JP2008260100A - 打ち込み作業工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御回路210は、トリガスイッチ114が操作されると、端子3から点火信号を出力する。制御回路210の端子7は、リセット処理を実行している間は「H」レベルであり、リセット処理を実行すると「L」レベルとなる。動作中、制御回路210の端子6から、設定周期の矩形波信号が出力される。トリガ操作検出回路260は、トリガスイッチ114がオフしている時にトランジスタQ1をオンにする。矩形波検出回路270は、矩形波信号が出力されていない時にトランジスタQ2をオンする。リセット動作検出回路280は、リセット処理を実行してから設定期間経過していない時にトランジスタQ3をオンする。点火信号は、トランジスタQ1〜Q3がオフしている時にのみ点火回路250に入力される。
【選択図】図2
Description
また、誤動作を防止するための安全スイッチが、バッテリと制御回路の間に設けられている。これにより、安全スイッチがオンされていない時には、制御回路に電源が接続されない。すなわち、安全スイッチがオフされている時には、打ち込み作業が阻止されるように構成されている。
ところで、マイクロコンピュータにより構成されている制御回路は、誤動作することがある。例えば、トリガスイッチがオンされていない状態で、制御回路から可動体を駆動する制御信号が出力されることがある。特許文献1に記載されている燃焼式打ち込み作業工具では、このような制御回路の誤動作に対する対策は考慮されていない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、制御回路の誤動作による可動体の移動を防止する技術を提供することを目的とする。
本態様は、制御回路から出力された制御信号が異常である場合には、可動体を駆動する駆動装置の作動が阻止されるように構成されている。制御回路から出力された制御信号が異常であることを判別する手法としては、種々の手法を用いることができるが、判別処理の容易性の観点からは、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する手法を用いるのが好ましい。制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する手法としては、例えば、制御回路が異常状態であることを判別可能な判別基準信号や、制御信号と組み合わせることによって制御回路が異常状態であることを判別可能な判別基準信号を用いて判別する手法を用いることができる。制御信号が異常である場合に駆動装置の作動を阻止する手法としては、種々の手法を用いることができる。例えば、作動回路が、入力された制御信号が異常である場合に駆動装置の作動を停止する手法や、制御信号が異常である場合に当該制御信号が作動回路に入力されるのを阻止する手法を用いることができる。
本態様では、制御回路から出力された制御信号が異常である場合には、可動体を駆動する駆動装置の作動が阻止される。これにより、制御回路の誤動作による可動体の移動を防止することができる。
本態様では、制御回路と作動回路の間に阻止回路を設ければよいため、制御回路や作動回路を変更あるいは修正する必要がない。これにより、既存の制御回路や作動回路を用いながら、制御回路の誤動作による可動体の移動を防止することができる。
制御回路は、可動体の駆動を指示する作業信号が作業スイッチから出力されると、作動回路を制御する制御信号を出力する。このため、可動体の駆動を指示する作業信号が作業スイッチから出力されていない状態で制御信号が出力された場合には、制御回路が異常状態で制御信号が出力された可能性がある。
したがって、第1の判別手法では、可動体の駆動を指示する作業信号が作業スイッチから出力されていない状態で、制御回路から制御信号が出力された場合に、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する。
この第1の判別手法では、作業スイッチから、可動体の駆動を指示する作業信号が出力されたことを示す信号を第1の判別基準信号として用いることができる。この場合、第1の判別手法を用いて制御信号を阻止する阻止回路は、例えば、第1の判別基準信号と制御信号をAND論理演算する回路によって構成することができる。
第1の判別手法は、制御回路からの制御信号の出力動作と関連する、可動体の駆動を指示する作業信号を用いているため、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを容易に判別することができる。
制御回路は、電源投入時等にリセット処理を実行する。一般的に、制御回路は、動作中(電源印加中)にリセット処理を実行することは殆どない。このため、動作中に制御回路がリセット処理を実行した場合には、制御回路が異常状態である可能性がある。
したがって、第2の判別手法では、動作中に制御回路がリセット処理を実行した場合に、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する。ここで、電源投入時等にリセット処理が実行された場合と、動作中にリセット処理が実行された場合を区別する必要がある。このため、第2の判別手法では、制御回路がリセット処理を実行してから設定期間内に、制御回路から制御信号が出力された場合に、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する。設定期間としては、例えば、電源が投入されてから、可動体の駆動を指示する作業信号が作業スイッチから最初に出力されるまでの期間より短い期間が選択される。
制御回路がリセット処理を実行したことは、制御回路の任意の端子の状態に基づいて判別することができる。例えば、制御回路の端子の中の、リセット処理を実行している(リセット状態)時に入力状態となり、リセット処理を実行した(リセット解除状態)時に「L」レベルの信号が出力される端子にプルアップ抵抗を介して電源を接続し、この端子が「H」レベルから「L」レベルに変化したことによって、制御回路がリセット処理を実行したことを判別することができる。
この第2の判別手法では、制御回路がリセット処理を実行してからの経過期間が設定期間以上であることを示す信号を第2の判別基準信号として用いることができる。この場合、第2の判別手法を用いて制御信号を阻止する阻止回路は、第2の判別基準信号と制御信号をAND論理演算する回路を用いて構成することができる。
第2の判別手法は、制御回路がリセット処理を実行したことを示す信号を用いているため、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを容易に判別することができる。
なお、制御回路がリセット処理を繰り返す異常状態であることを判別することもできる。例えば、制御回路から制御信号が出力される前に、制御回路が複数回リセット処理を実行しており、且つ、それぞれの実行間隔が設定期間内である場合に、当該制御信号が異常であることを判別する。
制御回路は、動作時、設定周期の繰り返し信号(例えば、矩形波信号)を出力する。繰り返し信号を出力する出力端子としては、適宜の出力端子選択がされる。このため、制御回路から制御信号が出力されていない場合には、制御回路が異常状態である可能性がある。
したがって、第3の判別手法では、制御回路から繰り返し信号が出力されていない状態で、制御回路から制御信号が出力された場合に、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを判別する。
この第3の判別手法では、制御回路から設定周期の繰り返し信号が出力されていないことを示す信号を第3の判別基準信号として用いることができる。この場合、第3の判別手法を用いて制御信号を阻止する阻止回路は、例えば、第3の判別基準信号と制御信号をAND論理演算する回路を用いて構成することができる。
第3の判別手法は、制御回路の動作状態を示す繰り返し信号を用いるため、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを容易に判別することができる。
第1の判別手法〜第3の判別手法を組み合わせて用いることにより、制御回路が異常状態で制御信号が出力されたことを容易に、確実に判別することができる。
本発明の打ち込み作業工具の一実施の形態の全体構成を図1に示す。本実施の形態は、可燃性ガスの燃焼による圧力(燃焼圧力)を利用して、打ち込み材である釘を被加工物に打ち込む燃焼式打ち込み作業工具(「燃焼式釘打機」とも呼ばれる)として構成されている。なお、以下の説明では、射出部110側(図1では左側)を「前側」または「先端側」と記載し、射出部110と反対側(図1では右側)を「後側」または「後端側」と記載する。
ハウジング103内には、シリンダ120、ピストン121、ピストン121と一体に形成されたドライバ122、クッションラバー123、ファン130、モータ131、点火プラグ140、ガスボンベ141、噴射口142、燃焼室143、排気口144、制御装置200が設けられている。
このハンドグリップ105よりも前側には、トリガ113が設けられている。トリガ113の配置位置及び形状は、釘打ち作業を行う作業者が、ハンドグリップ105の把持部を把持した状態で引き操作可能に設定されている。なお、トリガ113の操作状態を示す操作信号を出力するトリガスイッチ114が設けられている。トリガスイッチ114から、トリガ113が操作されたことを示す操作信号が出力されると、点火回路250(図2参照)が作動する。これにより、点火プラグ140が点火動作する。点火プラグ140の点火動作の詳細については後述する。
射出部110の先端には、コンタクトアーム111が設けられている。コンタクトアーム111は、射出部110の長軸方向(図1では左右方向)に沿って、射出部110に対して相対的に摺動可能である。なお、コンタクトアーム111を射出部110の先端側(前側)に移動させる弾性力を発生するスプリング(図示省略)が設けられている。また、コンタクトアーム111が被加工物に押し付けられて、コンタクトアーム111が射出部110に対して後側(図1では、左側)に移動したことを検出するコンタクトアームスイッチ112が設けられている。
ガスボンベ141内には、可燃性ガス(例えば、液化状態の可燃性ガス)が充填されている。ガスボンベ141内に充填されている可燃性ガスは、ガス供給経路を介して燃焼室143の噴射口142に供給される。この時、燃焼室143内には空気も供給される。
ファン130は、可燃性ガスを燃焼室143に供給する時に駆動され、噴射口142を介して燃焼室143に供給された可燃性ガスと空気を混合撹拌する。これにより、燃焼室143内における混合気の濃度が均一化される。
点火プラグ140は、対向して配置されている2つの電極140a、140bを有している。そして、燃焼室143内に混合気が供給された状態で、点火回路250によって、点火プラグ140の電極140a、140b間に高電圧が印加される。これにより、電極140a、140b間に火花が発生し、燃焼室143内の可燃性ガスが燃焼する。この可燃性ガスの燃焼圧力によって、前述したピストン121及びドライバ122が先端側に移動する。
燃焼室143内の燃焼ガスは、ファン130によって、燃焼室壁143aとシリンダ120との間に形成されている排気口144を介して燃焼室143外へ排出される。
制御装置200は、制御回路210、レギュレータ(電圧調整回路)220、モータ駆動回路230、バッテリ電圧検出回路240、点火回路250、トリガ操作検出回路260、繰り返し信号検出回路270、リセット動作検出回路280等により構成されている。
モータ駆動回路230は、ファン130を駆動する。本実施の形態では、モータ駆動回路230は、バッテリ108とモータ131の間に設けられているPNPトランジスタQ1と、PNP0トランジスタQ1のベース電流を調整するNPNトランジスタQ2により構成されている。NPNトランジスタQ2のベースは、制御回路210の端子1に接続されている。
バッテリ電圧検出回路240は、バッテリ108の電圧を検出する。本実施の形態では、バッテリ電圧検出回路240は、抵抗R5、R6、コンデンサC1により構成されている。抵抗R5とR6の接続点は、制御回路210の端子2に接続されている。
制御回路210の端子3には、点火回路250が接続されている。制御回路210は、端子3から点火信号を出力する。点火回路250の動作の詳細については後述する。
端子3から出力される点火信号が、本発明の「制御回路から出力される制御信号」に対応する。
本実施の形態では、トリガ操作検出回路260は、抵抗R3、R4と、NPNトランジスタ(スイッチング素子)Q3により構成されている。抵抗R4の一端は、トリガスイッチ114と抵抗R2の接続点に接続され、抵抗R4の他端は、NPNトランジスタQ3のベース端子に接続されている。
トリガ113が操作されていない時(オフ時)、すなわち、トリガスイッチ114から、ドライバ122の非駆動を指示する「H」レベルの操作信号が出力されている時には、NPNトランジスタQ3が導通状態となる。一方、トリガスイッチ114が操作されている時(オン時)、すなわち、トリガスイッチ114から、ドライバ122の駆動を指示する「L」レベルの操作信号が出力されている時には、NPNトランジスタQ3が非導通状態となる。
これにより、NPNトランジスタQ3のコレクタ端子は、トリガ113が操作されていない時には接地状態となり、トリガ113が操作されている時には開放状態となる。
繰り返し信号検出回路270は、制御回路210の端子6から設定周期の繰り返し信号が出力されているか否かを検出する。
本実施の形態では、繰り返し信号検出回路270は、抵抗R8、R9、R10、コンデンサC2、C3、ダイオードD2、D2、NPNトランジスタ(スイッチング素子)Q4により構成されている。制御回路210の端子6と接地端子の間には、抵抗R8、コンデンサC2、ダイオードD1(接地端子の方向)の直列回路が接続されている。また、電源Vccと接地端子の間には、抵抗R10、R9、コンデンサC3の直回路が接続されている。コンデンサC2とダイオードD1の接続点と、コンデンサC3と抵抗R9の接続点の間にダイオードD2(コンデンサC2とダイオードD1との接続点の方向)が接続されている。抵抗R9とR10の接続点は、NPNトランジスタQ4のベース端子に接続されている。
ここで、制御回路210の端子6から設定周期の繰り返し信号が出力されている時には、設定周期に対応する放電間隔でコンデンサC3が放電し、コンデンサC3の電圧が、NPNトランジスタQ4が導通状態となる電圧未満になるように設定されている。これにより、制御回路210の端子6から設定周期の繰り返し信号が出力されている時には、NPNトランジスタQ4が非導通状態となる。一方、制御回路210の端子6から設定周期の繰り返し信号が出力されていない時には、コンデンサC3の放電間隔(コンデンサC3の充電期間)が長くなり、コンデンサC3の電圧が、NPNトランジスタQ4が導通状態となる電圧以上となるように設定されている。
したがって、NPNトランジスタQ4のコレクタ端子は、制御回路210の端子6から設定周期の繰り返し信号が出力されている時には開放状態となり、設定周期の繰り返し信号が出力されていない時には接地状態となる。
ここで、電源投入時にリセット処理が実行された場合と、動作中にリセット処理が実行された場合を区別する必要がある。一般に、電源が投入されてから期間をおいて打ち込み作業が行われる。したがって、リセット処理が実行されてからの経過期間を判別することによって、電源投入時のリセット処理と動作中におけるリセット処理を区別することができる。すなわち、制御回路210がリセット処理を実行してから設定期間内に、制御回路210から点火信号(制御信号)が出力された場合に、制御回路が異常状態で点火信号(制御信号)が出力されたことを判別することができる。設定期間としては、電源が投入されてから最初に作業スイッチが操作されるまでの期間より短い期間が設定される。
本実施の形態では、制御回路210がリセット状態にある時に入力状態に設定される端子7に、抵抗R11(プルアップ抵抗)を介して電源Vccを接続している。また、制御回路210がリセット解除状態にある時に、端子7が「L」レベルに設定されるように構成されている。この場合、制御回路210がリセット状態にある(リセット処理を実行している)時には、端子7が「H」レベルとなり、制御回路210がリセット解除状態にある(リセット処理を実行した)時には、端子7が「L」レベルとなる。これにより、端子7が「H」レベルから「L」レベルに変化したことにより、制御回路210がリセット処理を実行したことを判別することができる。
前述したように、本実施の形態では、制御回路210がリセット処理を実行すると、制御回路210の端子7が「H」レベルから「L」レベルに変化する。リセット動作検出回路280は、制御回路210の端子7が「H」レベルから「L」レベルに変化した時点からの経過期間が設定期間未満であるか、または、設定期間以上であるかを判別する。
本実施の形態では、リセット動作検出回路280は、抵抗R11、R12、コンデンサC4、ダイオードD3、インバータIN1、IN2、NPNトランジスタQ5により構成されている。制御回路210の端子7と電源Vccの間に抵抗(プルアップ抵抗)R11が接続されている。端子7と抵抗R11の接続点と接地端子の間には、インバータIN1、抵抗R12とダイオードD3(インバータIN1の方向)の並列回路、コンデンサC4の直列回路が接続されている。抵抗R12とコンデンサC4の接続点は、インバータIN2を介してNPNトランジスタQ5のベース端子に接続されている。ここで、コンデンサC4の電圧が設定電圧以上の時にトランジスタQ5が非導通状態となるように設定されている。
制御回路210の端子7が「H」レベル(リセット状態)の時には、コンデンサC4は、ダイオードD3を介して放電する。一方、制御回路210の端子7が「L」レベル(リセット解除状態)の時には、コンデンサC4は、抵抗R12を介して充電される。そして、コンデンサC4の電圧が設定電圧に達すると、NPNトランジスタQ5が非導通状態となる。ここで、端子7が「H」レベルから「L」レベルに変化した時点から、コンデンサC4の電圧が設定電圧に達するまでの期間は、例えば、電源が投入されてから最初にトリガ113が操作されるまでの期間より短い期間に設定される。
したがって、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子は、制御回路210がリセット処理を実行してからの経過期間が設定期間に達するまでは接地状態となり、設定期間に達すると開放状態となる。
なお、制御回路210のリセット処理が、設定期間内の間隔で連続して実行される場合には、コンデンサC4の電圧は設定電圧未満に保持される。この場合には、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子は、常時接地状態となる。
ここで、端子3と点火回路250の接続点には、トリガ操作検出回路260のNPNトランジスタQ3のコレクタ端子、繰り返し信号検出回路270のNPNトランジスタQ4のコレクタ端子、リセット動作検出回路280のNPNトランジスタQ5のコレクタ端子が接続されている。このため、端子3から出力された点火信号は、NPNトランジスタQ3〜Q5の全てが開放状態にある時にのみ、点火回路250に入力される。すなわち、本実施の形態では、制御回路210の端子3から出力された点火信号は、トリガスイッチ113が操作されており、且つ、制御回路210が前回リセット処理を実行してからの経過期間が設定期間以上であり、且つ、制御回路210から繰り返し信号が出力されている場合にのみ点火回路250に入力される。
また、トリガスイッチ113が操作されていることを示す信号(NPNトランジスタQ3のコレクタ端子が開放状態)が、本発明の「第1の判別基準信号」に対応し、制御回路210が前回リセット処理を実行してからの経過期間が設定期間以上であることを示す信号(NPNトランジスタQ4のコレクタ端子が開放状態)が、本発明の「第2の判別基準信号」に対応し、制御回路210から繰り返し信号が出力されていることを示す信号(NPNトランジスタQ5のコレクタ端子が開放状態)が、本発明の「第3の判別基準信号」に対応する。
また、制御回路210の端子3と点火回路250を接続する接続線とNPNトランジスタQ3〜Q5によって、制御信号と第1〜第3の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路が構成されている。
先ず、制御回路210の動作を、図3に示すフローチャートと、図6〜9に示す動作図を用いて説明する。
電源が投入されると、ステップA1でリセット処理が実行される。リセット処理が完了すると、ステップA2に進む。
ここで、リセット処理を実行中(リセット状態)は、端子7は「H」レベルの状態にある。そして、リセット処理を実行する(リセット解除状態)と、端子7は「L」レベルの状態となる。また、リセット処理を実行すると、端子6から、設定周期の繰り返し信号(矩形波信号)が出力される。
ステップA2では、バッテリ108の残容量が設定残容量以上であるか否かを判別する。バッテリ残容量は、バッテリ電圧検出回路240で検出されたバッテリ108の電圧に基づいて判別する。例えば、バッテリ電圧が設定電圧以上であるか否かを判別する。バッテリ残容量が設定残容量以上である場合にはステップA4に進み、残容量未満である場合には、ステップA3に進む。
ステップA3では、停止処理を実行する。また、発光器やスピーカ等を用いて、バッテリの交換を指示する報知を行う。
ステップA5では、ファン130を回転させる。すなわち、端子1からモータ駆動回路230にモータ制御信号を出力してモータ131を駆動する。(図6参照)
ステップA7では、点火回路250を動作させる点火信号を端子3から出力する。端子3から出力された点火信号は、トリガ操作検出回路260のNPNトランジスタQ3、繰り返し信号検出回路270のNPNトランジスタQ4、リセット動作検出回路280のNPNトランジスタQ5が非導通状態である場合にのみ点火回路250に入力される。点火回路250は、点火信号が入力されると、点火プラグ140の電極140a、140b間に高電圧を印加して火花を発生させる。これにより、燃焼室143内の可燃性ガスが燃焼し、燃焼圧力によってピストン121及びドライバ122が先端側に移動する。(図7参照)
釘を被加工物Wに打ち込んだ後、ドライバ122及びピストン121は後側へ戻る。(図8参照)
また、燃焼室143内の燃焼ガスは、燃焼室壁143aとシリンダ120との間に形成される排気口144を介して燃焼室143外へ排出される。(図9参照)
ステップA9では、端子1からのモータ制御信号の出力を停止してファン130の回転を停止させる。
点火信号が異常である場合に点火回路250が動作するのを阻止する手法としては、点火回路250が点火信号の異常を判別して点火動作を中止する手法と、点火信号が異常である場合に当該点火信号が点火回路250に入力されるのを阻止する手法を用いることができる。本実施の形態では、点火信号が点火回路250に入力されるのを阻止する手法を用いている。
図4に示す処理は、適宜の時期に開始される。
ステップB1では、制御回路210の端子3から点火信号が出力されたか否かを判別する。点火信号が出力された場合にはステップB2に進み、点火信号が出力されなかった場合には処理を終了する。
ステップB2では、制御回路210が、現時点より前の設定期間内にリセット処理を実行したか否かを判別する。すなわち、制御回路210が前回リセット処理を実行してからの経過期間が設定期間以上であるか否かを判別する。ステップB2の処理は、リセット動作検出回路280によって実行される。設定期間内にリセット処理を実行していない場合にはステップB3に進み、設定期間内にリセット処理を実行した場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップB3では、制御回路210の端子6から繰り返し信号が出力されているか否かを判別する。ステップB3の処理は、繰り返し信号検出回路270によって実行される。制御回路210から繰り返し信号が出力されている場合にはステップB4に進み、繰り返し信号が出力されていない場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップB4では、トリガスイッチ114がオンしているか否かを判別する。ステップB4の処理は、トリガ操作検出回路260によって実行される。トリガスイッチ114がオンしている場合にはステップB5に進み、トリガスイッチ114がオンしていない場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップB5では、点火信号を通過させ、点火回路250に入力する。
なお、トリガ操作検出回路260は、トリガスイッチ114から、ドライバ122の駆動を指示する操作信号が出力されたことを検出した場合に、「H」レベルの第1の判別基準信号を出力する(NPNトランジスタQ3が非導通状態)。また、リセット動作検出回路280は、現時点より前の設定期間内に制御回路210がリセット処理を実行していないことを検出した場合に、「H」レベルの第2の判別基準信号を出力する(NPNトランジスタQ5が非導通状態)。繰り返し信号検出回路270は、制御回路210から繰り返し信号が出力されていることを検出した場合に、「H」レベルの第3の判別基準信号を出力する(NPNトランジスタQ5が非導通状態)。
ここで、図4及び図5に示す処理は、制御回路210から出力される点火信号(制御信号)を、少なくともトリガ操作検出回路260、リセット動作検出回路280、繰り返し信号検出回路270のうちの1つから第1〜第3の判別基準信号が出力されない場合(少なくとも1つの判別基準が満足されない場合)には、通過を阻止する(点火回路250への入力を阻止する)処理であるということもできる。
点火信号が異常である場合に、当該点火信号によって点火回路250が動作するのを阻止する第2の実施の形態の動作を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
図10に示す処理は、適宜の時期に開始される。
ステップC1では、制御回路210から点火信号(制御信号)が出力されたか否かを判別する。制御回路210から点火信号が出力された場合にはステップC2に進み、出力されていない場合には処理を終了する。
ステップC2では、トリガスイッチ114がオンしているか否かを判別する。トリガスイッチ114がオンしている場合にはステップC3に進み、トリガスイッチ114がオンしていない場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップC3では、点火信号を通過させ、点火回路250に入力する。
図10に示す処理を実行する阻止回路の一例を図11に示す。図11に示す阻止回路は、制御回路210から出力される点火信号と、トリガ操作検出回路260から出力される第1の判別基準信号をAND論理演算する回路によって構成されている。
制御回路210は、トリガ113が操作されると点火信号を出力する。このため、トリガ113が操作されていない状態で、制御回路210から点火信号が出力された場合には、制御回路が異常状態で点火信号が出力された可能性がある。したがって、第2の実施の形態の判別手法を用いた場合でも、異常な点火信号によって点火回路250が誤動作するのを防止することができる。
点火信号が異常である場合に、当該点火信号によって点火回路250が動作するのを阻止する第3の実施の形態の動作を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
図12に示す処理は、適宜の時期に開始される。
ステップD1では、制御回路210から点火信号が出力されたか否かを判別する。制御回路210から制御信号が出力された場合にはステップD2に進み、出力されていない場合には処理を終了する。
ステップD2では、制御回路210が、現時点より前の設定期間内にリセット処理を実行したか否かを判別する。設定期間内にリセット処理を実行していない場合にはステップD3に進み、設定期間内にリセット処理を実行した場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップD3では、点火信号を通過させ、点火回路250に入力する。
図12に示す処理を実行する阻止回路の一例を図13に示す。図13に示す阻止回路は、制御回路210から出力される点火信号と、リセット動作検出回路280から出力される第2の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路によって構成されている。
なお、図13に破線で示すように、リセット動作検出回路280に替えて繰り返し信号検出回路270を用いることもできる。すなわち、阻止回路を、制御回路210から出力される点火信号と、繰り返し信号検出回路270から出力される第3の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路によって構成する。
制御回路210は、動作中にリセット処理を実行することはほとんどない。また、制御回路210は、動作中設定周期の繰り返し信号出力している。したがって、第3の実施の形態の判別手法を用いた場合でも、異常な点火信号によって点火回路250が誤動作するのを防止することができる。
点火信号が異常である場合に、当該点火信号によって点火回路250が動作するのを阻止する第4の実施の形態の動作を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
図14に示す処理は、適宜の時期に開始される。
ステップE1では、制御回路210から点火信号が出力されたか否かを判別する。点火信号が出力された場合にはステップE2に進み、点火信号が出力されなかった場合には処理を終了する。
ステップE2では、制御回路210が、現時点より前の設定期間内にリセット処理を実行したか否かを判別する。設定期間内にリセット処理を実行していない場合にはステップE3に進み、設定期間内にリセット処理を実行した場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップE3では、制御回路210から繰り返し信号が出力されているか否かを判別する。制御回路210から繰り返し信号が出力されている場合にはステップE4に進み、繰り返し信号が出力されていない場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップE4では、点火信号を通過させ、点火回路250に入力する。
図14に示す処理を実行する阻止回路の一例を図15に示す。図15に示す阻止回路は、制御回路210から出力される点火信号と、リセット動作検出回路280から出力される第2の判別基準信号と、繰り返し信号検出回路270から出力される第3の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路によって構成されている。
第4の実施の形態では、リセット処理に関する条件と繰り返し信号の出力に関する条件を考慮しているため、異常な点火信号によって点火回路250が誤動作するのを確実に防止することができる。
点火信号が異常である場合に、当該点火信号によって点火回路250が動作するのを阻止する第5の実施の形態の動作を、図16に示すフローチャートを参照して説明する。
図16に示す処理は、適宜の時期に開始される。
ステップF1では、制御回路210から点火信号が出力されたか否かを判別する。点火信号が出力された場合にはステップF2に進み、点火信号が出力されなかった場合には処理を終了する。
ステップF2では、制御回路210が、現時点より前の設定期間内にリセット処理を実行したか否かを判別する。設定期間内にリセット処理を実行していない場合にはステップF3に進み、設定期間内にリセット処理を実行した場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップF3では、トリガスイッチ114がオンしているか否かを判別する。トリガスイッチ114がオンしている場合にはステップF4に進み、トリガスイッチ114がオンしていない場合には、点火信号の通過を阻止して処理を終了する。
ステップF4では、点火信号を通過させ、点火回路250に入力する。
図16に示す処理を実行する阻止回路の一例を図17に示す。図17に示す阻止回路は、制御回路210から出力される点火信号と、トリガ操作検出回路260から出力される第1の判別基準信号と、リセット動作検出回路280から出力される第2の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路によって構成されている。
なお、図17に破線で示すように、リセット動作検出回路280に替えて繰り返し信号検出回路270を用いることもできる。すなわち、阻止回路を、制御回路210から出力される点火信号と、トリガ操作検出回路260から出力される第1の判別基準信号と、繰り返し信号検出回路270から出力される第3の判別基準信号のAND論理演算を実行する回路によって構成する。
第5の実施の形態では、トリガ操作に関連する条件とリセット処理に関する条件または繰り返し信号の出力に関する条件を考慮しているため、異常な点火信号によって点火回路250が誤動作するのを確実に防止することができる。
コンタクトアームスイッチ112やトリガスイッチ114としては、種々の構成のスイッチを用いることができる。コンタクトアームスイッチ112やトリガスイッチ114の構成に応じて、制御回路210でのコンタクトアーム111の状態の検出処理やトリガ113の操作状態の検出処理、トリガ検出回路260の構成が変更される。
制御回路が異常状態で制御信号(点火信号)が出力されたことを判別する判別手法は、実施の形態で説明した手法に限定されない。
制御信号が異常である場合に、当該制御信号によって作動回路(点火回路)が動作するのを阻止する手法は、実施の形態で説明した手法に限定されない。
トリガ操作検出装置260、繰り返し信号検出回路270、リセット動作検出回路280の構成は、実施の形態で説明した構成に限定されない。また、トリガが操作されたことを検出する方法、制御回路から繰り返し信号が出力されていることを検出する方法、制御回路がリセット処理を実行したことを検出する方法は、実施の形態で説明した方法に限定されない。
燃焼式打ち込み作業工具について説明したが、本明細書に記載されている技術は、他の打ち込み作業工具に適用することができる。また、他の作業工具に適用することもできる。この場合には、「作業工具」として構成される。
103 ハウジング
105 ハンドグリップ
107 ホルダ
108 バッテリ
109 マガジン
110 射出部
111 コンタクトアーム
112 コンタクトアームスイッチ
113 トリガ
114 トリガスイッチ(作業信号出力回路)
120 シリンダ
121 ピストン
122 ドライバ
123 クッションラバー
130 ファン
131 モータ
140 点火プラグ
140a,140b 電極
141 ガスボンベ
142 噴射口
143 燃焼室
143a 燃焼室壁
144 排気口
200 制御装置
210 制御回路(マイクロコンピュータ)
220 レギュレータ(電圧調整回路)
230 モータ駆動回路
240 バッテリ電圧検出回路
250 点火回路
260 トリガ操作検出回路(作業信号検出回路)
270 繰り返し信号検出回路
280 リセット動作検出回路
Claims (5)
- 打ち込み材を打ち込み方向に移動させる可動体と、前記可動体を駆動する駆動装置と、駆動装置を作動させる作動回路と、制御回路と、前記可動体の駆動を指示する作業信号を出力する作業スイッチを備え、前記制御回路は、前記作業スイッチから前記可動体の駆動を指示する作業信号が出力されると制御信号を出力し、前記作動回路は、前記制御回路から制御信号が出力されると前記駆動装置を作動させる打ち込み作業工具であって、
前記制御回路から出力された制御信号が異常である場合には、前記駆動装置の作動が阻止されるように構成されていることを特徴とする打ち込み作業工具。 - 請求項1に記載の打ち込み作業工具であって、前記制御回路と前記作動回路の間に阻止回路が設けられており、前記阻止回路は、前記制御回路から出力された制御信号が異常である場合には、当該制御信号の通過を阻止するように構成されていることを特徴とする打ち込み作業工具。
- 請求項1または2に記載の打ち込み作業工具であって、前記可動体の駆動を指示する作業信号が前記作業スイッチから出力されていない状態で、前記制御回路から制御信号が出力された場合には、前記駆動装置の作動が阻止されるように構成されていることを特徴とする打ち込み作業工具。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の打ち込み作業工具であって、
前記制御回路がリセット処理を実行してから設定期間内に、前記制御回路から制御信号が出力された場合には、前記駆動装置の作動が阻止されるように構成されていることを特徴とする打ち込み作業工具。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の打ち込み作業工具であって、
前記制御回路は、設定周期の繰返し信号を出力するように構成されており、
設定周期の繰返し信号が前記制御回路から出力されていない状態で、前記制御回路から制御信号が出力された場合には、前記駆動装置の作動が阻止されるように構成されていることを特徴とする打ち込み作業工具。
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