JP2008260640A - 酸化アルミニウム単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、種結晶中のSi濃度を重量比で20ppm以下とする。これによりシーディング時に種結晶表面の融解が抑えられ、融液との境界で転位の発生が減少し、効率的に電子部品材料や光学用部品材料に適した高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造することができる。
【選択図】なし
Description
しかし、酸化アルミニウム単結晶をチョクラルスキー法で代表される融液固化法で結晶成長させると、結晶中に小傾角粒界が発生しやすい。エピ成長用結晶基板となるウエハーに小傾角粒界(以下、単に粒界という)が形成されていると、LED特性に悪影響を与えると言われており、融液固化法では所望のエピ成長用結晶基板を得ることが難しいとされている。
しかし、a軸育成としても粒界の生成を十分に抑制できておらず、粒界が多い結晶ではc軸方向に横抜きをしてエピ成長用結晶基板を作製した場合でも、結晶に粒界が発生しているとエピ成長用結晶基板として使用できないため、歩留まりが大きく低減してしまうという問題がある。前記特許文献1では、種結晶中の不純物については言及がなく、その影響について全く検討していないため、再現性よく効率的に酸化アルミニウム単結晶を育成することはできない。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、種結晶が、a軸の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持することを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
こうして得られた単結晶を用いれば、優れた特性を有する電子部品材料、光学用部品材料を提供できる。
結晶中のSi濃度が15〜20重量ppmである種結晶(1)を用いた場合、シーディング温度が適正なシーディング状態となる温度(以下、融点という)〜+2℃となるように融液温度を調節し、種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させ、単結晶を成長させる。これにより、種結晶と融液が接触して引き上げられる単結晶の先端ネック部は、結晶成長を進めるのに妨げない程度に十分に細く形成される。
結晶中のSi濃度が5〜10ppmである種結晶(4)を用いた場合、融点から+2℃〜+4℃とより高いシーディング温度になるように融液温度を調節しても、種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させることで、単結晶を成長させることができる。これにより、種結晶と融液が接触して引き上げられる単結晶の先端ネック部は、さらに狭く形成される。ただし、この場合、シーディング温度を高くしすぎると、引き上げ開始後、結晶成長が進まずに融液から切り離れてしまうので注意が必要である。
なお、種結晶を適正なシーディング温度に調節し、しかも種結晶の表面が融解しない状態に維持するためには、融液温度を精密に調節する方法が一般的であるが、減圧によって熱伝導度を小さくする方法もある。また、イリジウム製ルツボと高周波誘導コイルの相対位置を調節することやルツボ周りの保温材の構成を工夫して垂直方向の温度勾配をより大きくすることで種結晶の融解を抑えることもできる。
結晶形状の調節は、育成中の結晶重量を測定し、直径や育成速度などを計算によって導き出し、回転速度や引き上げ速度を調整して行う。また、結晶重量の変化を高周波誘導コイル投入電力にフィードバックして融液温度をコントロールできる。回転速度や引き上げ速度は、特に制限されるわけではないが、回転速度は、毎分2〜5回転とし、引き上げ速度は、1〜2mm/hとすることが好ましい。
結晶中のSi濃度が20重量ppm以下と低濃度である種結晶を用いると、粒界の発生量が低減し高品質な単結晶を製造できる理由は、まだ完全に解明されたわけではなく、シーディング温度、あるいは不純物として含まれたCa、Mgなどによる影響もありうるが、Si濃度が高い種結晶を用いた場合ほど、シーディング時に種結晶表面の融解が発生しやすいことから、種結晶に含まれるSiが融液に接触した際に純粋な酸化アルミニウムの結晶格子に入り込み、これが粒界の伝播原因となるものと考えられる。
チョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置のイリジウム製ルツボに4N(99.99%、Si濃度:10重量ppm>)のAl2O3原料を10kg投入した。この原料を融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。Si濃度が10ppmの結晶からa軸方向に切り出した酸化アルミニウム単結晶を種結晶として用い、原料融解後、融解点付近に炉内温度を調節し、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分2回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させてシーディングの状態をCCDカメラで観察した。シーディング温度が適正な状態となるよう融液温度を融点+2℃に調節し、種結晶表面の融解が無いことを確認したのち、引上速度2mm/hで種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
ネック部が図1における種結晶(1)の状態になって結晶育成が行われ、直径104mm、直胴部の長さ123mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、粒界は観察されなかった。また、この結晶をウエハーにして、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
種結晶として結晶のSi濃度が17ppmのものを用いた以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。ネック部が図1における種結晶(3)に近い状態で結晶育成が行われ、シーディング時に種結晶表面の融解は観察されなかった。
その結果、直径102mm、直胴部の長さ120mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部32mmの領域で粒界が観察された。この結晶の粒界が観察されなかった領域からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
種結晶として結晶のSi濃度が25ppmのものを用いた以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。シーディング時に種結晶表面の融解が観察され、シーディング温度が適正な状態となるまで融液温度を上げることができず、融液温度を融点−2℃に調節し、ネック部が図1における種結晶(3)の状態で結晶育成が行われた。
その結果、直径104mm、直胴部の長さ121mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部64mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中25枚のウエハーで粒界が確認された。
種結晶として用いた結晶のSi濃度が40ppmとした以外は実施例1と同様にして行った。シーディング時に種結晶表面は激しく融解し、シーディング温度が適正な状態となるまで融液温度を上げることができず、融液温度を融点−4℃に調節し、ネック部が図1における種結晶(2)の状態で結晶育成が行われた。
その結果、直径103mm、直胴部の長さ122mmの結晶が得られた。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部122mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中50枚のウエハーで粒界が確認された。
2 Si濃度が40重量ppmの種結晶
3 Si濃度が25重量ppmの種結晶
4 種結晶1を用いるが、シーディング温度を高くしすぎた場合
Claims (4)
- 炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液に種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、
種結晶は、所定の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であり、該種結晶中のSi濃度が重量比で20ppm以下であることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法。 - 単結晶用原料は、Si濃度が10重量ppm以下の酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
- 種結晶が、a軸の結晶方位に切り出された酸化アルミニウム単結晶であることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
- 成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
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