JP2008253474A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
ドラム式洗濯機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008253474A JP2008253474A JP2007098162A JP2007098162A JP2008253474A JP 2008253474 A JP2008253474 A JP 2008253474A JP 2007098162 A JP2007098162 A JP 2007098162A JP 2007098162 A JP2007098162 A JP 2007098162A JP 2008253474 A JP2008253474 A JP 2008253474A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laundry
- reverse
- drive mode
- degrees
- rotating drum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みを抑制して、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程においてより効果的な叩き洗いを持続的に実行できるようにする。
【解決手段】開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜とした回転ドラム4の乾燥工程での駆動に関し、90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物21がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを備え、洗濯工程または、洗濯、すすぎ工程において、正逆弧回転駆動モードと正逆連続回転駆動モードとを交互に実行し、正逆弧回転駆動モードの実行割合を正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くすることによって上記の目的を達成する。
【選択図】図8
【解決手段】開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜とした回転ドラム4の乾燥工程での駆動に関し、90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物21がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを備え、洗濯工程または、洗濯、すすぎ工程において、正逆弧回転駆動モードと正逆連続回転駆動モードとを交互に実行し、正逆弧回転駆動モードの実行割合を正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くすることによって上記の目的を達成する。
【選択図】図8
Description
本発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機に関するものである。
このようなドラム式洗濯機は本発明の実施の形態を示す図1を参照して、筐体1内にサスペンション構造によって支持された水槽2内に、多数の孔3が形成された回転ドラム4が配設され、回転ドラム4はモータ5によって回転駆動され、筐体1の正面側に開閉自在に設けられた扉6を開くことにより水槽2の正面開口部及び回転ドラム4の正面開口部を通して洗濯物を回転ドラム4内から出し入れできるように構成され、給水系7、排水系11を備え洗濯物を洗濯する。しかし、図示するもののように、送風機12により水槽2および回転ドラム4内の空気を吸引して除湿および加熱を順次に行い乾いた高温空気として水槽2および回転ドラム4内に送風することを繰り返す乾燥系13を装備したドラム式洗濯機と称される乾燥機能を有したものもある。
従来の通常の洗濯モードでは、扉6を開いて回転ドラム4内に洗濯物を投入し、洗剤の投入を伴い運転を開始させると、水槽2内には給水系7から給水がなされ、給水された水は孔3を通じて回転ドラム4内にも所要量の水が給水される。モータ5により回転ドラム4が所定回転速度で回転駆動されると、回転ドラム4内に収容された洗濯物は回転ドラム4の内周面に設けられた攪拌突起8に引っ掛けられて回転方向に持ち上げられ、適当な高さから落下することにより、洗濯物には叩き洗いの作用が加えられることにより洗濯がなされる。この洗濯工程の後、汚れた洗濯水は排水系11により排水され、新たに給水された水を用いてすすぎ工程が実施され、すすぎ工程が終了すると回転ドラム4を高速回転させて脱水工程が実施される。乾燥機能を有する場合は、脱水工程が終了すると回転ドラム4の回転による攪拌を伴い乾燥系13により水槽2および回転ドラム4内の空気を除湿および加熱を順次に行って循環させることで脱水後の洗濯物を乾燥させる。これらの工程は所定の制御手順に基づいて自動実行される。
ところで、洗濯物は洗濯工程やすすぎ工程の連続回転、特に脱水工程での回転ドラムの例えば1000rpmといった高速度での連続回転によって、絡んだり、貼り付いたりすることが既に技術課題とされ(例えば、特許文献1参照)、特許文献1は、回転ドラムのモータによる直結駆動での回転制御の自由度向上を利用して、脱水工程後に回転ドラムを90度以下の微小回転角内で、特に10度以上30度未満の微小回転角で複数回正逆回転させることにより、回転ドラム内に貼り付いた洗濯物を剥がしたり、回転ドラム内の上部で固まった状態の洗濯物を解したりすることができ、さらに脱水時のアンバランスの解消を図ったり、乾燥後の洗濯物の取り出し勝手をよくしたりできる技術を開示している。
特開2000−254385号公報
ところで、特許文献1に記載の技術は、脱水工程後に正逆交互の微小角回転駆動を実行して、洗濯物の絡みや捩れを解すものである。
しかし、本発明者等は、洗濯物の皺取りに関し種々に実験をし、比較検討するなか、次のような点を知見している。洗濯、すすぎ工程後、脱水した洗濯物は、脱水時に回転ドラム内面に図10(a)(b)に示すように強く貼り付けられることにより、洗濯、すすぎ工程での絡みや捩れ状態をさらに強められて図示のような状態に癖付けられる。また、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みにより、機械力を洗濯物に及ぼす回数が減少したり、または洗濯物に及ぼす機械力にムラが生じたりするため、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程において効果的な叩き洗いを持続的に実行できない。
また、脱水後の洗濯物は引き締まって滑りが悪く、脱水時の貼り付きによる洗濯物の絡みは特に解しにくく取り出しにくい。また、捩れや皺も解しにくい。従って、特許文献1に記載のように脱水後に絡みや捩れ、皺の解しを行うだけでは効果的な方法とはいえない。しかも、特許文献1に記載の技術では、その実施例に開示のあるような洗濯物を回転ドラム内面に十分に貼り付かせられる55rpm程度の速度で実行されるが、90度以下の微小回転角内で、特に10度以上30度未満の微小回転角で複数回正逆回転させるだけであるため、質的には、微小角回転開始から終了までを等速では行えず、途中の微小角未満域だけが所定速度となり、その前後は所定速度に向けた増速、あるいは所定速度からの減速となることから、洗濯物を微小角未満位置までしか持ち上げられない。この結果、微小角回転の終期での制動などによる急減速があって洗濯物の慣性によって回転ドラム内面からの強制剥がし力が働いたとしてもその強制剥し力は重力に逆らう方向である。このため、洗濯物はドラム内面から離れる方向に剥がれて落ちるというより下に滑り落ちる傾向が強くなる。従って、滑り落ちる洗濯物は回転ドラムの次の逆向きの微小角回転によって滑り落ち方向に移動される。以降洗濯物はそのような挙動を繰り返し受けるが、回転ドラムの微小角回転の正逆繰り返しによって終期側での滑り落ちを伴い左右に揺動される位いで、洗濯物同士の位置の入れ換わりはあまりなく、回転ドラムの下部に集まり、回転ドラム内面との滑り時の摩擦により洗濯物の塊全体として正逆に幾分転がる挙動を示す程度となる。結局、特許文献1に記載の技術では、洗濯物の脱水による回転ドラム内面への貼り付きは解消できても、脱水時に強く癖付けられた洗濯物に対する絡みや捩れ、皺の解し効果は十分でない。
一方、本発明者は、脱水後の洗濯物の滑りが悪く絡みや捩れを解しにくいことから、洗濯、すすぎ工程での洗濯物は水を含んで十分に膨潤し緩んだ状態では解れやすいことに気づき、洗濯、すすぎ工程において、別途開発した解し効果の高い本出願人独自の正逆弧回転駆動モードを実行すると、洗濯物の絡み、捩れ、皺を大きく改善して洗濯、すすぎ工程を終えることができ、その後の脱水時に洗濯物がドラム内面に貼り付けられても、正逆弧回転駆動モードを行わなかった場合よりも絡みや捩れが少なく、かつ、皺の程度も軽くなる上、かつ、従来からの回転ドラムの回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラムの連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードの併用で強い汚れに対する洗浄効果を損なわず、かつ省エネも図れることを知見している。
本発明の目的は、上記のような知見の基に、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みを抑制して、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程においてより効果的な叩き洗いを持続的に実行することで、洗浄効果およびすすぎ効果を高めることができるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、前記回転ドラムの90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、前記回転ドラムの回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラムの連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを備え、洗濯工程または、洗濯、すすぎ工程において、前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとを交互に実行し、前記正逆弧回転駆動モードの実行割合を前記正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くすることを特徴とする。
このような特徴によれば、洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程において、従来から行われている回転ドラムを前記回転ドラムの回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラムの連続回転を正逆交互に行う、強い汚れに対する洗浄効果の高い正逆連続回転駆動モードを実行することができ、かつ、正逆弧回転駆動モードの実行によっては、回転ドラムの90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転とにより洗濯物を回転ドラム内面に貼り付かせて最大限90度を超えて少なくとも180度未満まで持ち上げられるし、この急正弧回転と急逆弧回転での洗濯物の持ち上げの最終段階に生じる回転の反転のための制動状態時に洗濯物をその慣性および自重により回転ドラム内面から強制的に剥がして自重により回転ドラム内面から持ち上げ側と反対の側に向け落せるので、洗濯物の持ち上げ位置、落下位置を正逆切り替わる毎回の弧回転駆動において左右交互に入れ換えられ、洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程における水を含んで十分に膨潤し、かつ緩み、滑りやすい状態にある洗濯物に対して特に高い解し作用を働かせられる。また、洗濯物に機械力を満遍なく及ぼすことができる。さらに、これら正逆連続回転駆動モードおよび正逆弧回転駆動モードは洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程において交互に繰り返すが、正逆弧回転駆動モードの高い解し効果に鑑み正逆連続回転駆動モードに対する実行割合を高くすることにより、正逆連続回転駆動モードでの洗濯物の絡み、捩れ、皺を十分に解しながら、高い解し作用により、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みが抑制できるので、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程においてより効果的な叩き洗いを持続的に実行して、洗浄効果およびすすぎ効果を高めることができる。
上記において、さらに、前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとは複数回切り換えて実行し、それらの前記実行割合は、累積実行割合、またはおよび、一方から他方への切り換え前後での実行割合であることを特徴とすることにより、洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程での時間経過に伴うその時々での洗濯条件の変化に対応した実行割合を、その時々で異なり、また上記とは逆の関係となる実行割合をも含んで、上記の特徴を損なわずに自由に選択することができる。
上記において、さらに、前記正逆連続回転駆動モードの実行割合に対する前記正逆弧回転駆動モードの実行割合は、洗濯物の量、または水位、または経過時間に応じて決定することを特徴とすることにより、洗剤の泡や洗浄水、すすぎ水などの洗濯物へのなじみ度や浸透度、洗濯物の標準挙動への到達度、汚れの浮き上がり度など、洗濯条件を損なわずに効果的な挙動を洗濯物に与えることができる。
本発明によれば、洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程において、正逆弧回転駆動モードの実行により、回転ドラムの急正弧回転と急逆弧回転とにより洗濯物を回転ドラムの左右片側上部まで持ち上げることを正逆交互に行い、洗濯物の持ち上げの最終段階での制動状態にて洗濯物をその慣性および自重によって回転ドラム内面から確実かつ瞬時に剥がして回転ドラムの左右反対側に落すことの繰り返しにより、弧回転ごとに洗濯物の持ち上げ位置、落下位置を左右交互に入れ換えられる。従って、十分に膨潤しかつ緩み滑りやすい洗濯物に対する解し作用を高められる。また、正逆弧回転駆動モードの高い解し効果に鑑み正逆連続回転駆動モードに対する実行割合を高くすることにより、正逆連続回転駆動モードでの洗濯物の絡み、捩れ、皺を十分に解しながら、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みが抑制できるので、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程においてより効果的な叩き洗いを持続的に実行して、洗浄効果およびすすぎ効果を高めることができる。さらに高い解し作用により、絡みはもとより捩れや皺を効率よく解し脱水を行っても取り出しが容易となり皺も軽減することができる。
以下本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機につき図1〜図9を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態のドラム式洗濯機は既述した基本構成と乾燥機能を有し、図1に示す操作パネル14からのモード設定や制御プログラムに従い、マイクロコンピュータを搭載した制御基板9などの制御装置によってモータ5、給水系7、排水系11、乾燥系13を自動制御して少なくとも洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程を行う機能を有している。なお、給水系7は電磁弁の開閉によって実線矢印で示すように適時に給水でき、また給水を利用して洗剤収容部の洗剤を水槽2内に適時に投入できるようになっている。排水系11は電磁弁の開閉によって洗濯工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように排水できるようになっている。乾燥系13は水槽2および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1、図2に示す破線矢印で示すように循環させる循環経路において、水槽2および回転ドラム4からの導入空気中の糸くずなどを捕集し除塵するフィルタ15、除塵後の導入空気を除湿する除湿部16、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部17を有し、送風機12は加熱部17の下流に配置し湿気の影響を受けにくくしている。図示例では除湿部16、加熱部17は圧縮機18により冷媒を循環されて循環空気と熱交換を行う蒸発器および凝縮器であり、空気調和機19を構成するものとしてある。しかし、これに限られることはない。
本実施の形態のドラム式洗濯機は既述した基本構成と乾燥機能を有し、図1に示す操作パネル14からのモード設定や制御プログラムに従い、マイクロコンピュータを搭載した制御基板9などの制御装置によってモータ5、給水系7、排水系11、乾燥系13を自動制御して少なくとも洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程を行う機能を有している。なお、給水系7は電磁弁の開閉によって実線矢印で示すように適時に給水でき、また給水を利用して洗剤収容部の洗剤を水槽2内に適時に投入できるようになっている。排水系11は電磁弁の開閉によって洗濯工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように排水できるようになっている。乾燥系13は水槽2および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1、図2に示す破線矢印で示すように循環させる循環経路において、水槽2および回転ドラム4からの導入空気中の糸くずなどを捕集し除塵するフィルタ15、除塵後の導入空気を除湿する除湿部16、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部17を有し、送風機12は加熱部17の下流に配置し湿気の影響を受けにくくしている。図示例では除湿部16、加熱部17は圧縮機18により冷媒を循環されて循環空気と熱交換を行う蒸発器および凝縮器であり、空気調和機19を構成するものとしてある。しかし、これに限られることはない。
回転ドラム4は回転軸4aに水槽2上のモータ5が直結されて、水槽2と共に、開口側から底部側に向けて回転軸方向を水平方向から角度θ=20±10度に傾斜させて設置し、水平方向での設置の場合に比べ、回転ドラム4を同じ高さに設置しても開口が斜め上向きとなることで屈んだりする無理な姿勢を取らずに洗濯物を容易に出し入れできる。特に、本発明者等の経験からは傾斜角度は20±10度とすることにより、子供(幼児を除く)から大人までの身長差があっても、車椅子利用者であっても、洗濯物の出し入れの作業が最も行い易い状態が得られる。また、回転ドラム4内に給水された水が背面側に溜まって少ない水量でも深い貯水状態が得られる利点もある。
しかし、既述したように脱水工程が例えば1000rpmといった高速度での連続回転にて実行される関係から、洗濯物を洗濯工程、すすぎ工程での絡み、捩れ、皺より状態のまま回転ドラム4の内面に貼り付かせて癖付けしてしまうので、洗濯物を取り出し難いし、事後処理に手間が掛かる。また、洗濯物にきつい皺が残りやすく皺取りの手間が大きい。
(洗濯工程およびすすぎ行程)
上記問題を解決するために、まず洗濯工程およびすすぎ工程の動作について、説明する。洗濯工程または、洗濯工程およびすすぎ工程において、絡み、捩れの発生を大きく改善し機械力の働きを高めながら皺も生じ難くすることを意図して、本実施の形態では、開口側から底部側に向けて回転軸方向が水平方向から下向き傾斜となるようにして設置した有底円筒形の回転ドラム4に対する制御基板9による駆動制御に関し、回転ドラム4の90度を超え180度未満の急正弧回転、急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、前記回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードと、を備え、洗濯工程または、洗濯工程およびすすぎ工程において、前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとを、図8に正逆弧回転駆動モードをD、正逆連続回転駆動モードをTで示すように交互に実行し、前記正逆弧回転駆動モードの実行割合を前記正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くするようにしている。
上記問題を解決するために、まず洗濯工程およびすすぎ工程の動作について、説明する。洗濯工程または、洗濯工程およびすすぎ工程において、絡み、捩れの発生を大きく改善し機械力の働きを高めながら皺も生じ難くすることを意図して、本実施の形態では、開口側から底部側に向けて回転軸方向が水平方向から下向き傾斜となるようにして設置した有底円筒形の回転ドラム4に対する制御基板9による駆動制御に関し、回転ドラム4の90度を超え180度未満の急正弧回転、急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、前記回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードと、を備え、洗濯工程または、洗濯工程およびすすぎ工程において、前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとを、図8に正逆弧回転駆動モードをD、正逆連続回転駆動モードをTで示すように交互に実行し、前記正逆弧回転駆動モードの実行割合を前記正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くするようにしている。
これによれば、回転ドラム4の90度を超え180度未満の急速度での弧回転および急激な制動により洗濯物を最大限90度を超えて180度未満まで持ち上げられるし、洗濯物の持ち上げの最終段階の急激な制動により制動状態が生じて洗濯物をその慣性および自重により回転ドラム4内面から剥がしてその自重によって落すことが確実に達成できるので、水を含んで十分に膨潤し、かつ緩み、滑りやすい状態にある洗濯物に対して特に高い解し作用を与えられるし、さらに、弧回転駆動モードの正方向の急正弧回転と逆方向の急逆弧回転とを交互に繰り返すことで正逆弧回転駆動モードとし、これによって、正逆交互の急弧回転駆動によって洗濯物の持ち上げ位置、落下位置を毎回の弧回転駆動において左右交互に入れ換えられるので、洗濯物が絡むことをより防ぎながら解し作用をさらに高められるとともに、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みが抑制できるので、洗濯工程または洗濯、すすぎ工程においてより効果的な叩き洗いを持続的に実行して、洗浄効果およびすすぎ効果を高めることができる。
また、正逆弧回転駆動モードのみでは、洗濯物の絡み、捩れ、皺より等が軽減される一方で、洗濯物の上下方向の位置が入れ替わりにくく、洗いむらが生じやすいが、連続回転駆動モードを併用することによって、上下方向の洗濯物の位置の入れ替わりを実現することができ、すなわち、連続回転駆動モードにおける洗濯物の絡み、捩れ、皺よりを軽減するとともに、弧回転駆動モードにおける洗濯物に対する機械力付与の不均衡を軽減することで、両モードによって洗濯やすすぎ中の洗濯物に異なった2通りの挙動、具体的には弧回転駆動モードによっては洗濯物の絡み、捩れ、皺よりを軽減しつつしっかりした手もみ洗いの挙動を、連続回転駆動モードによっては洗濯物を大きく連続に動かしむらを軽減しながら洗う、均一で強い汚れに対する効果的な洗い挙動を与えられる。
特に、これら正逆連続回転駆動モードおよび正逆弧回転駆動モードを洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程において交互に繰り返すのに、正逆弧回転駆動モードはその高い解し効果に鑑み正逆連続回転駆動モードに対する実行割合を高くすることにより、正逆連続回転駆動モードでの洗濯物の絡み、捩れ、皺を十分に解しながら、工程が進行することで生じる洗濯物同士の絡みが抑制できるので、より効果的な叩き洗いを持続的に実行して、洗浄効果およびすすぎ効果を高めることができる。さらに高い解し作用により、絡みはもとより捩れや皺を効率よく解し脱水を行っても取り出しが容易となり皺も軽減することができる。
なお、前記正逆弧回転駆動モードと正逆連続回転駆動モードとは複数回切り換えて実行し、それらの前記実行割合は、累積実行割合、またはおよび、一方から他方への切り換え前後での実行割合とすることにより、洗濯工程、または洗濯、すすぎ工程での時間経過に伴うその時々での洗濯条件の変化に対応した実行割合を、その時々で異なり、また上記とは逆の関係となる実行割合をも含んで、上記の特徴を損なわずに自由に選択することができる。
さらに、前記正逆連続回転駆動モードの実行割合に対する前記正逆弧回転駆動モードの実行割合は、洗濯物の量、または水位、または経過時間に応じて決定することを特徴とすることにより、洗剤の泡や洗浄水、すすぎ水などの洗濯物へのなじみ度や浸透度、洗濯物の標準挙動への到達度、汚れの浮き上がり度など、洗濯条件を損なわずに効果的な挙動を洗濯物に与えることができる。
さらに、正逆連続回転駆動モードと正逆弧回転駆動モードとの間に、図8に示すように回転休止時間Kを設定することにより、前後の異なった駆動モードでの回転ドラム4や洗濯物21の挙動を一旦落ち着かせ、先の駆動モードでの回転ドラム4や洗濯物21の挙動の影響なく次の駆動モードの挙動を無理なく早期に得られ、駆動負荷が軽減される。休止時間は1秒程度として十分である。
上記の洗濯工程、すすぎ工程での正逆弧回転駆動モードについて、そのときの洗濯物21の動きを図4を用いて説明する。なお、この図4は、実際の洗濯物21の動きを説明するための模式図であり、特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。回転ドラム4の90度を超え180度未満の急正弧回転、急逆弧回転により図4に示す水を含んで重い洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼りつかせて図4(a)の丸付き符号2、4、6に例示する破線位置から実線位置へと最大限90度を超えて180度未満まで持ち上げられる。また、この弧回転駆動を図4(a)に示す丸付き符号2、4、6、4、6・・の順に正逆交互に行うことで、図4(a)に示す丸付き符号3、5のように、洗濯物21の持ち上げの最終時点である実線位置ないしはその近傍で回転の反転のための急激な制動状態が生じて洗濯物21に与えられていた慣性および自重により回転ドラム4の内面から剥がしその自重により破線位置から実線位置への矢印で示すような放物線を描いて回転ドラム4の左右方向の反対側に落下させることが確実にできる。しかも、正逆交互の弧回転駆動によって洗濯物21の持ち上げ位置、落下位置を毎回の弧回転駆動において図4(b)に示すように左右交互に入れ換えられるので、水を含んで十分に膨潤し、かつ緩み、滑りやすい状態にある洗濯物21に対しては解し作用を特に高められるし、機械力を洗濯物21に及ぼすことができる。
この結果、回転ドラム4の弧回転により洗濯物21を回転ドラム4の左右片側上部まで持ち上げることを正逆交互に行い、洗濯物21の持ち上げの最終時点ないしはその近傍での急激な制動状態にて洗濯物21をその慣性および自重により回転ドラム4の内面から剥がしその自重によって回転ドラム4の左右反対側に落すことの繰り返しにより、急正弧回転、急逆弧回転ごとに洗濯物21の持ち上げ位置、落下位置を左右交互に入れ換え、洗濯物21の解し作用を高めて絡みはもとより捩れや回転ドラム4の内面への貼り付きを防止し、脱水を行う場合でも洗濯物21の取り出しが容易で洗濯物21に皺が付くのを大幅に緩和することができる。また、洗濯物21に機械力を及ぼすことができるし叩き作用のある洗濯物21の落下回数を大幅に増大するので洗い効果を始めとする洗濯機が行う各工程での機能を高められる。
また、前記回転ドラム4の弧回転は、洗濯物21が回転ドラム4の最下位置から90度付近に到達するまでに洗濯物21が回転ドラム4の内面に貼り付く急加速度で駆動することにより、洗濯物21が回転ドラム4の最下位置からの持ち上がりにより回転ドラム4の回転に追随できず自重により落下しやすくなる90度付近までに洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼り付かせる急加速度によって、洗濯物21を所定の持ち上げ位置まで滑り無く、従って、回転ドラム4の回転速度に見合う慣性を付与して確実に持ち上げ、前記急激な制動状態への変化時点での剥がし、洗濯物21の持ち上げ側と反対の側への落下による洗濯物の持ち上げ位置、落下位置の左右入れ換えをより確実に達成できる。
また、前記回転ドラム4の弧回転方向の正逆切り換えは、前記回転ドラム4の弧回転が90度を超え180度未満で急激な制動動作を挟んで行うことを特徴とすることにより、洗濯物の貼り付きを保証する急加速度を満足する条件においても弧回転方向を正逆に急反転させて、洗濯物の弧回転最終段階にて急加速度時の慣性により確実に剥がして持ち上げ側とは反対の側に落下させられ、洗濯物に対する機械力付与のロスを抑制することができる。従って、より短時間に洗濯機の各工程効果を得ながら絡みや捩れを防止し、皺の付きを緩和することができる。
ここで、直径が500±50mm程度の回転ドラム4での、重力をドラム中心方向と接線方向に分解したときの、中心方向の力と遠心力が釣り合うドラム回転速度につき、
mrω2=mgcosθ
によって算出したところ、図5に示す「張付きレベル」と記載した太い実線の通りである。図5に示す丸付き符号は、図4(a)に示す丸付き符号と対応している。図5の丸付き符号1で示す停止時から丸付き符号2で示す付近の回転速度50rpm程度に至って洗濯物21の貼り付きが確実に達成される。また、それに必要な回転ドラム4の回転角は90度弱であり、既述の条件を満足している。また、既述では、洗濯物21の貼り付けによる持ち上げは回転ドラム4の90度を超え180度までとしたが、ここでの例では、丸付き符号2で示す回転角125度付近としてあり、この125度付近で「張付きレベル」と記載した太い実線と回転ドラム4の回転の実線とが交わり、それ以降、回転ドラム4の回転の実線が「張付きレベル」と記載した太い実線とより下側にあるため、回転角125度付近から丸付き符号3に達する回転角140度付近で停止させる制動により洗濯物21に働く回転慣性および自重によって回転ドラム4の内面から剥がれる最大回転速度45rpm付近と少しの減速状態によっても剥がれることが分かる。
mrω2=mgcosθ
によって算出したところ、図5に示す「張付きレベル」と記載した太い実線の通りである。図5に示す丸付き符号は、図4(a)に示す丸付き符号と対応している。図5の丸付き符号1で示す停止時から丸付き符号2で示す付近の回転速度50rpm程度に至って洗濯物21の貼り付きが確実に達成される。また、それに必要な回転ドラム4の回転角は90度弱であり、既述の条件を満足している。また、既述では、洗濯物21の貼り付けによる持ち上げは回転ドラム4の90度を超え180度までとしたが、ここでの例では、丸付き符号2で示す回転角125度付近としてあり、この125度付近で「張付きレベル」と記載した太い実線と回転ドラム4の回転の実線とが交わり、それ以降、回転ドラム4の回転の実線が「張付きレベル」と記載した太い実線とより下側にあるため、回転角125度付近から丸付き符号3に達する回転角140度付近で停止させる制動により洗濯物21に働く回転慣性および自重によって回転ドラム4の内面から剥がれる最大回転速度45rpm付近と少しの減速状態によっても剥がれることが分かる。
このような算出および経験から、正逆弧回転駆動モードでの弧回転の最大回転速度は40rpm以上であり、洗濯物21の剥がしないしは制動はその最大回転速度で行われることにより、正逆弧回転駆動モードによる実効が得られる。また、正逆弧回転駆動モードでの洗濯物21の剥がしは、例えば図示例のように回転角125度〜140度の範囲で行う制動で行うことができる。具体的には、40rpm以上で行う弧回転からの減速状態により40rpm以上での回転を続けようとする洗濯物21の回転慣性によって40rpm未満への減速度に応じた強制剥がし力を洗濯物21に与え落下させられる。
さらに、正逆弧回転駆動モードでの図4(a)丸付き符号2で示す初期弧回転は図5に破線で示すように140度近傍で行い、図4(a)丸付き符号3〜6に示すそれ以降の弧回転は図5に実線で示すように140度近傍〜30度近傍の範囲で行うことにより、初期弧回転時に図4(a)丸付き符号1に実線で示し、丸付き符号2に破線で示すように回転ドラム4の下部範囲に静止している洗濯物21を120度近傍の弧回転で左右の初期弧回転側の上部まで持ち上げて120度〜140度の間で制動し、回転ドラムの左右の反対側、具体的には回転ドラム4のほぼ直径線上に落すことを確保し、それ以降の弧回転は140度近傍〜30度近傍の110度として回転ドラムの左右一方側に寄って、具体的にはほぼ30度の位置に落ちた洗濯物21を回転ドラム4の同じ側の上部、具体的にはほぼ120度位置に持ち上げ、回転ドラム4の左右反対の側に落す挙動をほぼ対称的に、かつ回転ドラム4の直径分となる最大の落下距離を得て確実に達成することができる。これによって、洗濯物21の解しと叩きの効果を高められる。
なお、発明者の確認によると、洗濯工程、すすぎ工程において、正逆弧回転駆動モードでの弧回転の最大回転速度が40rpm未満でかつ、急激な制動動作を行う場合、回転ドラム4の制動による洗濯物21に働く回転慣性では洗濯物21は回転ドラム4の内面から剥がれる挙動は発生せず、回転ドラム4の逆転時も洗濯物21が回転ドラム4の内面に貼り付いたまま回転ドラム4と一緒に回転するという状態となってしまう場合がある。
さらに、回転ドラム4の回転角度が90度以下の場合は、洗濯物21を持ち上げることができず、また、回転ドラム4の回転角度が180度以上の場合は、回転ドラム4の逆転時、洗濯物21が180度の位置(最上部)を通り越してしまい、図4(b)に示すような洗濯物21が左右交互に入れ換えられるといった動作を行わないものとなってしまう。
ところで、以上のような回転ドラム4の正逆弧回転駆動モードを実現するにはモータ5に掛かる駆動負荷が非常に大きく、モータ5の極数を増大するなど大型化の原因になるが、本実施の形態では図1、図3に示すように水槽2の底部外面に固定したステータ5aに対して回転軸4aに直結したインナロータ5b1、アウタロータ5b2をステータ5aの内周側および外周側双方に配置してステータ5aに対し内外周から作用し合うようにしてあり、モータ5の大型化の問題なく駆動パワーを倍増でき、小さなモータ5によって急反転を伴う正逆弧回転駆動モードを難なく実行できる。
これによって、図5に示すような左右バランスのよい回転速度特性を持った急反転を伴う正逆弧回転駆動モードを永続的にも実行できる技術が実現し、洗濯物21の正転、逆転のいずれにおいても丸付き符号3、5で示す回転ドラム4の同じ位置に洗濯物21を落下させ、その落下時点からほぼ同じ回転角90度位置で洗濯物21の貼り付き域に達した後、ほぼ同じ回転角で丸付き符号4、6の位置に達して急制動による洗濯物21の回転ドラム4からの剥がしを達成している。また、丸付き符号4で示す剥がれ位置から丸付き符号6で示す剥がれ位置までの所要時間は0.8秒程度であり、丸付き符号6で示す剥がれ位置から丸付き符号4で示す剥がれ位置までの所要時間は0.8秒程度であり、双方等しい。
また、回転ドラム4の回転方向の正逆切り換えのための停止または反転は、回転ドラム4の内面に貼り付いた洗濯物21が落下するまでに行う。これにより、洗濯物21の落下位置が弧回転方向または連続回転方向の持ち上げ側から左右反対の側に移った落下位置を確保して反転した急弧回転または連続回転による持ち上げが行えるので、洗濯物21の持ち上げ位置、落下位置の毎回の弧回転駆動または連続回転駆動における左右交互の入れ換えをより確実に達成して洗濯物21の解し作用をさらに高め、機械力をさらに満遍なく及ぼすことができる。
(乾燥工程)
また、乾燥工程においても、回転ドラム4に対する制御基板9による駆動制御に関し、回転ドラム4の90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを併用し、正逆連続回転駆動モードの実行割合に見合った省エネおよび機械力の均等付与効果を図りながら、脱水後の回転ドラム4の内面に図11(a)(b)に示すように貼り付いた洗濯物21の剥がしとなお残っている絡みを解し、捩れや皺をの解しを正逆弧回転駆動モードの実行割合に見合って図ることができる。具体的には、乾燥工程中の洗濯物21に正逆弧回転駆動モードによっては洗濯物の絡み、捩れ、皺よりを取り除きつつふっくら仕上げるふっくら仕上げ挙動、正逆連続回転駆動モードによっては洗濯物を大きく広域に移動させて洗濯物の位置を入れ換えることで送り込まれる高温空気を洗濯物に均一に当て乾燥むらを軽減する有効利用する乾燥促進挙動が与えられ、洗濯物の落下時の叩き作用による皺伸ばしを伴い個々の洗濯物21の解れによる広がりと繊維の再生が図れるので高い乾燥性能の基に洗濯物21の仕上がり状態を大きく高められる。洗濯工程およびすすぎ工程と乾燥工程とで正逆弧回転駆動モードと正逆連続回転駆動モードとを併用した場合、洗濯物21は図9(a)(b)に示すように皺が少なく目立たないふっくらした仕上がりとなる。
また、乾燥工程においても、回転ドラム4に対する制御基板9による駆動制御に関し、回転ドラム4の90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、回転ドラム4の回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での回転ドラム4の連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを併用し、正逆連続回転駆動モードの実行割合に見合った省エネおよび機械力の均等付与効果を図りながら、脱水後の回転ドラム4の内面に図11(a)(b)に示すように貼り付いた洗濯物21の剥がしとなお残っている絡みを解し、捩れや皺をの解しを正逆弧回転駆動モードの実行割合に見合って図ることができる。具体的には、乾燥工程中の洗濯物21に正逆弧回転駆動モードによっては洗濯物の絡み、捩れ、皺よりを取り除きつつふっくら仕上げるふっくら仕上げ挙動、正逆連続回転駆動モードによっては洗濯物を大きく広域に移動させて洗濯物の位置を入れ換えることで送り込まれる高温空気を洗濯物に均一に当て乾燥むらを軽減する有効利用する乾燥促進挙動が与えられ、洗濯物の落下時の叩き作用による皺伸ばしを伴い個々の洗濯物21の解れによる広がりと繊維の再生が図れるので高い乾燥性能の基に洗濯物21の仕上がり状態を大きく高められる。洗濯工程およびすすぎ工程と乾燥工程とで正逆弧回転駆動モードと正逆連続回転駆動モードとを併用した場合、洗濯物21は図9(a)(b)に示すように皺が少なく目立たないふっくらした仕上がりとなる。
この乾燥工程での正逆弧回転駆動モードについて、そのときの洗濯物21の動きを図6を用いて説明する。なお、この図6は、実際の洗濯物21の動きを説明するための模式図である。このような正逆弧回転駆動モードでは、回転ドラム4の90度を超え200度未満の弧回転により図6に示す洗濯物21をそれが脱水により軽量化していても図6(a)の丸付き符号2、4、6に例示する破線位置から実線位置へと最大限90度を超えて180度未満まで持ち上げられる。
具体的には、図6(a)の丸付き符号1後、開始時においては、図6(a)の丸付き符号2のように、正転方向の85度近傍まで50rpm以上に急加速し、洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼り付かせて持ち上げる。その後、図6(a)の丸付き符号3のように、急制動をかけて正転方向の165度の位置まで急減速する。このとき、洗濯物21は、回転ドラム4の回転速度が50rpm以下になったとき、すなわち正転方向の135度近傍で、その慣性および自重により、回転ドラム4の内面から剥がされ、洗濯物21は持ち上げ側と反対の側に向け落下する。その後、回転ドラム4は、惰性により正転方向の165度近傍まで回転し、それによって、洗濯物21は、正転方向の15度近傍まで回転する。
次に、図6(a)の丸付き符号4のように、逆転方向の85度近傍まで、即ち逆転方向100度の回転で50rpm以上に急加速し、洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼り付かせて持ち上げる。その後、図6(a)の丸付き符号5のように、急制動をかけて逆転方向の165度の位置まで急減速する。このとき、洗濯物21は、回転ドラム4の回転速度が50rpm以下になったとき、すなわち逆転方向の135度近傍で、その慣性および自重により、回転ドラム4の内面から剥がされ、洗濯物21は持ち上げ側と反対の側に向け落下する。その後、回転ドラム4は、惰性により逆転方向の165度近傍まで回転し、それによって、洗濯物21は、逆転方向の15度近傍まで回転する。
さらに、図6(a)の丸付き符号6のように、正転方向の85度近傍まで、即ち正転方向100度の回転で50rpm以上に急加速し、洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼り付かせて持ち上げる。その後、図6(a)の丸付き符号3のように、急制動をかけて正転方向の165度の位置まで急減速する。このとき、洗濯物21は、回転ドラム4の回転速度が50rpm以下になったとき、すなわち正転方向の135度近傍で、その慣性および自重により、回転ドラム4の内面から剥がされ、洗濯物21は持ち上げ側と反対の側に向け落下する。その後、回転ドラム4は、惰性により正転方向の165度近傍まで回転し、それによって、洗濯物21は、正転方向の15度近傍まで回転する。
また、この弧回転駆動を図6(a)に示す丸付き符号2、4、6、4、6・・の順に正逆交互に行うことで、図6(a)に示す丸付き符号3、5のように、洗濯物21の持ち上げの最終時点である実線位置ないしはその近傍で回転の反転のための減速ないしは制動状態が生じて洗濯物21に与えられていた慣性および自重による強制剥がし力および自重によって回転ドラム4の内面から破線位置から実線位置への矢印で示すような放物線を描いて確実かつ瞬時に剥がして落すことができる。しかも、正逆交互の弧回転駆動によって洗濯物21の持ち上げ位置、落下位置を毎回の弧回転駆動において図6(b)に示すように左右交互に入れ換えられるので、洗濯物21の解し作用を高められるし、機械力を洗濯物21に及ぼすことができる。
なお、乾燥工程でも、前記回転ドラム4の弧回転は、洗濯物21が回転ドラム4の最下位置から90度付近に到達するまでに洗濯物21が回転ドラム4の内面に貼り付く急加速度で駆動する。これにより、洗濯物21が回転ドラム4の最下位置からの持ち上がりにより回転ドラム4の回転に追随できず自重により落下しやすくなる90度付近までに洗濯物21を回転ドラム4の内面に貼り付かせる急加速度によって、洗濯物21を所定の持ち上げ位置まで滑り無く、従って、回転ドラム4の回転速度に見合う慣性を付与して確実に持ち上げ、前記制動状態への変化時点での剥がし、洗濯物21の持ち上げ側と反対の側への落下による洗濯物21の持ち上げ位置、落下位置の左右入れ換えをより確実に達成できる。
ここで、直径が500±50mm程度の回転ドラム4での、重力をドラム中心方向と接線方向に分解したときの、中心方向の力と遠心力が釣り合うドラム回転速度につき、
mrω2=mgcosθ
によって算出したところ、図7に示す「張付きレベル」と記載した太い実線の通りである。図7に示す丸付き符号は、図6(a)に示す丸付き符号と対応している。図7の丸付き符号1で示す停止時から丸付き符号2で示す付近の回転速度60rpm程度に至って洗濯物21の貼り付きが確実に達成される。また、それに必要な回転ドラム4の回転角θは90度弱であり、既述の条件を満足している。また、既述では、洗濯物21の貼り付けによる持ち上げは回転ドラム4の90度を超え200度までとしたが、ここでの例では、丸付き符号2で示す回転角165度付近としてあり、回転角85度付近から丸付き符号3に達する回転角165度付近で停止させる制動により洗濯物21に働く慣性及び自重によって回転ドラム4の内面から剥がれる50rpm付近と少しの減速状態によっても剥がれることが分かる。
mrω2=mgcosθ
によって算出したところ、図7に示す「張付きレベル」と記載した太い実線の通りである。図7に示す丸付き符号は、図6(a)に示す丸付き符号と対応している。図7の丸付き符号1で示す停止時から丸付き符号2で示す付近の回転速度60rpm程度に至って洗濯物21の貼り付きが確実に達成される。また、それに必要な回転ドラム4の回転角θは90度弱であり、既述の条件を満足している。また、既述では、洗濯物21の貼り付けによる持ち上げは回転ドラム4の90度を超え200度までとしたが、ここでの例では、丸付き符号2で示す回転角165度付近としてあり、回転角85度付近から丸付き符号3に達する回転角165度付近で停止させる制動により洗濯物21に働く慣性及び自重によって回転ドラム4の内面から剥がれる50rpm付近と少しの減速状態によっても剥がれることが分かる。
このような算出および経験から、正逆弧回転駆動モードでの弧回転の最大回転速度は50rpm以上であり、洗濯物21の剥がしないしは制動は最大回転速度で行われることを特徴とすることにより、正逆弧回転駆動モードによる実効が得られる。
また、正逆弧回転駆動モードでの洗濯物21の剥がしは、例えば図示例のように回転角85度〜165度の範囲で行う制動を利用した50rpm未満の減速で行うことができる。具体的には、50rpm以上で行う弧回転からの減速状態により50rpm以上での回転を続けようとする洗濯物21の慣性によって50rpm未満への減速度に応じた強制剥がし力と重力を洗濯物21に与え落下させられる。
さらに、正逆弧回転駆動モードでの図6(a)丸付き符号2で示す初期弧回転は図7に破線で示すように165度近傍で行い、図6(a)丸付き符号3〜6に示すそれ以降の弧回転は図7に実線で示すように165度近傍〜−15度近傍の範囲で行うことにより、初期弧回転時に図6(a)丸付き符号1に実線で示し、丸付き符号2に破線で示すように回転ドラム4の下部範囲に静止している洗濯物21を90度を超えて200度未満、具体的には160度近傍の弧回転で左右の初期弧回転側の上部(135度近傍)まで持ち上げて回転ドラム4の左右の反対側、具体的には回転ドラム4のほぼ直径線上に落すことを確保し、それ以降の弧回転は180度近傍(165度近傍〜−15度近傍の範囲)として回転ドラム4の左右一方側に寄って、具体的にはほぼ30度寄って落ちた洗濯物21を惰性回転の−15度近傍までの回転を挟み、回転ドラム4の同じ側の165度まで弧回転させる間において、具体的にはほぼ135度近傍位置に持ち上げ、回転ドラム4の左右反対の側に落す挙動をほぼ対称的に、かつ回転ドラム4の直径分となる最大の落下距離を得て確実に達成することができる。これにより洗濯物21の解しと叩きの効果を高められる。
なお、発明者の確認によると、正逆弧回転駆動モードでの弧回転の最大回転速度が50rpm未満でかつ、急激な制動動作を行う場合、回転ドラム4の制動による洗濯物21に働く回転慣性では洗濯物21は回転ドラム4の内面から剥がれる挙動は発生せず、回転ドラム4の逆転時も洗濯物21が回転ドラム4の内面に貼り付いたまま回転ドラム4と一緒に回転するという状態となってしまう場合がある。
さらに、回転ドラム4の回転角度が90度以下の場合は、洗濯物21を持ち上げることができず、また、回転ドラム4の回転角度が200度以上の場合は、回転ドラム4の逆転時、洗濯物21が180度の位置(最上部)を通り越してしまい、図4(b)に示すような洗濯物21が左右交互に入れ換えられるといった動作を行わないものとなってしまう。
乾燥工程における正逆弧回転駆動においても、記述したモータ5のパワーアップ改良によって、図7に示すような左右バランスのよい回転速度特性を持った急正弧回転と急逆弧回転との急反転を伴う正逆弧回転駆動モードを永続的にも実行できる技術が実現し、洗濯物21の正転、逆転のいずれにおいても丸付き符号3、5で示す回転ドラム4のほぼ同じ位置に洗濯物21を落下させ、その落下時点から惰性回転の−15度近傍までの回転を挟み、ほぼ同じ回転角位置85度(回転ドラム4の回転は、85+15=100度)近傍で洗濯物21の貼り付き域に達した後、ほぼ同じ回転角θで丸付き符号4、6の位置に達した後の急制動による洗濯物21の回転ドラム4からの剥がしを達成している。また、丸付き符号3で示す剥がれ位置から丸付き符号5で示す剥がれ位置までの所要時間は0.8秒程度であり、丸付き符号5で示す剥がれ位置から丸付き符号3で示す剥がれ位置までの所要時間は0.8秒程度であり、双方等しい。
回転ドラムを水平方向または傾斜して設置したドラム式洗濯機に実用して、洗濯やすすぎの工程で、正逆弧回転の高い実行割合により、正逆連続回転による洗濯物の絡み、捩れ、皺を十分に解しながら、強い汚れに対する洗濯効果が高い正逆連続回転駆動モードとの併用を図って、高い洗濯効果、高いすすぎ効果、仕上がりを満足することができる。
1 筐体
2 水槽
3 孔
4 回転ドラム
5 モータ
6 扉
7 給水系
9 制御基板
11 排水系
14 操作パネル
2 水槽
3 孔
4 回転ドラム
5 モータ
6 扉
7 給水系
9 制御基板
11 排水系
14 操作パネル
Claims (3)
- 有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、前記回転ドラムの90度を超え200度未満の急正弧回転と急逆弧回転を交互に繰り返す正逆弧回転駆動モードと、前記回転ドラムの回転によって持ち上げられた洗濯物がその自重が勝る高さから落下する挙動を示す回転速度での前記回転ドラムの連続回転を正逆交互に繰り返す正逆連続回転駆動モードとを備え、洗濯工程または、洗濯、すすぎ工程において、前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとを交互に実行し、前記正逆弧回転駆動モードの実行割合を前記正逆連続回転駆動モードの実行割合よりも高くすることを特徴とするドラム式洗濯機。
- 前記正逆弧回転駆動モードと前記正逆連続回転駆動モードとは複数回切り換えて実行し、それらの前記実行割合は、累積実行割合、またはおよび、一方から他方への切り換え前後での実行割合である請求項1に記載のドラム式洗濯機。
- 前記正逆連続回転駆動モードの実行割合に対する前記正逆弧回転駆動モードの実行割合は、洗濯物の量、または水位、または経過時間に応じて決定することを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007098162A JP2008253474A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ドラム式洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007098162A JP2008253474A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ドラム式洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008253474A true JP2008253474A (ja) | 2008-10-23 |
Family
ID=39977717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007098162A Pending JP2008253474A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ドラム式洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008253474A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194217A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Panasonic Corp | 洗濯機 |
JP2011142979A (ja) * | 2010-01-13 | 2011-07-28 | Panasonic Corp | ドラム式洗濯機 |
-
2007
- 2007-04-04 JP JP2007098162A patent/JP2008253474A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194217A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Panasonic Corp | 洗濯機 |
JP2011142979A (ja) * | 2010-01-13 | 2011-07-28 | Panasonic Corp | ドラム式洗濯機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4100576B1 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP4933312B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP4851955B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP4402122B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP4402123B2 (ja) | ドラム式洗濯乾燥機 | |
JP2008194256A5 (ja) | ||
JP4840309B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
KR101634179B1 (ko) | 세탁장치의 제어방법 | |
JP2008194259A (ja) | ドラム式洗濯乾燥機 | |
KR101651126B1 (ko) | 세탁장치의 제어방법 | |
JP4044601B1 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2008253474A (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2008220621A (ja) | ドラム式洗濯乾燥機 | |
JP4800243B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2008220622A5 (ja) | ||
JP2008220623A (ja) | ドラム式洗濯乾燥機 | |
KR102493162B1 (ko) | 의류처리장치 및 그의 제어방법 | |
JP4695630B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP5515753B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JPH11156081A (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2008220624A (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2003164692A (ja) | 洗濯乾燥機 | |
KR20210115837A (ko) | 의류처리장치 및 그 제어방법 | |
JP2003164693A (ja) | 洗濯乾燥機 | |
JP2002102583A (ja) | 洗濯機 |