JP2008255398A - 高速冷間加工用鋼及びその製造方法、並びに高速冷間加工部品およびその製造方法 - Google Patents

高速冷間加工用鋼及びその製造方法、並びに高速冷間加工部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工中は冷間加工性に優れ、加工後は良好な硬さを示す高速冷間加工用鋼を提供すること。
【解決手段】C:0.15超〜0.6%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.005〜0.6%、Mn:0.05〜2%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、および、N:0.04%以下(0%を含まない)、を含有し、残部は鉄および不可避的不純物からなり、鋼中の固溶N量が0.006%以上であることを特徴とする高速冷間加工用鋼を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボルト・ナットなどの機械部品、特に自動車用の部品を製造するために有用な冷間加工用鋼、特に冷間加工用線材または棒鋼に関するものである。本発明は、前記冷間加工用鋼から得られる冷間加工部品も提供する。
近年、環境保護の観点から、自動車などの車両の燃費向上を意図した部品の軽量化の要望が高まっている。一般的な高強度部品は、鉄に添加する合金元素量を高めることによって部品としての強度を確保している。
ここで、部品加工に用いられる特に有用な加工方法は、冷間加工である。冷間加工(ここでは200℃以下の雰囲気における加工)は、熱間加工や温間加工に比較して、生産性が高い、寸法精度が良い、鋼材の歩留が良好といった利点を有する。また、生産性を更に向上すべく、高速加工化の動向にある。
このような背景の下、冷間加工後の部品強度を所定の強度以上とするためには、必然的に冷間加工前の変形抵抗を増大させる必要がある。しかしながら、鋼の変形抵抗が高いと、冷間加工に使用する金型の寿命低下を招くことや、冷間加工時に割れが発生しやすくなるといった問題が生じる。高強度部品を得るための方法として、従来、鋼を所定形状に冷間加工した後、所定の部品強度(硬度)を確保するために、焼入れ焼戻し等の熱処理が施されていた。
しかしながら、部品加工後に熱処理を施すと、部品寸法が変化してしまうため、そこから更に切削などの部品加工を行なわなければならなくなる。生産性向上や省エネルギーのためには、所定の部品強度を確保すると同時に、熱処理やその後の加工を省略できるような解決策が望まれている。
以上のような背景の下、加工中の変形抵抗を低減する施策として、以下のような技術が開示されている。
特許文献1は、加工中の変形抵抗の増大を抑制するために、フェライト粒内に微細な窒化物を析出させ、これを核としてセメンタイトなどのC化合物を析出させることについて開示している。
特許文献2は、Nおよび固溶Al量を制御してNをAlNとして固定し、更に時効処理によりCをC化合物として析出させることで、固溶Cおよび固溶Nによる時効硬化を抑制できることを開示している。
上記の特許文献1および2の方法では、動的歪み時効による変形抵抗の増加を抑制するため、フェライト粒内に固溶Nおよび固溶CをN化合物およびC化合物として固定化している。固溶Nを固定するためには、N化合物形成元素であるAlを添加する必要がある。実施例のように、Alが0.039〜0.045%あれば、N量が0.015%であっても、固溶Nは殆ど存在しないものと考えられる。
特許文献3は、固溶軟化作用を有するCrを添加することとAlを添加することによる固溶Nの固定化で、冷間加工時の変形抵抗を低減する方法が開示されている。しかしながら、当該方法ではAlを添加することで固溶NがN化合物として固定化されているため、特許文献1および2と同様に固溶Nがほとんど存在しないものと考えられる。
冷間加工後の冷間加工部品は、上述したように、所定の部品強度を確保するために硬化熱処理、例えば焼入れ焼戻しが行なわれることがあるが、生産性向上および省エネルギーの観点から、焼入れ焼戻しの熱処理を省略することが求められている。
例えば、特許文献4では、冷間加工後の発熱温度から常温まで50〜70℃/hrの冷却速度で冷却することにより、冷間加工後の時効硬化処理(焼入れ焼戻し)を省略できる方法を開示している。
特許第3515923号公報 特開昭60−82618号公報 特公昭57−60416号公報 特開2003−266144号公報
冷間加工性(変形抵抗および変形能)と冷間加工後の部品強度は相反する性質である。所定の部品強度を確保させると、金型寿命が劣化し、加工中に割れが生じ易くなる。一方、金型寿命を改善するため冷間加工性を向上させると、所定の部品強度が確保できなくなる。従来、これらの両者の特性が共に良好な非調質型の冷間加工用鋼は、得られていない。
そこで本発明の目的は、加工後には良好な部品強度を示す一方で、加工中は冷間加工性に優れる冷間加工用鋼、特に冷間加工用線材または棒鋼を提供することである。
上記目的を達成し得た本発明の高速冷間加工用鋼は、
C:0.15超〜0.6%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.005〜0.6%、
Mn:0.05〜2%、
P:0.05%以下(0%を含まない)、
S:0.05%以下(0%を含まない)、および、
N:0.04%以下(0%を含まない)、
をそれぞれ含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなり、固溶状態としてのNの含有量が0.006%以上であることを特徴とするものである。
固溶N量を0.006%以上確保するために、N:0.007%以上とすることが望ましい。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Al:0.1%以下(0%を含まない)を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、
Zr:0.2%以下(0%を含まない)、
Ti:0.1%以下(0%を含まない)、
Nb:0.1%以下(0%を含まない)、
V:0.5%以下(0%を含まない)、
Ta:0.1%以下(0%を含まない)、および、
Hf:0.1%以下(0%を含まない)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、B:0.0015%以下(0%を含まない)および/またはCr:2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
このとき、上記各成分が、下記(1)式を満足することが推奨される。
[N]−(14[Al]/27+14[Ti]/47.9+14[Nb]/92.9+14[V]/50.9+14[Zr]/91.2+14[B]/10.8+14[Ta]/180.9+14[Hf]/178.5)≧0.006・・・・(1)式
[式(1)中、[ ]は各元素の鋼中の全含有量(質量%)を表す。]
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Cu:5%以下(0%を含まない)を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Ni:5%以下(0%を含まない)および/またはCo:5%以下(0%を含まない)を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Mo:2%以下(0%を含まない)および/またはW:2%以下(0%を含まない)を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼には、上記成分の他、必要に応じてさらに、
Ca:0.05%以下(0%を含まない)、
希土類元素(以下、「REM」と省略する):0.05%以下(0%を含まない)、
Mg:0.02%以下(0%を含まない)、
Li:0.02%以下(0%を含まない)、
Pb:0.1%以下(0%を含まない)、および、
Bi:0.1%以下(0%を含まない)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
本発明の高速冷間加工用鋼は、加工温度が200℃以下である条件で高速冷間加工に用いることが推奨される。また、歪み速度が100/秒以上である条件で高速冷間加工に用いることが推奨される。
なお、歪み速度は、真歪みを単位時間で割ることにより求められるものである。
本発明の高速冷間加工用鋼の製造方法として、上記の成分組成を有する鋼材を、Ac点+30℃以上の温度に加熱し、Ac点+30℃以上の温度領域で熱間加工し、その後冷却速度0.5℃/s以上で500℃以下まで冷却する方法が、好ましい一態様として推奨される。
本発明の高速冷間加工用鋼の製造方法として、上記の成分組成を有する鋼材を、Ac点+30℃以上の温度に加熱し、その後、冷却速度0.5℃/s以上で500℃以下まで冷却する方法が、好ましい一態様として推奨される。
本発明の高速冷間加工部品は、上記の高速冷間加工用鋼を加工温度200℃以下、歪み速度100/s以上で高速冷間加工することにより製造される高速冷間加工部品であって、高速冷間加工後の部品強度(H)、及び高速冷間加工中の変形抵抗の最大値(DR)が下記(2)式を満たすことが望ましい。
H≧(DR+1000)/6・・・(2)式
但し、H:部品強度(Hv)、DR:変形抵抗(MPa)
本発明の高速冷間加工用鋼は、(a)固溶Nを所定量以上含有しているので、冷間加工後の焼入れ焼戻しの熱処理を省略しても、冷間加工後に所定の部品強度を確保することができる。また、本発明の高速冷間加工用鋼は、(b)その用途を、高速冷間加工(好ましくは歪み速度が100/s以上である冷間加工)に限定され、且つ(c)化学成分量が適正化しているので、良好な冷間加工性を示す。
本発明の高速冷間加工用鋼は、固溶Nを所定量以上含有していることに大きな特徴を有する。この特徴によって、高い部品強度が確保できている鋼部品に良好な冷間加工性を与えることができる。しかしながら、一般的に、多量の固溶Nを含有することは、鋼材の変形抵抗を増大させ金型寿命を劣化させると共に部品に割れが生じるなどの弊害を招くと考えられている。本発明は、高速で且つ冷間加工を行なうことにより、良好な冷間加工性を維持することを特徴とする。即ち、本発明の鋼は、高速冷間加工という用途に限定され用いられることを特徴としている。(a)固溶Nを所定量以上含有させることで冷間加工後の部品強度を向上させ、且つ、(b)高速冷間加工により固溶Nの弊害を抑制して良好な冷間加工性を維持するという技術思想は、従来に無いものである。
また、高速で冷間加工を行なうことは、部品の生産性向上および省エネルギー化に寄与することができる。
<高速冷間加工用鋼の化学成分>
本発明の高速冷間加工用鋼は、良好な冷間加工性を達成するために、化学成分量が適正化されていることが特徴の一つであるので、以下、鋼の化学成分および固溶N量について説明する。
(C:0.15超〜0.6%)
C(炭素)は、高速冷間加工部品の強度を確保するために必要な元素である。そこでC量を0.15%超と定めた。より好ましくは0.16%以上、さらに好ましくは0.17%以上である。一方、C量が多すぎると被削性および冷間加工性が劣化する。そこでC量の上限を0.6%と定めた。より好ましい上限は、0.5%、さらに好ましくは0.4%である。
(Si:0.005〜0.6%)
Siは製鋼過程において脱酸剤として使用される元素である。Si量が少ないと、脱酸が不足することによって、凝固過程でガスが発生し、これらが欠陥として作用しやすくなるため、変形能を劣化させる。この効果を有効に発揮させる為には0.005%以上添加する必要がある。より好ましい下限は、0.01%である。しかしながら、Siの過剰な添加は、脱酸の効果が飽和し、且つ冷間加工性が劣化する。そのため、上限を0.6%とする。より好ましい上限は、0.5%である。
(Mn:0.05〜2%)
Mnは製鋼過程において脱酸・脱硫元素として有効な元素である。Mn量が少ないと、結晶粒界にFeSが膜状に析出し、粒界強度を著しく低下させ、変形能を劣化させる。この効果を有効に発揮させる為にはMnを0.05%以上添加する必要がある。より好ましい下限は、0.1%である。しかしながら、Mnの過剰な添加は、冷間加工性を劣化させるため、その上限を2%とする。より好ましい上限は、1.5%である。
(P:0.05%以下(0%を含まない))
Pは不可避的に不純物として含有する元素であるが、Pがフェライトに含有するとフェライト粒界に偏析するので、冷間加工性を劣化させる。また、Pはフェライトを固溶強化させ、変形抵抗を増大させる。従って、冷間加工性の観点からは極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。そのため、冷間加工性および工程能力を考慮して、上限を0.05%とした。より好ましくは、0.03%以下とするのが良い。但し、P量を0とすることは、工業的に困難である。
(S:0.05%以下(0%を含まない))
Sは不可避的に不純物として含有する元素であるが、MnSの介在物を形成し、変形能を劣化させる。従って、極力低減することが望ましいので、変形能の観点から上限を0.05%とした。好ましい範囲は、0.03%以下である。一方、Sは被削性の向上には有効な元素であり、積極的に含有させる場合もある。被削性を考慮すると、Sは、好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.006%以上含有させることが推奨される。
(N:0.04%以下(0%を含まない))
ここでは、鋼中の全N量について説明する。Nは、鋼中に固溶して、冷間加工後の部品強度を向上させる効果を有し、本発明において重要な元素である。しかしながら、鋼中の全N量が過剰であると、固溶N量が過剰となり、冷間加工時に割れが生じることがある。更に、鋼材の内部欠陥や、連続鋳造時のスラブ割れも発生しやすくなる。そこで、鋼の変形能、材質の安定性および連続鋳造時の歩留まり向上の観点から、鋼中の全N量の上限を0.04%と定めた。より好ましい上限は、0.03%である。一方、全N量の下限は特に規定しないが、後述する固溶Nの下限量を満たすため、好ましくは0.007%以上、より好ましくは0.008%以上、さらに好ましくは0.009%以上含有させる。
(固溶N:0.006%以上)
固溶Nは、上述したように、高速冷間加工後の部品強度を向上させる効果を有する。高速冷間加工後の部品強度の上昇効果を十分に確保するために、その下限を0.006%と定めた。好ましい下限は、0.007%、さらに好ましい下限は、0.008%である。一方、固溶N量が過剰になると、変形能が劣化する。そのため、固溶N量は、好ましくは0.035%以下、より好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.025%以下である。なお、固溶N量は、当然のことながら、鋼中の全N量を超えることはない。ここで、本発明における「固溶N量」の値は、JIS G 1228に準拠し、鋼中の全N量から全N化合物を差し引くことで鋼中の固溶N量を算出することができる。
(a)鋼中の全N量は、不活性ガス融解法−熱伝導度法を用いる。供試鋼素材からサンプルを切り出し、サンプルをるつぼに入れ、不活性ガス気流中で融解してNを抽出し、熱伝導度セルに搬送して熱伝導度の変化を測定する。
(b)鋼中の全N化合物量は、アンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法を用いる。供試鋼素材からサンプルを切り出し、10%AA系電解液(鋼表面に不働態皮膜を生成させない非水溶媒系の電解液であり、具体的には10%アセチルアセトン、10%塩化テトラメチルアンモニウム、残部:メタノール)中で、定電流電解を行なう。約0.5gサンプルを溶解させ、不溶解残渣(N化合物)を穴サイズが0.1μmのポリカーボネート製のフィルタでろ過する。不溶解残渣を硫酸、硫酸カリウム及び純Cuチップ中で加熱して分解し、ろ液に合わせる。この溶液を水酸化ナトリウムでアルカリ性にした後、水蒸気蒸留を行い、留出したアンモニアを希硫酸に吸収させる。フェノール、次亜塩素酸ナトリウム及びペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムを加えて青色錯体を生成させ、光度計を用いて、その吸光度を測定する。
上記の方法によって求めた鋼中の全N量から全N化合物量を差し引くことで鋼中の固溶N量を算出する。
本発明の鋼の基本成分組成は、上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。ただし、原料、資材、製造整備などの状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは、当然に許容される。さらに本発明の鋼は、必要に応じて、以下の任意元素を含有していても良い。
(Al:0.1%以下(0%を含まない))
Alは、製鋼工程における脱酸元素として有効な元素であり、また鋼の耐割れ性にも有効である。Alは、必要に応じて、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.005%以上で含有させることが推奨される。しかし、AlはNとの親和力が強く、AlNを形成して固溶N量を低減させるため、含有させる場合の上限を0.1%と定めた。Al量は、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下である。
(Zr:0.2%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)、Ta:0.1%以下(0%を含まない)、およびHf:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種)
Zr、Ti、Nb、V、Ta、Hfは、Nと共にN化合物を形成して結晶粒を微細化し、冷間加工後に得られる部品の靱性を高めるために有効な元素である。そこで、必要に応じて、Zrを好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.004%以上、Tiを好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.002%以上、Nbを好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.002%以上、Vを好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.002%以上、Taを好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.006%以上、Hfを好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.004%以上含有させることが推奨される。
一方、これらの元素は、Nとの親和力が強く、N化合物を形成して固溶N量を低減させるために、上限を以下のように決めた。Zr量は、0.2%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下、Ti量は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下、Nb量は、0.1%以下、好ましくは0.06%以下、より好ましくは0.04%以下、V量は、0.5%以下、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下、Ta量は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下、Hf量は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下である。
(B:0.0015%以下(0%を含まない)および/またはCr:2%以下(0%を含まない))
Bは、結晶粒界の強度を高めることにより鋼の変形能を向上させる元素である。Crも同様に、鋼の変形能を向上させることができる。そこで必要に応じて、Bを好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.0002%以上、Crを好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上含有させることが推奨される。しかし、BはNとの親和力が強く、BN形成して固溶N量を低減させてしまう。また、BNが過剰になると冷間加工性が低下する。Crも過剰になると変形抵抗を増大し、冷間加工性が低下する。従って、これらの元素を含有させる場合、B量は、0.0015%以下、好ましくは0.001%以下、より好ましくは0.0008%以下、Cr量は、2%以下、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。
(Cu:5%以下(0%を含まない))
Cuは、鋼材を歪み時効させ硬化させる作用を有するので、加工後の部品強度を向上させることができる。従って、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、過剰に添加しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利になる上、冷間加工性の劣化を招き、部品の表面性状を悪化させる等の不具合が生じる。このため、Cuの上限は5%とした。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
(Ni:5%以下(0%を含まない)および/またはCo:5%以下(0%を含まない))
Niは、フェライト−パーライト鋼の変形能を向上させるのに有効である。また、Cu添加時に鋼材表面に発生する表面欠陥の防止に有効である。好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上を含有させることが推奨される。そのため、Cuを添加した時には、Cu量と同量か、Cu量の7割以上添加するのが望ましい。しかしながら、5%を超えて添加しても、効果が飽和し添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる上、逆に冷間加工性が劣化する。そのため、Ni量の上限は5%とした。Ni量は、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
Coは、Niと同様にフェライト−パーライト鋼の変形能を向上させるのに有効である。好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、5%を超えると、鋳造、圧延等の製造工程で粒界強度を低下させ、割れが生じ易くなるため、Co量の上限は5%とした。Co量は、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
(Mo:2%以下(0%を含まない)および/またはW:2%以下(0%を含まない))
Moは、加工後の硬さ及び変形能を増加させる作用を有している。従って、好ましくは0.04%以上、より好ましくは0.08%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、2%を超える添加は冷間加工性を劣化させる。そのため、Mo量の上限は2%とした。Mo量は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。
Wは、Moと同様に加工後の硬さ及び変形能を増加させる作用を有している。従って、好ましくは0.04%以上、より好ましくは0.08%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、2%を超える添加は冷間加工性を劣化させる。そのため、W量の上限は2%とした。W量は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。
(Ca:0.05%以下(0%を含まない)、希土類元素(REM):0.05%以下(0%を含まない)、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、Li:0.02%以下(0%を含まない)、Pb:0.1%以下(0%を含まない)、およびBi:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種)
Caは、MnS等の硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めると共に、被削性向上に寄与する元素である。好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.01%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、過剰に添加してもその効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。そのため、Caの上限は0.05%とした。好ましくは0.04%以下、より好ましくは0.03%以下である。
REMは、Caと同様にMnS等の硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めると共に、被削性向上に寄与する元素である。好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.01%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、過剰に添加してもその効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。そのため、REMの上限は0.05%とした。好ましくは0.04%以下、より好ましくは0.03%以下である。
Mgは、Caと同様にMnS等の硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めると共に、被削性向上に寄与する元素である。好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.005%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、過剰に添加してもその効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。そのため、Mg量の上限は0.02%とした。好ましくは0.018%以下、より好ましくは0.015%以下である。
Liは、Caと同様にMnS等の硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めることができる。また、Al系酸化物を低融点化し、無害化することで、被削性も向上させることができる。好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.005%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、過剰に添加してもその効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。そのため、Liの上限は0.02%とした。好ましくは0.018%以下、より好ましくは0.015%以下である。
Pbは、被削性向上元素である。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、0.1%を超えると圧延疵等の製造上の問題を生じる。そのため、Pbの上限は0.1%とした。好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.08%以下である。
BiはPbと同様に、被削性の向上に有効である。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上を含有させることが推奨される。しかしながら、0.1%を超えるとその効果が飽和する。そのため、Biの上限は0.1%とした。好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.08%以下である。
<高速冷間加工用鋼の製造方法>
次に、本発明の高速冷間加工用鋼の製造方法について説明する。本発明の鋼は、固溶N量を0.006%以上含有していることを特徴としている。この固溶N量を確保するためには、(1)鋼中の全N量を増大させ、Nと親和力の高い元素を低減させること、および(2)鋼を所定の温度以上に加熱し、所定の冷却速度以上で冷却することにより、固溶N量を高めること、などが有効である。
(1)鋼中の全N量を増大させ、Nと親和力の高い元素を低減させる方法
鋼がAlなどのNと親和力の強い元素を含有している場合、窒素はAl等とN化合物を形成する結果、固溶N量が低減する。しかし、鋼中の全N量がそれよりも多ければ、Al等が全てNとN化合物を形成したとしても、十分な固溶N量を確保することができる。より具体的には、下記の(1)式を満たすような全N量を確保することにより、0.006%以上の固溶N量を確保することができる。
[N]−(14[Al]/27+14[Ti]/47.9+14[Nb]/92.9+14[V]/50.9+14[Zr]/91.2+14[B]/10.8+14[Ta]/180.9+14[Hf]/178.5)≧0.006・・・・(1)式
[式(1)中、[ ]は各元素の鋼中の全含有量(質量%)を表す。]
(2)鋼を所定の温度以上に加熱し、所定の冷却速度以上で冷却することにより、固溶N量を高める方法
また鋼中の化学組成が(1)式を満たさず、AlなどのN化合物が多量に形成されると、十分な固溶N量が確保できなくなる場合は、熱間圧延等で形成したN化合物が固溶体に溶解する温度に鋼を加熱保持した後、急冷して、N化合物の析出を抑制する固溶熱処理により、固溶N量を増大させることができる。具体的には、鋼をAc点+30℃以上の温度に加熱した後、0.5℃/s以上の冷却速度で500℃以下まで冷却することにより、鋼中の固溶N量を増大させることができる。
固溶N量を増大させるために、加熱温度は、好ましくはAc点+40℃以上、より好ましくはAc点+50℃以上である。加熱保持時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。ただし、製造コストの観点から、加熱温度は、好ましくはAc点+500℃以下、より好ましくはAc点+450℃以下である。また、加熱保持時間は、好ましくは2時間30分以下、より好ましくは1時間30分以下である。
この加熱保持中に、適宜、伸線、圧延またはプレスなどの熱間加工を行っても良い。
加熱保持後に、好ましくは0.5℃/s以上、より好ましくは1℃/s、さらに好ましくは5℃/s以上の冷却速度で、固溶Nが安定して存在できる500℃以下まで、好ましくは450℃以下まで冷却することにより、N化合物の析出を抑制して、十分な固溶N量を確保することができる。
<高速冷間加工部品の製造方法>
本発明は、上記化学組成および固溶Nを含有する鋼を高速冷間加工に供することを特徴の1つとしている。本発明の鋼は、固溶Nを比較的多量に含有するが、それにもかかわらず、良好な冷間加工性を維持するためには、本発明の鋼を、好ましくは100/s以上、より好ましくは150/s以上、さらに好ましくは200/s以上の歪み速度で冷間加工することが推奨される。一方、歪み速度が速すぎると、断熱的な温度上昇が生じ、割れが発生しやすくなるため、歪み速度の上限値は、好ましくは500/s以下、より好ましくは450/s以下、さらに好ましくは400/s以下である。
また、加工の際の温度も冷間加工性に影響するため、加工温度の上限値は、好ましくは200℃、より好ましくは180℃、さらに好ましくは160℃に設定することが奨励される。加工温度が高すぎると変形中に動的歪み時効が発生し、変形抵抗が上昇し、金型寿命が劣化するからである。一方、冷間加工は通常、室温で実施されるが、0℃を下回ると温度依存性の影響により変形抵抗が逆に高くなってしまうため、加工温度の好ましい下限は0℃とする。なお、加工温度は、加工の際の雰囲気温度のことである。
以上のようにして製造される鋼材(例えば線材および棒鋼)は、その後、上述される条件で高速冷間加工され、ボルトやナット等の部品、その他の機械部品となる。ここでの冷間加工法には、冷間鍛造、冷間圧造、冷間転造、冷間引き抜き、冷間押し出し等の冷間加工が含まれる。また、部品の加工に必要であれば、伸線、圧延等の加工も行なってよい。
高速冷間加工により製造される部品は、部品強度と高速冷間加工中の変形抵抗のバランスが適切なものであることが望ましく、高速冷間加工用鋼を加工温度200℃以下、歪み速度100/s以上で高速冷間加工した場合、高速冷間加工後の部品強度(H)、及び高速冷間加工中の変形抵抗の最大値(DR)が下記(2)式を満たしていることが好ましい。
H≧(DR+1000)/6・・・(2)式
但し、H:部品強度(Hv)、DR:変形抵抗(MPa)である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、発明内容に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
まず、表1〜表3に記載の化学成分からなる鋼記号1A〜4Aの供試鋼(表中の単位は質量%)を転炉により溶製し、連続鋳造法の下で鋼片とした後、φ(直径)12mmの線材に圧延した。その後、表4に示す加熱処理を行なった。更に表4に示される条件の加熱処理後、10分以上、好ましくは30分以上の保持時間を設けることが望ましい。
次いで、上記の加熱処理を施した線材の中心部よりφ(直径)4mm×L(長さ)6mmの試験片を切り出した。なお、表1〜表3には、各試験片が上記(1)式を満たすか否かを示しており、(1)式を満たす場合は「○」、満たさない場合は「×」を記入している。
また、表1〜表3中の「固溶N」は固溶N量を示し、「N」は全N量を示す。
Figure 2008255398
Figure 2008255398
Figure 2008255398
Figure 2008255398
次に、表1〜表3に記載の試験片を、加工歪み速度:0.001〜240/s、加工温度:20〜400℃、圧縮率:20〜80%の加工条件で、容量200kNの加工フォーマスタ試験装置を用いて鍛造し、部品に加工した。加工歪み速度は、加工中(塑性変形中)の歪み速度の平均値を用いた。
得られた部品について、実体顕微鏡を用い、観察倍率20倍で表面を観察して、割れの有無を確認した。各部品の加工条件、割れの有無および変形抵抗を表5〜表7に示す。
また、荷重:1000g、測定位置:試験片断面のD/4位置中央部(D:部品直径)、および測定回数:5回の条件で、ビッカース硬さ試験機を用いて、部品のビッカース硬さ(Hv)を測定した。各部品の硬さ(Hv)を表5〜表7に示す。
Figure 2008255398
Figure 2008255398
Figure 2008255398
本実施例では、部品に割れが無く、部品硬さに対して鋼の変形抵抗が低い鋼(具体的には上記(2)式を満たすもの)を、冷間加工性に優れると判定した。更に、必要とする部品強度としては、ビッカース硬さ(Hv)が240以上であることを条件とした。
なお、表5〜表7には、各試験片が上記(2)式を満たすか否かを示しており、(2)式を満たす場合には「○」、(2)式を満たさない場合には「×」を記入している。
表5〜表7から、好ましい加工条件(歪み速度および加工温度)において、本発明で規定する化学成分量および固溶N量の要件を満たす鋼は、冷間加工性に優れており、これから得られた部品は、割れが発生せず、部品強度に優れていることが分かる。
これに対して本発明で規定する要件を満たさないものは、以下に記載するように、割れが発生し、又は、(2)式を満たさず、冷間加工性と部品硬さのバランスが悪いことがわかる。
部品No.1は、C量が本発明の規定範囲を下回る鋼記号1Aを使用した例であり、加工後の硬さが規定する範囲に至っていない。
部品No.6は、C量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号1Fを使用した例であり、部品に割れが発生した。
部品No.7は、Si量が本発明の規定範囲を下回る鋼記号1Gを使用した例であり、部品に割れが発生した。
部品No.14は、Si量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号1Nを使用した例であり、部品に割れが発生した。
部品No.15は、Mn量が本発明の規定範囲を下回る鋼記号1Oを使用した例であり、部品に割れが発生した。
部品No.24は、Mn量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号1Xを使用した例であり、部品に割れが発生した。
部品No.25及びNo.26は、P量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号1Y及び1Zを使用した例であり、割れが発生した。
部品No.27及びNo.28は、S量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号2A及び2Bを使用した例であり、割れが発生した。
部品No.29は、N量が本発明の好ましい規定範囲(0.007%以上)を下回る鋼記号2Cを使用した例であり、固溶N量が本発明の規定範囲より少ないため、冷間加工性と硬さのバランスが悪い。すなわち、上記(2)式を満足していない。
部品No.42は、N量が本発明の規定範囲を上回る鋼記号2Kを使用した例であり、割れが発生した。
部品No.31〜34は、化学成分量が本発明の規定を満たす鋼記号2Eの鋼材を用いているが、高速冷間加工時の歪み速度が遅いため、動的歪み時効が発生し、割れが発生した。
部品No.37〜38は、化学成分量が本発明の規定を満たす鋼記号2F〜2Gの鋼材を用いているが、高速冷間加工時の温度が高いため、動的歪み時効が発生し、割れが発生した。
部品No.50に対応する鋼記号2Sは、(1)式を満たしていないため固溶N量が規定量より少ない(表2)。このため、部品No.50は冷間加工性と硬さとのバランスが悪い((2)式を満たしていない)。但し、(1)式が満たされていない場合であっても、熱処理パターンの方法によっては、固溶N量が本発明の規定範囲を満足する場合がある(例えば、表3の材料No.73〜75、No.78〜79、No.81〜83、No.86〜87、No.90〜91、No.93〜95、No.98〜99、No.101〜103)。
部品No.77、部品No.81〜82、部品No.85、部品No.89〜90、部品No.93〜94、部品No.97、部品No.101〜102、部品No.105は、化学成分量が本発明の規定を満たす鋼記号2S、及び3T〜4Aの鋼材を用いた例であるが、それぞれ適用した製造条件(表4の熱処理パターンa〜j)との適性が合わないことから、所定の固溶N量が得られなかった。その結果(2)式を満たさなかった。すなわち、冷間加工性と部品硬さのバランスが悪かった。

Claims (15)

  1. C:0.15超〜0.6%(質量%の意味、以下同じ)、
    Si:0.005〜0.6%、
    Mn:0.05〜2%、
    P:0.05%以下(0%を含まない)、
    S:0.05%以下(0%を含まない)、および、
    N:0.04%以下(0%を含まない)、
    をそれぞれ含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなり、固溶状態としてのNの含有量が0.006%以上であることを特徴とする高速冷間加工用鋼。
  2. N:0.007%以上を含む請求項1に記載の高速冷間加工用鋼。
  3. さらに、Al:0.1%以下(0%を含まない)を含有する請求項1又は請求項2に記載の高速冷間加工用鋼。
  4. さらに、
    Zr:0.2%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.1%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.1%以下(0%を含まない)、
    V:0.5%以下(0%を含まない)、
    Ta:0.1%以下(0%を含まない)、および、
    Hf:0.1%以下(0%を含まない)
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  5. さらに、B:0.0015%以下(0%を含まない)および/またはCr:2%以下(0%を含まない)を含有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  6. 下記(1)式を満足する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
    [N]−(14[Al]/27+14[Ti]/47.9+14[Nb]/92.9+14[V]/50.9+14[Zr]/91.2+14[B]/10.8+14[Ta]/180.9+14[Hf]/178.5)≧0.006・・・・(1)式
    [式(1)中、[ ]は各元素の鋼中の全含有量(質量%)を表す。]
  7. さらに、Cu:5%以下(0%を含まない)を含有する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  8. さらに、Ni:5%以下(0%を含まない)および/またはCo:5%以下(0%を含まない)を含有する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  9. さらに、Mo:2%以下(0%を含まない)および/またはW:2%以下(0%を含まない)を含有する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  10. さらに、
    Ca:0.05%以下(0%を含まない)、
    希土類元素:0.05%以下(0%を含まない)、
    Mg:0.02%以下(0%を含まない)、
    Li:0.02%以下(0%を含まない)、
    Pb:0.1%以下(0%を含まない)、および、
    Bi:0.1%以下(0%を含まない)
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼を加工温度200℃以下で高速冷間加工することを特徴とする高速冷間加工部品の製造方法。
  12. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼を歪み速度が100/秒以上で高速冷間加工することを特徴とする高速冷間加工部品の製造方法。
  13. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の化学組成を有する鋼材を、Ac点+30℃以上の温度に加熱し、Ac点+30℃以上の温度領域で熱間加工した後、冷却速度0.5℃/s以上で500℃以下まで冷却することを特徴とする高速冷間加工用鋼の製造方法。
  14. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の化学組成を有する鋼材を、Ac点+30℃以上の温度に加熱した後、冷却速度0.5℃/s以上の500℃以下まで冷却することを特徴とする高速冷間加工用鋼の製造方法。
  15. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の高速冷間加工用鋼を加工温度200℃以下、歪み速度100/s以上で高速冷間加工することにより製造される高速冷間加工部品であって、高速冷間加工後の部品強度(H)、及び高速冷間加工中の変形抵抗の最大値(DR)が下記(2)式を満たしていることを特徴とする高速冷間加工部品。
    H≧(DR+1000)/6・・・(2)式
    但し、H:部品強度(Hv)、DR:変形抵抗(MPa)
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