JP2008255128A - 平版インキ印刷方法、インキセットならびに印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のインキでは再現できなかったより広い演色領域を再現可能にし、さらに、環境衛生保全上、好ましくないホルムアルデヒド類を原料として使用しない各色インキを用いた印刷方法の提供。
【解決手段】黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキを用いる平版印刷方法において、樹脂成分として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有し、紅インキが、着色成分としてローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有することを特徴とする平版印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる平版印刷方法であって、ISO規格のジャパンカラー準拠インキよりも再現可能な演色領域(ガモット)に優れた印刷方法、さらにこれらの印刷方法に好適に用いられ、環境衛生保全上好ましくないホルムアルデヒド類を原料として使用していない各色インキ、ならびにこれらの印刷方法で印刷された印刷物に関する。
90年代より始まったIT革命は、印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向へと導いてきており、このデジタル化によって、従来の印刷方式のワークフロー(撮影・ポジ・スキャン・データ・デザイン・EPS・面付け・フィルム・刷版・印刷)が多段階式過程であったのに対し、デジタルカメラによる撮影・DTP・CTP・印刷とその過程を飛躍的に短縮することに成功した。それによって、入稿データの「RGB」化が標準化しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつあるのが現状である。
しかし、現在主流となっている黄、紅、藍、墨のプロセス4色(CMYK)からなる平版オフセット印刷では、「RGB」として入稿されたデータを、より狭い色再現領域のCMYKに色分解せざるを得ず、撮影段階の色空間の設定や,最終的な「RGB」から「CMYK」への色変換が適切に行われないと色再現がうまくいかない等の問題も発生している。その様な環境の中で、「標準化」ということが重要なポイントとなっており、「ジャパンカラー」も標準化の1つの手段として注目されている。
一方、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる平版オフセット印刷では、減色混合による色相となるため、色を重ねるごとに色相に濁りが生じ、必然的に色再現領域がRGBのそれよりも狭いものとなり、デジタルデータと印刷物との間の色再現性の差異が問題となっていった。各インキの印刷濃度を上げることで多少の色再現領域の拡大は可能であったが、減色混合の限界である色相の濁りが再現できる演色領域を狭めていた。
これを解決する手段として、特許文献1では高彩度の印刷システムとして5〜7色のインキセットを使用する印刷方法が確立され、それぞれの特定した色相を持つインキセットを用いる印刷方法として、プロセス4色に橙、緑を加えた6色(ヘキサクロム印刷)やプロセス4色に橙、緑、紫を加えた7色(ハイファイ印刷)等が確立されている。また、ヘキサクロムインキに代表されるように、一次色のみならず、二次色、三次色の濁りを抑え、色再現領域を広げる手段として一部の色に蛍光顔料を含有させる等の手法もとられるが、印刷適性の劣化(転移不良、光沢低下等)や耐光性不足による印刷物の褪色等のデメリットもある。更に、使用するインキの色数が6色、7色となり、印刷機の胴数が6胴以上の高価な多色印刷機を必要とする事に加え、それと同数の多色分解した版数が必須条件となり、新たに始めるには巨額な設備投資と、色調管理の複雑化などで本システムを用いるには限られた範囲に止まっている。
また、従来から平版インキ用樹脂には、ロジン変性フェノール樹脂が広く一般に使用されることが、例えば非特許文献1等に記載されている。一般的にこのロジン変性フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒド類を塩基性触媒下にて反応させて得たレゾール型フェノール樹脂と、ロジン類および各種多価アルコール類とを反応させて得られる。したがって、その製造工程上、未反応の、あるいは反応中にガスとして排出されるホルムアルデヒド類を処理する必要があり、また作業時の環境も必ずしも好ましいものではなく、昨今の環境衛生保全等の観点からホルムアルデヒド類を使用しない平版インキが望まれている。
特開2001−260516号公報 色材協会誌,第63巻,271頁 1990年
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、従来多く普及している4色印刷機を用いて、ISO規格のジャパンカラー準拠インキよりも再現可能な演色領域(ガモット)に優れる黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる平版インキであって、より広い演色領域を再現可能にし、さらに、環境衛生保全上、好ましくないホルムアルデヒド類を原料として使用しない各色インキを用いた印刷方法を提供することである。
ホルムアルデヒド類を原料として使用しない樹脂成分として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有し、および紅インキの着色成分としてローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有したインキを使用することにより、より広い演色領域を再現可能にする印刷方法を提供することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキを用いる平版印刷方法において、樹脂成分として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有し、紅インキが、着色成分としてローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有することを特徴とする平版印刷方法に関する。
また本発明は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントレッド81、C.Iピグメントバイオレット1、または、C.I.ピグメントレッド169をインキの全重量に対して15〜30重量%含有する紅インキを使用することを特徴とする上記平版印刷方法に関する。
また本発明は、炭化水素樹脂が、下記一般式(1)
一般式(1)
(式中、Hは水素原子、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、mおよびnは0〜6の整数で、m+n=6である。)
で示される5員環化合物を構成成分として含んでなる上記平版印刷方法に関する。
また本発明は、エステル変性炭化水素樹脂が、さらに炭素数6以上のカルボン酸基含有化合物を反応させてなる上記平版印刷方法に関する。
また本発明は、上記平版印刷方法に用いられる、黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキセットに関する。
また本発明は、上記平版印刷方法を用いて印刷した印刷物に関する。
本発明が提供する平版インキ印刷方法を用いることにより、従来の黄、紅、藍、墨プロセス4色に加えて、橙、緑、紫等を加えた6色、7色印刷で表現していたRGBの色再現領域を、黄、紅、藍、墨の4色で再現することが可能になる。また、本発明では、印刷物の色再現領域を向上させる手段として蛍光顔料を使用していないため、印刷適性、印刷物の経時での褪色等を劣化させることなく、高彩度の印刷物を得ることができる。さらに、本発明の印刷方法に用いられる各色インキの樹脂構成成分としてフェノール樹脂を使用しないため、該樹脂を製造するに当たって必要とされるホルムアルデヒド類を使用することがないため、労働衛生環境の保全、ホルムアルデヒド含有液の処理コストの低減等を図ることが可能となる。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキを用いる平版印刷方法において、樹脂成分として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有し、紅インキが、着色成分としてローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有することを特徴とする平版印刷方法である。
本発明のインキは、ホルムアルデヒドを構成成分として用いない樹脂として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有するものである。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明における炭化水素樹脂とは、不飽和石油留分を原料とする樹脂であれば特に限定されることはないが、下記一般式(1)
一般式(1)
(式中、Hは水素原子、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、mおよびnは0〜6の整数で、m+n=6である。)
で示される5員環化合物残基を構成成分として含む炭化水素樹脂が得られる樹脂の溶解性および融点の点で好ましい。該炭化水素樹脂は、常法に従ってシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの二〜五量体、共多量体等のごときシクロペンタジエン系単量体単独、またはシクロペンタジエン系単量体と共重合可能な共単量体との混合物を、触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフト型のルイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸等との錯体が通常使用される。本発明の炭化水素樹脂におけるシクロペンタジエン系単量体と、それと共重合可能な共単量体との共重合比は、少なくともシクロペンタジエン系単量体が15モル%以上であることが必要である。
使用される共単量体の例としては、エチレン、プロピレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソブチレンを酸触媒で二量化して得られるジイソブチレン(2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4−トリメチルペンテン−2との混合物)、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−オクテン、2−オクテン、4−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10のオレフィン類、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン等の鎖状共役ジエン類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のビニル芳香族類、インデン、メチルインデン、クマロン(ベンゾフラン)、メチルクマロン(2−メチルベンゾフラン)等の芳香族不飽和化合物類等があげられる。
この様な炭化水素樹脂としては、日本石油化学(株)社製のネオレジンEP−110、ネオレジンEP−140、ネオレジン540、ネオレジン560、丸善石油化学(株)社製のマルカレッツM100A、マルカレッツM600A、マルカレッツM890A、マルカレッツM825A、マルカレッツM845A、マルカレッツM905A、マルカレッツM925A、マルカレッツM510A、マルカレッツM525A、マルカレッツM545A、日本ゼオン(株)社製のクイントン1325、クイントン1345、東邦化学工業(株)社製のトーホーハイレジンPA−140、COPOREX2100等の市販の炭化水素樹脂を例示することができる。
本発明のエステル変性炭化水素樹脂を得るために用いられる不飽和カルボン酸またはその酸無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)等が例示できる。これら不飽和カルボン酸またはその酸無水物の変性量としては、樹脂酸100g当たり好ましくは0.01〜0.5モル、特に好ましくは0.02〜0.2モルである。変性温度は、150℃〜250℃の範囲が好適に用いられる。必要に応じて過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジt−ブチルパーオキシド等の過酸化物を用いてもよい。これら不飽和カルボン酸およびまたはその酸無水物の残存がないように変性量および変性温度を調整することが望ましい。これら不飽和カルボン酸およびまたはその酸無水物は、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能である。
本発明で用いられるアルコール化合物は特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐状、環状、飽和、不飽和、脂肪族、芳香族の1価、2価または3価以上の多価アルコールが挙げられる。
飽和脂肪族1価アルコールとしては、直鎖状アルキル1価アルコールであるメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノール、2−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−エイコサノール等を例示することができる。また分岐状アルキル1価アルコールである2−プロピル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソノニルアルコール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、2,4−ジメチル−1−ヘプタノール、2−ヘプチルウンデカノール等を例示することができる。また環状アルキル1価アルコールであるシクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、シクロペンタンメチロール、ジシクロヘキシルメタノール、トリシクロデカンモノメチロール、ノルボネオール、水添加ロジンアルコール(商品名:アビトール、ハーキュレス(株)社製)等を例示することができる。
また、不飽和脂肪族1価アルコールとしては、不飽和二重結合を分子内に1つ有するアルケン基、不飽和二重結合を分子内に2つ有するアルカジエン基、不飽和二重結合を分子内に3つ有するアルカトリエン基、さらに不飽和二重結合を分子内に4つ以上有するアルカポリエン基を有する1価アルコールがあり、オレイルアルコール、11−ヘキサデセン−1−オール、7−テトラデセン−1−オール、9−テトラデセン−1−オール、11−テトラデセン−1−オール、7−ドデセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、9−デセン−1−オール、シトロネロール、3−ノネン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−ヘキセン−3−オール、2−ヘキセン−1−オール、3−ヘキセン−1−オール、4−ヘキセン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、ドデカジエン−1−オール、2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエン−1−オール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オール、1,6−ヘプタジエン−4−オール、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オール、2−シクロヘキセン−1−オール、1,5−ヘキサジエン−3−オール、フィトール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、4−メチル−3−ペンテン−1−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、6−メチル−5−ペンテン−2−オール、ゲラニオール、ロジノール、リナノール、α−テレピネオール等の直鎖状、分岐状または環状の不飽和アルキル1価アルコールを例示することができる。
脂肪族2価アルコールとしては、直鎖状アルキレン2価アルコールである1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等が、分岐状アルキレン2価アルコールである2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が、環状アルキレン2価アルコールである1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール等を例示することができる。
3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ジグリセリン、ジトリメチロ−ルプロパン、ジペンタエリスリト−ル、ソルビトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等の直鎖状、分岐状および環状多価アルコールが例示される。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、ジフェニルカルビノール、2−フェノキシエタノール、ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)ブタン、ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)ケトン等が例示される。
アルコール化合物は、炭素数6〜20の脂肪族アルキルアルコールが非芳香族系溶剤や植物油への溶解性の点で好ましい。アルキル基は分岐状がさらに好ましい。該アルコール化合物は、単独あるいは任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能であるが、所望するエステル変性炭化水素樹脂の分子量に応じて用いるアルコールの価数を選択することが望ましい。
本発明のエステル変性炭化水素樹脂は、必要に応じてカルボン酸基含有化合物を反応させて得ることも可能である。カルボン酸基含有化合物としては、特に限定されるものではなく、例として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、クロトン酸、イソクロトン酸、リンデル酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ウンデシレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレン酸、ゴンドウ酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ニシン酸等のモノカルボン酸化合物、およびシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、3、3−ジメチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、アルケニル(炭素数4〜28)置換コハク酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物およびこれらの無水物等が挙げられる。さらに、天然油脂の脂肪酸、例えば、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、(脱水)ヒマシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、米ヌカ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、菜種油脂肪酸等、および該脂肪酸のダイマー酸、例えば、桐油ダイマー脂肪酸、アマニ油ダイマー脂肪酸等を用いることもできる。上記カルボン酸化合物は単独あるいは任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能であるが、生成するエステル変性樹脂酸の非芳香族系溶剤、植物油への溶解性を考慮すると炭素数6以上の脂肪族カルボン酸化合物が好ましい。
本発明のエステル変性炭化水素樹脂は、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物で変性し、次いでアルコール化合物によりエステル変性することにより得られる。上記のように必要に応じてカルボン酸化合物を反応に供しても差し支えない。このとき、水酸基の総モル数1に対して、カルボン酸基の総モル数が0.5〜3の範囲が反応制御上好ましい。
また、エステル変性反応は、常法に従って行うことができる。通常150℃から300℃の範囲で行われるが、使用する化合物の沸点および反応性を考慮して決定することができる。また、これらの反応においては、必要に応じて触媒を用いることが可能である。触媒としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が例示できる。さらに、テトラブチルジルコネート、テトライソブチルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等の金属塩触媒等も使用可能である。これら触媒は、全樹脂中0.01〜5重量%の範囲で通常使用される。触媒使用による樹脂の着色を抑制するために、次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィン等を併用することもある。
上記反応により得られるエステル変性炭化水素樹脂は、重量平均分子量10000〜300000、酸価40以下、融点100℃以上が好ましい。上記範囲以外では、インキにした際の乾燥性、乳化適性、地汚れ耐性等が不十分になりやすく好ましくない。
上記エステル変性炭化水素樹脂は、必要に応じてさらに石油系溶剤およびまたは植物油を添加して調整したワニスとして使用される。また、該ワニスに弾性を付与するため、ゲル化剤を添加し、樹脂骨格中に架橋構造を付与したゲルワニスとして使用することが可能である。ゲル化剤としては、一般的には金属錯体が用いられるが、代表的な化合物としてアルミニウム錯体化合物を挙げることができる。その様なアルミニウム錯体化合物としては、環状アルミニウム化合物類、アルミニウムアルコラート類、アルミニウムアルキルアセテート類、アルミニウム石鹸、およびアルミニウムアセチルアセトネート等を例示することができる。これらのゲル化剤は、ワニス100重量部に対し、0.1重量%から10重量%の範囲で通常使用される。
本発明の各色インキは、上記エステル変性炭化水素樹脂を含有することを特徴としている。さらに、着色成分、植物油、石油系溶剤から構成され、紅インキは、着色成分として、ローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有することを特徴とする。
紅インキの着色成分として使用されるローダミン系染料の金属レーキ化合物としては、ローダミンB、ローダミン3G、ローダミン6Gなどのローダミン系染料のモリブデン、タングステン金属レーキ化合物が挙げられるが特に限定されるものではない。C.I.ピグメントレッド81、C.Iピグメントバイオレット1、または、C.I.ピグメントレッド169インキの全重量に対して15〜30重量%含有することが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
黄インキの着色成分としては、ジスアゾイエロー系化合物、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、等が好ましく用いられる。濃度値1.85〜1.90の範囲内で印刷した墨インキ上に、黄インキの濃度を1.40〜2.10の範囲で刷り重ねした場合のL*値が17を超えない透明性を有していることが好ましい。二次色、三次色の重ね刷りをした際の下刷りインキへの影響が少なく、良好な色再現領域を得ることができるためである。さらには、補色としてC.I.ピグメントイエロー83を上記黄顔料の全重量に対して0.5〜10重量%、好ましくは2〜5重量%加えて使用することも可能である。
藍インキの着色成分としては、銅フタロシアニン系化合物、例えばC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4等が挙げられる。さらには、補色としてC.I.ピグメントグリーン7を上記藍顔料の全重量に対して5〜15重量%、好ましくは8〜11重量%加えて使用することも可能である。
上記銅フタロシアニン系化合物は、結晶多型(同質異晶)を示す物質であり、その結晶構造の違いによってα、β、γ、ε、π、τ、ρ、χ、R型などに分類されるが、結晶安定性、分散性が優れているβ型を使用することが好ましく、さらには比表面積が74m2/g以上の微細なβ型銅フタロシアニンであることが好ましい。
本発明においては、上記銅フタロシアニン化合物の全重量に対し、補色としてフタロシアニン分子のベンゼン環上の水素原子をハロゲン化合物で置換したハロゲン化銅フタロシアニン化合物を5〜15重量%より好ましくは8〜11重量%加えて使用することも可能であり、これにより、藍インキ単色の色再現領域を損なうことなく、黄および紅インキと刷り重ねた際の緑および紫の色再現領域を広げることが可能になる。具体的には、C.I.ピグメントブルー15:3またはC.I.ピグメントブルー15:4をインキの全重量に対して10〜25重量%含有することが好ましく、さらには、補色としてC.I.ピグメントグリーン7をインキの全重量に対して0.5〜2.0重量%加えて使用することも可能である。
墨インキの着色成分としては、カーボンブラック、例えばC.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。顔料は2種以上を組み合わせて用いることができる。墨顔料の含有量(顔料を組み合わせて用いる場合には、全含有量)は、インキ全体の重量に対し、10〜30重量%であることが好ましく、15〜25重量%であることがより好ましく、16〜20重量%であることがさらに好ましい。
また、インキに用いられる石油系溶剤は、芳香族炭化水素の含有率が1%以下でアニリン点が75〜95℃好ましくは80〜95℃および、沸点が260℃〜350℃好ましくは280〜350℃の範囲にある石油系溶剤である。アニリン点が75%未満の場合には、樹脂を溶解させる能力が高すぎる為、インキのセット性が遅くなり好ましくなく、また95℃を超える場合には樹脂の溶解性が乏しい為、光沢、着肉等が悪くなり好ましくない。沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキ溶剤の蒸発が多くなり、インキの流動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪くなり好ましくない。また、350℃を超える場合には、ヒートセット型のインキの乾燥が劣る為、好ましくない。
植物油としては、たとえばパーム核油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、亜麻仁油、コーン油、大豆油、サフラワー油、桐油等の植物油由来のものが例示できるとともに、それらの熱重合油および酸素吹き込み重合油なども使用できる。また、本発明ではこれら植物油を単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
さらに、本発明のインキには、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、乾燥促進剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤、多価アルコールなどの添加剤を適宜使用することができる。
本発明のインキは、常温から100℃の間で、顔料、ワニスおよびまたはそのゲルワニス等の印刷インキ成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー等の練肉、混合、調整機を用いて製造される。
本発明は、上記インキを用いた印刷方法に関する。本発明で使用される印刷方法としては、従来公知の平版印刷方法が用いられる。例えば、オフセット枚葉印刷、オフセット輪転印刷、水無しオフセット印刷、ドライオフセット印刷などが挙げられる。
本発明の印刷方法によれば、ISO規格のジャパンカラー準拠インキよりも再現可能な演色領域(ガモット)に優れ、より広い演色領域が再現可能となるものである。
色再現領域の表現方法としては、XYZ表色系(CIE1931表色系)、X1010Z10表色系(CIE1964表色系)、L*a*b*表色系(CIE1976)、ハンターLab表色系、マンセル表色系、L*u*v*表色系(CIE1976)等が挙げられる。L*a*b*表色系では、色相に関係なく比較できる明るさの度合いとして「明度」をL*で表現し、L*が大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示している。また、各色によって異なる「色相」をa*、b*の値で示し、a*は赤(+)から緑(−)方向、そしてb*は黄(+)から青(−)方向を示し、各方向とも絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している。これによって一つの色を、L*、a*、b*を用いて数値化することが可能となる。
また「明度」「色相」とは別に、鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C)」があり、以下の計算式にて求めることができる。
Cに関しても同様に、絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、値が小さくなるにつれてくすんだ色になることを示している。
一つの印刷物(印刷物以外のカラースペースも含む)で表現できる全ての色再現領域を演色領域(ガモット)と呼ぶが、ガモットを表す最も簡便な方法として、a*を横軸、b*縦軸とした2次元空間に、単色ベタ部(黄、紅、藍)、および、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)計6色のa*対b*の値を、プロットした六角形の面積で表現することが可能である。ガモットの面積が広い程、色再現領域が広いことを示している。
ジャパンカラーとは、ISO/TC130国内委員会が策定した印刷に関する標準色のことで、オフセット枚葉ジャパンカラー2001では、ISO12642パターン(928色、IT8とも言う)の測色値(L*a*b*値)をデータで示している。印刷条件は、商業オフセット印刷に関する国際規格ISO12647−2の標準条件をもとに、日本国内で普通に使用されているインキ、印刷用紙(ジャパンカラー2001では4種類の用紙について決められている)を使用することで定義されている。一般的なジャパンカラー準拠のインキ、例えば、東洋インキ製造社製の「TKハイユニティー各色」を、ジャパンカラー標準用紙、例えば三菱製紙社製「特菱アート両面四六版/110kg」に印刷した場合の黄、紅、藍、単色ベタ部のL*a*b*値、およびそれより計算したC値は、黄インキで、L*:86、a*:−7、b*:92、C:92、紅インキで、L*:45、a*:72、b*:−5、C:72、藍インキで、L*:54、a*:−36、b*:−49、C:61程度になるといわれている。
本発明においては、濃度やL*a*b*値などのインキの特性を評価する際に、インキを印刷する用紙として、ISO規格のジャパンカラー標準用紙(例えば、三菱製紙(株)製「特菱アート両面四六版/110kg」)を用いることが好ましい。なお、本発明の印刷方法を用いて、実際に平版印刷を行う際に用いる用紙は、ジャパンカラー標準用紙に限定されず、アート紙、コート紙、マットコート紙、上質紙等のあらゆる用紙を用いることができる。アート紙を用いることが好ましく、本発明の効果が発現されやすくなるためである。
次に具体例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら記載実施例に限定されるものではない。なお、以下の記述において「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。樹脂の白濁温度は、樹脂2gと石油系溶剤18gとを試験管に入れ、ノボコントロール(Novocontrol)社製全自動濁点測定装置ケモトロニック(Chemotoronic)にて測定した。藍顔料の比表面積は、島津製作所社製流動式比表面積測定装置「フローソーブII」を用いて測定した表面積より以下の式により算出した値を比表面積と定義し記載した。
比表面積(m2/g)=表面積(m2)/粉末質量(g)
(エステル変性炭化水素樹脂製造例1)
クイントン1325(日本ゼオン(株)製、ジシクロペンタジエン樹脂)500部、無水マレイン酸30部を、攪拌機、還流冷却管、温度計付きフラスコに仕込み、窒素ガスを吹き込みながら昇温加熱し、180℃で3時間反応させ、無水マレイン酸変性樹脂酸を得た。次いで、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール33部を添加し、水を分離除去しながら、240℃で15時間反応させ、酸価が15、白濁温度が84℃(日本石油(株)アロマフリーソルベント7号:AF7)、融点が151℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)におけるポリスチレン換算重量平均分子量(以下Mw)が4.7万のエステル変性炭化水素樹脂(A1)を得た。
(エステル変性炭化水素樹脂製造例2)
エステル変性炭化水素樹脂製造例1において、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール33部を、2,2−ブチルエチルプロパンジオール29部、トリメチロールプロパン1.8部に変えた他は同様の操作にて、酸価が14、白濁温度が83℃(AF7)、融点が150℃、Mwが4.3万のエステル変性炭化水素樹脂(A2)を得た。
(エステル変性炭化水素樹脂製造例3)
エステル変性炭化水素樹脂製造例1において、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール33部を、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール31部、1−トリデカノール4.2部、セバチン酸2.1部に変えた他は同様の操作にて、酸価が16、白濁温度が80℃(AF7)、融点が144℃、Mwが4.4万のエステル変性炭化水素樹脂(A3)を得た。
(ロジンフェノール樹脂製造例1)
エステル変性樹脂酸製造例1と同様の装置に、P−オクチルフェノール1000部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加えて、90℃で6時間反応させた。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶
液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールトルエン溶液を得た。次いで、同様の装置に、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記レゾールトルエン溶液1800部を添加し、トルエンと水を除去しながら230℃で4時間反応させた。さらに、グリセリン110部を仕込み、260℃で10時間反応させ、酸価18、白濁温度50℃(AF7)、融点160℃、Mw5万、白濁温度50℃のロジン変性フェノール樹脂(B1)を得た。
(ワニス製造例1)
エステル変性炭化水素樹脂製造例1と同様の装置に、エステル変性炭化水素樹脂製造例1で得られたエステル変性炭化水素樹脂(A1)40部、桐油15部、大豆油30部、AFソルベント6号(新日本石油化学社製アロマフリーソルベント:AF6)14部、ALCH(川研ファインケミカル社製ゲル化剤)1.0部を190℃で1時間加熱撹拌して、ワニス(C1)を得た。
(ワニス製造例2〜4)
エステル変性樹脂酸製造例2、3で得られたエステル変性樹脂酸(A2、3)をワニス製造例1と同様に反応させ、ワニス(C2、3)を得た。さらに、ロジン変性フェノール樹脂実施例1で得られたロジンフェノール樹脂(B1)をワニス製造例1と同様に反応させ、ワニス(C4)を得た。
(実施例1)
表1の配合にて、C.I.ピグメントイエロー12(東洋インキ製造(株)製LIONOL YELLOW 1235−P)をニーダー中で温度75℃の条件下、ワニス(C1)を徐々に添加して混練して一次脱水を行った。次にニーダー温度100℃〜120℃、減圧度76mmHgの条件下で1時間減圧し、ベースインキ中の水分を0.5%以下になるように二次脱水を行った。脱水後、残りのワニス(C1)、AF6を添加して混練して希釈し、ニーダーより未分散ベースインキを取り出した。取り出したベースインキをロール温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉し、黄ベースインキ(D1)を得た。次いで、表2の配合にて、ワニス(C1)、大豆油、ナフテン酸マンガンを添加し黄インキ(E1)を得た。
(実施例2、3、比較例1〜3)
実施例1と同様に、表1、2の配合にて、黄インキ(E2〜E6)を得た。
(実施例4、5、比較例4〜6)
実施例1と同様に、表3、4の配合にて、紅インキ(G1〜G2、G4〜6)を得た。
(実施例6)
表3の配合にて、C.I.ピグメントレッド169(BASF社製FanalPinkD4810)をワニス(C3)、AF6と混合し、ロール温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉し、紅ベースインキ(F3)を得た。次いで、表4の配合にて、ワニス(C3)、大豆油、ナフテン酸マンガンを添加し紅インキ(G3)を得た。
(実施例7〜9、比較例7〜9)
実施例6と同様に、表5、6の配合にて、藍インキ(I1〜I6)を得た。
(実施例10〜12、比較例10)
実施例6と同様に、表7、8の配合にて、墨インキ(K1〜4)を得た。
[印刷評価試験]
上記実施例および比較例のインキを用いて、下記印刷条件で印刷し、印刷物の評価を実施した。結果を表9〜11に示す。
印刷条件
印刷機 :ハイデルベルグスピードマスター 菊全4色機(ハイデルベルグジャパン社製)
用紙 :特菱アート両面 110Kg(三菱製紙社製)
湿し水 :アストロマーク3(日研化学研究所社製)2.0%水道水溶液
印刷速度:10000枚/時
濃度 :黄:1.40〜1.44、紅:1.52〜1.56、藍:1.63〜1.67、墨:1.85〜1.90の範囲内になるようベタ濃度を調整して印刷
印刷物測定条件
濃度 :SpectroEye(Gretag Macbeth社製、光源D50、2度視野、測定光学45°/0°、濃度基準DINI16536、偏光フィルター無し、絶対白紙基準)にて印刷物の単色(黄、紅、藍、墨、緑)ベタ部の濃度値を測定
測色 :SpectroEye(Gretag Macbeth社製、光源D50、2度視野、測定光学45°/0°、偏光フィルター無し、絶対白紙基準)にて印刷物の単色ベタ部(黄、紅、藍、緑)、および、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)のL*、a*、b*値を測定。C値はa*およびb*から下記の計算式にて求めた。
表9、11に示したように、本発明の実施例の印刷方法を用いることにより、従来の比較例2、3の印刷方法に比較して、彩度C値が大きく、色再現領域が広くなっている。また、表9、10に示したように、ホルムアルデヒド類を原料として使用している従来のロジンフェノール樹脂からなるインキを使用した比較例1の印刷方法と同等の効果が得られるものである。

Claims (6)

  1. 黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキを用いる平版印刷方法において、各色インキが、樹脂成分として、炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水物およびアルコール化合物により変性したエステル変性炭化水素樹脂を含有し、紅インキが、着色成分としてローダミン系染料の金属レーキ化合物を含有することを特徴とする平版印刷方法。
  2. ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントレッド81、C.Iピグメントバイオレット1、または、C.I.ピグメントレッド169をインキの全重量に対して15〜30重量%含有する紅インキを使用することを特徴とする請求項1記載の平版印刷方法。
  3. 炭化水素樹脂が、下記一般式(1)
    一般式(1)

    (式中、Hは水素原子、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、mおよびnは0〜6の整数で、m+n=6である。)
    で示される5員環化合物を構成成分として含んでなる請求項1または2いずれか記載の平版印刷方法。
  4. エステル変性炭化水素樹脂が、さらに炭素数6以上のカルボン酸基含有化合物を反応させてなる請求項1ないし3いずれか記載の平版印刷方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の平版印刷方法に用いられる、黄、紅、藍および墨インキから選択されるインキセット。
  6. 請求項1ないし4いずれか記載の平版印刷方法を用いて印刷した印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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