接触させ、種結晶を所定の回転速度で回転させながら所定の速度で上方に引き上げて単結晶を成長させる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、酸化アルミニウム単結晶をチョクラルスキー法で代表される融液固化法で結晶成長させると、結晶中に小傾角粒界が発生しやすい。エピ成長用結晶基板となるウエハーに小傾角粒界(以下、単に粒界という)が形成されていると、LED特性に悪影響を与えると言われており、融液固化法では所望のエピ成長用結晶基板を得ることが難しいとされている。
これまで融液固化法で酸化アルミニウム単結晶を育成する際、種結晶の結晶方位をc軸とした場合には、滑り面であるc面内の温度分布に起因した転位が粒界を形成することが知られている。これに対して結晶方位をa軸にして結晶育成した場合には、粒界の生成がある程度抑制されるため、工業的には、a軸方向に育成した結晶からc軸方向に横抜きをしてエピ成長用基板を作製する方法が用いられている。
しかし、a軸育成としても粒界の生成を十分に抑制できておらず、粒界が多い結晶ではc軸方向に横抜きをしてエピ成長用結晶基板を作製した場合でも、結晶に粒界が発生しているとエピ成長用結晶基板として使用できないため、歩留まりが大きく低減してしまうという問題がある。前記特許文献1では、種結晶中の不純物については言及がなく、その影響について全く検討していないため、再現性よく効率的に酸化アルミニウム単結晶を育成することはできない。
特開昭51−87197号公報
本発明の目的は、原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法によって小傾角粒界(バウンダリー)の発生を抑制しながら効率的に高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来の問題点を解決するために鋭意研究を重ね、溶融固化法によって酸化アルミニウム単結晶を育成する際に種結晶表面を観察し、種結晶の先端が著しく融解した状態で結晶育成を行った場合は、たとえa軸育成であったとしても多くの粒界が発生することを見出した。また、酸化アルミニウム単結晶の育成で用いる種結晶の結晶中に含まれる様々な不純物濃度を詳細に調べ、さらに、不純物濃度の異なる種結晶から結晶育成した結果、Si濃度が高い種結晶を用いた場合には、酸化アルミニウム単結晶を徐々に成長させていくために、種結晶を融液に接触させる(以下、シーディングという)時に種結晶表面の融解が発生し、このような表面状態のまま融液に種結晶を浸し成長させると、種結晶先端の結晶性が不完全な個所から粒界が発生しやすくなり、これが粒界の伝播原因となることを突き止めた。そして、結晶中のSi濃度の低い種結晶を用いると、シーディング時に種結晶表面での融解が抑えられ、その結果、粒界の発生量が低減し高品質な単結晶を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、該種結晶中のSi濃度が重量比で20ppm以下であることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、単結晶用原料は、Si濃度が10重量ppm以下の酸化アルミニウムであることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、種結晶が、a軸の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持することを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
本発明によれば、酸化アルミニウム単結晶をa軸方向に育成するに際して、a軸方向に切り出された種結晶中に不純物として含まれるSiが特定濃度以下に低減している結晶を用いることで、シーディング時に種結晶表面の融解が抑えられ、融液との境界で転位の発生が抑制される結果、粒界の発生が減少し、高品質な単結晶を製造することができる。
こうして得られた単結晶を用いれば、優れた特性を有する電子部品材料、光学用部品材料を提供できる。
以下、本発明の酸化アルミニウム単結晶の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
すなわち、本発明の酸化アルミニウム単結晶の製造方法は、炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、該種結晶中のSi濃度が重量比で20ppm以下であることを特徴とする。
本発明においては、単結晶用原料として通常の酸化アルミニウム粉末を用いる。酸化アルミニウム粉末は、実質的にAlとOの2元素からなる酸化アルミニウムである。また、目的とする酸化アルミニウム単結晶の種類に合わせて、AlとOのほかに、Ti、Cr、Si、Ca、Mgなどを含んでいてもよい。このうちSi、Ca、Mgなどは、焼結助剤の成分として不可避的に含まれうるが、その含有量は極力少ないことが望ましい。特に、Siは10重量ppm以下であることが望ましい。また、酸化アルミニウムの直径や密度は、特に制限されないが、取り扱い上、例えば、直径は、10mm以下、好ましくは5mm以下であるものがよく、密度は、5g/cm以下、好ましくは3g/cm以下であるものがよい。
単結晶用原料が酸化アルミニウム焼結体であれば、半導体製造用の市販品を使用できるが、次に示すような方法によって製造することもできる。例えば、焼成するとαアルミナに転化するαアルミナ前駆体のゾル又はゲルにαアルミナ粒子を種として添加し、ゾルはゲル化した後、この種晶を添加されたαアルミナ前駆体のゲルを900〜1350℃の温度で焼結し、得られる焼結生成物を粉砕する。ベルヌーイ法で製造された酸化アルミニウム単結晶原料を直径20mm以下に粉砕して得られるクラックル原料も使用できる。これは、比表面積が0.1m/g未満と非常に小さく吸着ガスは少ない。
本発明において、酸化アルミニウム単結晶を育成するには、従来のチョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置を使用できる。例えば、貴金属で形成されたルツボと、ルツボの周囲に保温材としてアルミナなどで形成された炉材と、炉材の外側に加熱装置としての高周波コイルが配置された装置が挙げられる。装置には、融液表面を観察するための窓と、種結晶及び成長結晶をモニターするためのCCDカメラが設けられる。
単結晶用原料であるアルミナの融点が2000℃強であるため、ルツボとしてイリジウム製のものを用いることが好ましい。保温材としては、発泡ジルコニア等の断熱材を充填してもよい。ルツボの上方には、材料融液から単結晶を回転させながら引き上げるための引き上げ装置が設けられ、炉材の上方は遮蔽板で遮蔽されている。
まず、ルツボに前記した単結晶用原料を入れ、次に高周波コイルによってルツボを加熱し、原料を溶融して原料融液を得る。原料が融点に達するまでの加熱速度は、特に制限されるわけではないが、急速に加熱せずに長時間かけて徐々に加熱するほうが、単結晶中への気泡の取り込みを抑えることができるので、例えば10時間以上、特に12時間かけて徐々に加熱することが望ましい。
次に、単結晶原料の溶融後も加熱を続け、原料の融解から3時間以上、特に5時間以上経過後、得られた融液に種結晶を接触させ、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げる。なお、単結晶の育成時も、酸素濃度は引き続き酸素分圧で10〜500Pa、特には100〜300Paとすることが好ましい。原料が十分溶融したところで、種結晶を融液表面に接触させてシーディングを開始させる。
種結晶として用いる結晶は、チョクラルスキー法、キロプロス、HEMなどの製造方法によって得られた酸化アルミニウム単結晶の塊を所定の結晶方位、すなわちa軸方向、またはc軸方向のいずれかに切り出したものであり、本発明において得られる単結晶製品の用途によって適宜選択することができる。また、種結晶として用いる結晶中のSi濃度が20重量ppm以下、好ましくは15重量ppm以下のものを用いる。なお、Siの分析は、例えば、特開2007−33221号公報に記載されている方法によることができる。この方法では、溶液化が困難である酸化アルミニウム種結晶試料を、不純物および汚染の導入をできるだけ排除して、溶液化し、酸化アルミニウム単結晶中の微量元素を定量する方法である。この微量元素の定量方法は、試料を酸分解法またはアルカリ融解法により分解し、得られた溶液中の微量元素を、フローインジェクション導入−ICP/質量分析法によって測定する。ICP/質量分析法における測定条件としては、Si元素では、質量数30、ガス種Hとすることが望ましい。
種結晶を融液表面に接触させてシーディングした状態を図1に示す。成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持することが望ましい。また、種結晶と融液との境界において、種結晶先端の融液と接する角が融けて、メニスカスの直径が種結晶四辺の大きさよりも小さくなるような形状を適正なシーディング状態とし、この状態を維持することが望ましい。
結晶中のSi濃度が15〜20重量ppmである種結晶(1)を用いた場合、シーディング温度が適正なシーディング状態となる温度(以下、融点という)〜+2℃となるように融液温度を調節し、種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させ、単結晶を成長させる。これにより、種結晶と融液が接触して引き上げられる単結晶の先端ネック部は、結晶成長を進めるのに妨げない程度に十分に細く形成される。
結晶中のSi濃度が5〜10ppmである種結晶(4)を用いた場合、融点から+2℃〜+4℃とより高いシーディング温度になるように融液温度を調節しても、種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させることで、単結晶を成長させることができる。これにより、種結晶と融液が接触して引き上げられる単結晶の先端ネック部は、さらに狭く形成される。ただし、この場合、シーディング温度を高くしすぎると、引き上げ開始後、結晶成長が進まずに融液から切り離れてしまうので注意が必要である。
なお、種結晶を適正なシーディング温度に調節し、しかも種結晶の表面が融解しない状態に維持するためには、融液温度を精密に調節する方法が一般的であるが、減圧によって熱伝導度を小さくする方法もある。また、イリジウム製ルツボと高周波誘導コイルの相対位置を調節することやルツボ周りの保温材の構成を工夫して垂直方向の温度勾配をより大きくすることで種結晶の融解を抑えることもできる。
これに対して、結晶中のSi濃度が21〜30ppmである種結晶(3)を用いた場合、適正なシーディング温度に調節すると種結晶表面の融解が発生するため、シーディング温度は融点より低い温度に調節する必要がある。このため、種結晶が融液表面に接触した直後に結晶成長が始まり、成長の速い部分で粒界が多く発生するなどの不具合があるために良質な結晶が得られない。この傾向は、種結晶中のSi濃度が高くなると一層顕著なものとなり、例えば、31〜40ppmである種結晶(2)を用いた場合、結晶成長の速い部分で粒界が極めて多く発生してしまう。
単結晶の育成は、結晶中のSi濃度が20重量ppm以下の結晶を種結晶に用い、上記のようにネック部を形成してから、回転数や引き上げ速度を調整して肩部を形成し、引き続き直胴部を形成する。このとき、放射温度計などを用いて単結晶と原料融液との界面近傍における融液表面の温度を測定することが好ましい。
結晶形状の調節は、育成中の結晶重量を測定し、直径や育成速度などを計算によって導き出し、回転速度や引き上げ速度を調整して行う。また、結晶重量の変化を高周波誘導コイル投入電力にフィードバックして融液温度をコントロールできる。回転速度や引き上げ速度は、特に制限されるわけではないが、回転速度は、毎分2〜5回転とし、引き上げ速度は、1〜2mm/hとすることが好ましい。
本発明では結晶中のSi濃度が20重量ppm以下、好ましくは15重量ppm以下の結晶を種結晶として用いるので、シーディング温度が適正の状態から多少外れても種結晶表面の融解は発生せず、成長結晶の小傾角粒界の生成は著しく減少する。
結晶中のSi濃度が20重量ppm以下と低濃度である種結晶を用いると、粒界の発生量が低減し高品質な単結晶を製造できる理由は、まだ完全に解明されたわけではなく、シーディング温度、あるいは不純物として含まれたCa、Mgなどによる影響もありうるが、Si濃度が高い種結晶を用いた場合ほど、シーディング時に種結晶表面の融解が発生しやすいことから、種結晶に含まれるSiが融液に接触した際に純粋な酸化アルミニウムの結晶格子に入り込み、これが粒界の伝播原因となるものと考えられる。
この単結晶からウエハーをスライスし、ポリッシュ研磨することで、エピ成長用結晶基板とすることができる。単結晶中には小傾角粒界が極めて少なく、ピット数もマイクロバブルも少ないので優れた特性を有する電子部品材料、光学用部品材料を提供できる。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
チョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置のイリジウム製ルツボに4N(99.99%、Si濃度:10重量ppm>)のAl原料を10kg投入した。この原料を融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。Si濃度が10ppmの結晶からa軸方向に切り出した酸化アルミニウム単結晶を種結晶として用い、原料融解後、融解点付近に炉内温度を調節し、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分2回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させてシーディングの状態をCCDカメラで観察した。シーディング温度が適正な状態となるよう融液温度を融点+2℃に調節し、種結晶表面の融解が無いことを確認したのち、引上速度2mm/hで種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
ネック部が図1における種結晶(1)の状態になって結晶育成が行われ、直径104mm、直胴部の長さ123mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、粒界は観察されなかった。また、この結晶をウエハーにして、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
〔実施例2〕
種結晶として結晶のSi濃度が17ppmのものを用いた以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。ネック部が図1における種結晶(3)に近い状態で結晶育成が行われ、シーディング時に種結晶表面の融解は観察されなかった。
その結果、直径102mm、直胴部の長さ120mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部32mmの領域で粒界が観察された。この結晶の粒界が観察されなかった領域からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
〔比較例1〕
種結晶として結晶のSi濃度が25ppmのものを用いた以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。シーディング時に種結晶表面の融解が観察され、シーディング温度が適正な状態となるまで融液温度を上げることができず、融液温度を融点−2℃に調節し、ネック部が図1における種結晶(3)の状態で結晶育成が行われた。
その結果、直径104mm、直胴部の長さ121mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部64mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中25枚のウエハーで粒界が確認された。
〔比較例2〕
種結晶として用いた結晶のSi濃度が40ppmとした以外は実施例1と同様にして行った。シーディング時に種結晶表面は激しく融解し、シーディング温度が適正な状態となるまで融液温度を上げることができず、融液温度を融点−4℃に調節し、ネック部が図1における種結晶(2)の状態で結晶育成が行われた。
その結果、直径103mm、直胴部の長さ122mmの結晶が得られた。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部122mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中50枚のウエハーで粒界が確認された。
Si濃度が異なる種結晶を用いて結晶成長を行った場合、シーディングの状態を示す説明図である。
符号の説明
1 Si濃度が10重量ppmの種結晶
2 Si濃度が40重量ppmの種結晶
3 Si濃度が25重量ppmの種結晶
4 種結晶1を用いるが、シーディング温度を高くしすぎた場合

Claims (4)

  1. 炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、
    種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、該種結晶中のSi濃度が重量比で20ppm以下であることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  2. 単結晶用原料は、Si濃度が10重量ppm以下の酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  3. 種結晶が、a軸の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  4. 成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
JP2007102644A 2007-04-10 2007-04-10 酸化アルミニウム単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP4930165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102644A JP4930165B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 酸化アルミニウム単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102644A JP4930165B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 酸化アルミニウム単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008260640A true JP2008260640A (ja) 2008-10-30
JP4930165B2 JP4930165B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=39983409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007102644A Expired - Fee Related JP4930165B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 酸化アルミニウム単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4930165B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07277893A (ja) * 1994-04-05 1995-10-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アルミナ単結晶の製法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07277893A (ja) * 1994-04-05 1995-10-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アルミナ単結晶の製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4930165B2 (ja) 2012-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2733239B1 (en) Sic single crystal and manufacturing process therefor
WO2010071142A1 (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP4810346B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
WO2010073945A1 (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP5011734B2 (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法及びこの方法を用いて得られる酸化アルミニウム単結晶
JP4930166B2 (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法
JP4835582B2 (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法
JP2008207992A (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP2010059031A (ja) 酸化アルミニウム単結晶、及び、その製造方法
JP4904862B2 (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法及び得られる酸化アルミニウム単結晶
JP4844429B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP2007230836A (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法
JP4957619B2 (ja) 酸化物単結晶の製造方法
JP4930165B2 (ja) 酸化アルミニウム単結晶の製造方法
JP2011190138A (ja) 電気磁気効果単結晶の製造方法
JP4273793B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP3818023B2 (ja) GaAs単結晶の製造方法
JP5172881B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造装置及びその製造方法
JP4200690B2 (ja) GaAsウェハの製造方法
CN114561701B (zh) 一种铸造法生长氧化镓单晶的方法及包含氧化镓单晶的半导体器件
JP2011126731A (ja) サファイア単結晶及びその製造方法
JP2004217504A (ja) 単結晶製造用黒鉛ヒーター及び単結晶製造装置ならびに単結晶製造方法
EP2857561A1 (en) Starting material alumina for production of sapphire single crystal and method for producing sapphire single crystal
WO2017086449A1 (ja) SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶インゴット
CN117005031A (zh) 一种在AlN单晶生长过程中抑制籽晶上生长纳米线的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4930165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees