JP2008255773A - 回転折れ戸 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉を折畳む際に、両扉間の隙間に手や足の指を挟むことがなく、しかも長期間使用しても、スムースに回動して折畳むことができ、摩擦音が発生することがない構造の回転折れ戸を提供する。
【解決手段】ヒンジ手段は、互いに噛み合う一対の歯車21と、前記歯車21とともに同軸で回動する一対のアーム材22を有してなり、第1扉3と第2扉4は、上下端部において各アーム材22に固定されて縦連結枠部材5の外周面と各縦枠材16の幅方向の両端の突出部16aとの間に所定間隔の隙間を有して回動可能に構成され、前記各縦枠材16の各突出部16aに前記隙間を塞ぐためのスペーサ17が長さ方向に沿って装着されて、前記各スペーサ17が前記各歯車21の軸を中心に前記縦連結枠部材5の外周面に沿って回動するように構成されている。
【選択図】図4

Description

本願発明は、一鉛直面に沿い隣接する第1扉と第2扉とが縦連結枠部材とヒンジ手段で連結されて折り畳み可能に構成される回転折れ戸に関するものである。
この種の回転折れ戸は、第1扉と第2扉の連結側の各縦框が横断面円弧状に形成されている。そして、各扉は、扉パネルと縦框が一体もしくは別体で構成され、両扉間において縦框同士の間に隙間があり、扉によって室内を閉じる様に回動すると隙間が塞がれるように構成されている。したがって、扉を閉じる操作において、両扉の縦框間の隙間に人が手や足の指を挟んでしまうような不慮の事故が発生するので、このような事故を防止できる扉連結構造が提案されている。
例えば、特開2001−262949号公報の可動式連結パネルは、縦框の先端面が横断面円弧状面を基本とした曲面にすると共に、曲面のパネル本体側部分に凹部を設けた端部構成を有してパネルを形成し、この曲面同士に僅かな間隙を保って対向させ、両曲面間に沿って、前後部を巾広に中間部を巾狭に形成した横断面の介装部材を接合させてパネルを回転可能に連結したものである。この可動式連結パネルによれば、パネル端面が曲面となり、パネル間隙が介装部材によって塞がれているので、室内空間を閉じた状態では仕切られる反対側が透けて見えることもなく、また指を挟んでしまう虞も生じさせないものである。
また、特表平9−512597号公報の連結リンクのための装置は、隣接する構造部材1,2の縁部4の各端に一対の連結部材14,15が備えられ、連結部材の各々の歯−リム付きセグメント23,24により対応する動きを与えられ、前記歯−リム付きセグメント23,24の湾曲中心を互いから一定した距離に保持するための手段が備えられている例えば2つの扉板、扉と扉枠、テーブル板などの2つの構造部材の間の連結リンクのための装置であって、前記手段が細長い輪郭付けされた本体3で構成され、該本体3が滑らかで閉じた周面を有し、また該本体3が前記2対の連結部材14,15の間を延在するとともに、構造部材1,2の前記縁部4の間の空間を充足するように設計されていること、この輪郭付けされた該本体3が横断面において各端に位置する丸い部分6,7と、該丸い部分6,7よりも小さな断面を有する中央の括れ部分とを有すること、および前記縁部4がそれぞれ補完的な丸い部分を有して作られており、該丸い部分は輪郭付けされた本体3の前記丸い部分6,7に等しいかそれよりも小さい円弧に沿って拡がっているものである。そして、隣接する縁部に沿う中央にて輪郭付けされた本体3が円筒セグメント雌部分4,5との係合を解除するのを防止するために、面4,5は常にオーバーハング部分4',5'を備えており、このようにしてニージョイント(本体)3をガイドする。前記面4,5は120度〜210度(好ましいとされる角度は165度)に等しい角度の円弧に沿って拡がっていることが好ましいものである。
特開2001−262949号公報 特表平9−512597号公報
しかしながら、上記特開2001−262949号公報の可動式連結パネルのように、各扉の断面円弧状の縦框間の隙間に介装部材を接合させる構造の場合、長期間の使用により介装部材が磨耗したり弾力性が失われたりするばかりでなく、扉の連結部の間隙から介装部材に位置ずれが生じて扉と介装部材との摩擦が大きくなる虞がある。このような場合、扉をスムースに折畳むことができなくなったり、介装部材が破損したり、脱離してしまうことがある。また、介装部材の磨耗や位置ずれにより、扉を回動する際に摩擦音が激しくなるばかりでなく、介装部材が破損してしまう虞がある。
また、上記特表平9−512597号公報の連結リンクのための装置は、隣接する縁部に沿う中央にて輪郭付けされた本体3が円筒セグメント雌部分4,5との係合を解除するのを防止するために、面4,5は常にオーバーハング部分4',5'を備えて、ニージョイント(本体)3をガイドし、前記面4,5は120度〜210度(好ましいとされる角度は165度)に等しい角度の円弧に沿って拡がっているものである。そのため、隣接する構造部材は、オーバーハング部分4',5'が離れている位置から当接する位置までオーバーハング部分4',5'を手前に引く方向に開閉動作できるが、オーバーハング部分4',5'を押し込む方向に開かせることができないため、取り付けた後で開閉方向を変更できず不便である。また、隣接する構造部材は、前記歯−リム付きセグメントの湾曲中心を互いから一定した距離に保持されてその縁部が本体周面を回動する構造であるため、湿気や温度の変化により構造部材が反ってくると、縁部と本体周面に隙間を設けないようにすると構造部材の縁部と本体周面の摩擦が大きくなってスムースに扉を折畳むことができなくなることがある。また、縁部と本体周面との隙間を大きくすると、構造部材で遮断された内外の空間相互の断熱性や遮音性が悪くなるし、隙間風が通過して保温性が悪くなる。
本発明は上記課題を解決するもので、縦連結枠部材を手前側もしくは反対側に突出させつつ開閉操作でき、扉を折畳む際に両扉間の隙間に人が手や足の指を挟んでしまうことが防止され、長期間使用してもスムースに扉を折畳むことができ、また摩擦音が発生することがないようにした回転折れ戸を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、第1扉と第2扉が一鉛直面に沿い隣接し、前記第1扉と第2扉は、各縦枠材が近接する各平面の両端を外側に突出させてそれぞれ横断面がコ字状であって、前記各縦枠材の長手方向に並行して配置される縦連結枠部材の上下端部に設けられたヒンジ手段に前記各縦枠材の上下端部が連結されて前記縦連結枠部材を挟んで折り畳み可能に構成される回転折れ戸であって、前記ヒンジ手段は、互いに噛み合う一対の歯車と、前記歯車とともに同軸で回動する一対のアーム材を有してなり、前記第1扉と第2扉は、上下端部において前記各アーム材に固定されて前記縦連結枠部材の外周面と前記各縦枠材の幅方向の両端の突出部との間に所定間隔の隙間を有して回動可能に構成され、前記各縦枠材の各突出部に前記隙間を塞ぐためのスペーサが長さ方向に沿って装着されて、前記各スペーサが前記各歯車の軸を中心に前記縦連結枠部材の外周面に沿って回動するように構成されていることを特徴とする回転折れ戸である。
また請求項2に記載の発明は、前記縦連結枠部材は、中心軸を有し横断面がC字状の2つのC字部材を円弧部分が外側となるように対向配置されて横断面がメガネ形状であって、前記C字部材の中心軸に前記歯車及びアーム材が同軸に装着されている請求項1に記載の回転折れ戸である。
また請求項3に記載の発明は、前記一対の歯車には、横断面が前記縦連結枠部材の横断面にほぼ等しい歯車カバーを被着してある請求項1又は2の何れか1項に記載の回転折れ戸である。
また請求項4に記載の発明は、前記アーム材は金属板で形成され、一端に円環部が形成され、前記円環部から舌片が延在して途中から直角に折れ曲がって垂直なストッパー部が形成され、該ストッパー部から延在する舌片は他端の所定長さ手前において直角に折り返されて前記各扉の上又は下の端面に取付られる装着片が形成されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の回転折れ戸である。
また請求項5に記載の発明は、前記アーム材は金属板で形成され、一端に円環部が形成され、前記円環部から舌片が延在して途中から直角に折れ曲がって前記縦枠材の幅方向における前記突出部間の平坦面に取付けられる装着片が形成されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の回転折れ戸である。
本発明の回転折れ戸によれば、2つの扉間に長尺な縦連結枠部材を介在させて折畳み可能に構成し、2つの扉は縦連結枠部材の離間した2つの軸を支点にしてそれぞれ回動させて、縦連結枠部材を手前側もしくは反対側に突出させつつ開閉操作できるようにしてあるから、扉を折畳む際に両扉間の隙間に人が手や足の指を挟んでしまう事故を確実に防止することができる。
また、左右の2つの扉は、ヒンジ手段を介在して縦連結枠部材の上下端に取付けられ、各扉が中空枠状の縦連結枠部材によって強固に支持されているので、長期間使用してもスムーズに回動して折畳むことができ、扉を折畳む際にきしみ音が発生することもなく、実用的で優れた効果を奏するものである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における回転折れ戸を備えた扉設備全体の正面図、図2は、図1における回転折れ戸の回動状態を示す説明図、図3は、図1のA−A線断面図、図4は、図1における連結部分の分解斜視図、図5は、図1のヒンジ手段の一部欠截分解正面図、図6は、図1のヒンジ手段の縦断面図、図7は、ヒンジ手段の作用を説明するための概略説明図である。
図1において、回転折れ戸1の基本構造は、横幅の広い第1の扉3と横幅の狭い第2の扉4と、各扉の縦框に沿う縦方向の縦連結枠部材5との組合せからなり、両扉3、4は、門型の扉枠体2に取り付けられている。第2の扉4は、扉枠体2の右端部に回転可能に支持されている。そして、第1の扉3と第2の扉4とが縦連結枠部材5を介して一鉛直面に沿って隣接して配置され、第1の扉3と第2の扉4の各上下端部が、縦連結枠部材5の上下端部において後述するヒンジ手段6により回動可能に連結されて、折り畳み可能となっている。
前記回転折れ戸1は、第1の扉3と第2の扉4との間に介在した縦連結枠部材5を押すか又は引く操作、若しくは第1の扉3の自由端を回動する操作により、前記ヒンジ手段6により軸支されているので重なる方向に回動し、第1の扉3の上端に設けた吊車7が扉枠体2の上部に設けてある吊りレール部材10に沿って走行しながら相互に重合するように折り畳まれて、第1の扉3が第2の扉4側に引き寄せられることにより、扉枠体2が開放するようになっている。
前記扉枠体2は、左右の縦枠材8、8と、これら左右の縦枠材8、8の上端に両端が固着されて一体化された上枠体9とからなる門型である。そして、一対の縦枠材8、8は、図2に図示すように、細長い縦方向の折曲片8aに柱部材8bが接合された構造であり、各折曲片8aは、その幅方向に浅く窪む凹部8cを設けてある。
また、前記両縦枠材8、8の凹部8cに、第1の扉3および第2の扉4の外側縦框を構成するカバー部材13,14が臨むようになっている。
図1において第1の扉3の左側面には、縦枠材8に当接若しくは近接する断面半円弧状の前記長尺なカバー部材13が取付けられている。カバー部材13内と、カバー部材13に当接若しくは近接する側の縦枠材8内には、それぞれ図示しない棒磁石が収納され、回転折れ戸1を閉じて、第1の扉3を扉枠体2の縦枠材8に当接させると、磁気作用によって第1の扉3を扉枠体2に閉止する状態を維持するように構成されている。また、図1における第2の扉4の右側面には、第2の扉4を回転可能に支持する回転軸を収納する半円筒状の長尺なカバー部材14が取付けられている。
前記上枠体9の下部には、吊りレール部材10が取り付けられている。該吊りレール部材10は縦断面が矩形枠状で、下部に所定幅の開口10bを設けて下部内面の両側にレール10a、10aが形成されている。また、四輪からなる吊車7には、下方に延在する吊持軸7aが設けられている。この吊持軸7aの先端は第1の扉3の上面の中央近傍に垂直に固着されており、レール10a、10a上を吊車7が走行することで、吊持軸7aが、レール10a、10aの間隙により構成される開口10bに沿って扉枠体2の左右幅方向に移動して、縦連結枠部材5を手前側もしくは反対側に突出させつつ、第1の扉3を第2の扉4側に折り畳むように回動させることができる。
また、吊りレール部材10内に扉枠体2の縦枠材8側の端部付近にエアーダンパー15が設けられ、両扉3、4が閉まるときに吊持軸7aが固定された四輪の吊車7の一部がエアーダンパー15のピストンロッド15aの先端に当接すると第1の扉3の閉止速度を減速するようにしてある。
第2の扉4の本体部をなす扉パネル12の図1における右側上端部には、垂直方向に回転軸を有するヒンジ14aがカバー部材14に埋設して取付けられている。また、ヒンジ14aの上部は、扉枠体2の吊りレール部材10にブラケット14bを介してネジにより固着されている。また、扉パネル12の右側下端部において、図1で示すように円筒状のヒンジ14cが、カバー部材14に埋設されている。ヒンジ14cの筒内には回転軸14dが嵌合されており、扉パネル12は、回転軸14dに回転可能に支持されている。回転軸14dは、図示しないスラストベアリングに植設されており、スラストベアリングは、扉枠体2の右側縦枠材8に取り付けられたブラケットの水平な突出片8dに固着されている。したがって第2の扉4の荷重は、スラストベアリングの回転軸の植設面により受けられる。これにより第2の扉4は、扉枠体2の右端部において上下の端部が回転可能に支持されている。
第1の扉3の本体部をなす扉パネル11は、その幅方向中央付近の位置、即ち、第2の扉4の回転する半径に相当する位置において、吊持軸7aにより上面が扉枠体2の吊りレール部材10に回転可能に吊持され、また、その右側の第2の扉4との連結部側の上下端部が縦連結枠部材5の上下端部と折り畳み可能に連結されるとともに、第2の扉4の左側上下端部と縦連結枠部材5の上下端部とが折り畳み可能に連結されて支持されることにより、扉枠体2に取り付けられている。
吊車7は、その台板7bに回転可能に取り付けられた4つの車輪7cが、レール10a、10a上を走行可能である。その走行範囲は、回転扉3が閉鎖状態にあるときの位置から、回転扉3が完全に開放されたときの上枠体9の右端近傍の位置までである。
次に、図3〜図6を参照して第1の扉3の右側上下端部が縦連結枠部材5の上下端部と折り畳み可能に連結されるとともに、第2の扉4の左側上下端部と縦連結枠部材5の上下端部とが折り畳み可能に連結されて支持される構造を説明する。
第1の扉3及び第2の扉4は、扉パネル11,12の左右の対向側面に、縦框としての補強用の縦枠材16,16が設けられている。そして、各縦枠材16の上下端部には、金属板で形成され、一端に中心孔22a及び中心孔22aに隣接してその両側に歯車取付け孔22fが設けられた円環部22bを有するアーム材22が設けられている。
アーム材22は、円環部22bが歯車取付け部となっていて、円環部22bから舌片22cが同一面上に延在し、舌片22cは途中から直角に折れ曲がって垂直なストッパー部22dが形成され、該ストッパー部22dから延在する舌片は他端の所定長さ手前において直角に折り返されて他端からその所定長さ手前までがアーム材22を扉パネル11又は12の上下の端面に取り付けるための装着片22eとなっている。なお、装着片22eは円環部22bと平行に形成されていて、扉パネル11,12への取り付け孔22gが複数設けられている。
補強用の縦枠材16は、略コ字状の横断面形状をなし、幅方向の中央が平面であって、その両端に直角に突き出す角筒状の突出部16a,16aが長手方向に沿って設けられている。突出部16aは、外側の面がこれと平行な内側の面よりも長く突き出して先端角部16bが鋭角に形成されている。したがって、補強用の縦枠材16は幅方向の両側にわずかの幅の突出部16aを残して浅く窪んだ凹部16cが形成される。また、縦枠材16の幅方向の両端の突出部16a,16aの先端の面には、外側と内側の平行な面間に長手方向に沿って直線状の隙間が形成されており、この直線状の隙間には、樹脂又はゴムからなる長尺なスペーサ17が長さ方向に沿って装着されている。
そして、補強用の縦枠材16は、上記浅く窪んだ凹部16cを前記縦連結枠部材5の方向に向けるようにして配置され、これら両縦枠材16,16の凹部16c,16cに、縦連結枠部材5の外周面が、それぞれ部分的に受容されるようになっている。また、第1の扉3及び第2の扉4において、両縦枠材16,16は、扉パネル11,12の側部の端面に装着され、図示しない数本のネジにより止着されて一体化されている。
長尺な縦連結枠部材5は、2つのC字部材5a,5aを円弧壁部5b,5bが外側となるようにして対向配置させ一体化して構成され、横断面がメガネ形状の中空枠である。この縦連結枠部材5は、各円弧壁部5b,5bの中心に軸孔5c,5cを成形してあり、各軸孔5c,5cが、それぞれ3つのリブ5d,5d,5dにより円弧壁部5bに接続されている。この縦連結枠部材5は、アルミニウム又はその合金の押し出し成型品である。
次に、ヒンジ手段6を組み立てて第1の扉3及び第2の扉4を縦連結枠部材5に回動可能に取り付ける手順について説明する。
アーム材22,22は、各円環部22b,22bの各孔22a,22aにブシュ24,24が嵌合され、各円環部22b,22b上に歯車カバー保持部材30が載置される。歯車カバー保持部材30は、底部にローラ挿通孔30a,30aが設けられてメガネ状に形成されている。ローラ挿通孔30aには、肉薄の樹脂製円筒材からなるローラ31が遊嵌される。ローラ31には、アーム材22の円環部22bに同軸に配置したときに、円環部22bに設けられた一対の歯車取付け孔22fと合致する位置に一対の孔31bが設けられている。
また、一対の歯車21、21は、それぞれ中心に円筒状の突出部21aを有し、中心に孔21bが設けられ、また、孔21bに隣接してその両側に取り付け用の孔21cが設けられている。一対の歯車21、21は、互いに噛み合わされてローラ31,31上に載置され、各突出部21aをローラ31の軸孔31aに遊嵌される。その後、一対の歯車21、21は、各孔21cにネジ23が挿入されて、ローラ31の孔31bに挿通され、アーム材22の円環部22bの歯車取付け孔22fに螺合される。こうして、一対の歯車21、21がローラ31とともにそれぞれアーム材22の円環部22bに固定されると、ブシュ24が円環部22bの孔22aに遊嵌され、ローラ31の軸孔31aに遊嵌されている歯車21の突出部21aと当接するとともに、アーム材22の円環部22bの孔22aから所定量突出した状態となる。
そして、連結板25の一対の軸取り付け孔25a,25a、一対の歯車21の中心孔21b,21b、ブシュ24の中心孔24a,24aを合致させて、一対の軸部材26を連結板25の一対の軸取り付け孔25aに一連に挿通して同軸に配置し、外観がメガネ型形状で下面が開口し、横断面が縦連結枠部材5の横断面にほぼ等しい箱状の歯車カバー27を、上側から被着しておく。軸部材26は、頭部から途中までの胴部は周面が鏡面仕上げされた軸部26aとなっており、先端部から特定の長さだけ雌ネジ造成用のネジ26bが切られているものである。
歯車カバー27は、底面の縁部に円弧状をした水抜き用のスリット27aが部分的に開設され、また、底面の中央付近には、連結板25を収納したときに、連結板25に設けられた軸取り付け孔25a、25aと一致する位置に孔27b、27bが形成され、また、連結板25に設けられたネジ止め用の孔25b、25bと一致する位置に孔27c、27cが形成されている。したがって、歯車カバー27を歯車21などに被着して、ビス28を孔27cから孔25bに通して連結板25止着すると共に歯車カバー27を歯車カバー保持部材30に接合することでヒンジ手段6の組み立てが完了する。
これにより、歯車カバー保持部材30がローラ31をローラ挿通孔30aから所定量突出させて固定され、また、歯車カバー保持部材30は、アーム材22との間に隙間を有して非接触となりアーム材22を回動可能とする。
ヒンジ手段6は、縦連結枠部材5の上下の端面5eにブシュ24を当接させるようにして配置される。縦連結枠部材5は、アルミニウム又はその合金製であって、軸孔5cの内面に軸方向に等角度に線状に突出した複数の突条5fが設けられている。軸部材26は、縦連結枠部材5の軸孔5cに差し込まれて、突条5fに雌ネジを造成しながら止着される。これにより、歯車カバー27の開口端面を、これと開口端面がほぼ等しい歯車カバー保持部材30に合致させて接合され、ヒンジ手段6が縦連結枠部材5に取り付けられる。
第1の扉3及び第2の扉4は、縦連結枠部材5に取り付けられたヒンジ手段6,6の各アーム材22,22の装着片22e,22e間に、縦連結枠部材5を間に挟んで、それぞれの縦枠材16,16が近接するようにして配置される。そして、第1の扉3及び第2の扉4は、両縦枠材16,16の凹部16d中央の平面にアーム材22のストッパー部22dの外面を当接させ、アーム材22の装着片22eを扉パネル11,12の上下の端面に配置され、この状態で、装着片22eに設けた複数の取り付け孔22gにネジ18が差し込まれて止着され、アーム材22を介して縦連結枠部材5に取り付けられる。
次に、図7を参照してヒンジ手段6の動作について説明する。
ヒンジ手段6は、縦連結枠部材5と第1の扉3を回動可能に連結し、また、縦連結枠部材5と第2の扉4を回動可能に連結する。そしてヒンジ手段6は、縦連結枠部材5の一方の軸孔5cを中心に第1の扉3を回動可能に支持し、また、縦連結枠部材5の他方の軸孔5cを中心に縦連結枠部材5と第2の扉4を回動可能に支持する。
第1扉3と第2扉4は、縦連結枠部材5の上下端部において各歯車21,21の軸部材26、26を中心に回動可能であるから、各縦枠材16がC字部材5aの外側周面に沿って回動する。この場合、縦連結枠部材5の外周面と各縦枠材16の幅方向の両端の突出部16aとの間に所定間隔の隙間Gを有して回動可能に構成されるが、各縦枠材16の各突出部16aにスペーサ17を装着することで、各歯車21,21の軸を中心に回動する各縦枠材16が、縦連結枠部材5の外周面にスペーサ17を当接させて隙間Gがスペーサ17により塞がれる。
したがって、湿気や温度の変化により第1扉3や第2扉4が反ってきて各縦枠材16の各突出部16cと縦連結枠部材5の外周面との隙間Gが狭くなり、スペーサ17と縦連結枠部材5の外周面との摩擦が大きくなってスムースに扉を折畳むことができなくなった場合、スペーサ17を厚みの薄い他のスペーサに交換してスムースに扉を折畳めるようにすることができる。また、第1扉3や第2扉4の反りが回復して他のスペーサと縦連結枠部材5の外周面との間に隙間Gが生じてきたら、元の厚みのあるスペーサ17に交換して、初期状態に戻して第1扉3と第2扉4を回動させることができる。
本発明の回転折れ戸は、両扉3,4は縦連結枠部材5に取り付けられたヒンジ手段6,6の互いに噛み合うように配置した一対の歯車21,21の軸を支点に回動させて、縦連結枠部材を手前側もしくは反対側に突出させつつ開閉操作して折畳み可能であって、縦連結枠部材5の離間した2つの軸が回動支点となるので、扉を折畳む際に両扉3,4間の隙間に人が手や足の指を挟んでしまうことなく、しかも構造として縦連結枠部材5が中空なパイプ状であるから長期間使用してもヒンジ部に位置ずれが生じることはなく、扉を折畳む際に、スムースに折畳むことができ、音が大きくなるような事態は防止される。
図8は、本発明の実施例2における連結部分の分解斜視図、図9は、図8のヒンジ手段の一部欠截分解正面図、図10は、図8のヒンジ手段の縦断面図、図11は、ヒンジ手段の要部の横断面図である。
実施例2は、実施例1におけるアーム材22に代えて、形状の異なる金属板で形成されたアーム材42を使用したものであり、アーム材42の取り付け構造が実施例1と異なるので補強用の縦枠材16に代えて縦枠材44を使用している。また、実施例1における縦連結枠部材5と内部構造の異なる縦連結枠部材45を使用している。
図8〜図10において、実施例2の回転折れ戸1の基本構造は、第1の扉3と第2の扉4と、各扉の縦框に沿う縦方向の縦連結枠部材5との組合せからなる。以下の説明では、アーム材42、縦枠材44、縦連結枠部材45の説明、第1の扉3と第2の扉4へのアーム材42の取り付け手順の説明、及び実施例1と異なるヒンジ手段6aを組み立てる手順の説明をすることとし、実施例1と重複する説明は省略する。なお、ヒンジ手段6aは、歯車カバー27、軸部材26、連結板25、ベアリング部材34、歯車21、アーム材22等により構成されるものである。
アーム材42は、一端に中心孔42aを有する円環部42bが形成されている。円環部42bが歯車取付け部となっていて、円環部42bから舌片42cが同一面上に延在し、舌片42cは途中から直角に折れ曲がって他端側が装着片42eとなっており、装着片42eは円環部42bと直角に形成されている。
補強用の縦枠材44は、略コ字状の横断面形状をなし、幅方向の中央が平面であって、その両端に直角に突き出す角筒状の突出部44a,44aが長手方向に沿って設けられている。突出部44aは、外側の面がこれと平行な内側の面よりも長く突き出して先端角部44bが鋭角に形成されている。したがって、補強用の縦枠材44は幅方向の両側にわずかの幅を残して浅く窪んだ凹部44cが形成される。凹部44cの底部は長手方向に沿う筒状であって、横断面が矩形枠44dとなっている。そして凹部44cは、底面の長手方向の端部に矩形の切り欠き部44eが設けられている。
長尺な縦連結枠部材45は、2つのC字部材45a,45aを円弧壁部45b,45bが外側となるようにして対向配置させ一体化して構成され、横断面がメガネ形状の中空枠である。この縦連結枠部材45は、各円弧壁部45b,45bの中心に軸孔45c,45cを成形してあり、各軸孔45c,45cは、それぞれ4つのリブ45d,45d,・・により円弧壁部45b,45bに接続されている。この縦連結枠部材45は、アルミニウム又はその合金の押し出し成型品である。縦枠材44の幅方向の両端の突出部44a,44aの先端の面には、外側と内側の平行な面間に長手方向に沿って直線状の隙間が形成されており、この隙間には、樹脂又はゴムからなる長尺なスペーサ17が長さ方向に沿って装着されている。両縦枠材44,44は、凹部44cが縦連結枠部材45に向くようにして並行に配置されると、凹部44c,44cに縦連結枠部材45の外側面が、それぞれ部分的に受容されるようになっている。
次に、ヒンジ手段6aを組み立てる手順を説明する。先ず、ヒンジ手段6aを組み立てる前に、アーム材42を第1の扉3及び第2の扉4に取り付けておく。
両縦枠材44,44は、その上下端部に形成した矩形の切り欠き部44eから矩形枠44d内にアーム材42の装着片42eが挿入されて、アーム材42と共に扉パネル11,12にネジ48により止着されて第1の扉3及び第2の扉4に組み立てられる。これらの組み立てられた第1の扉3及び第2の扉4は、左右の対向側面において、上下の端部にアーム材42,42の円環部42b,42bが横向きに延在して平行に対向配置された状態である。
次に、第1の扉3及び第2の扉4において、円環部42bと縦連結枠部材45の軸方向の端面45eとの間に金属製若しくは樹脂のベアリング部材34を配置する。
また、第1の扉3及び第2の扉4の上端部または下端部において、1対の軸孔25a,25aが両歯車の中心間隔で設けられた平板状の連結板25を一対の歯車21,21の上に載置し、連結板25、歯車21、ベアリング部材34及び縦連結枠部材45の各孔を合致させて配置し、ボルト26により一連に挿通して止着し、上側から、外観がメガネ型形状で下面が開口した箱状の歯車カバー27を被着する。
なお、上記した説明は、縦連結枠部材5の上端において第1の扉3及び第2の扉4を回動可能に取り付ける手段について説明したが、縦連結枠部材5の下端においては、ベアリング部材34、アーム材42、歯車21、連結板25及び歯車カバー27によって上下逆の手順により取り付けられるものである。
また、縦連結枠部材45の端部にベアリング24、アーム材22、歯車21、連結板25及び歯車カバー27を配置して、歯車カバー27の孔27bから一連にボルト26を軸孔5bに挿通して止着するとともに、ビス28を孔27cから孔25bに止着してもよい。
上記ヒンジ手段6aの動作は、実施例1のヒンジ手段6の動作と同様であるので、その説明については省略する。
本発明の回転折れ戸は、湿気や温度の変化によりスムースに扉を折畳むことができなくなった場合、スペーサ17を厚みの異なる他のスペーサに交換してスムースに扉を折畳めるようにすることができる。また、両扉3,4は、扉を折畳む際に両扉3,4間の隙間に人が手や足の指を挟んでしまうことなく、しかも構造として縦連結枠部材5が中空なパイプ状であるから長期間使用してもヒンジ部に位置ずれが生じることはなく、扉を折畳む際に、スムースに折畳むことができ、音が大きくなるような事態は防止される。
実施例1における回転折れ戸を備えた扉設備全体の正面図である。 図1における回転折れ戸の作用説明図である。 図1のA−A線断面図である。 図1における連結部分の分解斜視図である。 図1のヒンジ手段の一部欠截分解正面図である。 図1のヒンジ手段の縦断面図である。 図1のヒンジ手段の作用を説明するための概略説明図である。 実施例2における連結部分の分解斜視図である。 実施例2におけるヒンジ手段の一部欠截分解正面図である。 実施例2におけるヒンジ手段の縦断面図である。 ヒンジ手段の要部の横断面図である。
符号の説明
1 回転折れ戸
2 扉枠体
3 第1の扉
4 第2の扉
5,45 縦連結枠部材
5a,45a C字部材
5b,45b 円弧壁部
5c,31a,45c 軸孔
5d,45d リブ
5e,45e 端面
5f 突条
6,6a ヒンジ手段
7 吊車
7a 吊持軸
7b 台板
7c 車輪
8 縦枠材
8a 折曲片
8b 柱部材
8c 凹部
8d 突出片
9 上枠体
10 吊りレール部材
10a レール
10b 開口
11,12 扉パネル
13,14 カバー部材
14a,14c ヒンジ
14b ブラケット
14d 回転軸
15 エアーダンパー
15a ピストンロッド
16,44 縦枠材
16a,44a 突出部
16b,44b 先端角部
16c,44c 凹部
17 スペーサ
21 歯車
21a 円筒状の突出部
21b 歯車の孔
21c 取り付け用の孔
22,42 アーム材
22a,42a アーム材の孔
22b,42b 円環部
22c,42c 舌片
22d ストッパー部
22e,42e 装着片
22f 歯車取付け孔
22g 取り付け孔
23,48 ネジ
24 ブシュ
24a 中心孔
25 連結板
25a 軸取り付け孔
25b,27b,27c,31b 孔
26 軸部材
26a 軸部
26b 雌ネジ造成用のネジ
27 歯車カバー
27a スリット
28 ビス
30 歯車カバー保持部材
30a ローラ挿通孔
31 ローラ
34 ベアリング部材
44d 矩形枠
44e 切り欠き部
45e 端面

Claims (5)

  1. 第1扉と第2扉が一鉛直面に沿い隣接し、前記第1扉と第2扉は、各縦枠材が近接する各平面の両端を外側に突出させてそれぞれ横断面がコ字状であって、前記各縦枠材の長手方向に並行して配置される縦連結枠部材の上下端部に設けられたヒンジ手段に前記各縦枠材の上下端部が連結されて前記縦連結枠部材を挟んで折り畳み可能に構成される回転折れ戸であって、
    前記ヒンジ手段は、互いに噛み合う一対の歯車と、前記歯車とともに同軸で回動する一対のアーム材を有してなり、
    前記第1扉と第2扉は、上下端部において前記各アーム材に固定されて前記縦連結枠部材の外周面と前記各縦枠材の幅方向の両端の突出部との間に所定間隔の隙間を有して回動可能に構成され、前記各縦枠材の各突出部に前記隙間を塞ぐためのスペーサが長さ方向に沿って装着されて、前記各スペーサが前記各歯車の軸を中心に前記縦連結枠部材の外周面に沿って回動するように構成されていることを特徴とする回転折れ戸。
  2. 前記縦連結枠部材は、中心軸を有し横断面がC字状の2つのC字部材を円弧部分が外側となるように対向配置されて横断面がメガネ形状であって、前記C字部材の中心軸に前記歯車及びアーム材が同軸に装着されている請求項1に記載の回転折れ戸。
  3. 前記一対の歯車には、横断面が前記縦連結枠部材の横断面にほぼ等しい歯車カバーを被着してある請求項1又は2の何れか1項に記載の回転折れ戸。
  4. 前記アーム材は金属板で形成され、一端に円環部が形成され、前記円環部から舌片が延在して途中から直角に折れ曲がって垂直なストッパー部が形成され、該ストッパー部から延在する舌片は他端の所定長さ手前において直角に折り返されて前記各扉の上又は下の端面に取付られる装着片が形成されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の回転折れ戸。
  5. 前記アーム材は金属板で形成され、一端に円環部が形成され、前記円環部から舌片が延在して途中から直角に折れ曲がって前記縦枠材の幅方向における前記突出部間の平坦面に取付けられる装着片が形成されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の回転折れ戸。
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